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【発明の名称】 直線移動装置
【発明者】 【氏名】廣瀬 文則

【要約】 【課題】駆動ベルトがねじられたりしてベルトに無理な力が働き、ベルトの寿命を短くする恐れもなく歯飛びを生ずることなく高い減速比を得られる直線移動装置を提供する。

【解決手段】駆動プーリ9,アイドラプーリ11のそれぞれ径の異なる第1,第2の駆動プーリ部9a,9b及び第1,第2のアイドラプーリ部11a,11bと、それらのほぼ中間にあって左右に摺動自在なスライドベース22上に設けられた中間プーリの径の異なる第1,第2の中間プーリ部10a,10bに2本の駆動ベルト12,13を当接させ、駆動モータにより駆動プーリ9,アイドラプーリ11,中間プーリ10を回転させて駆動プーリ9aと9bの差、あるいは中間プーリ部10a,10bの外径の差に応じてスライドベース22を左右いずれかの方向に差動減速して移動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原動手段により駆動される一体となった2つのプーリ部を持つ駆動プーリと、空転する2つのプーリ部を持つアイドラプーリと、前記駆動プーリと前記アイドラプーリ間をそれぞれのプーリ部に架張した2本の無端ベルトと、前記駆動プーリと前記アイドラプーリ間を摺動可能なスライドベースと、一体となつた2つのプーリ部を持ち前記スライドベース上に回転可能に配置された中間プーリと、前記2本の無端ベルトの一本を前記駆動プーリと前記アイドラプーリ間の区間の少なくとも一方の側において内周または外周によって前記中間プーリの一方のプーリ部と当接させ、他の1本は前記駆動プーリと前記アイドラプーリ間の区間の他方において中間プーリの回転方向が同一となる側に内周または外周によって前記中間プーリの他方のプーリ部と当接させるための複数のガイドローラとにより構成し、前記駆動プーリ、前記アイドラプーリ、前記中間プーリ、および前記ガイドローラのそれぞれの回転面は同一平面内に配置されることを特徴とする直線移動装置。
【請求項2】 前記駆動プーリ及びアイドラプーリのそれぞれ2つのプーリ部を同一径の一段となし、中間プーリを径の異なる2段のプーリ部とした請求項1記載の直線移動装置。
【請求項3】 前記駆動プーリ及びアイドラプーリの二つのプーリ部を同一径の2段となし、中間プーリを同一径の1段とした請求項1記載の直線移動装置。
【請求項4】 前記2本無端ベルトを同一長となるように前記複数のガイドローラを中間プーリに対し非対称に設置した請求項1記載の直線移動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業機械、工業用ロボット等に使用される直線移動装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】以下従来の直線移動装置について、その斜視図である図7を用いて説明する。図7においてベース201上の左端に配置された駆動モータ203の回転軸205に対して略平行にベース201の右端に軸207を設け、回転軸205には駆動プーリ209を結合し、軸207にはアイドラプーリ211を回転自在に結合している。駆動プーリ209とアイドラプーリ211との間に内周に歯の付いた無端状の駆動ベルト(以下単に”駆動ベルト”と称する)213が架張されていて、その中間部にスライド軸215によって駆動プーリ209とアイドラプーリ211間を結ぶ線に平行に移動自在にされたスライダ217を配置し、このスライダ217上の軸219には一体に形成され外周には駆動ベルト213の内周の歯と係合する歯を有し直径の異なる差動プーリA221,同B223が回転可能に結合され、大径の差動プーリA221の上側で駆動ベルト213の上側からガイドローラ225a,225bを当接させることで駆動ベルト213の内周の歯と移動プーリA221の外周の歯とが噛み合っている。
【0003】また小径の差動プーリB223の下側で駆動ベルト213の下側からガイドローラ225c,225dを当接させることで駆動ベルト213の内周の歯と移動プーリB223の外周の歯とが噛み合っている。そうしてスライダ217と軸219とは駆動ベルト213の往路、復路部が駆動プーリ209とアイドラプーリ211に対して一平面内に配置できるようにするために傾斜させて設置されている。
【0004】以上のように構成された従来の移動直線装置について以下その動作を説明する。駆動モータ203を回転させると、駆動プーリ209、駆動ベルト213により連結されたアイドラプーリ211、差動プーリA221、および差動プーリB223が回転する。差動プーリB223は、差動プーリA221より直径が小であるが、これらは一体化されているため、差動プーリA221と差動プーリB223の円周上での移動量の差により、スライダ217が水平方向に移動する。
【0005】この関係を定性的に説明する。いま仮に差動プーリA221の外周の歯が100個、差動プーリB223の外周の歯が80個であったとする。駆動モータ203の回転軸205が時計方向に回転し駆動プーリ209によって駆動ベルト213の上側を歯数100個だけ右方向に送ったとする。すると差動プーリA221はこれによって1回転するが、一体に形成された差動プーリB223は同じく1回転の間に外周の歯80個を回転させるので、上側と同じく100個の歯を送った駆動ベルト213の下側の動きに対しては20個の不足となり、軸219すなわちスライダ217は左方に移動して釣り合う。差動プーリA221と差動プーリB223が同じ外径で外周の歯数が同じであればスライダ217の移動は起こらない。このように差動プーリA221と差動プーリB223の径比を変化させることで、駆動モータ203の回転量に対するスライダ217の移動量を変えることが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従来の構成では、差動プーリA221および差動プーリB223が傾いているため駆動ベルトと差動プーリA,Bとの噛み合い範囲、すなわち巻き付け角が大きくできないこと、またベルトテンションは大きくすることに限界があること、さらに原理的にベルトの張り側とたるみ側のテンションの変化が大きいという理由と、また高い推力を得るときには、駆動ベルトの歯面と差動プーリA,Bの歯面との間の面圧が高くなることから、差動プーリA,Bの歯からベルトの歯が滑りやすくなる、すなわち駆動ベルトと差動プーリとの噛み合いにおいて歯飛びしやすくなるという問題点があった。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決するためのものであり、駆動力が同一平面内で働くため従来例のように駆動ベルトがねじられることがなく、各プーリに長い範囲にわたって密接に接触するので、従来例のようにベルトに無理な力が働き、ベルトの寿命を短くする恐れもなく、歯飛びを生ずることなく、2段のプーリの径の差を僅かにすることによって高い減速比を得られる直線移動装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この問題点を解決するために本発明の直線移動装置は請求項1において、原動手段により駆動される一体となった2つのプーリ部を持つ駆動プーリと、空転する2つのプーリ部を持つアイドラプーリと、前記駆動プーリと前記アイドラプーリ間をそれぞれのプーリ部に架張した2本の無端ベルトと、前記駆動プーリと前記アイドラプーリ間を摺動可能なスライドベースと、一体となつた2つのプーリ部を持ち前記スライドベース上に回転可能に配置された中間プーリと、前記2本の無端ベルトの一本を前記駆動プーリと前記アイドラプーリ間の区間の少なくとも一方の側において内周または外周によって前記中間プーリの一方のプーリ部と当接させ、他の1本は前記駆動プーリと前記アイドラプーリ間の区間の他方において中間プーリの回転方向が同一となる側に内周または外周によって前記中間プーリの他方のプーリ部と当接させるための複数のガイドローラとにより構成し、前記駆動プーリ、前記アイドラプーリ、前記中間プーリ、および前記ガイドローラのそれぞれの回転面は同一平面内に配置される構成である。
【0009】これら本発明の基本の構成によって駆動プーリ、アイドラプーリ、中間プーリ、ガイドローラのそれぞれの回転面は同一平面内に配置されるために従来例のように駆動ベルトがねじられることがなく、各プーリに長い範囲にわたって密接に接触するので、従来例のようにベルトに無理な力が働き、ベルトの寿命を短くする恐れもなく、歯飛びを生ずることなく、差動プーリの径の差を僅かにすることによって高い減速比を得られる直線移動装置を構成できる。
【0010】また請求項2において、前記駆動プーリ及びアイドラプーリのそれぞれ2つのプーリ部を同一径の一段となし、中間プーリを径の異なる2段のプーリ部とした構成である。また請求項3によれば前記駆動プーリ及びアイドラプーリの二つのプーリ部を同一径の2段となし、中間プーリを同一径の1段とした構成である。このことにより駆動プーリとアイドラプーリが一段と単純化されると同時にほぼ同形状となるのでいずれも加工を共通化でき装置を単純化できるので安価にすることも可能である。
【0011】また請求項4によれば、前記2本無端ベルトを同一長となるように前記複数のガイドローラを中間プーリに対し非対称に設置した構成であり、共通のベルトが使用できてスライドベースの移動距離を変える場合やメンテナンス時に1種類のベルトを用意すればよいので非常に使いやすいものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の直線移動装置の各実施形態について説明する。
(実施の形態1)図1は本発明の第1の実施形態の直線移動装置図であり図1(a)はその部分断面をした平面図、(b)は同部分断面をした側面図。図2は同じくその分解斜視図、図3は同じくその動作説明図である。図1,2においてケース1上の右端に配置されたモータ固定ベース2及び原動手段である駆動モータ3を設け、ケース1の左端にアイドラ固定ベース4を固定してモータ軸5に対して略平行なアイドラプーリ軸7を設け、モータ軸5にはタイミングベルト用の歯付きの駆動プーリ9を取り付け、アイドラプーリ軸7には同じく歯付きのアイドラプーリ11を回転可能に取り付けている。駆動プーリ9とアイドラプーリ11は径(歯数)の異なる第1の駆動プーリ部9aと第2の駆動プーリ部9bが一体に、また第1のアイドラプーリ部11aと第2のアイドラプーリ部11bが一体に結合されて駆動プーリとアイドラプーリ両者間のそれぞれのプーリに2本の内周に歯の付いた無端状の第1の駆動ベルト(以下単に”駆動ベルト”と称する)12、及び第2の駆動ベルト13が架張されている。またその中間部には両端がモータ固定ベース2とアイドラ固定ベース4に平行に固定されたスライドガイド棒24a,24bが設けられ、このスライドガイド棒に沿って自在に平行移動するスライドベース22を配置し、このスライドベース22上にあってモータ軸5とアイドラプーリ軸7を結ぶ線上の近傍に中間プーリ軸8を植設し、この軸には中間プーリ10を構成する径の異なる第1の中間プーリ部10aと第2の中間プーリ部10bとが一体に形成されて回転自在に設けられている。23a,23bはスライドベアリングでありスライドベース22の四隅に配置されている。
【0013】またモータ部固定ベース2にはガイドローラ軸14a,14b、アイドラ固定ベースにはガイドローラ軸17a,17b、スライドベース22にはガイドローラ軸15a,15b、16a,16bの合計8ヶが植設されると共に、各ガイドローラ軸にはそれぞれガイドローラ18a,18b、19a,19b、20a,20b、21a,21bが回動自在に設けられている。このガイドローラは駆動ベルト12,13の外周部を押しつけて駆動ベルトの走行方向を変え駆動プーリ9、アイドラプーリ11、中間プーリ10に対し巻き付け角を増加させて駆動力を上げると同時に、スライドベース22が左右に移動しても駆動ベルト12,13がスライドベースと平行に走行してのベルトの全長(円周)が変化しない位置に設けてある。本実施例の場合一般的には中間プーリ軸8に対し左右対称位置に4個づつ設けるのがよい。
【0014】2本の駆動ベルトの懸架についてわかりやすく示したものが図3の動作説明図であり、本実施例では出来るだけガイドローラの数を減らすようにしてある。つまり第1の駆動ベルト12は駆動プーリ部9aとアイドラプーリ11aを懸架した一方の周は中間プーリに当接せず、他方の周に於いて第1の中間プーリ部10aに当接するようにガイドローラ18a,19a,20a,21aを設けている。また同様に第2の駆動ベルト13は図のように第1の駆動ベルト12と対称となるようにガイドローラ18a,19a,20a,21aで中間プーリ部10bの第1の駆動ベルトが当接した反対側に当接するようにしている。これは中間プーリ10が一方向に回転するようにするためのものである。(駆動ベルトの走行方向が異なるので同じ側に当接すれば動作不能となる。)この実施例では当然のことながら駆動ベルトをタイミングベルトとして各プーリもタイミングベルト用歯車を使用しているので駆動プーリ、アイドラプーリ、中間プーリと駆動ベルトの当接部はベルトと歯車が滑ることなく噛み合っている。
【0015】尚ケース1のアイドラ固定ベース4側にはケース1の長孔を貫通した複数のアイドラ固定ベース取付ネジ26及び同じくケース1を貫通したベルトテンション調整ネジ25が設けられ、前記2本の駆動ベルトが適度な張力で懸架されるようベルトテンション調整ネジ25を締めてアイドラ固定ベース4を動かして(駆動プーリとアイドラプーリ間の軸間を変化させる)調整し、その後アイドラ固定ベース取付ネジ26を締め付けて固定するようになっている。また図示しないがスライドベースの移動の両終端部にはそれぞれ反転移動あるいは終端検出のためのセンサーが設けてある。
【0016】以上のように構成された実施の形態1の移動直線装置について以下その動作を説明する。駆動モータ3を回転させると、駆動プーリ9の第1、第2の駆動プーリ部9a,9b、駆動ベルト12,13により連結されたアイドラプーリ11の第1、第2のアイドラプーリ部11a,11bが回転する。2本の駆動ベルト12,13は駆動プーリ9の第1のプーリ部の径と第2の駆動プーリ部の径が異なっている場合はそれぞれ異なる周速で走行し、同じであれば同一の周速で走行する。また中間プーリ10の第1,第2の中間プーリ部10a,10bにそれぞれの駆動ベルトが中間プーリを一方向に回転させるように噛み合っているので回転しようとする。ここでそれぞれの駆動ベルトの周速とこのベルトが当接するそれぞれの中間プーリ部の歯数が異なるのでその周速の差を埋めるべくスライドベースが左右に(差動減速されて)移動する。
【0017】つぎに図3の動作説明図を用いてこの移動量の定量的な説明を行う。図3において、駆動プーリ9aによって駆動される駆動ベルト12の移動量=S1駆動プーリ9bによって駆動される駆動ベルト13の移動量=S2スライドベース22の移動量=U駆動プーリ9aの半径=R1、その回転角=α駆動プーリ9bの半径=R2、プーリは一体なのでその回転角=α中間プーリ10aの半径=r1、その回転角=θ1中間プーリ10bの半径=r2、その回転角=θ2とすると、駆動プーリ9と駆動ベルト12,13との間にはS1=R1・α ・・・(1)
S2=R2・α ・・・(2)
中間プーリ10a,10bの回転角θ1,θ2は、θ1=(S1−U)/r1 ・・・(3)
θ2=(S2+U)/r2 ・・・(4)
今中間プーリ9a,9bは一体なのでθ1とθ2は等しい。従って(1),(2),(3),(4)式より U=S1{r2−r1・R2/R1}/{r1+r2} ・・・(5)
となる。
【0018】ここで駆動プーリ9a,9b、中間プーリ10a,10bは色々な径で作成するのは複雑になってコストも高くなるので駆動プーリ9a,9bは同一径とした方がよい。またアイドラプーリ11a,11bも駆動プーリと同じく、一体,同一径とした方が効果的である(必ずしも一体とする必要はないが)。この場合R1とR2、S1とS2はそれぞれ等しいのでS=S1=S2とすると(5)式は U=(r2−r1)S/(r2+r1) ・・・(6)
となる。
【0019】同様に中間プーリ10a,10bの径を同一として駆動プーリ9a,9bを異なる径とし、アイドラプーリのそれぞれのプーリを駆動プーリと同一径とすれば、r1=r2となるので(5)式はU=(R1−R2)S1/2・R1 ・・・(7)
となる。このようにすればプーリの種類や加工等が統一されて本シンプル且つ安価に本装置を提供できる。また(5)及び(6)式より中間プーリ10aの半径r1と中間プーリ10bの半径r2が大きくてその差が少ないほど駆動ベルト12,13の移動量に対してスライドベース17の移動量Uは小さくなり、スライドベース17はゆっくりと動くことになる。同様に(5)及び(7)式より駆動プーリ9aの半径R1と駆動プーリ9bの半径R2の径の差を小さくしても移動量Uは小さくなる。なお図3ではアイドラプーリを駆動プーリと同一径とし、それぞれの半径を駆動プーリのR1,R2と同一としたが、これはプーリの種類を増やさず簡単な構造とするためであり、アイドラプーリに限っていえば第1のアイドラプーリ部11aと第2のアイドラプーリ部11bは一体とする必要はなく、またその径も駆動プーリと同一とする必要はない。さらに2つのアイドラプーリ部11a,11bはそれぞれの軸を設けて回転するようにしてもよい。ただこれらの場合は駆動ベルト12,13がスライドベース22と平行走行するようにし、スライドベース22が移動してもベルト長が変化しないようにガイドローラを追加するなどしてベルト走行方向を規制する必要がある。
【0020】またこの実施例では駆動ベルト12,13をタイミングベルトとし、駆動プーリ9、中間プーリ10、アイドラプーリ11をタイミングベルト用の歯付きプーリとしたが必ずしもベルトはタイミングベルトでなくてもよく、平ベルト・Vベルト・丸ベルトやロープのようなものでも良い。また材質もゴム以外にスチールベルトやポリイミドなどのプラスチックなども目的によって使用できる。特に駆動力がいる場合はVベルトが適している。またバックラッシュが無く超高精度を必要とする場合には無端のステンレススチールベルトが適している。これらの場合それぞれのプーリはベルトの種類に対応してプーリ形状を変えた装置となる。
【0021】(実施の形態2)図4は本発明の第2の実施形態の直線移動装置の部分断面をした平面図であり、第2の実施形態において第1の実施形態と異なる点は図4に於いて、まずスライドベース22に設けた中間プーリ軸8が駆動ベルト走行方向に垂直な方向にe寸法だけ偏芯している点とガイドローラ軸15a,b、16a,bが中間プーリ軸8の中心に対して駆動ベルト走行方向に非対称に、異なる寸法a1,a2になるように設けられている点である。また同様に駆動プーリ9側のガイドローラ軸18a,b、アイドラプーリ軸7側のガイドローラ軸17a,bもそれぞれc1,c2及びd1,d2の寸法が異なる寸法となっている。それぞれのガイドローラ軸の駆動ベルト走行方向に対して直角方向の寸法b1,b2はガイドローラ軸14a,bとガイドローラ軸15a,b、16a,bとガイドローラ軸17a,bの3つのブロックのそれぞれの寸法は同一寸法となつている。これは駆動ベルト12,13をスライドベース22と平行に走行させるために必要となる。
【0022】このように構成すれば駆動ベルト12,13を同一寸法としてベルトの品種を少なくしメンテナンスを簡単にすることができる。すなわちスライドベース22の移動量Uを色々な値(減速比)とするためには駆動プーリ9a,9bの半径R1,R2の差あるいは中間プーリ10a,bの半径r1,r2の差が大きく変わるのでこの差を駆動ベルト12,13の走行位置で吸収する必要がある。特に減速比を小さくする場合は半径R1とR2また半径r1とr2の径が大きく、そのままではそれぞれの駆動ベルトの長さが変わってしまう。そのため駆動ベルト12と13の走行位置を寸法e、寸法a1とa2の差、b1とb2の差、c1とc2の差、d1とd2の差により調整する。これらの寸法差の内プーリ径の差が小さい場合はその中で一カ所のみで調整可能であり、プーリの径の差が大きい時にはこれらを組み合わせて駆動ベルトの長さの差を調整して同一の駆動ベルト長とすることが出来る。
【0023】(実施の形態3)図5は本発明の第3の実施形態の直線移動装置図であり図5(a)はその部分断面をした平面図であり(b)はその側面部分断面図(一部図5(a)の基準線X−X線の断面)、図6は同じく動作説明図である。第3の実施形態において第1の実施形態と異なる点は図5に於いて、第1の駆動ベルト112と第2の駆動ベルト113がベルトの内外周面を使って駆動するのか、第1の実施例のごとく内周面のみを使うかの点である。実施例1と同様に図5,6において任意の装置の一端にモータ部固定ベース102及び原動手段である駆動モータ103を取り付け、他端にアイドラ固定ベース104を固定して、この上にモータ軸105に対して略平行なアイドラプーリ軸107を設け、モータ軸105にはタイミングベルト用の歯付きの駆動プーリ109を取り付け、アイドラプーリ軸107には同じく歯付きのアイドラプーリ111を回転可能に取り付けている。駆動プーリ109とアイドラプーリ111は径(歯数)の異なる第1の駆動プーリ部109aと第2の駆動プーリ部109bが一体に、また第1のアイドラプーリ部111aと第2のアイドラプーリ部111bが一体に結合されて駆動プーリとアイドラプーリ両者間のそれぞれのプーリに2本の内外周に歯の付いた無端状の第1の駆動ベルト(以下単に”駆動ベルト”と称する)112、及び第2の駆動ベルト113が架張されている。
【0024】またその中間部には駆動モータ軸105とアイドラ軸107を結ぶ線と平行スライドするスライドガイド(図示せず)があり、その上にスライドベース122が固定され左右に自在に移動可能となっている。このスライドベース122上で且つモータ軸105とアイドラプーリ軸107を結ぶ線上の近傍に中間プーリ軸108を植設し、この軸には中間プーリ110を構成する径の異なる第1の中間プーリ部110aと第2の中間プーリ部110bとが一体に形成されて回転自在に設けられている。またスライドベース122にはガイドローラ軸115a,115b、116a,116bの合計4ヶが植設されると共に、各ガイドローラ軸にはそれぞれガイドローラ119a,119b、120a,120bが回動自在に設けられている。このガイドローラは駆動ベルト12,13の内周部あるいは外周部を押しつけて駆動ベルト112,113の走行方向を変え駆動プーリ109、アイドラプーリ111、中間プーリ110に対し巻き付け角を増加させて駆動力を上げると同時に、スライドベース122が左右に移動しても駆動ベルト112,113がスライドベースと平行に走行してのベルトの全長(円周)が変化しない位置に設けてあるのは第1の実施例の場合と同様である。
【0025】2本の駆動ベルトの懸架についてわかりやすく示したものが図6の動作説明図であり、本実施例では第1の実施例よりもガイドローラの数を減らすようにしてある。つまり第1の駆動ベルト112は駆動プーリ部109aとアイドラプーリ111aを懸架した一方の周は中間プーリに当接せず、他方の周に於いて第1の中間プーリ部110aに当接するようにガイドローラ119a,120aを設けている。また同様に第2の駆動ベルト113は図のように第1の駆動ベルトと対称となるようにガイドローラ119a,120aで中間プーリ部110bの第1の駆動ベルト112が当接した反対側に当接するようにしている。これは中間プーリ110が一方向に回転するようにするためのものであり第1の実施例と同様である。また当然のことながら駆動ベルトをタイミングベルトとしているので各プーリもタイミングベルト用歯車を使用している。
【0026】このように構成され、駆動ベルトの中間プーリへの掛け方が変わるのみなので動作については実施例1と同様の動きであるので説明は省略する。またその他の構成要素は第1の実施形態と同様であり、100番台の同一符号を付けて説明の重複を避ける。ただ駆動ベルトの内外周をプーリに当接させるのでタイミングベルトを使用する場合は内外周に歯のついたもの(両歯)のものを使用する代わりにガイドローラの数を減らすことができ装置を簡単にできコンパクトな装置にも対応できる。また平ベルトなどの場合はベルトを変更する必要はなくなり、より有用である。さらに図から明らかなように、第1の実施例よりも駆動ベルトと中間プーリとの巻き付け角を増やせるので歯飛びやスリップに対して有利であり駆動力を大きくとれる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明の直線移動装置によれば、請求項1の構成によって駆動プーリ、アイドラプーリ、中間プーリのそれぞれの回転面は同一平面内に配置されるために従来例のように駆動ベルトがねじられることがなく、各プーリに長い範囲にわたって密接に接触するので、従来例のようにベルトに無理な力が働き、ベルトの寿命を短くする恐れもなく、歯飛びを生ずることなく、差動プーリの径の差を僅かにすることによって高い減速比を得られる直線移動装置を構成できる。
【0028】また請求項2の構成によって駆動プーリの第1の駆動プーリ部と第2の駆動プーリ部、アイドラプーリの第1アイドラプーリ部と第2のアイドラプーリ部の径を同一にして一体としたためプーリの種類を減らし装置を単純化できる。また同様に請求項3の構成によって、中間プーリの第1の中間プーリ部と第2の中間プーリ部の径を同一にして一体としたため、プーリの種類を減らし装置を単純化できる。
【0029】また請求項4の構成によって中間プーリ軸及びガイドローラ軸の位置をずらせて2種類の駆動ベルトを同一サイズとできるので部品の種類を減らせると同時にメンテナンスなどに有利である。
【0030】
【出願人】 【識別番号】592086857
【氏名又は名称】廣瀬 文則
【出願日】 平成12年2月25日(2000.2.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−241525(P2001−241525A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−100082(P2000−100082)