| 【発明の名称】 |
シール構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】松田 幹人
【氏名】石井 清治
【氏名】野道 薫
【氏名】肥田 一雄
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| 【要約】 |
【課題】シール部材が劣化しにくく、かつ内圧の篭もりを防ぐことができる簡単なシール構造を提供する。
【解決手段】ハウジング30にカバー21が突き合わされて取付けられ、これらの間に内部空間25が形成される。突き合わせ部49には、内部空間25に臨んで開放する収納凹所28が形成され、この収納凹所28にOリング26が収納される。収納凹所28の外方側に連なって退避凹所40が形成され、この退避凹所40の外方側には、外部空間39が連なる。Oリング26は収納凹所28に収納された状態では、Oリング26が内部空間25と外部空間35とを密に遮断し、退避凹所40に退避した状態では、内部空間25と外部空間39とは連通し、内部空間25の高圧流体は外部空間39に排出される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2つの空間形成体が相互に突き合わされて内部空間が形成され、各空間形成体が相互に突き合わされる突き合わせ部に、内部空間に臨んで開放し、かつ周方向に延びる収納凹所が形成され、この収納凹所に収納されて、シール部材が各突き合わせ部間に設けられるシール構造において、前記収納凹所の少なくとも周方向一領域に外方側で連なり、かつ外部空間に連なる退避凹所が形成され、前記シール部材は、内部空間内の流体の圧力が所定の圧力以上になったとき、退避凹所に退避し、この退避凹所を介して、内部空間と外部空間とを連通可能に設けられることを特徴とするシール構造。 【請求項2】 前記シール部材は、弾発性を有し、かつ周長が大きくなるように伸長可能な環状の部材であり、前記収納凹所は、シール部材の太さ寸法よりも僅かに小さい隙間寸法を有し、前記退避凹所は、収納凹所に連なり、かつ収納凹所の隙間寸法よりも小さい隙間寸法を有する内側領域と、内側領域の外方に連なり、かつシール部材の太さ寸法よりも大きい隙間寸法を有する外側領域とを備えることを特徴とする請求項1記載のシール構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、機器のシール構造に関する。 【0002】 【従来の技術】図9は、制御弁11の一部を示す簡略化した断面図である。油空圧機器を搭載した機械は、ポンプから圧送される作動油、または空気圧縮機から圧送される作動空気(以下、総称して高圧流体)によって駆動され、この高圧流体は制御弁11によって供給制御される。制御弁11は、ハウジング1の内部空間4に設けられる図示しないプランジャがパイロット流体によって駆動されて流路を開閉し、高圧流体の供給量を制御しており、内部空間4に高圧流体が満たされる構造である。ハウジング1を貫通して位置センサなどの電子部品2が設けられ、この電子部品2によって内部空間4のプランジャの位置が検出され、この検出値に基づいて高精度で高圧流体が制御される。 【0003】電子部品2は、ハウジング1から突出して設けられるので、水および埃などから保護するために電子部品2を有底円筒状のカバー6をその開口端部をハウジング1に突き合わせて覆い、このカバー6は、たとえばボルトによってハウジング1に固定される。カバー6とハウジング1との突き合わ部10から水および埃がカバー6の内部空間7に侵入することを防止するために、この突き合わせ部10はシール部材5によってシールされる。 【0004】図10は、従来技術の内圧シール構造を示す簡略した断面図であり、図9に示す制御弁11がハウジング1とカバー6とのシール構造に対応することができる。図9には、この内圧シール構造を例として示している。図10に示すように内圧シール構造では、カバー6は開口端部が大径となる段付きに形成され、突き合わせ部10には半径方向内方へ開放する略円環状の収納凹所9が形成される。この収納凹所9にシール部材であるOリング5が嵌め込まれてハウジング1とカバー6との突き合わせ部10から水または埃が内部空間7に侵入することが防止される。 【0005】図11は他の従来技術の外圧シール構造を示す簡略化した断面図である。この外圧シール構造も、図9の制御弁11に採用可能である。図11に示すように、外圧シール構造ではカバー6の側壁には、開口端部から底部寄りにずれた位置に、半径方向外方に張り出して、円環状のフランジ部15が形成され、突き合わせ部10にフランジ部15とハウジング1とに挟まれて、外方に開放する略円環状の収納凹所9が形成される。この収納凹所9にOリング5が嵌め込まれて、突き合わせ部10から水または埃が内部空間7に侵入することが防止される。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】万が一、電子部品2の取付部のシール部材3が破損すると、ハウジング1の内部空間4からカバー6の内部空間7に高圧流体が移動し、内部空間7の圧力が上昇する。図10に示す内圧シール構造では、このような高圧流体のカバー6の内部空間7への移動が生じたとき、内部空間7の圧力が上昇しても、Oリング5は、半径方向外方から収納凹所9に臨む側壁12に支持される。電子部品2の防水のために設けられたOリング5が内部空間7の高圧流体の外部への流出を防ぐシール機能を備えてしまい、いわゆる内圧の篭もり現象が発生する。この内圧の籠もり現象が発生すると、内圧空間7は、内部空間4と同一の高い圧力まで上昇してしまう。カバー体6は、電子部品2の保護を目的としており、このような高圧に耐え得る構造となっていないので、カバー6とハウジング1とを連通するボルトの破断による破損などが生じてしまう。 【0007】これに対して図11に示す外圧シール構造では、上記のような高圧流体の内部空間7への移動が生じたとき、内部空間7へ移動した高圧流体によってOリング5を外方に押圧して、収納空間9から押出してしまうことができ、上記のような問題は生じない。しかし、Oリング5が外部に露出しているので外部環境の影響を受ける。基本的には、Oリング5に水および埃などが付着しやすく、Oリング5がダメージを受ける可能が高く劣化しやすいといった問題があった。 【0008】図12は、さらに他の従来技術の内圧上昇防止機構を付加した内圧シール構造を示す簡略化した断面図であり、図9の制御弁11にも採用可能である。図12に示すように、カバー6の側壁に半径方向(図10の右方)に貫通する貫通孔13を形成し、この貫通孔13に丸リベット状のゴム栓14を嵌め込んで栓をする。内部空間7の内圧が所定の圧力以上になると、この内圧によってゴム栓14が半径方向外方(図12の右方)に飛ばされ、高圧流体が貫通孔13から外部に排出されて内部空間7の内圧が低下する。これによって内圧シール構造の問題を解決することができるが、内圧上昇防止機構を別途設けなければならず、構成が複雑になるという新たな問題が生じてしまう。 【0009】本発明の目的は、シール部材が劣化しにくく、かつ内圧の篭もりを防ぐことができる簡単な構成のシール構造を提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明は、2つの空間形成体が相互に突き合わされて内部空間が形成され、各空間形成体が相互に突き合わされる突き合わせ部に、内部空間に臨んで開放し、かつ周方向に延びる収納凹所が形成され、この収納凹所に収納されて、シール部材が各突き合わせ部間に設けられるシール構造において、前記収納凹所の少なくとも周方向一領域に外方側で連なり、かつ外部空間に連なる退避凹所が形成され、前記シール部材は、内部空間内の流体の圧力が所定の圧力以上になったとき、退避凹所に退避し、この退避凹所を介して、内部空間と外部空間とを連通可能に設けられることを特徴とするシール構造である。 【0011】本発明に従えば、一方の空間形成体に、他方に空間形成体が突き合わされて取付られ、これらの間に内部空間が形成される。一方の空間形成体と、他方の空間形成体との突き合わせ部に内部空間に臨んで開放し、かつ一方の空間形成体の周方向に延びる収納凹所が形成される。この収納凹所には、シール部材が収納され、このシール部材が内部空間と外部空間とを密に遮断することができる。収納凹所の少なくとも周方向一領域に外方側で連なって退避凹所が形成され、この退避凹所には外部空間が連なる。 【0012】内部空間の圧力が所定の圧力未満であるときには、上述のようにシール部材が収納凹所に収納された状態で、内部空間と外部空間とが密に遮断され、本シール構造の本来の目的であるたとえば内部空間の外部空間への流体の流出防止、内部空間への水および埃など異物の侵入の防止などのシール機能を達成することができる。これに対して内部空間の圧力が所定の圧力以上になると、シール部材は、退避凹所に退避し、これによって内部空間と外部空間とは収納凹所および退避凹所を介して連通し、内部空間の流体が収納凹所と退避凹所とを通って外部空間へ排出され、内部空間の圧力が、前記所定の圧力よりも高くなることを防ぐことができる。 【0013】上述のように、退避凹所が形成されるだけの簡単な構成によって、シール部材を退避させて内部空間の圧力の上昇を防止することができ、従来技術のようにゴム栓などの別部品を必要とする内圧上昇防止機構が不要となり、構成を簡略化することができる。また、従来技術の内圧シール構造と同様に、シール部材は直接外部空間へ露出していないので、シール部材はダメージを受けにくく、劣化しにくい。 【0014】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の構成によって前記シール部材は、弾発性を有し、かつ周長が大きくなるように伸長可能な環状の部材であり、前記収納凹所は、シール部材の太さ寸法よりも僅かに小さい隙間寸法を有し、前記退避凹所は、収納凹所に連なり、かつ収納凹所の隙間寸法よりも小さい隙間寸法を有する内側領域と、内側領域の外方に連なり、かつシール部材の太さ寸法よりも大きい隙間寸法を有する外側領域とを備えることを特徴とする。 【0015】本発明に従えば、シール部材は弾発性を有し、収縮、伸長可能な環状の部材であり、このシール部材が収納凹所に収納されて突き合わせ部に設けられる。収納凹所の隙間寸法は、シール部材の太さ寸法よりも小さく選ばれるので、シール部材は収納凹所に臨む各空間形成体の面に弾発的に当接し、内部空間と外部空間とを確実に遮断することができる。退避凹所は、収納凹所に連なる内側領域と、外部空間に連なる外側領域とを備えている。内側領域の隙間寸法は、収納凹所の隙間寸法よりも小さく選ばれるので、内部空間の圧力が所定の圧力よりも低いときに、シール部材が退避凹所に退避することはなく、内部空間と外部空間とは確実に遮断される。 【0016】外側領域の隙間寸法は、シール部材の太さ寸法よりも大きく選ばれるので、内部空間の圧力が所定の圧力となって、シール部材が伸長して内側領域を通過し、外側領域まで退避したとき、シール部材では外側領域の隙間を防ぐことができない。これによって内部空間の高圧流体が収納凹所および退避凹所を通って外部空間に排出されるので、内部空間の内圧に篭もりを簡単な構成で防止することができる。 【0017】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態のシール構造29を簡略化して示す断面図であり、図2はシール構造29を備える制御弁55の一部を示す断面図である。本発明のシール構造29は、たとえば鍛造プレス機などの工作機械を駆動する作動油または作動空気(以下、総称して高圧流体)を供給している制御弁55などに用いられる。この制御弁55は、高圧流体の流量を制御する。制御弁55は、そのハウジング30の内部空間56に設けられる図示しないプランジャがパイロット流体によって駆動されて、流路を開閉し、高圧流体の供給量を制御し、その内部空間56には高圧流体が満たされる。このハウジング30の外表部37に形成された取付孔48に電子部品である位置センサ46が取付けられ、この位置センサ46によって内部空間56内のプランジャの位置が検出され、プランジャを高精度で制御し、これによって高圧流体の供給制御が高精度で行われる。この位置センサ46は、一端部が取付孔48に挿入されて取付けられ、この取付部はシール部材47によってシールされる。他端部はハウジング30の外部に突出して設けられ、本発明のシール構造29によって、水または埃などの異物から保護される。なお、図1では、図解の便宜のため取付孔48およびシール部材47は省略する。 【0018】図1に示すように、シール構造29は、電子部品46を覆う一方の空間形成体であるカバー21と、他方の空間形成体である制御弁55のハウジング30と、カバー21およびハウジング30の突き合わせ部49に設けられるシール部材であるOリング26とを含んで構成される。 【0019】図3はカバー21の簡略化した断面図であり、図4はその底面図である。カバー21は、開口端部がこれよりも底部寄りの部分に比べて半径が大きい段付で、中心軸線33を有する有底略円筒状に形成され、内部には、半径r1の円柱状の内部空間25が形成される。この内部空間25に、位置センサ46が収納される。この内部空間25は、ハウジング30内の内部空間56とは仕切られており、通常ほぼ大気圧の空気が満たされる。 【0020】大径となる開口端部22には内部空間25と開口端32とを含む仮想平面で開放し、かつ半径方向内方へ開放し、内部空間25に連なる幅r2で、深さt2の円環状の凹溝23が削り込まれて形成される。凹溝23は、半径方向寸法である幅r2がOリング26の太さ寸法t1よりも大きく形成され(r2>t1)、中心軸線33方向寸法である深さt2は、Oリング26の太さ寸法t1よりも小さく形成されている(t1>t2)。この凹溝23に半径方向外方で連なり、かつ開口端32を含む仮想平面で開放する凹窩24が削り込まれて形成される。この凹窩24は、一般には座グリと呼ばれている。凹窩24は略半円筒形状であり、その中心軸線57は中心軸線33に平行であり、凹溝23に半径方向外方から臨む内周面58を含む仮想円筒面上に存在している。凹窩24の、この凹窩24に臨む中心軸線57まわりの内周面58の半径r3は、凹溝23の幅r2よりも大きく形成され(r3>r2)、中心軸線57方向寸法である深さt3は、凹溝23の深さt2よりも小さく形成されている(t2>t3)。凹溝23の底面59と、凹窩24の底面60とは段差27を介して連なる。 【0021】図5はハウジング30の平面図であり、図6はハウジング30のカバー21が固定される外表部37近傍の断面図である。図5および図6では、図解の便宜ため取付孔48は省略する。ハウジング30の外表部37には、その外表面61が取付孔48の中心軸線34に対して垂直な略平坦状に形成され、かつ中心軸線34から半径rの一地点を通り、中心軸線34に平行な中心軸線35を有する凹窩31が形成される。この凹窩31は、円柱状あって、円周面の半径r4は、カバー21の凹窩24の内周面半径r3よりも大きく選ばれる(r4>r3)。また凹窩31の中心軸線35方向寸法である深さt4は、Oリング26の太さ寸法t1よりも小さく形成される(t4>t1)。 【0022】再び図2を参照して、Oリング26は、弾発性を有する素材、たとえばニトリルゴムから成り、かつ周長が大きくなるように弾発的に伸長可能である。このOリング26の太さ寸法t1は、カバー21の凹溝23の深さt2よりも大きく選ばれる(t1>t2)。 【0023】図1および図5を参照してシール構造29の組立方法について説明する。カバー21は、その開口端32が、ハウジング30の外表面61に突き合わされ、カバー21の中心軸線33と、ハウジング30の取付孔48の中心軸線34とが同軸で、かつカバー21の凹窩24が、ハウジング30の凹窩31に重なるように配置され、たとえばボルトなどによってハウジング30に固定される。このカバー21の凹溝23と、ハウジング30の外表面61とによってこれらの間に幅r2で、隙間寸法t2の略円筒状の収納凹所28が形成され、この収納凹所28にOリング26が収納される。このOリング26は、収納凹所28に臨む側壁36、底壁59、段差27および外表面61に密に当接する。またこの収納凹所28の幅r2は、Oリング26の太さ寸法t1よりも大きく形成されているので、Oリング26は、収納凹所28内に完全に収納される。 【0024】カバー21の凹窩24と、ハウジング30の凹窩31の半径方向内方側70(図1の左方)とが対向することによって、各凹窩24,31によって退避凹所40が形成される。この退避凹所40は、収納凹所28に外方側で連なる内側領域41と、内側領域41に外方側に連なり、かつ外部空間39に内方側に連なる外側領域42とから構成される。内側領域41は、凹窩24の外表面61に対向する領域によって構成され、外側領域42は、各凹窩24,31の相互に対向する領域によって構成される。この内側領域41の隙間寸法t5は、収納凹所28の隙間寸法t2よりも小さく、かつカバー21の凹窩24の隙間寸法t3に等しい(t2>t5=t3)。外側領域42の隙間寸法t6は、カバー21の凹窩24の隙間寸法t3と、ハウジング30の凹窩31の隙間寸法t4との和に等しく、Oリング26の太さ寸法t1よりも大きい(t6=t3+t4>t1)。すなわち、外側領域42の隙間寸法t6>Oリング26の太さ寸法t1>収納凹所28の隙間寸法t2>内側領域41の隙間寸法t5である。また、内側領域41の最小幅L1は、Oリング26の太さ寸法t1よりも小さい(t1>L1)。外側領域42の最大幅したがって各凹窩24,31の最大ラップ長さL2は、Oリング26の太さ寸法t1よりも大きい(L2>t1)。すなわち、ラップ長さL2>Oリング26の太さ寸法t1>内側領域41の最小幅L1である。 【0025】図7は、図1の仮想線43に囲まれる領域を拡大して示す断面図であり、図8はOリング26が退避凹所40に退避した状態した示す断面図である。図7に示すように、Oリング26が、収納凹所28に収納された状態では、Oリング26が、内部空間25と外部空間39とを密に遮断する。このとき、退避凹所40の内側領域41の隙間寸法t5は、収納凹所28の隙間寸法t2よりも小さく選ばれているので、内部空間25の圧力が所定の圧力未満のとき、Oリング26が退避凹所40に退避することが、段差27によって阻止され、内部空間25と外部空間39とが確実に遮断される。これによって、外部空間39から水および埃などの異物が、突き合わせ部49および退避凹所40を通って内部空間25に侵入することが防止される。また、内部空間25の流体が、突き合わせ部49および退避凹所40を通って外部空間39に流出することが防止される。 【0026】万が一、位置センサ2の取付部のシール部材47が、何らかの要因で破損すると、ハウジング30の内部空間56から、シール構造29の内部空間25に高圧流体が移動し、内部空間25の圧力が上昇する。この内圧の上昇によって、Oリング26は周長が大きくなり、すなわち図7の矢符51で示す半径方向外方に拡径するように付勢される。高圧流体がシール構造29の内部空間25にさらに移動し、内部空間25の圧力が上昇すると、Oリング26は、その一部が段差27および退避凹所40の内側領域41を通って退避凹所40の外側領域42まで退避する。外側領域42の軸線方向寸法である隙間寸法t6は、Oリング26の太さ寸法t1よりも大きく選ばれており、かつ外側領域42のラップ長さL2は、Oリング26の太さ寸法t1よりも大きく選ばれているので、外側領域42内の隙間をOリング26では塞ぐことができず、シール構造29の内部空間25と、外部空間39とは、収納凹所28および退避凹所40およびその外側の凹窩31の前記半径方向内方側70を除く外方側によって構成される開放路63を介して高圧流体が移動可能に連通される。これによって、内部空間25の高圧になった流体は図8の矢符45に示すように、収納凹所28および退避凹所40を通って外部空間39に排出される。これによって内部空間25の圧力が前述した所定の圧力よりも高くなることが防止できる。すなわち、内部空間25の内圧の篭もり現象が防止され、カバー6とハウジング1とを連結するボルトの破断による破損などが防止される。このように各凹窩24,31の位置および寸法だけを考慮すれば、座グリなどと呼ばれる簡単な穿設作業によって形成できる円形状の凹窩24,31を形成するだけで、Oリング26の変位による昇圧防止機構を達成することができる。したがって、既存の内圧シール構造において、穿設加工をするだけで、他の部品を追加しなくても、昇圧防止機構を付加できる。しかも、各凹窩24,31は軸線方向に大きく臨んで開放しており、メンテナンス性も良好である。 【0027】高圧流体が外部空間39に排出されて、内部空間25の内圧が所定の圧力未満にまで低下したとき、カバー21をわずかにハウジング30から離間させることによって、Oリング26は、自己の弾性復元力で再び収納凹所28に戻り、その後再度カバー21をハウジング30に固定して、内部空間25と外部空間39とを密に遮断することができる。Oリング26は、流体によって大きく飛ばされて紛失することもなく、また破損することがないので、内部空間25の圧力が元に戻ると、すぐにシール構造を復元させることができる。また、退避凹所40は、収納凹所28の周方向に関して、約1/8程度の領域に臨んで形成され、Oリング26が退避凹所40に退避するときに、Oリング26に限度を超える大きな変形力が作用することを防ぐことができる。さらに加えて、退避凹所40の内側領域41は、平面形状において、幅が中空部から両端部になるにつれて、大きくなる形状に形成され、Oリング26は、この中央部で外側領域42に乗り越えやすく、両端部になるにつれて、乗り越えにくく形成されており、これによってもOリング26に負担のかかる局所的な変形を防止した状態で退避凹所40に退避させることができる。 【0028】上述のように、カバー21に凹窩24を削り込んで形成し、ハウジング1の外表部37に凹窩31を削り込んで形成し、カバー21とハウジング1とを突き合わせて、突き合わせ部49に退避凹所40を形成するだけの簡単な構成で、Oリング26を、収納凹所28から退避凹所40に退避させて内部空間25の高圧流体を外部空間39に排出することができ、内圧の異常な上昇を防止することができる。また、従来技術のように、ゴム栓などの別部品を必要とする内圧上昇防止機構が不要となり、構成を簡略化することができる。 【0029】内部空間25の内圧が、所定の圧力になると、Oリング26は、言わば自動的に退避凹所40に退避して内部空間25内の高圧流体は外部空間39に排出され、内部空間25の内圧が所定の圧力未満になると、Oリングは自己の弾性復元力で言わば自動的に収納凹所28に戻り、再びシール機能を達成することができる。 【0030】また、従来技術の外圧シール構造のように、Oリング25は直接外部空間39に露出していないので、Oリング25はダメージを受けにくく、劣化しにくい。 【0031】本実施形態のシール構造29は、制御弁55に適用されているが、本発明のシール構造は制御弁55のみならず、他の種々の機器に設けられる圧力容器などに対しても好適に実施することができる。 【0032】本発明のシール構造に適用されるシール部材はOリング26のみならず、Dリング、Xリング、Eリングおよびデルタリングなどの各種リングパッキンでも前述と同等の効果を得ることができる。 【0033】また、退避凹所40は、周方向に複数形成してもよい。 【0034】また、本実施形態の凹窩31によって構成される開放路63に代えて、または付加してカバー21の大径部22に、図8に仮想線で示す退避凹所40と外部空間39とに連通する開放孔64を設けてもよい。 【0035】 【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、一方の空間形成体に、他方に空間形成体が突き合わされて取付られ、これらの間に内部空間が形成される。一方の空間形成体と、他方の空間形成体との突き合わせ部に内部空間に臨んで開放し、かつ一方の空間形成体の周方向に延びる収納凹所が形成される。この収納凹所には、シール部材が収納され、このシール部材が内部空間と外部空間とを密に遮断することができる。収納凹所の少なくとも周方向一領域に外方側で連なって退避凹所が形成され、この退避凹所には外部空間が連なる。 【0036】内部空間の圧力が所定の圧力未満であるときには、上述のようにシール部材が収納凹所に収納された状態で、内部空間と外部空間とが密に遮断され、本シール構造の本来の目的であるたとえば内部空間の外部空間への流体の流出防止、内部空間への水および埃など異物の侵入の防止などのシール機能を達成することができる。これに対して内部空間の圧力が所定の圧力以上になると、シール部材は、退避凹所に退避し、これによって内部空間と外部空間とは収納凹所および退避凹所を介して連通し、内部空間の流体が収納凹所と退避凹所とを通って外部空間へ排出され、内部空間の圧力が、前記所定の圧力よりも高くなることを防ぐことができる。 【0037】上述のように、退避凹所が形成されるだけの簡単な構成によって、シール部材を退避させて内部空間の圧力の上昇を防止することができ、従来技術のようにゴム栓などの別部品を必要とする内圧上昇防止機構が不要となり、構成を簡略化することができる。また、従来技術の内圧シール構造と同様に、シール部材は直接外部空間へ露出していないので、シール部材はダメージを受けにくく、劣化しにくい。 【0038】請求項2記載の本発明によれば、シール部材は弾発性を有し、収縮、伸長可能な環状の部材であり、このシール部材が収納凹所に収納されて突き合わせ部に設けられる。収納凹所の隙間寸法は、シール部材の太さ寸法よりも小さく選ばれるので、シール部材は収納凹所に臨む各空間形成体の面に弾発的に当接し、内部空間と外部空間とを確実に遮断することができる。退避凹所は、収納凹所に連なる内側領域と、外部空間に連なる外側領域とを備えている。内側領域の隙間寸法は、収納凹所の隙間寸法よりも小さく選ばれるので、内部空間の圧力が所定の圧力よりも低いときに、シール部材が退避凹所に退避することはなく、内部空間と外部空間とは確実に遮断される。 【0039】外側領域の隙間寸法は、シール部材の太さ寸法よりも大きく選ばれるので、内部空間の圧力が所定の圧力となって、シール部材が伸長して内側領域を通過し、外側領域まで退避したとき、外側領域内のシール部材では隙間を防ぐことができない。これによって内部空間の高圧流体が収納凹所および退避凹所を通って外部空間に排出されるので、内部空間の内圧に篭もりを簡単な構成で防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000974 【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月15日(1999.10.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075557 【弁理士】 【氏名又は名称】西教 圭一郎 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−116149(P2001−116149A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−294437 |
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