| 【発明の名称】 |
駆動伝達装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】皆川 和人
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| 【要約】 |
【課題】軸支部と歯車部との間に肉抜きされた部分を有する樹脂製のギアにおいて、前記肉抜きされた空間部に弾性体を入れて、ギアのねじれによる振動等が生じないようにする。
【解決手段】ギア部材1は軸支部5と外殻部2とを樹脂で一体に形成し、外殻部2と軸支部5の間には肉抜き部7を設け、外殻部2には大径ギア3と小径ギア4を形成している。前記肉抜き部7と同一の形状の弾性体10を圧入して固定し、外殻部2と軸支部との間を弾性体で接続するように設け、ギアが他のギアに噛み合った時の圧力により変形されるような力に対して、外殻部2と弾性体10とが一体に抵抗できるようにし、変形やねじれによる振動が発生することを防止可能にする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動力の伝達に用い、軸支される部材とギヤを配置する部材との間に肉抜きされた部分を設けた樹脂製のギアにおいて、前記肉抜きされた樹脂製のギアの肉抜き部に、弾性部材をはめ込んだことを特徴とする駆動伝達装置。 【請求項2】 前記弾性部材は、ギアの固有振動数に共振する振動数に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。 【請求項3】 前記ギアは画像形成装置における用紙搬送ローラの駆動ギアであることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動伝達装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置等の装置における駆動伝達のための樹脂製のギアに関し、特に、ギアのねじれ振動等が被駆動部に伝達されないような構成を有するギアに関する。 【0002】 【従来の技術】従来より画像形成装置に設ける駆動伝達機構等のように、比較的駆動トルクの小さい装置においては、駆動伝達のための部材として樹脂製のギアを多く用いている。前記樹脂製のギアにおいては、ギアを設けたリング状の部分と軸支するための軸受部との間を、放射状に配置するリブや薄肉部として構成しているものが多い。また、2つの径の異なるギア部を一体に設けている比較的大きな樹脂製ギアにおいては、軸受部とギア部との間を肉抜きして構成している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、前記肉抜き部を有するギアを比較的大きな駆動力が付与されるドライブギアとして用いる場合に、肉抜きされているためにギアの回転方向の強度が弱くなる。そして、駆動力の伝達に際してギアが局部的に変形し、そのギアの変形状態から復元しようとする力が働くことにより、ねじれ振動が発生し、その振動が被駆動部材に伝達されるという問題がある。そこで、前記軸受部とギア部との間に肉抜き部を設けているギアにおいて、その肉抜き部の補強を行うために、前記肉抜き部に対してリブを一体に配置する状態で成型することがある。しかしながら、前記リブを一体に成型する場合に、特に、高精度成形ギアでは、成形後の冷却を行う際にリブが収縮するために、周囲のギア部が引っ張られるような力が付与され、ギア部の精度が低下するという問題が発生しやすい。また、前述したようなギアを画像形成装置の用紙搬送装置における駆動力伝達手段として用いた場合には、例えば、記録部での用紙の移動速度が不安定となり、印字ムラの原因ともなることがある。 【0004】本発明は、前述したような樹脂製のギアの問題を解消しようとするもので、ギアの肉抜き部に弾性部材を詰め込んで一体化し、振動の発生を防止可能なギアを装備する駆動伝達装置を提供することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、駆動力の伝達に用い、軸支される部材とギヤを配置する部材との間に肉抜きされた部分を設けた樹脂製のギアに関する。本発明の請求項1の発明は、前記肉抜きされた樹脂製のギアの肉抜き部に弾性部材をはめ込んだことを特徴とする。したがって、ギアのねじれ等による振動がシャフトに伝達されることを防止し、さらに次のギアへ振動が伝達されることを防止できる。 【0006】請求項2の発明は、前記弾性部材は、ギアの固有振動数に共振する振動数に設定されていることを特徴とする。そして、ギアの固有振動数に弾性部材の振動特性を合わせて共振させることにより、ギアの振動を防止できる。 【0007】請求項3の発明は、前記ギアは画像形成装置における用紙搬送ローラの駆動ギアであることを特徴とする。したがって、ギアのねじれ振動がローラに伝達されること、およびローラの振動がシャフトを通じてギアに伝達されることを防止でき、用紙の斜行、印字ムラ、読取りムラ等が発生を防止することができる。 【0008】 【発明の実施の形態】図示される例にしたがって、本発明の駆動伝達装置を説明する。図1に示すように、樹脂製のギア1は、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等のような、一般に用いられているエンジニアリングプラスチック材料を用いて成形することができる。前記ギア部材1は、中心部に設けた円筒状の軸支部材5と、外周面に大径ギア部3と小径ギア部4の径の異なる2つのギア部を設けた外殻部材2とを、組み合わせて一体化したものとして構成している。また、前記ギア部材1は軸孔6を設けた小径の円筒状の軸支部材5と、外周面にギア3、4を設けた段違いの円筒状で、所定の厚さを有するの外殻部材2と前記小径ギア部4の端部で接続し、肉抜き部7を内部に設けて一体化して成形している。 【0009】前記ギア部材1の肉抜き部7に装着する弾性体10は、前記肉抜き部7の形状に合わせて構成するもので、前記図1および図3に示すように、小径ギア部4の内面の小径凹部9に位置させる小径部12と、大径ギア部3の内面の大径凹部8に位置させる大径部11とを一体化し、軸支部材5に対応させた貫通孔13を設けて構成している。前記弾性体10は、ゴム、発泡体または、任意の弾性材料を用いて構成することができるもので、ギア部材1に設けている肉抜き部7とほぼ同一の形状のものを用い、前記肉抜き部7に押し込むようにして装着することができる。また、前記弾性体10の大径部11および小径部12は、前記肉抜き部7の大径凹部8、小径凹部9の内径よりも若干大きめに形成しておくことができる。そして、ギア部材1の肉抜き部7に対して、工具を用いて弾性体10を押し込むようにして圧入すると、肉抜き部7を塞ぐ性能を良好に発揮でき、ギア部材1と弾性体10とを一体化しさせることが可能である。 【0010】図2に示す円板状弾性体15は、前記弾性体10とは異なる形状のものとして構成され、大径部16が肉抜き部7の大径凹部8に対してのみ装着可能に構成している。前記円板状弾性体15の中心部に設ける貫通孔17は、ギア部材1の軸支部材5に合わせて形成しているもので、前記弾性体10の大径部11と同様に、大径凹部8の部分を充填する状態に装着する。また、前記ギア部材1に設ける2つのギア2、3は、例えば、はす歯ギアとして構成する場合には、その駆動伝達トルクが大きい場合にも対処が可能である。さらに、前記弾性体としては、例えば、シリコーン樹脂やその他のゲル状材料を肉抜き部7に注入して、その樹脂材料を硬化させることで、ギア部材1の肉抜き部7に弾性材料を一体に成形しても良い。 【0011】前述したようにして、ギア部材1の肉抜き部7に弾性体10を一体に配置することにより、例えば、ギア部材1の大径ギア部3から入力される駆動力を小径ギア部4を介して他の被駆動部材に伝達する際に、前記ギア部材1に対して駆動力入力側と駆動力出力側との間での力関係により、外殻部材2にねじれが発生する場合がある。そのような外殻部材2のねじれに対して、外殻部材2の内部に充満されている弾性体10が前記ねじれ力により変形するされるが、前記外殻部材2を内面側から弾性体10により押圧しているので、外殻部材2には大きな変形は発生しないと考えられる。また、ギアの歯が噛み合った位置で変形が発生し、その変形状態から復元しようとする力が働くことによりねじれ振動が発生する場合もある。この場合も、その振動数と共振するように、弾性体10の振動数を設定すれば、前記ギアの振動は弾性体10により吸振・緩衝されるものとなる。 【0012】前述したように構成したギア部材1を用いるギア伝導装置20の例においては、図4に示すように、ギア1を支軸21に支持して設け、大径ギア部3に対して入力ギア25を、小径ギア部4に対して出力ギア22を各々噛合せるようにして構成する。前記ギア22は出力軸23に支持されて、画像形成装置の用紙搬送装置の駆動ローラ等に対する駆動手段として配置し、入力ギア25の入力軸26はモータ等の駆動源に接続される。そして、前記入力ギア25を介してギア部材1の大径ギア部3に伝達される駆動力を、小径ギア部4を介して出力ギア22に伝達する。 【0013】前記出力軸23には、画像読取装置の読取ローラや、画像形成装置の記録部での用紙搬送ローラ等のように、一定の速度でローラを駆動する必要のあるローラを配置し、前記ローラにより用紙を定速で搬送できるようにする。したがって、前記ギア伝導装置20において、樹脂製のギア部材1を介して入力軸26と出力軸23との間で駆動伝達を行う場合には、前記弾性体10により、ギア部材1で発生した振動を吸収できるので、振動が隣の出力ギア22に伝達され、さらには支軸21に設けられたローラに伝達することが防止できる。よって、用紙の斜行、印字ムラ、読取りムラ等を防止できる。また、前記大径ギア部3に入力される力で外殻部2にねじれが発生し、それによりねじれ振動が発生した場合でも、前記ギア部材1の肉抜き部7に一体に装着している弾性体10により、その振動を吸収することができ、その振動が出力ギア22に伝達され、さらには支軸21に設けられているローラに伝達することも防止できる。なお、前記ギアの外郭部材の内部に配置する円板状弾性体15は、1段ギアにも適用することができる。 【0014】 【発明の効果】本発明のギアは前述したように構成したものであるから、肉抜きされた樹脂製のギアの肉抜き部に弾性部材をはめ込んだことにより、ギアのねじれ等による振動がシャフトに伝達されることを防止し、さらに次のギアへ振動が伝達されることを防止できる。また、ギアの歯の変形状態からの復元力により発生するねじれ振動も防止できる。前記弾性部材は、ギアの固有振動数に共振する振動数に設定されているので、ギアの固有振動数に弾性部材の振動特性を合わせて共振させることにより、ギアの振動を防止できる。さらに、ギアは画像形成装置における用紙搬送ローラの駆動ギアであることで、ギアのねじれ振動がローラに伝達されること、およびローラの振動がシャフトを通じてギアに伝達されることを防止でき、用紙の斜行、印字ムラ、読取りムラ等が発生を防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006297 【氏名又は名称】村田機械株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月1日(2000.3.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089288 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 紘
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| 【公開番号】 |
特開2001−241536(P2001−241536A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−55202(P2000−55202) |
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