| 【発明の名称】 |
基布入りゴム製ベローズおよびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 雄治
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| 【要約】 |
【課題】特に、設計上、耐圧等の機械的強度が極端に強く要望される仕様に十分な対応がとれ、深い山谷を持つ蛇腹形状への変形がスムースに行え、また、ベローズ仕様のニーズに対して希望の剛性を持つ基布を選択の幅を持ってある程度自由に設定(設計)することができる基布入りゴム製ベローズを提供する。
【解決手段】相対向するように配置された一対のリング状の対向面部と、該対向面部の外周縁部を相互に連接するように設けられた2以上の山部および1以上の谷部を有する蛇腹状壁面部と、前記対向面部および蛇腹状壁面部の中に一体的に埋め込まれた基布を備えてなる基布入りゴム製ベローズであって、前記基布をたて糸、よこ糸、および斜糸を含む四軸織物から構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 相対向するように配置された一対のリング状の対向面部と、該対向面部の外周縁部を相互に連接するように設けられた2以上の山部および1以上の谷部を有する蛇腹状壁面部と、前記対向面部および蛇腹状壁面部の中に一体的に埋め込まれた基布を備えてなる基布入りゴム製ベローズであって、前記基布がたて糸、よこ糸、および斜糸を含む四軸織物から構成されることを特徴とする基布入りゴム製ベローズ。 【請求項2】 前記四軸織物からなる基布の斜糸は、互いに交差する右斜糸および左斜糸から構成される請求項1に記載の基布入りゴム製ベローズ。 【請求項3】 前記四軸織物からなる基布の斜糸は、たて糸およびよこ糸に対して実質的に45度の角度で交差するように配置される請求項2に記載の基布入りゴム製ベローズ。 【請求項4】 前記四軸織物からなる基布のたて糸またはよこ糸の方向が、蛇腹状壁面部の谷部のラインと実質的に同じ方向に配置されてなる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基布入りゴム製ベローズ。 【請求項5】 たて糸、よこ糸、および斜糸を含む四軸織物からなる帯状の基布を準備する工程と、相対向するように配置された一対のリング状の対向面部と、該対向面部の外周縁部を相互に連接するように設けられた2以上の山部および1以上の谷部を有する蛇腹状壁面部とを備える、未加硫ゴムのベローズゴムプレフォームを金型にて成形するプレフォーム成形工程と、プレフォーム成形工程により形成されたベローズゴムプレフォームのベローズの壁面部に前記準備された四軸織物からなる帯状の基布を巻付けて被着させる工程と、前記被着させられた基布を金型にて未加硫ゴムのベローズプレフォームに押し込むとともに未加硫ゴムを加硫する加硫成形工程とを、有することを特徴とする基布入りゴム製ベローズの製造方法。 【請求項6】 前記四軸織物からなる基布のたて糸またはよこ糸の方向が、蛇腹状壁面部の谷部のラインと実質的に同じ方向となるように帯状の基布が巻きつけられる請求項5に記載の基布入りゴム製ベローズの製造方法。 【請求項7】 たて糸、よこ糸、および斜糸を含む四軸織物からなる帯状の基布を、ベローズの壁面部の断面形状に合わせて予め予備成形する基布成形工程と、相対向するように配置された一対のリング状の対向面部と、該対向面部の外周縁部を相互に連接するように設けられた2以上の山部および1以上の谷部を有する蛇腹状壁面部とを備える、未加硫ゴムのベローズゴムプレフォームを金型にて成形するプレフォーム成形工程と、プレフォーム成形工程により形成されたベローズゴムプレフォームのベローズの壁面部に前記予備成形された四軸織物からなる帯状の基布を巻付けて被着させる工程と、前記被着させられた基布を金型にて未加硫ゴムのベローズプレフォームに押し込むとともに未加硫ゴムを加硫する加硫成形工程とを、有することを特徴とする基布入りゴム製ベローズの製造方法。 【請求項8】 前記基布成形工程は、ベローズの壁面部の断面形状を有する基布成形金型により、基布がプレス成形されることにより行われる請求項7に記載の基布入りゴム製ベローズの製造方法。 【請求項9】 前記四軸織物からなる基布のたて糸またはよこ糸の方向が、蛇腹状壁面部の谷部のラインと実質的に同じ方向となるようにプレス成形される請求項8に記載の基布入りゴム製ベローズの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は基布入りゴム製ベローズおよびその製造方法に係り、特に、形態の保持性および剛性に優れる基布入りゴム製ベローズおよびその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ゴム製のベローズは、種々の目的で使用されており、高い耐圧性を付与する目的で基布をゴム内に埋め込んだ基布入りのベローズが開発されている。また、例えば、精密測定装置の振動吸収部材等の使用目的において応答性を向上させるために、ゴムの厚みの薄い、所謂薄肉ベローズの要望も高まっている。ベローズの構造は、一般に、相対向する1組のリング状の対向面部と、これら対向面部の外周縁部を相互に連接するように設けられた蛇腹状の壁面部(蛇腹状壁面部)とを備えるものであり、壁面部には複数の山部が形成されている。このような構造からなるベローズを、基布入りベローズとして製造する場合、まず、加硫前のゴムを使用して金型でベローズのプレフォームを成形する。次いで、このプレフォームの外側に基布を巻きつけ、その後、金型内で加熱、加圧することにより加硫を行う。この加硫の際、一時的に軟化したゴム材が基布に浸透するので、加硫成形後のベローズは内部に基布が埋め込まれた構造となる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来より用いられているベローズ製造用基布は、いわゆるたて糸とよこ糸で織られた平織りの基布が一般的である。このような平織りの基布は、たて方向およびよこ方向に対する強度が有り、しかも製造が簡易なために安価であるものの、バイアス(斜め)方向の強度が十分でない。従って、平織りの基布をベローズ製造用基布に用いる場合、特に、設計上、耐圧等の機械的強度が極端に強く要望される仕様には十分な対応がとれない場合がある。また、平織りの基布は、変形の際、等方性が乏しいために深い山谷を持つ蛇腹形状への変形がスムースに行えない場合もある。また、ベローズ仕様のニーズに対して希望の剛性を持つ基布を選択の幅を持ってある程度自由に設定(設計)したいという要望もある。 【0004】 【課題を解決するための手段】このような課題を解決するために、本出願に係る本発明者が基布入りゴム製ベローズの基布仕様について鋭意研究した結果、ベローズ製造用の基布として四軸織物からなる基布が上記の課題を解決するために極めて有効な手段であることを見出し、本発明に想到したのである。 【0005】すなわち、本発明は、相対向するように配置された一対のリング状の対向面部と、該対向面部の外周縁部を相互に連接するように設けられた2以上の山部および1以上の谷部を有する蛇腹状壁面部と、前記対向面部および蛇腹状壁面部の中に一体的に埋め込まれた基布を備えてなる基布入りゴム製ベローズであって、前記基布がたて糸、よこ糸、および斜糸を含む四軸織物から構成されてなるように構成される。 【0006】また、本発明の好ましい態様として、前記四軸織物からなる基布の斜糸は、互いに交差する右斜糸および左斜糸から構成される。 【0007】また、本発明の好ましい態様として、前記四軸織物からなる基布の斜糸は、たて糸およびよこ糸に対して実質的に45度の角度で交差するように配置されてなるように構成される。 【0008】また、本発明の好ましい態様として、前記四軸織物からなる基布のたて糸またはよこ糸の方向が、蛇腹状壁面部の谷部のラインと実質的に同じ方向に配置されてなるように構成される。 【0009】また、本発明の基布入りゴム製ベローズの製造方法は、たて糸、よこ糸、および斜糸を含む四軸織物からなる帯状の基布を準備する工程と、相対向するように配置された一対のリング状の対向面部と、該対向面部の外周縁部を相互に連接するように設けられた2以上の山部および1以上の谷部を有する蛇腹状壁面部とを備える、未加硫ゴムのベローズゴムプレフォームを金型にて成形するプレフォーム成形工程と、プレフォーム成形工程により形成されたベローズゴムプレフォームのベローズの壁面部に前記準備された四軸織物からなる帯状の基布を巻付けて被着させる工程と、前記被着させられた基布を金型にて未加硫ゴムのベローズプレフォームに押し込むとともに未加硫ゴムを加硫する加硫成形工程とを、有するように構成される。 【0010】また、本発明の好ましい態様として、前記四軸織物からなる基布のたて糸またはよこ糸の方向が、蛇腹状壁面部の谷部のラインと実質的に同じ方向となるように帯状の基布が巻きつけられて構成される。 【0011】また、本発明の基布入りゴム製ベローズの製造方法は、たて糸、よこ糸、および斜糸を含む四軸織物からなる帯状の基布を、ベローズの壁面部の断面形状に合わせて予め予備成形する基布成形工程と、相対向するように配置された一対のリング状の対向面部と、該対向面部の外周縁部を相互に連接するように設けられた2以上の山部および1以上の谷部を有する蛇腹状壁面部とを備える、未加硫ゴムのベローズゴムプレフォームを金型にて成形するプレフォーム成形工程と、プレフォーム成形工程により形成されたベローズゴムプレフォームのベローズの壁面部に前記予備成形された四軸織物からなる帯状の基布を巻付けて被着させる工程と、前記被着させられた基布を金型にて未加硫ゴムのベローズプレフォームに押し込むとともに未加硫ゴムを加硫する加硫成形工程とを、有するように構成される。 【0012】また、本発明の好ましい態様として、前記基布成形工程は、ベローズの壁面部の断面形状を有する基布成形金型により、基布がプレス成形されることにより行われる。 【0013】また、本発明の好ましい態様として、前記四軸織物からなる基布のたて糸またはよこ糸の方向が、蛇腹状壁面部の谷部のラインと実質的に同じ方向となるようにプレス成形される。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。 【0015】本発明のベローズ【0016】図1は本発明のベローズの一実施形態を示す斜視図であり、図2は図1に示されるベローズの平面図であり、図3は図2に示されるベローズのA−A矢視半片断面図である。図1乃至図3において、本発明のベローズ1は、相対向する1組のリング状のゴム製の対向面部2A,2Bと、対向面部2A,2Bの各外周縁部を相互に連接するように設けられたゴム製の蛇腹状壁面部3とを備えている。 【0017】対向面部2A,2Bは、それぞれリング状の平板形状をなし、中心部により好ましい態様として開口部4を備えるとともに、内周縁部の内側にビード部5が形成されている。さらにこの実施の形態では、ビード部5の最内面上には糸ビート5aが形成されている。原理的には開口部4がなくとも、例えば、他の部品(金属部分)と結合できるが、具体的に加工性、組立性、構造等を考えると、開口部4が必要となる。開口部4が有ると、組立後に特にシール性を確保したり、ベローズと他の部品との同芯度を確保するためにそれに応じた形態が必要になる。 【0018】本実施の形態におけるビード部5の構造は、かかる配慮がなされた構造となっており、内側に向いたビード部5の先端まで後述する基布10が入り込んでいるために、加圧された時にテンションによる布が抜けにくくなる。この点、シール性、同芯度等は満足できる。さらによりシール性を増加、つまりビード部の部分面圧を増加させるために糸ビート5aが形成されている。 【0019】本実施の形態において、蛇腹状壁面部3は複数の山部3a(図示の例では3つの山部)と、山部3aの間に位置する谷部3b(図示の例では2つの谷部)を有している。そして、このべローズ1は、対向面部2A,2Bおよび蛇腹状壁面部3に連続した基布10が埋め込まれている(図3)。 【0020】本発明において用いられる基布10は、べローズ1に装着前の状態において、図4に示されるような、たて糸10a、よこ糸10b、および斜糸10c,10dを含む四軸織物から構成される。また、図面から明らかなように斜糸10c,10dは、互いに交差する右斜糸10c(図面の左上から右下に傾斜する糸)および左斜糸10d(図面の右上から左下に傾斜する糸)から構成され、これらの右斜糸10cおよび左斜糸10dは、それぞれ、たて糸10aおよびよこ糸10bに対して実質的に45度の角度で交差するように配置される。実質的に45度の角度とは、本発明の作用効果を逸脱しない範囲での角度であり、具体的には、45度±15度範囲の角度(好ましくは、45度±5度)をいう。 【0021】本発明においては、前記四軸織物からなる基布のたて糸10aまたはよこ糸10bの方向が、蛇腹状壁面部の谷部の括れライン(山部の頂部ラインにおきかえても同じ)と実質的に同じ方向に配置される。このような糸の配置でベローズ用の基布を用いることにより、斜糸10c,10dがベローズに対して有効に働き、耐圧性等の機械的強度が向上する。 【0022】四軸織物の織り方の一例として、通常、織物のたて糸を取り巻くように多数のボビンまたは整列ビームを円形状に配置し、斜糸とたて糸を同時に開口させてよこ糸を挿入する。よこ糸1本を挿入するごとに斜糸を左右に移送させることにより、織物作成が可能となる。 【0023】図3に示される蛇腹状壁面部3は、その厚みが、例えば、0.15〜1.8mm程度の範囲であり、蛇腹状壁面部3の長さ(図3では対向面部2Aと対向面部2Bの距離)、山部3aの数(段数)、形状、寸法等には特に制限はなく、ベローズ1の使用目的、要求される特性等を考慮して適宜設定することができる。例えば、山部3aの断面形状は、半円形状、三角形状等とすることができ、また、複数の山部3aの形状、寸法は同一であってもよく、あるいは、2種以上からなっていてもよい。 【0024】このようなベローズ1は、上述のように相対向する1組のリング状の対向面部2A,2Bと蛇腹状壁面部3を備え、応答性に優れるとともに、対向面部2A,2Bおよび蛇腹状壁面部3に埋め込まれている四軸織物から構成される基布10により優れた耐圧性(剛性)が付与されている。 【0025】なお、ベローズ1の形態を簡易に維持させるために、谷部3bには、その周方向に沿ってぐるりと補強リング等を被着させるようにしてもよい。 【0026】上記のような本発明のベローズ1に用いられるゴムは、従来公知の合成ゴムおよび天然ゴムでよく、特に制限はない。本発明で使用可能な合成ゴムとしては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、プロピレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、エーテル−チオエーテルゴム、多硫化系ゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム等を挙げることができる。このようなゴム材に必要に応じて後述するような加硫剤、加硫促進剤等の添加剤を加えた後、混練機により混練し、得られたゴム混合物をロールによって予めシート状に成形し、カレンダーにて厚さ調整してシート状成形物(小片)を作製し、その後、このシート状成形物を適宜使用してベローズ1を製造することができる。 【0027】使用する加硫剤としては、硫黄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、芳香族ニトロ化合物、有機過酸化物等から使用するゴムに対応して適宜選定することができる。 【0028】また、加硫促進剤として、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)等のチアゾール系化合物、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CZ)等のスルフェンアミド系化合物、2−メルカプトチアゾリン等のチアゾリン系化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TT)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TET)等のチウラム系化合物、ジメチルジチオカルバミン酸等のジチオカルバメート系化合物、ヘキサメチレンテトラミン等のアルデヒドアミン系化合物、ジフェニルグアニジン等のグアニジン系化合物、N,N―ジエチルカルバモイル−2−ベンゾチアジルスルフィド等のチアゾール系化合物等を使用することができる。 【0029】さらに、必要に応じて老化防止剤、ステアリン酸等の有機脂肪酸、カーボンブラック等の充填剤を含有してもよい。このような添加剤は、ゴム100重量部に対して1〜150重量部の範囲で含有することが好ましい。 【0030】本発明のベローズ1に用いられる基布10としては、ポリアミド(6ナイロン、66ナイロン等)、アラミド、ポリエステル、綿等の糸を用いて前述のごとく四軸織物に織られたものが用いられる。用いる四軸織物に関しては、当該四軸織物を構成する各々の糸の太さ、糸の強度、糸密度等を適宜変えることによって、希望する剛性を持つベローズを製造することができる。糸の太さ、糸の強度に関しては、たて糸10a、よこ糸10b、および斜糸(右斜糸10cおよび左斜糸10d)の4種について変えることもできる。さらに、よこ糸10bにあっては、ベローズの山部、谷部の位置をも考慮しつつ糸の太さ、糸の強度をベローズの高さ方向に一定の間隔をもって適宜変えることもできる。また、さらに、よこ糸10bにあっては、ベローズの山部、谷部の位置をも考慮しつつ、糸の熱収縮率や伸張率を適宜変えるようにしてもよい。 【0031】本発明のベローズの製造方法【0032】次に、本発明のベローズを製造するに際し、好適な一製造例を以下に挙げて説明する。 【0033】(基布準備、基布成形工程) 【0034】たて糸、よこ糸、および斜糸を含む四軸織物からなる帯状の基布が準備される。この準備に際しては、ベローズに要求される機能(ベローズ仕様)に応じて、四軸織物を構成する各々の糸の太さ、糸の強度、糸密度等を適宜設定することが望ましい。 【0035】このように準備された四軸織物からなる帯状の基布は、その帯状のまま使用することもできるが、図6に示されるようにベローズの壁面部の断面形状に合わせて予め予備成形されることが望ましい。基布の装着に伴うしわの発生や、ゴム削れや、ゴム引っ掻きの発生を少なくして、製品歩留および作業能率の向上を図るためである。 【0036】この予備成形に用いられる好適な金型の一例が図5に示され、成形後の基布10の形状が図6に示されている。図5は、予備成形に用いられる好適な金型構造の断面を模式的に示したものであり、この成形金型50は、ベローズの壁面部の断面形状に応じた成形凹部51aを備える雌型51と、ベローズの壁面部の断面形状に応じた成形凸部55aを備える雄型55とを備え、図示の状態で基布10がプレス成形された状態にある。成形金型50は、成形される帯状の基布の長さに対応して、図5の紙面の奥行き方向に帯状の長さに相当する金型長を備えて構成される。実際の基布10の成形に際しては、型開きされた雌型51と雄型55の間に成形前の帯状の基布がセットされ、しかる後、図5に示されるように雌型51と雄型55とが型締めされることにより、基布10が所定形状に成形される。成形を容易かつ確実にするために、金型は、通常、130〜180℃程度に加熱しておくことが望ましい。 【0037】図6に示されるように成形後の基布10は、ベローズの壁面部の断面形状(山部および谷部を備える形状)に応じた形態を備えているために、後述するベローズの製造過程におけるゴムプレフォームへの基布の巻付けが極めて効率よくしかも確実に行うことができる。また、基布10の成形収縮を利用して、基布の巻付けの湾曲に応じた若干のカール(図6の矢印(α)方向)を予備成形時に意図的に設けることも好ましい態様である。 【0038】また、基布10の成形を連続的に行う手法の一例が図7(a),(b)に示される。図7(a)は基布成形の状態を示す側面図であり、図7(b)は、図7(a)の正面図である。図7(a)に示されるように、連続搬送される成形前の基布10´は、成形金型60を通過していくことにより、所定形状の基布10(例えば、図5に示される)に成形される。つまり、成形金型60は、所定の凸部65aを備える円盤状の回転する回転雄型65と、固定され所定の凹部61aを備える雌型61とから構成され、連続搬送される成形前の基布10´は、金型60を通過する際に、雌型61と回転雄型65とにより挟み込まれ成形され、成形基布10として取り出されるようになっている。成形を容易かつ確実にするために、金型は、通常、130〜180℃程度に加熱しておくことが望ましい。このような成形品は、通常、巻物形状に一旦巻き取られた後、使用に際して適当な長さに引き出され切断され、帯状の基布として使用される。 【0039】なお、予備成形に際して、前記四軸織物からなる基布10は、そのたて糸10aまたはよこ糸10bの方向が、蛇腹状壁面部の谷部のラインと実質的に同じ方向となるようにプレス成形されることが好ましい。斜糸10c,10dをベローズ強度向上のために有効に用いるためである。 【0040】(プレフォーム成形工程) 【0041】プレフォーム成形工程において、未加硫ゴムのベローズゴムプレフォームが金型にて成形される。図8はプレフォーム成形工程において使用する金型の例を示す半片断面図である。図8において、プレフォーム用の金型21は、中子22、中型23、上型24および下型25の各部材から構成されている。 【0042】中子22は円盤形状であり、ベローズ1の内周面形状を有する外周部22aを備え、ビード部5用の凹部22bと余分なゴムを逃がすための溝部22cがリング状に形成されている。 【0043】中型23は、ベローズ1の蛇腹状壁面部3の形状を有する内周部23aをもち、2以上に分割可能とされている。図示の例では、中型23の内周部23aの上下端部は、蛇腹状壁面部3を構成する上下2個の山部の頂点に、それぞれ一致している。 【0044】上型24および下型25は、上記の中子22と中型23とが図示のように係合した状態で、中子22の外周部22aと中型23の内周部23aとの間に、蛇腹状壁面部3成形用の間隙(キャビティ)が形成されるように構成されている。また、上型24および下型25には、蛇腹状壁面部3の一部と対向面部2A,2Bを成形するための凹部24aが形成されており、中子22との間に間隙(キャビティ)が形成されるように構成されている。 【0045】このようなプレフォーム用の金型21では、中子22、中型23、上型24および下型25の各部材が、図示のように係合した状態で形成される。 【0046】上述のようなプレフォーム用の金型21を使用した未加硫ゴムのベローズゴムプレフォームの成形は、図9(a)に示されているように、例えば、未加硫ゴムのシート状成形物を中子22の外周面22aに巻きつけ、また、中子22の上面、および、下型25の凹部25aに未加硫ゴムのシート状成形物(小片)を複数載置した状態で、各金型部材を係合し加圧して行うことができる。 【0047】この際、金型21の温度と圧力は未加硫ゴムが完全に加硫しない範囲で設定することが必要である。また、加圧は、例えば、数回のバンピングの後に3〜90秒間程度の範囲で行うようにしてもよい。 【0048】図10は、図8に示される金型21を用いてプレフォーム成形工程で成形されたベローズゴムプレフォームの例を示す半片断面図であり、図3に相当する図面である。 【0049】図10において、未加硫ゴムのベローズゴムプレフォーム11は、相対向する1組のリング状平板の対向面部12A,12Bと、対向面部の外周縁部を相互に連接するように設けられた3つの山部13aおよび2つの谷部13bからなる蛇腹状壁面部13と、対向面部12A,12Bの内周縁部にビード部15(糸ビード15a)を備えている。 【0050】なお、金型21から中子22に係合した状態で取り出したベローズゴムプレフォーム11にバリが存在する場合には、このバリを除去する。また、成形したベローズゴムプレフォーム11の対向面部12A,12B等にゴム厚みの不足がある場合には、該当箇所に上述のような未加硫ゴムのシート状成形物(小片)を付け足してもよい。 【0051】(基布被着工程)基布被着工程では、まず、図9(b)に示されているように、上述のプレフォーム成形工程において成形されたベローズゴムプレフォーム11の対向面部12A,12Bおよび蛇腹状壁面部13を覆うように前記予備成形された帯状の基布10(例えば、図6に示される)を巻付けて被着させる。 【0052】図9(b)では、プレフォーム成形工程において金型21から中子22に装着されたままの状態で取り出したベローズゴムプレフォーム11の上に、図6に示されるごとく予備成形された基布10を被着させている。この基布10の被着は、例えば、ベローズゴムプレフォーム11の側面をぐるりと巻つけるようにして行われる。この基布10は、例えば図6に示されるごとく、ベローズの壁面部の断面形状(山部および谷部を備える形状)に応じた形態を備えるように予め予備成形されているために、ゴムプレフォームへの基布の巻付けが極めて効率よくしかも確実に行うことができる。つまり、図9(c)に示されるようにベローズゴムプレフォーム11の蛇腹状壁面部13における山部13aおよび谷部13bに基布10を確実に沿わせることができる。これにより、作業性および製品の歩留は格段と向上する。 【0053】また、基布10をベローズゴムプレフォーム11の対向面部12A,12B等に接着するときは、上記の未加硫のゴム材の小片を用いて接着することができる。このような基布10の被着が完了した後、余分な基布を除去し、さらに、基布10をベローズゴムプレフォーム11に押し付けて、しわを生じないようになじませるのがよい。 【0054】基布被着工程に次いで、基布10が巻きつけられたベローズゴムプレフォーム11の加硫が行なわれる。図9(d)に示されているように、最終成形用の金型41は、中子22、中型43、上型44および下型45の各部材から構成されている。【0055】中子22は、上述のプレフォーム成形工程において使用するプレフォーム成形用の金型21を構成する中子22と共用するものである。 【0056】中型43は、ベローズ1の蛇腹状壁面部3の形状を有する内周部43aをもち、2以上に分割可能とされている。図示の例では、中型43の内周部43aの上下端部は、蛇腹状壁面部3を構成する上下2個の山部の頂点にそれぞれ一致している。 【0057】このような最終成形用の金型41を使用したベローズ1の成形は、上述のように基布10が被着されたベローズゴムプレフォーム11を周囲に装着した中子22と、中型43、上型44および下型45の各部材を係合し加圧、加熱して行う。加圧は、例えば、数回のバンピングの後に行うことができ、加硫時の温度、時間は使用するゴム材等に応じて適宜設定することができる。 【0058】このような金型41を用いた最終成形を行った後、金型41からベローズ1を取り出し、バリが存在する場合には、このバリを除去することにより、ベローズ1の製造が完了する。 【0059】上述の好適なベローズの製造方法では、プレフォーム成形工程において使用する金型21の中子22は、第2の工程において使用する金型41の中子22と共用するものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、プレフォーム成形工程で成形したベローズゴムプレフォーム11を金型41専用の中子に装着した後に基布10の装着を行ってもよい。 【0060】また、本実施の形態では耐圧性が要求される3段のベローズ(例えば、防振用に使用)を例にとって説明してきたが、これに限定されることなく、数段〜数十段からなるベローズの製造にももちろん適用可能である。数十段からなるベローズの一例としては、伸縮部材を覆うように用いられる長物の保護用ベローズが挙げられる。 【0061】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、相対向するように配置された一対のリング状の対向面部と、該対向面部の外周縁部を相互に連接するように設けられた2以上の山部および1以上の谷部を有する蛇腹状壁面部と、前記対向面部および蛇腹状壁面部の中に一体的に埋め込まれた基布を備えてなる基布入りゴム製ベローズであって、前記基布は、たて糸、よこ糸、および斜糸を含む四軸織物から構成されているので、耐圧等の機械的強度が極端に強く要望される仕様に十分な対応がとれる。また、基布を変形させる際、等方性が良いために深い山谷を持つ蛇腹形状への変形がスムースに行える。さらには、ベローズ仕様のニーズに対して希望の剛性を持つ基布を選択の幅を持ってある程度自由に設定(設計)することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005175 【氏名又は名称】藤倉ゴム工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月18日(1999.6.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098006 【弁理士】 【氏名又は名称】皿田 秀夫 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−4025(P2001−4025A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月9日(2001.1.9) |
| 【出願番号】 |
特願平11−171868 |
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