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【発明の名称】 密封リングを含む合成樹脂製ホルダ
【発明者】 【氏名】ロルフ・ミントゲン

【氏名】アレクサンダー・ライザー

【要約】 【課題】高い熱負荷状態においても機能確実な、環状パッキンを含む合成樹脂製ホルダを実現する。併せて、低廉な製造費および大きい機能確実性を意図する。

【解決手段】第1に、合成樹脂製ホルダ1に、成形作業工程において密封面として作用する溝側壁に対向させて配置した環状溝27の溝側壁を固定する形状結合範囲41を設け、成形工具29bの軸線方向の調整運動によって密封面37が離型されるよう構成する。第2に、環状溝27を形成する成形工具29bを溝側壁の弾性変形によって環状溝から軸線方向へ引出すことができるよう、密封面35として構成された溝側壁に対向する環状溝27の溝側壁を弾性的に構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 溝底面と溝側壁とを有し半径方向へ予圧した状態で密封リングを設けた環状溝を有する円筒形部分を含む射出成形された合成樹脂製ホルダであって、双方の溝側壁の1つが密封面をなす形式のものにおいて、合成樹脂製ホルダ(1)が、成形作業工程において密封面(37)として作用する溝側壁に対向させて配置した環状溝(27)の溝側壁(57)を固定する形状結合範囲(41)を有し、密封面(37)が、成形工具(29a)の軸線方向の変位運動によって離型されることを特徴とする合成樹脂製ホルダ。
【請求項2】 形状結合範囲(41)が、溝底面(35)に関して少なくとも部分的に環状のウェブ(43)から形成されることを特徴とする請求項1の合成樹脂製ホルダ。
【請求項3】 形状結合範囲(41)が、溝底面(35)に関して少なくとも部分的に環状の溝(45)から形成されることを特徴とする請求項1の合成樹脂製ホルダ。
【請求項4】 密封面(37)として構成された溝側壁とこの溝側壁に向く形状結合範囲(41)の縁との間の合成樹脂製ホルダ(1)の寸法(A)が、広い溝底面(35)よりも大きいことを特徴とする請求項1の合成樹脂製ホルダ。
【請求項5】 形状結合範囲(41)が、溝側壁(57)の可能な最大弾性伸びよりも大きい半径方向寸法(H)を有することを特徴とする請求項1の合成樹脂製ホルダ。
【請求項6】 請求項1のプレアンブルに記載の合成樹脂製ホルダにおいて、密封面(35)として構成された溝側壁に対向する環状溝(27)の溝側壁(57)が、弾性的に構成され、従って、環状溝(27)を形成する成形工具(29a)を溝側壁(57)の弾性変形によって環状溝(27)から軸線方向へ引出し得ることを特徴とする合成樹脂製ホルダ。
【請求項7】 弾性的溝側壁(57)が、成形工具(29a)の離型時に押除けられる溝側壁(57)の材料を受容する少なくとも1つの自由スペース(59)を有することを特徴とする請求項6の合成樹脂製ホルダ。
【請求項8】 少なくとも1つの自由スペース(59)が、弾性的溝側壁(57)内に軸線方向へ延びるスリットから形成されることを特徴とする請求項7の合成樹脂製ホルダ。
【請求項9】 溝底面(35)と弾性的側壁(57)との間の移行部(1)が、丸く構成されていることを特徴とする請求項1または6の合成樹脂製ホルダ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溝底面と溝側壁とを有し半径方向へ予圧した状態で密封リングを設けた環状溝を有する円筒形部分を含む射出成形された合成樹脂製ホルダであって、双方の溝側壁の1つが密封面をなす形式の密封リングを含む合成樹脂製ホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】ヨーロッパ特許第0217013号には、合成樹脂製ホルダから形成される弁ハウジングを一端に有するブロック可能なピストン・シリンダ・ユニットが記載されている。合成樹脂製ホルダは、作業チャンバのために設置され合成樹脂製ホルダの溝に受容された環状パッキンを有する。合成樹脂製ホルダは、端面側の蓋を有し、蓋の環状縁の軸線方向端面は、作業チャンバのための環状パッキンを支持する溝側壁を提供する。
【0003】ドイツ特許公開第19714647号、ドイツ実用新案第29720483号およびヨーロッパ特許第0383303号には、上記環状パッキンを合成樹脂製ホルダに形状結合状態で射出成形された、機能同一のピストン・シリンダ・ユニットのための合成樹脂製ホルダが記載されている。すべての場合、環状パッキンが合成樹脂製ホルダから滑落することのないよう配慮されている。無負荷状態では、合成樹脂製ホルダの密封面の範囲における環状パッキンに対する瞬間圧力は、対向面における圧力よりも大きい。この効果は、ピストン・シリンダ・ユニットの面状態および圧力状態に起因する。更に、ピストン・シリンダ・ユニットの充填時、環状パッキンのスリップを誘起する圧力が、環状パッキンに急激に加えられる。しかしながら、合成樹脂製ホルダからの環状パッキンの滑落またはスリップは、例えば、対応する外気温においてコンテナ中でピストン・シリンダ・ユニットを輸送する際に、不適な気象条件によって環状パッキンの予圧が減少した場合にのみ、強く起きる。
【0004】ヨーロッパ特許第217013号に記載の如き蓋の確保は、組込に関して寧ろ好ましくない。なぜならば、更に、他の構成部材を使用しなければならないからである。更に、蓋も、すべての運転条件において、その所定位置を保持するよう配慮しなければならない。
【0005】環状溝内にパッキンを射出成形する場合、パッキン材料と合成樹脂製ホルダの材料との間の材料適合性を考慮しなければならない。合成樹脂は、部分的に、表面が極めて緻密であるため異種の合成樹脂との結合が極めて困難であるという性質を有する。
【0006】合成樹脂製ホルダを製造する場合、環状パッキンのための溝の範囲において分割された型を使用することもできる。分割型は、最大限に注意しても、概ね、被密封面の表面品質に不利な影響を与えるバリを発生する。
【0007】密封リングを作業チャンバへ向けて軸線方向へ確保する操作を不要とする他の可能性があるか否かに関して考慮がなされている。温度的に極めて安定であり、しかも、寸法不変であり、従って、対応して敏感な用途における解決法として使用できる密封材料があることが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高い熱負荷状態においても機能確実な、環状パッキンを含む合成樹脂製ホルダを実現することにある。この場合、低廉な製造費および大きい機能確実性を意図する。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題は、第1実施例において本発明にもとづき、合成樹脂製ホルダに、成形作業工程において密封面として作用する溝側壁に対向させて配置した環状溝の溝側壁を固定する形状結合範囲を設け、成形工具の軸線方向の調整運動によって密封面が離型されるよう構成することによって、解決される。
【0010】この方策の利点は、合成樹脂製ホルダの製造のために極めて簡単な成形工具を使用でき、しかも、密封面に型の分割目地に起因するシームがないので、バリのない密封面が得られるという点にある。
【0011】即ち、形状結合範囲は、溝底面に関して少なくとも部分的に環状のウェブから形成できる。更に射出成形される溝側壁により大きい軸線方向負荷を加えれば常に、ウェブが得られる。ウェブは、径の拡大を意味し、従って、大きい接触力を与える。
【0012】別の方策として、形状結合範囲は、溝底面に関して少なくとも部分的に環状の溝から形成できる。合成樹脂製ホルダの突起の近傍に形状結合範囲を構成すれば、溝を限定する周囲のリングを弾性的に変形でき、従って、成形工具の離型操作が、明らかに容易化される。
【0013】合成樹脂製ホルダと以降に射出成形され溝側壁を形成する部分との間の良好な結合を考慮して、密封面として構成された溝側壁とこの溝側壁に向く形状結合範囲の縁との間の合成樹脂製ホルダの寸法は、溝底面よりも大きい。
【0014】更に、有利な態様で、形状結合範囲は、溝側壁の可能な最大弾性伸びよりも大きい半径方向寸法を有するよう構成する。射出成形された部分に対して限られた程度に付着するに過ぎない極めて緻密な表面を有する合成樹脂がある。形状結合範囲と弾性伸びとの間の上記の伸び比によって、形状結合範囲は、常に確実に、係合状態に保持される。
【0015】別の解決法の場合、本発明にもとづき、密封面として構成された溝側壁に対向する環状溝の溝側壁は、弾性的に構成され、従って、環状溝を形成する成形工具を溝側壁の弾性変形によって環状溝から軸線方向へ引出すことができる。
【0016】材料特有のより小さい固有弾性を有する材料の場合に損傷のない離型が可能なよう、弾性的溝側壁は、成形工具の離型時に押除けられる溝側壁の材料を受容する少なくとも1つの自由スペースを有する。
【0017】自由スペースについてできる限り簡単な輪郭を得るため、少なくとも1つの自由スペースは、弾性的溝側壁内に軸線方向へ延びるスリットから形成する。
【0018】溝底面と弾性的側壁との間の移行部を丸く構成すれば有利であることが判っている。離型のための力は、より小さく、押除けられる材料は、変形して自由スペース内に容易に受容できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下の図面の説明を参照して、本発明を詳細に説明する。
【0020】図1に、ブロック可能なピストン・シリンダ・ユニット3の内部に弁ハウジングを使用する場合の合成樹脂製ホルダ1を示した。高圧媒体を充填した高圧パイプ5の内部には、ピストンロッド7が軸線方向へ可動に設けてある。ピストンロッド7は、高圧パイプ5を第1,第2作業チャンバ11;13に分割する。高圧パイプと同心に、容器パイプ15が設けてある。双方の作業チャンバは、容器パイプと高圧パイプとの間の流体接続21に至る流動接続17;19を含む。流体接続21は、合成樹脂製ホルダ内の弁棒23によって任意に制御され、かくして、ピストンロッドを所望の位置にブロックできる。
【0021】作業チャンバ13は、高圧チャンバ11に対して密封リング25によって密封される。この密封リングは、射出成形された合成樹脂製ホルダの環状溝27に受容され、高圧パイプの内壁に対して密封を行う。
【0022】図2に、第1半部29aと第2半部29bとからなる分割された成形工具29を示した。成形工具29の分割シーム31は、成形工具半部29aにアンダカットが生じないよう選択されている。なぜならば、アンダカットは、成形工具の軸線方向の開放運動を概ね阻止するからである。射出ダクトおよび排気ダクトは図示してない。
【0023】成形工具29内には、図1と対比して合成樹脂製ホルダ1が示してある。高圧パイプ5(図1参照)に押込んだ合成樹脂製ホルダ1の円筒形部分33には、半分開放した環状溝27が構成されている。環状溝27は、溝底面35と、密封面37として構成された溝側壁とからなる。図2の溝側壁は、完成した溝側壁に比して、図3に対応する完成した溝側壁よりも大きい寸法Aを有するよう構成されている。合成樹脂製ホルダ1の左側の端面39には、形状結合範囲41が続いている。形状結合範囲は、断面図である図2の上半部では、環状ウェブ43として構成され、下半部では、環状溝45として構成されている。溝底面35に関して、形状結合範囲の半径方向ズレは、成形工具半部29bを軸線方向へ移動して成形工具半部29aまたは合成樹脂製ホルダから引出し得るような寸法に制限されている。この場合、形状結合範囲は、その立体的構造とは無関係に弾性的に変形できる。合成樹脂製ホルダの流動接続19(図1参照)は、ピン状中子29cによって形成される。
【0024】形状結合範囲を溝45として構成した場合、成形工具半部29bは、密封面37と縁との間の範囲において形状結合範囲45まで延ばすことができる。形状結合範囲の部分は、合成樹脂製ホルダから半径方向へ離型される分割された成形工具29dから形成される。成形工具部分の上記構成にもとづき、強制離型を行う必要はない。
【0025】第2操作工程において、図3に示した如く、同じく分割シーム49を介して結合され半径方向へ移動できる2つの成形工具半部47a;47bからなる新しい成形工具47を使用する。成形工具29aは、不変である。双方の成形工具半部の環状縁部51;53は、溝底面35および密封面37によって部分的に形成された環状溝に係合する。概略的に示したゲート55を介して、未形成の溝側壁57を成形する。分割シーム49にも拘わらず、密封面のの範囲にバリが構成されることはない。溝底面35は、実際上、密封面を分離する。綿密な注意にも拘わらず溝底面35にバリが形成されても、このバリが、密封リング25(図1参照)の機能を妨害することはない。
【0026】製造終了時、中子29cを含む成形工具半部29aを除去し、成形工具半部47a;47bを半径方向へ開けば、合成樹脂製ホルダを後加工の必要のない完成部材として使用できる。
【0027】図4に、形状結合範囲41の半径方向構造と、溝側壁57と高圧パイプ5の内壁との間の所望の間隙57aとの間の関連性を明示するため、図1の部分を示した。若干の合成樹脂材料は、補足して射出される壁部に対する十分な付着を困難とする極めて緻密な表面を有する。図1のピストン・シリンダ・ユニットの使用時、熱的負荷にもとづき、射出された壁部57の半径方向膨張を排除できない。それにも拘わらず、溝側壁57と残余の合成樹脂製ホルダとの間に十分な形状結合が保持されるよう、形状結合範囲の半径方向大きさ、即ち、溝深さまたは半径方向隆起Hは、高圧パイプ5の内壁によって限定される最大伸び代Eよりも大きい。
【0028】図5に、基本図の図2の成形工具29内の完成部材としての合成樹脂製ホルダ1を示した。成形工具は、同じく、2つの成形工具半部29a;29bおよび中子29cからなる。図2;3の構造に対する本質的差異は、溝側壁57が、合成樹脂製ホルダの残余の構成部材とともに1つの操作工程で製造されるという点にある。溝側壁57は、弾性的に変形でき、従って、密封リング25のための環状溝27を定める周囲のリング51にも拘わらず、成形工具半部29bを合成樹脂製ホルダから軸線方向へ引出すことができる。
【0029】軸線方向離型が容易であるよう、弾性的溝側壁57は、溝側壁57を環状ウェブ部分に分割する軸線方向スリット59から形成される自由スペースを有する。スリットは、図6に示した如く、環状ポケットに統合することもできるポケット63に接続する。環状ウェブは、溝底面35までまたはその近傍まで相互に分離されている。離型時に必然的に押除けられる環状ウェブの材料は、ポケット63内に移行される。この弾性的移行は、溝底面35と弾性的溝側壁57との間の丸い移行部61によって改善される。
【出願人】 【識別番号】593136649
【氏名又は名称】スタビルス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】STABILUS GMBH
【出願日】 平成12年8月25日(2000.8.25)
【代理人】 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平 (外4名)
【公開番号】 特開2001−82602(P2001−82602A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願2000−256188(P2000−256188)