| 【発明の名称】 |
シリンダヘッドガスケット |
| 【発明者】 |
【氏名】柴田 銑二郎
【氏名】萩原 義幸
【氏名】新保 善一
【氏名】中田 和哉
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| 【要約】 |
【課題】燃焼室側にハーフビードを形成するシリンダヘッドガスケットにおいて、組付け時のハーフビードの過剰圧縮変形を防止すると共に、燃焼室孔の全周に亘り安定したシール性を確保する。
【解決手段】燃焼室孔(11)側の端部から順に、一の傾斜部から成るハーフビード(14)と、このハーフビード(14)と同方向に突出するビード(13)を形成する。そして、ハーフビード(14)とビード(13)との間に弾性シール部材(30)を配設する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃焼室孔側の端部から順に、一の傾斜部から成るハーフビードと、該ハーフビードと同方向に突出するビードを形成したシリンダヘッドガスケットであって、前記ハーフビードと前記ビードとの間に弾性シール部材を配設したことを特徴とするシリンダヘッドガスケット。 【請求項2】 燃焼室孔側の端部から順に、一の傾斜部から成るハーフビードと、該ハーフビードと同方向に突出するビードを形成した二枚の基板を、前記ハーフビード及び前記ビードの頂部が夫々対向するように配置したシリンダヘッドガスケットであって、前記ハーフビードと前記ビードとの間に弾性シール部材を配設したことを特徴とするシリンダヘッドガスケット。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はシリンダヘッドガスケットに関し、特に燃焼室孔側にハーフビードを形成するシリンダヘッドガスケットに係る。 【0002】 【従来の技術】内燃機関のシリンダヘッドとシリンダブロックとの間にはシリンダヘッドガスケットが介装されているが、この種のガスケットに関し、近時は金属製の板材から成る金属ガスケットが注目されている。例えば、金属製の基板に燃焼室孔を穿設し、この燃焼室孔の周囲にビードを形成して高い面圧を確保し得るようにしたものが知られている。これに関し、特開平3−134376号公報には、内側ビードと外側ビードとの間にゴム等から成るシール材を設けたガスケットが開示されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記特開平3−134376号公報に記載のガスケットにおいては、二重のビードの間にシール材が設けられており、組付け時のビードの過剰変形を防止することができる。同公報にはシリンダヘッドガスケットが例示されているが、このシリンダヘッドガスケットに関しては、シリンダボア、即ち燃焼室孔側は燃焼圧力によるシリンダヘッドの上下方向の変位が大きく、シール性を確保する為には追従性の高いシール構造が必要である。このため、燃焼室孔側には、通常のビードよりも追従性の高いハーフビードを設けることが望ましい。また、シリンダブロックの燃焼室孔端面に過大集中荷重が付与されると燃焼室孔が変形するおそれがあるので、燃焼室孔側は、通常のビードに比べ過大集中荷重となりにくいハーフビードとすることが望ましい。 【0004】然し乍ら、燃焼室孔側にハーフビードを設けることとすると、燃焼時のハーフビードの応力振幅が大きくなるので、へたり、あるいはハーフビードの亀裂が懸念される。また、シリンダヘッドに組付けられるときにはハーフビードが過剰に圧縮変形されて全屈に近い状態となるので、へたりが懸念される。 【0005】そこで、本発明は、燃焼室側にハーフビードを形成するシリンダヘッドガスケットにおいて、組付け時のハーフビードの過剰圧縮変形を防止すると共に、燃焼室孔の全周に亘り安定したシール性を確保することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明は、燃焼室孔側の端部から順に、一の傾斜部から成るハーフビードと、該ハーフビードと同方向に突出するビードを形成したシリンダヘッドガスケットにおいて、前記ハーフビードと前記ビードとの間に弾性シール部材を配設することとしたものである。 【0007】また、本発明は、燃焼室孔側の端部から順に、一の傾斜部から成るハーフビードと、該ハーフビードと同方向に突出するビードを形成した二枚の基板を、前記ハーフビード及び前記ビードの頂部が夫々対向するように配置したシリンダヘッドガスケットにおいて、前記ハーフビードと前記ビードとの間に弾性シール部材を配設することとし、積層型のシリンダヘッドガスケットを構成してもよい。 【0008】 【作用】上記の構成になるシリンダヘッドガスケットをシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に介装し、所定の締付力を以って締結すると、ビード及びハーフビードが圧縮されて変形し、その弾性復元力により接合面に対する所定の面圧が確保される。このとき、弾性シール部材も圧縮されて変形するが、所定の変形量で弾性シール部材の圧縮変形が停止し、その弾性力を以てビード及びハーフビードの変形が規制される。特に、ハーフビードに対し、弾性シール部材はシリンダヘッドガスケット組付け時にはストッパとして機能しハーフビードの全屈といった過剰圧縮変形が防止され、内燃機関の燃焼・爆発に伴うハーフビードの伸び変形発生時にはシール補助材として機能しシール性の低下が防止される。 【0009】また、弾性シール部材を所定位置に配設し二枚の基板を接合したシリンダヘッドガスケットにおいては、各々のビード及びハーフビードが夫々圧縮されて変形し、これらの圧縮変形されたビード及びハーフビードの弾性復元力により接合面に対する所定の面圧が確保される。この場合において、各々のビード及びハーフビードは弾性シール部材の圧縮変形後の高さまで変形するが、この後の変形が規制される。特に、各々のハーフビードに対し、弾性シール部材は組付け時のストッパとして機能し過剰圧縮変形が防止され、内燃機関の燃焼・爆発に伴うハーフビードの伸び変形発生時にはシール補助材として機能しシール性の低下が防止される。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明のシリンダヘッドガスケットの実施形態を図面を参照して説明する。図1乃至図3は本発明の一実施形態を示すもので、シリンダヘッドガスケット1が多気筒内燃機関のシリンダヘッド3とシリンダブロック4との間に介装されている。本実施形態のシリンダヘッドガスケット1を製造工程に沿って説明すると、先ず弾性金属板、例えばステンレス鋼板(SUS)の素材が巻回されたコイルから、打抜き加工により基板10が形成されると共に、図2に示すように複数の燃焼室孔11、複数の冷却水孔(図示せず)及び潤滑油孔(図示せず)が穿設され、燃焼室孔11の周囲に複数のボルト孔12が穿設される。尚、ボルト孔12は各燃焼室孔11の周囲に略均等な間隔で形成され、シリンダヘッドガスケット1の内燃機関への装着時には各々に締結ボルト(図示せず)が挿通され、図1に示すようにシリンダヘッド3及びシリンダブロック4間に緊締される。 【0011】燃焼室孔11は気筒数に対応する数(例えば直列四気筒の内燃機関用として四個)の孔が直線上に並設され、これら燃焼室孔11回りには、図1に示すようにビード13がプレス成形される。ビード13の幅は図2に示すように燃焼室孔11の全周に亘り略均等に形成される。また、ビード13の内周側の基板10は、ビード13の突出側に折曲されると共に、平坦部10a,10bに平行な平坦部14aが形成され、燃焼室孔11回りにハーフビード14が形成される。 【0012】そして、ビード13とハーフビード14との間の凹部底面の平坦部10aに、弾性シール部材30が付着される。この弾性シール部材30は、ビード13の変形を所定の変形量に規制し得る弾性力を有するゴムや合成樹脂等から成り、本実施形態では半円形断面であるが、他の断面形状としてもよく、それ自体によるシール機能を確保するに充分な高さ及び幅に設定される。即ち、弾性シール部材30は、従来のシム等と同様、ビード13及びハーフビード14の変形を規制するストッパとして機能すると共に、接合面に密着してシール機能を発揮する。 【0013】上記のシリンダヘッドガスケット1が内燃機関に装着され締付力が加えられると、先ずビード13及びハーフビード14が圧縮変形する。このとき、弾性シール部材30もビード13及びハーフビード14と共に圧縮されて変形するが、弾性シール部材30が所定量圧縮変形すると、ビード13及びハーフビード14の変形が規制される。即ち、シリンダヘッド3及びシリンダブロック4間が緊締され、弾性シール部材30が圧縮変形すると、その弾性力によってビード13及びハーフビード14の変形が規制され、それ以上変形することなく、ビード13及びハーフビード14の弾性復元力を以って基板10がシリンダヘッド3及びシリンダブロック4に密着することとなる。 【0014】而して、基板10のビード13及びハーフビード14の耐疲労性が確保されると共に、その弾性復元力及び弾性シール部材30自体のシール機能によって、燃焼室孔11の全周に亘って安定したシール性が確保される。更に、ハーフビード14と弾性シール部材30との間、弾性シール部材30とビード13の頂部との間、ビード13の凹部、そしてビード13の頂部から平坦部10b側に、夫々空間が形成されるように構成されれば、ラビリンス効果によって燃焼ガスに対し一層良好なシール性が確保される。 【0015】特に、弾性シール部材30はハーフビード14のストッパとして機能するので、組付け時のハーフビード14の全屈といった過剰圧縮変形が防止され、燃焼圧力によるシリンダヘッド変位が低減される。また、ハーフビード14は通常のビードに比べて面圧が低いので、シリンダヘッドの傷等を介した微小な漏れが懸念されるが、弾性シール部材30によって適切にシールされる。一方、弾性シール部材30はハーフビード14によって燃焼ガスから遮蔽されているので、劣化が防止される。尚、ハーフビードは、平坦部14aを設けることなく、図3に示すように折曲部15のみによって形成することとしてもよい。 【0016】図4は本発明の他の実施形態に係るシリンダヘッドガスケットを示し、図1の基板10と同一形状の一対の基板10,10から成り、一方の基板10のビード13とハーフビード14との間に台形断面の弾性シール部材31が配設され、各々のビード13,13の頂部が相互に対向し直接当接するように配置された後、必要に応じ鳩目(図示せず)によって接合されるもので、積層型のシリンダヘッドガスケットが構成されている。 【0017】而して、本実施形態のシリンダヘッドガスケットも、シリンダヘッド3とシリンダブロック4との間に介装され締付力が加えられると、弾性シール部材31がストッパとして機能しビード13,13及びハーフビード14,14の変形が規制されると共に、弾性シール部材31自体によるシール機能を発揮する。しかも、一対の基板10,10の各々のハーフビード14,14は平坦部14a,14aが密着した状態で接合されるので、弾性シール部材31は燃焼ガスから完全に遮蔽され、劣化が防止される。更に、弾性シール部材31の両側に空間が形成されるように構成されれば、ラビリンス効果によって、一層良好なシール性が得られる。特に、弾性シール部材31はハーフビード14,14のストッパとして機能するので、組付け時のハーフビード14,14の全屈が防止され、燃焼圧力によるシリンダヘッド変位が低減される。 【0018】また、図5は本発明の更に他の実施形態に係るシリンダヘッドガスケットを示し、図4の実施形態と同様の基板10に対し、ハーフビード14を有さずビード23の両側に平坦部20a,20bを有する基板20が接合されたものである。本実施形態においても、基板10,20は各々のビード13,23の頂部が対向し直接当接するように配置された後、これらが必要に応じ鳩目(図示せず)によって接合され、図5に示すように積層型のシリンダヘッドガスケットが構成される。尚、本実施形態においては基板10がシリンダブロック4側となるように配置されるが、基板20がシリンダブロック4側となるように配置することとしてもよい。更に、基板10と基板20との間に中間板を介装することとしてもよい。 【0019】 【発明の効果】本発明は上述のように構成されているので、以下に記載する効果を奏する。即ち、本願請求項1に係る発明のシリンダヘッドガスケットにおいては、燃焼室孔側の端部に形成されたハーフビードとこれに続くビードとの間に弾性シール部材が配設されているので、この弾性シール部材がシリンダヘッドガスケット組付け時にはストッパとして機能し過剰圧縮変形を防止することができ、内燃機関の燃焼・爆発に伴うハーフビードの伸び変形発生時にはシール補助材としてシリンダヘッドガスケット端部のシール性の低下を防ぐことができる。 【0020】また、本願請求項2に係る発明においては、上記に加え、各々のハーフビードが密着し、弾性シール部材は燃焼ガスから完全に遮蔽されるので、劣化が防止される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000207791 【氏名又は名称】大豊工業株式会社 【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成5年9月20日(1993.9.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100084124 【弁理士】 【氏名又は名称】池田 一眞
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| 【公開番号】 |
特開2001−65696(P2001−65696A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月16日(2001.3.16) |
| 【出願番号】 |
特願2000−229885(P2000−229885) |
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