| 【発明の名称】 |
可変径プーリ |
| 【発明者】 |
【氏名】魚田 雅史
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| 【要約】 |
【課題】皿ばねどうしの接触面に潤滑不良が生じることに起因して、皿ばねが変形し難くなったり異常摩耗したりするのを長期間に亘って防止することができる可変径プーリを提供する。
【解決手段】各皿ばね40どうしの接触面に対応させて、潤滑剤の貯留部43を凹入形成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】側面に形成された動力伝達面を互いに対向させた状態で、軸方向に相対移動自在に設けられた一対のシーブと、前記動力伝達面によって両シーブの軸心に対して偏心可能に挟持され、外周面にベルトが巻き掛けられる動力伝達リングと、複数枚の皿ばねを重ね合わせてなり、少なくとも一方のシーブを他方のシーブ側へ付勢する付勢部材とを備える可変径プーリにおいて、前記付勢部材の各皿ばねどうしの接触面に対応させて、潤滑剤の貯留部を形成していることを特徴とする可変径プーリ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、動力伝達リングを一対のシーブ間で偏心可能に挟持している可変径プーリに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、プリーに巻き掛けられたベルトの有効径(接触径)を変化させることができる可変径プーリとして、例えば図8に示すように、テーパ状の動力伝達面101を形成した一対のシーブ100を、その動力伝達面101どうしを互いに対向させた状態で軸方向に相対移動自在に設け、外周面にベルトBが巻き掛けられた動力伝達リング102を、前記一対の動力伝達面101によって両シーブ100の軸心に対して偏心可能に挟持しているとともに、重ね合わせた複数枚の皿ばね103からなる付勢部材104によって一方のシーブ100を他方のシーブ100側へ付勢したものが提供されている。この可変径プーリによれば、シーブ100の動力伝達面101と動力伝達リング102の軌道面105との間でトルクを伝達することができるとともに、例えばベルトの張力に応じて、一対のシーブ100間の間隔を変化させながら動力伝達リング102を偏心させることにより、動力伝達速度を変化させることができる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前記従来の可変径プーリにおいては、一対のシーブ100間の間隔が変化する毎に、付勢部材104を構成する複数枚の皿ばね103の互いの接触面において摩擦が生じるので、この接触面にグリース等の潤滑剤を塗布して、摩擦抵抗によって皿ばね103の変形が阻害されたり、皿ばね103が摩耗したりするのを防止している。ところが、前記潤滑剤が遠心力によって飛散したり、長期間の使用によって消耗したりするので、皿ばね103が変形し難くなってベルトの張力が増大したり、皿ばね103が異常摩耗したりするという問題があった。この発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、皿ばねどうしの接触面に潤滑不良が生じることに起因して、皿ばねが変形し難くなったり異常摩耗したりするのを長期間に亘って防止することができる可変径プーリを提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するためのこの発明の可変径プーリは、側面に形成された動力伝達面を互いに対向させた状態で、軸方向に相対移動自在に設けられた一対のシーブと、前記動力伝達面によって両シーブの軸心に対して偏心可能に挟持され、外周面にベルトが巻き掛けられる動力伝達リングと、複数枚の皿ばねを重ね合わせてなり、少なくとも一方のシーブを他方のシーブ側へ付勢する付勢部材とを備える可変径プーリにおいて、前記付勢部材の各皿ばねどうしの接触面に対応させて、潤滑剤の貯留部を形成していることを特徴とする。このような構成の可変径プーリによれば、前記皿ばねの貯留部に潤滑剤を充填しておくことにより、各皿ばねどうしの接触面を長期間に亘って良好に潤滑することができる。 【0005】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、この発明の一実施形態にかかる可変径プーリを示す断面図である。この可変径プーリは、例えば、自動車のエンジンに設けられたオルタネータ等の補機類を駆動するための従動プーリとして使用されるものであり、従動軸としての回転軸Sと同心に互いに対向させた状態で設けられた第1のシーブ1及び第2のシーブ2と、外周面にベルト(Vリブベルト)Bが巻き掛けられ、前記一対のシーブ1,2によって挟持された動力伝達リング3と、各シーブ1,2を互いに接近する方向に押圧付勢する一対の付勢部材4と、各付勢部材4を受け止めるばね押さえ5とによって主要部が構成されている。 【0006】第1のシーブ1は、円形環状の主体部11の内周側に筒状のボス12を、外周側に環状のリム13をそれぞれ形成したものである。前記ボス12は回転軸Sの軸線と平行に第2のシーブ2の背面まで延びており、リム13は主体部11の外側に突出している。前記主体部11の第2のシーブ2に対向する側面には、トルク伝達面としてのテーパ状の動力伝達面1aが構成されており、この動力伝達面1aに動力伝達リング3の一方の側面が接触している。前記ボス12は、滑り軸受としてのブッシュ14を介して、ばね押さえ5の後述するスリーブ51に軸方向にスライド自在に嵌合されている。また、前記リム13には、一方の付勢部材4の外周側を嵌合する複数の凹部15が円周等配に設けられている(図2参照)。 【0007】第2のシーブ2は、第1のシーブ1と略対称形状のものであり、円形環状の主体部21の内周側に筒状のボス22を、外周側に環状のリム23をそれぞれ形成している。前記ボス22は回転軸Sの軸線と平行に延びており、リム23は主体部21の外側に突出している。前記主体部21の第1のシーブ1に対向する側面には、トルク伝達面としてのテーパ状の動力伝達面2aが構成されている。この動力伝達面2aは、第1のシーブ1の動力伝達面1aとの間でV字状の環状空間を形成するように、当該第1のシーブ1の動力伝達面1aと逆向きのテーパ面からなり、この動力伝達面2aに動力伝達リング3の他方の側面が接触している。前記ボス22は滑り軸受としてのブッシュ24を介して、第1のシーブ1のボス12に軸方向にスライド自在に嵌合されている。また、前記リム23には、他方の付勢部材4の外周側を嵌合する複数の凹部25が円周等配に設けられている(図2参照)。 【0008】動力伝達リング3は、全体が合成樹脂からなるものであり、その両側面には、第1,第2のシーブ1,2の動力伝達面1a,2aと平行なテーパ面からなる軌道面31が形成されている。また、前記動力伝達リング3のベルトBを巻き掛ける部分には、ベルトBの内周面のリブを導入するV溝32が複数条形成されている。前記動力伝達リング3の素材としては、例えばフェノール樹脂に、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維及びグラファイトを配合したものが、強度及び耐摩耗性に優れるとともに、動力伝達面1a,2aに対する攻撃性が小さいことから好ましい。 【0009】付勢部材4は、図の場合3枚の皿ばね40を重ね合わせたものであり、各皿ばね40は、図4及び図5に示すように、外周の等配位置に各シーブ1,2の凹部15,25に合致する複数の凸部41を形成し、内周から途中部にかけて複数のスリット42を放射状に形成している。各皿ばね40は、前記凸部41を各シーブ1,2の凹部15,25に、スリット42をばね押さえ5の後述する凸部53にそれぞれ嵌合した状態で、且つ所定量弾性変形させた状態で、各シーブ1,2とばね押さえ5との間に介在してあり、これによって各シーブ1,2が互いに接近する方向に押圧付勢されている。 【0010】また、各皿ばね40には、図3及び図4に示すように、その互いの接触面に対応させて、潤滑剤の貯留部43が形成されており、この貯留部43にはグリース等の潤滑剤が充填されている。前記潤滑剤の貯留部43は、皿ばね40を焼き入れする前に、その接触面をプレス等にて凹状に加圧変形させて形成したものであり、各皿ばね40の接触面の少なくとも一箇所に設けられている。図の場合、隣接する皿ばね40の各貯留部43どうしを対向させてある。なお、各皿ばね40の接触面には、前記貯留部43に充填した潤滑剤と同じ潤滑剤が全面に亘って塗布されている。 【0011】ばね押さえ5は、前記第1のシーブ1を嵌合したスリーブ51と、このスリーブ51の両端部にそれぞれ設けられた一対の円板状の押さえ板52とからなり、この一対の押さえ板52は、各シーブ1,2の背面側に配置されている。また、一方の押さえ板52はスリーブ51と一体形成されており、他方の押さえ板52はスリーブ51の端部にボルト止めされている。さらに、前記押さえ板52の外周側には、皿ばね40のスリット42を嵌合するための凸部53が、円周等配に設けられている。なお、前記スリーブ51は、補機類の回転軸Sに対してトルクを伝達できるように、当該回転軸Sにキー54を用いて一体回転可能に嵌合されている。 【0012】前記可変径プーリは、ベルトBの駆動力を動力伝達リング3、各シーブ1,2、付勢部材4、及びばね押さえ5を介して回転軸Sに伝達することができる。この際、ベルトBの張力に応じて回転軸Sの回転数を自動的に調整することができる。例えば、図示しない張力調整機構によってベルトBの張力が大きくなると、付勢部材4の付勢力に抗して各シーブ1,2を互いに離反させつつ、動力伝達リング3が各シーブ1,2に対して偏心する(図6参照)。これにより、動力伝達リング3に巻き掛けられたベルトBに対する有効径が小さくなって、その増速比が高くなる。また、この状態からベルトBの張力が所定値以下になると、付勢部材4の付勢力によって各シーブ1,2が互いに接近し、最終的に動力伝達リング3が各シーブ1,2に対して同心状態になる(図1参照)。これにより、動力伝達リング3に巻き掛けられたベルトBに対する有効径が大きくなって、その増速比が低くなる。 【0013】以上の構成の可変径プーリは、各皿ばね40に設けた貯留部43に潤滑剤を充填しているので、各皿ばね40どうしの接触面に対して潤滑剤を長期間に亘って十分に供給することができる。このため、各皿ばね40どうしの接触面の摩擦抵抗によって、当該皿ばね40が変形し難くなったり異常摩耗したりするのを長期間に亘って防止することができる。 【0014】なお、中央部の皿ばね40に形成する潤滑剤の貯留部43については、図7に示すように、貫通孔で構成してもよい。また、前記潤滑剤の貯留部43は、隣接する皿ばね40の何れか一方のみに設けてもよい。この発明の可変径プーリは、前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば各付勢部材4の皿ばね40の構成数を増減すること、各シーブ1,2の何れか一方のみを付勢部材4で付勢すること等、種々の設計変更を施すことができる。 【0015】 【発明の効果】以上のように、この発明の可変形プーリによれば、各皿ばねの貯留部に潤滑剤を溜めておくことができるので、各皿ばねどうしの接触面を長期間に亘って良好に潤滑することができる結果、各皿ばねどうしの接触面の摩擦抵抗によって、当該皿ばねが変形し難くなってベルトの張力が増大したり、皿ばねが異常摩耗したりするのを長期間に亘って防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001247 【氏名又は名称】光洋精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月28日(2000.2.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092705 【弁理士】 【氏名又は名称】渡邊 隆文
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| 【公開番号】 |
特開2001−241524(P2001−241524A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−51596(P2000−51596) |
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