| 【発明の名称】 |
ローラねじおよびローラねじのローラ配列方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】西村 健太郎
【氏名】木村 詩乃
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| 【要約】 |
【課題】行きおよび返りいずれの軸線方向の外部荷重も受けることができ、しかもローラの循環に支障がでることもないローラねじを提供する。
【解決手段】ナット部材14とねじ軸12との間に介在される複数のローラ16を、その中心線が前記ねじ軸12の中心線に対して一定の角度αをもつように配列された一群の行き荷重負荷用ローラ列17と、その中心線が前記ねじ軸12の中心線に対して前記一定の角度αとは異なる角度βをもつように配列された一群の返り荷重負荷用ローラ列18とで構成し、前記行き荷重負荷用ローラ列17と前記返り荷重負荷用ローラ列18とを分離して配置した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外周面に螺旋状のローラ転走溝が形成されたねじ軸と、内周面に前記ローラ転走溝に対応する螺旋状の負荷転走溝が形成されたナット部材と、前記ローラ転走溝と前記負荷転走溝との間に配列・収容される複数のローラとを備え、前記ねじ軸の前記ナット部材に対する相対的な回転に伴なって、前記ナット部材が前記ねじ軸に対して相対的に往復運動するローラねじにおいて、前記複数のローラは、前記ローラの中心線が前記ねじ軸の中心線に対して一定の角度をもつように配列された一群の行き荷重負荷用ローラ列と、前記ローラの中心線が前記ねじ軸の中心線に対して前記一定の角度とは異なる角度をもつように配列された一群の帰り荷重負荷用ローラ列と、で構成され、前記行き荷重負荷用ローラ列と前記帰り荷重負荷用ローラ列とが、分離して配置されることを特徴とするローラねじ。 【請求項2】 前記行き荷重負荷用ローラ列の巻き数と、前記帰り荷重負荷用ローラ列の巻き数とを、往復運動中に前記ローラねじに加わる軸線方向の荷重比に応じて異ならせることを特徴とする請求項1に記載のローラねじ。 【請求項3】 外周面に螺旋状のローラ転走溝が形成されたねじ軸と、内周面に前記ローラ転走溝に対応する螺旋状の負荷転走溝が形成されたナット部材と、前記ローラ転走溝と前記負荷転走溝との間の負荷転走路に配列・収容される複数のローラとを備え、前記ねじ軸の前記ナット部材に対する相対的な回転に伴なって、前記ナット部材が前記ねじ軸に対して相対的に往復運動するローラねじにおいて、前記ローラの中心線が前記ねじ軸の中心線に対して一定の角度をもつように配列された行き荷重負荷用ローラの数と、前記ローラの中心線が前記行き荷重負荷用ローラの前記中心線に対して交差するようにクロス配列された帰り荷重負荷用ローラの数とを、往復運動中に前記ローラねじに加わる軸線方向の荷重比に応じて異ならせることを特徴とするローラねじ。 【請求項4】 前記ナット部材は、前記ローラを循環可能なように、前記負荷転走溝と前記ローラ転走溝とで構成される負荷転走路の一端と他端を連結する戻し通路を有することを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のローラねじ。 【請求項5】 ねじ軸の外周面に形成された螺旋状のローラ転走溝と、ナット部材の内周面に形成され、前記ローラ転走溝に対応する螺旋状の負荷転走溝との間に、複数のローラを配列するローラねじのローラ配列方法において、前記ローラの中心線がねじ軸の中心線に対して一定の角度をもつように一群の行き荷重用ローラ列を配列し、前記ローラの中心線がねじ軸の中心線に対して前記一定の角度とは異なる角度をもつように一群の帰り荷重用ローラ列を配列し、しかも前記行き荷重用ローラ列と前記行き荷重負荷用ローラ列とを分離して配置することを特徴とするローラねじの配列方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ねじ軸とナット部材との間にローラを介在したローラねじに関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、ねじ軸とナット部材との間にボールを介在したボールねじが知られている。図5は、このボールねじの軸線方向の断面を示す。ねじ軸1をナット部材2に対して相対的に回転すると、ナット部材2がねじ軸1の軸線方向に往復運動する。ボール3は、ねじ溝1の外周を回り、ねじ軸1とナット部材2との間を転がり運動する。ところで、ボールねじは、外部荷重として軸線方向荷重■または軸線方向荷重■を受けることがある。軸線方向荷重■は、行きのときに発生する外部荷重で、軸線方向荷重■は帰りのときに発生する外部荷重である。軸線方向荷重■と軸線方向荷重■とは、相反する方向を向く。この図に示すように、ボール3は、軸線方向の断面において左右対称なので、左右のいずれの面3a,3bでも荷重を受けることができる。すなわち、ボールねじは、往復運動中の行き・帰りに発生する軸線方向荷重■,■いずれも受けることができる。 【0003】ボールねじによっては、行きの軸線方向荷重■と帰りの軸線方向荷重■の大きさに極端に差がある場合がある。例えば、射出成形機にボールねじを用いた場合、流動化した樹脂を金型内に押し込むときにはボールねじに数十トンという軸線方向荷重が加わるのに対し、押込み装置自体を戻すときにはボールねじに非常に小さい軸線方向荷重しか加わらない。 【0004】従来、このような行き・帰りの軸線方向荷重が異なるのに適したボールねじとして、図5に示すように、ナット部材2に形成した螺旋状の負荷転走溝2aの一部をねじ軸1に形成した螺旋状のボール転走溝1aに対してずらし、かつ高負荷を受け持つ側の負荷転走溝2aの有効巻き数を、低負荷を受け持つ負荷転走溝2aの有効巻き数よりも多くしたボールねじ(特開平11−257455号公報参照)が知られている。このボールねじによれば、ボール3とねじ軸1に形成したボール転走溝1aとの接点、およびボール3とナット部材2に形成した負荷転走溝2aとの接点を結ぶ接触角線4が傾き、往復運動中にボールねじに加わる行き・帰りの異なる軸線方向荷重■,■を受けることができる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ナット部材とねじ軸との間にローラを介在したローラねじにあっても、ナット部材がねじ軸に対してその軸線方向に往復運動するので、行きのみならず帰りの軸線方向荷重も受けられることが要求される。しかしながら、ローラは、ボールのような対称形(球形)ではない。このため、ローラねじは、ボールねじと異なり、必ず受けられる軸線方向荷重の方向が一方向に決まってしまい、往復運動中の行き・帰りに発生する軸線方向荷重いずれをも受けることができない。仮に、特開平11−257455号公報に示されるように、ナット部材に形成した負荷転走溝の一部をねじ軸に形成したローラ転走溝に対してずらしても、ローラねじに行き・帰りの軸線方向荷重いずれをも受けさせることはできない。 【0006】行き・帰りの軸線方向荷重いずれをも受けられるようにしたローラねじとして、特開平11−210858号公報記載のローラねじが知られている。図6は、このローラねじの軸線方向の断面図を示し、図7は、ローラ転走溝に配列・収納されるローラを示す。図6および図7に示すように、ナット部材5に形成したV字状の負荷転走溝と、ねじ軸6に形成したV字状のローラ転走溝との間に、隣接するローラ7同士が相互に交差するようにローラ7がクロス配列されている。すなわち、負荷転走溝の壁面5aとローラ転走溝の壁面6aとの間を転がり運動するローラ7と、負荷転走溝の壁面5bとローラ転走溝の壁面6bとの間を転がり運動するローラ7とが交互に配置されている。 【0007】しかしながら、このローラねじにあっては、隣接するローラ7同士が相互に交差しているので、軸線方向荷重■または軸線方向荷重■が加わる場合、転がり運動するローラ7と、転がらずにすべるローラ7とが一つおきに配置されることになり、ローラ7の転がり運動あるいはローラ7の掬い上げに支障がでるおそれがある。また、相互に交差しているローラ7を一つのリターンパイプで掬い上げるためには、リターンパイプ内の無負荷戻し通路の断面形状、およびローラの側面形状が正方形である必要があり、使用できるリターンパイプあるいはローラの形状が限られる。さらに、行きの軸線方向荷重■を負荷するローラ7と、帰りの軸線方向荷重■を負荷するローラ7の数とが等しいので、行き・帰りの軸線方向荷重の大きさが異なる場合、高負荷の方の荷重に合わせてローラねじを選定する必要があり、ナット部材5の全長が長くなるのが避けられない。 【0008】そこで、本発明は、行きおよび帰りいずれの軸線方向の外部荷重も受けることができ、しかもローラの循環に支障がでることもないローラねじおよびローラねじのローラ配列方法を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものでない。上記課題を解決するために、本発明者は、ナット部材とねじ軸との間に介在される複数のローラを、その中心線が前記ねじ軸の中心線に対して一定の角度をもつように配列された一群の行き荷重負荷用ローラ列と、その中心線が前記ねじ軸の中心線に対して前記一定の角度とは異なる角度をもつように配列された一群の帰り荷重負荷用ローラ列とで構成し、前記行き荷重負荷用ローラ列と帰り荷重負荷用ローラ列とを分離して配置した。すなわち、本発明は、外周面に螺旋状のローラ転走溝(11)が形成されたねじ軸(12)と、内周面に前記ローラ転走溝(11)に対応する螺旋状の負荷転走溝(13)が形成されたナット部材(14)と、前記ローラ転走溝(11)と前記負荷転走溝(13)との間に配列・収容される複数のローラ(16)とを備え、前記ねじ軸(12)の前記ナット部材(14)に対する相対的な回転に伴なって、前記ナット部材(14)が前記ねじ軸(12)に対して相対的に往復運動するローラねじにおいて、前記複数のローラ(16)は、前記ローラ(16)の中心線が前記ねじ軸(12)の中心線に対して一定の角度(α)をもつように配列された一群の行き荷重負荷用ローラ列(17)と、前記ローラ(16)の中心線が前記ねじ軸(12)の中心線に対して前記一定の角度とは異なる角度(β)をもつように配列された一群の帰り荷重負荷用ローラ列(18)と、で構成され、前記行き荷重負荷用ローラ列(17)と前記帰り荷重負荷用ローラ列(18)とが、分離して配置されることを特徴とするローラねじにより、上述した課題を解決した。 【0010】この発明によれば、行き荷重負荷用ローラ列(17)が往復運動中の行きの軸線方向荷重(■)を受け、帰り荷重負荷用ローラ列(18)が帰りの軸線方向荷重(■)を受けるので、行きおよび帰りの軸線方向荷重いずれをも受けることができる。また、行き荷重負荷用ローラ列(17)と帰り荷重負荷用ローラ列(18)が分離していて、しかも行き荷重負荷用ローラ列(17)および帰り荷重負荷用ローラ列(18)それぞれの隣接するローラ(16)は同一方向を向いているので、負荷転走路(15)内でのローラ(16)の転がり運動、リターンパイプ(20,21)でのローラ(16)の掬い上げに支障がでるおそれがなく、ローラ(16)がスムーズに循環する。 【0011】また、本発明は、前記行き荷重負荷用ローラ列(17)の巻き数と、前記帰り荷重負荷用ローラ列(18)の巻き数とを、往復運動中に前記ローラねじに加わる軸線方向の荷重比に応じて異ならせることを特徴とする。ここで、荷重比とは、行きのときに発生する軸線方向の外部荷重(■)の大きさと、帰りのときに発生する軸線方向の外部荷重(■)の大きさとの比をいう。 【0012】この発明によれば、ローラねじに加わる軸線方向の荷重比に応じて、高負荷を受けるローラ列の巻き数を多くし、低負荷を受けるローラ列の巻き数を少なくすることができ、これによりナット部材(14)の全長寸法を必要最小限にすることができる。 【0013】また、本発明は、外周面に螺旋状のローラ転走溝(41)が形成されたねじ軸(42)と、内周面に前記ローラ転走溝(41)に対応する螺旋状の負荷転走溝が形成されたナット部材と、前記ローラ転走溝(41)と前記負荷転走溝との間の負荷転走路(44)に配列・収容される複数のローラ(43)とを備え、前記ねじ軸(42)の前記ナット部材に対する相対的な回転に伴なって、前記ナット部材が前記ねじ軸(42)に対して相対的に往復運動するローラねじにおいて、前記ローラ(43)の中心線(46)が前記ねじ軸(42)の中心線(47)に対して一定の角度(δ)をもつように配列された行き荷重負荷用ローラ(43b)の数と、前記ローラ(43)の中心線(45)が前記行き荷重負荷用ローラ(43b)の前記中心線(46)に対して交差するようにクロス配列された帰り荷重負荷用ローラ(43a)の数とを、往復運動中に前記ローラねじに加わる軸線方向の荷重比に応じて異ならせることを特徴とするローラねじにより、上述した課題を解決した。 【0014】この発明によれば、往復運動中に前記ローラねじに加わる軸線方向の荷重比に応じて、高負荷を受けるローラ(16)の数を多くし、低負荷を受けるローラ(16)の数を少なくすることができ、これによりナット部材の全長寸法を必要最小限にすることができる。 【0015】さらに、本発明は、前記ナット部材(14)が、前記ローラ(16)を循環可能なように、前記負荷転走溝(13)と前記ローラ転走溝(11)とで構成される負荷転走路(15)の一端と他端を連結する戻し通路(20,21)を有することを特徴とする。 【0016】この発明によれば、ローラ(16)が循環するので、ナット部材(14)のねじ軸(12)に対するストロークを大きくすることができる。 【0017】また、本発明は、ねじ軸(12)の外周面に形成された螺旋状のローラ転走溝(11)と、ナット部材(14)の内周面に形成され、前記ローラ転走溝(11)に対応する螺旋状の負荷転走溝(13)との間に、複数のローラ(16)を配列するローラねじのローラ配列方法において、前記ローラ(16)の中心線がねじ軸(12)の中心線に対して一定の角度(α)をもつように一群の行き荷重用ローラ列(17)を配列し、前記ローラ(16)の中心線がねじ軸(12)の中心線に対して前記一定の角度とは異なる角度(β)をもつように一群の帰り荷重用ローラ列(18)を配列し、しかも前記行き荷重用ローラ列と前記行き荷重負荷用ローラ列とを分離して配置することを特徴とするローラねじの配列方法により、上述した課題を解決した。 【0018】この発明によれば、上述のように、行き荷重負荷用ローラ列(17)が往復運動中の行きの軸線方向荷重(■)を受け、帰り荷重負荷用ローラ列(18)が帰りの軸線方向荷重(■)を受けるので、行きおよび帰りいずれの軸線方向の外部荷重も受けることができる。また、行き荷重負荷用ローラ列(17)と帰り荷重負荷用ローラ列(18)とが分離しているので、それぞれ別々にローラ(16)を循環することができ、ローラ(16)の循環に支障がでることもない。 【0019】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態におけるローラねじを示す。このローラねじは、外周面に螺旋状のローラ転走溝11が形成されたねじ軸12と、内周面に前記ローラ転走溝11に対応する螺旋状の負荷転走溝13が形成されて、ねじ軸12に組み付けられたナット部材14と、ローラ転走溝11と負荷転走溝13との間の負荷転走路15に配列・収容される複数のローラ16とを備える。ねじ軸12のナット部材14に対する相対的な回転に伴なって、ローラ16がローラ転走溝11と負荷転走溝13との間を転がり運動し、また、ナット部材14がねじ軸12に対して往復運動する。 【0020】ねじ軸12の外周面には、所定のリードを有する螺旋状のローラ転走溝11が形成されている。このローラ転走溝11は、断面V字形状で、その傾斜壁面11a,11bのなす角度は90°に設定される。 【0021】ナット部材14は、ねじ軸12に隙間をもって嵌められる。ナット部材14は、略円筒状をなし、その端部に案内対象と結合するためのフランジ14aを備える。ナット部材14の内周面には、ねじ軸12のリードと等しいリードを有する螺旋状の負荷転走溝13が形成される。この負荷転走溝13も断面V字形状で、負荷転走溝の傾斜壁面13a,13bのなす角度も90°に設定される。この結果、対向する負荷転走溝13とローラ転走溝11との間に、断面略正方形の負荷転走路15が形成される。 【0022】ナット部材14の負荷転走溝13とねじ軸12のローラ転走溝11との間には、複数のローラ16が配列・収容される。複数のローラ16は、ローラ16の中心線がねじ軸12の中心線に対して一定の角度αをもつように配列された一群の行き荷重負荷用ローラ列17と、ローラ16の中心線がねじ軸12の中心線に対して前記一定の角度とは異なる角度βをもつように配列された一群の帰り荷重負荷用ローラ列18とで構成される。この実施形態では、行き荷重負荷用ローラ列17のローラ16の中心線と帰り荷重負荷用ローラ列18の中心線とは、ねじ軸12の軸線方向の断面において交差、具体的には直交している。行き荷重負荷用ローラ列17と帰り荷重負荷用ローラ列18とは、分離して配置される。行き荷重負荷用ローラ列17の巻き数と、帰り荷重負荷用ローラ列18の巻き数とは、往復運動中にローラねじに加わる軸線方向の荷重比に応じて異ならせている。行きのときに発生する軸線方向の外部荷重■(図中ナット部材14が左方向に進行するときに加わる外部荷重)が、帰りのときに発生する軸線方向の外部荷重■(図中ナット部材14が右方向に進行するときに加わる荷重)に比較して大きいときは、例えば、行き荷重負荷用ローラ列17の巻き数を3.5巻にとり、帰り荷重負荷用ローラ列18の巻き数を1.5巻にとる。この巻き数は、行き・帰りの軸線方向荷重■,■いずれをも受けられるように決定される。 【0023】ローラ16は、円筒形でその側面形状が正方形である。ローラ16は、負荷転走路15の対辺となる壁面11aと壁面13aの間、あるいは壁面11bと壁面13bとの間を転がり運動する。ローラ16の外径は、壁面間の距離とほぼ同一寸法とされ、ローラ16の長さは壁面間の距離よりも若干小さい寸法とされる。上記軸線方向荷重■が加わったときは、行き荷重負荷用ローラ列17のローラ16が壁面11aと壁面13aとの間を転がり運動し、一方、帰り荷重負荷用ローラ列18のローラ16が壁面11aと壁面13aとの間をすべる。逆に、軸線方向荷重■が加わったときは、帰り荷重負荷用ローラ列18のローラ16が壁面11bと壁面13bとの間を転がり運動し、行き荷重負荷用ローラ列17のローラ16が壁面11bと壁面13bとの間をすべる。なお、ローラ16には予圧をかけてもよいし、かけなくてもよい。また、ローラ16とローラ16との間には、ローラ16同士の摩擦力を低減するために、あるいはローラ16を所定の軌道上を循環させるために、必要に応じて保持器を設けてもよい。 【0024】ナット部材14は、行き荷重負荷用ローラ列17および帰り荷重負荷用ローラ列18に対応して、複数の、例えば2個のリターンパイプ20,21を具備している。リターンパイプ20,21は、負荷転走路15の一端と他端とを連結する。リターンパイプ20,21には、断面正方形状の無負荷戻し通路が形成される。リターンパイプ20が行き荷重負荷用ローラ列17のローラ16を循環し、リターンパイプ21が帰り荷重負荷用ローラ列18のローラ16を循環する。リターンパイプ21,21は、その両側部が中央部分に対して90°折り曲げられ、門形に形成される。リターンパイプ20,21の両脚部は、平行ではなく、各々の指向方向はリード角に応じて捻れている。ナット部材14には、その外周部の一部を平取りしてなる平面部14bが形成される。この平面部14bには、リターンパイプ20,21の両側が挿入されるリターンパイプ嵌合穴が複数、例えば4個所開けられる。このリターンパイプ嵌合穴は、負荷転走路15内まで延びる。リターンパイプ20,21の両端部は、このリターンパイプ嵌合穴に数ピッチの間隔を開けて嵌入される。リターンパイプ20,21は、図示しないパイプ押えによってナット部材14に固定される。 【0025】ねじ軸12を回転させると、負荷転走路15を転がるローラ16は、リターンパイプ20,21の先端で掬い上げられる。掬い上げられたローラ16は、リターンパイプ20,21内の無負荷戻し通路を通過し、数ピッチ間隔を隔てた負荷転走路15に再び戻される。そして、ナット部材14はねじ軸12に対して一方向(行き方向)に直線運動する。ねじ軸12を反転すると、ローラ16はこの逆の経路を辿って循環し、ナット部材14は反対方向(帰り方向)に直線運動する。なお、ねじ軸12を固定側として、ナット部材14を回転させてもよい。 【0026】上述のように、行き荷重負荷用ローラ列17は、ローラねじの往復運動中の行きの軸線方向荷重■を受け、帰り荷重負荷用ローラ列18は、帰りの軸線方向荷重■を受ける。このため、ローラねじが行きおよび帰りいずれの軸線方向荷重■,■も受けることができる。また、行き荷重負荷用ローラ列17と帰り荷重負荷用ローラ列18が分離していて、しかも行き荷重負荷用ローラ列17および帰り荷重負荷用ローラ列18それぞれの隣接するローラ16は同一方向を向いているので、負荷転走路15内でのローラ16の転がり運動、リターンパイプ20,21でのローラ16の掬い上げに支障がでるおそれがなく、ローラ16がスムーズに循環する。さらに、往復運動中にローラねじに加わる軸線方向の荷重比に応じて、高負荷を受けるローラ列の巻き数を多くし、低負荷を受けるローラ列の巻き数を少なくすると、ナット部材14の全長寸法を必要最小限にすることができる。 【0027】一般に、ローラねじは、ローラ16とローラ転走溝11または負荷転走溝13の接触面積がボールねじに比べて大きいので、高荷重を受けることができる。本発明は、高荷重を受け、しかも行きの軸線方向荷重■と帰りの軸線方向荷重■が相違する場合に、特に好適に用いることができる。 【0028】図2は、本発明の第2の実施形態におけるローラねじを示す。このローラねじは、第1の実施形態のローラねじと異なり、ナット部材25がねじ軸26のローラ転走溝27に入り込んでいる。すなわち、ナット部材25の負荷転走溝29を形成する突部31がボール転走溝27に入り込んでいて、ナット部材25の内径がねじ軸26の外径よりも小さくなっている。 【0029】ねじ軸26の外周面に形成される螺旋状のボール転走溝27は、所定のリードを有し、断面台形に形成される。このボール転走溝27の壁面27aまたは壁面27bをローラ28が転がり運動する。 【0030】ナット部材25の内周面に形成される螺旋状の負荷転走溝29は、ボール転走溝27と等しいリードを有し、断面台形に形成される。この負荷転走溝29の壁面29aまたは壁面29bをローラ28が転がり運動する。ナット部材25の負荷転走溝29は、負荷転走溝29の途中Pでシフトされる。これにより、Pの位置よりも図中左側では、ボール転走溝27の壁面27bと負荷転走溝29の壁面29bとの間にローラ28を配列するスペースが形成され、Pの位置よりも図中右側では、ボール転走溝27の壁面27aと負荷転走溝29の壁面29aとの間にローラ28を配列するスペースが形成される。 【0031】複数のローラ16は、ローラ16の中心線がねじ軸26の中心線に対して一定の角度αをもつように配列された一群の行き荷重負荷用ローラ列30,30と、ローラ16の中心線がねじ軸26の中心線に対して一定の角度αとは異なる角度βをもつように配列された一群の帰り荷重負荷用ローラ列32とで構成される。行き荷重負荷用ローラ列30,30と帰り荷重負荷用ローラ列32とは、分離して配置される。この行き荷重負荷用ローラ列30,31の巻き数および帰り荷重負荷用ローラ列32の巻き数は、すべて等しく、例えば1.5巻きに設定される。行き荷重負荷用ローラ列30,30と帰り荷重負荷用ローラ列32の列数は、往復運動中にローラねじに加わる軸線方向の荷重比に応じて異ならせている。例えば、行きの軸線方向荷重が、帰りの軸線方向荷重に比較して大きいときは、この図に示すように、行き荷重負荷用ローラ列30の列数を2列にとり、帰り荷重負荷用ローラ列32の列数を1列にとる。 【0032】ナット部材25には、複数のローラ列に対応して複数、たとえば3個のリターンパイプ33が設けられる。リターンパイプ33の無負荷戻し通路の断面は、ローラ28の形状に合わせて決定される。 【0033】ローラ28には、テーパのついたテーパコロが用いられる。テーパコロの円錐の頂点Qは、ねじ軸26の中心線上に位置する。これにより、負荷転走溝29とボール転走溝27との間を、テーパコロがすべることなく転がり運動する。 【0034】この第2実施形態のローラねじによれば、ボール転走溝および負荷転走溝の断面形状がV字状に限られることがなく、また、ローラも側面形状が正方形に限られることがない。ボール転走溝および負荷転走溝の断面形状またはローラの側面形状は、荷重や精度等に合わせて自由に設定することができる。 【0035】図3および図4は、本発明の第3の実施形態におけるローラねじを示す。図3は、ねじ軸とローラを示す側面図で、図4は負荷転走路に配列されるローラを示す。このローラねじは、上記第1の実施形態のローラねじと同様に、外周面に螺旋状のローラ転走溝41が形成されたねじ軸42と、内周面に前記ローラ転走溝に対応する螺旋状の負荷転走溝が形成されて、ねじ軸42に組み付けられたナット部材(図示せず)と、ローラ転走溝41と負荷転走溝との間の負荷転走路に配列・収容される複数のローラ43とを備える。ねじ軸42のナット部材に対する相対的な回転に伴なって、ローラ43がローラ転走溝41と負荷転走溝との間を転がり運動し、また、ナット部材がねじ軸42に対して往復運動する。ねじ軸42の外周面には断面V字形状のローラ転走溝41が形成され、ナット部材の内周面にも断面V字形状の負荷転走溝が形成される。対向する負荷転走溝とローラ転走溝41の間に断面略正方形の負荷転走路44が形成される。 【0036】このローラねじは、上記第1の実施形態のローラねじと異なり、一つの負荷転走路44にローラ43がクロスして配列されている。すなわち、負荷転走路44には、ローラ43の中心線46がねじ軸42の中心線47に対して一定の角度δをもつように行き荷重負荷用ローラ43bが配列されると共に、ローラ43の中心線45が行き荷重負荷用ローラ43bの中心線46に対して交差するように帰り荷重負荷用ローラ43aがクロス配列される。帰り荷重負荷用ローラ43aの中心線45とねじ軸42の中心線47とは、角度γをなす。行き荷重用ローラ43bの中心線46と帰り荷重用ローラ43aの中心線45とは直交する。 【0037】この実施形態では、行き荷重負荷用ローラ43bの数と帰り荷重負荷用ローラ43aの数とを、往復運動中にローラねじに加わる軸線方向の荷重比に応じて異ならせている。行きのときに発生する軸線方向の外部荷重■が、帰りのときに発生する軸線方向の外部荷重■に比較して大きいときは、行き荷重負荷用ローラ43bの数と帰り荷重負荷用ローラ43aの数との比を、例えば2:1にとる。この行き荷重負荷用ローラ43bの数と帰り荷重負荷用ローラ43aの数は、行き・帰りの軸線方向荷重■,■いずれをも受けられるように決定される。このように、往復運動中にローラねじに加わる軸線方向の荷重比に応じて、高負荷を受けるローラ43の数を多くし、低負荷を受けるローラ43の数を少なくすると、ナット部材14の全長寸法を必要最小限にすることができる。 【0038】ところで、本ローラねじの例では、負荷転走路を転がるローラをリターンパイプで掬い上げ、数巻き分戻したが、他に、ローラを掬い上げるデフレクタをナット部材に設ける構成にしてもよい。すなわち、ねじ軸のボール転走溝上を転走してきたローラをこのデフレクタによって該ボール転走溝から離脱させ、ねじ軸の外径部を飛び越えて1リード前のボール転走溝に戻してもよい。また、ナット部材を、ボール転走溝が形成されたナット本体と、該ナット本体の両端に装着される側蓋とで構成し、このナット本体にボールの戻し通路を形成し、両側蓋に該ボール転走溝及び該戻し通路を互いに連通する連通路を形成したいわゆる側蓋タイプのローラねじも採用し得る。 【0039】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、複数のローラが、ローラの中心線が前記ねじ軸の中心線に対して一定の角度をもつように配列された一群の行き荷重負荷用ローラ列と、ローラの中心線が前記ねじ軸の中心線に対して前記一定の角度とは異なる角度をもつように配列された一群の帰り荷重負荷用ローラ列と、で構成され、前記行き荷重負荷用ローラ列と前記帰り荷重負荷用ローラ列とが、分離して配置される。行き荷重負荷用ローラ列が往復運動中の行きの軸線方向荷重を受け、帰り荷重負荷用ローラ列が帰りの軸線方向荷重を受けるので、行きおよび帰りの軸線方向荷重いずれをも受けることができる。また、行き荷重負荷用ローラ列と帰り荷重負荷用ローラ列が分離していて、しかも行き荷重負荷用ローラ列および帰り荷重負荷用ローラ列それぞれの隣接するローラは同一方向を向いているので、負荷転走路内でのローラの転がり運動、リターンパイプでのローラの掬い上げに支障がでるおそれがなく、ローラがスムーズに循環する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390029805 【氏名又は名称】テイエチケー株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月28日(2000.2.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083839 【弁理士】 【氏名又は名称】石川 泰男 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−241527(P2001−241527A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−56006(P2000−56006) |
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