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【発明の名称】 真空シール構造
【発明者】 【氏名】森田 晋作

【要約】 【課題】真空を内在する配管をフランジに溶接する必要がなく、製造ならびに保守・交換が容易な真空シール構造を提供する。

【解決手段】接続部材13、43の端部に、軸心方向に直角な方向に伸延した形で鍔部13a、43aを形成し、鍔部の接続面側に、外周部の肉厚が外側にゆくほど小さくなる形でガスケット当接面13b、43bを形成し、ガスケット当接面間にガスケットを配置し、フランジ21、21′でそのガスケットを挟圧保持する。接続部材43、13とフランジ間を相互に固定する必要がないので、固定のための溶接、封着時のトラブルが生じることがなく、また、接続部材が破損した場合にはそれ自身のみを交換すればよくメンテナンスが容易である。溶接性、放出ガス等の高度の特性が要求される真空用材料は、接続部材のみの使用でよく、フランジの材質は限定されないため、安価に製作でき、接続部材と支持部材を溶接する必要がないため、支持部材は再利用可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の接続部材と第2の接続部材を有し、前記第1及び第2の接続部材の間にガスケットを設け、該ガスケットを第1及び第2の支持部材により挟圧することにより、それら第1及び第2の接続部材の接続部をシールする真空シール構造において、前記第1及び第2の接続部材の端部に、当該管の軸心方向に直角な方向に伸延した形で鍔部を環状に形成し、該鍔部の接続面側に、該鍔部の外周部の肉厚が外側にゆくほど小さくなる形でガスケット当接面をそれぞれ形成し、前記第1及び第2の接続部材のガスケット当接面間に前記ガスケットを配置すると共に、前記第1の支持部材と第2の支持部材間に前記第1及び第2の接続部材の鍔部を前記ガスケットと共に配置し、前記第1及び第2の支持部材を締め付け部材にて締め付けることにより、前記第1及び第2の接続部材のガスケット当接面間に前記ガスケットを挟圧保持してなる真空シール構造。
【請求項2】 第1の接続部材と第2の接続部材を有し、前記第1及び第2の接続部材の間にガスケットを設け、該ガスケットを第1及び第2の支持部材により挟圧することにより、それら第1及び第2の接続部材の接続部をシールする真空シール構造において、前記第1又は第2の接続部材の端部に、当該管の軸心方向に直角な方向に伸延した形で鍔部を環状に形成し、該鍔部の接続面側に、該鍔部の外周部の肉厚が外側にゆくほど小さくなる形でガスケット当接面をそれぞれ形成し、前記第1の支持部材と第2の支持部材間に前記鍔部の形成された接続部材の鍔部を前記ガスケットと共に配置し、前記第1及び第2の支持部材を締め付け部材にて締め付けることにより、前記鍔部の形成された接続部材のガスケット当接面と該ガスケット当接面と対向する支持部材間に前記ガスケットを挟圧保持してなる真空シール構造。
【請求項3】 前記第1又は第2の接続部材の鍔部の、ガスケット当接面の反対側に支持部材当接面を、前記接続部材の軸心方向に直角な方向に平行に形成して構成した請求項1又は2記載の真空シール構造。
【請求項4】 前記第1又は第2の接続部材の鍔部には、ナイフエッジが形成されている、請求項1又は2記載の真空シール構造。
【請求項5】 前記支持部材当接面が形成された前記接続部材に対応する支持部材には、前記接続部材の軸心方向に直角な方向に平行に側壁が、前記支持部材当接面と当接係合し得る形で形成されている、請求項3記載の真空シール構造。
【請求項6】 前記第1の接続部材は、前記鍔部が形成された側と反対側の端部が閉塞されたブランク体である、請求項1記載の真空シール構造。
【請求項7】 前記第1又は第2の支持部材には、該支持部材を該支持部材に対応する前記第1又は第2の接続部材に対して固定する固定手段が設けられている、請求項1又は2記載の真空シール構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気に対して真空状態を維持する真空シール構造に係り、詳しくは、真空槽と他の部材又は、接続部材と接続部材を真空状態を維持して連結する際などに有用な真空シール構造に関する。
【従来の技術】真空蒸着装置、スパッタリング装置、プラズマ発生装置、高真空実験装置などの各種真空装置に、フランジを介して監視窓(ビユーイングポート)などの部品を真空シールして取り付けることが従来から行なわれている。
【0002】第17図は、従来のビユーイングポート41′の取り付け構造を示す断面図である。
【0003】図中、13は真空シール構造に連結される配管であり、その下端は図示を省略する真空槽に溶接され、その上端は真空シール構造の一部を構成するナイフエッジ型の本体側フランジ11の内周に突出した突出部11eと溶接(13aは溶接部を示す。)されている。前記本体側フランジ11の上面には、ナイフエッジ11dが形成されている。
【0004】一方、ビユーイングポート41′は、ナイフエッジ型の外側フランジ23にコバール製の円筒体71を溶接(73は溶接部を示す。)し、この円筒体71にガラス板45を封着(47は封着部を示す。)してなり、このガラス板45を通して真空室の内部を観察する。ビユーイングポート41′は、前記外側フランジ23と本体側フランジ11との間に金属ガスケット33を挟み込んで圧締することによりナイフエッジ11dを金属ガスケット33にくい込まさせて真空シールを実現している。
【0005】このように、ビユーイングポート等の、異種の部品又は異種の材料(被真空シール体)を真空シールして取り付ける際には、フランジとガスケツトとを用いたシール構造を利用し、外側フランジ23に異種の部品又は異種の材料を溶接又は封着することにより真空シールを実現している。
【0006】第18図は、従来の接続部材と接続部材を真空状態を維持して連結する構造を示す断面図である。
【0007】図中、13’及び71’は真空シール構造に連結される配管であり、それらの端は、フランジ23及び23’に溶接され、該フランジ23及び23’の各端には、真空シール構造の一部を構成するナイフエッジ23d及び23d’が各々形成されている。そして、前記フランジ23及びフランジ23’との間に金属ガスケット33′を挟み込んで圧締することによりナイフエッジ23d及び23d’を金属ガスケット33′にくい込まさせて真空シールを実現している。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述のシール構造の場合には、フランジと配管や円筒体などの間での溶接工程又は封着工程を必要とするためコストの上昇を招き、更に、溶接や封着の際に部品の損傷を発生する可能性があった。そして、真空装置の装着後、ガラス板45等の部品の一部を破損したときは、外側フランジ23、該外側フランジ23と溶接した円筒体71及び該円筒体71と封着したガラス板45により構成されるビユーイングポート41’ごと、又は管71’とフランジ23ごと交換しなければならないため、メンテナンス費用が増大していた。
【0008】従って、本発明は、真空を内在する配管をフランジに溶接する必要がなく、製造ならびに保守・交換が容易な真空部品等のシール構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、第1の接続部材(43)と第2の接続部材(13)を有し、前記第1及び第2の接続部材の間にガスケット(31)を設け、該ガスケットを第1及び第2の支持部材(21、21′)により挟圧することにより、それら第1及び第2の接続部材の接続部をシールする真空シール構造において、前記第1及び第2の接続部材の端部に、当該接続部材の軸心方向に直角な方向に伸延した形で鍔部(13a、43a)を環状に形成し、該鍔部の接続面側に、該鍔部の外周部の肉厚が外側にゆくほど小さくなる形でガスケット当接面(13b、43b)をそれぞれ形成し、前記第1及び第2の接続部材のガスケット当接面間に前記ガスケットを配置すると共に、前記第1の支持部材と第2の支持部材間に前記第1及び第2の接続部材の鍔部を前記ガスケットと共に配置し、前記第1及び第2の支持部材を締め付け部材(15)にて締め付けることにより、前記第1及び第2の接続部材のガスケット当接面間に前記ガスケットを挟圧保持して構成される。
【0009】請求項2の発明は(図15及び図16参照)、第1の接続部材(71)と第2の接続部材(13)を有し、前記第1及び第2の接続部材の間にガスケット(31、33)を設け、該ガスケットを第1及び第2の支持部材(23、21′)により挟圧することにより、それら第1及び第2の接続部材の接続部をシールする真空シール構造において、前記第1又は第2の接続部材の端部に、当該管の軸心方向に直角な方向に伸延した形で鍔部(13a)を環状に形成し、該鍔部の接続面側に、該鍔部の外周部の肉厚が外側にゆくほど小さくなる形でガスケット当接面(13b)をそれぞれ形成し、前記第1の支持部材と第2の支持部材間に前記鍔部の形成された接続部材の鍔部(13a)を前記ガスケット(31、33)と共に配置し、前記第1及び第2の支持部材を締め付け部材にて締め付けることにより、前記鍔部の形成された接続部材(13)のガスケット当接面(13b)と該ガスケット当接面と対向する支持部材(23)間に前記ガスケットを挟圧保持して構成される。
【0010】請求項3の発明は、前記第1又は第2の接続部材の鍔部の、ガスケット当接面の反対側に支持部材当接面(13d、43d)を、前記接続部材の軸心方向に直角な方向に平行に形成して構成される。
【0011】請求項4の発明は、前記第1又は第2の接続部材の鍔部には、ナイフエッジ(14)が形成されて構成される。
【0012】請求項5の発明は、前記支持部材当接面が形成された前記接続部材に対応する支持部材(21、21′)には、前記接続部材の軸心方向に直角な方向に平行に側壁(21h、21h′)が、前記支持部材当接面と当接係合し得る形で形成されて構成される。
【0013】請求項6の発明は、前記第1の接続部材(43)は、前記鍔部が形成された側と反対側の端部が閉塞されたブランク体(49)で構成される。
【0014】請求項7の発明は、前記第1又は第2の支持部材(21、21′)には、該支持部材を該支持部材に対応する前記第1又は第2の接続部材に対して固定する固定手段(21n)が設けられて構成される。
【0015】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、第1及び第2の接続部材の環状の鍔部(13a、43a)のガスケット当接面(13b、43b)間にガスケット(31)を配置して、それらを第1及び第2の支持部材(21、21′)で締め付けることにより、簡単にシール構造を得ることが出来る。
【0016】また、この真空シール構造によれば、第1の接続部材(43)と第2の接続部材(13)と第1及び第2の支持部材(21、21′)を相互に固定する必要がないので、固定のための溶接、封着時のトラブルが生じることがなく、また、第1の接続部材(43)と第2の接続部材(13)が破損した場合にはそれ自身のみを交換すればよくメンテナンスが容易である。
【0017】更に、溶接性、放出ガス等の高度の特性が要求され高価である真空用材料は、接続部材のみの使用でよく、支持部材(21、21′)の材質は限定されないため、真空シール構造が安価に製作できると共に、接続部材と支持部材を溶接する必要がないため、支持部材は再利用可能であり、経済的である。
【0018】また、ガスケットが当接するガスケット当接面(13b、43b)は、第1及び第2の接続部材(13、43)に形成されるので、第1及び第2の支持部材(21、21′)側にテーパ加工などの精密加工を行う必要がない。特に、第1及び第2の支持部材(21、21′)を、図2及び図5に示すような複数に分割した構成にした場合に、分割状態の支持部材(21、21′)に対してそうした精密加工を行わずに済むので、加工手間やコストの面で極めて有効である。
【0019】請求項2の発明によると、請求項1と同様の効果を達成することが出来るが、鍔部(13a)を第1又は第2の接続部材のどちら一方に形成されれば足りるので、既存の配管に対して、本発明によるシール構造を用いた更新が容易になる。
【0020】請求項3の発明によると、接続部材(13、43)を締め付ける支持部材側の当接部分を、単純な平面形状に加工するだけで済むので、支持部材の形状の単純化が図れると共に、加工が容易になる。
【0021】請求項4の発明によると、ナイフエッジ(14)により、従来タイプのガスケットを使用可能となるので、従来タイプのガスケットのみを使用している既存設備などの補修用などに使用することが可能となり、利便性の向上に寄与することが出来る。
【0022】請求項5の発明によると、側壁(21h、21h′)により円滑に接続部材を締圧保持することが出来る。
【0023】請求項6の発明によると、ブランク体(49)により、ブランク体(49)と支持部材(21)を分離することが出来るので、従来支持部材とブランク体が一体的に形成されていたブランク部材と異なり、真空に曝されない支持部材(21)には、ステンレスなどの通常の金属を使用することが出来、貴重な金属の使用量を抑え省資源に寄与することが出来る。
【0024】請求項7の発明によると、固定手段(21n)により、支持部材(21、21′)を接続部材に対して固定することが出来るので、支持部材の締め付け作業などを容易に行うことが出来る。
【0025】なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って本発明の実施の形態について説明する。尚、第1図は本発明の構成を示しているが、従来例と同一機能を有するものは同一符号、同一名称を使用して説明する。
【0027】第1図は真空シール構造の実施の形態を示す正面断面図であり、被真空シール体(真空シール部品)として円形のビユーイングポート41を用いた場合を示すものである。ビユーイングポート41は、覗き窓として機能するガラス板45と、前記ガラス45と熱膨張係数が近いコバール等の金属製の円筒体43とからなり、ガラス板45と円筒体43の上端部は、ガラスにより封着(47は封着部を示す)されて真空シールされている。円筒体43の他端部である図中下方部は、円筒の軸心方向である矢印A、B方向に対して直角な放射方向外側に約90°屈曲形成され、図6に示すように円弧状の屈曲部43cが形成されており、さらにその先端側には円環状の鍔部43aが形成されている。鍔部43aの管接続面側である図6下面側の、外周部には、図6及び図7に示すように、その外周部の肉厚t1が外側にゆく程小さくなる形の勾配αが全周にわたり形成されており、当該勾配α部分によりガスケット当接面43bが形成されている。勾配αは、通常15°〜25°程度で形成されるが、典型的には20°である。また、ガスケット当接面43bの反対側には、フランジ当接面43dが、円筒体43の軸心方向である矢印A、B方向に直角な方向に平行に形成されている。
【0028】円筒体43の周囲にはフランジ21が、円筒体43に対して矢印A、B方向に移動可能な形で嵌入係合しており、フランジ21は、図2に示すように、全体が円環状に形成された本体21aを有している。本体21aは、図2に示すように、全体が4個の円弧状のパーツ21bに分割されており、各パーツ21bには、各4個のボルト穴21cが貫通穿設されている。各パーツ21bは、図5に示すように、その両端部に肉厚が他の部分の半分に形成されたオーバーラップ部21d、21eが、両端部でその突出位置が上下にずれた形で形成されており、オーバーラップ部21dは、隣接するパーツ21bのオーバーラップ部21eと、互いのボルト穴21cを整合させる形で係合することが出来る。このように、互いに隣接するパーツ21bのオーバーラップ部21d、21eを重ねて接続することにより、全体的には図2に示す円環状の本体21aが形成される。
【0029】フランジ21の本体21aの図1下部のシール面21f側には、図6及び図7に示すように、シール溝21gが形成されており、シール溝21gはフランジ21、従って、円筒体43の軸心方向である矢印A、B方向に直角な方向に平行に形成された円盤状の内周側壁21hと、該軸心方向に平行に形成された短円筒状の外周側壁21iを有している。内周側壁21hの内側とフランジ21の内壁21kとの間には、円筒体43の屈曲部43cの曲率に対応した曲率で面取り部21mが両者を連絡する形で形成されている。シール溝21gには、前述の円筒体43の鍔部43aが、鍔部43aのガスケット当接面43bとは反対側に形成されたフランジ当接面43dを内周側壁21hに当接係合させる形で嵌入係合している。
【0030】また、ビューングポート41の図1下部には、真空装置本体(不図示)もしくは真空槽(不図示)から伸延する配管13が、本発明による真空シール構造により真空シールされる形で接続されており、配管13の図1上部、即ち先端部は、円筒体43と同様に、配管13の軸心方向である図1矢印A、B方向に直角な方向である放射方向外側に約90°屈曲形成され、図6に示すように円弧状の屈曲部13cが形成されており、さらにその先端側には円環状の鍔部13aが形成されている。鍔部13aの接続面側である図6上面側の、外周部には、図6及び図7に示すように、その外周部の肉厚t1が外側にゆく程小さくなる形の勾配αが全周にわたり形成されており、当該勾配α部分によりガスケット当接面13bが形成されている。勾配αは、通常15°〜25°程度で形成されるが、典型的には20°である。
【0031】配管13の周囲には、フランジ21と同様な構成のフランジ21′が、矢印A、B方向に移動可能な形で嵌入係合している。なお、フランジ21と同様な部分は、既にフランジ21で説明した部分に付した記号に単に記号「′」を付して、当該部分の説明を省略する。シール溝21g′には、前述の鋼管13の鍔部13aが、鍔部13aのガスケット当接面13bとは反対側に形成されたフランジ当接面13dを内周側壁21h′に当接係合させる形で嵌入係合している。
【0032】フランジ21、21′は、図1に示すように、各ボルト穴21c、21c′に貫通挿入された締結用ボルトナット15で締結されており、それら締結されたフランジ21、21′間のシール溝21g、21g′に嵌入された円筒体43及び配管13の鍔部43a、13aの間には、円環状のガスケット31が、図6に示すように、鍔部43a、13aのガスケット当接面43b、13bにボルトナット15の締結力による所定のシール圧で図中上下方向に挟圧保持された形で設けられている。ガスケット31は、ガスケット当接面43b、13bに形成された勾配により、未使用状態の図4に示す四角形状の断面が、点X及びYでガスケット当接面43b、13bと当接することにより塑性変形し、また、その外周部31aが各フランジ21、21′のシール溝21g、21g′の外周側壁21i、21i′と所定の押圧力で当接する状態で配置され、これにより、円筒体43のガスケット当接面43bとガスケット31との圧接部A(第6図)、および配管13のガスケット当接面13bとガスケット31の圧接部Bで両者間がシールされ、ガスケット31の内周面側31cが外部に対して真空シールされる。尚、圧接部A及び圧接部Bは、既に述べたように、ガスケット31の内側の角部X及びY(第4図)が圧締されることにより塑性変形して、円筒体43のガスケット当接面43b及び配管13のガスケット当接面13bの勾配に倣って変形された状態になったものである。
【0033】また、第1図、第6図及び第7図では外周側壁21i、21i′は垂直面としたがテーパ面としてもよい。更に、第1図及び第6図では、鍔部13a、43aのガスケット当接面13b、43bを鍔部外側に下る勾配面(鍔部13a、43a全体で見ると、緩いテーパ面となる)のみで形成したが、図8に示すように、勾配面の内方にナイフエッジ14を環状に形成し、該ナイフエッジ14により、従来型のガスケットでも、図14に示すように、当該ナイフエッジ14で図中上下から挟み込む形で使用可能なように構成することもできる。
【0034】なお、配管13及び円筒体43の屈曲部13c、43cの曲率はフランジ21、21′側の面取り部21m、21m′の曲率と一致している必要はない。更に、曲率の大小は無関係であり、曲率が小さい場合には、屈曲部13c、43cは、折り曲げたような外観を呈する。また、各鍔部13a、43aのフランジ当接面13d、43dとフランジ21、21′の内周側壁21h、21h′とは面接触している必要はない。
【0035】各部材の素材は特に問わないが、その一例を挙げればフランジ21、21′がステンレス、金属ガスケツト31が無酸素銅、鍔部43aを含めて円筒体43がコバールなどの金属である。なお、コバールはガラス板45との封着を前提として選定されているので、被真空シール体がビューイングポート41以外のものとなれば、それに応じて他の封着可能な素材が選択される。
【0036】ビューイングポート41は上記のような構成を有するので、ビューングポート41の組立に際しては、まず円筒体43及び配管13の周囲に、フランジ21、21′を、各4個のパーツ21bを図5に示す形で相互に接続してボルトナット15(締付手段)により図1に示すように締め付ける。すると、フランジ21、21′が図1上下方向に相互に接近する形で移動し、フランジ21、21′間のシール溝21g、21g′間に嵌入している円筒体43及び配管13の鍔部13a、43aが互いに接近し、その間に配置されたガスケット31が、図6に示すように、ガスケット当接面13b、43bと点X及びYで当接して圧接部A、Bとなる形で塑性変形し、更にガスケット31の外周部31aをフランジ21、21′のシール溝21g、21g′の外周側壁21i、21i′に押し付ける形で塑性変形して、円筒体43、配管13はガスケット31によりシールされる。
【0037】第3図、第11図及び第12図は、被真空シール体の一例について示す説明図であり、第3図は既に示したビューイングポート41を示す部分切欠き断面図である。ガラス板45に対して、鍔部43aを有する円筒体43がガラスからなる封着部47により封着されている。
【0038】第11図は、電流導入端子51に対して、鍔部43aを有する円筒体43が封着されている。
【0039】第12図は、ベローズ61の一端側に対して、鍔部43aを有する円筒体43が封着(61aは封着)されている。なお、ベローズ61の他端側には所望の部材、装置、真空室等が真空シールされて結合される。
【0040】次いで、第9図に沿って一部変更した実施の形態について説明する。尚、先の実施の形態において既に説明した同一部分は、同一符号を付して説明を省略する。図9の実施の形態は、真空を内在する配管である円筒体43、配管13などを真空状態を維持して連結する真空シール構造体1であり、第9図は、その正面断面図を示している。なお、図中上部のフランジ21には、フランジ21を円筒体43に固定するための止めネジじ21nがフランジ21外周側から螺合しており、その先端が円筒体43の外周部に当接係合し、フランジ21が円筒体43に対して移動することを防止している。
【0041】また、図10に示す実施例は、円筒体として、鍔部43aが形成された側と反対側の端部である図中上端部が閉鎖されたブランク体47を使用したブランクフランジ50を示すものであり、その他の構成は、図1と同様である。この場合、ブランク体49とフランジ21が分離されるので、従来フランジとブランク体が一体的に形成されていたブランクフランジと異なり、真空に曝されないフランジ21には、ステンレスなどの通常の金属を使用することが出来る。
【0042】なお、本装置に使用されるガスケット31としては、図4に示す断面が正方形に近い、矩形ガスケットの外に、図13に示す断面が円形のメタルOリングや、図14で述べたように、従来の断面が扁平な長方形のものも使用することが出来る。
【0043】更に、図15に示すように、従来型のフランジ23及び断面が扁平なガスケット33に対して、本発明によるフランジ21′及び配管13を接続して真空シールを実現することもできる。これにより、既設配管の一部を本発明による配管13及びフランジ21′などに容易に変更することが出来、補修などに有効である。また、その際に、図16に示すように、図15の従来型のガスケット33の代わりに、図4に示す断面が正方形に近い、矩形ガスケット31を使用することも当然可能である。
【0044】なお、本発明に係る真空シール構造は、真空蒸着装置、スパッタリング装置、プラズマ発生装置、高真空実験装置などの各種真空装置に、フランジを介して監視窓(ビユーイングポート)などの部品を真空シールして取り付ける場合に利用することができる。この場合、監視窓(ビユーイングポート)などの部品を交換する際、フランジは交換せずに経費の節減ができると共に、監視窓(ビユーイングポート)とフランジとの溶接も不要になるため、フランジの材質が監視窓(ビユーイングポート)との溶接に基づく制約を受けることなく自由に選定することができる。
【0045】また、前記監視窓(ビユーイングポート)に換えて、電流導入端子に利用して真空中にある電装部材、アクチュエータに電流を導入する場合の真空シール構造に利用することができる。
【0046】更に、大気中の回転を真空中に伝達する場合、ベローズの端に鍔状部を形成した真空シール構造を利用することができる。
【0047】そして、真空を内在する配管を連結する場合、連結部に本発明の真空シール構造を利用することができる。この場合、接続部材である円筒体を交換する際、フランジは交換せずに経費の節減ができると共に、円筒体とフランジとの溶接も不要になるため、フランジの材質が円筒体との溶接に基づく制約を受けることなく自由に選定することができる。
【出願人】 【識別番号】599152153
【氏名又は名称】株式会社バックス・エスイーブイ
【出願日】 平成11年10月28日(1999.10.28)
【代理人】 【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二 (外1名)
【公開番号】 特開2001−124208(P2001−124208A)
【公開日】 平成13年5月11日(2001.5.11)
【出願番号】 特願平11−306969