| 【発明の名称】 |
副変速機の変速制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】池谷 浩一
【氏名】白沢 敏邦
【氏名】中村 剛
【氏名】安井 啓介
【氏名】浅野 剛
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| 【要約】 |
【課題】副変速機部の切換を伴う変速時に、メインシャフト側(被同期側)の回転速度の落ち込みを防止してシンクロ機構の負荷を軽減できると共に、副変速機部の変速開始タイミングを早めて、ひいては迅速な変速を実現できる副変速機を備えた変速機の変速制御装置を提供する。
【解決手段】副変速機部の変速を伴うシフトダウン時において、副変速機部の次段への変速が所定時間経過しても完了しなかったときにクラッチを接続し(ステップS44)、次段への変速が完了すると(ステップS46)クラッチの接続を解除する(ステップS48)。このようにクラッチ接続によりエンジンの回転を利用して副変速機部の被同期側の回転速度を高めて、シンクロ機構の負荷軽減を図ると共に、クラッチ接続の解除に対し副変速機部の変速を先行して完了させることで、変速完了のタイミングを早める。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンの動力を変速して車両の駆動系に伝達する変速機と、上記変速機を構成し、複数の変速段を有する主変速機部と、上記変速機を構成し、上記主変速機部と動力伝達上直列に配設されると共に高低の変速段よりなる副変速機部と、上記変速機と上記エンジンとの動力を断接するクラッチと、上記副変速機部の変速位置を検出する位置検出手段と、上記変速機の変速が必要なときに変速指令を発する変速指令手段と、上記変速指令手段の変速指令に基づき上記クラッチを断接制御するクラッチ制御手段と、上記変速指令手段の変速指令に基づき上記変速機の変速を行うと共に、該変速指令が上記副変速機部の変速を伴うとき、上記副変速機部を次段に変速すると共に、該変速指令から所定時間経過するまでの間に上記位置検出手段により副変速機部が次段に変速されたことが検出されないとき、上記クラッチを接続すべく上記クラッチ制御手段にクラッチ接信号を出力し、その後上記位置検出手段により副変速機部が次段に変速されたことが検出されると、クラッチ接解除信号を出力する変速制御手段とを備えたことを特徴とする副変速機の変速制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、変速機に設けられて補助的な変速を行う副変速機の変速制御装置に関するものである。 【0002】 【関連する背景技術】近年、乗用車のみならずバスやトラック等においても自動変速機が適用されており、この種の大型車両では伝達トルク容量の関係等からトルクコンバータを備えた自動変速機に代えて、例えば実開平4−98623号公報に記載のもののように、手動式の変速機をベースとして、変速段の切換操作及びクラッチ操作をアクチュエータで行うようにした自動変速機が搭載されている。 【0003】又、このような自動変速機は、車重の大きい大型車両の走行性能を確保するために比較的多くの変速段を有しており、本来の変速機である主変速部に対して動力伝達上直列に副変速機としてレンジ部を設け、このレンジ部により主変速部の出力を高低2段に変速して、実質的な変速段を倍増させている。上記した公報に記載された変速制御装置では、シフトダウン時において次段を達成するためにレンジ部も切換える必要がある場合には、まず、クラッチストロークを65%まで遮断側に制御して主変速部をギア抜きし、次いで、クラッチストロークを15%へと接続側に制御した上で再び65%に戻し、その後にレンジ部をハイからローに切換え、更に主変速部を次段に入れている。 【0004】このようにクラッチを一旦接続側に制御することで、例えば低油温時のようにギア抜き後のメインシャフト側の回転がミッションオイルの回転抵抗で大きく落ち込む状況であっても、その落ち込みがエンジンの回転を利用して防止される。よって、その後のレンジ部の変速時において、メインシャフト側(レンジ部の被同期側)の回転を次段に対応する、より高回転のアウトプットシャフト側(レンジ部の同期側)まで引き上げる際のシンクロ機構の負荷が軽減される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した公報に記載された変速制御装置では、一旦接続側に制御したクラッチストロークを再び遮断側に制御した後にレンジ部の変速を開始している。従って、レンジ部の変速タイミングが遅延し、ひいては主変速部を含めたシフトダウン全体の完了が遅れてしまうという問題があった。 【0006】本発明の目的は、レンジ部の切換を伴う変速時に、メインシャフト側の回転速度の落ち込みを防止してシンクロ機構の負荷を軽減できると共に、レンジ部の変速タイミングを早めて、ひいては迅速な変速を実現することができる副変速機の変速制御装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明では、エンジンの動力を変速して車両の駆動系に伝達する変速機と、変速機を構成し、複数の変速段を有する主変速機部と、変速機を構成し、主変速機部と動力伝達上直列に配設されると共に高低の変速段よりなる副変速機部と、変速機とエンジンとの動力を断接するクラッチと、副変速機部の変速位置を検出する位置検出手段と、変速機の変速が必要なときに変速指令を発する変速指令手段と、変速指令手段の変速指令に基づきクラッチを断接制御するクラッチ制御手段と、変速指令手段の変速指令に基づき変速機の変速を行うと共に、変速指令が副変速機部の変速を伴うとき、副変速機部を次段に変速すると共に、変速指令から所定時間経過するまでの間に位置検出手段により副変速機部が次段に変速されたことが検出されないとき、クラッチを接続すべくクラッチ制御手段にクラッチ接信号を出力し、その後位置検出手段により副変速機部が次段に変速されたことが検出されると、クラッチ接解除信号を出力する変速制御手段とを備えた。 【0008】従って、変速指令手段の変速指令に基づいて副変速機部の変速を伴う変速が変速制御手段により行われ、所定時間が経過するまでに副変速機部の次段への変速が検出されなかったときには、クラッチ制御手段にてクラッチが接続され、その後次段への変速が位置検出手段により検出されるとクラッチの接続が解除される。そして、クラッチの接続によりエンジンの回転を利用して副変速機部の被同期側の回転速度を高めた上で、副変速機部のシンクロ機構により同期が行われるため、シンクロ機構の負荷が軽減され、且つ、クラッチ接続の解除に対し副変速機部の変速を先行して完了させるため、変速完了のタイミングが早められる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明を大型トラックに搭載された副変速機の変速制御装置に具体化した一実施形態を説明する。図1は実施形態の副変速機の変速制御装置を示す全体構成図であり、この図に示すように、変速機1はディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)2に結合されて、エンジン2からの回転を変速して図示しないプロペラシャフトを介して駆動輪側に伝達するようになっている。 【0010】図2は変速機の詳細を示す断面図であり、この図に示すように、変速機1のケーシング3内にはインプットシャフト4とメインシャフト5が同軸上で個別に回転可能に支持され、インプットシャフト4はクラッチ6を介してエンジン2に連結されて、クラッチ6の接続時にエンジン2から回転を入力される。インプットシャフト4にはニードルベアリング11aを介して第1のスプリッタギア11が外嵌され、メインシャフト5にはテーパローラベアリング12aを介して第2のスプリッタギア12が外嵌されている。これらの第1及び第2のスプリッタギア11,12は、メインシャフト5と平行に支持されたカウンタシャフト13上の第3及び第4のスプリッタギア14,15にそれぞれ噛合しており、第1及び第2のスプリッタギア11,12間に設けられたシンクロ機構16の切換により、インプットシャフト4が第1のスプリッタギア11に結合されたときには、第1及び第3のスプリッタギア11,14のギア比をもってカウンタシャフト13に回転が伝達され、インプットシャフト4が第2のスプリッタギア12に結合されたときには、第2及び第4のスプリッタギア12,15のギア比をもってカウンタシャフト13に回転が伝達される。従って、以上のように構成されたスプリッタ部M1により高低2段の変速が行われる。 【0011】又、メインシャフト5上及びカウンタシャフト13上には相互に噛合する複数組の変速ギア17,18(リバースを含む)が配設され、メインシャフト5側のギア17に併設されたシンクロ機構19により各変速ギア17が選択的にメインシャフト5に結合され、その結合した組のギア比をもってカウンタシャフト13の回転がメインシャフト5に伝達される。そして、以上のように構成された主変速機部としての主変速部M2により、前進については4段の変速が行われる。 【0012】更に、ケーシング3内のメインシャフト5の後方にはアウトプットシャフト20が同軸上に支持され、このアウトプットシャフト20の後端は前記プロペラシャフトに連結されている。アウトプットシャフト20の前部に形成されたフランジ20aには複数のプラネタリギア21(1つのみを図示)が支軸21aで支持され、これらのプラネタリギア21は、外周側に配設されたリングギア22に噛合すると共に、メインシャフト5の外周に形成されたサンギア5aに噛合している。アウトプットシャフト20にはベアリング23を介して回転リング24が外嵌され、この回転リング24の前部外周はリングギア22の内周に噛合し、リングギア22は常に回転リング24と一体で回転する。 【0013】回転リング24の後部外周にはシンクロ機構25がスプライン結合され、実線で示すように、シンクロ機構25が前方に作動したときには、回転リング24がケーシング3内の一側3aに結合されてリングギア22の回転を規制することから、サンギア5aの回転に伴ってプラネタリギア21がリングギア22の内周を転動しながら、メインシャフト5の回転を減速してアウトプットシャフト20に伝達する。又、一点鎖線で示すように、シンクロ機構25が後方に作動したときには、回転リング24がアウトプットシャフト20上にスプライン結合された規制リング26に結合されて、リングギア22に対するプラネタリギア21の転動が規制されることから、メインシャフト5の回転がそのまま等速でアウトプットシャフト20に伝達される。従って、以上のように構成された副変速機部としてのレンジ部M3により高低2段の変速が行われる。 【0014】そして、本実施形態では、主変速部M2において達成される前進4段の変速段に対してスプリッタ部M1の高低2段の変速が組み合わされることで、変速段は計8段に細分化され、更に、その計8段の変速段に対してレンジ部M3の高低2段の変速が組み合わされることで、元の8段の変速段の低速側に別の8段の変速段が設けられて、結果として計16段の変速段が達成される。 【0015】従って、例えば1速−2速間の切換のように隣接する変速の際には、スプリッタ部M1の変速を伴って主変速部M2を変速し、1速−3速間の切換のように1段飛び越した変速の際には、スプリッタ部M1の変速を伴わずに主変速部M2を単独で変速する。又、8速−9速間、或いは8速−10速間のように、低速側と高速側を跨ぐ変速の際には、上記した何れかの操作(スプリッタ部M1の切換を伴う変速と伴わない変速)に加えて、レンジ部M3の変速を実行する。 【0016】一方、図1に示すように、変速機1にはギアシフトユニット31が設けられ、ギアシフトユニット31はエアタンク32と接続されている。図示はしないが、ギアシフトユニット31は内蔵された多数の切換弁の切換に応じて、エアタンク32からの圧縮エアにより前記主変速部M2の各シンクロ機構19を選択的に作動させ、その変速段を切換える。又、エアタンク32は一対の切換弁33を介してスプリッタ用シリンダ34と接続され、スプリッタ用シリンダ34は切換弁33の切換に応じてシフトフォーク34aを介して前記スプリッタ部M1のシンクロ機構16(図2に示す)を作動させて、その変速段を切換える。同様に、エアタンク32は一対の切換弁35を介してレンジ用シリンダ36と接続され、レンジ用シリンダ36は切換弁35の切換に応じてシフトフォーク36aを介して前記レンジ部M3のシンクロ機構25を作動させて、その変速段を切換える。更に、エアタンク32は切換弁37を介してクラッチブースタ38と接続され、クラッチブースタ38は切換弁37の切換に応じてクラッチ6を断接操作する。 【0017】一方、車室内にはエンジン制御手段としてのエンジンコントロールユニット(以下、エンジンECUという)41が設置され、エンジンECU41の入力側には、運転者によるアクセル操作量を検出するアクセルセンサ42、エンジン回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ43、車速を検出する車速センサ44が接続され、出力側にはエンジン2に設けられた電子ガバナ45が接続されている。エンジンECU41は各センサから入力される検出信号に基づいて、電子ガバナ45による燃料噴射量や図示しないタイマによる噴射時期を制御してエンジン2を運転する。 【0018】又、エンジンECU41には、変速指令手段、クラッチ制御手段、変速制御手段としての変速機コントロールユニット(以下、変速機ECUという)46が相互に通信可能に接続され、この変速機ECU46の入力側には、前記ギアシフトユニット31、スプリッタ部M1の変速位置を検出するスプリッタセンサ47、レンジ部M3の変速位置を検出する位置検出手段としてのレンジセンサ48、インプットシャフト4と共に回転するクラッチディスクの回転速度(以下、クラッチ回転速度という)Ncを検出するクラッチ回転速度センサ49、前記クラッチブースタ38の操作ストロークを検出するクラッチストロークセンサ50、及び運転者にて操作されるチェンジレバーユニット51が接続されている。又、変速機ECU46の出力側には前記ギアシフトユニット31、スプリッタ部M1の切換弁33、レンジ部M3の切換弁35、クラッチ6の切換弁37が接続されている。 【0019】前記チェンジレバーユニット51は、DレンジやMレンジ等のモードの切換、更にMレンジでは変速段の選択を指示可能に構成されており、変速機ECU46はチェンジレバーユニット51の切換状態に応じて変速機1の変速操作及びクラッチ6の断接操作を実施する。即ち、チェンジレバーユニット51がDレンジに切換えられているときには自動変速を実施して、車速やアクセル操作量からマップに従って目標変速段を決定し、又、チェンジレバーユニット51がMレンジに切換えられているときには手動変速を実施して、運転者からチェンジレバーユニット61により指示された変速段を目標変速段と見なす。そして、ギアシフトユニット31、スプリッタセンサ47、レンジセンサ48からの情報に基づいて、各切換弁33,35,37によりスプリッタ部M1、主変速部M2、レンジ部M3の変速操作を実行すると共に、これと並行してクラッチストロークセンサ50からの情報に基づいてクラッチ6の断接操作を実行し、前記した目標変速段を達成する。 【0020】そして、本実施形態の変速機ECU46は、上記したDレンジとMレンジの何れのモードでも、レンジ部M3のシフトダウンを実行する際に所定以上の時間を要したときには、所謂ダブルクラッチを実行してレンジ部M3のシンクロ機構25の負荷の軽減を図っている。上記のようにレンジ部M3の変速には、同時にスプリッタ部M1を切換える場合(例えば8速−10速間)と、スプリッタ部M1を切換えない場合(例えば8速−9速間)とがあるが、ここではスプリッタ部M1の切換を伴わない場合を例に挙げて、このときの変速制御の詳細を説明する。 【0021】図3及び図4は変速機ECUが実行する変速制御ルーチンを示すフローチャートである。まず、変速機ECU46はステップS2で現在のギア段と次段(目標変速段)との関係から変速がシフトダウンか否かを判定し、ステップS4でレンジ部M3の切換を伴う変速か否かを判定する。ステップS2又はステップS4の何れかのステップSでNO(否定)の判定を下したときには、ステップS6でクラッチ6を遮断し、ステップS8でエンジンECU41に指令を出力してエンジン回転速度Neを次段に対応する値に調整させ、ステップS10でクラッチ遮断から所定時間Taが経過したか否かを判定する。所定時間Taが経過して判定がYES(肯定)になると、ステップS12で主変速部M2のギア抜きを実行し、ステップS14でギアシフトユニット31からの情報に基づいてギア抜きが完了したか否かを判定する。 【0022】ギア抜き完了によりステップS14の判定がYESになると、ステップS16で主変速部M2を次段にギア入れし、ステップS18でギア入れが完了したか否かを判定する。ギア入れ完了により判定がYESになると、ステップS20で、前記ステップS8と同様に次段に対応するエンジン回転速度Neの指示を出力し、続くステップS22で、エンジン回転速度センサ43にて検出されたエンジン回転速度Neとクラッチ回転速度センサ49にて検出されたクラッチ回転速度Ncとの差が所定値以下か否かを判定し、判定がYESになるとステップS24でクラッチ6を接続して、ルーチンを終了する。 【0023】一方、前記ステップS2及びステップS4の判定が共にYESのとき、即ち、レンジ部M3の切換を伴うシフトダウンのときには、前記ステップS6乃至ステップS14と同様に、ステップS26乃至ステップS34でクラッチ遮断、エンジン回転速度Neの指示、主変速部M2のギア抜きを実行する。続くステップS36ではレンジ部M3をハイからローに切換えるべく前記切換弁35に駆動信号を出力し、ステップS38で次段が主変速部M2のセレクトを要する場合にはセレクト動作を実行する。更に、ステップS40で、前記ステップS36での切換弁35への信号出力から所定時間Tbが経過したか否かを判定し、ステップS42でレンジセンサ48からの情報に基づいてレンジ部M3の変速が完了したか否かを判定する。所定時間Tbが経過する前にレンジ部M3の変速が完了したときには、ステップS42から前記ステップS16に移行して主変速部M2のギア入れを実行し、ステップS18乃至ステップS22を経てステップS24でクラッチ6を接続する。 【0024】又、レンジ部M3の変速が完了する前に所定時間Tbが経過したときには、ステップS40からステップS44に移行して、クラッチ6を接続すべく切換弁37に駆動信号を出力する。次いで、ステップS46でレンジ部M3の変速が完了したか否かを判定し、YESの判定を下すと、ステップS48でクラッチ6を遮断すべく切換弁37に駆動信号を出力し、ステップS50でクラッチ6が遮断されたか否かを判定する。クラッチ遮断により判定がYESになると、ステップS48から前記ステップS16に移行して主変速部M2のギア入れを実行し、ステップS18乃至ステップS22を経てステップS24でクラッチ6を接続する。 【0025】上記のようにレンジ部M3の変速が遅延してステップS42からステップS44に移行する要因としては、例えば低油温時のようにミッションオイルの回転抵抗でメインシャフト5側(被同期側)の回転が大きく落ち込み、その回転をレンジ部M3のシンクロ機構25により次段に対応するアウトプットシャフト20側(同期側)の回転まで引き上げるのが困難な状況が挙げられる。 【0026】上記のように本実施形態の変速制御装置では、このときにステップS44でクラッチ6が接続されるため、エンジン2の回転はカウンタシャフト13を経てメインシャフト5上の第2のスプリッタギア12や各変速ギア17まで伝達される。この時点の主変速部M2はギア抜きされているため、機構上はメインシャフト5への回転伝達は有り得ないが、比較的大きな回転抵抗を有するテーパローラベアリング12aを介して第2のスプリッタギア12の回転が僅かずつメインシャフト5側に伝達されるため、所謂連れ回り現象が生じてメインシャフト5側の回転速度が次第に上昇し、程無くシンクロ機構25による同期が行われることになる。よって、メインシャフト5側をアウトプットシャフト20側に同期させる際のシンクロ機構25の負荷を大幅に軽減でき、もって、同期の遅延や同期不能の事態を未然に防止することができる。 【0027】しかも、上記のようにクラッチ6の遮断(ステップS48)に対しレンジ部M3の変速を先行して完了させているため(ステップS46)、例えば実開平4−98623号公報に記載の変速制御装置のように、クラッチ遮断後にレンジ部の変速を開始する場合に比較して、レンジ部M3の変速完了のタイミングが早められ、ひいては主変速部M2を含めたシフトダウン全体を早期に完了して、迅速なシフトダウンを実現することができる。 【0028】又、上記のように主変速部M2をギア抜きした上で、テーパローラベアリング12aの連れ回り現象を利用してメインシャフト5側への回転伝達を行っている。よって、この状態ではカウンタシャフト13側に対してメインシャフト5側が機構的に結合されていないため、レンジ部M3の変速を任意に実行可能であり、結果として上記のようにクラッチ接続によりメインシャフト5の回転を次第に高めながら、これと並行してレンジ部M3の変速を試行し続けることが可能となる。その結果、メインシャフト5側の回転上昇に伴ってシンクロ機構25が同期可能となった時点で直ちにレンジ部M3の変速が完了し、例えば実開平4−98623号公報に記載の変速制御装置のように、クラッチ接続によるメインシャフトの回転上昇とレンジ部の変速とを前後して実行する場合に比較して、シフトダウンの所要時間をより一層短縮化することができる。 【0029】更に、上記のようにステップS40及びステップS42でレンジ部M3の変速状況を判定して、変速が遅延したときのみステップS44以降の処理でクラッチ6を操作してシンクロ機構25の同期を図っている。従って、レンジ部M3の変速が正常に行われたときには、クラッチ操作を行うことなくステップS16以降で続く処理を実行するため、例えば実開平4−98623号公報に記載の変速制御装置のように、無条件でクラッチ操作を実行する場合に比較して、不要なクラッチ操作によるシフトダウンの遅延を未然に回避することができる。 【0030】以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、大型トラックに搭載された変速機1用の変速制御装置に具体化したが、副変速機を備えた変速機を搭載しているものであれば車種は限定されず、例えば乗用車に搭載された変速機用の変速制御装置に具体化してもよい。 【0031】又、上記実施形態の変速機1は、変速機構として主変速部M2及びレンジ部M3に加えてスプリッタ部M1を備えたが、スプリッタ部M1は必ずしも装備する必要はなく、主変速部M2とレンジ部M3のみを備えた変速機に具体化してもよい。 【0032】 【発明の効果】以上説明したように本発明の副変速機の変速制御装置によれば、副変速機部の変速を伴う変速時に、所定時間経過しても副変速機部の次段への変速が行われなかったときに、クラッチ接続により副変速機部の被同期側の回転速度を高めて変速するため、シンクロ機構の負荷を軽減して同期の遅延や同期不能の事態を未然に防止できると共に、クラッチ接続の解除に対し副変速機部の変速を先行して完了させることから、副変速機の変速完了のタイミングを早めて、迅速な変速を実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006286 【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月25日(2000.2.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090022 【弁理士】 【氏名又は名称】長門 侃二
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| 【公開番号】 |
特開2001−241542(P2001−241542A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−49459(P2000−49459) |
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