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【発明の名称】 2つの歯車を連結するときに正しい噛み合いを確保するための装置
【発明者】 【氏名】イェンズ フリードリクス

【氏名】ペーター ハイラー

【氏名】アルノ ケルン

【氏名】フランク クロップ

【氏名】フランク シャウム

【要約】 【課題】被印刷体を加工する機械(1)の第2の歯車(12)に位置調節可能な第1の歯車(13)を連結するときに正しい噛み合いを確保するための装置であって、連結するときに第2の歯車(12)の方へ第1の歯車(13)を位置調節するための位置調節装置(17)と、突起(20)と、連結するときに突起(20)を案内するための案内部(19,21)とで構成されている装置を提供する。

【解決手段】突起(20)が両方の歯車(12,13)の一方の歯車(13)に対して偏心的に配置されるとともに当該歯車(13)と結合されており、それによって突起(20)は当該歯車(13)が回転すると当該歯車(13)の中心軸を中心として当該歯車(13)と一緒に回転することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被印刷体を加工する機械(1)の第2の歯車(12)に位置調節可能な第1の歯車(13)を連結するときに正しい噛み合いを確保するための装置であって、連結するときに第2の歯車(12)の方へ第1の歯車(13)を位置調節するための第1の位置調節装置(17)と、突起(20)と、連結するときに前記突起(20)を案内するための案内部(19,21)とで構成されている装置において、前記突起(20)が両方の歯車(12,13)の一方の歯車(13)に対して偏心的に配置されるとともに該歯車(13)と結合されており、それによって前記突起(20)は該歯車(13)が回転すると該歯車(13)の中心軸を中心として該歯車(13)と一緒に回転することを特徴とする装置。
【請求項2】 前記突起(20)が結合される歯車が第1の歯車(13)である、請求項1記載の装置。
【請求項3】 第1の歯車(13)が第2の歯車(12)から連結解除されている第1の位置から、第1の歯車(13)が第2の歯車(12)に連結されている第2の位置への、直線(24)に沿って行われる第1の歯車(13)の中心軸(40)の位置調節のための第1の位置調節装置(17)に第1の歯車(13)が支持されている、請求項1記載の装置。
【請求項4】 前記案内部(19,21)が、前記突起(20)を片側だけで案内するいわゆる開いた案内部(19,21)である、請求項1記載の装置。
【請求項5】 前記歯車(12,13)がそれぞれ1つのはすば歯車を備えており、前記案内部(19,21)ならびに前記突起(20)が前記はすば歯車に適合させられている、請求項1記載の装置。
【請求項6】 前記突起(20)の支持面(27)が第1の歯車(13)の歯並びの傾斜角(+α)に対応して傾斜している、請求項5記載の装置。
【請求項7】 前記案内部(19,21)の案内面(22)が第2の歯車(12)の歯並びの傾斜角(−α)に対応して傾斜している、請求項5記載の装置。
【請求項8】 前記歯車(12,13)の一方の歯車(13)に、該歯車(13)の軸方向で行われる、前記歯車(12,13)の他方の歯車に対して相対的な前記歯車(12)の位置調節のための第2の位置調節装置(26)が配属されている、請求項1記載の装置。
【請求項9】 第1の歯車(13)に、第2の歯車(12)に対して軸平行に第1の歯車(13)を位置調節するための前記第2の位置調節装置(26)が配属されている、請求項8記載の装置。
【請求項10】 軸方向に位置調節可能な歯車(13)と、該歯車に対して同軸に配設された胴(6)とが回転不能に結合されており、前記第2の位置調節装置(26)は前記歯車(12,13)とともに前記胴(6)の円周レジスタを調節する装置を形成している、請求項8記載の装置。
【請求項11】 前記案内部(19,21)が他方の歯車(12)と結合されている、請求項1記載の装置。
【請求項12】 両方の歯車(12,13)の一方の歯車(13)がベース歯車(13.1)と補助歯車(13.2)とで構成されており、このとき前記ベース歯車(13.1)と前記補助歯車(13.2)とには円周方向で行われる引張のために少なくとも1つのばね(34)が配属されている、請求項1記載の装置。
【請求項13】 前記ベース歯車(13.1)と前記補助歯車(13.2)とで構成された歯車(13)が第1の歯車(13)である、請求項12記載の装置。
【請求項14】 請求項1から13までのいずれか1項に基づいて構成された装置を備えている、被印刷体を加工する機械(1)。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は請求項1のプレアンブルに基づく、位置調節可能な第1の歯車を、被印刷体を加工する機械の第2の歯車に連結するときに正しい噛み合いを確保するための装置であって、連結するときに第2の歯車の方へ第1の歯車を位置調節するための位置調節装置と、突起と、連結するときに前記突起を案内するための案内部とで構成されているものに関する。
【0002】
【従来の技術】このような装置は、連結解除されている歯車を連結させるときに位置正確に1つの歯車列にまとめるために必要なものである。
【0003】冒頭に述べた分野に相当する、ドイツ特許明細書4226392C1号に記載されている装置では、揺動可能なフレーム部分に受容された第1の歯車にスプリングボルトが配置され、定置のフレーム部分に受容された第2の歯車にはセンタリング溝を備えたセグメントリングが配置されている。スプリングボルトは揺動可能なフレーム部分に継目板で固定されているため、このスプリングボルトは揺動可能なフレーム部分を定置のフレーム部分と結合している回り継手を中心としては揺動可能であるものの、第1の歯車の中心軸を中心としては揺動可能でない。第1の歯車を連結する前にこの歯車を爪で係止し、第2の歯車を機械駆動装置で近似的に連結位置へと位置決めする。その後、揺動可能なフレーム部分を第1の歯車とともに回り継手を中心として定置のフレーム部分の方へと揺動させ、このときスプリングボルトはセンタリング溝の中に摺動し、回転可能な第2の歯車は係止されている第1の歯車に対して、第1の歯車の特定の歯がこの歯のために予定されている第2の歯車の歯溝の中に案内されるようにアライメントされる。第1の歯車の特定の歯が歯溝に挿入されている間、特定の歯車のいわゆる刺し込み方向が合うように、第1の歯車は第2の歯車のほぼ半径方向へ揺動することで移動しなければならない。スプリングボルトがセンタリング溝を完全に通過して第2の歯車の回転運動を再び開放する前に、上記歯はすでに歯溝の中に入っており、したがって歯車列は閉じられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した特許明細書に記載されている装置の不都合なところは、第2の歯車連結位置へ十分に正確に位置決めされていない場合にスプリングボルトがセグメントリングに衝突し、定置のフレーム部分に向かう揺動可能なフレーム部分のその後の運動が阻止され、そのために連結プロセスがストップしてしまうことである。この場合、第2の歯車を十分に正確に連結位置へ位置決めして、センタリング溝がスプリングボルトに対して位置正確になるように改めて試行することが必要となる。
【0005】第2の歯車のこのような正確な位置決めは、次に説明する理由から、直列に配置された多数の印刷ユニットや塗工ユニットをもついわゆる「長い印刷機」の場合には必ずしも可能でない。印刷ユニットまたは塗工ユニットの圧胴の歯車は、紙渡しドラムの歯車を介して1つの連続した歯車列に結合されている。この歯車列の特定の駆動歯車は、歯車列を介して歯車列の歯車のそれぞれを回転駆動する電動モータ式の中央駆動装置と接続されている。
【0006】中央駆動装置が停止しているとき、駆動歯車は実質的に回転させることができない。歯車列の駆動歯車と被駆動歯車との間に多くの歯車があればあるほど、印刷機が停止しているときに被駆動歯車を多く回転させることができる。その原因は、それぞれの歯車対に歯の遊びがあるためである。駆動歯車と被駆動歯車の間にある歯車連結個所の数が多くなればなるほど、連結個所の歯の遊びの合計は大きくなり、この合計の分だけ被駆動歯車を回転させることができるのである。
【0007】したがって歯車列の中で駆動歯車からもっとも離れている歯車はもっとも大きな値だけ回転させることができる。たとえばこのような歯車は印刷機の端部に配置された塗工ユニットの圧胴に割り当てられている場合があり、ならびに前記特許明細書に記載されている連結位置に位置決めされるべき第2の歯車に相当する場合がある。
【0008】こうした第2の歯車まで合計される、歯車列の他の歯車の歯の遊びがあるために中央駆動装置によるこの第2の歯車の確実な位置決めは不可能であり、そのためスプリングボルトがセグメントリングに衝突し、それによって位置修正が必要になるという事態が頻繁に生じることになる。
【0009】上述した特許明細書に記載されている装置のさらに別の欠点は、第1の歯車が連結されるべき第2の歯車が中央駆動装置とつながれた駆動歯車そのものである場合、または歯車列の中で駆動歯車と非常に近くに位置する歯車である場合に現われる。このような場合、中央駆動装置と第2の歯車との間には第2の歯車の回転に必要な歯の遊びがあまりに少ししか、あるいはまったく加算されないため、中央駆動装置が停止しているときに第2の歯車はあまりに少ししか、あるいはまったく回転させることができないことになる。別の言葉で言えば、センタリング溝がスプリングボルトに対して正確に中央に位置するように、連結位置に第2の歯車を絶対的に正確に位置決めすることが必要となる。スプリングボルトに対してセンタリング溝がわずかにずれてスプリングボルトがセンタリング溝の面取り部に衝突した場合でさえ、スプリングボルトがセンタリング溝およびそれに伴って第2の歯車を、中央駆動装置によって固持される回転位置から押すことができないため、第1の歯車を第2の歯車に連結することが不可能になってしまう。
【0010】したがって上述した特許明細書に記載されている装置は、被印刷体搬送方向で見て多数の印刷ユニットに後置されているために中央駆動装置から離れている、たとえば印刷画像の上に透明な保護塗料を最後に塗布するのに用いられる塗工ユニットの歯車の連結に適していないだけでなく、多数の印刷ユニットに前置されているために中央駆動装置に近い、たとえば印刷ユニットで印刷する前に被印刷体に酸化亜鉛の下塗りを塗布するのに用いられる塗工ユニットの歯車の連結にも適していない。
【0011】そこで本発明の目的は、被印刷体を加工する機械の歯車列の内部における第2の歯車の位置が障害のない連結にとって問題にならないような、第2の歯車への第1の歯車の正確な噛み合いを確保するための装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的は請求項1の構成要件を備えた装置によって達成される。
【0013】本発明による装置は、突起が両方の歯車の一方(第1の歯車または第2の歯車)に対して偏心的に配置されるとともに前記歯車と結合されていて、前記歯車が回転すると突起が前記歯車の中心軸の回りを前記歯車と一緒に回転することを特徴とする。
【0014】本発明による装置の1つの利点は、この装置では第1の歯車を連結するのに第2の歯車の回転可能性が必要ないことである。本発明の装置では第1の歯車の係止も必要でなく、第1の歯車を連結の際に第2の歯車に対してアライメントすることができる。
【0015】本発明による装置の別の利点は、第2の歯車をそれほど正確に連結位置に位置決めしなくてもよくなる点に見ることができる。全体として存在している歯の遊びのために第2の歯車を連結位置に大まかにしか位置決めしていない場合でも、第1の歯車の特定の歯が当該歯のために予定されている第2の歯車の歯溝に入ることが常に確保される。したがって本発明の装置では第2の歯車の回転位置の修正は不要であり、どのような場合でも1回目に適正な歯車連結が行われる。
【0016】さらに、特定の歯が歯溝に入るときの第1の歯車の位置調節方向が、第2の歯車の半径方向や特定の歯の刺し込み方向と異なっていてよいという利点がある。別の言葉で言うと第1の歯車の中心点は、その歯が第2の歯車の歯溝に入っていく途中、第2の歯車のちょうど中心点を通って延びる方向から逸れるように位置調節することができる。
【0017】従属請求項には本発明による装置の有利な実施態様が記載されている。
【0018】連結時における第2の歯車に対する第1の歯車の回転角アライメントに関して有利な実施態様では、第1の歯車の歯とは別個の部材である突起が第1の歯車に取り付けられ、もしくは一体成形される。
【0019】連結時に第1の歯車を第2の歯車に近づくように軸平行な方向から外れて位置調節し、連結解除の際には第1の歯車が懸架されているチェーンによって第2の歯車から離れるように位置調節するという点で有利な実施態様では、第1の位置調節装置が、第2の歯車に対して相対的に第1の歯車を間隔位置から係合位置へと直線的に位置調節するために構成される。有利には第1の位置調節装置は間隔位置から係合位置へ、およびそこから戻るように垂直方向に行われる第1の歯車の位置調節のためにチェーン伝動装置として構成される。
【0020】案内部の案内方向に対して横向きに行われる案内部の上への突起の載置に関して有利な実施態様では、案内部が、純粋に力が対になっているので嵌合のない滑り案内部である。
【0021】歯車で形成される平歯車対のより優れた回転安定性という点で有利な実施態様では、歯車がその歯車軸に対して斜めに方向づけられたはすば歯車を備えており、このとき突起と案内部ははすば歯車と対応するように構成される。はすば歯車は有利なことに、第2の歯車に対して相対的に第1の歯車の軸方向位置が異なっていることに左右されることのない、第2の歯車への第1の歯車の連結を可能にする。
【0022】案内部に三次元的に適合した片割れとして突起が構成されるという点で有利な実施態様では、案内部に当接する突起の支持面が傾斜角度とピッチ方向に関して第1の歯車の歯並びに対応する。この実施態様では案内部は傾斜角度とピッチ方向に関して第2の歯車の歯並びに対応する面を有しており、この面に突起が当接し、連結の際には突起の構成に応じて滑りシューとして周囲を摺動するか、またはカムロールとして周囲を回転する。歯車の傾斜角度は互いに同一の大きさなので、突起および案内部の傾斜角度も互いに等しい大きさである。歯車の歯並びのピッチ方向は互いに反対方向に向いており、したがって相互に接触する突起と案内部の面も互いに逆向きの方向で上昇する。たとえば第1の歯車は左方に上昇する歯並びを備えていてその歯面線が時計と反対回りに延びており、第2の歯車は右方に上昇する歯並びを備えていてその歯面線は時計回りに延びている。
【0023】軸方向にスライド可能に支持された歯車(第1または第2の歯車)の回転位相位置を他方の歯車に対して相対的に、各歯車が互いに係合して回転している状態で位置調節するという点で有利な実施態様では、歯車を他方の歯車に対して軸平行な方向にスライドさせるための、以下においては第2の位置調節装置と呼ぶ位置調節装置が両方の歯車に配属される。
【0024】連結可能かつ連結解除可能な第1の歯車の回転位相位置を第2の歯車に対して相対的に位置調節することに関して有利な実施態様では、第1の歯車が連結のために第2の歯車の軸方向に対して垂直に変位可能であるばかりでなく、連結された状態で第2の位置調節装置によって第2の歯車に対して軸平行に移動可能なように支持される。
【0025】第1の歯車と結合されたアプリケータ胴の上にある印刷または塗工の版の印刷開始部の相対位置を、第2の歯車と結合された圧胴の上にある被印刷体枚葉紙の前側エッジに対して相対的に調整することに関して有利な実施態様では、各歯車が第2の位置調節装置とともにアプリケータ胴のための見当調節装置またはレジスタ調節装置を形成する。
【0026】連結の際に突起を回転させる受け台として案内部を利用することに関して有利な実施態様では、案内部が第2の歯車に偏心的に取り付けられ、もしくは一体成形される。
【0027】歯の遊びを最低限に抑えることに関して有利な実施態様では、第2の歯車または有利には第1の歯車がベース歯車と、これに対して同軸かつ回転可能に配置され、少なくとも1つのばねによって円周方向にベース歯車とともに引っ張られる補助歯車とで構成される。
【0028】本発明による装置とその実施態様は、輪転印刷機の印刷ユニットまたは塗工ユニットの2つの歯車の正確な噛み合いを確保するのに格別に適している。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0030】図1には被印刷体を加工する機械1が部分的に描かれている。機械1は、詳しくは図示しない複数のオフセット印刷ユニットを備えた輪転印刷機である。この部分図は、被印刷体搬送方向で見てオフセット印刷ユニットに後置されている機械1の塗工ユニット2を模式的に示している。塗工ユニット2は、シート状の被印刷体を保持するために直径上で2列に配置されたくわえづめ3を装備している圧胴4と、能動位置(図2参照)か受動位置(図1参照)へ選択的に移動可能なユニット5とを包含している。
【0031】上下へ移動可能なユニット5は、胴4の上に置かれた被印刷体に塗料を塗布するための塗布胴6と、調量された塗料を胴6に供給するための調量装置7とで構成されている。装置7は、中に備蓄塗料があって塗料を水槽8から汲み出す水元ローラ9が内部に配置されている貯蔵水槽8で構成されている。さらに装置7には、ローラ9とともに塗料被膜を生成して塗料をローラ9から胴6へと転移させる調量ローラ10が属している。
【0032】ユニット5で塗料を塗るために、このユニットは能動位置へと移動させることができる。ユニット5の保守をするため、あるいは被印刷体をオフセット印刷ユニットの内部で印刷し、ユニット2での後続する塗工作業をしないで裏移りなしに、つまり被印刷体枚葉紙が胴6に当たる危険なしにユニット2を通過させて搬送するために、ユニット5は受動位置へと移動させることができる。胴6の上には被印刷体に全面的な塗工作業をするための胴被覆としてゴムブランケットが張られていてよく、もしくは斑点状の塗工作業のためにフレキソ版が張られていてよい。当然ながら塗料の代わりにユニット2でインキを印刷することもできる。
【0033】胴6を洗浄できるようにするため、または胴6に胴被覆を張り渡すため、または胴6での塗料の凝固や塗料の乾燥を防ぐため、ユニット5に属する電動モータ式の補助駆動装置11によって胴6はユニット5が受動位置に移動しているときに低速で回転駆動可能である。駆動装置11は、ユニット5がその能動位置にいてインキまたは塗料を運ぶ胴6が被印刷体の上で転動するときに外される切換可能な継手23を介して胴6と接続されている。継手23は遠隔操作によって、たとえば変速装置を介して選択的に結合可能かつ解除可能である。変速装置はたとえばフレーム30に固定されたタペットからなっていてよく、ユニット5が継手23とともにタペットのそばを通過するとタペットに継手23が衝突し、それによりタペットによって継手が切り換えられる。継手23が外されると胴6は胴ギャップ15に起因する不均衡があるために、胴ギャップ15が上方を向く重心位置へと回転する。ユニット5が能動位置へ移動しているとき、胴6の回転駆動はもはや駆動装置11によって行われるのでなく、歯車伝動装置を介して電動モータによる機械1のメイン駆動装置14によって行われる。
【0034】歯車伝動装置は、胴4に対して同軸に配置されて胴4と回転不能に結合されている歯車12と、胴6に対して同軸に配置されて胴6と回転不能に結合されている歯車13とで構成されている。歯車12と13は、胴6が能動位置(図3参照)にいるときに互いに噛み合う。したがって駆動装置14は塗工作業の際には胴4と、胴4に当てつけられた胴6とを一緒に駆動することになり、このとき端面で噛み合う歯車12および13の歯数に基づいて胴6の回転の同期が保証されるので、この胴の円周表面速度は胴4のそれと一致する。固定させるために胴4および6の軸ピンに差し込まれている歯車12および13は、互いに異なる大きさのピッチ円直径を有している。歯車12のピッチ円直径は歯車13のピッチ円直径の2倍になるように設定されており、それによって2倍サイズの胴4が完全に1回転するたびに等倍サイズの胴6が正確に2回の完全な回転をすることが保証される。
【0035】くわえづめ3は、胴4と6の同期した相対転動で胴6が1回転するたびに、胴被覆をクランプ固定して引っ張るためのクランプ装置16が内部に配置されている胴ギャップ15に入り込む。
【0036】歯車12と13を連結するときには歯車13の歯を歯車12の歯と係合させる。チェーン伝動装置17(第1の位置調節装置)で行われる受動位置から能動位置へのユニット5の位置調節の最後に行われる歯車12と13の連結の前に、歯車12および13を特定の回転角位置で互いにアライメントし、それによって連結後に歯車13の特定の歯が当該歯のために予定されている歯車12の歯溝の中にあることを保証しなくてはならない。このことは連結に後続する衝突のない見当の合った塗工作業の際の胴4および6の回転のための前提条件であり、このときくわえづめは装置16と衝突することなくギャップ15の中に入り、胴被覆の印刷開始部はくわえづめ3に対して、およびそれに伴って被印刷体の印刷開始部に対して正しい位置にいる。したがって歯車13の歯を歯車12の歯と係合させるときには、歯車13を回転させ、それに伴って胴6も回転させることが必要である。
【0037】継手23を外した後の不均衡に基づいてとっている回転角位置から歯車13を回転させて予備位置決めをするため、歯車12の前側に配置された少なくとも1つのプレート状のカム(案内部)19と、カム19によって案内され歯車13に配置されたブロック状の突起20とで構成されるカム伝動装置18が設けられている。つまり突起20とカム19は、歯車12および13の別々の歯車に配置されている。胴4が停止後にどの回転角位置をとるかに応じて、胴6は一方または他方の列に従ってくわえづめ3と円周方向でアライメントさせることができるので、歯車13の特定の歯の係合は歯車12のすでに上述した歯溝にだけでなく、その歯溝に対して直径上に位置する歯車12の別の歯溝の中にも可能である。そのためカム19に対して直径上に、これに対応するように構成された別のカム21が歯車12に取りつけられており、このカムは同じく滑りシューとして構成された突起20を案内するためのものである。
【0038】180°の角度で互いにオフセットされているカム(案内部)19および21の各々は端面側の案内面22を有しており、この案内面は面22を通って走る歯車12の放射線に対して相対的に折曲して延びているので、互いに係合している歯車12および13が回転するときにそれぞれのカム19および21が突起20と衝突することはあり得ない。互いに係合している歯車12および13が回転している途中で歯車13の特定の歯が、連結時に当該歯のために予定されている歯車12の歯溝の中に入り、それによって図5に描かれているように突起20がカム19のすぐ隣にいるとき、面22は歯車13の方向へ突起20との間隔を増しながら延びており、突起20はカム19と接触していない。
【0039】歯車12の歯並びを越えてその半径方向で突出しているカム19および21を回転時に歯車13と衝突させないようにするため、後者の歯車は円周側の切欠き25を有しており、カム19および21は互いに噛み合っている歯車12および13が回転するとこの切欠きの中に入り込む。
【0040】高い回転安定性を得るため、歯車12および13は傾斜角−α,+αが図5に示されているはすば歯車を備えている。はすば歯車は胴6の円周レジスタを位置調節する役目も果たす。
【0041】円周レジスタ調節をするためにレジスタ調整装置26(第2の位置調節装置)によって、歯車12と係合している状態の歯車13をその軸方向に必要なレジスタ修正と比例する値だけ位置調節し、このとき受け台を形成する軸方向で固着された歯車12の傾斜した歯面の円周方向で作用する調整力は、この傾斜した歯面に沿って摺動する歯車13の傾斜した歯面に対して及ぼされる。この調整力の結果、歯車13およびこれに伴う胴6は円周方向で歯車12および胴4に対して相対的に押圧され、それによって見当ないしレジスタの合った回転角位置へと回転させられる。
【0042】カム19または21の面22が上述した実施例とは違って仮に歯車13の軸方向に対して平行に延びているとすると、レジスタ調節の後に面22に対して相対的な突起20の位置誤差が生じることになる。位置誤差がある結果、歯車12と13が互いに噛み合って回転するときに突起20と、この突起のそばを移動するカム19および21との間に必要な遊びがなくなってしまい、突起20が回転のたびにカム19および21に衝突する危険性が生じてしまう。
【0043】このような衝突を回避し、レジスタ調節によって生じる回転角のずれを考慮に入れるために、上述した実施例ではカム19および21と突起20ははすば歯車に適合するようにアライメントされて三次元的に輪郭付けされている。三次元的なカム断面形状により、歯車13の軸方向の位置が異なっていることが歯車12への歯車13の問題のない連結に何ら影響を及ぼさないことが保証される。別の言葉で言えば、面22は歯車12の回転軸に対して当該歯車の歯並びと同じ傾きで延びており、突起20の支持面27は歯車13の回転・中心軸40に対して当該歯車の歯並びと同じ傾きで延びている。したがって軸方向の位置調節は、面22に対して相対的に平行な面27の変位をもたらす。
【0044】マーキング28は歯車13の中心軸40に関して突起20に対して角度をオフセットされ、いわゆるフラッグとして歯車13に取りつけられている。マーキング28は、ユニット5に固定されていて電気的な信号を出すセンサ29によって検出可能である。マーキング28がセンサ29に対して正確に対向する位置にいるとき、センサは、歯車13が必要な回転角位置にいて歯車12および13が相互に正しく係合していることを認識する。マーキング28の正確な対向位置とは異なる回転角位置は、たとえば連結中に印刷工が許容されない操作介入をしたことで誤った連結が行われたことをセンサ29に教える。
【0045】レジスタ調節のための歯車13の軸方向の変位がセンサ29に対するマーキング28の相対位置に関しても補償されるようにするため、マーキング28は中心軸40の平行線に対して相対的な歯車13のはすば歯車の傾斜角+αで延びている。マーキング28の傾斜姿勢により、歯車13の異なる軸方向位置のそれぞれにおいて、センサ29に対して対向位置にいる平面図で見てストライプ状のマーキング28の別の区域が来ることになり、それによってどの異なる軸方向位置のときでも同様に正確な歯車13の回転角位置をセンサ29に知らせる。
【0046】歯車12には、直径上にカム19および21に対して角度をオフセットされた配置で、歯車12に取りつけられたフラッグとして構成されたマーキング31および32が設けられている。歯車12と13の適正な連結を管理するため、マーキング31および32で歯車12の正確な回転角位置をチェックする。このときマーキング31はカム19のそばに位置する歯車12の歯溝に歯車13を連結する場合の管理に利用し、マーキング32はカム21のそばに位置する歯車12の歯溝に歯車12を連結する場合の管理に利用する。このとき、機械1のフレーム30に固定されて同じく電気的な信号を出すセンサ33は、このセンサ33に対するそれぞれのマーキング31または32の厳密な対向位置によって歯車12の正確な回転角位置を認識する。歯車12はレジスタ位置調節の際にはその軸方向に移動しないので、マーキング31および32は歯車4の回転軸に対して軸平行にアライメントされている。
【0047】歯車12および13が互いに正確な噛み合っているとき、突起20はその都度の連結プロセスに利用したカム19または21に対する接触を失い、このとき面27はカム19または21の側面39に接触せず、これにすぐ隣接している。
【0048】連結が終わった後、胴6の正しい位置がセンサ29によってマーキング28の位置を利用してチェックされるとともに、胴4の正しい位置がセンサ33によって、連結時に使用したカム19または21に対応するマーキング31または32(図4ではマーキング31)の位置を利用してチェックされる。センサ28および33ならびに駆動装置14と組み合わされた電子的な制御装置38は、駆動装置14によって到着した歯車12の正しい位置をセンサ33が確認し、同時に正しい歯が当該歯のための特定の歯溝に入っていることをセンサ29が確認したときにだけ、歯車12および13ならびに胴4および6の回転を駆動装置14に許す。この前提条件が満たされれば駆動装置14は塗工作業のために活動化されることができ、このとき駆動装置14は歯車12を介して歯車13を、つまり後で説明する歯車13.1と13.2を一緒に駆動するだけでなく、歯車13を介して、ローラ9および10にその駆動のために同軸に配属されている歯車(図示せず)も回転させる。
【0049】歯車13は多部分で構成されており、ベース歯車13.1と、このベース歯車13.1の段差部に回転可能に装着された補助歯車13.2とでできている。中心軸40に対して同心な円弧状をしたベース歯車13.1の溝36の中に、中心軸40に対して軸平行な突起35が突入している。ベース歯車13.1に対して相対的に補助歯車13.2を引っ張るためにコイル状のばね34が溝36の内部で一方の端部ではベース歯車13.1に支持されるとともに他方の端部では突起35およびこれを介して補助歯車13.2に支持されており、それによって突起35はベース歯車13.1のほぼ円周方向で調整可能なストッパ37に対して押圧されることになる。ストッパ37は、ばね34の作用方向かつ溝36の長手方向で多少ともベース歯車13.1にねじ込むことのできるネジである。ストッパ37を適宜調整することで、ベース歯車13.1に対して相対的な補助歯車13.2の回転がばね34によって、歯車12と13の係合が外れているときに補助歯車13.2の歯溝がベース歯車13.1の歯溝とほぼ一直線上に並ぶ直線からわずかしか変位しない程度に制限されて、歯車12の歯を歯車12と13の連結時に同時に互いに変位した歯溝の中に押し込むことができ、補助歯車13.2の歯溝は歯の押し込みによって再び実質的にベース歯車13.1の歯溝と一直線上に並ぶ動作位置に押し戻される。別の言葉で言うとストッパ37は、歯車13.1と13.2を組み付けて歯車13にするときに行われる1回の調整によって、ベース歯車13.1の歯溝と補助歯車13.2の歯溝との2つに分けられる歯車13の歯溝が歯車12から歯車13を連結解除するときに強すぎる程度に閉じてしまい、補助歯車13.2の歯溝に隣接する補助歯車13.2の歯が完全またはほとんどベース歯車13.1の歯溝と一直線上にきてしまうために歯車12への歯車13の再度の連結が不可能になってしまうのを防ぐ。つまり歯車13.1および13.2の歯溝はストッパ37によって、歯車12の歯の連結にとって十分な重なり合いに保たれる。歯車12と13が互いに係合して回転しているとき、突起35はストッパ37でわずかに持ち上げられ、そのためばね34の作用によって歯車12の歯面と歯車13の歯面との間の歯面遊びが補償ないし押し出されるので、印刷画像に不都合に作用する可能性のある歯面の当接交替が回避される。部品34から37は多重の配置で設けられていて、たとえば3重の実施形態ではそれぞれ120°の角度だけ歯車13.1と13.2の円周方向に互いにオフセットされて配置される。
【0050】塗工作業の後にユニット5を再び能動位置(図2参照)から受動位置(図1参照)に上昇させるため、制御装置38は駆動装置14の相応の制御によって歯車12および13を、連結の直後に歯車12および13がとっていた図4に示す位置に位置決めする。次いでチェーン伝動装置7でユニット5を上昇させ、このとき突起20はカム19から滑り落ちて胴6は再びその重心位置に回転して戻る。歯車12および13の連結解除後に突起20がカム19の面22に接触しなくなると、駆動装置11は継手23を閉じることで再び胴6と駆動可能に結合される。
【出願人】 【識別番号】390009232
【氏名又は名称】ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】HEIDELBERGER DRUCKMASCHINEN AKTIENGESELLSCHAFT
【住所又は居所原語表記】Kurfuersten−Anlage 52−60,Heidelberg,Federal Republic of Germany
【出願日】 平成12年11月6日(2000.11.6)
【代理人】 【識別番号】100088328
【弁理士】
【氏名又は名称】金田 暢之 (外2名)
【公開番号】 特開2001−182783(P2001−182783A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願2000−337360(P2000−337360)