| 【発明の名称】 |
車両の動力伝達装置及びその制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】村上 敬信
【氏名】菅野 幸夫
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| 【要約】 |
【課題】ロックアップの実行とその解除を適切に判断する車両の動力伝達装置を提供する。
【解決手段】トルクコンバータ2と、その入出力軸14,15を直結するロックアップクラッチ8と、トルクコンバータ2の入出力軸14,15の入出力回転数N1,N2を検出する入出力回転検出器9,10と、ロックアップクラッチ8を直結させるロックアップ実行信号12を出力する制御装置11とを備えた車両の動力伝達装置において、運転者がエンジン(1)の回転数を上げて車両を加速し、トルクコンバータ2の速度比eが、トルク比Mが1となる速度比閾値e0以上1以下である場合に、制御装置11がロックアップ実行信号12を出力する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トルクコンバータ(2)と、その入出力軸(14,15)を直結するロックアップクラッチ(8)と、ロックアップクラッチ(8)を直結させるロックアップ実行信号(12)を出力する制御装置(11)とを備えた車両の動力伝達装置の制御方法において、運転者がエンジン(1)の回転数を上げて車両を加速し、かつトルクコンバータ(8)の速度比(e)が、トルク比(M)が1となる速度比閾値(e0)以上となる場合に、制御装置(11)がロックアップ実行信号(12)を出力することを特徴とする車両の動力伝達装置の制御方法。 【請求項2】 トルクコンバータ(2)と、その入出力軸(14,15)を直結するロックアップクラッチ(8)と、トルクコンバータ(2)の入出力軸(14,15)の入出力回転数(N1,N2)を検出する入出力回転検出器(9,10)と、ロックアップクラッチ(8)を直結させるロックアップ実行信号(12)を出力する制御装置(11)とを備えた車両の動力伝達装置において、運転者がエンジン(1)の回転数を上げて車両を加速し、出力回転数(N2)と入力回転数(N1)との比からなるトルクコンバータ(2)の速度比(e)が、トルク比(M)が1となる速度比閾値(e0)以上1以下である場合に、制御装置(11)がロックアップ実行信号(12)を出力することを特徴とする車両の動力伝達装置。 【請求項3】 トルクコンバータ(2)と、その入出力軸(14,15)を直結するロックアップクラッチ(8)と、トルクコンバータ(2)の入出力軸(14,15)の入出力回転数(N1,N2)を検出する入出力回転検出器(9,10)と、ロックアップクラッチ(8)が解放されている場合には、前記入出力回転数(N1,N2)の所定の関係に基づいて、ロックアップクラッチ(8)を直結させるロックアップ実行信号(12)を出力し、ロックアップクラッチ(8)が直結されている場合には、入出力回転数(N1,N2)が、所定のロックアップ解除閾値(T4)未満である場合にロックアップクラッチ(8)の直結を解除するロックアップ解除信号(13)を出力する制御装置(11)とを備えた車両の動力伝達装置において、運転者がエンジン(1)の回転数を上げて車両を加速し、出力回転数(N2)と入力回転数(N1)との比からなるトルクコンバータ(2)の速度比(e)が、トルク比(M)が1となる速度比閾値(e0)以上であり、かつ出力回転数(N2)が、前記ロックアップ解除閾値(T4)よりも大きな所定の第3回転数閾値(T3)以上であり、かつ入力回転数(N1)が、前記第3回転数閾値(T3)以上の第2回転数閾値(T2)以上である場合に、制御装置(11)がロックアップ実行信号(12)を出力することを特徴とする車両の動力伝達装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、トルクコンバータ及びそのロックアップ機構を有する、車両の動力伝達装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、トルクコンバータのロックアップを行なうタイミングを制御する技術が知られており、例えば実開昭62−89559号に示されている。以下、図に基づいて従来技術を説明する。 【0003】図1は、動力伝達装置の構成図を示している。同図において、エンジン1の出力は、トルクコンバータ2、変速機3、動力伝達軸4、差動機5、及び終減速機6を介して車輪7に伝達され、車両を走行させる。トルクコンバータ2の入力軸14及び出力軸15には、これらの間を直結するロックアップクラッチ8が設けられている。このとき、出力軸15及び入出力軸14にかかる出力軸トルクM2及び入力軸トルクM1の比をトルク比M(=M2/M1)と言い、入出力軸14,15間のトルクの伝達比率を示す。また、制御装置11は、入力軸14及び出力軸15に設けられた入力回転検出器9及び出力回転検出器10の出力に基づき、それぞれの入力回転数N1及び出力回転数N2を検出する。また、制御装置11は、出力回転数N2及び入力回転数N1の比である速度比e(=N2/N1)を算出する。 【0004】図5に、トルクコンバータ2の性能曲線図の一例を示す。横軸が速度比eであり、縦軸がトルク比Mである。同図において、トルク比Mが1となる速度比eを、速度比閾値e0と言う。即ち、速度比eが速度比閾値e0を越えると、トルク比Mは1より下がり、トルクの伝達に損失が生じることになる。このような特性に基づき、制御装置11は、速度比eが速度比閾値e0以上になったとき(同図における斜線領域)に、ロックアップクラッチ8にロックアップ実行信号12を出力して、ロックアップクラッチ8を直結する。以下、ロックアップクラッチ8を直結することを、ロックアップするという。これにより、エンジン1の出力はトルクコンバータ2を経ずに変速機3側に伝達されるので、トルクコンバータ2によるトルクのロスがなくなり、伝達効率が向上する。また、制御装置11は、出力回転数N2が所定のロックアップ解除閾値よりも下がると、ロックアップクラッチ8にロックアップ解除信号13を出力して、ロックアップクラッチ8を切断する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来技術には、次に述べるような問題がある。即ち、ロックアップクラッチ8が切断された状態で車両が降坂路を走行すると、車速が上がって車輪7の回転数(即ち出力軸15の出力回転数N2)が上がる。ところが、降坂路では運転者はアクセルを殆んど踏まないためにエンジン1の回転数(即ち入力軸14の入力回転数N1)が上がらず、速度比eが速度比閾値e0を越えてしまうことがある。これに伴い、制御装置11は、ロックアップ実行信号12を出力してロックアップクラッチ8を直結させるので、トルクコンバータ2の入出力軸14,15が直結される。すると、エンジン1が負荷となってエンジンブレーキがかかり、車速が減少して出力軸15の出力回転数N2が前記ロックアップ解除閾値よりも下がる。制御装置11はこれを検出して、ロックアップ解除信号13を出力し、ロックアップクラッチ8を解除してトルクコンバータ2によってトルクを伝達する。そして、また車速が上がるという繰り返しになる。 【0006】このように、制御装置11がロックアップ実行信号12とロックアップ解除信号13とを短時間のうちに出力するため、ロックアップクラッチ8は、係合と切断とを繰り返すことになる。これにより、ロックアップクラッチ8の係合及び切断時の衝撃が運転者に断続的に伝わり、車体がハンチングして運転者が不快感を覚える。そればかりか、この衝撃が大きい場合には、加減速の繰り返しによって運転者が前後に揺さぶられ、運転が適切に行なえないことがあるという問題がある。 【0007】本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、車両を効率良く、かつ快適に走行させるために、ロックアップの実行とその解除を適切に判断する車両の動力伝達装置を提供することを目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目的を達成するために本発明は、トルクコンバータと、その入出力軸を直結するロックアップクラッチと、ロックアップクラッチを直結させるロックアップ実行信号を出力する制御装置とを備えた車両の動力伝達装置の制御方法において、運転者がエンジンの回転数を上げて車両を加速し、かつトルクコンバータの速度比が、トルク比が1となる速度比閾値以上となる場合に、制御装置がロックアップ実行信号を出力している。 【0009】即ち、運転者がエンジンの回転数を上げて車両を加速する場合にロックアップを行なっているので、降坂路を走行するような場合にはロックアップが起きることがない。従って、ハンチング現象が起こらず、常に好適な状態で運転を行なうことができて、運転性が向上する。また、トルク比が1以下となるような場合においてロックアップを行なっているので、トルクの伝達比率がトルクコンバータによって低下するようなことがなく、常にトルクを増幅して伝達でき、車両の効率が向上する。 【0010】また、本発明は、トルクコンバータと、その入出力軸を直結するロックアップクラッチと、トルクコンバータの入出力軸の入出力回転数を検出する入出力回転検出器と、ロックアップクラッチを直結させるロックアップ実行信号を出力する制御装置とを備えた車両の動力伝達装置において、出力回転数と入力回転数との比からなるトルクコンバータの速度比が、トルク比が1となる速度比閾値以上1以下である場合に、制御装置がロックアップ実行信号を出力している。 【0011】本発明によれば、速度比が速度比閾値以上1以下である場合に、ロックアップを行なうようにしている。即ち、トルク比が1より小さくなる、速度比が速度比閾値以上の場合にロックアップを行なうことで、トルクコンバータによるトルクの伝達ロスがなくなり、伝達効率が向上する。そして、速度比が1以下の場合にロックアップを行なうことにより、出力回転数が入力回転数よりも低い場合にはロックアップをしないようにするので、降坂路を降りるような場合のロックアップが防止される。これにより、ロックアップとその解除が連続してハンチングが起こるということがなく、車両の乗り心地が向上する。 【0012】また、本発明は、トルクコンバータと、その入出力軸を直結するロックアップクラッチと、トルクコンバータの入出力軸の入出力回転数を検出する入出力回転検出器と、ロックアップクラッチが解放されている場合には、前記入出力回転数の所定の関係に基づいて、ロックアップクラッチを直結させるロックアップ実行信号を出力し、ロックアップクラッチが直結されている場合には、入出力回転数が、所定のロックアップ解除閾値未満である場合にロックアップクラッチの直結を解除するロックアップ解除信号を出力する制御装置とを備えた車両の動力伝達装置において、出力回転数と入力回転数との比からなるトルクコンバータの速度比が、トルク比が1となる速度比閾値以上であり、かつ出力回転数が、前記ロックアップ解除閾値よりも大きな所定の第3回転数閾値以上であり、かつ入力回転数が、前記第3回転数閾値以上の第2回転数閾値以上である場合に、制御装置がロックアップ実行信号を出力している。 【0013】さらに本発明によれば、出力回転数がロックアップ解除閾値よりも大きな第3回転数閾値以上、かつ入力回転数が、第3回転数閾値以上の第2回転数閾値以上である場合に、ロックアップを行なっている。即ち、入力回転数が出力回転数よりも大きくとも、出力回転数がロックアップ解除閾値よりも小さいかほとんど変わらないような場合には、ロックアップ直後にロックアップ解除信号が出力され、ハンチングの原因となる。従って、出力回転数がロックアップ解除閾値よりも所定値以上大きな場合にのみロックアップを行なうことにより、ハンチングを防止することができる。さらに、譬え出力回転数が入力回転数よりも大きくとも、入力回転数がロックアップ解除閾値を大きく上回っている場合は、ロックアップ後にロックアップ解除信号が出力されず、ハンチングを起こさずに良好に走行を行なえる。このような場合にはロックアップを行なうことにより、トルクコンバータ油の温度上昇が防止され、トルクコンバータ2を常に効率の良い状態で動作させられる。さらには、適切な時点でロックアップを行なえるので、エンジンブレーキの効きがよくなるとともに、アクセルを踏み込んだ場合の加速性能が良くなり、車両の走行性が向上する。 【0014】以上のように本発明によれば、適切な状態でロックアップを行なうように設定することができ、トルクのロスが減少するとともに、運転者の意志に反したロックアップが起きなくなり、運転性が向上する。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。尚、実施形態において、前記従来技術の説明に使用した図と同一の要素には同一符号を付し、重複説明は省略する。 【0016】図1は、実施形態に係る動力伝達装置の構成図を示している。同図において、車両に搭載されたエンジン1の出力は、トルクコンバータ2、変速機3、動力伝達軸4、差動機5、及び終減速機6を介して車輪7に伝達され、車両を走行させる。尚、車両の種類によっては、終減速機6のないものもある。このとき、出力軸15及び入出力軸14にかかる出力軸トルクM2及び入力軸トルクM1の比をトルク比M(=M2/M1)と言い、入出力軸14,15間のトルクの伝達比率を示す。また、入出力軸14,15には、これらの間を直結するロックアップクラッチ8が設けられている。このロックアップクラッチ8は、制御装置11からロックアップ実行信号12が出力された場合に直結され、ロックアップ解除信号13が出力された場合に切断されるようになっている。 【0017】トルクコンバータ2の入力軸14及び出力軸15には、それぞれ入力回転検出器9及び出力回転検出器10が付設されている。入出力回転検出器9,10は、いずれも制御装置11に電気的に接続されており、制御装置11はこの入出力回転検出器9,10の出力信号に基づき、入力軸14の入力回転数N1及び出力軸15の出力回転数N2を検出する。そして制御装置11は、出力軸回転数N2及び入力軸回転数N1から、両者の比である速度比e(=N2/N1)を算出し、この速度比eに基づき、ロックアップ実行信号12を出力するか、又はロックアップ解除信号13を出力するかを判断する。 【0018】図2に、制御装置11がロックアップを行なうか否かを判断するための手順の一例を、第1フローチャートとして示す。まず、制御装置11は入出力回転検出器9,10の出力信号に基づき、トランスミッションの入出力軸14,15の入出力回転数N1,N2を検出し、速度比e(=N2/N1)を算出する(S1)。そして、現在ロックアップが行なわれているか否かを判定し(S2)、ロックアップ中であれば、出力軸15の出力回転数N2を所定のロックアップ解除閾値T4と比較する(S11)。そして、出力回転数N2がロックアップ解除閾値T4以上であればS1に戻り、出力回転数N2がロックアップ解除閾値T4未満であれば、ロックアップ解除信号13を出力してから(S12)、S1に戻る。 【0019】また、S2でロックアップが行なわれていない場合は、出力軸15の出力回転数N2を所定の第1回転数閾値T1と比較する(S3)。そして、出力回転数N2が第1回転数閾値T1以上であれば、ロックアップ実行信号12を出力し(S10)、S1に戻る。そして、S3で出力回転数N2が第1回転数閾値T1未満である場合には、速度比eを、トルク比Mが1となる速度比閾値e0と比較し(S4)、速度比eが速度比閾値e0未満である場合にはS1に戻る。S4で、速度比eが速度比閾値e0以上である場合には、S5で速度比eを1と比較し、速度比eが1よりも大きい場合には、S1に戻る。S5で、速度比eが1以下である場合には、ロックアップ実行信号12を出力し(S10)、S1に戻る。尚、上記のフローチャートにおいては、第1回転数閾値T1>ロックアップ解除閾値T4という関係を有している。 【0020】以上の第1フローチャートについて、詳細に説明する。即ち、本発明ではロックアップを行なうための条件を、次の条件1又は条件2の少なくともいずれか一方を満たした場合としている。 【0021】条件1:出力回転数N2≧第1回転数閾値T1であること(S3)。即ち、出力回転数N2が所定の第1回転数閾値T1以上になったときに、ロックアップ実行信号12を出力している。このように、トルクコンバータ2の出力軸15の出力回転数N2が所定値以上に上がった場合にロックアップを行なうことにより、トルクコンバータ2内の作動油の許容値以上の温度上昇を防止できる。これにより、トルクコンバータ油の温度上昇によるトルクコンバータ2の効率低下を防止して、トルクコンバータ2を常に効率の良い状態で動作させられるとともに、装置の故障が少なくなって信頼性が向上する。 【0022】条件2:速度比閾値e0≦速度比e≦1であること(S4及びS5) 即ち、S4によれば、前記実開昭62−89559号で開示されたように、速度比eが、トルク比Mが1となるような速度比閾値e0以上となる場合にロックアップを行なっている。これにより、トルク比Mが1以下となって伝達トルクにロスが生じる領域では、ロックアップクラッチ8を直結してトルクのロスを低減し、トルクの伝達効率を向上させることが可能となっている。 【0023】さらに、S5によれば、速度比e≦1、即ち入力回転数N1≧出力回転数N2の場合にのみ、ロックアップを行なうようにしている。例えば降坂路を降りるような場合には、エンジン1の回転数が上がらないにも拘らず車輪7の回転数が上がるので、出力回転数N2>入力回転数N1となる。この状態でロックアップを行なうと、上述したように降坂路でロックアップとロックアップの解除とが繰り返され、ハンチングが起こる。これを防止するため、条件2によって車両が降坂路を走行しているか否かを判定し、降坂路を走行するような場合にはロックアップを行なわないようにする。これにより、降坂路走行時に、ハンチングが起きることがなくなり、車両がスムーズに走行して運転性と乗り心地が向上する。図3に、トルクコンバータ2の性能曲線の一例を示す。横軸が速度比eであり、縦軸がトルク比Mである。同図における斜線部が、上記条件1及び2を共に満たす領域である。 【0024】次に、制御装置11がロックアップを行なうか否かを判断するための手順の他の一例を、図4に第2フローチャートとして示す。同図において、S1〜S4及びS11,12は図2と同様であるので、説明を省略する。そして、S4で速度比eが速度比閾値e0以上である場合には、出力回転数N2を所定の第3回転数閾値T3と比較し(S7)、出力回転数N2が第3回転数閾値T3未満である場合には、S1に戻る。また、S7で出力回転数N2が第3回転数閾値T3以上である場合には、入力回転数N1を所定の第2回転数閾値T2と比較し(S8)、入力回転数N1が第2回転数閾値T2未満である場合には、S1に戻る。そして、S8で入力回転数N1が第2回転数閾値T2以上である場合には、ロックアップ実行信号12を出力し(S10)、S1に戻る。以上の第2フローチャートにおいて、各回転数閾値T1〜T4は、第1回転数閾値T1>第2回転数閾値T2≧第3回転数閾値T3>ロックアップ解除閾値T4という関係を有している。 【0025】第2フローチャートについて、詳細に説明する。即ち、本発明ではロックアップを行なうための条件を、前記条件1(S3)又は次に示す条件3の、少なくともいずれか一方を満たした場合としている。 条件3:次の小条件(1)〜(3)を同時に満たしていること。 (1)速度比閾値e0≦速度比e(S4) (2)出力回転数N2≧第3回転数閾値T3(S7) (3)入力回転数N1≧第2回転数閾値T2(S8) 【0026】以下、上記小条件(1)〜(3)について、詳細に説明する。小条件(1)は、上述した条件2において説明したS4と同様であり、説明を省略する。小条件(2)及び(3)によれば、入力回転数N1及び出力回転数N2が、それぞれ所定の第2、第3閾値T2,T3以上の場合に、ロックアップを行なうようにしている。 【0027】即ち、第1フローチャートに従えば、速度比e≦1の場合には、常にロックアップ実行信号12が出力される。しかしながら、入力回転数N1がロックアップ解除閾値T4より小さいような場合には、直後にロックアップ解除信号13が出力される。従って、ロックアップクラッチ8は、ロックアップとその解除とを繰り返し、ハンチングが生じてしまう。例えば、ロックアップ解除閾値T4が1000rpmであるとして、入力回転数N1=950rpm、出力回転数N2=850rpmのような場合、速度比e≦1の条件に基づいてロックアップを行なってもロックアップ後の出力回転数N2はロックアップ解除閾値T4よりも小さいので、すぐにロックアップ解除信号13が出力され、ハンチングが起きる。 【0028】これを防止するため、第2フローチャートの小条件(2)においては、出力回転数N2が、ロックアップ解除閾値T4よりも大きな所定の第3回転数閾値T3以上であることを確認してから、ロックアップ信号を出力するようにしている。このようにすれば、ロックアップ直後にもロックアップ解除信号13が出力されてハンチングが起きるということがなく、良好な走行が行なわれる。即ち、前記条件2を満足していてもロックアップするとハンチングが起きる場合があるため、小条件(2)によってロックアップを行なわないようにしている。 【0029】さらに、小条件(3)において、入力回転数N1がロックアップ解除閾値T4を大きく上回っている場合は、譬え速度比e>1であっても、ロックアップ後にロックアップ解除信号13が出力されず、ハンチングを起こさずに良好に走行を行なえる。例えば、入力回転数N1=1200rpm、出力回転数N2=1500rpmのような場合には、ロックアップしても入力回転数N1が充分大きいため、ハンチングは起きないことが多い。即ち、条件2を満足していなくてもハンチングが起きないような場合には、ロックアップを行なうことにより、トルクコンバータ油の温度上昇が防止され、トルクコンバータ2を常に効率の良い状態で動作させられる。さらには、適切な時点でロックアップを行なえるので、エンジンブレーキの効きがよくなるとともに、アクセルを踏み込んだ場合の加速性能が良くなり、車両の走行性が向上する。 【0030】このように本発明では、アイドリング時や車速が小さい場合にはロックアップを行なわず、運転者がアクセルを踏んで車速が上がり、かつトルク比Mが1以下になるような場合にのみロックアップをかけている。これにより、トルクのロスを効率的に防いでトルク伝達効率を向上させているとともに、不要なロックアップを防いで車輪7から車体に伝わるショックを防止し、運転者の意志に対応した運転を可能としている。 【0031】尚、以上の説明では入力軸回転数N1及び出力軸回転数N2について説明したが、ギア比による換算を行なうことにより、トランスミッション内部の軸や車軸等、他の軸の回転数に基づいてロックアップを行なうか否かを判断することが可能である。また、降坂路では、図示しない別のスイッチによって運転者が手動でロックアあップを行なえるようにして、強制的にエンジンブレーキをかけるようにしてもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001236 【氏名又は名称】株式会社小松製作所
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| 【出願日】 |
平成12年3月1日(2000.3.1) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−241544(P2001−241544A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−55519(P2000−55519) |
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