トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 気密装置
【発明者】 【氏名】山田 雅史

【氏名】江沢 直也

【氏名】藤本 信義

【氏名】天野 敏之

【要約】 【課題】ケース内部に配置されている内部機器の交換が、短時間にかつ特殊な操作をすることなく容易にすることができる気密装置を提供する。

【解決手段】開閉扉を有する気密ケース100と、この気密ケースの内部に配置され、かつ外部より制御される機器200とを備え、前記機器が、前記気密ケースの内壁に着脱自在に固定されるとともに、前記開閉扉を介して交換されるように形成されている気密装置において、前記気密ケースの内壁面に、この内壁面と所定の間隔をもって配置されたレール状ガイド120を設けるとともに、前記内部機器に、前記レール状ガイドと気密ケースの内壁間に嵌合される突堤208を設け、前記内部機器の突堤部を、前記ガイドとケースの内壁面との間隙に沿って挿入させ、前記内部機器が所定位置に案内係止されるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 開閉扉を有する気密ケースと、該気密ケースの内部に配置され、かつ外部より制御される機器とを備え、前記機器が、前記気密ケースの内壁に着脱自在に固定されるとともに、前記開閉扉を介して交換されるように形成されている気密装置において、前記気密ケースの内壁面に、該内壁面と所定の間隔をもって配置されたレール状ガイドを設けるとともに、前記内部機器に、前記レール状ガイドと気密ケースの内壁間に嵌合される突堤を設け、前記内部機器の突堤部を、前記ガイドとケースの内壁面との間隙に沿って挿入させ、前記内部機器が所定位置に案内係止されるようにしたことを特徴とする気密装置。
【請求項2】 開閉扉を有する気密ケースと、該気密ケースの内部に配置され、かつ外部より電気的に制御される機器とを備え、前記機器が、前記気密ケースに着脱自在に固定されるとともに、前記開閉扉を介して交換されるように形成されている気密装置において、前記気密ケースの底壁面に、前記開閉扉側からケースの奥方向にのび、かつ底壁面と所定の間隔をもって配置されたレール状ガイドを設けるとともに、気密ケースの奥側の壁面に、電力供給または信号授受が行われる電気コネクタを設け、かつ前記内部機器に前記レール状ガイドと気密ケースの内壁面に嵌合される突堤を設けるとともに、内部機器の側部に、前記ケース壁面の電気コネクタと嵌め合わせられる電気コネクタを設け、前記内部機器の突堤部を、前記ガイドとケースの内壁面との間隙に沿って挿入させ、内部機器が所定位置に案内係止されるとともに、前記電気コネクタの嵌め合いが同時に行われるように形成したことを特徴とする気密装置。
【請求項3】 前記レール状ガイドの内部機器が挿入される側の端部が、その端部に向かう程、ガイドとケースの内壁面との間隙が次第に拡大するように形成されたものである請求項1または2記載の気密装置。
【請求項4】 前記ケース側に設けられている電気コネクタが、多少上下左右に自由に移動可能に形成されたものである請求項1または2記載の気密装置。
【請求項5】 前記内部機器が、光源装置を備えた顕微鏡であり、かつレンズの切換が外部からの信号により制御されるものである請求項1,2または3記載の気密装置。
【請求項6】 前記光源装置が、前記気密ケースの側壁を貫通して設けられるとともに、光源装置の光源を冷却する冷却水装置が、気密ケース外部となる位置に配置されたものである請求項5記載の気密装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気密装置の改良に係わり、特に内部機器が、気密ケースに着脱自在に固定され、開閉扉を介して交換されるように形成されている気密装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般に採用されているこの種の気密装置は、内部に例えば計測機器などの内部機器が配置された気密ケースを備え、これらの内部機器を気密ケースの側壁に設けられているグローブを介して操作あるいは作業をするようにしているが、このように形成されている気密装置は、グローブおよびグローブ取付け部の気密性を永年保つことが難しく、またグローブを介しての作業あるいは操作にはその自由度に限界があり、操作性に制限がある嫌いがある。
【0003】これに対して、これらの点が改良された気密装置として気密ケースの外部から信号を送り、制御するようにしたものがある。すなわち、気密ケースにこのケース壁を密封貫通して電力線や信号線を設けておくとともに、気密ケースの内部には機器とともに、機器を駆動あるいは制御する装置を設けておき、そして機器の制御は、これらの信号線を介して外部から行うようにするのである。
【0004】また、これらいずれの気密装置においても、この気密ケースの側壁に開閉扉が設けられており、この開閉扉を介して前記内部機器の交換あるいは補修が行われるように形成されているのが普通である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように形成されている気密装置,すなわち機器の制御を信号線を介して外部から行うようにした気密装置では、運転中においては、特に問題になることはないのであるが、しかし、この気密装置でも、前述したように内部機器の交換は開閉扉を開放し、その開口部を介して行なわれることから、比較的狭い空間を介しての内部機器の移動および所定位置の取付け固定あるいは取外し作業が難しくこれらの作業に多くの時間が費やされる嫌いがあった。
【0006】本発明はこれに鑑みなされたもので、その目的とするところは、ケース内部に配置されている内部機器の交換,すなわち内部機器の着脱が、短時間にかつ特殊な操作をすることなく容易にすることができるこの種の気密装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、開閉扉を有する気密ケースと、この気密ケースの内部に配置され、かつ外部より制御される機器とを備え、前記機器が、前記気密ケースの内壁に着脱自在に固定されるとともに、前記開閉扉を介して交換されるように形成されている気密装置において、前記気密ケースの内壁面に、この内壁面と所定の間隔をもって配置されたレール状ガイドを設けるとともに、前記内部機器に、前記レール状ガイドと気密ケースの内壁間に嵌合される突堤を設け、前記内部機器の突堤部を、前記ガイドとケースの内壁面との間隙に沿って挿入させ、前記内部機器が所定位置に案内係止されるようにし所期の目的を達成するようにしたものである。
【0008】また本発明は、開閉扉を有する気密ケースと、この気密ケースの内部に配置され、かつ外部より電気的に制御される機器とを備え、前記機器が、前記気密ケースに着脱自在に固定されるとともに、前記開閉扉を介して交換されるように形成されている気密装置において、前記気密ケースの底壁面に、前記開閉扉側からケースの奥方向にのび、かつ底壁面と所定の間隔をもって配置されたレール状ガイドを設けるとともに、気密ケースの奥側の壁面に、電力供給または信号授受が行われる電気コネクタを設け、かつ前記内部機器に前記レール状ガイドと気密ケースの内壁面に嵌合される突堤を設けるとともに、内部機器の側部に、前記ケース壁面の電気コネクタと嵌め合わせられる電気コネクタを設け、前記内部機器の突堤部を、前記ガイドとケースの内壁面との間隙に沿って挿入させ、内部機器が所定位置に案内係止されるとともに、前記電気コネクタの嵌め合いが同時に行われるように形成したものである。
【0009】また、この場合、前記レール状ガイドの内部機器が挿入される側の端部を、その端部に向かう程、ガイドとケースの内壁面との間隙が次第に拡大するように形成したものである。また、前記内部機器側に設けられている電気コネクタを、多少上下左右に自由に移動可能に形成したものである。また、前記内部機器が、光源装置を備えた顕微鏡であり、かつレンズの切換が外部からの信号により制御されるものに適用するようにしたものである。また、前記光源装置を、前記気密ケースの側壁を貫通して設けるとともに、光源装置の光源を冷却する冷却水装置を、気密ケース外部となる位置に配置するようにしたものである。
【0010】すなわちこのように形成された気密装置であると、気密ケースの内壁面に、この内壁面と所定の間隔をもって配置されたレール状ガイドが設けられ、また内部機器側には前記レール状ガイドと気密ケースの内壁面間の隙間嵌合される突堤が設けられ、そしてこの内部機器の突堤部を、前記ガイドとケースの内壁面との間隙に沿って装出入させることにより、内部機器は所定位置に案内され、かつ係止されるので、この内部機器をガイドに合わせて移動するだけで、内部機器は周囲のケース壁に擦る恐れもなく所定の位置に配置、あるいは所定の位置から気密ケース外部に取り出すことができ、内部機器の交換を、短時間にかつ容易に行うことができるのである。それも、特殊な工具や特殊な操作をすることなく行うことができるのである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1にはその気密装置が断面で示されている。100が気密ケースであり、200が顕微鏡,すなわち内部機器、300が制御装置、400が通信装置である。気密ケース100は、その側壁部に開閉可能な開閉扉(気密扉)110を有している。この気密扉110はシール111を介して気密ケース100に取付けられているため、閉めた状態では気密ケース内部は気密に保たれる。
【0012】また、気密ケース100の内部には、ガイドレール120が設けられており、顕微鏡200をガイドし、所定の位置に位置決めすることができる。すなわち、詳細は後述するが、顕微鏡200に、前記ガイドレールと気密ケースの内壁間に嵌合される突堤が設けられ、この突堤部を、ガイドレールとケースの内壁面との間隙に沿って挿入させ、前記内部機器が所定位置に案内係止されるのである。
【0013】顕微鏡200は、実験サンプル220を観察するための内部機器であり、この顕微鏡200は実験サンプル220を固定し、所望の位置に移動可能なXZテーブル210、このテーブルを駆動するためのアクチュエータ211を備え、ステージ210には実験サンプル220の温度計測のための温度センサ212が取付けられている。この温度センサを使い、顕微鏡ステージの温度制御を行うことにより、環境温度に敏感な実験サンプル(例えば生体試料)を適切な温度に維持しながら実験、観察が可能となる。
【0014】また、顕微鏡200には、実験サンプル220の画像を取り込むための対物レンズ261、この対物レンズが取付けられ、所望の倍率に対応する対物レンズを回転して選択できるリボルバ260、このリボルバを回転させるためのアクチュエータ262、対物レンズからの画像を撮像するためのカメラ263を備えている。この画像信号は信号ライン264を経て電気コネクタ240に導かれる。また、顕微鏡には操作スイッチ250が設けられており、先に述べたXZステージ210の操作やリボルバ260の回転、カメラ263の画像の操作等を行うことができる。
【0015】なお、この操作信号242は電気コネクタ240および140を介して、外部に設置された制御装置300に接続されている。なお、電気コネクタ140には位置決めピン141が設けてあり、顕微鏡200をガイドレール120に沿って挿入した時点で、ガイドピン141の先端が相手方の電気コネクタ240に設けられたガイド穴(本図では図示省略)に挿入され、さらに顕微鏡を挿入することにより、電気コネクタ240および140はガイドピン141により位適切に置決めされ、コネクタの接続が完了する。
【0016】なお、電気コネクタ140は気密ケース100に固定されているが、電気コネクタ240は顕微鏡200に対して適切なガタを持たせて取付けられている。すなわち、電気コネクタが、多少上下左右に自由に移動可能に形成されている。このため、顕微鏡200をガイドレール120に沿って位置決めした際に発生する位置決め誤差は吸収され、円滑なコネクタ結合を実現することができる。
【0017】さらに顕微鏡200には、光源装置が気密ケースの側壁を貫通して設けられている。すなわち外部から光を取り込むための受光口230が備えられており、顕微鏡200をガイドレール120に沿って挿入し、位置決めすることにより、受光口230は気密ケース100の奥に設置された光源口135に嵌合し、外部光源から発せられた光を顕微鏡200に導くことができる。
【0018】光源130にはランプ133およびこのランプに電源を供給するための電源配線134が接続されている。また、光源にはランプ133の発熱による過熱を防ぐため、水冷ジャケット131および水配管132が設けられている。ここで冷却ジャケットを気密ケース100の外部に設置することにより、気密ケース内への冷却水の漏洩を防止できる。また、光源からの発熱により、温度的にデリケートな実験サンプル220(例えば、生体試料)を好ましい飼育環境に保つことができる。
【0019】制御装置300には顕微鏡を操作するための外部スイッチ310が設けられており、顕微鏡200の操作を気密ケース100の外から行うことができる。気密ケース100は通常、実験サンプル220の操作や顕微鏡200の操作のため、外部から人間がグローブ(図示省略)を介して行うが、操作スイッチを外部に設けることで、グローブを介すことなく、外部から容易に顕微鏡を操作することが可能となる。
【0020】さらに制御装置300を信号ライン320を介して通信装置400に接続することにより、気密ケース内の顕微鏡を、遠隔操作することが可能となる。例えば、気密ケース100を宇宙ステーションに設置し、地上から軌道上の顕微鏡を操作することが可能となる。
【0021】次に図2および図3を用いて顕微鏡200を気密ケース100に位置決めする方法について説明する。図2に示されているように、顕微鏡200には突堤208が設けられており、この突堤のY1面201は顕微鏡200のY方向(奥行き方向、座標系を図2中に示す)の位置基準となる、底面202は顕微鏡200のであり顕微鏡のZ方向(高さ方向)の基準面である。また、Z1面203は顕微鏡200の浮き上がりを防止するためのストッパの役目を果たし、X1面204は、顕微鏡をX方向(横方向)に位置決めするための役目を果たす。
【0022】次に図3において、ガイドレール120は気密ケース100に設けられ、顕微鏡200を案内し、位置決めするための機構である。ガイドレール120は開口部h3を有し、テーパ面123を経て高さh2のZ2面122に連なる。ここで図2で説明した顕微鏡200をガイドレール120の開口部から挿入すると、顕微鏡底面202は気密ケース底面101の上を滑りながら挿入される。
【0023】このとき、顕微鏡のZ1面203はガイドレールのZ2面123に案内され、次いでZ2面122にガイドされ、顕微鏡のY1面がガイドレール120のY2面121に当たり、Y方向の位置決めが完了し、これと同時にZ方向の位置決めも完了する。また、この過程で、顕微鏡のX1面204はガイドレールのX2面124にガイドされながら挿入されるため、X方向の位置決めもなされる。以上の原理により、顕微鏡200はXZの3方向について、気密ケース100に位置決めされる。
【0024】次に、図4を用いて電気接続の方法を説明する。この図において、100は気密ケース、200は顕微鏡であり、前述の方法により、顕微鏡を挿入している途中の状態を示している。ここで顕微鏡200は電気コネクタ240を有しており、これはバネ244により弾性的に顕微鏡200に取付けられている。コネクタ240には電気接点のオスに当たるピン243を有している。ピン243は顕微鏡200内の機器に信号ライン242で接続されている。
【0025】一方、気密ケースには電気コネクタ140が取付けられており、コネクタ140は位置決めピン141、電気接点のメスに当たるソケット143を有している。ここで、顕微鏡200をさらに挿入すると、位置決めピン141が位置決め穴241に挿入され、電気コネクタ240および140の相対位置を合せ、さらに挿入することによりピン243がソケット143に挿入され電気的接続が完了する。ここで、コネクタ同志を正しく位置決めするために、気密ケース100側は、Z方向の位置基準面101からコネクタ140の位置決めピン141までの高さH2と、顕微鏡側の位置決め基準面202から電気コネクタ240の位置決め穴241までの高さH1を等しく設定することにより、Z方向のコネクタ同志の位置を合せることができる。
【0026】また、これと同様に図示は省略するが、X方向についても気密ケース100、顕微鏡200の各々の基準面とそれぞれの電気コネクタの位置決めピン及び位置決め穴までの寸法を等しくすることにより、位置決めが可能である。なお、Y方向については、顕微鏡200のY1面が気密ケースのY2面に当たり、Y方向の位置決めが完了した時点で、電気コネクタ140と240の勘合が完了する位置関係となるよう、コネクタを設置すれば良い。
【0027】以上説明してきたようにこのように形成された内部機器の交換機能および制御機能を有する気密装置であると、次のような効果がある。
【0028】(1)気密装置内に内部機器を短時間に、かつ特殊な操作をすることなく容易に着脱自在に設置することができる。
【0029】(2)内部機器に必要なリソースを気密装置外部から供給でき、内部機器の運転に必要な付属機器を気密装置の外部に設置できるため、高機能な内部機器、例えば位相差・蛍光顕微鏡等の高機能装置を気密装置に収納して運転することができる。
【0030】(3)内部機器の運転に必要な付属機器を気密ケースの外部に設置できるため、気密ケースを小型化できる。
【0031】(4)同様に内部機器の運転に必要な付属機器を気密ケースの外部に設置できるため、気密装置内での電源ノイズ、光源を冷却するための冷却水の漏洩の心配がなくなり、気密装置内の汚染、実験試料への悪影響を防ぐことができる。
【0032】(5)内部機器の操作が気密装置内部だけでなく、気密装置の外部または遠隔地からでも操作可能となるため操作性が向上するのである。
【0033】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれば、ケース内部に配置されている内部機器の交換,すなわち内部機器の着脱が、短時間にかつ特殊な操作をすることなく容易にすることができるこの種の気密装置を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】000119933
【氏名又は名称】宇宙開発事業団
【出願日】 平成11年11月18日(1999.11.18)
【代理人】 【識別番号】100068504
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男 (外1名)
【公開番号】 特開2001−141058(P2001−141058A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願平11−327742