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【発明の名称】 自動車用の無段階に調節可能なトランスミッションにおける力伝達を調整する方法
【発明者】 【氏名】フェルディナント グロープ

【氏名】マルティン−ペーター ボルツ

【氏名】ホルガー ヒュルザー

【要約】 【課題】簡単かつ安価な方法によって、無段階に調節可能なトランスミッションでの力伝達を調整して、トランスミッションの効率を高める。

【解決手段】巻き掛けエレメント30の圧着を、車両車輪からトランスミッション16に伝達される対抗トルクに依存して決定するように動力伝達を制御するようになっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動車用の無段階に調節可能なトランスミッションにおける力伝達を調整する方法であって、自動車の駆動トレイン内に設置された車両エンジンから、トランスミッション入力トルクをトランスミッションの巻き掛けエレメントに伝達させ、該巻き掛けエレメントと、トランスミッション内において巻き掛けエレメントに後置されたエレメントとの、調節された摩擦力結合(圧着)に応じて、トランスミッション出力トルクをトランスミッション出力軸を介して車両車輪に伝える方法において、巻き掛けエレメントの圧着を、車両車輪からトランスミッションに伝達される対抗トルクに依存して決定することを特徴とする、自動車用の無段階に調節可能なトランスミッションにおける力伝達を調整する方法。
【請求項2】
【数1】

請求項1記載の方法。
【請求項3】 まず衝撃(R)を次の関係式によって算定し、【数2】

式中、Kは駆動軸および駆動トレイン支承部のばね定数の関数であり、さらにRを積分することによって対抗トルク(Mg,r)を推定する、請求項2記載の方法。
【請求項4】 積分によって算出された対抗トルク(Mg,r)を、負荷の交番状態で、別の、該状態での有効なトルクと比較検討する、請求項3の方法。
【請求項5】 巻き掛けエレメント(30)の圧着を、長い運転段階で、特にほぼ一定の変換比において、減少させる、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用の無段階に調節可能なトランスミッションにおける力伝達を調整する方法であって、自動車の駆動トレイン内に設置された車両エンジンから、トランスミッション入力トルクをトランスミッションの巻き掛けエレメントに伝達させ、該巻き掛けエレメントと、トランスミッション内において巻き掛けエレメントに後置されたエレメントとの、調節された摩擦力結合(圧着)に応じて、トランスミッション出力トルクをトランスミッション出力軸を介して車両車輪に伝える方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の駆動のために、車両エンジンより生まれたエンジントルクは、駆動トレイン内に配置されたその他の構成部材を介して、車両車輪に伝達される。車両車輪に生じた車輪トルクは、この場合、車両エンジンで本来生まれたトルクより常に小さい。なぜなら、トルクが伝達される際に、駆動トレインにおける各構成部材間で、特に摩擦損失が生じるからである。無段階に調節可能なトランスミッションを使用する場合、まず、トランスミッション入力トルクが、トランスミッションの巻き掛けエレメントに伝達される。巻き掛けエレメントは、トランスミッション内において巻き掛けエレメントに後置されたエレメントに摩擦力結合されており、このエレメントを介して、最終的には、トランスミッション出力トルクがトランスミッション出力軸に、さらに車両車輪に伝達される。巻き掛けエレメントから、それに後置されたエレメントへのトルク伝達の効率は、調節される摩擦力結合(圧着)に依存する。圧着が強すぎる場合、効率は極端に低い。これに対して、圧着が弱すぎる場合には巻き掛けエレメントがすべり落ち、損傷に至ることもある。したがって、この圧着を、常に最適に、トランスミッションから伝達されるトルクに適合させることが必要である。
【0003】巻き掛けエレメントを備えた無段階に調節可能なトランスミッションのための従来の制御装置は、エンジントルクから所望のトランスミッション入力トルクを算定し、巻き掛けエレメントをこのトルクに応じて圧着する。この場合、被駆動側からのモーメント衝突を確実に受け止めるために、常に特定の過剰圧着が必要である。原則的に、この場合には、例えばドイツ連邦共和国特許第2727556号明細書で公知であるように、トルクセンサによってこのようなモーメント衝突(衝撃)を検出し、場合によっては相応なトランスミッションの制御装置を介して補償することもできる。しかし、付加的なねじりエレメントを自動車の駆動トレイン内に組み込むことが必要であり、これにより、さらに多くの構成が必要である一方で、付加的に生産コストも発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ゆえに、本発明の課題は、簡単かつ安価な方法によって、無段階に調節可能なトランスミッションでの力伝達を調整して、トランスミッションの効率を高めることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために、本発明の方法では、巻き掛けエレメントの圧着を、車両車輪からトランスミッションに伝達される対抗トルクに依存して決定するようにした。
【0006】
【発明の効果】請求項1の特徴部に記載の構成を備えた、本発明による、無段階に調節可能なトランスミッションでの力伝達の調整の方法によって、車両車輪から作用する対抗トルクを、巻き掛けエレメントの圧着を調整するために利用されることができる。巻き掛けエレメントの圧着が、車両車輪からトランスミッションに伝達された対抗トルクに依存して決定されることによって、例えば、長い運転段階(Betriebsphase)で、巻き掛けエレメントの圧着は減少し、これにより、トランスミッションの効率が高められる。
【0007】対抗トルクは、有利には、トランスミッション出力軸および車輪の回転速度の関数として算定される。ここで、通常、いずれにせよ車両内に設置される回転数センサを利用することができる。さらに付加的に、駆動軸および駆動トレイン支承部のばね定数が考慮される場合には、衝撃がまず初めに計算される。積分により、さらに、車両車輪からトランスミッションに伝えられた対抗トルクが推定される。
【0008】この場合、有利には、誤差をできるだけ小さくするために、この積分値が常に有効なトルク値と検定される。これには、特に負荷交番の状態が適している。なぜならば、有効なトルク値は、負荷が小さい場合には、非常に正確に、回転数信号でのジャンプとして認識できるからである。このようにして、トランスミッションに生じた対抗トルクは、特に正確な方法で予測され、さらに巻き掛けエレメントの圧着がそれに応じて制御される。
【0009】本発明の別の有利な構成は、その他の、従属請求項に記載の特徴によってもたらされる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0011】図1には、主に自動車の駆動のために必要な、駆動トレイン10内のユニットが概略的に示されている。この駆動トレイン10は、特に車両エンジン12、クラッチ14、トランスミッション16、およびデファレンシャル26と車輪を備えた車軸18を有している。車両エンジン12から、エンジントルクMmotは、被駆動軸20を介してクラッチ14に伝達される。クラッチが接続されている場合には、このエンジントルクMmotは、トランスミッション入力トルクMに変換され、トランスミッション入力軸22を介してトランスミッション16に与えられる。トランスミッション出力軸24には後で詳しく述べるようにトランスミッション16を介して、トランスミッション出力トルクMgaが供給される。トランスミッション出力軸24は、後車軸18のデファレンシャル26と作用係合しており、したがって、最終的に、自動車の駆動のために必要な車輪トルクMradが、自動車車輪に生じる。
【0012】トランスミッション16は、無段階に調節可能なトランスミッションであり、トランスミッション制御装置28を介して自動化することができる。この場合、最終的に車両エンジン12から与えられたトランスミッション入力トルクMgeは、トランスミッション16の巻き掛けエレメント30に伝達される。トランスミッション内において巻き掛けエレメントに後置されたエレメント32と巻き掛けエレメント30との調節された摩擦力結合(圧着)に応じて、トランスミッション出力トルクMgaが生じる。本発明による方法によれば、この巻き掛けエレメント30の圧着は、自動車車輪からトランスミッション16に伝達された対抗トルクMg,rに依存して決定される。このようにして、最適な圧着の調節が可能になる。
【0013】被駆動側から働く対抗トルクMg,rを測定するためには、自動車車輪とトランスミッション出力側との間の緊張を評価しなければならない。そのため、駆動された車輪およびトランスミッション出力側における回転数センサ34からの情報が評価される。この回転数センサ34は通常、すでに自動車に組み込まれており、例えば駆動トレイン10のユニットの調節のために必要である。位相状態、つまり駆動軸の緊張は、軸によって伝えられた対抗トルクMg,rのための直接的な尺度である。この対抗トルクMg,rは、次の関係によって決められる。
【0014】
【数3】

【0015】式中、Kは駆動軸および駆動トレイン支承部のばね定数の関数であり、φga、φrad,R、φrad,Lは、トランスミッション出力軸24、並びにここで示されている左側および右側の車輪の角度信号を表している。これらの角度信号は測定技術的な理由から得られないが、回転数センサ34を介して時間による角信号の導関数は検出可能であるので、衝撃R、つまり対抗トルクMg,rの時間的変化を求めることができる。衝撃Rは、次式で表される。
【0016】
【数4】

【0017】Rを積分することによって、車輪からトランスミッション16に伝えられた対抗トルクMg,rが推測される。積分する際の誤差をできるだけ小さくするために、このようにして求められたトルクは、常に最終的なトルク値と検定されなければならない。この検定は特に簡単に、負荷交番の状態で達成される。なぜなら、負荷が小さい場合には、デファレンシャル26における避けられないゆるみによって、回転数信号で、ジャンプが認識可能であるからである。
【0018】自動車車輪から伝えられた対抗トルクMg,rの算出に基づいて、トランスミッション制御装置28を介して、トランスミッション16の巻き掛けエレメント30と、この巻き掛けエレメント30に後置されたエレメント32との間の摩擦力結合が調節される。これは、例えば次のように行われる。すなわち、長い運転段階で、特にほぼ一定の変換比において、圧着が減少し、これにより、トランスミッション16の効率が高められるように行われる。
【出願人】 【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【出願日】 平成12年12月18日(2000.12.18)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外4名)
【公開番号】 特開2001−200922(P2001−200922A)
【公開日】 平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願番号】 特願2000−384314(P2000−384314)