トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 金属製ガスケットを用いたシール方法及び金属製ガスケット
【発明者】 【氏名】▲吉▼島 一也

【氏名】大村 清治

【要約】 【課題】三面合わせ部はもとより、該三面合わせ部での段差に起因する隙間についてもこれを好適に密封可能な金属製ガスケットを用いたシール方法及び金属製ガスケットを提供する。

【解決手段】金属製ガスケット20は、中間板21と下部ビード板23と上部ビード板22とを備えている。上部及び下部ビード板22,23は、その板厚が0.2mmである。中間板21、上部及び下部ビード板22,23のうち中間板21のみをチェーン通路(開口)の内周まで張り出すように設け、その全周縁に段部21aを形成する。段部21aの上面及び下面に、室温硬化型シリコンゴム24をビード板22,23の板厚よりも厚く塗布する。これらビード板22,23には、段部21aに隣接し、上下方向に膨出するハーフビード部22a及び23aを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】シリンダブロック及びこのシリンダブロックに隣接して取り付けられるチェーンケースの上面とシリンダヘッドの下面との間に介設される金属製ガスケットを用いて、これらシリンダブロック及びチェーンケースとシリンダヘッドとの間をシールする金属製ガスケットを用いたシール方法において、前記シリンダヘッド及びチェーンケースの上面に掛け渡される第1の金属薄板とその第1の金属薄板上に積層される第2の金属薄板とを用い、それら第1及び第2の金属薄板には前記チェーンケースと前記シリンダブロックとにより形成されるチェーン通路に対応する部位に開口部を形成するとともに、同第1及び第2の金属薄板のうちの第2の金属薄板のみをその開口部の内周まで張り出させることで該開口部の周囲に段部を形成し、その段部に前記第1の金属薄板の厚みよりも厚くFIPGを塗布することを特徴とする金属製ガスケットを用いたシール方法。
【請求項2】請求項1記載の金属製ガスケットを用いたシール方法において、前記第1の金属薄板の前記段部に臨む端辺に予めビードを形成することを特徴とする金属製ガスケットを用いたシール方法。
【請求項3】請求項1または2記載の金属製ガスケットを用いたシール方法において、前記FIPGとして、室温硬化型のFIPGを用いることを特徴とする金属製ガスケットを用いたシール方法。
【請求項4】請求項3記載の金属製ガスケットを用いたシール方法において、前記第1の金属薄板の厚みを、前記段部に塗布するFIPGに大気中の水分を十分に浸透させ得るだけの厚みとすることを特徴とする金属製ガスケットを用いたシール方法。
【請求項5】請求項4記載の金属製ガスケットを用いたシール方法において、前記第1の金属薄板の厚みを0.2mm以上とすることを特徴とする金属製ガスケットを用いたシール方法。
【請求項6】シリンダブロック及びこのシリンダブロックに隣接して取り付けられるチェーンケースの上面とシリンダヘッドの下面との間に介設されて、それらシリンダブロック及びチェーンケースとシリンダヘッドとの間をシールする金属製ガスケットにおいて、前記シリンダヘッド及びチェーンケースの上面に掛け渡される第1の金属薄板と、該第1の金属薄板上に積層される第2の金属薄板とを備え、これら第1及び第2の金属薄板は、前記チェーンケースと前記シリンダブロックとにより形成されるチェーン通路に対応する部位に開口部を有するとともに、同第1及び第2の金属薄板のうちの第2の金属薄板のみがその開口部の内周まで張り出す形状を有して該開口部の周囲に段部を形成し、その段部にFIPGが塗布されてなることを特徴とする金属製ガスケット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば内燃機関のシリンダヘッドガスケットに採用される金属製ガスケットを用いたシール方法及び金属製ガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の金属製ガスケットとしては、例えば実開平3―27857号公報に記載のものが知られている。
【0003】この金属製ガスケットは、シリンダブロック及びこのシリンダブロックに隣接して取り付けられるチェーンケースの上面と、シリンダヘッドの下面との間に介設される。該ガスケットは、前記チェーンケースに形成されるチェーン通路及び前記シリンダブロックに形成されるシリンダ等の複数の開口部と対応する位置にそれぞれ貫通孔を有している。また、前記チェーン通路及び前記シリンダ内等の密封性を確保するため、該ガスケットには、前記各貫通孔の周縁にビードが形成されている。
【0004】ここで、前記シリンダブロックとチェーンケースとシリンダヘッドとからなる三面合わせ部では、シリンダブロック及びチェーンケースの寸法公差あるいは熱膨張差等により、僅かな段差の発生が不可避となっている。
【0005】そして従来、この段差部をシールする方法の1つとして、FIPG( Formed-in-Place Gasket)を用いる方法が知られている。このFIPGは、組み付け時には液状で塗布され、その後何らかの反応により弾性体となって、組付け部を接着するものである。
【0006】すなわち、上記公報に記載のガスケットにあっても、具体的には、当該ガスケットの前記三面合わせ部と対向する部分に、前記FIPGとしての室温硬化型シリコンゴムを設けている。このシリコンゴムは、室温において大気中の水分を浸透して液体状態からゴム状態に徐々に変化する性質を有するものである。このようなシリコンゴムを上記のように設けることにより、前記三面合わせ部の段差部においても該ガスケットのシール性能を保持可能としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようにFIPGを用いることで、金属製ガスケットにあっても、前記三面合わせ部の段差部でのシール性能を保持することはできる。
【0008】ところで、上述のようにシリンダブロックに隣接してチェーンケースが取り付けられる場合には、確かに前記三面合わせ部での段差は無視できないものとはなるが、こうして段差が生じる場合、上記チェーンケースの上面とシリンダヘッドの下面との間では、こうした三面合わせ部以外の部分においてもその合わせ面に隙間が生じ、この隙間に起因するシール性能の低下も無視できないものとなっている。
【0009】しかし、前記従来のガスケットにあっては、チェーン通路周縁において、前記三面合わせ部以外の部分はビードのみでシールする構造となっているため、上述した隙間を十分にシールすることができず、ひいてはその密封性を確保することも難しいものとなっている。
【0010】本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、三面合わせ部はもとより、該三面合わせ部での段差に起因する隙間についてもこれを好適に密封可能な金属製ガスケットを用いたシール方法及び金属製ガスケットを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための手段及びその作用効果について以下に記載する。請求項1に記載の発明は、シリンダブロック及びこのシリンダブロックに隣接して取り付けられるチェーンケースの上面とシリンダヘッドの下面との間に介設される金属製ガスケットを用いて、これらシリンダブロック及びチェーンケースとシリンダヘッドとの間をシールする金属製ガスケットを用いたシール方法において、前記シリンダヘッド及びチェーンケースの上面に掛け渡される第1の金属薄板とその第1の金属薄板上に積層される第2の金属薄板とを用い、それら第1及び第2の金属薄板には前記チェーンケースと前記シリンダブロックとにより形成されるチェーン通路に対応する部位に開口部を形成するとともに、同第1及び第2の金属薄板のうちの第2の金属薄板のみをその開口部の内周まで張り出させることで該開口部の周囲に段部を形成し、その段部に前記第1の金属薄板の厚みよりも厚くFIPGを塗布することを要旨とする。
【0012】上記方法によれば、シリンダブロック及びチェーンケースに対するシリンダヘッドの組み付け時、FIPGはそれらの三面合わせ部を含めて前記チェーン通路の上端全周縁の形状に倣って押し広げられる。この状態で該FIPGが弾性体に変化し、同チェーン通路の上端全周縁をシールするため、前述した段差や隙間等があったとしても、その密封性を好適に保持することができるようになる。また、第1の金属薄板が設けられることにより、上記組み付け後、FIPGは該第1の金属薄板の板厚相当の厚さを有しつつ、チェーンケースの膨張・収縮に対応して収縮・復元する。すなわち、上記密封性を長期にわたって保持することもできる。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の金属製ガスケットを用いたシール方法において、前記第1の金属薄板の前記段部に臨む端辺に予めビードを形成することを要旨とする。
【0014】上記方法によれば、FIPGの塗布時、第1の金属薄板のビードと第2の金属薄板との間に形成される空間にも該FIPGが入り込み、このFIPGが入り込んだ状態で上記の組み付けが行われるようになる。このため、金属製ガスケットとしての第1の金属薄板と第2の金属薄板との積層間のシール性をより向上させることができるようになる。また、前記チェーン通路はその上端全周縁をFIPG及びビードにより二重にシールされるようになるため、より好適にその密封性が保持されるようにもなる。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の金属製ガスケットを用いたシール方法において、前記FIPGとして、室温硬化型のFIPGを用いることを要旨とする。
【0016】上記方法によれば、FIPGを所定の位置に塗布した後、単にガスケットを所定の位置に組み付けさえすればよく、後はそのまま放置するか、その後の通常の作業を行っている間に、該FIPGが弾性体に変化していくこととなる。このため、FIPGの硬化のための何ら特別な作業工程を設ける必要がなくなる。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項3記載の金属製ガスケットを用いたシール方法において、前記第1の金属薄板の厚みを、前記段部に塗布するFIPGに大気中の水分を十分に浸透させ得るだけの厚みとすることを要旨とする。
【0018】前記室温硬化型のFIPGは、大気中の水分が浸透することにより液体状態からゴム状態へと変化する。このため、第1の金属薄板を上記の厚さに設定する同方法によれば、FIPGの大気に触れる表面積を大きく確保することができ、ひいてはこのFIPGのゴム状態への変化を確実に行わせることができるようになる。
【0019】請求項5に記載の発明は、請求項4記載の金属製ガスケットを用いたシール方法において、前記第1の金属薄板の厚みを0.2mm以上とすることを要旨とする。
【0020】上記方法によるように、第1の金属薄板の厚みを0.2mm以上に設定することで、前記FIPGは大気中の水分を十分かつ短時間で浸透させることができるようになる。このため、このFIPGのゴム状態への変化を確実に、そして短時間で行わせることができるようになる。
【0021】請求項6に記載の発明は、シリンダブロック及びこのシリンダブロックに隣接して取り付けられるチェーンケースの上面とシリンダヘッドの下面との間に介設されて、それらシリンダブロック及びチェーンケースとシリンダヘッドとの間をシールする金属製ガスケットにおいて、前記シリンダヘッド及びチェーンケースの上面に掛け渡される第1の金属薄板と、該第1の金属薄板上に積層される第2の金属薄板とを備え、これら第1及び第2の金属薄板は、前記チェーンケースと前記シリンダブロックとにより形成されるチェーン通路に対応する部位に開口部を有するとともに、同第1及び第2の金属薄板のうちの第2の金属薄板のみがその開口部の内周まで張り出す形状を有して該開口部の周囲に段部を形成し、その段部にFIPGが塗布されてなることを要旨とする。
【0022】上記構成によれば、チェーン通路の上端全周縁にFIPGによるシール性能の強化が施されるために、前述した三面合わせ部の段差はもとより、該段差に起因する隙間が生じている場合であっても、その好適な密封性が保持されるようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施の形態について、図1〜図5を参照して説明する。
【0024】はじめに、図1〜図4を参照して、同実施の形態にかかるシール方法及び金属製ガスケットの概要について説明する。なお、図1は上記ガスケットを組み付けた状態での概略を示す側面図、図2は同ガスケットの一部についてその平面構造を示す平面図、また図3は、図2の3―3線に沿った断面図である。
【0025】図1に示すように、この金属製ガスケット20はシリンダブロック11及びこのシリンダブロック11に隣接して取り付けられるチェーンケース12の上面と、シリンダヘッド13の下面との間に介設される。そして、シリンダブロック11及びチェーンケース12の下方にはオイルパン14が配設されている。これら各部材は、図示しないボルト等により複数の箇所で締結されており一体となっている。
【0026】チェーンケース12は、その水平断面が略コの字形状をしており、この断面略コの字形状の開口端側がシリンダブロック11の側面に当接して固定されることで図示しないカムシャフト駆動用のチェーンが走行するチェーン通路が形成されている。そして、チェーンの走行時には、オイルパン14内の潤滑油がこのチェーンに吹き付けられるようになっている。
【0027】一方、図2に示すように、金属製ガスケット20には、シリンダブロック11に形成される図示しない複数の燃焼室及びボルト穴等と対応する位置にボア孔30及びボルト挿入孔31等が設けられている。さらに、同ガスケット20には、前記チェーン通路と対応する位置に開口部としてのチェーン挿通孔32が設けられている。
【0028】また、図3に示すように、本実施の形態のシール方法に用いられる金属製ガスケット20は、第2の金属薄板としての中間板21と、この中間板21の下面に当接して積層される第1の金属薄板としての下部ビード板23と、中間板21の上面に当接して積層される第3の金属薄板としての上部ビード板22とを備えている。そして、上部及び下部ビード板22,23は、その板厚が0.2mmとなっている。
【0029】ここで、このガスケット20は、チェーン挿通孔32の周縁において、中間板21、上部及び下部ビード板22,23のうち中間板21のみを前記チェーン通路の内周まで張り出すように設けられている。これにより、チェーン挿通孔32の全周縁には段部21aが形成されることとなる。この段部21aの上面及び下面には、FIPGとしての室温硬化型シリコンゴム24がこれらビード板22,23の板厚よりも厚く塗布されている。さらに、これらビード板22,23のチェーン挿通孔32の全周縁には、段部21aに隣接すると共に上下方向に膨出するハーフビード部22a及び23aがそれぞれ設けられている。ここで、前記室温硬化型シリコンゴム24は、室温において空気中の水分を浸透して液体状態からゴム状態に徐々に変化する性質を有するものである。
【0030】そして、図4に示すように、このようなガスケット20をシリンダブロック11等に組み付けると、シリンダブロック11、チェーンケース12そしてシリンダヘッド13とからなる三面合わせ部の段差部Aを含めて前記チェーン通路の上端全周縁が室温硬化型シリコンゴム24によりシールされることとなる。
【0031】すなわち、組み付け時においては、シリコンゴム24はまだ液体状態であるため、このシリコンゴム24が段差部Aの形状に倣って押し広げられ、上部及び下部ビード板22,23のそれぞれの板厚程度の厚みを保った状態でシリコンゴム24が徐々にゴム状態に変化してゆく。このように、段差部Aを含めて前記チェーン通路の上端全周縁をシリコンゴム24によりシールすることで、このチェーン通路内の密封性を好適に保持することができるようになる。
【0032】また、ガスケット20は、中間板21と各ハーフビード部22a,23aとの間に形成される空間22b及び23bにもシリコンゴム24が入り込んだ状態で組み付けられるようになる。このため、ガスケット20の中間板21と各上部及び下部ビード板22,23との積層間のシール性を向上させることができるようにもなる。
【0033】しかも、このガスケット20をシリンダブロック11等に組み付けた後は、これをそのまま放置しておくか、その後の通常の作業工程を行っているうちに前記チェーン通路内の空気中の水分を浸透して室温硬化型シリコンゴム24がゴム状態に変化する。このため、室温硬化型シリコンゴム24の硬化のための何ら特別な作業工程を設ける必要もない。
【0034】次に図5を参照して、締結部の隙間と室温硬化型シリコンゴム24の硬化幅との関係を説明する。なお、この図5は、その幅が16mmの2つのフランジ部の対向する側面間に室温硬化型シリコンゴム24を充填し、24時間放置した後の端部からのシリコンゴム24の硬化幅を対向面間の間隔を変えて測定した結果をグラフに示したものである。
【0035】同図5のグラフに示すように、締結部の隙間が大きくなるに伴い、硬化幅が大きくなる傾向が見られる。つまり、締結部の隙間が大きくなると、大気に触れる表面積が大きくなり大気中の水分を浸透させやすくなる。この結果、室温硬化型シリコンゴム24が液体状態からゴム状態に早く変化するようになる。特に、締結部の隙間が0.2mm以上になると、このシリコンゴム24の硬化時間を短くすることができるようになる。本実施の形態において、この締結部の隙間は、金属製ガスケット20をシリンダブロック11等に組み付けた状態での上部及び下部ビード板22,23の各板厚に相当する。
【0036】以上詳述したように、この実施の形態にかかるシール方法及び金属製ガスケット20によれば、以下に示すような優れた効果が得られるようになる。
(1)金属製ガスケット20をシリンダブロック11等に組み付ける際には、室温硬化型シリコンゴム24は三面合わせ部を含めて前記チェーン通路の上端全周縁の形状に倣って押し広げられ、この状態で該シリコンゴム24がゴム状態に変化し前記チェーン通路をシールする。このため、シリンダブロック11及びチェーンケース12の寸法公差等があったとしても、このチェーン通路の密封性を好適に保持することができるようになる。
【0037】(2)また、上部及び下部ビード板22,23が設けられることにより、組み付け後にはシリコンゴム24はこれらビード板22,23の板厚相当の厚さを有することとなる。このため、シリコンゴム24はチェーンケース12の膨張・収縮に対応して収縮・復元し、前記チェーン通路の密封性を好適に保持することができるようになる。
【0038】(3)また、シリコンゴム24は組み付け時においては液体状態であるため、段部21aにシリコンゴム24を塗布する際の上下位置がずれたとしても中間板21には曲げ応力が生じない。このため、中間板21の板厚等を大きくすることで剛性を高くする必要がなく、ガスケット20の軽量化を図ることができるようになる。
【0039】(4)金属製ガスケット20は、中間板21と各ハーフビード部22a,23aとの間に形成される空間22b及び23bにもシリコンゴム24が入り込んだ状態で組み付けられるようになる。このため、ガスケット20の中間板21と各上部及び下部ビード板22,23との積層間のシール性を向上させることができるようになる。また、前記チェーン通路はその上端全周縁をシリコンゴム24及び各ハーフビード部22a,23aにより二重にシールされるようになるため、さらに好適にその密封性が保持されるようになる。
【0040】(5)室温硬化型シリコンゴム24をガスケット20の所定の位置に塗布してその後、このガスケット20を所定の位置に組み付けさえすればよく、後はそのまま放置するか、その後の作業工程を行っている間に、シリコンゴム24がゴム状態に変化していくため、特別な作業工程を設ける必要がない。
【0041】(6)上部及び下部ビード板22,23の板厚を0.2mmとし、室温硬化型シリコンゴム24の空気に触れる表面積を大きく確保することで、前記チェーンケース内の空気中の水分を十分に浸透させることができるようになる。このため、このシリコンゴム24のゴム状態への変化を十分に、そして短時間で行わせることができるようになる。
【0042】なお、上記実施の形態は例えば、以下のように構成を適宜変更することもできる。
・上記実施の形態では、上部及び下部ビード板22,23の板厚を共に0.2mmとしたが、この板厚はそれぞれ0.2mm以上であれば任意である。また、各ビード板22,23の板厚を等しく設ける必要もなく、例えば、下部ビード板23の板厚を上部ビード板22のそれよりも大きくして設けるようにしてもよい。この板厚は、要は、室温硬化型シリコンゴム24に大気中の水分を十分に浸透させることの可能な値であればよい。
【0043】・上記実施の形態では、室温硬化型シリコンゴム24を用いたが、FIPGとしてはこのシリコンゴムに限られるわけではない。組み付け時には液状で塗布され、その後室温にて何らかの反応により弾性体となるものであればよい。他に例えば、室温硬化型の樹脂等を用いてもよい。
【0044】・上記実施の形態では、上部及び下部ビード板22,23のチェーン挿通孔32の周縁にハーフビード部22a,23aを設けたが、このビード部22a,23aを設けない構成として変更してもよい。また、これらビード板22,23のうちどちらか一方のみにビード部を設ける構成として変更してもよい。
【0045】・上記実施の形態では、金属製ガスケット20は上部ビード板22(第3の金属薄板)を備える構成としたが、この上部ビード板22を備えない構成としてもよい。このとき、中間板21の上面に前記FIPGは塗布されないが、上記実施の形態に準じた効果を得ることはできる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成11年12月10日(1999.12.10)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
【公開番号】 特開2001−165321(P2001−165321A)
【公開日】 平成13年6月22日(2001.6.22)
【出願番号】 特願平11−352078