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【発明の名称】 圧力容器の高速加圧方法及び装置
【発明者】 【氏名】河原 勝

【要約】 【課題】これまでの昇圧方法においては、配管抵抗等の関係で、時間的に、圧力的に、かなりの制約を受け、所望の時間内に所定の高圧を得るということが出来ず、その上、圧力源がかなり大掛かりなものとなり、価格的に高価なものとなり、また空間的にも多くの場所を必要とする等の課題があった。

【解決手段】圧力容器を高速度で加圧する高速度加圧方法であって、液化ガスを高圧蒸発器内12へ供給すること、該高圧蒸発器12内をヒーター16の助けにより所定の高圧状態にすること、高圧蒸発器12内の圧力エネルギーを高速度開閉弁24を介して高速度で圧力容器14へ送り込むこと、の諸工程よりなる圧力容器14を高速度で加圧する高速度加圧方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業用の圧力容器を高速度で加圧する高速度加圧方法であって、液化ガスを高圧蒸発器内へ供給すること、該高圧蒸発器内をヒーターの助けにより所定の高圧状態にすること、高圧蒸発器内の圧力エネルギーを高速度開閉弁を介して高速度で圧力容器へ送り込むこと、の諸工程よりなる圧力容器を高速度で加圧する高速度加圧方法。
【請求項2】 液化ガスが、液化窒素又は液化アルゴンの何れかから選択されている請求項1に記載の高速度加圧方法。
【請求項3】 内部にヒーター装置16を具備している高圧蒸発器12と、該高圧蒸発器12へパイプ22を介して連結されている圧力容器14と、該パイプ22内に設けられた高速開閉弁24と、前記高圧蒸発器12内へ注入される液化ガスを収容している液化ガス源と、よりなる作業用圧力容器を高速度で加圧する高速度加圧装置。
【請求項4】 液化ガス源10と、該液化ガス源10へパイプ18を介して連結されている高圧蒸発器12と、該高圧蒸発器12へパイプ22を介して連結されている圧力容器14と、前記パイプ18へ設けられた超低温用開閉弁20と、該パイプ22内に設けられた高速開閉弁24と、前記高圧蒸発器12内へ設置されたヒーター装置16と、よりなる作業用の圧力容器を高速度で加圧する高速度加圧装置。
【請求項5】 液化ガス源が液化窒素源又は液化アルゴン源の何れかから選択される請求項3又は4の何れか1に記載の高速度加圧装置。
【請求項6】 高速開閉弁24が高圧空気作動のボールバルブである請求項3〜5の何れか1に記載の高速度加圧装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業用の圧力容器の高速加圧方法及びそれに使用される高速加圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、作業用の圧力容器の内部圧力を例えば100Kg/cm2等の高圧まで加圧する場合には、100Kg/cm2の圧力を有する高圧タンクその他の圧力源から供給される気体又は液体を配管を用いて圧力容器まで移送し、これにより圧力容器内の内部圧力を昇圧していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような昇圧方法においては、配管抵抗等の関係で、時間的に、圧力的に、かなりの制限を受け、所望の時間内に所定の高圧を得るということが出来ず、その上、圧力源がかなり大掛かりなものとなり、価格的に高価なものとなり、また空間的にも多くの場所を必要とする等の課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すため、本件発明は、液化ガスを高圧蒸発器内へ供給すること、該高圧蒸発器内をヒーターの助けにより所定の高圧状態にすること、高圧蒸発器内の圧力エネルギーを高速度開閉弁を介して高速度で圧力容器へ送り込むこと、の諸工程よりなる手段を開示する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例につき図面を参照しながら述べる。図において符号1は本件発明の方法を具体化する装置を示している。この装置1は、液化窒素源10と、高圧蒸発器12と、作業用の圧力容器14と、から成る。
【0006】液化窒素源10はそれ自体公知の液化窒素を充填したタンク等である。この液化窒素源10は液化アルゴンを充填した液化アルゴン源であってもよいことは当業者に明らかなところである。
【0007】高圧蒸発器12内には、電気、温湯、スチーム等を利用した公知のヒーター装置16が設けられている。また、該高圧蒸発器12内には、その内部圧力を測定するための圧力センサー(図示なし)が配置されている。更に前記液化窒素源10と高圧蒸発器12とは公知のパイプ18によって接続されている。このパイプ18内には液化窒素源10と高圧蒸発器12との連結を開閉する弁20が設けてある。好ましくはこの弁20は例えばテフロン(商標名)又はステンレス等の材料により成形した超低温用弁である。当該弁20は外部から開閉操作が可能である。
【0008】圧力容器14は高圧雰囲気下で含浸その他の作業を行うための所定の容積を有する容器であり、該容器はそこへの出入りが可能なような開閉扉又は窓(図示なし)等が設けてある。
【0009】高圧蒸発器12と圧力容器14とはパイプ22によって連結されており、かつこのパイプ22には高速作動の弁24が設けてある。この高速作動弁24は例えば高圧空気作動のボールバルブとすることが出来る。
【0010】本件発明において、例えば作業内容によって圧力容器14を変更する必要がある場合には、該圧力容器14はパイプ22へ対して着脱可能に装着される。また、必要なら、高圧蒸発器12の内部容積を遮蔽板その他の公知の手段によって可変とすることも出来る。
【0011】本件発明の方法を実行する場合には、初めに圧力容器14内での作業内容を検討して、当該圧力容器14内の圧力条件及び加圧時間等を決定する。ついでこの圧力容器14をパイプ22へ確実に装着する。その後、超低温用弁20を解放して、液化窒素源10からの極低温液体を高温蒸発器12内へ所定量だけ流して当該弁を閉じる。勿論、当該極低温液体は、液化窒素源10からパイプ18及び弁20を介して供給することに限定されるものではなく、所望の液化ガス源から高温蒸発器12内へ直接所定の極低温液体を注入することも可能である。
【0012】その後、高圧蒸発器12内に移送された液体窒素等の液化ガスをヒーター16によって加熱蒸発させ。こうして高圧蒸発器12内の液体を迅速に気化し当該蒸発器内へ高圧エネルギーを蓄積する。ここでヒーター16は、液体窒素を約30度C程度まで加熱する能力を有するものでよい。尚、高圧蒸発器12の安全確保のためには該高圧蒸発器12内へ移送される液化窒素等の量を制限すれば、該高圧蒸発器12内の圧力が予定圧力以上に成ることを防止出来る。
【0013】高圧蒸発器12内へ十分な圧力エネルギーが蓄積された後、高速弁24を急速に解放する。こうすることにより高圧蒸発器12内に充満していた圧力エネルギーが高圧蒸発器12内の圧力と圧力容器14内の圧力とが同一になるまで急激に圧力容器14内へ流れ込み、該圧力容器14内の圧力を瞬時に所定圧力まで昇圧する。これにより該圧力容器14内は極めて短時間(数秒単位)にて高圧雰囲気となるのである。
【0014】例えば、高圧蒸発器12の容積を1とし、圧力容器14の容積も同様に1とし、高圧蒸発器12内の圧力を100気圧に設定して高速弁24を解放すると、圧力容器14内の圧力は瞬時に50気圧となるのである。厳密には、パイプ22内の容積その他のロスが存在するが、これらは予め計算によって、高圧蒸発器12内の圧力を設定することにより、圧力容器14内の圧力を極めて正確な値に設置することが出来るのである。
【0015】圧力容器14内の圧力を短時間に所望の高圧状態にすることにより、当該圧力容器14内での酸化又は窒化その他の高速化学反応を防止することが出来るのである。
【0016】
【発明の効果】本件発明によれば、液化窒素の飽和蒸気圧を利用して圧力容器14の内部圧力を極めて短時間で所定の加圧状態とすることが出来、該圧力容器14内における例えば含浸作業等を迅速かつ確実に達成することが出来る。これまでの圧力源に比較して高圧蒸発器の消費電力が少なくてすむ。ヒーターと圧力センサーとの精度を良くすることにより、圧力容器14内の圧力をかなり正確に制御することが出来る。また本件発明によれば、再現性が可成の精度で達成出来る。
【出願人】 【識別番号】593139695
【氏名又は名称】株式会社協真エンジニアリング
【出願日】 平成11年8月24日(1999.8.24)
【代理人】 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫 (外4名)
【公開番号】 特開2001−65692(P2001−65692A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−237294