| 【発明の名称】 |
HST装置を備えた作業車における旋回操作装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】中尾 正
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| 【要約】 |
【課題】左右の走行部に変速レバーで変速操作するHST装置を備えた作業車において、ステアリングハンドルによる機体の旋回操作時には、ステアリングハンドルに適度な操作荷重を付加して、ステアリングハンドルの操作フィーリングを良好にする。
【解決手段】HST装置の制御機構に、ステアリングハンドル9の操作により回動するリングギヤ29を設け、該リングギヤ29回動に連繋して旋回内側のHST装置を減速させて機体を旋回させると共に、上記リングギヤ29には、ステアリングハンドル9に旋回操作荷重を付加する弾機38を介装した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】左右の走行部に変速レバー操作で変速するHST装置を備えた作業車において、上記HST装置の制御機構に、ステアリングハンドルの操作により回動するリングギヤを設け、該リングギヤの回動に連繋して旋回内側のHST装置を減速させて機体を旋回させると共に、上記リングギヤには、ステアリングハンドルに旋回操作荷重を付加する弾機を介装したことを特徴とするHST装置を備えた作業車における旋回操作装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、HST装置を備えた作業車における旋回操作装置に係るものである。 【0002】 【従来の技術】一般にコンバイン、農用トラクタ等のような農業用の作業車には、左右の走行部にそれぞれHST装置を設けて、機体の直進走行時には、変速レバーの操作により、変速および前後進切替えを行い、機体の旋回時には、ステアリングハンドルの操作により旋回内側のHST装置を減速させるようにした旋回操作装置が知られている。 【0003】ところが、このような旋回操作装置は、ステアリングハンドルの操作により制御機構を作動させて、旋回内側のHST装置を減速させるものであるため、ステアリングハンドルには機体を旋回させる時の負荷が直接作用しないので、ハンドル操作が軽るすぎて、かえって操作フィーリングの点において一般的でなかった。またステアリングハンドルの操作フィーリングが軽るすぎると、ハンドル操作時のアソビの範囲を操作フィーリングによって認識するのが難しく、また、ステアリングハンドルが中立位置にあるかどうかを操作フィーリングだけでは確認するのが容易でないという問題があった。 【0004】 【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような従来の問題点を解消すべく創作されたものであって、ステアリングハンドルの操作により制御機構を作動させて、旋回内側のHST装置を減速するものでありながら、旋回操作したステアリングハンドルに、適度な操作荷重を付加して操作フィーリングを良好にし、しかも、ステアリングハンドルの操作フィーリングでハンドル操作時のアソビの範囲を認識して、適正なアソビ量を確保でき、また、ステアリングハンドルを操作フィーリングによって正確な中立位置とすることができるHST装置を備えた作業車における旋回操作装置を提供しようとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明が講じた技術的手段は、左右の走行部に変速レバー操作で変速するHST装置を備えた作業車において、上記HST装置の制御機構に、ステアリングハンドルの操作により回動するリングギヤを設け、該リングギヤの回動に連繋して旋回内側のHST装置を減速させて機体を旋回させると共に、上記リングギヤには、ステアリングハンドルに旋回操作荷重を付加する弾機を介装したことを特徴とするものである。 【0006】 【発明の実施の形態】次ぎに本発明の実施の形態を、図面に示された一実施例に基づいて詳細に説明する。まず図4の全体概略図において、1、1´は作業車に装備されたクローラからなる左右の走行部であって、この走行部1、1´には、それぞれHSTポンプ2、2´および油圧モータ3、3´で構成されるHST変速装置が設けられている。4、4は一方のHSTポンプ2と右側の油圧モータ3とを連結する油圧ホース、4´、4´は他方のHSTポンプ2´と左側の油圧モータ3´とを連結する油圧ホースである。5、5´はHSTポンプ2、2´のトラニオンレバー、6、6´はトラニオンレバー5、5´を回動させてHST変速装置を変速する操作ワイヤであって、その先端部位がフレーム7に配設した制御機構を介して走行変速レバー8およびステアリングハンドル9に連動連結されている。 【0007】そして上記制御機構はフレーム7の表裏面に対称状に構成されている。すなわち、図1〜図2において、10は走行変速レバー8からの操作ワイヤ、11は上記操作ワイヤ10に連結された上下に回動する作動アームであって、該作動アーム11は前端側がフレーム7を前後から挟むように二叉状になっており、その前端部で支持した作動軸12が、フレーム7に形成した上下方向のガイド溝13にスライドローラ14を介して上下動自在に支持されている。15は上記作動アーム11の回動軸である。 【0008】16、16は上記作動軸12の前後両端に連結した連動アームであって、側方上方に向けて延出した上記連動アーム16、16の先端部に、左右に回動する揺動体17、17の基端部が支点軸18、18を介して回動自在に連結されていて、作動軸12の上下動により連動アーム16、16が支点軸18、18を押し引きして揺動体17、17を揺動させる。19、19は揺動体17、17の回動軸である。 【0009】上記揺動体17、17には、その長手方向に円弧状のガイド溝20、20が形成されており、該ガイド溝20、20に操作ロッド21、21の基端部がローラ22、22を介して係合されている。そして操作ロッド21、21の先端には、ベルクランク23、23の一端が回動軸24を介して連結され、ベルクランク23、23の他端には、前記HST変速装置の操作ワイヤ6、6´が連結されていて、揺動体17、17の揺動に伴って操作ロッド21、21がベルクランク23、23を回動させてHST変速装置を変速操作するようになっている。 【0010】一方、前記ステアリングハンドル9は、図5に示すように、ステアリングシャフト25の下端部が、ベベルギヤ26、27を介してピニオンギヤ28に連結されており、フレーム7には上記ピニオンギヤ28に噛合して左右に回動する円弧状のリングギヤ29が枢支されている。また、フレーム7の表裏面には、上下に回動する旋回リンク30、30が設けられ、その中途部に設けたローラ31、31がリングギヤ29に固定したカムリンク32の右左上縁にそれぞれ当接している。33は裏面側のローラ31がフレーム7を貫通してリングギヤ29側に突出する挿通孔、34は旋回リンク30の回動支点、また35は回動するリングギヤ29の端部が当接するストッパーボルト、36は戻しスプリングである。 【0011】上記旋回リンク30、30の先端部と操作ロッド21、21の基端部、すなわち揺動体17、17に係合するローラ22、22の位置とが、連結プレート37、37で連動連結されており、ステアリングハンドル9が中立位置のときは、旋回リンク30、30の先端部が、揺動体17、17の回動軸19、19と合致するようになっている。そしてステアリングハンドル9を操舵すると、これに連動して揺動するリングギヤ29が一方のローラ31を押上げ、上動する旋回リンク30が操作ロッド21を引上げてガイド溝20との係合位置を変更する。係合位置を変更した操作ロッド21は、長手方向に移動してベルクランク23を回動させて、変速位置の操作ワイヤ6、(6´)を更に伸縮させて旋回内側の走行モータ3(3´)を減速させるようになっている。 【0012】また、走行変速レバー8を中立位置としたときは、揺動体17のガイド溝20が操作ロッド21の回動軸24を中心とする曲率半径の円弧状となっており、このため、ステアリングハンドル9の操作により、一方の操作ロッド21の係合位置をガイド溝20に沿って変更させても、操作ロッド21は回動軸24を中心として回動するのみでベルクランク23を回動させて、操作ワイヤ6、(6´)を更に伸縮させることはない。 【0013】そして、ステアリングハンドル9の操作により回動するリングギヤ29には、旋回操作したステアリングハンドル9に適度な操作荷重を負荷するねじりスプリング弾機が介装されている。 【0014】すなわち、図6に示すように、リングギヤ29の内周面側には、弾機としてのねじりスプリング38が配置されている。上記ねじりスプリング38は、スプリング鋼線をコイル状に巻いて形成され、リングギヤ29の回動軸39と同心状に配置されており、側面視ではリングギヤ29の厚み内に収まっている。 【0015】また、ねじりスプリング38の両端部38a、38bを、リングギヤ29の上端近傍から左右側方に折曲突出させて、フレーム7に設けたストッパーピン40、40´で下方から支承している。一方、リングギヤ29の両端部には、上記ねじりスプリング38の両端部38a、38bに下方から当接するストッパーボルト41、41´が植設されている。 【0016】そして、ステアリングハンドル9を旋回操作したときには、回動するリングギヤ29が、回動方向側のストッパーボルト41、(41´)で、ねじりスプリング38の一端部38a、(38b)を付勢に抗して締めながら持ち上げる。この時ねじりスプリング38の他端部38b、(38a)はストッパーピン40´、(40)で支承されているので、ステアリングハンドル9には、旋回操作した量に応じた適度な操作荷重が付加される。また、操作の中途でステアリングハンドル9を離した時には、ねじりスプリング38の付勢により直ちに中立位置に復帰する。 【0017】本発明は上記のように構成されているので、ステアリングハンドル9を中立位置とした状態で走行変速レバー8を操作すれば、揺動体17の回動に伴って操作ロッド21がベルクランク23を回動させ、操作ワイヤ6、6´を押し引きして左右のHST変速装置を変速させる。 【0018】また、機体の旋回時には、ステアリングハンドル9を右に操舵すれば、これに連動して回動するするリングギヤ29がローラ22を押上げ、上動する旋回リンク30が操作ロッド21を回動させ、揺動体17との係合位置が変更した操作ロッド21が、ベルクランク23を回動させて変速位置の操作ワイヤ6を更に伸縮させる。そして操作ワイヤ6に連結したトラニオンレバー5が、図4のA位置からB位置まで変位して旋回内側となる走行モータ3を正転から減速してピボットターンを行い、さらにB位置で逆転状態としてスピンターンを行うことができる。なおステアリングハンドル9を左に操舵したときは、他方の旋回リンク33が回動し、旋回内側となる走行モータ3´を変速して上記と同様に機体を旋回させる。 【0019】また、走行変速レバー8を中立とした機体の停止状態では、ステアリングハンドル9を操舵しても、操作ロッド21は回動軸24を中心として回動するのみで、ベルクランク23を回動させないので、機体が不用意に走行することはない。 【0020】そして、上記のように、ステアリングハンドル9を中立位置から旋回操作した時には、回動したリングギヤ29のストッパーボルト41、(41´)で一端部38a、(38b)を持ち上げられたねじりスプリング38が、旋回操作量に応じた適度の操作荷重をステアリングハンドル9に付加するので、機体の旋回時におけるステアリングハンドル9の操作フィーリングを良好にすることができる。 【0021】また、ステアリングハンドル9を中立位置から旋回操作しても、操作過程におけるアソビの位置では、ねじりスプリング38による操作荷重は付加されず、アソビの範囲を越えてはじめて操作荷重が付加されるので、ステアリングハンドル9の操作フィーリングでアソビの範囲を確認することができる。このため、ハンドル操作に必要な適正なアソビの確保が容易となる。 【0022】そしてステアリングハンドル9の中立位置では、ねじりスプリング38による操作荷重は全く付加されず、操作の中途でステアリングハンドル9を離した時には、ねじりスプリング38の付勢により直ちに中立位置に復帰するので、ステアリングハンドル9を容易に中立位置とすることができる。 【0023】また上記ねじりスプリング38は、リングギヤ29の両端部で効率よく操作荷重を付加するので、適正な操作荷重を可及的に小さなねじりスプリングで付加することができ、また、単一のねじりスプリング38がリングギヤ29の回動軸39と同心状に配設されているので、ステアリングハンドル9を左右いずれに旋回しても、同じ強さの操作荷重を付加することができ、しかも上記ねじりスプリング38は、側面視でリングギヤ29の厚み内に収まっているので、ねじりスプリング38の取付構造をコンパクトにすることができる。 【0024】 【発明の効果】これを要するに本発明は、左右の走行部に変速レバー操作で変速するHST装置を備えた作業車において、上記HST装置の制御機構に、ステアリングハンドルの操作により回動するリングギヤを設け、該リングギヤの回動に連繋して旋回内側のHST装置を減速させて機体を旋回させると共に、上記リングギヤには、ステアリングハンドルに旋回操作荷重を付加する弾機を介装したことから、ステアリングハンドルによる機体の旋回操作時には、リングギヤに介装した弾機からの付勢により、適度の操作荷重がステアリングハンドルに付加されるので、ステアリングハンドルの操作フィーリングを良好にすることができる。 【0025】また、ステアリングハンドルの操作過程におけるアソビの間は、弾機の付勢による操作荷重は付加されず、アソビの範囲を越えてはじめて操作荷重が付加されるので、ステアリングハンドルの操作フィーリングでアソビの範囲を確認することができて、適正なアソビ量の確保が容易となる。 【0026】そして、ステアリングハンドルの中立位置では、弾機の付勢による操作荷重は全く付加されないので、操作フィーリングによってステアリングハンドルを確実に中立位置とすることができるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月20日(1999.12.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066876 【弁理士】 【氏名又は名称】稲葉 昭治
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| 【公開番号】 |
特開2001−173777(P2001−173777A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月26日(2001.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−361520 |
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