| 【発明の名称】 |
作業車両の走行装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】児島 正昭
【氏名】永田 祐康
【氏名】乾 正実
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| 【要約】 |
【課題】変速駆動される主駆動軸とその左右に配置された走行駆動軸間に大幅な減速を行う左右の遊星歯車装置を設ける構成の走行装置において、走行装置の構造を単純とする。
【解決手段】左右の遊星歯車装置における左右の太陽歯車を、主駆動軸40の外周面上に互いに一体に連ねて形成した歯形40aにより構成し、主駆動軸上の入力歯車63を、該歯形を用いて主駆動軸上に嵌着した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 変速駆動される入力歯車(63)を嵌着してある主駆動軸(40)、該主駆動軸の左右に主駆動軸と同心状に配置された左右の走行駆動軸(37L,37R)、及び上記主駆動軸の回転を減速して該左右の走行駆動軸に対し伝達するための左右の遊星歯車装置(41L,41R)であって、それぞれが主駆動軸上に固定設置された太陽歯車(67)、該太陽歯車の外周側に配置され内歯々車(68)を形成するリング部材(71)、各走行駆動軸に固定したキャリア(69)に回転可能に軸支され太陽歯車及び内歯々車に対し噛合わされている複数個の遊星歯車(70)を備えた左右の遊星歯車装置(41L,41R)、を備えた作業車両の走行装置であって、上記左右の遊星歯車装置(41L,41R)における左右の太陽歯車(67)を、上記主駆動軸(40)の外周面上に互いに一体に連ねて形成した歯形(40a)により構成すると共に、上記入力歯車(63)を、該歯形(40a)を用いて主駆動軸上に嵌着してある作業車両の走行装置。 【請求項2】 可逆転無段変速装置(28)を設け、この可逆転無段変速装置を前記入力歯車(63)に対し、該入力歯車を変速駆動するように連動連結してある請求項1の走行装置。 【請求項3】 前記可逆転無段変速装置(28)を前記入力歯車(63)に対し、有段変速装置(52)を介して連動連結してある請求項2の走行装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明はコンバイン等の作業車両の走行装置、特に主駆動軸の回転を減速して左右の走行駆動軸に対し伝達する左右の遊星歯車装置を備えた走行装置に、関するものである。 【0002】 【発明の背景】入力歯車を介して変速駆動される主駆動軸と左右の走行駆動軸間に、主駆動軸の回転を大幅に減速して左右の走行駆動軸に対し伝達するための左右の遊星歯車装置であってその各太陽歯車を主駆動軸に固定してある遊星歯車装置を設けてある、作業車両の走行装置において従来は、上記した入力歯車と左右の太陽歯車とを互いに別々の手段を用いて主駆動軸に固定して来ている。 【0003】この発明は入力歯車と左右の太陽歯車とを、単一の加工による手段によって主駆動軸上に固定設置することとして、上記タイプの走行装置の構造を単純化しよとするものである。 【0004】 【発明の要約】この発明に係る作業車両の走行装置は、変速駆動される入力歯車(63)を嵌着してある主駆動軸(40)、該主駆動軸の左右に主駆動軸と同心状に配置された左右の走行駆動軸(37L,37R)、及び上記主駆動軸の回転を減速して該左右の走行駆動軸に対し伝達するための左右の遊星歯車装置(41L,41R)であって、それぞれが主駆動軸上に固定設置された太陽歯車(67)、該太陽歯車の外周側に配置され内歯々車(68)を形成するリング部材(71)、各走行駆動軸に固定したキャリア(69)に回転可能に軸支され太陽歯車及び内歯々車に対し噛合わされている複数個の遊星歯車(70)を備えた左右の遊星歯車装置(41L,41R)、を備えた走行装置であって、上記左右の遊星歯車装置(41L,41R)における左右の太陽歯車(67)を、上記主駆動軸(40)の外周面上に互いに一体に連ねて形成した歯形(40a)により構成すると共に、上記入力歯車(63)を、該歯形(40a)を用いて主駆動軸上に嵌着してあるものに、構成される。 【0005】この発明は左右の太陽歯車67を構成する歯形40aを主駆動軸40に、互いに一体に連ねて形成し、この歯形40aを利用して入力歯車63を該主駆動軸40に嵌着しているから、左右の太陽歯車67が主駆動軸40上の入力歯車63のための支持手段と共に、主駆動軸についての単一の加工によって与えられることになって、主駆動軸と左右の走行駆動軸間に大幅な減速を得させる左右の遊星歯車装置41L,41Rを設ける走行装置の構造を単純とする。 【0006】この発明の一実施態様では可逆転無段変速装置(28)を設け、この可逆転無段変速装置を前記入力歯車(63)に対し、該入力歯車を変速駆動するように連動連結する(請求項2)。この構成に加えてさらに、前記可逆転無段変速装置(28)を前記入力歯車(63)に対し、有段変速装置(52)を介して連動連結するのが好ましい(請求項3)。可逆転無段変速装置として好ましいものは、可変容積形の油圧ポンプと定容積形の油圧モータとを備えた油圧伝動装置であり、この可逆転無段変速装置ないし油圧伝動装置によって主駆動軸を正逆無段に変速駆動できる。有段変速装置を設ける構造では、可逆転無段変速装置ないし油圧伝動装置を出力回転が安定となる比較的高速域で変速制御させ、有段変速装置によって変速域をさらに、例えば比較的高速の回転を与える路上走行変速域と比較的低速の回転を与える作業時走行変速域とに区分するように、車速制御を行える。 【0007】 【実施例】図2は、本発明に係る走行装置の実施例を装備したコンバインを示している。図示コンバインは通例のように左右のクローラ1により走行駆動され、機体前方の刈取部2で植立穀稈を刈取り、刈取られた穀稈について機体上の脱穀部3で脱穀して、穀粒は機体上の穀粒タンク4に収納し、排わらは機体後方の排わら処理装置(集束、結束、カッター装置又はその切替え式組合せ)5により処理するものとされている。エンジン6は機体中寄りに設置され、該エンジンから入力伝動を受けるトランスミッション7が、エンジン6の前下方位置に配置されている。エンジン6の上前方側に座席8を備える操縦部9が配置されている。この操縦部9は車両操行用のステアリングホイール10、車速制御用の主変速レバー11及び副変速レバー12、駐車ブレーキレバー13等を備える。図2において14はクローラ駆動輪15を装備する車軸、16は刈刃、17は穀粒タンク4から穀粒を搬出するための揚穀装置である。 【0008】図3が前記トランスミッション7の外観を示し、図4,5がその主な内部構造を示している。これらの図に示すようにトランスミッション7は下方側に左右のケース半部19a,19bから成るミッションケース19を備え、右ケース半部19bの上部側面に上方向きに突出する略L字形の厚手のプレート部材20を装着し、このプレート部材20の左側面上半部に角形のハウジング21を、また右側面に該側面の全体にまたがるL字形のハウジング22を、それぞれ装着してなるケーシング構造を有する。図5に示すようにハウジング21,22とプレート部材20を貫通する入力軸23を設けてあり、図1−3に示すように該入力軸23にハウジング21外で入力プーリ24を嵌着して、エンジン6の出力プーリ6aからベルト25によって入力軸23への入力伝動を行ってある。図3,4に示すように左右の前記車軸14は左右のケース半部19a,19b内から、該ケース半部に取付けた左右のアクスルケース26内を通して左右に突出させてある。 【0009】図4,5に示すように入力軸23をポンプ軸とする油圧ポンプ29,33を、プレート部材20の上半部左面及び右面に装着してハウジング21,22内に設置すると共に、ミッションケース19内に突入させた出力軸31,35を備える油圧モータ30,34を、プレート部材20の下半部右面に装着してハウジング22内に設置している。各油圧ポンプ29,33は斜板29a,33aの傾角を変更調節して油吐出量と吐出方向を変更自在である可変容積形のものに構成されており、斜板29a,33aを傾動操作するための制御アーム29b,33bは図3に示すように、ハウジング21,22外で斜板支軸に取付けられている。油圧ポンプ29と定容積形の油圧モータ30とを流体接続して図1に示す第1の油圧伝動装置28が構成されており、また油圧ポンプ33と定容積形の油圧モータ34とを流体接続して図1に示す第2の油圧伝動装置32が構成されている。なお各油圧ポンプ29,33と各油圧モータ30,34間を接続する油路、及び各油圧伝動装置28,32に付設のバルブ類は、プレート部材20内に設けてある。 【0010】図1,4に示すようにミッションケース19内の下方位置で互いに同心配置した左右の走行駆動軸37L,37Rを設けてあり、左右の各走行駆動軸37L,37Rを左右の各歯車38,39減速機構によって左右の各車軸14に対し接続してある。左右の走行駆動軸37L,37R間にはこれらの軸と同心配置の主駆動軸40を配置してあり、この主駆動軸40の回転を左右の遊星歯車装置41L,41Rによって減速して、左右の走行駆動軸37L,37Rに対し伝達することとされている。 【0011】そして第1の油圧伝動装置28は左右の走行駆動軸37L,37Rに対し、出力軸31から主駆動軸40と左右の遊星歯車装置41L,41Rを介して動力を伝達して車両を変速駆動するためのものとされ、また第2の油圧伝動装置32は左右の走行駆動軸37L,37Rに対し選択的に、出力軸35により左右の遊星歯車装置41L,41Rを利用し互いに逆方向の付加回転を付与し、もって左右の走行駆動軸37L,37Rに対し回転数差を与えて車両を旋回させるためのものとされている。第1の油圧伝動装置28のポンプ斜板操作用の制御アーム29bは図2に示す前記主変速レバー11によって操作されるものとされ、第2の油圧伝動装置32のポンプ斜板操作用の制御アーム33bは図2に示す前記ステアリングホイール10によって操作されるものとされている。 【0012】第1の油圧伝動装置28の出力軸31と主駆動軸40間の伝動機構は図1,4に示してあり、これらの軸31,40に平行するクラッチ軸43、中間軸44及び副変速軸45を有する。クラッチ軸43は出力軸31に対し、出力軸31上の出力歯車46をクラッチ軸43上の歯車47に対し噛合せて出力軸31に対し接続されている。クラッチ軸43上には歯車48を遊嵌設置して中間軸44上に固定設置の歯車49に対し噛合せてあり、歯車48を選択的にクラッチ軸43に対し結合するためのクラッチ50が、クラッチ軸43上に設置されている。このクラッチ50はクラッチ軸43上に固定設置したクラッチシリンダ50aと歯車48のボス部とにそれぞれ摺動のみ自在に支持させた複数枚宛の摩擦エレメントを、ピストン50bの押圧作用で摩擦係合させてクラッチ入りを得る油圧多板式のものに、構成されている。クラッチ50を入切制御する切換弁(図示せず)は車両のステップに装備された、図2に図示のクラッチペダル100に対し、該ペダル100を踏込むとクラッチ50が切られるように接続してある。 【0013】中間軸44と副変速軸45間には機械式の副変速装置52を、配設してある。この副変速装置52は中間軸44上に摺動のみ自在に設置したシフト歯車53、中間軸44上に遊嵌設置した2個の歯車54,55、副変速軸45上に固定設置されシフト歯車53を噛合せ可能である歯車56、及び副変速軸45上に固定設置され歯車54,55に対し噛合せてある2個の歯車57,58を、備える。シフト歯車53はその両側に設けたクラッチ爪を歯車54,55に設けたクラッチ爪に対し噛合せて、歯車54,55を中間軸44に対し選択的に結合可能であるものに構成されている。以上により副変速装置52は中間軸44により副変速軸45を、歯車54,57列を介し駆動する高速変速段(路上走行変速段)、歯車53,56列を介し駆動する中速変速段(乾田作業変速段)、及び歯車55,58列を介して駆動する低速変速段(湿田作業変速段)の、3段の変速段に切替え得るものとされている。図7に示すようにミッションケース19の側壁を貫通させてある回転操作軸59によりスライド操作されてシフト歯車53をシフトさせるシフトフォーク60を設けてあり、操作軸59の外端に取付けた変速アーム61は、図2に示す前記副変速レバー12に対し接続されている。 【0014】図1,4に示すように副変速軸45の上記歯車58は、主駆動軸40上に固定設置した大径の入力歯車63に対し噛合せてある。副変速軸45の一端はミッションケース19の左ケース半部19aの外面上に形成したブレーキケース部内に突入させてあり、該ブレーキケース部内に副変速軸45を制動するための駐車ブレーキ64を、設けてある。摩擦多板式のものに構成されカム軸64a及びボール64bを含むカム機構によって作動せしめられる該ブレーキ64を制動操作するためのカム軸64a外端のブレーキアーム65は、図2に示す前記駐車ブレーキレバー13に対し接続されている。 【0015】主駆動軸40はしたがって、主変速レバー11によって正逆転を含め無段に出力回転数を制御される第1の油圧伝動装置28と副変速レバー12により3段に変速制御される副変速装置52とにより変速駆動されるが、この主駆動軸40と左右の走行駆動軸37L,37R間を接続する左右の遊星歯車装置41L,41Rは、次のようなものに構成されている。 【0016】すなわち図1,4及び図4の一部を拡大して画いた図8に示すように各遊星歯車装置41L,41Rは通例のように太陽歯車67、この太陽歯車67の外周位置に設けた内歯々車68、及びキャリア69に遊転可能に軸支されて太陽歯車67と内歯々車68とに対し噛合せてある複数個(3個)の遊星歯車70とを備えるが、先ず左右の太陽歯車67は図9に示すように主駆動軸40の外周面上に一体に連らねて形成した歯形40aにより構成され、同歯形40aに対応する内歯67aを入力歯車63の中心穴内周面に形成し内歯67aを歯形40aに噛合せることにより入力歯車63を主駆動軸40上に嵌着してある。入力歯車63の軸線方向位置は、主駆動軸40に嵌着する両側1対の止輪75により規制することとしてある。 【0017】左右の各キャリア69は左右の走行駆動軸37L,37Rにスプライン嵌めにより固定して設けてあり、入力歯車63側に配置のリング69aをスペーサ69b及びボルト69cを介しキャリア69本体に連結し、リング69aにより抜止めしたピン69dを設けて、該ピン69d上に遊星歯車70を遊転自在に設けている。また内歯々車68は通例のように太陽歯車67の外周側に配置したリング71の内周面に形成してあるが、左右のリング71は、左右の走行駆動軸37L,37R上にキャリア69のボス部と1対宛のボールベアリング72を介して遊嵌設置した左右の歯車73に、リング71の内周面に形成した内歯71aと歯車73のボス部に形成した外歯73aを互いに噛合せることで、相対回転不能に支持させてある。そしてリング71に挿通したピン74を内歯71a及び外歯73aの側面に接当させてリング71の抜止めを行い、もってリング71を、歯車73に対し放射方向で可動であるように支持している。 【0018】第2の油圧伝動装置32の出力軸35と左右の遊星歯車装置41L,41Rのリング71間には、図1及び図5,6に示す付加回転伝達機構を設けてある。すなわち出力軸35に平行する中間軸77及びロック軸78を設け、出力軸35と中間軸77間を歯車79,80減速機構により接続すると共に、中間軸77とロック軸78間を歯車81,82減速機構により接続している。そしてロック軸78と左右のリング71間は前記した左右の歯車73を利用して、ロック軸78により左右のリング71が互いに逆方向に等速で回転せしめられるように接続している。すなわち左側のリング71と一体回転する歯車73に対しては歯車82と一体形成してロック軸78に嵌着した歯車83を噛合せ、また右側のリング71と一体回転する歯車73に対してはロック軸78に嵌着した歯車84を、ケース半部19bに支持させたアイドラ軸85上のアイドラ歯車86を介して噛合せ、且つ、左側の歯車83,73列の減速比と右側の歯車84,86,73の減速比とを等しく設定している。 【0019】したがって第2の油圧伝動装置32の出力軸35と左右の遊星歯車装置41L,41Rの左右のリング71間に配設された歯車伝動装置87(図1,5)は、出力軸35の回転を左右のリング71に対し互いに回転方向を逆にして伝達するものとなっている。そして第2の油圧伝動装置32ないしその油圧ポンプ33が中立状態とされ出力軸35に回転が与えられない場合、左右のリング71が互いに同方向に等速で回転変位しようとするとその回転変位はロック軸78に対し互いに逆方向に等速で伝えられるからロック軸78は何れの方向にも回転せず、したがって逆にロック軸78により左右のリング71が回転不能にロックされることになる。 【0020】なお図2に示す前記刈取部2を駆動するためには図1,3,11に示すように、ミッションケース19内から外部に突出させたPTO軸89を設け、このPTO軸89上に一方向クラッチ90を介してPTOプーリ91を設置し、該プーリ91と刈取部2の入力プーリ92間にベルト93を巻回している。そして図1,11に示すようにミッションケース19内で第1の油圧伝動装置28の出力軸31とPTO軸89間に中間軸94を設け、出力軸31上の前記出力歯車46と噛合せた歯車95を中間軸94上に設けると共に、中間軸94とPTO軸89間を歯車96,97により減速接続している。上記一方向クラッチ90は出力軸31が車両前進方向に回転せしめられるときにのみ係合し、プーリ91をPTO軸89に対し結合するものとされている。図2の刈取部2からはさらに脱穀部3、排わら処理装置5等へ駆動力が伝達される。 【0021】以上に説明した軸及び歯車の上下方向及び前後方向での配置は、トランスミッション7を右側から見て画いた図7に示されている。 【0022】図2に示すコンバインはその走行条件に応じ副変速レバー12により図1,4に図示の副変速装置52に路上走行時には高速、乾田作業時には中速、湿田作業時には低速の変速段を選択セットし、主変速レバー11により図1及び図4,5に図示の第1の油圧伝動装置28のポンプ斜板29aを操作し進行方向の制御を含め車速を無段に変更制御して、走行せしめられる。車両の直進時にはステアリングホイール10による図1,5に図示の第2の油圧伝動装置32のポンプ斜板33a操作は行われず、同油圧伝動装置32は中立状態に維持され、このとき前述したように左右の遊星歯車装置41L,41Rのリング71はロック軸78により回転変位不能に拘束されている。 【0023】図10の(L),(R)は左右の遊星歯車装置41L,41Rを模式的に示している。第1の油圧伝動装置28の油圧モータ30が正転している状態では太陽歯車67が矢印A方向に回転し、これにより各遊星歯車70が矢印B方向に自転しつつ矢印C方向に、図10では図示省略のキャリア69を回転させつつ公転する。この場合にキャリア69及び各走行駆動軸37L,37Rに与えられる回転数Rは、太陽歯車67の回転数を1とし、太陽歯車67の歯数をN1、内歯々車68の歯数をN2とすると、R=N1 /(N1 +N2 ) で与えられるから、歯数N2を適当に設定しておくことで大幅な減速が得られる。油圧モータ30の逆転時には回転方向が逆になるのみで、上記したのと事情は等しい。 【0024】車両の前進中にステアリングホイール10を回動操作し第2の油圧伝動装置32の油圧モータ34を正転方向に回転させるときは図1,5に示す歯車伝動装置87により、左側の歯車83,73列を介し左側の遊星歯車装置41Lのリング71には矢印D1方向の回転が与えられ、また右側の歯車84,86,73列を介し右側の遊星歯車装置41Rのリング71には矢印D2方向の回転が与えられる。左側のリング71の矢印D1方向への回転によってはその回転速度分だけ遊星歯車70の矢印C方向への回転数、したがって左側キャリア69及び走行駆動軸37Lの回転数が減少され、逆に右側のリング71の矢印D2方向への回転によってはその回転速度分だけ遊星歯車70の矢印C方向への回転数、したがって右側キャリア69及び走行駆動軸37Rの回転数が増加される。したがって車両は左旋回せしめられ、その旋回半径はステアリングホイール10の操作量を加減し油圧モータ34の回転数を制御することによって、自在に選択できる。車両前進中の右旋回、後進中の左又は右旋回も類似して得ることができる。 【0025】前述したように歯車73に相対回転不能に支持させたリング71の軸線方向への抜止めを図8のピン74により得て、リング71を放射方向で可動に支持していることによっては、何れかの遊星歯車70が内歯々車68に対し偏心した状態で噛合いすることがリング71の放射方向での逃げにより防止され、複数遊星歯車70に動力が等配分されて歯車の損傷とか遊星歯車装置での振動、騒音の発生とかが無くされる。 【0026】刈取部2は、図外の刈取クラッチを入れている間、PTO軸89による車両の前進速度に同調した回転を受けて、圃場の穀稈列を刈り取り、脱穀部3へ送り込む。ここで、穀稈列の末端を刈り終えるとオペレータはクラッチペダル100を踏み込んで前記クラッチ50を切って車両を一旦停止させるも、出力軸31の前進方向への回転出力は継続しておりPTO軸89は刈取部2を駆動し続けるため、刈取穀稈を常に脱穀部へ送り込むことができる。そして、オペレータは踏み込んだクラッチペダル100を解放してクラッチ50を接続すると共に、前記ステアリングホイール10を所定量回動操作することにより車両を旋回させて刈取部2をその隣の未刈側穀稈列に合わせる。 【0027】図12は遊星歯車装置41L(41Rも同様)における動力等配分のためのリング71の支持機構の他例を示しており、前述の場合同様に走行駆動軸37Lにキャリア69のボス部と1対のボールベアリング72を介し支承させた歯車73にリング71を支持させる構造において、リング71に挿通したピン174を歯車73のボス部の穴に嵌合している。本実施例ではリング71の軸線方向変位がピン174により直接に阻止されつつ、ピン174上でリング71が放射方向に変位できることになっている。 【0028】図13は他の変形例を示し、歯車73をリング71の外周面に一体形成すると共に、該リング71を内周側でキャリア69のボス部及びボールベアリング172を介して各走行駆動軸37L,37Rに支承させる一方、外周側でボールベアリング99を介してミッションケース19にも支持させて、歯車73を備えるリング71の安定支持を図っている。なお本実施例でもリング71と歯車73を切離して形成し、リング71を歯車73に、放射方向での変位可能に支持させるようにしてもよい。 【0029】以上の実施例では第1及び第2の可逆転無段変速装置としてそれぞれ、ポンプ斜板29a,33aの傾角制御により無段変速を得る油圧伝動装置28,32を用いたが、この発明は勿論、第1及び第2の可逆転無段変速装置のうちの一者又は両者を、前述したような摩擦機械式等の可逆転無段変速装置として実施することも可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000125853 【氏名又は名称】株式会社 神崎高級工機製作所
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| 【出願日】 |
平成7年5月16日(1995.5.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076509 【弁理士】 【氏名又は名称】石原 芳朗
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| 【公開番号】 |
特開2001−241516(P2001−241516A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2001−27609(P2001−27609) |
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