| 【発明の名称】 |
回転体のシール構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】瀬川 健三
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| 【要約】 |
【課題】回転体のシール構造において、オイルの外部漏洩を確実に防止することで信頼性の向上を図る。
【解決手段】回転軸27の軸端部を円筒ケース15に取付けられた仕切り蓋16の開口部28を通して内部に侵入するように配設し、この開口部28に回転軸27の外周面に圧接して外部へのオイルの漏洩を防止するオイルシール31を装着すると共に、回転軸27の外周面を支持する軸受メタル32をオイルシール31の外側に位置するように装着する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リング形状をなす基盤と該基盤に基端部が取付けられる筒部と該筒部の先端部に取付けられてリング形状をなす仕切り蓋とでケーシングが構成され、回転体の軸端部が前記仕切り蓋の開口部を通して前記ケーシング内に侵入するように配設され、該開口部に前記回転体の外周面に圧接して前記ケーシングの外部へのオイルの漏洩を防止するオイルシールが装着されたことを特徴とする回転体のシール構造。 【請求項2】 請求項1記載の回転体のシール構造において、前記仕切り蓋の開口部に、前記回転体の外周面を支持する軸受メタルが前記オイルシールの外側に位置するように装着されたことを特徴とする回転体のシール構造。 【請求項3】 請求項1記載の回転体のシール構造において、前記仕切り蓋の内側に、前記回転体の外周面と前記オイルシールとの圧接部へのオイルの流動を阻止するオイル受け板を設けたことを特徴とする回転体のシール構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、送風ファンの回転軸とケーシングとの間に設けられる回転体のシール構造に関する。 【0002】 【従来の技術】図3に従来の回転体のシール構造を表す高温ガスファンの断面を示す。 【0003】一般的な高温ガスファンにおいて、図3に示すように、軸受ケース101の端部にはバックケース102を介してクラッチケース103が取付けられている。軸受ケース101内に配設された図示しない送風機の回転軸104がバックケース102を通してクラッチケース103内に侵入し、この回転軸104に内輪105が固定されると共に、ねじポンプ106が取付けられている。また、内輪105の外周部には軸受107によって外輪108が回転自在に支持され、内輪105と外輪108との間に介装されたカムクラッチ109によって外輪108の回転力を内輪105に伝達可能となっている。そして、外輪108にチェーンホイール110が固定されている。一方、ターニングモータケース111内に配設された図示しないターニングモータの回転軸112がクラッチケース103内に侵入し、この回転軸112にはチェーンホイール113が固定されており、チェーンホイール110,113同志はチェーン114により駆動連結されている。 【0004】また、クラッチケース103内にはチェーンホイール110,113やチェーン114等が収容されることから、潤滑用オイルが図示しない供給路から供給されるようになっており、このオイルが外部に漏洩しないように、クラッチケース103におけるターニングモータの回転軸112の侵入部にはオイルシール115が設けられている。このオイルシール115は、断面コ字形状をなす円環状のシール本体116とばね117とによって構成され、クラッチケース103のハウジング118内に収納され、回転軸112の外周面に圧接している。 【0005】従って、送風機用モータを駆動すると、回転軸104と共にクラッチケース103内に位置する内輪105が回転駆動し、ねじポンプ106によってオイルが循環する。このとき、カムクラッチ109は一方向クラッチであるために内輪105から外輪108へ回転力は伝達されない。そして、送風機用モータの駆動を停止すると、熱及び自重等によって回転軸104が下方に撓む虞があるため、ターニング装置により回転軸104を低回転で回転しておく。即ち、ターニングモータを駆動すると、回転軸112と共にチェーンホイール113が回転し、その回転力がチェーン114を介してチェーンホイール110に伝達され、外輪108が回転する。すると、外輪108の回転力がカムクラッチ109によって内輪105に伝達され、この内輪105と一体の回転軸104が低回転で回転する。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上述したように、高温ガスファンには、回転軸104の変形を防止するためにターニング装置が設けられており、このターニングモータの回転軸112がクラッチケース103に侵入する部分にオイルシール115が設けられることで、オイルの外部漏洩を防止している。このオイルシール115はシール本体116のみが回転軸112の外周面に圧接してシールできるようにハウジング118と回転軸112との間には隙間Sが形成されている。ところが、オイルシール115は基端部がバックケース102を介して軸受ケース101に取付けられたクラッチケース103の先端部に取付けられている。そのため、バックケース102やクラッチケース103の各ボルトBの締結具合により、オイルシール115と回転軸112との軸心がずれて周方向で隙間Sが変化してしまい、オイルシール115が回転軸112の外周面に均一に圧接せず、確実にオイルの漏洩を防止することができないという問題がある。 【0007】本発明はこのような問題を解決するものであって、オイルの外部漏洩を確実に防止することで信頼性の向上を図った回転体のシール構造を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するための請求項1の発明の回転体のシール構造は、リング形状をなす基盤と該基盤に基端部が取付けられる筒部と該筒部の先端部に取付けられてリング形状をなす仕切り蓋とでケーシングが構成され、回転体の軸端部が前記仕切り蓋の開口部を通して前記ケーシング内に侵入するように配設され、該開口部に前記回転体の外周面に圧接して前記ケーシングの外部へのオイルの漏洩を防止するオイルシールが装着されたことを特徴とすることを特徴とする回転体のシール構造。 【0009】また、請求項2の発明の回転体のシール構造では、前記仕切り蓋の開口部に、前記回転体の外周面を支持する軸受メタルが前記オイルシールの外側に位置するように装着されたことを特徴としている。 【0010】また、請求項3の発明の回転体のシール構造では、前記仕切り蓋の内側に、前記回転体の外周面と前記オイルシールとの圧接部へのオイルの流動を阻止するオイル受け板を設けたことを特徴としている。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。 【0012】図1に本発明の一実施形態に係る回転体のシール構造が適用された高温ガスファンの断面概略、図2に本実施形態のシール構造を表す断面を示す。 【0013】本実施形態の高温ガスファンにおいて、図1に示すように、軸受ケース11の端部には連結筒12を介して基盤13が固定されており、この基盤13には取付ボルト14によりクラッチケース(ケーシング)を構成する円筒ケース15の基端部が固定されており、先端部には円盤状の仕切り蓋16が取付ボルト17により固定されている。そして、軸受ケース11内に配設された図示しない送風機用モータの回転軸18が連結筒12を通して円筒ケース(クラッチケース)15内にガイド筒19を通って侵入し、先端部に内輪20が固定されると共に、ねじポンプ21が取付けられている。 【0014】また、この内輪20の外周部には軸受22によって外輪23が回転自在に支持され、内輪20と外輪23との間にはカムクラッチ24が介装されている。このカムクラッチ24は一方向クラッチであって、外輪23の回転力のみを内輪20に伝達可能となっている。そして、外輪23にはねじポンプ21に対向してポンプフランジ25が取付けられている。また、外輪23の外周部には円環状のスプロケット26が嵌合して固定されている。 【0015】一方、ターニングモータケース42内に配設された図示しないターニングモータの回転軸(回転体)27が仕切り蓋16の開口部28を通して円筒ケース15内に侵入し、この回転軸27の先端部には円環状のスプロケット29が嵌合して固定されている。このスプロケット29はスプロケット26とほぼ同外径であって、各スプロケット26,29は外周部がチェーン30により駆動連結されている。 【0016】また、基盤13と円筒ケース15と仕切り蓋16とで構成されたクラッチケース内には各スプロケット26,29やチェーン30等が収容されることから、潤滑用オイルが図示しない供給路から供給されるようになっている。そして、この供給されたオイルがクラッチケースの外部に漏洩しないように、仕切り蓋16におけるターニングモータの回転軸27の貫通部にはオイルシール31及び軸受メタル32が設けられている。 【0017】即ち、回転軸27の外周部には、表面が高周波焼き入れすることで硬度が上がって耐摩耗性が向上したスペーサ33が嵌合している。一方、仕切り蓋16の開口部28にはオイルシール31が装着されており、このオイルシール31は、断面コ字形状をなす円環状のシール本体34と、リング状のばね35とによって構成され、シール本体34には補強材36が内蔵させると共に、ダストシール37が一体に形成されている。また、仕切り蓋16の外面には開口部28に沿って環状溝38が形成され、この環状溝38には軸受メタル32が係止し、固定ねじ39によって固定されている。 【0018】従って、オイルシール31はばね35によって回転軸27のスペーサ33の外周面に圧接すると共に、軸受メタル32の内周面がスペーサ33の外周面にほぼ隙間なく位置することとなり、クラッチケースからのオイルの外部漏洩が防止される。また、ダストシール37が軸受メタル32とスペーサ33との接触部に押圧して隙間を閉止することで、オイルの外部漏洩が防止されると共に、外部からの埃の侵入が阻止される。 【0019】また、仕切り蓋16の内側には、オイルシール31の外周辺に位置してオイル受け板40が固定される一方、スプロケット29にはこのオイル受け板40に延設されたフランジ部41が一体に形成されている。従って、スプロケット29等に付着したオイルは、このフランジ部41からオイル受け板40に流れ落ち、更に、下方に落下することとなり、オイルシール31へのオイルの流動が抑制されることとなり、オイルの外部漏洩の防止に寄与できる。 【0020】このように構成された高温ガスファンにて、送風機用モータを駆動すると、回転軸18と共に円筒ケース15内に位置する内輪20が回転駆動し、ねじポンプ21によってオイルが循環する。このとき、カムクラッチ24は一方向クラッチであるために内輪20から外輪23へ回転力は伝達されない。そして、送風機用モータの駆動を停止すると、熱及び自重等によって回転軸18が下方に撓む虞があるため、ターニング装置により回転軸18を低回転で回転しておく。 【0021】即ち、ターニングモータを駆動すると、回転軸27と共にスプロケット29が回転し、その回転力がチェーン30を介してスプロケット26に伝達され、外輪23が回転する。すると、外輪23の回転力がカムクラッチ24によって内輪20に伝達され、この内輪20と一体の回転軸18が低回転で回転する。 【0022】このような回転軸27の回転駆動時に、潤滑オイルが円筒ケース15内のスプロケット26,29やチェーン30などの要所に供給され下方に流れ落ちるが、オイルシール31側にて、このオイルはこのフランジ部41からオイル受け板40を介して落下することとなり、オイルシール31へのオイルの流動が抑制されて外部漏洩の防止に寄与できる。また、このオイルシール31は、仕切り蓋16に取付けられているため、円筒ケース15を固定する取付ボルト15の締結具合にかかわらず、円筒ケース15の先端部に対して仕切り蓋16を締結することで、回転軸27(スペーサ33)との軸心を適正に調整することができ、オイルシール31がスペーサ33の外周面に均一に圧接して確実にオイルの漏洩を防止することができる。 【0023】更に、このオイルシール31の外側に軸受メタル32を設けたことで、軸受メタル32とスペーサ33との隙間を微少にすることができ、且つ、この隙間にダストシール37を押圧することで、隙間がなくなってオイルの外部漏洩を確実に防止できると共に、外部からの埃の侵入を阻止できる。 【0024】なお、上述の実施形態では、本発明の回転体のシール構造を、高温ガスファンの回転軸28の軸受部に適用したが、適用部位はここに限定されるものではない。 【0025】 【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明の回転体のシール構造によれば、リング形状をなす基盤と基盤に基端部が取付けられる筒部と筒部の先端部に取付けられてリング形状をなす仕切り蓋とでケーシングを構成し、回転体の軸端部が仕切り蓋の開口部を通してケーシング内に侵入するように配設し、この開口部に回転体の外周面に圧接してケーシングの外部へのオイルの漏洩を防止するオイルシールを装着したので、回転体に対するオイルシールの位置決めを仕切り蓋の取付位置により設定することができ、両者の軸心を適正にしてオイルシールを回転体の外周面に均一に圧接させることで、確実にオイルの漏洩を防止して信頼性の向上を図ることができる。 【0026】また、請求項2の発明の回転体のシール構造によれば、仕切り蓋の開口部に、回転体の外周面を支持する軸受メタルをオイルシールの外側に位置するように装着したので、この軸受メタルにより回転体の外周面との隙間をなくすことで、確実にオイルの漏洩を防止して信頼性の向上を図ることができる。 【0027】また、請求項3の発明の回転体のシール構造によれば、仕切り蓋の内側に回転体の外周面とオイルシールとの圧接部へのオイルの流動を阻止するオイル受け板を設けたので、ケーシング内の潤滑オイルはオイル受け板を介して落下することとなり、オイルシールへのオイルの流動を抑制して外部漏洩の防止に寄与することができ、オイルシールの耐久性を向上することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月17日(1999.11.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078499 【弁理士】 【氏名又は名称】光石 俊郎 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−141073(P2001−141073A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月25日(2001.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−326449 |
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