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【発明の名称】 ブリッスル減衰作用を有するブラシシール・セグメント
【発明者】 【氏名】オスマン・サイム・ディンク

【氏名】ヤーヤ・ドグ

【氏名】ミン・ゾー

【氏名】ノーマン・アーノルド・トゥリンキスト

【氏名】ドュアン・ハワード・アンステッド

【氏名】マイケル・ユージーン・バトル

【氏名】ロバート・ジョセフ・アルベロス

【氏名】ロバート・プロクター

【要約】 【課題】乱流環境でもブリッスルのフラッタを軽減するブラシシール・セグメント。

【解決手段】ブラシシール・セグメント(10)は、他の同様のセグメントと円周方向に配列されると、ガスタービンのような回転機械のロータ(26)とその周囲のケーシング(28)の間の間隙をシールするのに有効である。ブラシシール・ブリッスル(38)がブラシシール後板(30)とブラシシール前板(34)の間に配置され、各ブリッスルの自由端(40)が両方の板の縁(32,36)を越えて延在する。前板はその縁まで延在する部分(42)を有し、この縁まで延在する部分はブリッスルから離間している。1例では、縁まで延在する部分に貫通孔(44,46)が配列されている。別の例では、縁まで延在する部分がほぼブリッスルから遠ざかる方に延在する棚板(52)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 a)縁(32)を有するブラシシール後板(30)と、b)縁(36)を有するブラシシール前板(34)と、c)それぞれ自由端(40)を有する複数のブラシシール・ブリッスル(38)とを備え、前記ブリッスルが前記後板と前板の間に配置され、ほぼすべてのブリッスルの自由端が前記後板および前板の縁を越えて延在し、前記前板のその縁まで延在する部分(42)が前記ブリッスルから離間しており、前記前板の縁まで延在する部分に貫通孔(44,46)が配列されている、ブラシシール・セグメント(10)。
【請求項2】 前記ブラシシール・セグメントが1枚だけ前板を有する、請求項1に記載のブラシシール・セグメント。
【請求項3】 前記前板が手で曲がらない前板である、請求項2に記載のブラシシール・セグメント。
【請求項4】 前記貫通孔は、それぞれの長さが前記前板の縁まで延在する部分からブリッスルまでの距離より長い第1孔(44)を含む、請求項3に記載のブラシシール・セグメント。
【請求項5】 前記前板の縁まで延在する部分にもっとも近いブリッスルがほぼ平面内にあり、前記第1孔が前記平面にほぼ直角に配向されている、請求項4に記載のブラシシール・セグメント。
【請求項6】 a)概して長さ方向軸線(50)を有する円形リングの環状セグメントの形状を有するブラシシール・ホルダ(48)を備え、このホルダ(48)は、環状ブラシシール後板(30)および環状ブラシシール前板(34)を有し、後および前板はそれぞれ前記リングの長さ方向軸線(50)とほぼ同軸に心合わせされ、またそれぞれ概して長さ方向軸線に面する内側円周方向縁(32および36)を有し、またb)それぞれ自由端(40)を有する複数のブラシシール・ブリッスル(38)を備え、前記ブリッスルは前記後板と前板の間に長さ方向に配置され、ほぼすべてのブリッスルの自由端が後板の縁および前板の縁を越えて延在し、前記後板の縁は前板の縁より長さ方向軸線近くまで延在し、前記前板のその縁まで延在する部分(42)がブリッスルから長さ方向に離間しており、前記前板の縁まで延在する部分に貫通孔(44,46)が配列されている、ブラシシール・セグメント(10)。
【請求項7】 前記ブラシシール・セグメントが1枚だけ前板を有する、請求項6に記載のブラシシール・セグメント。
【請求項8】 前記前板が手で曲がらない前板である、請求項7に記載のブラシシール・セグメント。
【請求項9】 前記貫通孔は、それぞれの長さが前記前板の縁まで延在する部分からブリッスルまでの距離より長い第1孔(44)を含む、請求項8に記載のブラシシール・セグメント。
【請求項10】 前記第1孔が前記長さ方向軸線にほぼ平行に配向されている、請求項9に記載のブラシシール・セグメント。
【請求項11】 a)縁(32)を有するブラシシール後板(30)と、b)縁(36)を有するブラシシール前板(34)と、c)それぞれ自由端(40)を有する複数のブラシシール・ブリッスル(38)とを備え、前記ブリッスルが前記後板と前板の間に配置され、ほぼすべてのブリッスルの自由端が前記後板および前板の縁を越えて延在し、前記前板のその縁まで延在する部分(42)が前記ブリッスルから離間しており、前記前板の縁まで延在する部分がその縁に、前記ブリッスルからほぼ遠ざかる方に突出する棚板(52)を有する、ブラシシール・セグメント(10)。
【請求項12】 前記ブラシシール・セグメントが1枚だけ前板を有する、請求項11に記載のブラシシール・セグメント。
【請求項13】 前記前板が手で曲がらない前板である、請求項12に記載のブラシシール・セグメント。
【請求項14】 前記前板の縁まで延在する部分にもっとも近いブリッスルがほぼ平面内にあり、前記縁まで延在する部分が前記平面に直角な方向に厚さを有し、前記前板の縁まで延在する部分の棚板の厚さが前記前板の縁まで延在する部分の他の部分の厚さより2倍以上厚い、請求項13に記載のブラシシール・セグメント。
【請求項15】 前記棚板に第2孔(46)が配列された、請求項14に記載のブラシシール・セグメント。
【請求項16】 a)概して長さ方向軸線(50)を有する円形リングの環状セグメントの形状を有するブラシシール・ホルダ(48)を備え、このホルダ(48)は、環状ブラシシール後板(30)および環状ブラシシール前板(34)を有し、後および前板はそれぞれ前記リングの長さ方向軸線(50)とほぼ同軸に心合わせされ、またそれぞれ概して長さ方向軸線に面する内側円周方向縁(32および36)を有し、またb)それぞれ自由端(40)を有する複数のブラシシール・ブリッスル(38)を備え、前記ブリッスルは前記後板と前板の間に長さ方向に配置され、ほぼすべてのブリッスルの自由端が後板の縁および前板の縁を越えて延在し、前記後板の縁は前板の縁より長さ方向軸線近くまで延在し、前記前板のその縁まで延在する部分(42)がブリッスルから長さ方向に離間しており、前記前板の縁まで延在する部分がその縁に、前記ブリッスルからほぼ長さ方向に遠ざかる方に突出する棚板(52)を有する、ブラシシール・セグメント(10)。
【請求項17】 前記ブラシシール・セグメントが1枚だけ前板を有する、請求項16に記載のブラシシール・セグメント。
【請求項18】 前記前板が手で曲がらない前板である、請求項17に記載のブラシシール・セグメント。
【請求項19】 前記前板の縁まで延在する部分にもっとも近いブリッスルがほぼ平面内にあり、前記縁まで延在する部分が前記平面に直角な方向に厚さを有し、前記前板の縁まで延在する部分の棚板の厚さが前記前板の縁まで延在する部分の他の部分の厚さより2倍以上厚い、請求項18に記載のブラシシール・セグメント。
【請求項20】 前記棚板に第2孔(46)が配列された、請求項19に記載のブラシシール・セグメント。
【発明の詳細な説明】【0001】
【技術分野】この発明は、シール、特にブラシシール・セグメントに関する。
【0002】
【背景技術】回転機械としては、蒸気タービン用のタービンやガスタービン用の圧縮機およびタービンなどが挙げられる。蒸気タービンの蒸気流路には、代表的には、蒸気入口、タービンおよび蒸気出口が直流関係で配列されている。ガスタービンのガス流路には、代表的には、空気取り入れ口(入口)、圧縮機、燃焼器、タービンおよびガス出口(排気ノズル)が直流関係で配列されている。高圧領域から低圧領域へのガスまたは蒸気の漏れは、それがガスまたは蒸気流路から外への漏れであれ、ガスまたは蒸気流路に侵入する漏れであれ、いずれにしても望ましくない。たとえば、ガスタービンのタービンまたは圧縮機領域において、タービンまたは圧縮機のロータとそれを円周方向に包囲するタービンまたは圧縮機ケーシングとの間で、ガス流路に漏れがあると、ガスタービンの効率が低下し、燃料コストが上昇する。また、蒸気タービンのタービン領域において、タービンのロータとそれを円周方向に包囲するケーシングとの間で、蒸気流路に漏れがあると、蒸気タービンの効率が低下し、燃料コストが上昇する。
【0003】ガスおよび蒸気タービンにおいてロータと包囲ケーシングとの間に用いる環状ブラシシールが提案されている。環状ブラシシールは、複数のブラシシール・セグメントを円周方向に配列して構成される。各ブラシシール・セグメントは、ケーシングに取り付けられ、後(すなわち下流)板と、前(すなわち上流)板と、後板および前板間に配置されたブリッスルとを含み、ほぼすべてのブリッスルの自由端が後板および前板の縁を越えて延在する。代表的には、ブリッスルはロータの回転方向に約45°の角度に傾斜しており、ブリッスルの自由端はロータに近接している(接触してもよい)。代表的には、ブリッスルの自由端近くで、前板は(場合によっては、後板の一部も)、ブリッスルから離間しており、ブリッスルの自由端がロータと過渡的に接触する際にブリッスルが曲がりまた回復する余地を残している。上流ガス流が乱流である場合、流れの一部が前板とブリッスルの間で渦まき、ブリッスルをばたつかせ(フラッタ、すなわち不安定要因となり)、ブリッスルがすぐに摩耗し、早期のブラシシール破損につながる。乱流環境でもブリッスルのフラッタを軽減するブラシシール・セグメントの設計が、必要とされている。
【0004】
【発明の概要】本発明の第1の実施態様においては、ブラシシール・セグメントは、後板と、前板と、ブリッスルとを備える。ブリッスルは、後板と前板の間に配置され、ほぼすべてのブリッスルの自由端が後板および前板の縁を越えて延在する。前板はその縁まで延在する部分を有し、この縁まで延在する部分がブリッスルから離間しており、かつ縁まで延在する部分に貫通孔が配列されている。
【0005】本発明の第2の実施態様においては、ブラシシール・セグメントは、概して円形リングの環状セグメントの形状を有するブラシシール・ホルダを備える。ホルダは、環状後板および環状前板を有し、後および前板はそれぞれ概して前記リングの長さ方向軸線とほぼ同軸に心合わせされ、またそれぞれ概して長さ方向軸線に面する内側円周方向縁を有する。ブラシシール・セグメントは、また、前記後板と前板の間に長さ方向に配置された複数のブリッスルを備える。ほぼすべてのブリッスルの自由端が後板の縁および前板の縁を越えて延在する。後板の縁は前板の縁より長さ方向軸線近くまで延在する。前板はその縁まで延在する部分を含み、この縁まで延在する部分はブリッスルから長さ方向に離間しており、かつこの縁まで延在する部分に貫通孔が配列されている、本発明の第3の実施態様においては、ブラシシール・セグメントは、後板と、前板と、ブリッスルとを備える。ブリッスルは、後板と前板の間に配置され、ほぼすべてのブリッスルの自由端が後板および前板の縁を越えて延在する。前板はその縁まで延在する部分を有し、この縁まで延在する部分はブリッスルから離間しており、かつその縁に、ブリッスルからほぼ遠ざかる方に突出する棚板(レッジ)を有する。
【0006】本発明の第4の実施態様においては、ブラシシール・セグメントは、概して円形リングの環状セグメントの形状を有するブラシシール・ホルダを備える。ホルダは、環状後板および環状前板を有し、後および前板はそれぞれ前記リングの長さ方向軸線と概して同軸に心合わせされ、またそれぞれ概して長さ方向軸線に面する内側円周方向縁を有する。ブラシシール・セグメントは、また、前記後板と前板の間に長さ方向に配置された複数のブリッスルを備える。ほぼすべてのブリッスルの自由端が後板の縁および前板の縁を越えて延在する。後板の縁は前板の縁より長さ方向軸線近くまで延在する。前板はその縁まで延在する部分を含み、この縁まで延在する部分はブリッスルから長さ方向に離間しており、かつその縁に、ブリッスルからほぼ長さ方向に遠ざかる方に突出する棚板を有する。
【0007】本発明から多くの効果と利点がえられる。本発明の第1および第2の実施態様においては、工学的な検討から明らかになるように、前板の貫通孔は、細分流が貫通孔を通過し、これにより前板とブリッスルの間の空間から、これらの貫通孔がなければブリッスルの自由端近くで同空間に侵入する乱流を追い出すことを可能にし、したがって、ブリッスルの自由端にあたる流れが一層安定なものとなるので、ブリッスルの自由端が減衰され、その結果ブリッスルの自励振動(フラッタ)が少なくなり、ブラシシールの摩耗耐性が増加する。本発明の第3および第4の実施態様においては、工学的な検討から明らかになるように、前板の上流に延在する棚板が乱流をチャネル流とし、したがって、ブリッスルの自由端にあたる流れが一層安定なものとなるので、ブリッスルの自由端が減衰され、その結果ブリッスルの自励振動が少なくなり、ブラシシールの摩耗耐性が増加する。
【0008】
【発明の詳細な記述】図1に、この発明の好適な実施態様によるブラシシール・セグメント10を、他の5つの同一なブラシシール・セグメント12,14,16,18および20とともに線図的に示す。これらのブラシシール・セグメントのすべてが円周方向に配列されて環状ブラシシール22を画定する。図2に、ガスタービン・アセンブリ24(図2にはその一部のみを図示)に据え付けたブラシシール・セグメントの一つ10を示す。このガスタービン・アセンブリ24は、ロータ26と、このロータ26から半径方向に離間されてロータ26を円周方向に包囲するケーシング28とを有する。ブラシシール・セグメント10は、ロータ26とケーシング28間の環状間隙内に配置されている。ブラシシール・セグメント10はケーシング28に取り付けられている。なお、ブラシシール・セグメント10は、蒸気タービンなど他のどのような回転機械にも配置することができる。
【0009】図面に示す本発明の第1の実施態様においては、ブラシシール・セグメント10は、縁32を有するブラシシール後板30と、縁36を有するブラシシール前板34と、それぞれ自由端40を有する複数のブラシシール・ブリッスル38とを備える。ブリッスル(剛毛)38は、後板30と前板34との間に配置され、ほぼすべてのブリッスル38の自由端40が後板30の縁32および前板34の縁36を越えて延在する。前板34は、その縁36まで延在する部分42を含み、この縁まで延在する部分42がブリッスル38から離間している。この前板34の縁まで延在する部分42に貫通孔44,46が配列されているある設計例では、ブラシシール・セグメント10は1つの前板34しかもたず、別の設計例では、前板34が手で曲がらない(剛固な)前板34である。ここで「手で曲がらない」とは、平均的な強さの大人の手で前板34をたわませることができないことを意味する。単一の剛固な前板は、乱流ガス流中で望ましくない自励振動(フラッタ)を生じにくく、また輸送や装着時また近傍のタービン部品のメンテナンス時に損傷を受けにくい。1例では、貫通孔44および46には、長さが前板34の縁まで延在する部分42からブリッスル38までの距離より長い第1孔44が含まれる。相対的に長い第1孔44はガスの細分流をチャネル流とし、ブリッスル38への相対的に短い出口距離は第1孔44からチャネル流とされたガスの細分流がブリッスル38にぶつかる衝撃の制御を改良する。図面から明らかなように、前板34の縁まで延在する部分42にもっとも近いブリッスル38はほぼ平面内にある。別の例では、第1孔44がその平面に対してほぼ直角に配向されている。1適用例では、第1孔44が、ブラシシール・セグメント10の正面(すなわち下流向き)図の図面(図1のような)で見える貫通孔44および46のすべてである。
【0010】図面に示す本発明の第2の実施態様では、ブラシシール・セグメント10は、概して円形リングの環状セグメントの形状を有するブラシシール・ホルダ48を含む。ここで50はリングの長さ方向軸線を示す。ブラシシール・ホルダ48は、環状ブラシシール後板30および環状ブラシシール前板34を有し、後および前板はそれぞれ概して軸線50とほぼ同軸に心合わせされ、またそれぞれ概して軸線50に面する内側円周方向縁32および36を有する。ブラシシール・セグメント10はまた、それぞれ自由端40を有する複数のブラシシール・ブリッスル38を含む。ブリッスル38は後板30と前板34の間に長さ方向に配置され、各ブリッスル38の自由端40が後板30の縁32および前板34の縁36を越えて延在する。後板30の縁32は前板34の縁36より軸線50近くまで延在している。前板34はその縁36まで延在する部分42を含み、この縁まで延在する部分42はブリッスル38から長さ方向に離間している。前板34の縁まで延在する部分42には、貫通孔44および46が配列されている。
【0011】ある設計例では、ブラシシール・セグメント10は1つの前板34しかもたず、別の設計例では、前板34が手で曲がらない(剛固な)前板34である。単一の剛固な前板は、乱流ガス流中で望ましくないフラッタを生じにくく、また輸送や装着時また近傍のタービン部品のメンテナンス時に損傷を受けにくい。1例では、貫通孔44および46には、長さが前板34の縁まで延在する部分42からブリッスル38までの距離より長い第1孔44が含まれる。相対的に長い第1孔44はガスの細分流をチャネル流とし、ブリッスル38への相対的に短い出口距離は第1孔44からチャネル流とされたガスの細分流がブリッスル38にぶつかる衝撃の制御を改良する。別の例では、第1孔44が軸線50にほぼ平行に配向されている。1適用例では、ブラシシール・セグメント10の正面(すなわち下流向き)図の図面(図1のような)で見える貫通孔44および46のすべてが第1孔44である。
【0012】図面に示す本発明の第3の実施態様においては、ブラシシール・セグメント10は、縁32を有するブラシシール後板30と、縁36を有するブラシシール前板34と、それぞれ自由端40を有する複数のブラシシール・ブリッスル38とを備える。ブリッスル38は、後板30と前板34との間に配置され、ほぼすべてのブリッスル38の自由端40が後板30の縁32および前板34の縁36を越えて延在する。前板34は、その縁36まで延在する部分42を含み、この縁まで延在する部分42がブリッスル38から離間している。この前板34の縁まで延在する部分42はその縁36に、ブリッスル38からほぼ遠ざかる方に突出する棚板(レッジ)52を有する。
【0013】ある設計例では、ブラシシール・セグメント10は1つの前板34しかもたず、別の設計例では、前板34が手で曲がらない(剛固な)前板34である。単一の剛固な前板は、乱流ガス流中で望ましくないフラッタを生じにくく、また輸送や装着時また近傍のタービン部品のメンテナンス時に損傷を受けにくい。別の設計例では、図面からわかるように、前板34の縁まで延在する部分42にもっとも近いブリッスル38はほぼ平面内にある。前板34の縁まで延在する部分42はこの平面に直角な方向に厚さを有し、前板34の縁まで延在する部分42の棚板52の厚さは前板34の縁まで延在する部分42の残りの部分の厚さの2倍以上である。長い棚板52は乱流ガス流をチャネル流とし、望ましくないブリッスルのフラッタを少なくする。1例では、前板34の縁まで延在する部分42に貫通孔44および46が配列されている。棚板52以外の縁まで延在する部分42に第1孔44が配列され(棚板を除いては図面に示す本発明の第1および第2実施態様において説明したように)、そして縁まで延在する部分42の棚板52に第2孔46が配列されている。第2孔46はそれぞれ、第2孔から出てくるガスの細分流を適当な方向に向けて、他の流れがなければ、ブリッスル38の自由端40に衝突させるように、配向されている。別の例では、ブラシシール・セグメント10の半径方向内向きに見た図(図示せず)および半径方向外向きに見た図(図示せず)で見える貫通孔44および46が第2孔46だけである。このように配向された第2孔46は、望ましくない乱流が前板34およびブリッスル38間の空間に進入するのを防止するのに役立ち、望ましくないブリッスルのフラッタを軽減する。
【0014】図面に示す本発明の第4の実施態様では、ブラシシール・セグメント10は、概して円形リングの環状セグメントの形状を有するブラシシール・ホルダ48を含む。ここで50はリングの長さ方向軸線を示す。ブラシシール・ホルダ48は、環状ブラシシール後板30および環状ブラシシール前板34を有し、後および前板はそれぞれ概して軸線50とほぼ同軸に心合わせされ、またそれぞれ概して軸線50に面する内側円周方向端縁32および36を有する。ブラシシール・セグメント10はまた、それぞれ自由端40を有する複数のブラシシール・ブリッスル38を含む。ブリッスル38は後板30と前板34の間に長さ方向に配置され、ほぼすべてのブリッスル38の自由端40が後板30の縁32および前板34の縁36を越えて延在する。後板30の縁32は前板34の縁36より軸線50近くまで延在している。前板34はその縁36まで延在する部分42を含み、この縁まで延在する部分42はブリッスル38から長さ方向に離間している。この前板34の縁まで延在する部分42はその縁36に、ブリッスル38からほぼ長さ方向に遠ざかる方に突出する棚板(レッジ)52を有する。
【0015】ある設計例では、ブラシシール・セグメント10は1つの前板34しかもたず、別の設計例では、前板34が手で曲がらない(剛固な)前板34である。単一の剛固な前板は、乱流ガス流中で望ましくないフラッタを生じにくく、また輸送や装着時また近傍のタービン部品のメンテナンス時に損傷を受けにくい。別の設計例では、図面からわかるように、前板34の縁まで延在する部分42にもっとも近いブリッスル38はほぼ平面内にある。前板34の縁まで延在する部分42はその平面に直角な(すなわち、軸線50に平行な)方向に厚さを有し、前板34の縁まで延在する部分42の棚板52の厚さは前板34の縁まで延在する部分42の残りの部分の厚さの2倍以上である。長い棚板52は乱流ガス流をチャネル流とし、望ましくないブリッスルのフラッタを少なくする。1例では、前板34の縁まで延在する部分42に貫通孔44および46が配列されている。棚板52以外の部分42に第1孔44が配列され(棚板を除いては図面に示す本発明の第1および第2実施態様において説明したように)、そして部分42の棚板52に第2孔46が配列されている。第2孔46はそれぞれ、第2孔から出てくるガスの細分流を適当な方向に向けて、他の流れがなければ、ブリッスル38の自由端40に衝突させるように、配向されている。別の例では、ブラシシール・セグメント10を半径方向内向きに見た図(図示せず)および半径方向外向きに見た図(図示せず)で見える貫通孔44および46は第2孔46だけである。このように配向された第2孔46は、望ましくない乱流が前板34およびブリッスル38間の空間に進入するのを防止するのに役立ち、望ましくないブリッスルのフラッタを軽減する。
【0016】図面に示す本発明のいずれの実施態様においても、ブリッスル38は、軸線50から各ブリッスル38に外向きに延在する半径方向直線(図示せず)に関してほぼ同一の角度に傾斜している。1例ではブリッスル38の角度は約45度である。代表的な構成では、後板30および前板34それぞれは一体構造で、本質的にステンレス鋼などの金属または合金からなる。ブリッスル38は、代表的には、コバルト基合金ワイヤブリッスルなどの金属ワイヤまたはセラミックワイヤのブリッスルからなる。1構成例では、金属ワイヤブリッスル38をブラシシール・ホルダ48に溶接により取り付ける(このような溶接部は図示の都合上図面から省略)。図2から明らかなように、ブラシシール・セグメント10は高圧側54と低圧側56とを有し、ブラシシール・ホルダ48の半径方向外側部分はケーシング28に取り付けられ(たとえばブラシシール・セグメント10をケーシング28のスロット58に係合することにより)、ブリッスル38の内向きに突出する自由端40(図2に見えるように)はロータ26の近くに配置されている(1適用例ではロータ26にまさに接触するように配置されている)。後板30は下流板であり、前板34は上流板である。ガス流はブラシシール・セグメント10の高圧側54から低圧側56に流れる。前述したように、ブラシシール・セグメント10は長さ方向軸線50を有する円形リングの環状セグメント(円弧区分)である。ここでは、具体的には、円形リングは図1に示す環状ブラシシール22であるとみなすことができる。図面に示したブラシシール・セグメント10の実施例は、貫通孔44および46と棚板52とを設けた部分42を有するが、本発明はこれに限定されず、部分42が貫通孔44を有するが棚板52をもたない設計例や、部分42が棚板52を有するが貫通孔44および/または46をもたない設計例などを包含する。
【0017】以上本発明の実施例のいくつかの態様を説明したが、これは例示のためにすぎない。これらは全てを網羅しているわけではなく、また本発明を開示したとおりの形態に限定しようとするものでもなく、上述した教示内容から種々の変更や改変が可能である。本発明の要旨は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成12年5月12日(2000.5.12)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一
【公開番号】 特開2001−65700(P2001−65700A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願2000−139498(P2000−139498)