| 【発明の名称】 |
圧力容器およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】丸山 久直
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| 【要約】 |
【課題】この発明は、有底の筒状体を組合せて、溶着部分を全て筒状体の外周に沿う環状に設定して、圧力に対する強度と、信頼性を高める圧力容器に関する。
【解決手段】この発明の圧力容器は、負圧または加圧された物質を蓄える圧力容器において、プレス加工やスピニング加工などの一体成形加工で形成された有底の筒状体を複数組合せて1または複数の圧力室を形成し、その接合個所を外周に沿って環状に溶着した構成からなっている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 負圧または加圧された物質を蓄える圧力容器において、プレス加工やスピニング加工などの一体成形加工により形成された有底の筒状体を複数組合せて1または複数の圧力室を形成し、その接合個所を筒状体の外周に沿って環状に溶着してなることを特徴とする圧力容器。 【請求項2】 有底の筒状体を同一の向きに組合せて固着し、後方の筒状体の底部を前方の筒状体との隔壁となし、2以上の独立した圧力室を形成してなることを特徴とする請求項1に記載の圧力容器。 【請求項3】 有底の筒状体の底部外周に沿って環状の段差部を形成し、または有底の筒状体の開口端に沿って環状の段差部を形成し、一方の有底の筒状体の段差部に、組合せる他方の有底の筒状体の開口端または底部外周を重ねて接合個所とし、該接合個所を溶着してなることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力容器。 【請求項4】 圧力容器が、車両用のエアータンクであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の圧力容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】この発明は、車両用のエアータンクのように負圧または加圧された物質を蓄える圧力容器の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のトラック用エアータンク10は、図8に示すように、平板を円筒状に巻いて直線状の継ぎ部を直線継ぎ溶接W1して両端が開口する筒状部材12とし、その両開口部に半球状の蓋体19を円周溶接W2した構造からなっている。更に、2部屋以上の独立した圧力室を有する場合は、前記蓋体19を溶接するに先立って、蓋体19と同形状の隔壁13を前記筒状部材12の内部に挿入し、その円形状の継ぎ部17を内側から溶接して一体に形成する構造となっている(図9参照)。これらの構造は、いずれも圧力を内部に蓄えた際に発生する最大主応力方向である円筒部の円周方向と直交する方向に溶接線があり、強度的信頼性が低い。また、複数の圧力室を形成する場合は、前記筒状部材の内側で隔壁の溶接を行うので多量のスパッターがタンクの内壁面に付着してしまう。そのためスパッターの除去に手間がかかるだけでなく、除去が不十分だとエアーの流通に伴い配管途中の各種バルブ等に詰まり、圧力制御機器の作動に重大な不具合を発生させる虞れがあった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】この発明は上記事情に鑑みて創案されたものであって、その主たる課題は、有底の筒状体を組合せて、溶接する接合個所を全て筒状体の外周に沿う環状に設定して、内部に蓄えられる圧力に対する強度を高め、また信頼性を向上することのできる圧力容器を提供することにある。この発明の別の課題は、複数の圧力室を有する場合であっても溶着部分を筒状体の外周に設けたので、溶接する際にスパッターが容器の内部に付着することがない圧力容器を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1の発明では、負圧または加圧された物質を蓄える圧力容器において、プレス加工やスピニング加工などの一体成形加工で形成された有底の筒状体を複数組合せて1または複数の圧力室を形成し、その接合個所を外周に沿って環状に溶着してなる、という技術的手段を講じている。また、請求項2の発明では、有底の筒状体を同一の向きに組合せて固着し、後方の筒状体の底部を前方の筒状体との隔壁となし、2以上の独立した圧力室を形成してなる、という技術的手段を講じている。更に、請求項3の発明では、有底の筒状体の底部外周に沿って環状の段差部を形成し、または有底の筒状体の開口端に沿って環状の段差部を形成し、該段差部に、組合せる他方の有底の筒状体の開口端または底部外周を重ねて接合個所とし、該接合個所を溶着してなる、という技術的手段を講じている。請求項4の発明では、圧力容器が、車両用のエアータンクである、という技術的手段を講じている。 【0005】 【発明の実施の形態】以下に、この発明の圧力容器をトラックのエアータンクに適用した場合の好適実施例について図面を参照しながら説明する。第1実施例のエアータンク1は、図1および図2に示すように、プレス加工やスピニング加工などの一体成形加工で成形された有底の筒状体2を複数用いて組合せており、この筒状体2、2の接合個所7に溶接を施して環状の溶着部分8を形成し、1つの圧力室1aを有する1部屋タイプのエアータンクからなっている。 【0006】即ち、筒状体2は金属製からなっており、図2で明瞭なように、プレス加工やスピニング加工などにより一体成形されるものであって、底部3が略球面状に形成されており、該底部3の外周に沿って周壁4側がその板厚分だけ大径になるような段差部5が形成されている。更に図示例の場合、一方(図中左側)の筒状体2の周壁4の端部には、先端が周壁の板厚分だけ拡開する端部側の段差部6が一体に形成されている。 【0007】そして、一方の筒状体2の上記端部側の段差部6の内側に、これと対向させた他方の筒状体2の周壁4の端部4aを嵌込む。これにより、一方の筒状体2の端部側の段差部6と、他方の筒状体2の周壁4の端部4aとが内外に重合して、接合個所7となる。この接合個所7は、筒状体2の外周に沿って環状に形成されるので、この接合個所に沿って溶接を行った溶着部分8(図1参照)も外周に沿った環状に形成される。 【0008】従って、図8に示す従来構造では、円筒部12の直線継ぎ溶接W1と、蓋体19の円周溶接W2の2ヶ所とが必要であるのに対し、本実施例では、上記中央1ヶ所の円周溶接となる溶着部分8だけで完了するので、溶接長をほぼ1/3程度に削減することができる。また、この溶着部分8は、エアータンク1の内部に圧力を蓄えた際の最大主応力と平行になるので、従来構造と同じ条件であれば、素材の板厚を約半分に低減でき、約50%の軽量化を図ることができる。 【0009】図3および図5に示す第2実施例のエアータンク1は、内部を2つに仕切って2つの圧力室1a、1bを形成した2部屋タイプを示す。このエアータンク1では、筒状体2は底部3の外周に沿って段差部5を有する構造からなっている。 【0010】この2つの筒状体2は直列につないで、一方の筒状体2の周壁4の端部4aを、他方の筒状体2の段差部5に外から掛止めて、環状の接合個所7を形成し、外から接合個所7を溶接して環状の溶着部分を形成する(図5参照)。また、他方の筒状体2の周壁4の端部には、底部3と同様に球面状に形成された蓋体9が開口を塞ぐように嵌め込まれ、接合個所7’が環状に溶着されてエアータンク1が形成される。 【0011】図4に示す第3実施例のエアータンク1では、内部を3つに仕切って3つの圧力室1a、1b、1cを形成した3部屋タイプを示す。このエアータンク1では、3つの筒状体2、2、2を直列につないでおり、前方の筒状体2の周壁4の端部4aを、後方の筒状体2の段差部6に外から掛止めて、それぞれ環状の接合個所7を形成し、外から接合個所7を溶接する。そして、最後方の筒状体2の周壁4の端部には、底部3と同様に球面状に形成された蓋体9が開口を塞ぐよう外側から環状に溶着してエアータンク1が形成される。4つ以上に仕切る場合も、上記に準じて形成すればよい。 【0012】このように2部屋以上の独立した圧力室を有するタイプにおいて、従来構造では隔壁を溶接する際に発生するスパッターがタンクの内壁面に付着する虞れがあったが、本実施例では、有底の筒状体2を同じ方向に並べて、該筒状体2の外側から溶接を施すため、筒状体2の内部に溶接スパッターが付着しない。 【0013】次ぎに、図6に示す第4実施例では、筒状体2に段差部5、6を設けていない。このエアータンク1では、一方(内側)の筒状体2に板厚分の段差部を形成しなくとも、他方(外側)の筒状体2との接合は可能であり、前記実施例と同様に筒状体2の外周に沿って溶着が行われる。 【0014】この場合、一方(内側)の筒状体2の開口端部(図示せず)に取付けられる蓋体9(図示せず)は、その外径を板厚の2倍に相当する分だけ小径に設定する必要があるので、プレス加工で成形する場合に限り専用の成形型が必要となるが、その他の作用、効果は前記実施例と同様である。 【0015】また、図7に示す第5実施例では、筒状体2が、底部3に段差部5を設けずに周壁4の端部に板厚分の段差部6を形成している。この場合も、図示例のように他方(内側)の筒状体2との接合は可能であるが、圧力室となる部屋数の違いや隔壁の位置の違いにより、一方(外側)の筒状体2の絞り深さが異なる場合には、プレス加工で成形する場合に限りそれぞれ専用の成形型が必要となるが、この場合もその他の作用、効果は前記実施例と同様である。 【0016】この発明の圧力容器は、トラック用エアータンク以外に、建設機械のエアータンク、ベビーコンプレッサ用エアータンクなどに適用することができ、特にその用途を問わない。また、この発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうる。 【0017】 【発明の効果】この発明によれば、有底の筒状体の組み合わからなるので、従来のエアー圧を蓄えた際に発生する最大主応力を横切る溶接(直線溶接)を廃止することができ、溶着部分が全て筒状体の外周に沿う環状に設定されると共に従来より溶接長が短縮されるので、内部に蓄えられる圧力に対する強度を高め、信頼性を向上することができる。また、同一条件であれば従来に比べて素材の板厚を薄くすることができると共に、有底の筒状体からなるので蓋体の一方や隔壁の溶接が不要となり、タンクの重量を軽量化しうる。従って、車両へ取付ける場合には、取付作業が軽減され、車両の積載重量を増加できる。また、部品点数を減らすと共に溶接長を大幅に短縮化することができ、素材の薄型化や組立作業の簡略化と相俟って製造コストの低減を図ることができる。更に、複数の圧力室を有する場合であっても溶着部分を筒状体の外周に設けたので、溶接する際にスパッターが容器の内部に付着することがなく圧力回路の信頼性が向上する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390001579 【氏名又は名称】プレス工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月6日(1999.10.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083183 【弁理士】 【氏名又は名称】西 良久
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| 【公開番号】 |
特開2001−108101(P2001−108101A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月20日(2001.4.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−285969 |
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