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【発明の名称】 螺合構造体のシール装置
【発明者】 【氏名】小峰 毅

【要約】 【課題】ねじ部で着脱される工具の取付機構において、該ねじ部からの液漏れを防止する装置を提供する。

【解決手段】雄ねじ部(13a)を有する第1の部材(13)と、雌ねじ部(14a)を有し、第1の部材と螺合する第2の部材(14)と、雄ねじ部の外面から突起し若しくは雌ねじ部の内面から突起して、雄ねじ部と雌ねじ部との螺合部分に形成される螺旋状の隙間を少なくとも1カ所で遮蔽し、該螺合部分からの液漏れを防止するシール部材(21)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】雄ねじ部を有する第1の部材と、雌ねじ部を有し、前記第1の部材と螺合する第2の部材と、前記雄ねじ部の外面から突起し若しくは前記雌ねじ部の内面から突起して、前記雄ねじ部と前記雌ねじ部との螺合部分に形成される螺旋状の隙間を少なくとも1カ所で遮蔽し、該螺合部分からの液漏れを防止するシール部材と、を備える螺合構造体のシール装置。
【請求項2】前記シール部材は、該ねじの軸方向において前記雄ねじ若しくは前記雌ねじの半ピッチよりも長い幅の弾性部材である請求項1記載の螺合構造体のシール装置。
【請求項3】前記シール部材は、少なくともその基部が円筒状の弾性体である請求項1又は2記載の螺合構造体のシール装置。
【請求項4】前記シール部材は、少なくともその先端の形状が該ねじのねじ山あるいはねじ溝の略傾斜角度に対応して形成される請求項1乃至3のいずれかに記載の螺合構造体のシール装置。
【請求項5】前記雌ねじ部の内面から突起するシール部材及び第2の部材は、該雌ねじ部からのシール部材の落下を防止する段差若しくはテーパ構造を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の螺合構造体のシール装置。
【請求項6】前記シール部材は、ねじ部のねじ山及び前記ねじ溝にそれぞれ対応した山及び谷を交互に有する形状部分を含む請求項1乃至5のいずれかに記載の螺合構造体のシール装置。
【請求項7】前記シール部材は、単泡性ウレタンを含む請求項1乃至6のいずれかに記載の螺合構造体のシール装置。
【請求項8】前記シール部材は、前記雄ねじ部若しくは前記雌ねじ部の螺旋端部に配置される、請求項1、2、6及び7のいずれかに記載のシール装置。
【請求項9】請求項1乃至8のいずれかに記載の螺合構造体のシール装置を備える工具ホルダ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、螺合構造体における螺合部からの液漏れを防止する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ねじ継手等においては、ネジ継手部からの液漏れを防止するために、シールテープを巻いたり、螺合面にシール材を塗布して隙間をなくすことが行われている。また、ネジ部以外の部分に別途弾性体のOリングを用いるシール部等を設け、密閉して液漏れを防止することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、工具ホルダのように、工具を交換するためにチャックの本体とナットとの螺合部分で着脱を繰返す場合には、その度にシールテープを巻いたり、シール材を塗布するのは面倒である。また、Oリングによるシールの場合には、Oリングを取付ける部分がネジ部以外に必要であるので、その分装置が大きくなり、あるいは小型のものには適用し難い。
【0004】よって、本発明は、配水管などのネジ継手や、工具ホルダのコレットチャックのナットと本体の取付等において、簡単な構造でネジ部から液が漏れないようにする螺合構造体におけるシール装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明の螺合構造体におけるシール装置は、雄ねじ部を有する第1の部材と、雌ねじ部を有し、上記第1の部材と螺合する第2の部材と、上記雄ねじ部の外面から突起し若しくは上記雌ねじ部の内面から突起して、上記雄ねじ部と上記雌ねじ部との螺合部分に形成される螺旋状の隙間を少なくとも1カ所で遮蔽するシール部材と、を備える。
【0006】かかる構成とすることによって、ねじ溝に沿って螺旋状に生成される隙間が遮断され、液漏れが防止される。
【0007】好ましくは、上記シール部材は、該ねじの軸方向において上記雄ねじ若しくは前記雌ねじの半ピッチよりも長い幅の弾性部材であり、より好ましくは、1ピッチよりも長い幅の弾性部材である。
【0008】好ましくは、上記シール部材は、少なくともその基部が円筒状の弾性体である。
【0009】好ましくは、上記シール部材は、少なくともその先端の形状が該ねじのねじ山あるいはねじ溝の略傾斜角度に対応して形成される。それにより、シール部材のねじ面への密着性が高められる。
【0010】好ましくは、上記雌ねじ部の内面から突起するシール部材及び第2の部材は、該雌ねじ部からのシール部材の落下を防止する段差若しくはテーパ構造を有する。それにより、第1及び第2の部材を離間したときに、シール部材の落下が防止される。
【0011】好ましくは、上記シール部材は、ねじ部のねじ山及び上記ねじ溝にそれぞれ対応した山及び谷を交互に有する形状部分を含む。それにより、複数箇所でシールを行うことが可能となる。
【0012】好ましくは、上記シール部材は、弾力性がある単泡性ウレタンあるいはこれと均等のものを含む。
【0013】好ましくは、上記シール部材は、雄ねじ若しくは雌ねじの螺旋端部にねじ軸方向に長手に配置される。
【0014】好ましくは、上述した螺合構造体のシール装置は工具ホルダに適用される。
【0015】また、本発明の工具装置は、雄ねじ部を有するチャック本体と、工具を把持するコレットと、雌ねじ部を有し、上記チャック本体と螺合することによって上記コレットを上記チャック本体に取付けるナットと、上記雄ねじ部の外面から突起し若しくは上記雌ねじ部の内面から突起して、上記雄ねじ部と上記雌ねじ部との螺合部分に形成される螺旋状の隙間を少なくとも1カ所で遮蔽するシール部材と、を備える。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、螺合構造を有する装置の例について説明する。
【0017】図1は、工具装置(あるいは工具ホルダ)の一例としてのコレットチャックを示す斜視図、図2は、コレットチャックの正面図、図3は、コレットの取付ナット部分の断面図である。
【0018】図1乃至図3において、工具装置1は、概略、図示しない工作機械の主軸に装着されるテーパ部11、図示しない自動工具交換装置のマニュピレータによって把持される把持部12、チャック本体13、ナット部14、中空のドリル(工具本体)15、ドリル15を把持するコレット16、スラストボール17などによって構成されている。
【0019】コレット16には、ドリル15の軸方向にスリット状の切れ目が複数入っており、その径方向に伸縮可能である。ドリル15をコレット16に挿入した後、ナット部14をチャック本体13に取付け、ナット部14の雌ねじ14aをチャック本体13の雄ねじ13aに螺合して締付けると、コレット16のテーパ部によってドリル15がきつく把持され、ドリル15の工具装置1への装着が行われる。
【0020】工具装置1には、工作機械側からテーパ部11にクーラント(冷却剤(オイル))が供給される。クーラントは、更に、ドリル15の後端からその内部の通路を通ってドリル先端から吹出し、ドリル15の刃先の冷却と図示しないワークの切粉の吹飛ばしを行う。また、クーラントの一部は、コレット16の隙間を通り、更に、チャック本体13とナット部14との螺合部(13a,14a)を通り、外部に漏れることがある。
【0021】そこで、この漏れを防止するべく検討がなされた。図4は、雄ねじと雌ねじの遊び(隙間)の例を示している。図4(a)に示すように、雄ねじ13aと雌ねじ14aとの相互間には、僅かな遊びがあり、液漏れの原因となる。更に、雄ねじ13aと雌ねじ14aとを締付けると図4(b)に示すように、隙間が一方向に片寄り、約半ピッチの隙間が生じる。この隙間はねじ山の傾斜面に沿って螺旋状に連続している。この螺旋状の隙間に沿ってクーラントが漏れることになる。図4(c)は、ねじ山の形状が異なる、雄ねじ13aと雌ねじ14aの他の組合わせの場合を示している。この例においても、約半ピッチの隙間が螺旋状に形成される。
【0022】図5は、本発明の実施の形態を示している。同図において、図3と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。また、図6は、図5におけるVI−VI’方向における断面を示す断面図である。
【0023】実施例においては、上述した螺旋状の隙間を遮断すべく、ナット部14のねじ部に穴20が形成され、シール部材21、ねじ22が設けられる。穴20は、底部の中央部が開口(貫通)した、途中が段付(段差付)の穴である。穴20の中に、円筒状の基部21aとシール部21bとからなる弾性体がシール部材21として挿入する。穴20の段付部にシール部材基部21aの顎部が係合することによって、シール部材21の飛出し(あるいは落下)が防止される。弾性体としては、例えば、単泡性ウレタンを用いることが出来、同等の機能を有する合成ゴム、等であっても良い。穴20の内周のねじ溝に取付ねじ22を取付け、シール部材21を上部から下方に押し付ける。シール部21bは、雌ねじの内周から突出して雄ねじ13aに密着し、雄ねじ13aと雌ねじ14a間の螺旋状の隙間を途中で遮断する。
【0024】図7乃至図11は、ナット部(雌ねじ側)14側に設けられるシール部材21の種々の形成例を示している。
【0025】図7(a)のシール部材21は、基部21aが円筒状で、該基部から角柱状のシール部21bが下方に延在する。シール部21bは、同図(b)に示すように、ねじ山の略1ピッチ(隣接するねじ山相互間あるいはねじ溝相互間の距離)相当の幅を有している。シール部21bの下端側は、雄ねじ13aの谷よりも下に位置する寸法に形成され、雄ねじ13aの外表面に突き当って収縮変形し、雄ねじ13aに密着して隙間を遮蔽する。これにより、雄ねじ13aの谷と雌ねじ14aの山間、雄ねじ13aの山と雌ねじ14aの谷間、雄ねじ13aの傾斜面と雌ねじ14aの傾斜面間、に生ずる螺旋状の隙間は、該螺旋の途中で遮断され、クーラントの液漏れは防止される。
【0026】図8(a)に示されるシール部材21は、円筒状の基部21aから下方に延在するシール部21bの先端形状に特徴がある。該先端形状は尖っており、該先端角度は、略雄ねじ13aのねじ山の傾斜面相互がなす角度(ねじの角度)になるように定められている。それにより、シール部21bが雄ねじにより密着するように図られる。
【0027】図9(a)は、円筒状の基部21aから下方に延在するシール部21bに特徴がある。該シール部21bは円筒状に形成されている。それにより、図9(b)に示すように、シール部21bが雄ねじにより密着するように図られる。
【0028】図10(a)は、円筒状の基部21aから下方に延在する筒状シール部21bの先端部に特徴がある。該先端部形状は尖っており、該先端角度は、略雄ねじ13aのねじ山の傾斜面相互がなす角度(ねじの角度)になるように定められている。それにより、図10(b)に示すように、シール部21bの変形がより少ない状態で雄ねじ13aに密着する。
【0029】図11(a)は、円筒状の基部21aから下方に延在するシール部21bに特徴がある。該シール部21bの幅は、略1ピッチ半相当あり、該シール部21bの先端形状は雄ねじのねじ山及び谷に対応した形状に形成されている。それにより、図11(b)に示すように、シール部21bが雄ねじ13aのねじ山及び谷の形状に沿ってより長い幅で密着し、隙間遮蔽のより確実化が図られる。
【0030】上述したシール部材21は、雌ねじ14a側に設けられたが、これを雄ねじ側に設けても良いものである。
【0031】図12は、この例を示している。同図において、図5と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明を省略する。チャック本体の雄ねじ部13aには、溝13bが形成され、この溝13b内にシール部材21が配設されている。シール部材21は、雄ねじ13aと雌ねじ14aによって形成される螺旋状の隙間を遮断し、クーラントの液漏れを防止する。
【0032】図13乃至図19は、雄ねじ13a側に設けられるシール部材21の各種の例を示している。
【0033】図13(a)は、雄ねじ13aに形成される溝に配置される角柱状のシール部材21である。このシール部材21はねじ軸方向に1ピッチ相当の幅がある。雄ねじ13aには、図13(b)に示すように、該シール部材形状に対応した角柱状の溝13bが形成され、溝13bにこのシール部材21が収められる。その後、ナット部14を雄ねじ13aに螺合すると、シール部材21は雄ねじ13aと雌ねじ14a間に挟まれ、弾性収縮する。それにより、雄ねじ13aと雌ねじ14a間の隙間は遮蔽される。
【0034】図14(a)は、角柱状のシール部材21の先端部が略ねじ山の角度(ねじ山の両側の傾斜面によって形成される角度)を持つように形成されている。雄ねじ13aには、図14(b)に示すように、該シール部材形状に対応した角柱状の溝13bが形成され、溝13b内にこのシール部材21が収められる。ナット部14を雄ねじ13aに螺合すると、シール部材21は雄ねじ13aと雌ねじ14a間に挟まれ、弾性収縮する。それにより、雄ねじ13aと雌ねじ14a間の隙間は遮蔽される。シール部材21の先端側は、傾斜しているので収縮変形の際に、図12(a)に示す柱状形状のシール部材21よりも無理な変形が少ない。
【0035】図15(a)は、円柱状のシール部材21の例を示している。雄ねじ13aには、図15(b)に示すように、該シール部材形状に対応した円柱状の溝13bが形成され、溝13b内にこのシール部材21が収められる。ナット部14を雄ねじ13aに螺合すると、シール部材21は雄ねじ13aと雌ねじ14a間に挟まれ、弾性収縮する。それにより、雄ねじ13aと雌ねじ14a間の隙間は遮蔽される。
【0036】図16(a)は、円柱状のシール部材21の先端部が略ねじ山の角度となるように形成している。雄ねじ13aには、図16(b)に示すように、該シール部材形状に対応した円柱状の溝13bが形成され、溝13b内にこのシール部材21が収められる。ナット部14を雄ねじ13aに螺合すると、シール部材21は雄ねじ13aと雌ねじ14a間に挟まれ、弾性収縮する。それにより、雄ねじ13aと雌ねじ14a間の隙間は遮蔽される。シール部材21の先端が角度を持っている分、図14に示すシールよりも無理な変形が生じにくい。なお、円柱状のシール部材の先端部を円錐状や円錐台状としても良い。
【0037】図17(a)に示すシール部材21は、ねじの軸方向に複数ピッチ分(この例では2ピッチ)の幅を有し、角柱状の基部21aと雌ねじ14aの形状に対応したねじ形状(あるいはラック状)のシール部21bとからなる。雄ねじ13aには、図17(b)に示すように、基部21aの形状に対応した角柱状の溝13bが形成され、溝13b内にこのシール部材21が収められる。ナット部14を雄ねじ13aに螺合すると、シール部材21は雄ねじ13aと雌ねじ14a間に挟まれ、弾性収縮する。それにより、雄ねじ13aと雌ねじ14a間の複数の隙間の各々が遮蔽される。従って、より確実に液漏れが防止される。
【0038】図18(a)に示すシール部材21は、ねじの軸方向に複数ピッチ分(この例では2ピッチ)の幅を有する横置きの円柱状の弾性体である。雄ねじ13aには、図18(b)に示すように、雄ねじ13aの一部にねじ軸方向に延在する半円柱状の溝13bが形成され、溝13b内に円柱状シール部材21が収められる。ナット部14を雄ねじ13aに螺合すると、シール部材21は雄ねじ13aと雌ねじ14a間に挟まれ、弾性収縮する。それにより、雄ねじ13aと雌ねじ14a間の、軸方向に存在する複数の隙間(この例では、2箇所)が遮蔽される。
【0039】図19(a)に示すシール部材21も、ねじの軸方向に複数ピッチ分(この例では2ピッチ)の幅を有するが、横置円柱状の弾性体の上半分を雌ねじに対応してねじ山状(あるいはラック状)の形状に形成している。雄ねじ13aには、図18(b)に示すように、雄ねじ13aの一部にねじ軸方向に延在する半円柱状の溝13bが形成され、溝13b内にシール部材21が収められる。ナット部14を雄ねじ13aに螺合すると、シール部材21は雄ねじ13aと雌ねじ14a間に挟まれ、弾性収縮する。それにより、雄ねじ13aと雌ねじ14a間の、軸方向に存在する複数の隙間(この例では、2箇所)が遮蔽される。この場合に、シー部材21の上部形状は雌ねじ14aの形状に沿った形であるのでシールが密着し易い。
【0040】図20(a)に示すシール部材21もねじの軸方向に複数ピッチ分(この例では2ピッチ)の幅を有し、角柱状の基部21aと雌ねじ14aの形状に対応したねじ形状(あるいはラック状)のシール部21bとからなる。この例では、円柱状の弾性部材をその中心軸と垂直方向において柱状に切出し、切出した部材の曲面をラック状に形成している。雄ねじ13aには、図20(b)に示すように、基部21aの形状に対応した角柱状の溝13bが形成され、溝13b内にこのシール部材21が収められる。ナット部14を雄ねじ13aに螺合すると、シール部材21は雄ねじ13aと雌ねじ14a間に挟まれ、弾性収縮する。それにより、雄ねじ13aと雌ねじ14a間の、軸方向に存在する複数の隙間(この例では、2箇所)が遮蔽される。また、ラック状部分の縁が(円柱の)曲面となっている。従って、シール部材21の弾性収縮がより均一化され、より確実に液漏れが防止される。
【0041】図21(a)に示すシール部材21もねじの軸方向に複数ピッチ分(この例では2ピッチ)の幅を有し、角柱状の基部21aと雌ねじ14aの形状に対応したねじ形状(あるいはラック状)のシール部21bとからなる。この例では、円柱状の弾性部材の上端面をラック状に形成している。雄ねじ13aには、図21(b)に示すように、基部21aの形状に対応した円柱状の溝13bが形成され、溝13b内にこのシール部材21が収められる。ナット部14を雄ねじ13aに螺合すると、シール部材21は雄ねじ13aと雌ねじ14a間に挟まれ、弾性収縮する。それにより、雄ねじ13aと雌ねじ14a間の複数の隙間が遮蔽される。従って、図16に示す場合よりも、より確実に液漏れが防止される。
【0042】図22は、雄ねじ部13aの螺旋端部に、シール部材21を配置した例を示している。同図において、図5と対応する部分には、同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。雄ねじ部13aの端部にシール部材を配置する構成とすれば、シール部材を収納する溝の形成、あるいはシール部材のメンテナンスが容易である。
【0043】この例では、雄ねじ13aの端部に軸方向に長手に形成された溝13b内にシール部材21が配置される。この場合のシール材の例を図23及び図24に示す。
【0044】例えば、図23(a)に示すシール部材21は、図18(a)に示すシール部材と同様に構成されており、ねじの軸方向に複数ピッチ分(この例では2ピッチ)の幅を有する横置きの円柱状の弾性体である。雄ねじ13aには、図23(b)に示すように、雄ねじ13aの一部にねじ軸方向に延在する半円柱状の溝13bが形成され、溝13b内に円柱状シール部材21が収められる。ナット部14を雄ねじ13aに螺合すると、シール部材21は雄ねじ13aと雌ねじ14a間に挟まれ、弾性収縮する。それにより、雄ねじ13aと雌ねじ14a間の、軸方向に存在する複数の隙間(この例では、2箇所)が遮蔽される。
【0045】図24(a)に示すシール部材21は、図19(a)に示すシール部材と同様に構成されており、ねじの軸方向に複数ピッチ分(この例では2ピッチ)の幅を有するが、横置円柱状の弾性体の上半分を雌ねじに対応してねじ山状(あるいはラック状)の形状に形成している。雄ねじ13aには、図24(b)に示すように、雄ねじ13aの一部にねじ軸方向に延在する半円柱状の溝13bが形成され、溝13b内にシール部材21が収められる。ナット部14を雄ねじ13aに螺合すると、シール部材21は雄ねじ13aと雌ねじ14a間に挟まれ、弾性収縮する。それにより、雄ねじ13aと雌ねじ14a間の、軸方向に存在する複数の隙間(この例では、2箇所)が遮蔽される。この場合に、シー部材21の上部形状は雌ねじ14aの形状に沿った形であるのでシールが密着し易い。
【0046】なお、図22乃至図24に示す例では、シール部材21を雄ねじの螺旋端部に配置しているが、これを雌ねじの螺旋端部に配置しても良い。
【0047】このように、本発明の実施例によれば、螺合構造体によって部材間相互を取付ける装置の該取付部分からの液漏れを防止することが出来る。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の螺合構造体のシール構造によれば、螺合構造に生じる螺旋状の隙間を弾性部材で遮蔽し、液漏れを防止するので、ネジ部全体にテープを巻いたり、ねじにシール材を塗布する必要はない。工具交換などのためにネジの脱着を繰返しても、液漏れのシール性が失われない。また、螺合部でシールするので、Oリングによる遮蔽のようにネジ部以外において更にシールする構造部分やスペースを必要としないので具合がよい。
【出願人】 【識別番号】390016344
【氏名又は名称】ビッグアルファ株式会社
【出願日】 平成11年9月14日(1999.9.14)
【代理人】 【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸 (外2名)
【公開番号】 特開2001−82612(P2001−82612A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−261175