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【発明の名称】 内燃機関のチェーンテンショナ装置
【発明者】 【氏名】鈴木 正倫

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関のクランクシャフトに装着されるクランクスプロケットとカムシャフトに装着されるカムスプロケットとを捲回するチェーンを設け、このチェーンにテンショナをアジャスタにより押圧してチェーンに適正な張力を与える内燃機関のチェーンテンショナ装置において、前記チェーンの外側にテンショナを取付け、チェーンの内側のシリンダヘッドに荷重方向がチェーンのゆるみ側から張り側へ指向すべく前記アジャスタを配設し、該アジャスタと前記テンショナとを連絡するテンショナアームを前記アジャスタの一部を覆うように内燃機関の表面側に突出する断面C形状の湾曲状に形成し、このテンショナアームの一端をテンショナに取付けるとともに他端に前記アジャスタのパッドを固着し、該パッドを介してテンショナアームはアジャスタに装着されることを特徴とする内燃機関のチェーンテンショナ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関のチェーンテンショナ装置に係り、特にアジャスタによる押圧時にチェーンを引き込み、チェーンに適正な張力を与える内燃機関のチェーンテンショナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンは、ピストンの往復運動を回転運動に変換するクランクシャフトを有している。このクランクシャフトからの回転力たる駆動力は、例えばカムシャフトに伝達され、カムシャフトにて回転動作を吸排気弁の開閉動作に変換している。
【0003】このとき、前記クランクシャフトに装着されるクランクスプロケットと、2本の第1、第2カムシャフトに夫々装着される第1、第2カムスプロケットとにチェーンを捲回し、クランクシャフトからの駆動力伝達経路としている。
【0004】また、前記チェーン近傍にはテンショナが配設されており、アジャスタによってテンショナをチェーンに押圧させ、チェーンに適正な張力を与えている。
【0005】前記内燃機関のチェーンテンショナ装置としては、実公平1−30682号公報に開示されるものがある。この公報に開示されるチエンテンショナーは、チエンテンショナーをチエンに圧接する方向にバネによって付勢されるとともに、ラチェットによりバネによる付勢方向と逆には動けないようにされたロッドの先端に、く字状に曲げて撓み代を設けたバネ板を連結し、パネル板の先端をチエンテンショナーの先端に掛止めるようにし、エンジンの冷機時と暖機時による熱変化で起こるチエンを巻掛けたスプロケット間の軸間寸法をバネ板で吸収し、チエンの張り過ぎを防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の内燃機関のチェーンテンショナ装置においては、図5に示す如く、内燃機関102の一側たる表面にクランクスプロケット114と吸気側第1カムスプロケット116と排気側第2カムスプロケット118とを配設し、これらクランクスプロケット114と第1、第2カムスプロケット116、118とにチェーン120を捲回している。
【0007】このチェーン120は、運転中に歯飛びや騒音を惹起するので、チェーン120の張り側、つまり図5において右側のチェーン120の外部近傍に第1ガイド部122を配設するとともに、第1、第2カムスプロケット116、118間且つチェーン120の外部近傍に第2ガイド部124を配設し、前記チェーン120のゆるみ側、つまり図5において左側のチェーン120の外部近傍にはテンショナ126を揺動自在に配設する。
【0008】また、チェーン120外側且つテンショナ126の揺動端部外側のシリンダブロック106にアジャスタ128を配設し、テンショナ126を押圧する構成としている。
【0009】そして、アジャスタ128の押し出し力によってテンショナ126をチェーン120に押圧させ、適正な張力を確保している。
【0010】この結果、テンショナを押圧する構成のものにおいては、アジャスタがチェーン外側且つテンショナの揺動端部外側に配設されることにより、シリンダヘッドやシリンダブロックの幅方向の寸法が大となり、レイアウトにおいてコンパクト化し難く、重量の増加を招き、実用上不利であるという不都合がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、内燃機関のクランクシャフトに装着されるクランクスプロケットとカムシャフトに装着されるカムスプロケットとを捲回するチェーンを設け、このチェーンにテンショナをアジャスタにより押圧してチェーンに適正な張力を与える内燃機関のチェーンテンショナ装置において、前記チェーンの外側にテンショナを取付け、チェーンの内側のシリンダヘッドに荷重方向がチェーンのゆるみ側から張り側へ指向すべく前記アジャスタを配設し、該アジャスタと前記テンショナとを連絡するテンショナアームを前記アジャスタの一部を覆うように内燃機関の表面側に突出する断面C形状の湾曲状に形成し、このテンショナアームの一端をテンショナに取付けるとともに他端に前記アジャスタのパッドを固着し、該パッドを介してテンショナアームはアジャスタに装着されることを特徴とする。
【0012】
【作用】上述の如く発明したことにより、チェーンの張り側とゆるみ側間に配設されるアジャスタによる押圧時には、張力調整手段によってチェーンを引き込み、チェーンに適正な張力を与えるとともに、シリンダヘッドやシリンダブロックの幅方向の寸法を小とし、レイアウトにおけるコンパクト化を果たしている。
【0013】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【0014】図1及び図2はこの発明の第1実施例を示すものである。図1において、2は図示しない自動車に搭載される4サイクルの内燃機関、4はシリンダヘッド、6はシリンダブロックである。
【0015】前記内燃機関2は、シリンダヘッド4と、このシリンダヘッド4下面に装着されるシリンダブロック6とを有している。
【0016】また、シリンダブロック6下面にクランクシャフト8を軸支して設け、前記シリンダヘッド4上面には、2本の吸気用第1カムシャフト10と排気用第2カムシャフト12とを軸支して設ける。
【0017】そして、前記クランクシャフト8の一端、つまり前記内燃機関2の一側である表面側にクランクスプロケット14を装着するとともに、前記第1、第2カムシャフト10、12の一端に第1、第2カムスプロケット16、18を夫々装着し、クランクスプロケット14と第1、第2カムスプロケット16、18とにタイミング用チェーン20を捲回して設ける。
【0018】また、チェーン20の張り側、つまり図1において右側のチェーン20の外部近傍に第1ガイド部22を配設するとともに、第1、第2カムスプロケット16、18間且つチェーン20の外部近傍に第2ガイド部24を配設し、前記チェーン20のゆるみ側、つまり図1において左側のチェーン20の外部近傍にはテンショナ26を配設し、このテンショナ26は、下端を中心として揺動自在とすべくシリンダブロック6に装着されている。
【0019】前記チェーン20の張り側とゆるみ側間、つまりチェーン20の内側のシリンダヘッド4に荷重方向がチェーン20のゆるみ側から張り側へ指向すべくアジャスタ28を配設し、該アジャスタ28と前記テンショナ26とを連絡するテンショナアーム32を前記アジャスタ28の一部を覆うように内燃機関2の表面側に突出する断面C形状の湾曲状に形成し、このテンショナアーム32の一端をテンショナ26に取付けるとともに他端に前記アジャスタ28のパッド36を固着し、該パッド36を介してテンショナアーム32はアジャスタ28に装着される構成とする。
【0020】詳述すれば、前記チェーン20に適正な張力を与える張力調整手段30は、テンショナ26と、このテンショナ26と前記アジャスタ28とを連絡するエクステンションプレートであるテンショナアーム32と、このテンショナアーム32の一端側を前記テンショナ26に固定する固定ボルト34とからなる。
【0021】また、前記チェーン20の内側のシリンダヘッド4にアジャスタ28を配設する際に、アジャスタ28の後述するプランジャ38の押し出し方向たる前記荷重方向が、図1及び図2において右側方向に指向すべく配設する。
【0022】そして、前記テンショナアーム32の一端側を、前記内燃機関2の一側たる表面側から固定ボルト34によってテンショナ26に固定するものである。このとき、テンショナアーム32の他端側に前記アジャスタ28の耐摩耗性のパッド36を固着し、このパッド36を介してテンショナアーム32は前記アジャスタ28に装着される。
【0023】更に、前記テンショナアーム32は内燃機関2の表面側に突出する湾曲形状に形成され、アジャスタ28の一部を包囲しつつアジャスタ28との干渉を回避している。
【0024】つまり、前記テンショナアーム32を、図1に示す如く、環状に形成するとともに、図2に示す如く、断面C字形状に形成し、前記アジャスタ28の一部を包囲しつつアジャスタ28との干渉を回避し、且つ高い剛性を確保する。
【0025】更にまた、前記テンショナアーム32の他端側には前記アジャスタ28のパッド36が固着されており、このパッド36と前記アジャスタ28のプランジャ38先端部位間の荷重の伝達を確実とすべく、つまりテンショナアーム32がテンショナ26と共に揺動する際に余分な分力の発生を防止するために、図2に示す如く、パッド36の接触側を円弧状に形成する。
【0026】次に作用について説明する。
【0027】前記アジャスタ28のプランジャ38が、バネの付勢力あるいは油圧によって図1及び図2の右側方向に突出すると、プランジャ38の先端がパッド36を押し、テンショナアーム32を介してテンショナ26を引き込み、テンショナ26をチェーン20に押圧させてチェーン20に適正な張力を与える。
【0028】このとき、前記パッド36は、テンショナ26の揺動動作により、プランジャ38の先端部位との当り位置を上下に変化させつつアジャスタ28からの荷重をテンショナアーム32に伝達させている。
【0029】これにより、前記アジャスタ28をチェーン20の張り側とゆるみ側間に配設することができ、シリンダヘッド4及びシリンダブロック6をの幅方向の寸法を小としてコンパクト化でき、重量を軽減し得て、実用上有利である。
【0030】また、前記内燃機関2を四輪車両に搭載すれば、エンジンルームを小さくでき、客室容積を大とすることができるとともに、重量軽減によって燃費を向上させることができる。
【0031】更に、前記張力調整手段30を設けたことにより、従来のアジャスタ機能を変化させることなく使用することができ、実用上有利である。
【0032】更にまた、前記張力調整手段30を、テンショナ26と、このテンショナ26とアジャスタ28とを連絡するテンショナアーム32と、テンショナアーム32の一端側をテンショナ26に固定する固定ボルト34とにより構成したことにより、アジャスタ28の押圧力をテンショナアーム32を介してテンショナ26に確実に伝達させることができ、テンショナ26によってチェーン20を引き込み、チェーン20に適正な張力を付与し得るものである。
【0033】図3及び図4はこの発明の第2実施例を示すものである。この第2実施例において、上述第1実施例と同一機能を果たす箇所には同一符号を付して説明する。
【0034】上述第1実施例においては、前記張力調整手段30を、テンショナ26と、テンショナ26とアジャスタ28とを連絡するテンショナアーム32と、テンショナアーム32の一端側をテンショナ26に固定する固定ボルト34とにより構成したが、この第2実施例の特徴とするところは、張力調整手段40を一体的に形成した点にある。
【0035】すなわち、図3及び図4に示す如く、テンショナ部分と、このテンショナ部分と前記アジャスタ28とを連絡するテンショナアーム部分とを一体的に形成した張力伝達部42を設け、張力調整手段40として機能させるものである。
【0036】また、張力伝達部42を、図3に示す如く、内燃機関2の表面側に突出する断面C字形状に形成するとともに、図4に示す如く、略I字形状に形成し、前記アジャスタ28の一部を包囲しつつアジャスタ28との干渉を回避し、且つ高い剛性を確保している。
【0037】さすれば、前記アジャスタ28のプランジャ38が、バネの付勢力あるいは油圧によって図3及び図4の右側方向に突出すると、プランジャ38の先端がパッド36を押し、張力伝達部42のテンショナアーム部分を介してテンショナ部分を引き込み、テンショナ部分をチェーン20に押圧させてチェーン20に適正な張力を与えることができる。
【0038】これにより、前記アジャスタ28をチェーン20の張り側とゆるみ側間に配設することができ、上述第1実施例のものと同様に、シリンダヘッド4及びシリンダブロック6をの幅方向の寸法を小としてコンパクト化でき、重量を軽減し得て、実用上有利である。
【0039】また、前記内燃機関2を四輪車両に搭載すれば、上述第1実施例のものと同様に、エンジンルームを小さくでき、客室容積を大とすることができるとともに、重量軽減によって燃費を向上させることができる。
【0040】更に、前記張力調整手段40を設けたことにより、上述第1実施例のものと同様に、従来のアジャスタ機能を変化させることなく使用することができ、実用上有利である。
【0041】更にまた、前記張力調整手段40として、テンショナ部分と、このテンショナ部分とアジャスタ28とを連絡するテンショナアーム部分とによって一体的に形成した張力伝達部42を使用することにより、固定ボルトが不要となり、部品点数を減少させることができるとともに、上述第1実施例のものと同様に、アジャスタ28の押圧力を張力伝達部42のテンショナアーム部分を介してテンショナ部分に確実に伝達させることができ、テンショナ部分によってチェーン20を引き込み、チェーン20に適正な張力を付与し得る。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの発明によれば、内燃機関のクランクシャフトに装着されるクランクスプロケットとカムシャフトに装着されるカムスプロケットとを捲回するチェーンを設け、このチェーンにテンショナをアジャスタにより押圧してチェーンに適正な張力を与える内燃機関のチェーンテンショナ装置において、チェーンの外側にテンショナを取付け、チェーンの内側のシリンダヘッドに荷重方向がチェーンのゆるみ側から張り側へ指向すべくアジャスタを配設し、アジャスタとテンショナとを連絡するテンショナアームをアジャスタの一部を覆うように内燃機関の表面側に突出する断面C形状の湾曲状に形成し、このテンショナアームの一端をテンショナに取付けるとともに他端にアジャスタのパッドを固着し、パッドを介してテンショナアームはアジャスタに装着されるので、前記アジャスタをチェーンの張り側とゆるみ側間に配設することができ、シリンダヘッド及びシリンダブロックをコンパクトとし得て、重量の軽減を図ることができ、実用上有利である。また、前記内燃機関を四輪車両に搭載すれば、エンジンルームを小さくでき、客室容積を大とすることができるとともに、重量軽減によって燃費を向上させることができる。更に、従来のアジャスタ機能を変化させることなく使用することができるとともに、アジャスタの押圧力によってチェーンを引き込み、チェーンに適正な張力を付与し得て、実用上有利である。
【出願人】 【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
【出願日】 平成6年11月4日(1994.11.4)
【代理人】 【識別番号】100080056
【弁理士】
【氏名又は名称】西郷 義美
【公開番号】 特開2001−182790(P2001−182790A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願2000−344667(P2000−344667)