トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 自動車用自動変速機の制御装置
【発明者】 【氏名】村上 実

【要約】 【課題】オーバードライブキルスイッチの2度押しによる無駄な変速操作をなくし、燃費のよい運転が行える自動車用自動変速機の制御装置を提供すること。

【解決手段】オーバードライブキルスイッチを構成するモーメンタリスイッチ2の立ち上がりを検出して変速制限状態をオーバードライブ使用可から使用不可、または、使用不可から使用可に循環的に書き替える一方(d1〜d6)、モーメンタリスイッチ2の信号に立ち下がりの方が大きくなるように遅延時間を設ける(c1,c5〜c7)。これにより、瞬間的に行われるモーメンタリスイッチ2の2度押し,3度押しに際して最初の操作のみを有効にして2回目以降の操作を無効とし、無駄な変速動作をなくす。また、イグニッション起動時に4速許可の変速制限を初期設定することにより(a4)、オーバードライブを使用した燃費のよい運転を開始できるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 オーバードライブの使用の可否を手動設定するためのモーメンタリスイッチと、オーバードライブの使用の可否を記憶する変速制限状態記憶手段と、前記モーメンタリスイッチの立ち上がり信号を検出する度に前記変速制限状態記憶手段の記憶内容を循環的に書き替える変速制限状態書替手段と、前記変速制限状態記憶手段に記憶された変速制限の範囲内で変速段を選択する自動変速手段とを備えた自動車用自動変速機の制御装置であって、前記モーメンタリスイッチのON/OFF判定にOFFからONよりもONからOFFの方が大きくなるように遅延時間を設けることを特徴とする自動車用自動変速機の制御装置。
【請求項2】 前記変速制限状態書替手段に、イグニッションの起動を検出して前記変速制限状態記憶手段にオーバードライブ使用可の変速制限を書き込む初期設定手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の自動車用自動変速機の制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用自動変速機の制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】4速以上の自動変速機を備えた自動車においては、長い下り坂でのエンジンブレーキやシフトダウンを併用した急加速等の要求を満たすため、オーバードライブの選択を制限するためのオーバードライブキルスイッチが配備されるのが普通である。
【0003】殆どのオートマチック車で、このオーバードライブキルスイッチはオルタネートスイッチによって構成されている。
【0004】しかし、オルタネートスイッチを利用した場合、オーバードライブキルスイッチをONにしたままの状態でイグニッションをOFFにしてしまうと、車両を再起動した後でもスイッチのON状態がそのまま保持されてオーバードライブが選択されない状態が続く。この結果、運転者が駐停車措置の時にスイッチをONにしてあったことを忘れて運転を再開してしまうと、何時まで経ってもオーバードライブは選択されず、燃費が低下するといった問題があった。
【0005】オーバードライブキルスイッチをモーメンタリスイッチによって構成し、イグニッションの起動時に制御装置側の処理でオーバードライブ可能な状態にすることにより、上記問題を解決する方法が知られている。
【0006】この場合、走行中におけるオーバードライブ段使用可,不可の切り替えは、モーメンタリスイッチによって構成されるオーバードライブキルスイッチからの操作信号、より具体的には、その立ち上がり信号を制御装置によって検出し、オーバードライブの使用の可否を循環的に切り替えることによって達成される。
【0007】つまり、走行開始の時点ではオーバードライブ段使用可の状態にあり、次にモーメンタリスイッチを操作したときにはオーバードライブ段使用不可となってオーバードライブの選択が禁止され、更に、もう一度モーメンタリスイッチを操作すれば、オーバードライブ段使用可となってオーバードライブの選択が許可されるといった具合である。
【0008】しかし、時として、悪路走行時の車両の振動や運転者による単純な操作ミス等によりオーバードライブキルスイッチが2度押しされるといった誤操作が生じる場合がある。
【0009】前述した通り、オーバードライブ段使用可,使用不可の切り替えはスイッチ操作の立ち上がり信号を検出することによって直ちに実施されるので、オーバードライブキルスイッチが2度押しされた場合には、例えば、図7(b)に示されるような現象が生じる。
【0010】図7(b)は4速自動変速機を備え、かつ、オーバードライブキルスイッチがモーメンタリスイッチで構成されているオートマチック車でスイッチが2度押しされた場合の変速動作をタイミングチャートによって例示したもので、エンジンの負荷が軽くなる下り坂の区間Xにおいて実際には4速(オーバードライブ)を選択可能な状態でオーバードライブ段の使用を禁止にして3速によるエンジンブレーキを得ようとした場合のものである。
【0011】従って、実際に3速を使用したいのは図7(b)におけるXの区間である。このため、運転者はA1の時点でオーバードライブキルスイッチを操作してオーバードライブの使用を禁止し、自動変速機を強制的に3速に切り替えるが、ここで2度押しの誤操作が生じると、A2の時点で操作信号の立ち上がりが再び検出され、制御装置の側ではこの信号をオーバードライブ段使用可,使用不可の切り替え信号と判断し、直ちに4速の使用を許可してしまうといった問題が生じる。このため、実際に3速によるエンジンブレーキが有効に作用するのは、全区間XのうちX1の区間のみとなってしまい、X2の区間では十分なエンジンブレーキが得られなくなってしまう。
【0012】また、Xの区間を抜ければエンジンブレーキの必要はなくなるので、燃費向上のためにもオーバードライブの使用を許可することが望ましい。従って、運転者はA3の時点で再びオーバードライブキルスイッチを操作して4速の使用を許可しようとするが、実際には前述した2度押しの誤操作によって既にA2の時点でオーバードライブキルスイッチがOFFとされている。よって、運転者がこれに気付かずにA3の時点で改めてオーバードライブキルスイッチを操作すると、再びオーバードライブの使用が禁止され、運転者が望むものとは全く異なる変速作業が行われて、使用可能な変速段が1速から3速に制限されてしまうといった問題が生じる。そして、運転者が錯覚したままの状態で運転を続ければ、オーバードライブの使用禁止状態がそのまま保持されてしまい、著しく燃費が低下する可能性もある。
【0013】以上、オーバードライブキルスイッチの2度押しによって生じる不都合の一例について述べたが、他にも、不必要なシフトアップやシフトダウンが繰り返し行われることによって燃費が低下したり、円滑な走行が阻害される等の弊害がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決するためには、オーバードライブキルスイッチのON,OFFに遅延を設ければよい。
【0015】しかし、このような構成を適用した場合、緊急を要するような変速操作、例えば、シフトダウンによる急加速を実施したいような場合や早急にシフトダウンを実施してエンジンブレーキによる減速を行いたいような場合、応答の遅れが気になる場合がある。
【0016】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の欠点を解消し、応答性、特に、シフトダウン操作に際しての応答性がよく、変速段の選択状態に関する運転者の錯覚や燃費の低下が生じにくい自動車用自動変速機の制御装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、オーバードライブの使用の可否を手動設定するためのモーメンタリスイッチと、オーバードライブの使用の可否を記憶する変速制限状態記憶手段と、前記モーメンタリスイッチの立ち上がり信号を検出する度に前記変速制限状態記憶手段の記憶内容を循環的に書き替える変速制限状態書替手段と、前記変速制限状態記憶手段に記憶された変速制限の範囲内で変速段を選択する自動変速手段とを備えた自動車用自動変速機の制御装置であり、前記目的を達成するため、モーメンタリスイッチのON,OFFに遅延手段を設け、更に、OFFからONになったときよりもONからOFFになったときの遅延時間を長くしたことを特徴とする。
【0018】ここで、オーバードライブキルスイッチを構成するモーメンタリスイッチは、スイッチが操作されている間、例えば、手で押されている間だけONとなり、スイッチを非操作状態としたとき、例えば、手を離したときに自動的にOFFとなるスイッチである。従って、スイッチ操作開始時点でOFFからONへの立ち上がり信号が、また、スイッチ操作完了時点でONからOFFへの立下り信号が検出される。つまり、スイッチの1操作は必ず一対の立ち上がり信号と立下り信号とによって区画されるものであり、この立ち上がり信号と立下り信号との間でスイッチの2度押しが発生することは有り得ない。そして、このモーメンタリスイッチを運転者が操作すると、モーメンタリスイッチの立ち上がり信号が検出され、この検出タイミングがモーメンタリスイッチの立ち下がり信号検出後の遅延時間内にあるか否かを判定する。そして、今回の立ち上がり信号の検出タイミングが前記遅延時間の経過後であれば、変速制限状態書替手段によって変速制限状態記憶手段の記憶内容を循環的に書き替えさせる。つまり、変速制限状態記憶手段は、オーバードライブ使用可の変速制限とオーバードライブ使用不可の変速制限の何れか一方のみを記憶することが可能な記憶手段であり、それ以前にオーバードライブ使用可の変速制限が記憶されていた場合には、前述の立ち上がり信号の検出によってオーバードライブ使用不可の制限条件が新たに書き込まれ、また、それ以前にオーバードライブ使用不可の変速制限が記憶されていた場合には、前述の立ち上がり信号の検出によってオーバードライブ使用可の制限条件が新たに書き込まれることになる。但し、今回の立ち上がり信号の検出タイミングが前記遅延時間内にある場合には、立ち下がり信号を検出した後でも未だスイッチのON状態を保持しているために立ち上がり信号が検出されても無視されるので、モーメンタリスイッチが操作された場合であっても、変速制限状態記憶手段の記憶内容は、それ以前と同じ状態に保持される。そして、自動変速手段は、エンジン負荷その他の条件に応じ、現時点で変速制限状態記憶手段に記憶されている変速制限の範囲内で的確に変速段を選択し、自動変速を実行する。従って、モーメンタリスイッチが連続的に2度押しされた場合には、最初の操作のみが有効となり、2度目の操作、つまり、誤操作は遅延手段の働きによって無視される。これにより、無駄な変速操作、および、運転者が意図しない変速操作の実行が未然に防止され、燃費の低下および変速段の選択状態に関する運転者の錯覚が解消される。また、2度押しとなる前の最初の操作に関しては時間的な遅れもなく的確に検出されるので、運転者が意図した変速操作は確実に実施され、特に、シフトダウン操作を利用した加速やエンジンブレーキによる減速を遅れなく確実に実施することができるようになる。
【0019】更に、前記変速制限状態書替手段には、イグニッションの起動を検出して変速制限状態記憶手段にオーバードライブ使用可の変速制限を書き込む初期設定手段を設けることが可能である。
【0020】この構成を適用した場合、イグニッションの起動時にオーバードライブキルスイッチが自動的に解除されるので、前回に駐停車措置を行った時点における変速制限の状態とは関わりなく、次の運転開始時には、オーバードライブを使用した燃費のよい運転を実施することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明を適用した自動車用自動変速機の制御装置1(以下、単に制御装置という)の機能をブロック化して示す概念図である。
【0022】このうち、モーメンタリスイッチ2は、オーバードライブの使用の可否を手動設定するためのオーバードライブキルスイッチを構成するもので、シフトノブの先端等に配備される。以下、このモーメンタリスイッチをODSと称する。
【0023】また、変速制限状態記憶手段3は、制御装置1に配備されたCPU8(図2参照)に内臓または接続されたメモリによって構成され、オーバードライブ使用可の変速制限またはオーバードライブ使用不可の変速制限のうち何れか一方を記憶するようになっている。
【0024】遅延手段4は、CPU8によって実行される所定の演算プログラムによって構成され、ODS2の立ち上がり信号検出後の所定時間T1経過後にODS2の立ち上がり情報を変速制限状態書替手段5に送り、立ち下がり信号検出後所定時間T2経過後にODS2の立ち下がり情報を変速制限状態書替手段5に送る。
【0025】変速制限状態書替手段5は、CPU8によって実行される所定の演算プログラムによって構成され、ODS2の立ち上がり情報が遅延手段4から送られる度、変速制限状態記憶手段3の記憶内容をオーバードライブ使用可からオーバードライブ使用不可へ、または、オーバードライブ使用不可からオーバードライブ使用可へと循環的に書き替える機能を備える。
【0026】また、この変速制限状態書替手段5は、イグニッションの起動を検出して変速制限状態記憶手段3にオーバードライブ使用可の変速制限を書き込む初期設定手段6を備える。
【0027】自動変速手段7は、CPU8によって実行される所定の演算プログラムによって構成され、制御装置1に接続された様々なセンサ類からの信号を受けてエンジン負荷等の運転状況を演算し、その時点において変速制限状態記憶手段3に記憶されている変速制限の範囲内で前述の運転状況に最も適した変速段を選択し、自動変速機9(図2参照)に各種信号を出力して変速動作を実行させる。
【0028】本実施形態においてはオーバードライブを含めて4段の変速操作が可能な自動変速機9を備えたオートマチック車を例にとって説明しているので、変速制限状態記憶手段3にオーバードライブ使用可の変速制限が記憶されている状態では1速から4速までの全ての変速段が選択可能であり、また、変速制限状態記憶手段3にオーバードライブ使用不可の変速制限が記憶されている状態では、オーバードライブとなる4速の選択のみが禁止され、1速から3速までの変速段が選択可能となる。
【0029】図2は、自動変速機9およびエンジン10と制御装置1との接続関係を具体的に示したブロック図である。
【0030】エンジン10には、エンジン負荷を検出するためのスロットル開度センサ11と、エンジン冷却水の水温を検出するための水温センサ12、および、エンジン10のクランク回転数を検出するための回転センサ13が設けられている。また、自動変速機9には、エンジン10と接続する入力軸の回転数を検出する入力軸回転センサ14と、走行レンジ選択用シフトノブのポジションを検出するためのシフト位置検出センサ15が設けられている。更に、駆動輪と同期して回転するドライブシャフト16の近傍には車両の走行速度を検出するための車速センサ17が配備され、ブレーキ操作系には、ブレーキの動作状態を検出するためのブレーキ動作検出センサ18が設けられている。
【0031】そして、これらの各センサ11〜15および17,18によって検出されるデータが制御装置1のCPU8に入力され、自動変速手段7としてのCPU8が、従来と同様、所定の演算プログラムに従って現在の運転状況に最も適した変速段を演算によって求め、自動変速機9のシフトソレノイドSOL1,SOL2およびロックアップソレノイドSOL3を駆動制御して自動変速機9の変速段を自動的に切り替える。但し、変速制限状態記憶手段3として機能するメモリにオーバードライブ使用不可の変速制限が記憶されている場合にはオーバードライブに相当する4速の選択は禁止され、4速に換えて3速の変速段が選択されることになる。
【0032】本実施形態においては遊星歯車機構を有した自動変速機9を使用しており、シフトソレノイドSOL1,SOL2は各種クラッチ,ブレーキバンドへの油圧の作動を切り換えることによる変速操作を行うために使用され、また、ロックアップソレノイドSOL3は、ロックアップクラッチのON/OFFに使用される。
【0033】以下、図3〜図6のフローチャート、および、図7(a)のタイミングチャートを参照して、変速制限状態書替手段5および遅延手段4として機能するCPU8の処理動作、および、変速制限状態記憶手段3となるメモリに対する変速制限の書き替え動作について詳細に説明する。なお、図7(a)のタイミングチャートでは、従来技術との相違を明確にするため、図7(b)で説明したものと同じ状況でODS2の2度押しが行われた場合を例にとって示している。
【0034】前述した通り、本実施形態においては、ODS2の立ち下がり信号検出後所定時間T2経過後にODS2の立ち下がり情報を変速制限状態書替手段5に送るようにしているので、ODS2の立ち下がり信号の検出を利用して経過時間を測定する必要がある。そこで、まず、タイマTの起動処理について図4のフローチャートを参照して説明する。
【0035】図4は、CPU8のタスク処理の1つとして所定周期毎に繰り返し実行されるタイマ処理の概略を示すフローチャートである。なお、このタイマ処理は、ODS2の立ち下がり信号検出後の経過時間t2の測定の他、立ち上がり信号検出後の経過時間t1を測定するための処理としても利用される。
【0036】タイマ処理を開始したCPU8は、まず、ODS2からの信号がONとなっているか否かを判定し(ステップb1)、ODS2からの信号がOFFとなっている場合には、更に、スイッチON動作記憶フラグF1がセットされているか否か、つまり、前回の周期でODS2がONとなっていたか否かを判定する(ステップb5)。
【0037】スイッチON動作記憶フラグF1は、イグニッション起動時に1回のみ実施される図3の初期化処理におけるステップa1の処理によって運転開始時に自動的にリセットされるので、少なくとも、運転開始直後の段階ではスイッチON動作記憶フラグF1は必ずリセット状態となっている。
【0038】従って、運転開始後、運転者がODS2を操作しないうちはステップb1,ステップb5の判定処理のみが所定周期毎に繰り返し実行されるだけであり、タイマTは全く動作しない。
【0039】ここで、運転者がODS2を操作すると、タイマ処理におけるステップb1の判定処理でODS2のON状態がCPU8によって検出される。次いで、CPU8は、スイッチON動作記憶フラグF1がリセットされているか否か、つまり、前回の周期でODS2がOFFとなっていたか否かを判定するが(ステップb2)、前述した通り、この段階ではスイッチON動作記憶フラグF1はリセット状態に保持されているので、ステップb2の判定結果は真となる。
【0040】従って、CPU8は、タイマt1をリセットして再スタートさせ、ODS2の立ち上がり信号検出後の経過時間の測定を開始すると共に(ステップb3)、スイッチON動作記憶フラグF1をセットして、ODS2がONに切り替わったことを記憶する(ステップb4)。
【0041】このようにしてスイッチON動作記憶フラグF1がセットされる結果、次周期以降のタイマ処理においては、ステップb1,ステップb2の判定処理のみが繰り返し実行されることになり、この間に、タイマt1がODS2の立ち上がり信号検出後の経過時間の測定を継続して行うことになる。
【0042】このようにして、例えば、図7(a)におけるA1あるいはA3の時点等を基点とする経過時間の測定が行われることになる。
【0043】そして、ステップb1,ステップb2の判定処理が繰り返し実行される間にステップb1の判定処理によってODS2がOFFになったことが検出されると、CPU8は、更に、スイッチON動作記憶フラグF1がセットされているか否か、つまり、前回の周期でODS2がONとなっていたか否かを判定する(ステップb5)。
【0044】前述した説明から明らかなように、この段階では既にスイッチON動作記憶フラグF1がセットされているので、ステップb5の判定結果は真となる。これは、前周期の処理から今周期の処理にかけてODS2がONからOFFに切り替わり、ODS2の立ち下がりが検出されたことを意味するものである。従って、CPU8は、タイマt2をリセットして再スタートさせ、立ち下がり信号検出後の経過時間の測定を開始すると共に(ステップb6)、スイッチON動作記憶フラグF1をリセットして、ODS2がOFFに切り替わったことを記憶する(ステップb7)。
【0045】このようにしてスイッチON動作記憶フラグF1がリセットされる結果、次周期以降のタイマ処理においては、ステップb1,ステップb5の判定処理のみが繰り返し実行され、この間に、タイマt2がODS2の立ち下がり信号検出後の経過時間の測定を継続して行うことになる。
【0046】このようにして、例えば、図7(a)におけるB1,B2あるいはB3の時点等を基点とする経過時間の測定が行われることになる。
【0047】以上が、タイマTの起動に関連した処理の概略である。
【0048】図5は、遅延手段4から変速制限状態書替手段5へ送られる判定値SのON/OFF切り替えに関連した判定値設定処理の概略を示すフローチャートであり、この処理も、前述したタイマ処理と同様、CPU8のタスク処理の1つとして所定周期毎に繰り返し実行される。
【0049】判定値設定処理を開始したCPU8は、まず、ODS2からの信号がONとなっているか否かを判定し(ステップc1)、ODS2からの信号がOFFとなっている場合には、更に、判定値SがONとなっているか否かを判定する(ステップc5)。
【0050】判定値Sは、イグニッション起動時に1回のみ実施される図3の初期化処理におけるステップa3の処理によって運転開始時に自動的にOFFに設定されるので、少なくとも、運転開始直後の段階においては判定値Sは必ずOFFの状態となっている。
【0051】従って、運転開始直後の段階ではステップc1,ステップc5の判定処理のみが所定周期毎に繰り返し実行されるだけである。
【0052】ここで、運転者がODS2を操作すると、判定値設定処理におけるステップc1の判定処理でODS2のON状態がCPU8によって検出される。また、前述したタイマ処理においてもODS2のON状態が検出され、ODS2の立ち上がり信号検出後の経過時間t1の計測が前述のアルゴリズムに従って開始される。
【0053】次いで、CPU8は、判定値SがONとなっているか否かを判定するが(ステップc2)、前述した通り、この段階では判定値SはOFF状態に保持されているので、ステップc2の判定結果はOFFとなる。
【0054】そこで、CPU8は、ODS2の立ち上がり信号検出後のタイマt1の計測時間が所定時間T1(例えば、0〜数10ms程度の範囲で設定)に達しているか否かを判定する(ステップc3)。タイマt1の計測時間が所定時間T1に達していなければ、ODS2の操作直後の段階にあるので、CPU8は、ステップc1の判定結果、即ち、ODS2がONに切り替えられたという判定結果を無視してステップc4の処理をスキップし、このまま当該周期の判定値設定処理を終了する。
【0055】以下、CPU8は所定周期毎にステップc1,ステップc2,ステップc3の判定処理を繰り返し実行してタイマt1の計測時間が所定時間T1に達するのを待つことになる。
【0056】最終的に、ODS2の立ち上がり信号検出後のタイマt1の計測時間が所定時間T1に達し、ステップc3の判定結果が真となってODS2の操作が確定した段階で、CPU8は、判定値SをONとする(ステップc4)。判定値SがONに切り替えられるタイミングの一例を図7(a)のC1の時点に示す。
【0057】このようにして判定値SがONとされる結果、次周期以降の判定値設定処理においては、ステップc1,ステップc2の判定処理のみが繰り返し実行されることになる。
【0058】そして、このような処理が繰り返し実行される間にODS2の1回の操作が終了してODS2からの信号がON状態からOFF状態に切り替わると、ステップc1の判定処理によってこの変化が検出される。また、前述したタイマ処理においてもODS2のOFF状態が検出され、ODS2の立ち下がり信号検出後の経過時間t2の計測が前述のアルゴリズムに従って開始される。
【0059】次いで、CPU8は、判定値SがONとなっているか否かを判定するが(ステップc5)、この段階では判定値SはON状態となっているので、ステップc5の判定結果はONとなる。
【0060】そこで、CPU8は、ODS2の立ち下がり信号検出後のタイマt2の計測時間が所定時間T2に達しているか否かを判定するが(ステップc6)、タイマt2の計測時間が所定時間T2に達していなければ、CPU8は、ステップc1の判定結果、即ち、ODS2がOFFに切り替わったという判定結果を無視してステップc7の処理をスキップし、このまま当該周期の判定値設定処理を終了する。
【0061】以下、CPU8は所定周期毎にステップc1,ステップc5,ステップc6の判定処理を繰り返し実行してタイマt2の計測時間が所定時間T2に達するのを待ち、この間、判定値SをON状態に保持する。この待機期間は、例えば、図7(a)のB1の時点を基点とするT2幅の時間帯に相当する。
【0062】この間に、もし、運転者の誤操作によってA2の時点でODS2の2度押しが行われたとすると、CPU8は、ステップc1の判定処理で再びODS2のOFFからONへの変化を検出することになる。また、前述したタイマ処理においてもODS2のOFFからONへの変化が検出されるがタイマt2のリセットは行われず、図7(a)に示す通り、タイマt2は、B1の時点からの経過時間をそのまま計測し続けることになる。
【0063】次いで、CPU8は、ステップC2の処理に移行して判定値SがONとなっているか否かを判定するが(ステップc2)、前述した通り、この段階では判定値SはON状態に保持されているので、ステップc2の判定結果はONとなり、CPU8は、判定値SをON状態に保持したまま当該周期の判定値設定処理を終了し、次周期以降の処理で、ステップc1ステップc2の判定処理を繰り返し実行することになる。
【0064】このような処理が繰り返し実行される間に、例えば、図7(a)におけるB2の時点でODS2がON状態からOFF状態に切り替わると、この変化がステップc1の判定処理で検出される。また、前述したタイマ処理においてもODS2のONからOFFへの変化が検出され、ODS2の立ち下がり信号検出後の経過時間t2の計測が前述のアルゴリズムに従って開始される。
【0065】次いで、CPU8は、判定値SがONとなっているか否かを判定するが(ステップc5)、前述した通り、この段階では判定値SはON状態に保持されているので、ステップc5の判定結果はONとなる。
【0066】従って、CPU8は、ODS2の立ち下がり信号検出後のタイマt2の計測時間が所定時間T2に達しているか否かを判定するが(ステップc6)、タイマt2の計測時間が所定時間T2に達していなければ、CPU8は、ステップc1の判定結果、即ち、ODS2がOFFに切り替わったという判定結果を無視してステップc7の処理をスキップし、このまま当該周期の判定値設定処理を終了する。
【0067】以下、CPU8は所定周期毎にステップc1,ステップc5,ステップc6の判定処理を繰り返し実行してタイマt2の計測時間が所定時間T2に達するのを待ち、この間、判定値SをON状態に保持する。この期間は、例えば、図7(a)のB2の時点を基点とするT2幅の時間帯に相当する。
【0068】この間にODS2の操作が検出されなければ、タイマt2の計測時間が所定時間T2に達した段階でステップc6の判定結果が真となり、CPU8は、判定値SをOFFとする(ステップc7)。
【0069】判定値SがOFFに切り替えられるタイミングの一例を図7(a)のD1の時点に示す。この段階で、ODS2および判定値Sは共にOFFとなって初期状態に復帰し、図7(a)のA1の時点以前と同じ状況となる。
【0070】無論、B2の時点とD1の時点との間にODS2が誤操作されて3度押しの現象が生じることも可能性としてはあるが、その場合には、前述したA2の時点と同様の処理が実施されることになり、判定値SはON状態のままに保持される。
【0071】このようにして判定値SがOFFに書き替えられた後、或る程度の時間が経過して、例えば、図7(a)におけるA3の時点で再びODS2が正常に操作されると、CPU8は、前述したA1の時点と同様の処理操作を繰り返し実行する。つまり、ODS2のONを検出したA3の時点からT1だけ遅れてC2の時点で判定値SをONに再設定することになる。
【0072】以上に述べたことから明らかなように、最初にODS2の立ち上がり信号が検出された時点からT1だけ遅れて判定値SがONにセットされ、この立ち上がり信号に対応する立ち下がり信号が検出されてから所定時間T2が経過するまでの間は判定値SがそのままONの状態に保持される。そして、このT2の時間内に新たにODS2の立ち上がり信号が検出された場合には、この時点で検出された立ち上がり信号に対応する立ち下がり信号が検出されるまでの間と、この立ち下がり信号が検出されてから所定時間T2が経過するまでの間に亘って判定値SがそのままONの状態に保持されることになる。
【0073】つまり、ODS2が連続的に操作された場合には、その操作回数が何回であろうとも、その連続操作が繰り返される間および最後の操作が終わってからT2の時間が経過するまでの間に渡って判定値SのON状態が保持されるということである。
【0074】従って、例えば、図7(a)におけるA1,B1およびA2,B2の時点のように、ODS2の2度押しや3度押しによってODS2の立ち上がり信号や立ち下がり信号が連続的に検出された場合であっても、変速制限状態である判定値Sを利用することにより、2度押しや3度押しによって頻繁に発生する立ち上がり信号や立ち下がり信号に惑わされることなく、これらの連続的なON/OFF操作を1つの纏まったON/OFF操作として認識することができるようになる。
【0075】従って、判定値S自体の立ち上がり、つまり、判定値SのOFFからONへの変化を検出し、この検出タイミングで変速制限状態記憶手段3の記憶内容をオーバードライブ使用可からオーバードライブ使用不可へ、または、オーバードライブ使用不可からオーバードライブ使用可へと循環的に書き替えることにより、ODS2の2度押しや3度押しによる無意味な変速動作を回避することが可能である。
【0076】図6は、変速制限状態記憶手段3(図1参照)の記憶内容を書き替えるための変速制限書替処理の概略を示すフローチャートであり、この処理も、前述したタイマ処理および判定値設定処理と同様、CPU8のタスク処理の1つとして所定周期毎に繰り返し実行されるようになっている。
【0077】変速制限書替処理を開始したCPU8は、まず、判定値SがONとなっているか否かを判定し(ステップd1)、判定値SがOFFとなっている場合には、更に、切替完了フラグF2がセットされているか否か、つまり、前回の周期における判定値SがONとなっていたか否かを判定する(ステップd7)。
【0078】切替完了フラグF2は、イグニッション起動時に1回のみ実施される図3の初期化処理におけるステップa2の処理によって運転開始時に自動的にリセットされるので、少なくとも、運転開始直後の段階では切替完了フラグF2は必ずリセット状態となっている。
【0079】従って、運転開始後の初期段階では、ステップd1,ステップd7の判定処理のみが所定周期毎に繰り返し実行されるだけであり、変速制限状態記憶手段3の記憶内容の書き替えは全く行われない。
【0080】また、変速制限状態記憶手段3には、イグニッション起動時にCPU8の初期設定手段6によって1回のみ実施される図3の初期化処理におけるステップa4の処理によって運転開始時に自動的に4速許可(オーバードライブ使用可)の変速制限が書き込まれるので、運転開始の初期段階においては、自動変速手段7としてのCPU8の演算結果に応じて1速から4速の変速段の何れを選択することも可能であり、これにより、従来問題となっていた使用変速段の制限による燃費の悪化が解消される。
【0081】自動変速手段7(図1参照)としてのCPU8が各種センサ11〜15および17〜18の情報に基づいて変速段を求めるための処理も別のタスクで行われているが、この演算処理に関しては既に公知であり、また、本発明との直接的な関係もないので、ここでは説明を省略する。
【0082】そして、ステップd1,ステップd7の処理が繰り返し実行される間にステップd1の判定処理で判定値SがONに切り替わったことが検出されると、CPU8は、次いで、切替完了フラグF2がリセットされているか否か、つまり、前回の周期における判定値SがOFFとなっていたか否かを判定するが(ステップd2)、前述した通り、この段階では切替完了フラグF2はリセット状態に保持されているので、ステップd2の判定結果は真となる。
【0083】次いで、CPU8は、変速制限状態記憶手段3に4速禁止(オーバードライブ使用不可)の変速制限が書き込まれているか否かを判定するが(ステップd3)、この段階での変速制限は4速許可となっているので、ステップd3の判定結果は偽となる。従って、変速制限状態書替手段5としてのCPU8は、変速制限状態記憶手段3に改めて4速禁止の変速制限を書き込んでオーバードライブである4速の使用を禁止し(ステップd6)、切替完了フラグF2をセットして、判定値Sの立ち上がり検出に伴う変速制限状態記憶手段3の書替処理が完了したことを記憶する(ステップd5)。
【0084】このようにして切替完了フラグF2がセットされる結果、次周期以降の変速制限書替処理においては、ステップd1,ステップd2の判定処理のみが繰り返し実行されることになり、この間、変速制限状態記憶手段3には4速禁止の変速制限が保持されることになる。
【0085】このようにして、例えば、図7(a)におけるC1の時点からオーバードライブである4速の使用が禁止されることになる。前述した通り、図7(a)の例では、車両が下り坂に入ってエンジンブレーキを効かせる操作を行うことを想定している。従って、エンジン負荷は軽く、各種センサ11〜15および17〜18の情報に基づく自動変速手段7としてのCPU8の演算結果によれば4速の使用が可能だが、変速制限状態記憶手段3によって4速の使用が禁止されているので、CPU8は4速に代えて3速を選択することになり、下り坂のエンジンブレーキが有効に作用する。この変速操作が行われるのは、図7(a)に示されるとおり、ODS2の最初の操作開始時点A1から見ると所要時間T1の遅れがあるが、この時間は十分に短く、運転者が違和感を感じるようなものではない。
【0086】図7(a)の例のように、A1時点における変速操作の実行直後、例えば、A2の時点で誤操作による2度押しが発生する場合もあるが、前述した通り、このような2度押しが行われたとしても判定値Sに影響が与えられることはないので、従来技術で問題となっていたような無駄な変速操作、例えば、図7(b)のA2の時点に見られるような無駄な変速操作は行われない。
【0087】その後、判定値SがONに保持される間、つまり、図7(a)に示されるD1の時点に達するまでの間は、前記と同様にしてステップd1,ステップd2の判定処理のみが繰り返し実行され、この間、変速制限状態記憶手段3には4速禁止の変速制限が保持される。
【0088】そして、図7(a)に示されるD1の時点で判定値SがONからOFFに切り替わると、CPU8はステップd1の判定処理でこれを検出し、切替完了フラグF2がセットされているか否か、つまり、前回の周期で判定値SがONとなっていたか否かを判定するが(ステップd7)、前述した通り、この段階では既に切替完了フラグF2がセットされているので、ステップd7の判定結果は真となる。
【0089】従って、CPU8は、切替完了フラグF2をリセットして、判定値SがONからOFFに切り替わったことを記憶する(ステップd8)。
【0090】このようにして切替完了フラグF2がリセットされる結果、次周期以降の変速制限書替処理においては、ステップd1,ステップd7の判定処理のみが繰り返し実行され、この間、変速制限状態記憶手段3には4速禁止の変速制限が保持される。
【0091】そして、このような処理が繰り返し実行される間に、ステップd1の判定処理で再び判定値SがONに切り替わったことが検出されると、CPU8は、次いで、切替完了フラグF2がリセットされているか否か、つまり、前回の周期で判定値SがOFFとなっていたか否かを判定するが(ステップd2)、前述した通り、この段階では切替完了フラグF2はリセット状態に保持されているので、ステップd2の判定結果は真となる。
【0092】次いで、CPU8は、変速制限状態記憶手段3に4速禁止の変速制限が書き込まれているか否かを判定するが(ステップd3)、この段階での変速制限は4速禁止となっているので、ステップd3の判定結果は真となる。従って、変速制限状態書替手段5としてのCPU8は、変速制限状態記憶手段3に改めて4速許可の変速制限を書き込んでオーバードライブである4速の使用を許可し(ステップd4)、切替完了フラグF2をセットして、判定値Sの立ち上がり検出に伴う変速制限状態記憶手段3の書替処理が完了したことを記憶する(ステップd5)。
【0093】このようにして切替完了フラグF2がセットされる結果、次周期以降の変速制限書替処理においては、ステップd1,ステップd2の判定処理のみが繰り返し実行されることになり、この間、変速制限状態記憶手段3には4速許可の変速制限が保持されることになる。
【0094】このようにして、例えば、図7(a)におけるC2の時点からオーバードライブである4速の使用が再び許可されることになる。前述した通り、この例ではA3の時点で下り坂が終了してエンジンブレーキの利用が不要となり、オーバードライブ使用不可の変速制限が解除され、各種センサ11〜15および17〜18の情報に基づく自動変速手段7としてのCPU8の演算結果に応じ、最も適切とされる変速段が自動的に選択されるようになる。この段階では、下り坂終了直後の状態にあってエンジン負荷も軽いので、結果的に、自動変速手段7としてのCPU8は最も燃費の良い4速のオーバードライブを選択してシフトアップ操作を行うことになる。
【0095】既に述べた通り、A1およびA2の時点におけるODS2の2度押しはCPU8によって1回の操作として認識され、C1の時点からC2の時点で確実に4速禁止の制限が適用されているので、図7(a)および図7(b)に示されるXの区間、つまり、強力なエンジンブレーキが必要とされる区間で確実にオーバードライブである4速の使用を禁止することができる。
【0096】また、この区間で確実に4速禁止の使用制限が実施される結果、下り坂の終わりのA3の時点で運転者がODS2を操作することにより、確実に4速禁止の制限を解除して、再び高燃費の運転を再開することができる。これにより、図7(b)の例のように、A2の時点からA3の時点で実際には既に4速許可とされているにも関わらず、運転者が勝手に4速禁止状態にある筈だと錯覚してA3の時点で再びODS2を操作することによって4速の使用を無意識に禁止し、強力なエンジンブレーキの必要のない平地走行で自ら4速の使用を制限して燃費を悪くしてしまうといったような操作ミス・判断ミスの発生も確実に防止することができる。
【0097】そして、ステップd1,ステップd2の判定処理が繰り返し実行される間に前述した判定値設定処理によって再びD2の時点で判定値SがONからOFFに切り替えられると、CPU8は、ステップd1の判定処理でこれを検出し、切替完了フラグF2がセットされているか否か、つまり、この周期におけるステップd1の判定処理が実行される直前の段階で判定値SがONとなっていたか否かを判定するが(ステップd7)、前述した通り、この段階では切替完了フラグF2のセット状態が保持されているので、ステップd7の判定結果は真となる。
【0098】従って、CPU8は、切替完了フラグF2をリセットして、判定値SがONからOFFに切り替わったことを記憶する(ステップd8)。
【0099】この段階で判定値Sおよび切替完了フラグF2は共にOFFとなって初期状態に復帰し、図7(a)におけるA1の時点以前と同じ状況となり、CPU8は、ODS2の新たな操作や判定値Sの新たな立ち上がりを検出するための待機処理を開始する。
【0100】以上、一実施形態として変速制限書替処理において判定値SのOFFからONへの立ち上がりを直接的に検出して変速制限状態記憶手段3の記憶内容を循環的に書き替える例について述べたが、これとは別にODS2のOFFからONへの立ち上がりを検出し、そのときに判定値SがONとなっているか否かを判定して判定値SがOFFとなっている場合に限って変速制限状態記憶手段3の記憶内容の書き替えを許容するような構成としてもよい。
【0101】
【発明の効果】本発明による自動車用自動変速機の制御装置は、オーバードライブキルスイッチとしてモーメンタリスイッチを採用し、モーメンタリスイッチの立ち上がり信号を検出する度にオーバードライブ使用可の状態から使用不可の状態、あるいは、使用不可の状態から使用可の状態へと循環的に変速制限を切り替える一方、モーメンタリスイッチの信号に立ち下がりの方が大きくなるように遅延時間を設けるようにしているので、運転者の誤操作によってオーバードライブキルスイッチの2度押しや3度押しが連続的に発生した場合であっても、変速制限状態の書き替えに対して有効に作用するのは最初の1操作のみとなり、これに引き続いて行われる誤操作が変速制限状態の切り替えに影響を与えることはないので、繰り返し実行される無意味な変速操作や運転者が意図しない変速操作の実行が未然に防止される。また、運転者が意図しない変速操作が行われなくなる結果として、運転者が変速段の選択状態を錯覚することもなくなり、例えば、下り坂の終了時には必ずオーバードライブの使用を許可するといった道路状況に応じた適切な変速制限が可能となって車両の燃費が一層向上する。また、2度押しとなる前の最初の操作に関しては時間的な遅れもなく的確に検出されるので、運転者が意図した変速操作は確実に実施され、特に、シフトダウン操作を利用した加速やエンジンブレーキによる減速を遅れなく確実に実施することができるようになる。
【0102】更に、イグニッションの起動を検出して変速制限状態記憶手段にオーバードライブ使用可の変速制限を最初に適用すべき制限事項として書き込むようにしているので、前回に駐停車措置を行った時点における変速制限の状態とは関わりなく、次の運転開始時には、オーバードライブを使用した燃費のよい運転を実施することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
【出願日】 平成12年1月18日(2000.1.18)
【代理人】 【識別番号】100079164
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 勇
【公開番号】 特開2001−200924(P2001−200924A)
【公開日】 平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願番号】 特願2000−8815(P2000−8815)