| 【発明の名称】 |
ピストン構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】平木 秀樹
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| 【要約】 |
【課題】頻繁にピストンが作動する場合、ピストンがシリンダ内で傾き、ピストンの角部が噛み込んでしまい動作不良を招く恐れがあった。また、噛み込み現象が生じた場合には、ピストンが損傷してしまい再使用できずに交換を強いられる場合があった。
【解決手段】シール部材4a、4bをロッド3の軸方向に互いにずらして配置したため、シリンダ内で傾くことはなく、噛み込みを生じない。よって、常温もしくは高温時に比べ作動流体の粘度が高くなる低温時のように、ピストン2全体に圧力が伝達されにくくなる場合、あるいは、ピストン2を頻繁に動作させる場合においても、ピストン2の動作が円滑に作動し、安定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダ1内に収納されたピストンの中央部に、ロッド3が挿通する挿通孔21を穿設した環状のピストン2であって、該ピストン2は外周面22および内周面23を有し、前記ロッド3の軸方向に摺動可能なピストン構造において、前記ピストンの外周面22には、ピストン2とシリンダ1間をシールするシール部材4aを設け、前記ピストンの内周面23にはピストン2とロッド3間をシールするシール部材4bを設け、前記シール部材4a、4bの位置をロッドの軸方向に互いにずらして配置することを特徴とするピストン構造。 【請求項2】 前記ピストンの角部24を欠落させたことを特徴とする請求項1に記載のピストン構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、特にピストン型アキュムレータに使用されるピストンの構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】シリンダ内にロッドおよびピストンを収納してなるピストン装置は、例えば図2に示すようにクラッチ用アキュムレータに使用される。当該ピストン装置は、シリンダ1とピストン2間およびロッド3とピストン2間をシールするために、ピストン2の外周面22および内周面23にシール溝5a、5bを設けてシール部材4a、4bを嵌合させており、シリンダ内のロッド3上をピストン2がシール部材4a、4bを介してロッド3の軸方向に摺動するようになっている。 【0003】図2(a)に示すように従来のピストン装置では、ピストン2に嵌合されるシール部材4a、4bが、ロッド3の軸方向と垂直なる方向に一直線上に配置されている。このように構成されたピストン構造において、例えば、図2(a)に示すように圧力Pを与えた場合、シリンダ内周面11とシール部材4aのシール外周面41が接触し、またロッド3の表面部31とシール部材4bのシール内周面42が接触しており、シール部材4a、4bが接触した状態で、ピストン2全体が矢印方向に移動する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のピストン装置をクラッチ用アキュムレータに適用すると、シリンダ1の中心にはロッド3が存在するため、圧力ポート7は必然的にシリンダ1の中心からずれた位置に設けなければならなくなり、圧力ポート7から作動流体9を介してピストン2に圧力Pが与えられると、ピストン2の圧力分布は不均一となる。特にピストン2に圧力を伝達する作動流体9は、低温時において、常温、高温時に比べその流体粘度が大きくなり、ピストン全体に圧力伝達されにくく、圧力分布が不均一となる現象は顕著となる。さらに、ピストン2には、シール部材4aおよびシール部材4bがロッド3の軸方向と垂直なる方向に一直線上に配置されており、シリンダ内周面11とピストン外周面22間および表面部31とピストン内周面23間に隙間が存在する。 【0005】その結果、圧力Pによりピストン2が摺動すると、図2(b)に示すように、ピストン2がシリンダ1内で傾き、ピストン2の角部24が噛み込んでしまい動作不良を招く恐れがあり、特に圧力変動が激しい場合に動作不良が発生しやすくなる傾向があった。また、噛み込み現象が生じた場合には、ピストン2が損傷してしまい再使用できずに交換を強いられる場合があった。この噛み込み現象を防止するために、従来では隙間を可能な限り小さく加工して対処していたが、小さく加工するにつれ高度な加工精度が要求されるため、加工コストが高くなる欠点があった。 【0006】本発明は、この問題を解決するものであり、シリンダ内でピストンが噛み込むことがなく、スムーズに動作するピストン装置を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決する手段】即ち、この発明は、上記課題を解決するために、シリンダ内に収納されたピストンの中央部に、ロッドが挿通する挿通孔を穿設した環状のピストンであって、該ピストンは外周面および内周面を有し、前記ロッドの軸方向に摺動可能なピストン構造において、前記ピストンの外周面には、ピストンとシリンダ間をシールするシール部材4aを設け、前記ピストンの内周面にはピストンとロッド間をシールするシール部材4bを設け、前記シール部材4a、4bの位置をロッドの軸方向に互いにずらして配置することを特徴としている。 【0008】また、前記ピストンの角部を欠落させたことを特徴としている。 【0009】 【作用】本発明によるピストン構造によれば、シール部材4a、4bをロッドの軸方向に互いにずらして配置したため、ピストンが傾きかけても、シール部材4a、4bがピストンの傾く挙動を抑制するため、ピストンの動作が安定し、ピストンの噛み込みを生じない。 【0010】さらに、ピストンの角部を欠落させた場合、例えば、ピストンとシリンダ間、またはピストンとロッド間の隙間を微小とした場合、予期せぬ製作誤差などによる、わずかなピストンの傾きが生じても、角部がシリンダ内周面あるいは、ロッドの表面部と接触しなくなるため、噛み込み防止に有効である。 【0011】 【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1(a)は、本発明のピストン構造をクラッチ用アキュムレータに適用した断面図であり、シリンダ1内にロッド3およびピストン2が収納され、作動流体9で満たされている。 【0012】ピストン2は、円柱形状であり、その中心には、ロッド3が挿通可能となるように挿通孔21が穿設されている。シリンダ1の内周面11と対面するピストン外周面22およびロッド3の表面部31と対面するピストン内周面23には、シール部材4a、4bが嵌合可能となるように、それぞれシール溝5a、5bが設けられている。また、ピストン2の角部24には適度なRが付けられている。 【0013】前記シール溝5aにはシール部材4aが収納され、該シール部材4aは、ピストン外周面22とシリンダ内周面11とのシールを行い、また前記シール溝5bにはシール部材4bが収納され、該シール部材4bは、ピストン内周面23とロッドの表面部31とのシールを行う。 【0014】また、シール溝5a、5bは、シール部材4a、4bのシール面が同一面上に存在しないように、ロッドの軸方向にずらして設けられる。ずらし量は、シール部材4a、4bのシール面が同一面上になければ本発明の効果は得られるが、シール溝5a、5bのロッドの軸方向幅をGとすると、G/2以上とすることが好ましい。ただし、ずらし量を確保するために、ピストン2をロッドの軸方向に大きくすると、ピストン装置全体が大型化してしまう恐れがあるため、適当に決定することが必要である。 【0015】ピストン2は、圧力ポート7から圧力が導入されると作動流体9を介して圧力を受ける。例えば、ピストンが受けた圧力により、A方向に回転しようとすると、図1(a)に示す上側のシール部材4aがシリンダ内周面11に圧接し、図1(a)に示す下側のシール部材4bがロッド3の表面部31に圧接することにより、シリンダ内周面11および表面部31からA方向への回転を抑えようとする反発力が得られて、ピストン2の傾きを抑えることができるため、安定性が保たれる。同様にB方向に回転しようとする場合には、図1(a)に示す下側のシール部材4aと図1(a)に示す上側のシール部材4bとが、それぞれシリンダ内周面11、表面部31に圧接することにより、シリンダ内周面11および表面部31からB方向への回転を抑えようとする反発力が得られて、ピストン2の傾きを抑えることができ、安定性が保たれる。 【0016】また、たとえ予期せぬわずかなピストンの傾きが発生したとしても、ピストンの角部を欠落させているため、噛み込むことはない。 【0017】圧力を受け安定性を保ったピストン2は、シール部材4aがシリンダ内周面11を摺動し、シール部材4bがロッド3の表面部31を摺動することにより、クラッチ6側に移動し、ばね構造体、例えばスプリングワッシャ8に当接する。さらに圧力が加圧されつづけるとピストン2は、スプリングワッシャ8を圧接し、クラッチ6を押圧する。(図1(b)) 【0018】圧力ポート7からの圧力を減圧すると、スプリングワッシャ8の復元力によりピストン2は、圧力ポート7側に安定性を保ちつつ戻される。 【0019】以上本発明の一実施例につき説明したが、これに限定されず種々変更可能である。たとえば、シール部材4a、4bの断面形状は、ほぼ円形のOリングを実施例に挙げているが、これに限定されるわけではなく、断面略X字状、Y字状や、リップのついたものでも良い。またピストン2の角部24を欠落させる方法としては、Rを付ける方法、または、面取りなどが考えられ、特に限定しない。 【0020】 【発明の効果】以上説明した通りの本発明のピストン構造によれば、シール部材4a、4bをロッドの軸方向に互いにずらして配置したため、シリンダ内で傾くことはなく、噛み込みを生じない。よって、常温もしくは高温時に比べ作動流体の粘度が高くなる低温時のように、ピストン全体に圧力が伝達されにくくなる場合、あるいは、ピストンを頻繁に動作させる場合において、ピストンの動作が円滑で安定する。 【0021】また、噛み込みによるピストンの損傷を防止できるため、ピストンの耐久性能が向上し、特に軟金属で製作されている場合に有効である。 【0022】さらに、ピストンの角部を欠落させ、わずかなピストンの傾きが生じても、噛み込み防止効果が得られるため、ピストンとシリンダ間、あるいはピストンとロッド間との隙間における高度な加工精度が不要となり、加工コストを低減できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003263 【氏名又は名称】三菱電線工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月1日(1999.9.1) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−65690(P2001−65690A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月16日(2001.3.16) |
| 【出願番号】 |
特願平11−247580 |
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