トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 シール構造
【発明者】 【氏名】重森 貴文

【氏名】駒井 弘和

【要約】 【課題】安価にして信頼性の高いシール構造を提供する。

【解決手段】シール部材(10)を介して二つの部材が締結部材(20)によって締結され、少なくとも一方の部材が板金部材(6)からなるシール構造において、締結部材を挿通すべく板金部材に形成された挿通部(8)の近傍に、締結部材を塑性変形させることにより他の部材(4)に向け突出する突部(9)を形成するようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シール部材を介して二つの部材が締結部材によって締結され、少なくとも一方の部材が板金部材からなるシール構造であって、前記締結部材を挿通すべく前記板金部材に形成された挿通部と、前記締結部材を塑性変形させることにより前記挿通部の近傍に他の部材に向け突出して形成された突部と、を備えることを特徴とするシール構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二つの部材のシール構造に係り、詳しくは、エンジンのシリンダヘッドとロッカカバーのシール構造に関する。
【0002】
【関連する背景技術】エンジンでは、シリンダヘッド上に動弁機構が設けられており、これを保護するために、シリンダヘッドにはロッカカバーが載置されている。ところで、動弁機構には、カムシャフト等の各部品の潤滑を目的として、潤滑油が供給されており、ロッカカバーは、この潤滑油がカムシャフト等の各部品の高速作動により周囲に飛散するのを防止する機能も有している。
【0003】さらに、ロッカカバー内側の空間(以下、ロッカ室という)には、一般に、シリンダとピストン間の隙間から漏洩するブローバイガスが導かれるようにされており、ロッカカバーは、このブローバイガスが周囲に漏れないようにする役割も有している。このようなことから、潤滑油やブローバイガスのエンジン外部への漏洩を完全に防止する必要があり、ロッカ室を密閉状態にすべく、シリンダヘッドとロッカカバー間にはシール部材を介装するようにしている。例えば、シリンダヘッドと対向するロッカカバーの周縁フランジ部に断面矩形の溝を形成し、予め該溝に合うように成型した弾性を有する環状のシール部材(ガスケット)を当該溝に嵌合させ、ロッカカバーをシリンダヘッドにボルト等の締結部材で締結しながら押圧することで該シール部材を圧縮してシリンダヘッドに密着させシールする方法が公知である。
【0004】しかしながら、このようにシール部材を圧縮変形させてシール性を得るようなシール構造では、圧縮変形により溝からはみ出したシール部材が溝の縁部によって破断されたり、弾性域を越えるような圧縮力がシール部材に付加されることにより経時的にシール部材のへたり(疲労により弾性が失われる現象)が発生してシール性が損なわれるおそれがあり好ましいことではない。また、ロッカカバーのボルト等の締結部が撓んで変形したり破損したりするおそれもある。
【0005】そこで、鋳造部材あるいは樹脂部材のロッカカバーにおいて、ロッカカバーのフランジ部に設けられたボルトボスの一部を突出させて座面を形成し、当該座面をシリンダヘッドと当接させることでロッカカバーのフランジ部とシリンダヘッドとをシール部分において所定量離間させ、これによりシール部材が弾性域を越えて圧縮されないようにしてシール性能を確保する技術が実開平1−118146号公報等に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、ロッカ室内では上述したようにブローバイガスと潤滑油とが混在しているため、通常ロッカ室にはこれらブローバイガスと潤滑油とを分離する気液分離室が設けられている。ところが、上記のように鋳造部材あるいは樹脂部材からなるロッカカバーでは、このような気液分離室を一体成形することは困難であり、また別体としても結合が容易でなく製造コストがかかり好ましいことではない。
【0007】このようなことから、ロッカカバーを板金部材で製造する技術が実用新案登録第2539847号公報等に開示されている。このように板金部材を用いるようにすれば、塑性変形により成形した複数の板金部材どうしを溶接等することでロッカカバーを高剛性とし、さらに容易に気液分離室を形成することができ、またロッカカバーを全体として安価に製造することができる。
【0008】しかしながら、板金部材でロッカカバーを製造する場合、板厚が一定であるために、鋳造部材あるいは樹脂部材のように肉厚を変えて上記座面を一体に成形することはできず、当該座面を形成することは困難である。そこで、このような場合、実開平4−57653号公報に開示されるように、スペーサを用いてシール部材の圧縮高さを規制することも可能であるが、この工法では別途スペーサを設けなければならず、部品及び工数の増加により製造コストが増大することになり、板金部材を用いて製造コストを削減するという当初の目的に反し好ましいことではない。
【0009】本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、安価にして信頼性の高いシール構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために、請求項1の発明では、シール部材を介して二つの部材が締結部材によって締結され、少なくとも一方の部材が板金部材からなるシール構造において、締結部材を挿通すべく板金部材に形成された挿通部の近傍に、締結部材を塑性変形させることにより他の部材に向け突出する突部を形成するようにしている。
【0011】従って、締結部材で板金部材を他方の部材に締結する際、所定高さを有する突部が他の部材と当接することとなり、板金部材を用いながら簡単な構造にしてシール部材が二つの部材間で弾性域を越えて圧縮されないようになり、圧縮によりはみ出したシール部材が破断されたりシール部材にへたりが発生したりしてシール性が損なわれることが好適に防止され、また、ロッカカバーのボルト等の締結部が変形したり破損したりすることも防止され、安価にして信頼性の高いシール構造が実現可能とされる。
【0012】例えば、当該シール構造をエンジンのロッカカバーとシリンダヘッド間に適用するようにし、ロッカカバーを板金部材とすれば、塑性変形により成形した複数の板金部材どうしを溶接等することでロッカ室内に容易に気液分離室を形成することが可能とされるとともに、ロッカカバーとシリンダヘッド間のシール性が十分に確保されて潤滑油やブローバイガスの外部への漏洩が確実に防止される。これにより安価にして信頼性の高いロッカカバーのシール構造が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。先ず、第1の実施形態について説明する。図1を参照すると、本発明に係るシール構造が適用されるエンジン1が示されている。
【0014】このエンジン1は、例えばOHC(オーバヘッドカム)型のガソリンエンジンであり、シリンダブロック2には、シリンダヘッド4が載置され締結されており、該シリンダヘッド4には、点火プラグや吸排気バルブ、ロッカアーム、カムシャフト等の動弁機構が設けられている。そして、同図に示すように、シリンダヘッド4には、これら点火プラグや動弁機構を保護するべくロッカカバー6が載置されており、当該ロッカカバー6はボルト等によりシリンダヘッド4に締結されている。尚、ロッカカバー6は、ここでは防錆処理鋼板等の板金部材が使用されている。
【0015】ところで、上記動弁機構には、エンジン1内に設けられた油路を通って潤滑油が供給されており、当該潤滑油はカムシャフトの高速回転によって周囲に飛散する。従って、ロッカカバー6は当該飛散する潤滑油を外部に漏らさないようにする機能も有している。さらに、ロッカカバー6内方側の空間、即ちロッカ室12にはシリンダとピストン間の隙間から漏れるブローバイガスが吸気系に送られる前に一時的に貯留されるようにされており、ロッカカバー6は当該ブローバイガスを外部に漏らさない役割も有している。
【0016】このようなことから、ロッカ室12は密閉されている必要があり、シリンダヘッド4とロッカカバー6との間にはガスケット10(シール部材)が介装されている。これにより、シリンダヘッド4とロッカカバー6間の隙間がシールされ、ロッカ室12の気密性が確保されている。以下、本発明に係るシリンダヘッド4とロッカカバー6間のシール構造について詳しく説明する。
【0017】図2を参照すると、図1の矢視A方向から視た詳細図が示されており、さらに、図3を参照すると、図2のB−B線に沿う第1の実施形態に係る断面が示されている。これらの図に示すように、シリンダヘッド4上面と対向するロッカカバー6の外板6aの周縁には、フランジ7が外方向に延びて形成されており、当該フランジ7には、ボルト(締結部材)20を挿通させシリンダヘッド4に締結させる挿通孔(挿通部)8が穿設されている。
【0018】挿通孔8は、所謂バーリング孔とされており、当該挿通孔8の外周縁には、起立して孔の軸線に平行に延びる立ちフランジ(突部)9が所定高さhを有して形成されている。尚、この立ちフランジ9は、外板6aを単純にポンチ抜きして挿通孔8を穿設することで同時に得られるものであり、加工が極めて容易であって低コストである。
【0019】また、図3に示すように、ロッカカバー6内方側の空間は、実際には内板6bによって上下に二分されており、詳しくは、内板6bの外周縁が外板6aに溶接されており、その上部室はブローバイガスと潤滑油とを分離する気液分離室11とされており、下部室がロッカ室12とされている。気液分離室11には、複数のフィンが設けられており、当該気液分離室11では、飛散する潤滑油が当該フィンに衝突し滴化することでブローバイガスが分離されるようにされている。
【0020】そして、図3に示すように、上記ガスケット10がフランジ7の挿通孔8よりもロッカ室12寄りの部分とシリンダヘッド4上面との間に圧縮された状態で介装されている。ここに、ガスケット10は、例えば上述した塗布硬化形成ガスケット(CIPG等)、即ち、塗布時には接着性を有したゲル状である一方、空気中である程度時間が経過すると弾性を有するラバー状に変化する性質を備えたガスケットとされている。
【0021】従って、実際には、予めロッカカバー6側に、フランジ7に沿い材料断面積が所定値で一定となるようにして当該ガスケット10を塗布しておき、当該ガスケット10がラバー状になった時点でロッカカバー6をシリンダヘッド4上面に載置する。これにより、ガスケット10が図示のようにフランジ7とシリンダヘッド4上面との間に介装された状態とされる。尚、材料断面積の所定値に基づくガスケット10の材料径は、上記立ちフランジ9の所定高さhよりも若干大きめに設定されている。
【0022】以下、このように構成された当該シール構造の作用効果について説明する。上述したように、フランジ7に穿設された挿通孔8の外周縁には、所定高さhの立ちフランジ9が形成されており、ガスケット10の材料径は、当該所定高さhよりも若干大きめとされている。従って、ロッカカバー6をシリンダヘッド4上面に載置し、ロッカカバー6をシリンダヘッド4にボルト20で締結すると、フランジ7がガスケット10をシリンダヘッド4上面に押圧しながら立ちフランジ9の先端がシリンダヘッド4上面に当接することになる。
【0023】これにより、ガスケット10は、ロッカカバー6のフランジ7によって必要以上にシリンダヘッド4上面に押圧され圧縮することがなくなり、過度に変形することがなくなり、経時的にへたりが発生することが防止される。故に、ガスケット10は、弾性を有した状態のまま、シール性が損なわれることなく安定したシール性能が良好に保持されることとなる。
【0024】つまり、ロッカカバー6を板金部材で構成し、ボルト20の挿通孔8をバーリング孔として挿通孔8の外周縁に立ちフランジ9を形成することで、低コストでありながら信頼性の高いシール構造を実現することができる。次に、第2の実施形態について説明する。尚、ここでは、上記第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0025】図4を参照すると、図1の矢視A方向から視た詳細図が示されており、さらに、図5を参照すると、図4のC−C線に沿う第2の実施形態に係る断面が示されている。これらの図に示すように、当該第2の実施形態においても、上記第1の実施形態の場合と同様に、ロッカカバー6の外板6aの周縁のフランジ7には、ボルト20を挿通させシリンダヘッド4に締結させる挿通孔8が穿設されている。
【0026】しかしながら、当該第2の実施形態では、挿通孔8の外周に、深絞りによるビード(突部)14が所定高さhを有して十字状等に形成されている。このビード14は、外板6aを単純にプレス加工時に深絞りするものであるため、上述のバーリング加工よりも所定高さhの確保が容易でありながらバーリング加工と同様に低コストである。
【0027】そして、このように挿通孔8の外周にビード14を形成した場合においても、上記第1の実施形態と同様、ロッカカバー6をシリンダヘッド4にボルト20で締結すると、フランジ7がガスケット10をシリンダヘッド4上面に押圧しながらビード14の先端がシリンダヘッド4上面に当接することになる。これにより、ガスケット10は、やはり上記同様、過度に変形することがなくなり、経時的にへたりが発生することが防止され、弾性を有した状態のまま、シール性が損なわれることなく安定したシール性能が良好に保持されることとなる。
【0028】つまり、ロッカカバー6を板金部材で構成し、ボルト20の挿通孔8の外周にビード14を形成することでも、低コストでありながら信頼性の高いシール構造を実現することができる。次に、第3の実施形態について説明する。尚、ここでも、上記第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0029】図6を参照すると、図1の矢視A方向から視た詳細図が示されており、さらに、図7を参照すると、図6のD−D線に沿う第3の実施形態に係る断面が示されている。これらの図に示すように、当該第3の実施形態においても、上記第1の実施形態の場合と同様に、挿通孔8は、所謂バーリング孔とされており、当該挿通孔8の外周縁には、起立して孔の軸線に平行に延びる立ちフランジ(突部)9が所定高さhを有して形成されている。
【0030】また、当該第3の実施形態でも、図7に示すように、ロッカカバー6内方側の空間は、内板16によって上下に二分されており、やはりその上部室はブローバイガスと潤滑油とを分離する気液分離室11とされており、下部室がロッカ室12とされている。しかしながら、上記第1の実施形態の場合と異なり、内板16の外周縁にはロッカカバー6のフランジ7に平行に延びてフランジ16aが形成されており、当該内板16は、溶接されることなく外板6aの内方側に嵌装されている。さらに、フランジ16aには立ちフランジ9貫通のための逃げ孔17が穿設されている。
【0031】そして、図7に示すように、ガスケット18がフランジ7の挿通孔8よりもロッカ室12寄りの部分とフランジ16a上面との間に圧縮された状態で介装されており、さらに、ガスケット19がガスケット18に沿うようにしてフランジ16a下面とシリンダヘッド4上面との間に圧縮された状態で介装されている。つまり、当該第3の実施形態では、ロッカカバー6のフランジ7とシリンダヘッド4上面との間において、ガスケット18とガスケット19でフランジ16aを挟むようにして内板16が支持されている。
【0032】これにより、当該第3の実施形態の場合にも、立ちフランジ9の作用により上記第1の実施形態の場合と同様の安定したシール性能が得られることになり、さらに、この場合には、内板16を外板6aに溶接する必要がなくなるために、外板6aに内板16を予めサブアッセンブリしておかなくてもよくなり、故に溶接工数、溶接電力を低減するとともに部品納入荷姿をコンパクトにすることが可能となり、さらに低コスト化を図りながら信頼性の高いシール構造を実現することができることとなる。
【0033】次に、第4の実施形態について説明する。尚、ここでは、上記第3の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図8を参照すると、図1の矢視A方向から視た詳細図が示されており、さらに、図9を参照すると、図8のE−E線に沿う第4の実施形態に係る断面が示されている。
【0034】これらの図に示すように、当該第4の実施形態においても、上記第3の実施形態の場合と同様に、内板16の外周縁にはロッカカバー6のフランジ7に平行に延びてフランジ16aが形成され、内板16は溶接されることなく外板6aの内方側に嵌装され、またガスケット18とガスケット19でフランジ16aを挟むようにして内板16が支持されている。
【0035】しかしながら、当該第4の実施形態では、上記第3の実施形態の場合と異なり、内板16のフランジ16aには、挿通孔22が形成されており、該挿通孔22は所謂バーリング孔とされており、挿通孔22の外周縁には挿通孔22の軸線にほぼ平行に延びる立ちフランジ23が所定高さh/2を有して形成されている。さらに、外板6aのフランジ7には、挿通孔22とほぼ同心で且つ当該挿通孔22よりも大径にして挿通孔8’が形成されており、該挿通孔8’もやはりバーリング孔とされており、挿通孔8’の外周縁には挿通孔8’の軸線にほぼ平行に延びる立ちフランジ9’がやはり所定高さh/2を有して形成されている。
【0036】そして、図9に示すように、立ちフランジ9’の先端部がフランジ16aと当接し、立ちフランジ23の先端部がシリンダヘッド4上面と当接している。これにより、当該第4の実施形態の場合にも、立ちフランジ23及び立ちフランジ9’の作用により上記第3の実施形態の場合と同様の安定したシール性能が得られることになり、さらに、この場合には、内板16がシリンダヘッド4上面と外板6aとに接触して固定されているため、内板16の振動による騒音等を低減できるとともに、内板16の振動に伴うガスケット18,19の耐久性の低下をも防止できることになる。
【0037】次に、第5の実施形態について説明する。尚、ここでは、上記第4の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図10を参照すると、図1の矢視A方向から視た詳細図が示されており、さらに、図11を参照すると、図10のF−F線に沿う第5の実施形態に係る断面が示されている。
【0038】これらの図に示すように、当該第5の実施形態においても、上記第3,4の実施形態の場合と同様に、内板16の外周縁にはロッカカバー6のフランジ7に平行に延びてフランジ16aが形成され、内板16は溶接されることなく外板6aの内方側に嵌装され、またガスケット18とガスケット19でフランジ16aを挟むようにして内板16が支持されている。
【0039】しかしながら、当該第5の実施形態では、上記第4の実施形態の場合と異なり、内板16のフランジ16aには挿通孔22’が形成されており、挿通孔22’の外周には、上記第2の実施形態と同様のビード24が、例えば図10に示すように3方向放射状に所定高さh/2を有して形成されている。さらに、外板6aのフランジ7には、挿通孔22’と同心となるよう挿通孔8が形成されており、該挿通孔8の外周にはビード14’が、やはり3方向放射状に所定高さh/2を有して形成されている。これらビード24、ビード14’は、上記第2の実施形態と同様、単純にプレス加工時に深絞りするものであるため、バーリング加工よりも所定高さh/2の確保が容易でありながら低コストである。
【0040】そして、図11に示すように、ビード14’がフランジ16aと当接し、ビード24がシリンダヘッド4上面と当接している。尚、ビード14’とビード24とは、図10に示すように、ビード14’がビード24に重ならず直接フランジ16aの面と当接するよう挿通孔中心回りに所定角度ずれて形成されている。これにより、当該第5の実施形態の場合にも、上記第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】尚、好ましくは、フランジ7あるいはフランジ16aには、ガスケット10やガスケット18あるいはガスケット19をガイドし且つ位置決め作用を有する浅い溝を形成するようにしてもよく、これにより一層信頼性の高いシール構造が実現される。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の請求項1のシール構造によれば、二つの部材のうちの少なくとも一方の部材を板金部材とし、締結部材を挿通すべく板金部材に形成された挿通部の近傍には、締結部材を塑性変形させることにより他の部材に向け突出する突部を形成するようにしたので、締結部材で板金部材を他方の部材に締結する際、所定高さを有する突部を他の部材と当接させるようにでき、板金部材を用いながら簡単な構造にしてシール部材が二つの部材間で弾性域を越えて圧縮されないようにでき、圧縮によりはみ出したシール部材が破断されたりシール部材にへたりが発生したりしてシール性が損なわれることを好適に防止でき、また、ロッカカバーのボルト等の締結部が変形したり破損したりすることも防止でき、安価にして信頼性の高いシール構造を実現することができる。
【0043】従って、例えば、当該シール構造をエンジンのロッカカバーとシリンダヘッド間に適用するようにし、ロッカカバーを板金部材とすれば、塑性変形により成形した複数の板金部材どうしを溶接等することでロッカ室内に容易に気液分離室を形成することができるとともに、ロッカカバーとシリンダヘッド間のシール性を十分に確保して潤滑油やブローバイガスの外部への漏洩を確実に防止でき、安価にして信頼性の高いロッカカバーのシール構造を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
【出願日】 平成11年10月28日(1999.10.28)
【代理人】 【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
【公開番号】 特開2001−124207(P2001−124207A)
【公開日】 平成13年5月11日(2001.5.11)
【出願番号】 特願平11−306698