| 【発明の名称】 |
変速比無限大無段変速機の変速制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】酒井 弘正
【氏名】西尾 元治
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| 【要約】 |
【課題】ステップモータの故障時にエンジンブレーキが過大になるのを防ぐ。
【解決手段】トロイダル型の無段変速機を用いた変速比無限大変速機において、トラニオンを介してパワーローラを駆動する油圧シリンダ30と、車両の運転状態に応じて油圧シリンダ30の油室30A、30Bの油圧を制御するシフトコントロールバルブ46のドレーン側の下流には、ポート46incに連通する+トルクコントロールバルブ40と、ポート46decに連通した−トルクコントロールバルブ45を設け、運転モードと進行方向に応じてエンジンブレーキ側の伝達トルクを制限するように、制御圧Pc1またはPc2と供給圧PLの差圧ΔP1、ΔP2を予め設定した値以下に設定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入出力ディスクに挟持されたパワーローラを傾転させることで変速比を連続的に変更するトロイダル型無段変速機と一定変速機とをユニット入力軸にそれぞれ連結するとともに、無段変速機と一定変速機の出力軸を遊星歯車機構、動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチを介してユニット出力軸に連結した変速比無限大無段変速機と、前記パワーローラを支持するトラニオンに連結されたピストンによって画成される第1の油室と第2の油室とを備えた油圧シリンダと、この第1の油室と第2の油室へ油圧を供給する変速制御弁と、この変速制御弁を駆動するアクチュエータと、車両の運転状態に応じて前記アクチュエータを制御する変速制御手段とを備えた変速比無限大無段変速機の変速制御装置において、前記変速制御手段は、セレクトレバーの位置を検出するセレクト位置検出手段を有し、このセレクト位置検出手段で検出されたセレクト位置で、エンジンブレーキ側の伝達トルクが予め設定した値以下となるように、前記変速制御弁の油圧を制御する圧力制御手段とを備えたことを特徴とする変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 【請求項2】 前記圧力制御手段は、動力循環モードクラッチを締結した動力循環モードと、直結モードクラッチを締結した直結モードのいずれにあるかを判定する運転モード判定手段を有し、前記セレクト位置が前進位置で直結モードのとき、または前記セレクト位置が後進位置のときには、無段変速機構の変速比が大側となる方向の変速速度を予め設定した値以下となるように、前記変速制御弁の油圧を制御する一方、前記セレクト位置が前進位置で動力循環モードのときには、無段変速機構の変速比が小側となる方向の変速速度を予め設定した値以下となるように、前記変速制御弁の油圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 【請求項3】 前記圧力制御手段は、動力循環モードクラッチを締結した動力循環モードと、直結モードクラッチを締結した直結モードのいずれにあるかを判定する運転モード判定手段を有し、前記セレクト位置が前進位置で直結モードのとき、または前記セレクト位置が後進位置のときには、出力ディスクから入力ディスクへの伝達トルクを予め設定した値以下となるように、前記変速制御弁の油圧を制御する一方、前記セレクト位置が前進位置で動力循環モードのときには、入力ディスクから出力ディスクへの伝達トルクを予め設定した値以下となるように、前記変速制御弁の油圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 【請求項4】 前記圧力制御手段は、前記第1油室と第2油室の差圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 【請求項5】 前記圧力制御手段は、前記第1油室または第2油室への供給圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 【請求項6】 前記変速制御弁は、油圧源側に連通した第1及び第2の供給ポートと、第1及び第2のドレーンポートと、第1油室及び第2油室とそれぞれ連通した第1制御ポート及び第2制御ポートとを備える一方、前記圧力制御手段は第1供給ポートと第2ドレーンポート及び第2供給ポートと第1ドレーンポートとの差圧をそれぞれ制御可能な第1及び第2の圧力制御弁で構成されて、エンジンブレーキ側の伝達トルクが予め設定した値以下となるように前記差圧を設定することを特徴とする請求項4に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 【請求項7】 前記圧力制御手段は、エンジンブレーキ側の伝達トルクが予め設定した値以下となるよう、前記第1または第2ドレーンポートの油圧を、第2または第1供給ポートの油圧へ近づけるように、前記第1または第2の圧力制御弁を制御することを特徴とする請求項6に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 【請求項8】 前記圧力制御手段は、エンジンブレーキ側の伝達トルクが予め設定した値以下となるよう、前記第1または第2ドレーンポートと、第2または第1供給ポートの差圧を予め設定した値以下となるように前記第1または第2の圧力制御弁を制御することを特徴とする請求項6に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 【請求項9】 前記変速制御弁は、油圧源側に連通した第1及び第2の供給ポートと、第1及び第2のドレーンポートと、第1油室及び第2油室とそれぞれ連通した第1制御ポート及び第2制御ポートとを備える一方、前記圧力制御手段は第1及び第2供給ポートへの供給圧をそれぞれ制御可能な第1及び第2の圧力制御弁で構成されて、エンジンブレーキ側の伝達トルクを予め設定した値以下となるように前記供給圧を設定することを特徴とする請求項5に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 【請求項10】 前記変速制御手段は、前記無段変速機構の変速比を検出するCVT比検出手段を有し、この変速比が小さくなるほど、前記第1油室と第2油室の差圧の絶対値が大きくなるように制御することを特徴とする請求項4に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 【請求項11】 前記変速制御手段は、前記ユニット入力軸とユニット出力軸の速度比を検出するIVT比検出手段を有し、この速度比に応じて制限するエンジンブレーキ側の伝達トルクがほぼ一定となるように、前記第1油室と第2油室の差圧の絶対値を制御することを特徴とする請求項4に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 【請求項12】 前記変速制御手段は、車速を検出する車速検出手段を有し、この車速に応じて制限するエンジンブレーキ側の伝達トルクがほぼ一定となるように、前記第1油室と第2油室の差圧の絶対値を制御することを特徴とする請求項4に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 【請求項13】 前記変速制御手段は、エンジンの負荷を検出する負荷検出手段を有し、このエンジン負荷が予め設定した値以下のときには、エンジンブレーキ側の伝達トルクを低減するように、前記第1油室と第2油室の差圧の絶対値を制御することを特徴とする請求項4に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 【請求項14】 前記変速制御手段は、エンジンの燃料カット状態を検出する手段を有し、エンジンが燃料カット状態のときには、エンジンブレーキ側の伝達トルクを低減するように、前記第1油室と第2油室の差圧の絶対値を制御することを特徴とする請求項4に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 【請求項15】 前記変速制御手段は、エンジンの負荷を検出する負荷検出手段を有し、このエンジン負荷が予め設定した値以下のときには、エンジンブレーキ側の伝達トルクを低減するように、前記第1油室または第2油室への供給圧を制御することを特徴とする請求項5に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 【請求項16】 前記変速制御手段は、エンジンの燃料カット状態を検出する手段を有し、エンジンが燃料カット状態のときには、エンジンブレーキ側の伝達トルクを低減するように、前記第1油室または第2油室への供給圧を制御することを特徴とする請求項5に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用される変速比無限大無段変速機の変速制御装置の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から車両の変速機として、ベルト式やトロイダル型の無段変速機が知られており、このような無段変速機の変速領域をさらに拡大するために、無段変速機に一定変速機と遊星歯車機構を組み合わせて変速比を無限大まで制御可能とする変速比無限大無段変速機が知られており、例えば、特開平10−325459号公報などがある。 【0003】これは、エンジンに連結される変速比無限大無段変速機のユニット入力軸に変速比を連続的に変更可能なトロイダル型の無段変速機と、一定変速機(減速機)を並列的に連結するとともに、これらの出力軸を遊星歯車機構で選択的に結合したもので、無段変速機の出力軸を遊星歯車機構のサンギアに、一定変速機の出力軸は動力循環モードクラッチを介して遊星歯車機構のキャリアに連結される。 【0004】この変速比無限大無段変速機では、三層弁や油圧制御弁等により、トラニオンを駆動する油圧アクチュエータのピストンの差圧を制御することで、伝達トルクと変速比の制御を行っており、図17に示すように、動力循環モードクラッチを締結する一方、直結モードクラッチを解放することにより、無段変速機と一定変速機の変速比の差に応じて、ユニット変速比(図中IVT比iiでユニット入力軸回転数/ユニット出力軸回転数)を負の値から正の値まで無限大(=ギアードニュートラルポイントGNP)を含んで連続的に変速制御を行う動力循環モードと、動力循環モードクラッチを解放する一方、直結モードクラッチを締結して無段変速機の変速比(図中CVT比ic)に応じて変速制御を行う直結モードを選択的に使用することができる。 【0005】また、上記従来例では、車速がある程度増大した領域では、ステップモータなどのアクチュエータに制御される変速制御弁で、ユニット変速比の制御を行っており、変速制御弁からの供給圧を油圧アクチュエータの一方の油室に加え、他方の油室は、変速制御弁を介して大気解放されたドレーンポートに連通することで、油圧アクチュエータの制御を行っている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来例にあっては、ステップモータがユニット変速比のLo側へ誤動作した場合では、トラニオンが駆動されてパワーローラが傾転するため、ユニット変速比はLo側(=ギアードニュートラルポイントGNP側)へ変動し、この結果、過大なエンジンブレーキトルクが伝達されてしまうという問題があった。 【0007】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、変速制御弁を駆動するアクチュエータが故障または誤動作した場合でも、エンジンブレーキが過大になるのを防ぐことを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】第1の発明は、入出力ディスクに挟持されたパワーローラを傾転させることで変速比を連続的に変更するトロイダル型無段変速機と一定変速機とをユニット入力軸にそれぞれ連結するとともに、無段変速機と一定変速機の出力軸を遊星歯車機構、動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチを介してユニット出力軸に連結した変速比無限大無段変速機と、前記パワーローラを支持するトラニオンに連結されたピストンによって画成される第1の油室と第2の油室とを備えた油圧シリンダと、この第1の油室と第2の油室へ油圧を供給する変速制御弁と、この変速制御弁を駆動するアクチュエータと、車両の運転状態に応じて前記アクチュエータを制御する変速制御手段とを備えた変速比無限大無段変速機の変速制御装置において、前記変速制御手段は、セレクトレバーの位置を検出するセレクト位置検出手段を有し、このセレクト位置検出手段で検出されたセレクト位置で、エンジンブレーキ側の伝達トルクが予め設定した値以下となるように、前記変速制御弁の油圧を制御する圧力制御手段とを備える。 【0009】また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記圧力制御手段は、動力循環モードクラッチを締結した動力循環モードと、直結モードクラッチを締結した直結モードのいずれにあるかを判定する運転モード判定手段を有し、前記セレクト位置が前進位置で直結モードのとき、または前記セレクト位置が後進位置のときには、無段変速機構の変速比が大側となる方向の変速速度を予め設定した値以下となるように、前記変速制御弁の油圧を制御する一方、前記セレクト位置が前進位置で動力循環モードのときには、無段変速機構の変速比が小側となる方向の変速速度を予め設定した値以下となるように、前記変速制御弁の油圧を制御する。 【0010】また、第3の発明は、前記第1の発明において、前記圧力制御手段は、動力循環モードクラッチを締結した動力循環モードと、直結モードクラッチを締結した直結モードのいずれにあるかを判定する運転モード判定手段を有し、前記セレクト位置が前進位置で直結モードのとき、または前記セレクト位置が後進位置のときには、出力ディスクから入力ディスクへの伝達トルクを予め設定した値以下となるように、前記変速制御弁の油圧を制御する一方、前記セレクト位置が前進位置で動力循環モードのときには、入力ディスクから出力ディスクへの伝達トルクを予め設定した値以下となるように、前記変速制御弁の油圧を制御する。 【0011】また、第4の発明は、前記第1の発明において、前記圧力制御手段は、前記第1油室と第2油室の差圧を制御する。 【0012】また、第5の発明は、前記第1の発明において、前記圧力制御手段は、前記第1油室または第2油室への供給圧を制御する。 【0013】また、第6の発明は、前記第4の発明において、前記変速制御弁は、油圧源側に連通した第1及び第2の供給ポートと、第1及び第2のドレーンポートと、第1油室及び第2油室とそれぞれ連通した第1制御ポート及び第2制御ポートとを備える一方、前記圧力制御手段は第1供給ポートと第2ドレーンポート及び第2供給ポートと第1ドレーンポートとの差圧をそれぞれ制御可能な第1及び第2の圧力制御弁で構成されて、エンジンブレーキ側の伝達トルクが予め設定した値以下となるように前記差圧を設定する。 【0014】また、第7の発明は、前記第6の発明において、前記圧力制御手段は、エンジンブレーキ側の伝達トルクが予め設定した値以下となるよう、前記第1または第2ドレーンポートの油圧を、第2または第1供給ポートの油圧へ近づけるように、前記第1または第2の圧力制御弁を制御する。 【0015】また、第8の発明は、前記第6の発明において、前記圧力制御手段は、エンジンブレーキ側の伝達トルクが予め設定した値以下となるよう、前記第1または第2ドレーンポートと、第2または第1供給ポートの差圧を予め設定した値以下となるように前記第1または第2の圧力制御弁を制御する。 【0016】また、第9の発明は、前記第5の発明において、前記変速制御弁は、油圧源側に連通した第1及び第2の供給ポートと、第1及び第2のドレーンポートと、第1油室及び第2油室とそれぞれ連通した第1制御ポート及び第2制御ポートとを備える一方、前記圧力制御手段は第1及び第2供給ポートへの供給圧をそれぞれ制御可能な第1及び第2の圧力制御弁で構成されて、エンジンブレーキ側の伝達トルクを予め設定した値以下となるように前記供給圧を設定する。 【0017】また、第10の発明は、前記第4の発明において、前記変速制御手段は、前記無段変速機構の変速比を検出するCVT比検出手段を有し、この変速比が小さくなるほど、前記第1油室と第2油室の差圧の絶対値が大きくなるように制御する。 【0018】また、第11の発明は、前記第4の発明において、前記変速制御手段は、前記ユニット入力軸とユニット出力軸の速度比を検出するIVT比検出手段を有し、この速度比に応じて制限するエンジンブレーキ側の伝達トルクがほぼ一定となるように、前記第1油室と第2油室の差圧の絶対値を制御する。 【0019】また、第12の発明は、前記第4の発明において、前記変速制御手段は、車速を検出する車速検出手段を有し、この車速に応じて制限するエンジンブレーキ側の伝達トルクがほぼ一定となるように、前記第1油室と第2油室の差圧の絶対値を制御する。 【0020】また、第13の発明は、前記第4の発明において、前記変速制御手段は、エンジンの負荷を検出する負荷検出手段を有し、このエンジン負荷が予め設定した値以下のときには、エンジンブレーキ側の伝達トルクを低減するように、前記第1油室と第2油室の差圧の絶対値を制御する。 【0021】また、第14の発明は、前記第4の発明において、前記変速制御手段は、エンジンの燃料カット状態を検出する手段を有し、エンジンが燃料カット状態のときには、エンジンブレーキ側の伝達トルクを低減するように、前記第1油室と第2油室の差圧の絶対値を制御する。 【0022】また、第15の発明は、前記第5の発明において、前記変速制御手段は、エンジンの負荷を検出する負荷検出手段を有し、このエンジン負荷が予め設定した値以下のときには、エンジンブレーキ側の伝達トルクを低減するように、前記第1油室または第2油室への供給圧を制御する。 【0023】また、第16の発明は、前記第5の発明において、前記変速制御手段は、エンジンの燃料カット状態を検出する手段を有し、エンジンが燃料カット状態のときには、エンジンブレーキ側の伝達トルクを低減するように、前記第1油室または第2油室への供給圧を制御する。 【0024】 【発明の効果】第1ないし第3の発明は、トロイダル型の無段変速機構では、トラニオンを支える油圧シリンダの油圧に応じて伝達トルクを制御することができるため、セレクト位置に対してエンジンブレーキ側の伝達トルクまたは変速速度を制限しておくことで、変速制御弁を駆動するアクチュエータの故障や誤動作などによって、総変速比がダウンシフト側へ変化したときであっても、エンジンブレーキ側の伝達トルクまたは変速速度が予め制限されているため、過大なエンジンブレーキが発生するのを防止することができ、変速比無限大無段変速機のフェイルセーフを確保することができる。 【0025】また、第4または第5の発明は、油圧シリンダの第1、第2油室の差圧または供給圧を、制限するエンジンブレーキ側の伝達トルクに応じて予め設定することで、アクチュエータの故障や誤動作などによって、過大なエンジンブレーキが発生するのを確実かつ迅速に防止することができ、変速比無限大無段変速機のフェイルセーフを確保することができる。 【0026】また、第6ないし第8の発明は、一方のドレーンポートと他方の供給ポートの差圧を、エンジンブレーキ側の伝達トルクが所定値以下となるように予め制御しておくことで、駆動側のトルクを確実に伝達しながら、アクチュエータの故障や誤動作などによって、過大なエンジンブレーキが発生するのを確実かつ迅速に防止することができ、また、差圧を制限しておくことで、油温に係わらず正確に過大なエンジンブレーキを防止するため、変速比無限大無段変速機のフェイルセーフを確保することができる。 【0027】また、第9の発明は、エンジンブレーキ側の伝達トルクが所定値以下となるように、一方の供給圧を予め制御しておくことで、駆動側のトルクを確実に伝達しながら、アクチュエータの故障や誤動作などによって、過大なエンジンブレーキが発生するのを確実かつ迅速に防止することができ、変速比無限大無段変速機のフェイルセーフを確保することができる。 【0028】また、第10の発明は、無段変速機構の変速比が小さくなるにつれて、差圧の絶対値を大きくしたため、変速比に応じて過大なエンジンブレーキが発生するのを確実かつ迅速に防止することができる。 【0029】また、第11の発明は、ユニット入力軸とユニット出力軸の速度比に応じて、過大なエンジンブレーキが発生するのを確実かつ迅速に防止することができる。 【0030】また、第12の発明は、車速に応じて制限するエンジンブレーキ側の伝達トルクがほぼ一定となるように、第1油室と第2油室の差圧の絶対値を制御することで、無段変速機構の変速比の演算を不要にして、容易に変速比無限大無段変速機のフェイルセーフを確保することができる。 【0031】また、第13または第14の発明は、エンジン負荷が予め設定した値以下のとき、あるいはエンジンが燃料カット状態のときには、エンジンブレーキ側の伝達トルクを低減するように、第1油室と第2油室の差圧の絶対値を制御するようにしたため、アクチュエータの誤動作等による過大なエンジンブレーキを確実に防止できる。 【0032】また、第15または第16の発明は、エンジン負荷が予め設定した値以下のとき、あるいはエンジンが燃料カット状態のときには、エンジンブレーキ側の伝達トルクを低減するように、第1油室または第2油室への供給圧を制御するようにしたため、アクチュエータの誤動作等による過大なエンジンブレーキを確実に防止できる。 【0033】 【実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。 【0034】図1は、ハーフトロイダルで構成されたダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機構2を用いて変速比無限大無段変速機を構成した一例を示す。 【0035】図1、図2において、変速比無限大無段変速機はエンジン70のクランクシャフト(図示せず)に連結されるユニット入力軸1に、変速比を連続的に変更可能な無段変速機構2と、ギア3a、ギア3bから構成された一定変速機構3(減速機)とを並列的に連結し、これらの出力軸4、3cをユニット出力軸6側へ配設するとともに遊星歯車機構5で連結したものである。 【0036】無段変速機出力軸4は、ユニット出力軸6と同軸的かつ、相対回転自在に支持され、無段変速機構2の出力スプロケット2a、チェーン4b及びスプロケット4aを介して連結されており、無段変速機出力軸4の一端を遊星歯車機構5のサンギア5aに結合し、他端を直結モードクラッチ10に結合する。 【0037】ギア3bと結合した一定変速機構3の出力軸3cも、ユニット出力軸6と同軸的かつ、相対回転自在に支持され、動力循環モードクラッチ9を介して遊星歯車機構5のキャリア5bに連結されており、このキャリア5bのピニオンと歯合する遊星歯車機構5のリングギア5cは、変速比無限大無段変速機の出力軸であるユニット出力軸6に結合される。 【0038】そして、ユニット出力軸6の図中右側には、変速機出力ギア7が設けられ、この変速機出力ギア7がディファレンシャルギア8のファイナルギア12と歯合し、ディファレンシャルギア8に結合する駆動軸11は、無段変速機構2の変速比(以下CVT比icとする)に応じた総変速比(以下、ユニット変速比でIVT比iiとする)で駆動力が伝達される。 【0039】ここで、トロイダル型の無段変速機構2は、図1に示すように、2組の入力ディスク21、出力ディスク22で、パワーローラ20をそれぞれ挟持、押圧するダブルキャビティのトロイダル型で構成される。 【0040】パワーローラ20は、図3、図4に示すように、下端を油圧シリンダ30に結合して軸方向へ変位可能かつ軸まわりに回転可能なトラニオン23(パワーローラ支持部材)によって軸支され、複数のトラニオン23のうちの一つのトラニオン23の下端には、トラニオン23の軸方向変位量とパワーローラ20の傾転角(トラニオン23の回転角≒実変速比)をシフトコントロールバルブ46にフィードバックするためのプリセスカム35が設けられる。 【0041】そして、プリセスカム35は、図3に示すように円周方向に所定の傾斜を備えたカム面35A(またはカム溝)を備えており、このカム面35Aに揺動自在なフィードバックリンク38の一端が摺接する。 【0042】図3、図4に示すように、フィードバックリンク38は、例えば、L字状に形成されるとともに揺動軸39を中心に揺動自在に支持されており、一端でカム面35Aと摺接する一方、他端で変速リンク37の一端と係合し、トラニオン23の回転量及び軸方向変位量、すなわちパワーローラ20の傾転角を変速リンク37の一端に伝達する。 【0043】変速リンク37は、図4に示すように、中央部でシフトコントロールバルブ46のスプール46Sと連結する一方、フィードバックリンク38と連結した変速リンク37の他端はステップモータ36(アクチュエータ)と連結し、変速リンク37はステップモータ36の駆動によって、シフトコントロールバルブ46(変速制御弁)のスプール46Sを軸方向へ変位させ、また、トラニオン23の回動と軸方向変位に応じてシフトコントロールバルブ46のスプール46Sが軸方向に変位する。 【0044】ここで、変速比無限大無段変速機の変速比及び伝達トルクの制御を行う変速制御装置の油圧回路について、図4を参照しながら詳述する。 【0045】油圧ポンプ110から供給された油圧は、PLソレノイド90からの信号圧に基づいて、プレッシャレギュレータ100が所定の供給圧PLに調整した後に、ライン圧回路101へ供給される。なお、PLソレノイド90はパイロット圧回路102からのパイロット圧Ppを元圧として信号圧を調圧する。このパイロット圧Ppは、プレッシャレギュレータ100からの供給圧PLに比例して、パイロットバルブ103が調圧したものである。 【0046】そして、ライン圧回路101には、トロイダル型無段変速機構2の変速比及び伝達トルクを制御するため、シフトコントロールバルブ46(変速制御弁)と圧力制御弁で構成された+トルクコントロールバルブ40(第1油圧制御弁)及び−トルクコントロールバルブ45(第2油圧制御弁)が直列的に接続されて、トラニオン23を軸方向へ駆動する油圧シリンダ30の2つの油室30A(第1油室)、油室30B(第2油室)に供給される油圧を調整する。 【0047】なお、図3に示すように、対向するトラニオン23、23の油圧シリンダ30、30’は、トラニオン23、23を互いに逆方向へ駆動するため、ピストン31で画成された油室30A、30Bの配置が逆転している。 【0048】次に、シフトコントロールバルブ46には、ライン圧回路101に連通した供給ポート46Pと、油圧シリンダ30の油室30Aと連通したLo側ポート46L(第1供給ポート)と、油圧シリンダ30の油室30Bと連通したHi側ポート46H(第2供給ポート)と、この供給ポート46Pを挟んで+トルクコントロールバルブ40に連通したポート46inc(第1ドレーンポート)と、−トルクコントロールバルブ45に連通したポート46dec(第2ドレーンポート)が形成される。 【0049】そして、上記したように、変速リンク37によって駆動されるスプール46Sが、油室30Aをポート46decと供給ポート46Pのうちの一方に接続するとともに、油室30Bをポート46incと供給ポート46Pのうちの一方に接続する。 【0050】圧力制御弁で構成された+トルクコントロールバルブ40及び−トルクコントロールバルブ45は、後述する変速制御コントローラ80によって駆動される+トルクソレノイド50及び−トルクソレノイド55からの信号圧Psig+、Psig−に応じて、ポート46incとポート46decへ供給する制御圧を調整するもので、+トルクソレノイド50及び−トルクソレノイド55は、例えば、変速制御コントローラ80によってデューティ制御され、連続的に信号圧Psig+、Psig−を変更する。 【0051】なお、+トルクソレノイド50及び−トルクソレノイド55は、ノーマルクローズタイプで構成され、信号がない場合には、信号圧Psig+及びPsig−は0となって、+トルクコントロールバルブ40と−トルクコントロールバルブ45はそれぞれ出力する制御圧Pc1、Pc2を供給圧PLに設定する。 【0052】一方、パイロット圧回路102には、直結モードクラッチ10を制御するソレノイド91と、動力循環モードクラッチ9を制御するソレノイド92が配設される。 【0053】ソレノイド91は、変速制御コントローラ80によってデューティ制御されて信号圧を出力し、直結モードクラッチ10と連通した制御弁93は、信号圧に応じてマニュアルバルブ60から供給されたライン圧PLを調圧して直結モードクラッチ10の締結、解放を制御する。 【0054】同様に、ソレノイド92は、変速制御コントローラ80によってデューティ制御されて信号圧を出力し、動力循環モードクラッチ9と連通した制御弁94は、信号圧に応じてマニュアルバルブ60から供給されたライン圧PLを調圧して動力循環モードクラッチ9の締結、解放を制御する。 【0055】上記ソレノイド91、92は後述する変速制御コントローラ80によって制御され、動力循環モードクラッチ9及び直結モードクラッチ10のうちの一方が締結されて、動力循環モードと直結モードが選択的に切り換えられる。 【0056】次に、シフトコントロールバルブ46のポート46incとポート46decへの差圧を制御する一対の圧力制御弁、+トルクコントロールバルブ40及び−トルクコントロールバルブ45について説明する。 【0057】ここでは、+トルクコントロールバルブ40及び−トルクコントロールバルブ45も同様に構成されるため、以下、+トルクコントロールバルブ40側についてのみ説明する。 【0058】この+トルクコントロールバルブ40は、+トルクソレノイド50の信号圧Psig+が、スプール40sの図中上端側で開口したポート40aに接続されている。 【0059】+トルクソレノイド50の信号圧Psig+は、ポート40aを介して+トルクコントロールバルブ40のスプール40sを図中下方へ付勢し、これに加えて、ポート40bには出力ポート40dからの制御圧Pc1がスプール40sを下方へ付勢するようフィードバックされる。 【0060】そして、スプール40sの図中下端には、円筒状の可動プラグ40pが当接しており、この可動プラグ40pの外周に面した所定の位置には、信号圧Psig+に対向してスプール40sを上方へ付勢するよう、供給圧PLを導くポート40fが形成されて供給圧PLがフィードバックされるのに加え、ポート40f側にはスプール40sを図中上方へ付勢するスプリング40rが収装される。 【0061】そして、信号圧Psig+が所定値以内では、ライン圧回路101と連通した供給圧ポート40cが、出力ポート40dを介してシフトコントロールバルブ46のポート46incと連通するように構成され、信号圧Psig+が増大すると、スプール40sがスプリング40rに抗して図中下方へ変位し、出力ポート40dがドレーンポート40eに連通して、出力ポート40dからの制御圧Pc1がドレーンポート40eに接続されるように構成される。 【0062】ここで、スプール40sが制御圧Pc1のフィードバックを受けるポート40b側の受圧面積と、供給圧PLを受けるとともにスプール40sに当接した可動プラグ40pの受圧面積は等しい値Asに設定されており、供給圧PLと制御圧Pc1の差圧がスプール40sを図中上方へ付勢するようにフィードバックされる。 【0063】スプール40sがポート40aからの信号圧Psig+を受ける受圧面積をAsol、スプリング40rの付勢力をFsとして、釣り合いの式を示すと、 Psig+・Asol=(PL−Pc1)・As+Fs ………(1) となる。よって、a=Asol/As、b=Fs/As(定数)として上記(1)式を変形すると、PL−Pc1=a・(Psig+)−b ………(2) で表され、図5に示すように、信号圧Psig+に対応して、供給圧PLと制御圧Pc1の差圧ΔP1=PL−Pc1が制御可能になる。 【0064】また、信号圧Psig+=0のとき、差圧PL−Pc1<0となるが、制御圧Pc1の元圧がライン圧回路101の供給圧PLのため、制御圧Pc1が供給圧PL以上になることはなく、このときスプール40sは調圧状態にはならず、スプリング力Fsで図中上方に押しきられ、供給圧ポート40cと出力ポート40dが連通したPc1=PLの状態となる。 【0065】したがって、スプリング力Fsにより調圧開始までの不感帯が作られることなり、制御圧Pc1の特性は、信号圧Psig+に対して供給圧PLが一定だと仮定した場合では、図5に示すようになり、信号圧Psig+=0から図中破線間での区間が上記不感帯となる。 【0066】すなわち、+トルクソレノイド50からの信号圧Psig+が増大すると、差圧PL−Pc1が増大し、また、スプリング力Fsによって、Psig+=b/a=Fs/Asol以下では、上記したように、Pc1=PLである。 【0067】一方、信号圧Psig+が最大値(=パイロット圧Pp)になると、供給圧ポート40cが遮断されて、出力ポート40dがドレーンポート40eと連通することになる。 【0068】上記差圧ΔP1=PL−Pc1の特性は、供給圧PLが変化した場合であっても制御圧Pc1も同様に変化するため変わらない。ただし、0≦Pc1≦PLの範囲内でしかPc1の値は存在しないため、供給圧PLが低下すると差圧ΔP1=PL−Pc1の値は、供給圧PLの値により制限されることはある。 【0069】つまり、この+トルクコントロールバルブ40は、供給圧PLと制御圧Pc1の差圧ΔP1=PL−Pc1を、0を含んで制御することが可能となり、かつ、+トルクソレノイド50が非通電時では制御圧Pc1が供給圧PLに等しくなるという特徴を持っている。 【0070】なお、−トルクコントロールバルブ45も、上記+トルクコントロールバルブ40と同様に構成され、各ポート45a〜45f、スプール45s及びスプリング45rも+トルクコントロールバルブ40と同様に形成されており、出力ポート45dからは制御圧Pc2が供給され、供給圧PLと制御圧Pc2の差圧ΔP2=PL−Pc2を、0を含んで制御することが可能となる。 【0071】これらの2つの圧力制御弁で構成された、+トルクコントロールバルブ40及び−トルクコントロールバルブ45からの制御圧Pc1、Pc2は、シフトコントロールバルブ46のドレーン側を介して油圧シリンダ30の油室30A、30Bの一方へ供給され、供給圧PLとの間で油圧シリンダ30のピストン31表裏の差圧ΔPを制御することで、パワーローラ20の伝達トルクを調整することが可能となる。 【0072】次に変速比無限大無段変速機の制御は、図2に示すように、マイクロコンピュータを主体に構成された変速制御コントローラ80によって変速比と伝達トルクの制御が行われる。 【0073】変速制御コントローラ80には、ユニット入力軸1の回転数Ni(=エンジン回転数Ne)を検出する入力軸回転数センサ81からの出力と、無段変速機出力軸4の回転数Ncoを検出する無段変速機出力軸回転数センサ82からの出力と、ユニット出力軸6の回転数Noから車速VSPを検出する車速センサ83からの出力や、図示しないセレクトレバーまたはスイッチに応動するインヒビタスイッチ84からのセレクト位置POS、アクセル操作量センサ85が検出したアクセルペダルの踏み込み量APSがそれぞれ入力される。 【0074】変速制御コントローラ80は、これらの検出値を運転状態として処理し、この運転状態に応じてソレノイド91、92を駆動することで動力循環モードクラッチ9と直結モードクラッチ10を選択的に締結して、動力循環モードと直結モードを切り換えるとともに、運転状態に応じたIVT比ii及びCVT比icとなるようにステップモータ36を駆動し、さらに、+トルクソレノイド50または−トルクソレノイド55を駆動することでトロイダル型無段変速機構2の伝達トルクの制御と変速比の制御を行う。 【0075】トロイダル型無段変速機構2では、本願出願人が提案した特願平10−53187号などにも示したように、油圧シリンダ30のピストン31に加わる差圧ΔPの大きさが、パワーローラ20の伝達トルクの大きさを決定しており、制御圧Pc1または制御圧Pc2を供給圧PLとすることで供給圧PLとドレーン圧(制御圧Pc1、2)との差圧ΔP1、ΔP2が0になり、伝達トルクを0とすることができる。 【0076】そして、差圧ΔP1またはΔP2を0に設定する際には、油室30A、30Bの油圧を供給圧PLに一致させるため、ピストン31の表裏に油圧をかけた状態で差圧ΔP1、P2を0に設定でき、作動油にエアーなどが混入して体積弾性係数が変化することによる差圧ΔP1、P2の変動を抑制することができ、制御精度を確保することができる。 【0077】差圧制御による無段変速機構2の伝達トルクの制御は、油圧シリンダ30が支持するトルクの方向に応じて、シフトコントロールバルブ46を切り換えればよく、例えば、図4において、油室30B側に供給圧PLが供給されている場合には、図3に示すように入力ディスク21が回転しているとすると、正の伝達トルク(入力ディスク21から出力ディスク22へトルクが伝達される方向を正とする。以下同様)を制御圧Pc2との差圧ΔP2によって制御できる。 【0078】逆に、図4において、油室30A側に供給圧PLが供給されている場合には、図3に示すように、入力ディスク21が回転しているとすると、負の伝達トルク(出力ディスク22から入力ディスク21へのトルク。以下同様)を制御圧Pc1との差圧ΔP1によって制御できる。 【0079】ここで、直結モードでは、無段変速機構2からのトルクがユニット出力軸6へ伝達されるため、正方向のトルクで車両の駆動が行われる一方、負方向のトルクでエンジンブレーキが作用する。 【0080】したがって、直結モードでは、無段変速機構2を通過する正のトルクを制御することで、駆動側の伝達トルクを制御でき、油室30Bに供給される供給圧PLと、油室30Aに供給される制御圧Pc2との差圧ΔP2を制御すればよい。 【0081】また、直結モードでエンジンブレーキを制御するには、無段変速機構2を通過する負のトルクを制御すればよく、図3、図4に示したように、油室30Aに供給される供給圧PLと、油室30Bに供給される制御圧Pc1との差圧ΔP1を制御すればよい。 【0082】一方、動力循環モードでは、動力循環モードクラッチ9が締結される一方、直結モードクラッチ10が解放されるため、図1において、一定変速機構3に駆動されるキャリア5bのピニオンの公転速度と、無段変速機構2のCVT比に応じたサンギア5aの回転速度の差によって、車両の前後進とギアードニュートラルポイントGNPが決定され、この動力循環モードでは、車両の進行方向によって、無段変速機構2を通過するトルクの方向が変化する。 【0083】まず、動力循環モードにおける前進時は、キャリア5bのピニオンの公転速度がサンギア5aの回転速度よりも大きい場合、すなわち、無段変速機構2のCVT比が図17に示すギアードニュートラルポイントGNPより大側(Lo側)にあるときで、キャリア5bに伝達されたトルクは、リングギア5cとサンギア5aに伝達されるため、無段変速機構2への入力トルクは、チェーン4bを介して出力ディスク22側から入力され、負の方向となる。ちなみに、出力ディスク22から入力ディスク21へ伝達されたトルクは、ユニット入力軸1から一定変速機構3へ伝達されて、駆動力が循環することになる。 【0084】一方、動力循環モードにおける後進時では、サンギア5aの回転速度がキャリア5bのピニオンの公転速度よりも十分大きい場合、すなわち、無段変速機構2のCVT比が、図17に示すギアードニュートラルポイントGNPよりも小側(Hi側)にあるときで、このとき、サンギア5aに伝達されたトルクは、キャリア5bとリングギア5cに伝達されるため、無段変速機構2への入力トルクは、入力ディスク21から出力ディスク22へ伝達される正方向となり、サンギア5aを介してキャリア5bに伝達されたトルクは、一定変速機構3を介して再び入力ディスク21へ循環する。 【0085】したがって、動力循環モードの前進時では、無段変速機構2を通過する負のトルクを制御することで、駆動側の伝達トルクを制御でき、すなわち、図3、図4に示したように、油室30Aに供給される供給圧PLと、油室30Bに供給される制御圧Pc1との差圧ΔP1を制御すればよい。 【0086】また、動力循環モードの前進時にエンジンブレーキを制御するには、無段変速機構2を通過する正のトルクを制御すればよく、油室30Bに供給される供給圧PLと、油室30Aに供給される制御圧Pc2との差圧ΔP2を制御すればよい。 【0087】一方、動力循環モードの後進時では、上記の関係が逆になって、無段変速機構2を通過する正のトルクを制御することで、駆動側の伝達トルクを制御でき、油室30Bに供給される供給圧PLと、油室30Aに供給される制御圧Pc2との差圧ΔP2を制御すればよい。 【0088】同様に、後進方向のエンジンブレーキの制御は、油室30Aに供給される供給圧PLと、油室30Bに供給される制御圧Pc1との差圧ΔP1を制御すればよい。 【0089】次に、変速制御コントローラ80では、走行中にエンジンブレーキが過大になるのを防止するため、伝達トルクの制御を行う。 【0090】この制御の一例を、図6のフローチャートを参照しながら以下に詳述する。なお、このフローチャートは所定時間毎、例えば、10msecごとに実行されるものである。 【0091】まず、ステップS1では、インヒビタスイッチ84が検出したセレクト位置POS、アクセル操作量センサ85が検出したアクセル踏み込み量APSを読み込むとともに、ステップS2で入力軸回転数センサ81が検出した入力軸回転数Ni、出力軸回転数センサ82が検出した無段変速機構2の出力軸回転数Nco、ユニット出力軸6の回転数Noから、CVT比icと、IVT比iiを演算する。なお、車速VSPは、ユニット出力軸6の回転数Noに所定の定数を乗じたものとする。 【0092】また、インヒビタスイッチ84が検出するセレクト位置POSは、この場合、Dレンジ(前進位置)、Rレンジ(後進位置)、Nレンジ(ニュートラル位置)及びPレンジ(駐車位置)の4つの中から選択するものとする。 【0093】次に、ステップS3では、セレクト位置POSがどのレンジであるか否かを判定し、Dレンジであれば、ステップS4へ進んで、運転モードの判定を行う一方、NレンジまたはPレンジであればステップS7へ進み、RレンジであればステップS8へ進む。 【0094】ステップS4では、図17に示したように、車両の前進側では、動力循環モードと直結モードの2つの運転モードがあるため、ステップS2で求めたIVT比iiに基づいて現在の運転モードを判定し、動力循環モードであれば、ステップS5へ進む一方、直結モードであればステップS6へ進む。 【0095】動力循環モードの前進状態と判定されたステップS5では、エンジン70から無段変速機2を通過する駆動側の伝達トルクは、上記したように負の伝達トルクとなるため、制御圧Pc1と供給圧PLの差圧ΔP1を、ΔP1=f(APS、ic)として、負の伝達トルクが運転状態に応じた差圧ΔP1となるように制御圧Pc1を制御する。ただし、f(APS、ic)は、予め設定したマップまたは関数で、アクセル踏み込み量APSとCVT比icから差圧を決定するもので、換言すれば入力トルクと、CVT比icに応じた差圧に設定するものである。 【0096】一方、制御圧Pc2と供給圧PLの差圧ΔP2を、ΔP2=f1(ic)としておき、動力循環モードの前進方向で、ステップモータ36が故障あるいは誤動作し、ポート46decが油室30Aと連通したときに、動力循環モードの前進時では正方向の伝達トルクとなるエンジンブレーキ側のトルクが過大になるのを抑制する。 【0097】上記f1(ic)は、例えば、図7に示すように設定され、ギアードニュートラルポイントGNPよりも前進側、換言すれば、CVT比icのLo側から−トルクソレノイド55の信号圧Psig−が立ち上がった後、CVT比icがLo側(IVT比iiはHi側)へ向かうにつれ、徐々に信号圧Psig−が増大するように設定される。 【0098】すなわち、図5に示した信号圧Psig−と差圧ΔP2の関係から、差圧ΔP2は信号圧Psig−の緩やかな増大に応じて徐々に上昇するが、信号圧Psig−に基づいて、予め設定された値を超えないように規制され、正方向への伝達トルクを制限する。 【0099】動力循環モードの前進状態では、走行中にステップモータ36が誤動作または故障して、CVT比icのHi側へ動いたとすると、図17に示したように、IVT比iiはLo側へ向かう。 【0100】このとき、図4に示したスプール46Sは、図中上方へ変位して、油室30Aに制御圧Pc2が供給され、油室30Bには供給圧PLが加わり、正方向にトルクを伝達しようとするが、図7に示したように、差圧ΔP2(信号圧Psig−)はCVT比icに応じて規制されているため、ステップモータ36の誤動作等によって急激にエンジンブレーキが増大するのを防止することができる。 【0101】次に、直結モードと判定されたステップS6では、エンジン70から無段変速機構2を通過する伝達トルクは、上記したように正方向となるため、制御圧Pc2と供給圧PLの差圧ΔP2を、ΔP2=f(APS、ic) として、正方向の伝達トルクが運転状態に応じた差圧ΔP2となるように制御圧Pc2を制御する。 【0102】一方、エンジンブレーキ側の伝達トルクを制御する制御圧Pc2と供給圧PLの差圧ΔP1は、ΔP1=f2(ic)=Kc×Tolmtとしておき、直結モードでステップモータ36が故障あるいは誤動作し、ポート46incが油室30Bと連通したときに、直結モードでは負方向の伝達トルクとなるエンジンブレーキ側のトルクが過大になるのを抑制する。 【0103】ここで、上記f2(ic)のTolmtは、例えば、エンジンブレーキが予め設定した減速度を超えないように設定された伝達トルクの制限値を示し、また、上記変数Kcは、図8に示すように、CVT比icが小さく(Hi側)なるにつれて、徐々に大きくなるように設定されたマップまたは関数の値である。 【0104】すなわち、図8に示した変数Kcと伝達トルクの制限値Tolmtに基づいて、差圧ΔP1の絶対値が所定値以下に規制されて、負方向への伝達トルクをほぼ一定の値に制限する。 【0105】直結モードでは、走行中にステップモータ36が誤動作または故障して、CVT比icのLo側へ動いたとすると、図17に示したように、IVT比iiもLo側へ向かう。 【0106】このとき、図4に示したスプール46Sは、図中下方へ変位して、油室30Aに供給圧PLが加わり、油室30Bには制御圧Pc1が供給され、負方向にトルクを伝達しようとするが、図8に示した変数Kcと制限値Tolmtによって、差圧ΔP1はCVT比icに応じた値に規制されるため、ステップモータ36の誤動作等によって急激にエンジンブレーキが生じるのを防止することができ、CVT比icまたはIVT比iiに応じて制限するエンジンブレーキ側の伝達トルクをほぼ一定にすることができる。 【0107】次に、上記ステップS3の判定で、NレンジまたはPレンジと判定されたステップS7では、差圧ΔP1、ΔP2をf(APS、ic)として、トルクの伝達を可能な状態にして発進に備える。 【0108】さらに、上記ステップS3の判定で、Rレンジと判定されたステップS5では、動力循環モードの後進状態で、図17に示したように、IVT比iiは負となり、エンジン70から無段変速機2を通過する駆動側の伝達トルクは、上記したように正方向の伝達トルクとなるため、制御圧Pc2と供給圧PLの差圧ΔP2を、ΔP2=f(APS、ic) として、正方向の伝達トルクが運転状態に応じた差圧ΔP2となるように制御圧Pc2を制御する。 【0109】一方、エンジンブレーキ側の伝達トルクを制御する制御圧Pc1と供給圧PLの差圧ΔP1を、ΔP1=f3(ic) としておき、動力循環モードの後進方向で、ステップモータ36が故障あるいは誤動作し、ポート46incが油室30Bと連通したときに、後進状態では負方向の伝達トルクとなるエンジンブレーキ側のトルクが過大になるのを抑制する。 【0110】上記f3(ic)は、例えば、図9に示すように設定され、ギアードニュートラルポイントGNPよりも後進側、換言すれば、CVT比icのHi側から+トルクソレノイド50の信号圧Psig+が立ち上がった後、CVT比icがHi側(IVT比iiは負方向に増大)へ向かうにつれ、徐々に信号圧Psig+が増大するように設定される。 【0111】すなわち、図5に示した信号圧Psig+と差圧ΔP1の関係から、差圧ΔP1は信号圧Psig+の緩やかな増大に応じて徐々に上昇するが、信号圧Psig+に基づいて、予め設定された値を超えないように規制され、負方向への伝達トルクを制限する。 【0112】したがって、動力循環モードとなる後進状態では、走行中にステップモータ36が誤動作または故障して、CVT比icのLo側へ動いたとすると、図17に示したように、IVT比iiはギアードニュートラルポイントGNP側へ向かって増大する。 【0113】このとき、図4に示したスプール46Sは、図中上方へ変位して、油室30Bに制御圧Pc1が供給され、油室30Aには供給圧PLが加わり、負方向にトルクを伝達しようとするが、図9に示したように、差圧ΔP1(信号圧Psig+)はCVT比icに応じて規制されているため、ステップモータ36の誤動作等によって急激にエンジンブレーキが増大するのを防止することができる。 【0114】こうして、動力循環モード及び直結モードのそれぞれについて、エンジン70から無段変速機2を通過する駆動側の伝達トルクに応じて差圧ΔPを制御する一方、エンジンブレーキ側の差圧ΔPが、予め設定した値以下となるように制御しておくことで、走行中にステップモータ36が誤動作または故障したり、変速リンク37が損傷した場合でも、急激にエンジンブレーキが増大するのを迅速かつ確実に防止することができ、変速比無限大無段変速機を備えた車両のフェイルセーフを確保することが可能となるのである。 【0115】また、トロイダル型の無段変速機構2では、図3に示すトラニオン23の軸方向変位量に応じて、パワーローラ20の傾転速度、換言すればCVT比icの変速速度が決まり、エンジンブレーキ側の差圧ΔPが、予め設定した値以下となるように制御しておくことで、走行中にステップモータ36が誤動作または故障したり、変速リンク37が損傷した場合に、エンジンブレーキが増大する方向へのトラニオン23の軸方向変位量が規制される。 【0116】このため、エンジンブレーキが増大する方向への変速速度が抑制されて、上記故障時などでエンジンブレーキが急激に増大するのを確実に防ぐことができるのである。 【0117】図10は第2の実施形態を示し、前記第1実施形態に示した+トルクコントロールバルブ40及び−トルクコントロールバルブ45を、ノーマルクローズのバルブ40’、45’に変更するとともに、シフトコントロールバルブ46の供給ポートを2つに分けた146に変更し、前記第1実施形態のポート46inc、46decをドレーンポート146D、146Dとして、シフトコントロールバルブ146の供給側に圧力制御弁を独立して介装したもので、その他の構成は、前記第1実施形態と同様である。 【0118】+トルクコントロールバルブ40’及び−トルクコントロールバルブ45’は、+トルクソレノイド50及び−トルクソレノイド55が非通電のときには出力ポート40d、45dをドレーンポート40e、45eに連通させる一方、通電時には出力ポート40d、45dを供給圧ポート40c、45cに連通させるノーマルクローズとしたものである。 【0119】そして、シフトコントロールバルブ146は、前記第1実施形態に示したシフトコントロールバルブ46の供給ポートを、+トルクコントロールバルブ40’の供給圧ポート40cに連通した供給ポート146Pi(第1供給ポート)と、−トルクコントロールバルブ45’の供給圧ポート45cに連通した供給ポート146Pd(第2供給ポート)の2つに独立させたもので、これら供給ポートを挟んだ両側にはドレーンポート146Dが形成されて、Lo側ポート146Lが油室30Aに、Hi側ポート146Hが油室30Bに、2つのドレーンポート146D、146Dがドレーンにそれぞれ接続される。 【0120】スプール146Sは、Lo側ポート146Lを供給ポート146Pdとドレーンポート146Dの一方に切り換えると同時に、Hi側ポート146Hを供給ポート146Piとドレーンポート146Dの一方に切り換えるものである。 【0121】図11に示すように、+トルクコントロールバルブ40’は、+トルクソレノイド50からの信号圧Psig+が0から増大すると、出力ポート40dの制御圧Psincは0から所定値(例えば、供給圧PL)へ向けて増大し、同様に−トルクコントロールバルブ45’の制御圧Psdecも同様な特性に設定される。 【0122】シフトコントロールバルブ146は、ステップモータ36がLo側に駆動されると、Lo側ポート146Lを供給ポート146Pdに、Hi側ポート146Hをドレーンポート146Dへ連通する一方、ステップモータ36がHi側に駆動されると、Lo側ポート146Lをドレーンポート146Dに、Hi側ポート146Hを供給ポート146Piへ連通する。 【0123】したがって、+トルクコントロールバルブ40’及び−トルクコントロールバルブ45’からの制御圧Psinc、Psdecを一定として、ステップモータ36の駆動により油圧シリンダ30を駆動する場合には、Lo側ポート146LまたはHi側ポート146Hの一方がドレーンポート146Dに接続されて、方向流量制御によって変速比の制御を行うことができる。 【0124】一方、Lo側ポート146LまたはHi側ポート146Hの一方を、供給ポート146Piまたは146Pdに接続し、制御圧Psinc、Psdecを変化させると、Lo側ポート146LまたはHi側ポート146Hの他方がドレーンポート146Dに接続されるため、油圧シリンダ30のピストン31表裏の差圧ΔPは、制御圧Psinc−0またはPsdec−0、すなわち、絶対圧となって、油圧シリンダ30の油室のうち、一方の油室30Aまたは30Bへ供給する油圧を制御することで伝達トルクの制御を行うことができる。 【0125】そして、前記第1実施形態と同様に、動力循環モード及び直結モードのそれぞれについて、エンジン70から無段変速機2を通過する駆動側の伝達トルクに応じて制御圧PsincまたはPsdecを制御する一方、エンジンブレーキ側となる制御圧PsincまたはPdecを予め設定した値以内に規制しておくことで、走行中にステップモータ36が誤動作または故障したり、変速リンク37が損傷して、エンジンブレーキ側でトルクを伝達する油室に制御圧が加わった場合でも、急激にエンジンブレーキが増大するのを防止することができ、変速比無限大無段変速機を備えた車両のフェイルセーフを確保することができるのである。 【0126】図12は第3の実施形態を示し、前記第2実施形態の+トルクコントロールバルブ40’及び−トルクコントロールバルブ45’に、前記第1実施形態のシフトコントロールバルブ46を組み合わせたもので、+トルクコントロールバルブ40’及び−トルクコントロールバルブ45’へ信号圧Psig+、Psig−を供給する+トルクソレノイド50’、−トルクソレノイド55’にノーマルオープンのデューティソレノイドを採用したものである。 【0127】+トルクコントロールバルブ40’及び−トルクコントロールバルブ45’はノーマルクローズであるが、+トルクソレノイド50’、−トルクソレノイド55’がノーマルオープンであるため、ソレノイドが非励磁のときには、信号圧Psig+、−がそれぞれパイロット圧Ppと等しくなる。 【0128】このため、+トルクコントロールバルブ40’及び−トルクコントロールバルブ45’のスプールは図中上方へ変位して、ポート40d、45dはライン圧回路101と連通するため、制御圧Pc1、Pc2からは、供給圧PLが出力され、ライン圧回路101と連通したシフトコントロールバルブ46の供給圧ポート46Pと、ポート46incの差圧ΔP1と、供給圧ポート46Pとポート46decの差圧ΔP2が共に0となって、断線時などでのフェイルセーフを確保する。 【0129】一方、+トルクソレノイド50’、−トルクソレノイド55’を作動させたときには、図13に示すように、信号圧Psig+、Psig−の減少に応じて、制御圧Pc1、Pc2が増大する特性となり、これら制御圧Pc1、Pc2を変化させることで、油室30A、30Bの差圧ΔP1、ΔP2を制御する。 【0130】このような構成の場合、差圧ΔP1、ΔP2の制御特性は前記第1実施形態とは、信号圧Psig+、Psig−と制御圧Pc1、Pc2の関係が逆になるだけで、同様の伝達トルクの制御を行うことができる。 【0131】図14は第4の実施形態を示し、前記第1実施形態における直結モードでの差圧ΔP2の制限を、図8に示したCVT比icに応じた値に代えて、車速VSPに応じて設定するようにしたもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。 【0132】この場合では、車速VSPに応じて制限するエンジンブレーキ側の伝達トルクが、ほぼ一定となるように差圧ΔP2を制限するもので、CVT比icの演算を省略して、演算負荷を低減することができる。 【0133】なお、上記実施形態において、エンジンブレーキ側の伝達トルクをCVT比icまたは車速VSPに応じて制限する例を示したが、図15、図16に示すように、アクセルペダル踏み込み量APSなどのエンジン負荷や、エンジン70の燃料カット制御などに応じて制限量を変更してもよい。 【0134】エンジン負荷が予め設定した値以下、例えば、アクセルペダル踏み込み量APS=0(図中アクセルオフ)のとき等では、エンジン70で燃料カット制御などが行われるため、このときに、ステップモータ36の誤動作等が発生すると、エンジンブレーキは定常走行時または加速時よりも、さらに大きくなってしまう。 【0135】そこで、図15、図16の場合では、アクセルペダル踏み込み量APSが所定値未満(ほぼ0)の場合や、エンジン70で燃料カット制御が行われている期間では、エンジンブレーキ側の伝達トルクを小さく設定しておくことで、ステップモータ36の誤動作等による過大なエンジンブレーキを確実に防止できる。 【0136】前記第1または第4実施形態の場合では、エンジンブレーキ側でトルクを伝達する側の差圧ΔP(=ドレーン側の油圧)を、アクセルペダル踏み込み量APSを踏み込んだ状態(図中アクセルオン)よりも小さく設定し、かつ、図16のように、CVT比icが大きくなるにつれて差圧ΔPの小さく設定しておくことで、図15に示すように、CVT比icに係わらずステップモータ36等が誤動作したときのエンジンブレーキトルクの大きさを、ほぼ一定にすることができる。 【0137】あるいは、前記第3実施形態の場合では、シフトコントロールバルブ146に供給する制御圧PsincまたはPsdecのうち、エンジンブレーキ側でトルクを伝達する側の絶対圧を、アクセルペダル踏み込み量APSを踏み込んだ状態(図中アクセルオン)よりも小さく設定し、かつ、図16のように、CVT比icが大きくなるにつれて制御圧Pを小さく設定しておくことで、図15に示すように、CVT比icに係わらずステップモータ36等が誤動作したときのエンジンブレーキトルクの大きさを、ほぼ一定にすることができる。 【0138】また上記実施形態では、メカニカルフィードバック手段として、変速リンク37を用いた例について述べたが、図示はしないが、特開昭63−130954号公報に開示されるように、シフトコントロールバルブのスプールと相対変位可能なスリーブを、プリセスカムに連結してもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月29日(2000.2.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075513 【弁理士】 【氏名又は名称】後藤 政喜 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−241547(P2001−241547A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−53133(P2000−53133) |
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