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【発明の名称】 自動変速機制御装置、自動変速機制御方法及びそのプログラムを記録した記録媒体
【発明者】 【氏名】三木 修昭

【氏名】都築 繁男

【氏名】石垣 裕嗣

【氏名】榊原 聖治

【氏名】服部 雅士

【氏名】竹本 和雄

【氏名】川合 正夫

【氏名】椎窓 利博

【要約】 【課題】通常の発進時より車速を速く立ち上げる必要がある場合に、十分な駆動力を発生させることができるようにする。

【解決手段】走行環境を検出する走行環境検出手段91と、走行環境において車両を発進させる際に車両に加わる発進負荷が大きくなることが予測されるかどうかを判断する発進負荷予測判断処理手段92と、発進負荷が大きくなることが予測される場合に、最大変速比より大きい許容変速比で車両を停止させ、発進負荷が大きくなることが予測されない場合に、前記最大変速比で車両を停止させるシフト制御処理手段93とを有する。発進負荷が大きくなることが予測される場合に、許容変速比で車両を停止させるので、通常の発進時より車速を速く立ち上げることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両の走行環境を検出する走行環境検出手段と、検出された走行環境において車両を発進させる際に車両に加わる発進負荷が大きくなることが予測されるかどうかを判断する発進負荷予測判断処理手段と、発進負荷が大きくなることが予測される場合に、あらかじめ設定された最大変速比より大きい許容変速比で車両を停止させ、発進負荷が大きくなることが予測されない場合に、前記最大変速比で車両を停止させるシフト制御処理手段とを有することを特徴とする自動変速機制御装置。
【請求項2】 前記発進負荷が大きくなることが予測されるかどうかの判断は、前記走行環境に基づいて負荷発進予測判断条件が成立するかどうかを判断することによって行われる請求項1に記載の自動変速機制御装置。
【請求項3】 前記許容変速比は、あらかじめ算出され、記録手段に記録される請求項1に記載の自動変速機制御装置。
【請求項4】 前記シフト制御処理手段は、前記許容変速比を算出する算出処理手段を備える請求項1に記載の自動変速機制御装置。
【請求項5】 前記負荷発進予測判断条件は複数の予測判断条件から成り、前記許容変速比は、各予測判断条件が成立するかどうかに基づいて算出される請求項2に記載の自動変速機制御装置。
【請求項6】 所定の走行環境が検出された場合、前記許容変速比で車両を停止させるのを禁止する禁止処理手段を有する請求項1に記載の自動変速機制御装置。
【請求項7】 車両の走行環境を検出し、検出された走行環境において車両を発進させる際に車両に加わる発進負荷が大きくなることが予測されるかどうかを判断し、発進負荷が大きくなることが予測される場合に、あらかじめ設定された最大変速比より大きい許容変速比で車両を停止させ、発進負荷が大きくなることが予測されない場合に、前記最大変速比で車両を停止させることを特徴とする自動変速機制御方法。
【請求項8】 車両の走行環境を検出し、検出された走行環境において車両を発進させる際に車両に加わる発進負荷が大きくなることが予測されるかどうかを判断し、発進負荷が大きくなることが予測される場合に、あらかじめ設定された最大変速比より大きい許容変速比で車両を停止させ、発進負荷が大きくなることが予測されない場合に、前記最大変速比で車両を停止させることを特徴とする自動変速機制御方法のプログラムを記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機制御装置、自動変速機制御方法及びそのプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機を搭載した車両(自車)においては、エンジンを駆動することによって発生させた回転を、変速機構に伝達し、該変速機構において変速を行い、変速が行われた後の回転を駆動輪に伝達して車両を走行させるようにしている。
【0003】前記自動変速機には、有段変速機及び無段変速機が有り、該無段変速機においては、プライマリプーリとセカンダリプーリとの間にベルトが張設され、プライマリプーリ及びセカンダリプーリの半径方向におけるベルトの位置、すなわち、有効径を変化させることによって、変速機構の変速比を無段で変化させるようにしている。そのために、プライマリプーリ及びセカンダリプーリは固定シーブ及び可動シーブを備え、該可動シーブを油圧サーボ、電動機等の駆動手段によって移動させることにより、前記有効径を変化させるようになっている。
【0004】ところで、車両を一旦(たん)停止させた後、車両を発進させる場合、大きな駆動トルクが必要になる。そこで、車両を停止させた状態において前記変速比が最大にされ、自動変速機の出力トルクが最大にされる。有段変速機の場合、プラネタリギヤユニットに回転を入力するための歯車要素、前記プラネタリギヤユニットから回転を出力させるための歯車要素等を変更することによって変速比を変化させるようになっているので、変速機構が停止した状態においても、変速段の1速を選択して変速比を最大にすることができる。
【0005】これに対して、無段変速機の場合、可動シーブを移動させて有効径を変化させることによって変速比を変化させるようになっているので、変速機構が停止した状態においては、変速比を最大にすることができない。そこで、無段変速機においては、車両が走行状態から停止状態に移行する過渡状態を検出し、車両が停止する前に運転者に減速感を与えない範囲でダウンシフトの変速を行い、変速比を最大にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の無段変速機においては、通常の加速性が要求されることを前提にして前記最大の変速比、すなわち、最大変速比が設定されるので、通常の発進時より車速を速く立ち上げる必要がある場合に、前記最大変速比を十分に大きくすることができない。
【0007】例えば、高速道路の入口の料金所等において通行券を受け取るために車両を一旦停止させた後、車両を発進させる場合には、短時間で本線上に到達することができるように、通常の発進時より車速を速く立ち上げる必要がある。また、交差点を右折するために交差点の中央で車両を一旦停止させた後、車両を発進させる場合には、短時間で交差点から抜け出ることができるように、通常の発進時より車速を速く立ち上げる必要がある。
【0008】ところが、最大変速比が十分に大きく設定されていないので、十分な駆動力を発生させることができない。したがって、車両の加速性が低くなってしまう。
【0009】本発明は、前記従来の無段変速機の問題点を解決して、車両を一旦停止させた後、通常の発進時より車速を速く立ち上げる必要がある場合に、十分な駆動力を発生させることができ、車両の加速性を高くすることができる自動変速機制御装置、自動変速機制御方法及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の自動変速機制御装置においては、車両の走行環境を検出する走行環境検出手段と、検出された走行環境において車両を発進させる際に車両に加わる発進負荷が大きくなることが予測されるかどうかを判断する発進負荷予測判断処理手段と、発進負荷が大きくなることが予測される場合に、あらかじめ設定された最大変速比より大きい許容変速比で車両を停止させ、発進負荷が大きくなることが予測されない場合に、前記最大変速比で車両を停止させるシフト制御処理手段とを有する。
【0011】本発明の他の自動変速機制御装置においては、さらに、前記発進負荷が大きくなることが予測されるかどうかの判断は、前記走行環境に基づいて負荷発進予測判断条件が成立するかどうかを判断することによって行われる。
【0012】本発明の更に他の自動変速機制御装置においては、さらに、前記許容変速比は、あらかじめ算出され、記録手段に記録される。
【0013】本発明の更に他の自動変速機制御装置においては、さらに、前記シフト制御処理手段は、前記許容変速比を算出する算出処理手段を備える。
【0014】本発明の更に他の自動変速機制御装置においては、さらに、前記負荷発進予測判断条件は複数の予測判断条件から成る。そして、前記許容変速比は、各予測判断条件が成立するかどうかに基づいて算出される。
【0015】本発明の更に他の自動変速機制御装置においては、さらに、所定の走行環境が検出された場合、前記許容変速比で車両を停止させるのを禁止する。
【0016】本発明の自動変速機制御方法においては、車両の走行環境を検出し、検出された走行環境において車両を発進させる際に車両に加わる発進負荷が大きくなることが予測されるかどうかを判断し、発進負荷が大きくなることが予測される場合に、あらかじめ設定された最大変速比より大きい許容変速比で車両を停止させ、発進負荷が大きくなることが予測されない場合に、前記最大変速比で車両を停止させる。
【0017】本発明の記録媒体に記録した自動変速機制御方法のプログラムにおいては、車両の走行環境を検出し、検出された走行環境において車両を発進させる際に車両に加わる発進負荷が大きくなることが予測されるかどうかを判断し、発進負荷が大きくなることが予測される場合に、あらかじめ設定された最大変速比より大きい許容変速比で車両を停止させ、発進負荷が大きくなることが予測されない場合に、前記最大変速比で車両を停止させる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この場合、自動変速機のうちの無段変速機について説明する。
【0019】図1は本発明の実施の形態における自動変速機制御装置の機能ブロック図である。
【0020】図において、91は車両の走行環境を検出する走行環境検出手段、92は検出された走行環境において車両を発進させる際に車両に加わる発進負荷が大きくなることが予測されるかどうかを判断する発進負荷予測判断処理手段、93は、発進負荷が大きくなることが予測される場合に、あらかじめ設定された最大変速比より大きい許容変速比で車両を停止させ、発進負荷が大きくなることが予測されない場合に、前記最大変速比で車両を停止させるシフト制御処理手段である。
【0021】図2は本発明の実施の形態における無段変速機の概念図である。
【0022】図に示されるように、無段変速機10は、ベルト式の変速機構102、前後進切換装置103、ロックアップクラッチ105を内蔵したトルクコンバータ106、カウンタシャフト107及びディファレンシャル装置109を備える。
【0023】前記トルクコンバータ106は、図示されないエンジンの出力軸110にフロントカバー117を介して連結されたポンプインペラ111、入力軸112にロックアップクラッチプレート104及びダンパスプリング120を介して連結されたタービンランナ113、及びワンウェイクラッチ115を介して図示されないケースに支持されたステータ116を備える。そして、前記ロックアップクラッチ105は、入力軸112とフロントカバー117との間に配設される。なお、121はポンプインペラ111に連結されて駆動されるオイルポンプである。
【0024】前記変速機構102は、プライマリプーリ126、セカンダリプーリ131、及び前記プライマリプーリ126とセカンダリプーリ131との間に張設された金属製のベルト132を有する。そして、前記プライマリプーリ126は、プライマリシャフト122に固定された固定シーブ123、及び前記プライマリシャフト122に対して軸方向に摺(しゅう)動自在に支持された可動シーブ125から成り、セカンダリプーリ131は、セカンダリシャフト127に固定された固定シーブ129、及び前記セカンダリシャフト127に対して軸方向に摺動自在に支持された可動シーブ130から成る。
【0025】また、可動シーブ125の背面にはダブルピストンから成る第1の駆動手段としての油圧サーボ133が、可動シーブ130の背面にはシングルピストンから成る第2の駆動手段としての油圧サーボ135が配設される。前記油圧サーボ133は、プライマリシャフト122に固定されたシリンダ部材136及び反力支持部材137、並びに可動シーブ125の背面に固定された筒状部材139及びピストン部材140を備え、前記筒状部材139、反力支持部材137及び可動シーブ125の背面によって第1の油室141が、シリンダ部材136及びピストン部材140によって第2の油室142が形成される。なお、本実施の形態においては、前記第1、第2の駆動手段として油圧サーボ133、135が使用されるが、前記油圧サーボ133、135に代えて電動機を使用することもできる。
【0026】そして、前記第1の油室141と第2の油室142とが連通孔137aによって互いに連通させられるので、同じ油圧を供給した場合、油圧サーボ133に発生させられる軸力は、油圧サーボ135に発生させられる軸力のほぼ2倍になる。
【0027】一方、前記油圧サーボ135は、セカンダリシャフト127に固定された反力支持部材143及び可動シーブ130の背面に固定された筒状部材145を備え、前記反力支持部材143、筒状部材145及び可動シーブ130の背面によって1個の油室146が形成されるとともに、可動シーブ130と反力支持部材143との間にプリロード用のスプリング147が配設される。
【0028】前記前後進切換装置103は、ダブルピニオンプラネタリギヤ150、リバースブレーキB、及びダイレクトクラッチCを有する。前記ダブルピニオンプラネタリギヤ150において、サンギヤSと入力軸112とが連結され、第1のピニオンP1及び第2のピニオンP2を支持するキャリヤCRと固定シーブ123とが連結され、リングギヤRと前記リバースブレーキBとが連結され、キャリヤCRとリングギヤRとが前記ダイレクトクラッチCを介して連結される。
【0029】そして、前記カウンタシャフト107には、大ギヤ151及び小ギヤ152が固定され、前記大ギヤ151は、セカンダリシャフト127に固定されたギヤ153と噛(し)合し、また、小ギヤ152は、ディファレンシャル装置109のデフケース166に固定されたギヤ155と噛合する。前記ディファレンシャル装置109においては、前記デフケース166に支持されたデフギヤ156の回転が、左右のサイドギヤ157、159を介して左右の車軸160、161に伝達される。
【0030】また、固定シーブ123の外周部には、多数の凹凸部123aが歯切りによって等間隔に形成され、前記凹凸部123aに臨ませて、前記ケースに固定された電磁ピックアップから成るプライマリプーリ回転速度センサ162が配設される。同様に、固定シーブ129の外周部には、多数の凹凸部129aが歯切りによって等間隔に形成され、前記凹凸部129aに臨ませて、前記ケースに固定された電磁ピックアップから成るセカンダリプーリ回転速度センサ、すなわち、車速センサ44が配設される。したがって、該車速センサ44によって車両の走行条件を表す車速Vを、プライマリプーリ回転速度センサ162によって入力プーリ回転速度をそれぞれ検出することができる。
【0031】また、前記フロントカバー117に近接させて前記ケースに固定された電磁ピックアップから成るエンジン回転速度センサ165が配設され、該エンジン回転速度センサ165によってエンジン負荷を表すエンジン回転速度NE を検出することができる。
【0032】前記構成の無段変速機10において、前記エンジンを駆動することによって発生させられた回転は、トルクコンバータ106及び前後進切換装置103を介して変速機構102に伝達され、該変速機構102において変速が行われた後、ギヤ153、大ギヤ151、小ギヤ152及びギヤ155を介してディファレンシャル装置109に伝達される。そして、前記前後進切換装置103において、リバースブレーキBを解放した状態でダイレクトクラッチCを係合させると、ダブルピニオンプラネタリギヤ150は直結状態になり、入力軸112に伝達された回転はそのままプライマリプーリ126に伝達され、車両を前進させることができる。また、リバースブレーキBを係合させた状態でダイレクトクラッチCを解放すると、ダブルピニオンプラネタリギヤ150は逆転状態になり、入力軸112に伝達された回転は逆転させられてプライマリプーリ126に伝達され、車両を後退させることができる。
【0033】そして、シフトアップの変速を行う場合、油圧サーボ133に油圧が供給され、前記プライマリプーリ126の有効径が小さくされ、セカンダリプーリ131の有効径が大きくされる。その結果、変速比が小さくされる。また、シフトダウンの変速を行う場合、油圧サーボ133の油圧がドレーンされ、前記プライマリプーリ126の有効径が大きくされ、セカンダリプーリ131の有効径が小さくされる。その結果、変速比が大きくされる。
【0034】次に、自動変速機制御装置について説明する。
【0035】図3は本発明の実施の形態における自動変速機制御装置のブロック図である。
【0036】図において、12は無段変速機10(図2)の全体の制御を行う自動変速機制御部、13は図示されないエンジンの全体の制御を行うエンジン制御部、14はナビゲーション装置である。
【0037】また、40は車両・運転者操作情報検出部であり、該車両・運転者操作情報検出部40は、ステアリングセンサ24、ウインカセンサ41、運転者のアクセル操作を検出するアクセルセンサ42、運転者のブレーキ操作を検出するブレーキセンサ43、車速Vを検出する車速センサ44、運転者による加速要求を表すスロットル開度θを検出するスロットル開度センサ45、運転者がシフトレバー等の選速手段を操作することによって選択したレンジを検出するシフトポジションセンサ46、及び運転者が走行モードを選択するための走行モード選択スイッチ53を備える。前記ウインカセンサ41は、運転者が、車両を右折させる場合に、図示されない右折用のウインカスイッチをオンにしたことを表すウインカ右スイッチオン、運転者が、車両を左折させる場合に、図示されない左折用のウインカスイッチをオンにしたことを表すウインカ左スイッチオン、又はウインカオフを検出する。そして、前記走行モード選択スイッチ53を操作することによって、車両を通常の駆動力で走行させる通常走行モード、車両を大きい駆動力で走行させるパワー走行モード、例えば、氷雪路において車両を小さい駆動力で走行させるウインタ走行モード等のうちの一つの走行モードを選択することができる。
【0038】48は車両の前方を監視する前方監視装置、49は道路の車線を表す表示線を認識する表示線認識装置、50は車両の周辺を監視する周辺監視装置、51はRAM、52はROMである。なお、RAM51及びROM52によって記録手段が構成される。また、前記レンジとして、ニュートラルレンジ(N)、前進レンジ(D)、ローレンジ(L)、後進レンジ(R)及びパーキングレンジ(P)を選択することができる。なお、前記前方監視装置48は、レーザーレーダ、ミリ波レーダ、超音波センサ等、又はそれらの組合せから成り、車間距離、車間時間等を算出する。また、前記周辺監視装置50は、車両の前方の画像をCCD、C−MOS等のカメラによって撮影し、撮影によって得られた画像データを処理して、先行車の有無、走行レーン、周辺の車両数等を算出する。
【0039】前記ナビゲーション装置14は、車両の現在位置を検出する現在位置検出部15、道路データ等の各種のデータが記録された記録媒体としてのデータ記録部16、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38を有する。
【0040】そして、前記現在位置検出部15は、GPS21、地磁気センサ22、距離センサ23、ステアリングセンサ24、ビーコンセンサ25、ジャイロセンサ26、図示されない高度計等から成る。
【0041】前記GPS21は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することによって地球上における現在位置を検出し、前記地磁気センサ22は、地磁気を測定することによって車両が向いている方位を検出し、前記距離センサ23は、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。前記距離センサ23としては、例えば、車輪の回転数を測定し、該回転数に基づいて距離を検出するもの、加速度を測定し、該加速度を2回積分して距離を検出するもの等を使用することができる。
【0042】また、前記ステアリングセンサ24は、舵(だ)角を検出し、前記ステアリングセンサ24として、例えば、図示されないステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、図示されない車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
【0043】そして、前記ビーコンセンサ25は、道路に沿って配設されたビーコンからの位置情報を受信することによって現在位置を検出する。前記ジャイロセンサ26は、車両の回転角速度、すなわち、旋回角を検出し、前記ジャイロセンサ26として、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。そして、ジャイロセンサ26によって検出された旋回角を積分することにより、車両が向いている方位を検出することができる。
【0044】前記GPS21及びビーコンセンサ25は、それぞれ単独で現在位置を検出することができる。そして、距離センサ23によって検出された距離と、地磁気センサ22及びジャイロセンサ26によって検出された方位とを組み合わせることにより現在位置を検出することもできる。また、距離センサ23によって検出された距離と、ステアリングセンサ24によって検出された舵角とを組み合わせることによって現在位置を検出することもできる。
【0045】前記データ記録部16は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、写真データファイル、及び各地域のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内等の施設の情報が記録された施設情報データファイルから成るデータベースを備える。そして、前記各データファイルには、経路を探索するためのデータのほか、前記表示部35の図示されない画面に、探索した経路に沿って案内図を表示したり、交差点又は経路における特徴的な写真、コマ図等を表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向等を表示したり、他の案内情報を表示したりするための各種のデータが記録される。なお、前記データ記録部16には、所定の情報を音声出力部37によって出力するための各種のデータも記録される。
【0046】ところで、前記交差点データファイルには各交差点に関する交差点データが、ノードデータファイルにはノード点に関するノードデータが、道路データファイルには道路に関する道路データがそれぞれ記録され、前記交差点データ、ノードデータ及び道路データによって道路状況が表される。なお、前記交差点データには、交差点が信号機のある交差点であるか、信号機のない交差点であるか等の情報が含まれる。また、前記ノードデータは、前記地図データファイルに記録された地図データにおける少なくとも道路の位置及び形状を構成するものであり、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等を含む)、ノード点、及び各ノード点間を連結するリンクを示すデータから成る。なお、前記ノード点は少なくとも道路の屈曲点の位置を示し、分岐点及びノード点は少なくとも緯度、経度及び高度で表される。
【0047】そして、前記道路データによって、道路自体については、幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点等が、コーナについては、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口等が、道路属性については、踏切、高速道路出口ランプウェイ、高速道路の料金所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、一般道、高速道等)等がそれぞれ表される。
【0048】また、前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行うCPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM32、及び制御プログラムのほか、目的地までの経路の探索、経路中の走行案内、特定区間の決定等を行うための各種のプログラムが記録された記録媒体としてのROM33から成るとともに、前記ナビゲーション処理部17に、前記入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。
【0049】なお、前記データ記録部16及びROM33は、図示されない磁気コア、半導体メモリ等によって構成される。また、前記データ記録部16及びROM33として、磁気テープ、磁気ディスク、フロッピーディスク、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、ICカード、光カード等の各種の記録媒体を使用することもできる。
【0050】本実施の形態においては、前記ROM33に各種のプログラムが記録され、前記データ記録部16に各種のデータが記録されるようになっているが、前記プログラム及びデータを同じ外部の記録媒体に記録することもできる。この場合、例えば、前記ナビゲーション処理部17にフラッシュメモリを配設し、前記外部の記録媒体から前記プログラム及びデータを読み出してフラッシュメモリに書き込むこともできる。したがって、外部の記録媒体を交換することによって前記プログラム及びデータを更新することができる。また、自動変速機制御部12用の制御プログラム等も前記外部の記録媒体に記録することができる。このように、各種の記録媒体に記録されたプログラムを起動し、データに基づいて各種の処理を行うことができる。
【0051】前記通信部38は、FM送信装置、電話回線等との間で各種のデータの送受信を行うためのものであり、例えば、図示されない情報センサ等によって渋滞等の道路情報、交通事故情報、GPS21の検出誤差を検出するD−GPS情報等の各種のデータを受信する。
【0052】前記入力部34は、走行開始時の位置を修正したり、目的地を入力したりするためのものであり、前記入力部34として、表示部35と別に配設されたキーボード、マウス、バーコードリーダ、ライトペン、遠隔操作用のリモートコントロール装置等を使用することができる。また、前記入力部34を、表示部35の画面に画像で表示されたキー又はメニューにタッチすることにより入力を行うタッチパネルによって構成することもできる。
【0053】そして、前記表示部35には、操作案内、操作メニュー、操作キーの案内、目的地までの経路、走行する経路に沿った案内等が表示される。前記表示部35としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することができる。
【0054】また、音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができる。さらに、音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音情報、例えば、音声合成装置によって合成された音声から成る案内情報、変速情報等をスピーカから出力し、運転者に知らせる。なお、音声合成装置によって合成された音声のほかに、各種の音、及びあらかじめテープ、メモリ等の記録媒体に録音された各種の案内情報をスピーカから出力することもできる。
【0055】前記構成のナビゲーション装置14において、CPU31の図示されない表示処理手段は、表示処理を行うことによって、表示部35の画面に案内画面を開き、該案内画面に現在位置及び周辺の地図を表示する。そして、運転者によって入力部34が操作されて目的地が設定されると、CPU31の図示されない経路探索処理手段は、経路探索処理を行うことによって、現在位置から目的地までの経路を探索し、経路が探索されると、前記表示処理手段は、表示処理を行うことによって、前記案内画面を開き、該案内画面に現在位置、周辺の地図及び探索された経路を表示し、経路案内を開始する。したがって、運転者は、前記経路案内に従って車両を走行させることができる。
【0056】次に、前記自動変速機制御装置の動作について説明する。
【0057】図4は本発明の実施の形態における自動変速機制御装置のシフト制御の動作を示すメインフローチャート、図5は本発明の実施の形態における高負荷発進予測判断処理のサブルーチンを示す図、図6は本発明の実施の形態における通常走行モード時の変速線図、図7は本発明の実施の形態におけるパワー走行モード時の変速線図、図8は本発明の実施の形態における通常シフト制御処理のサブルーチンを示す図、図9は本発明の実施の形態における許容変速比シフト制御処理のサブルーチンを示す図である。なお、図6及び7において、横軸に車速Vを、縦軸にエンジン回転速度NE を採ってある。
【0058】まず、自動変速機制御部12(図3)のシフト制御処理手段93(図1)は、選択されたレンジ、車両の走行条件を表す車速V、加速要求を表すスロットル開度θ及び選択された走行モードを読み込み、例えば、通常走行モードが選択されている場合は、ROM52に記録された図6に示される変速線図を、パワー走行モードが選択されている場合は、ROM52に記録された図7に示される変速線図を参照し、選択されたレンジにおける車速V及びスロットル開度θに基づいて、エンジン回転速度NE の目標値、すなわち、目標エンジン回転速度NE * を算出する。
【0059】続いて、前記シフト制御処理手段93は、エンジン回転速度NE を読み込み、該エンジン回転速度NE と前記目標エンジン回転速度NE * とを比較する。そして、エンジン回転速度NE が目標エンジン回転速度NE * より高い場合、シフトアップの変速を行い、エンジン回転速度NE と目標エンジン回転速度NE * とが等しい場合、変速は行わず、エンジン回転速度NE が目標エンジン回転速度NE* より低い場合、シフトダウンの変速を行う。
【0060】ところで、通常走行モードが選択されると、図6に示されるように、最大変速比を表す線L1、最小変速比を表す線L2、スロットル開度θが100〔%〕であるときの最大のエンジン回転速度NE 、すなわち、最大使用回転速度を表す線L3、スロットル開度θが0〔%〕であるときの最小のエンジン回転速度NE 、すなわち、最小使用回転速度を表す線L4、及び車速Vの限界値を示す線L5によって包囲される変速領域AR1が設定される。
【0061】そして、運転者が、通常走行モードを選択して、アクセルペダルを踏み込むと、スロットル開度θが大きくなるのに従って、原点から線L1に沿って車速V及びエンジン回転速度NE が変化し、続いて、運転者がアクセルペダルの踏込量を一定の値に保持すると、スロットル開度θが一定の値に保持されたまま線L1から線L2に向けて車速Vが高くなる。この間、変速比は徐々に小さくなる。そして、車速Vが線L2に到達すると、定常状態が形成され、所期の車速V及びエンジン回転速度NE で車両が走行させられる。
【0062】また、定常状態から運転者がアクセルペダルを緩めると、スロットル開度θが小さくなるのに従って、線L2に沿って車速V及びエンジン回転速度NE が変化し、スロットル開度θが0〔%〕になると、線L4に沿って車速Vが変化する。この間、変速比は徐々に大きくなる。そして、車速Vが線L1に到達すると、その後、該線L1に沿って車速V及びエンジン回転速度NE が変化して原点に到達する。
【0063】一方、パワー走行モードが選択されると、図7に示されるように、最大変速比を表す線L11、最小変速比を表す線L12、最大使用回転速度を表す線L13、最小使用回転速度を表す線L14、及び車速Vの限界値を示す線L15によって包囲される変速領域AR11が設定される。なお、パワー走行モードが選択されたときの変速線図においては、線L13によって表される最大使用回転速度が、通常走行モードが選択されたときの変速線図より高くされ、線L12によって表される最小変速比が、通常走行モードが選択されたときの変速線図より大きくされる。
【0064】そして、運転者が、パワー走行モードを選択して、アクセルペダルを踏み込むと、スロットル開度θが大きくなるのに従って、原点から線L11に沿って車速V及びエンジン回転速度NE が変化し、続いて、運転者がアクセルペダルの踏込量を一定の値に保持すると、スロットル開度θが一定の値に保持されたまま線L11から線L12に向けて車速Vが高くなる。この間、変速比は徐々に小さくなる。そして、車速Vが線L12に到達すると、定常状態が形成され、所期の車速V及びエンジン回転速度NE で車両が走行させられる。
【0065】また、定常状態から運転者がアクセルペダルを緩めると、スロットル開度θが小さくなるのに従って、線L12に沿って車速V及びエンジン回転速度NE が変化し、スロットル開度θが0〔%〕になると、線L14に沿って車速Vが変化する。この間、変速比は徐々に大きくなる。そして、車速Vが線L11に到達すると、その後、該線L11に沿って車速V及びエンジン回転速度NE が変化して原点に到達する。
【0066】ところで、車両を一旦停止させた後、車両を発進させる場合、大きな駆動トルクが必要になる。そこで、車両を停止させた状態において前記変速比が最大にされ、無段変速機10(図2)の出力トルクが最大にされる。ところが、無段変速機10の場合、可動シーブ125、130を移動させてプライマリプーリ126及びセカンダリプーリ131の有効径を変化させることによって変速比を変化させる必要があるので、変速機構102が停止した状態においては、変速比を最大にすることができない。そこで、無段変速機10においては、車両が走行状態から停止状態に移行する過渡状態を検出し、車両が停止する前にシフトダウンの変速を行い、変速比を最大にしている。
【0067】そして、前述されたように、線L2、L12に沿って車速V及びエンジン回転速度NE が変化し、スロットル開度θが0〔%〕になると、線L4、L14に沿って車速Vが変化するが、このとき、変速比は線L1、L11に表されるように変化させられる。このようにして、運転者に減速感を与えない範囲でシフトダウンの変速を行い、車両の加速性を向上させるようにしている。
【0068】ところで、例えば、高速道路の入口の料金所等において通行券を受け取るために車両を一旦停止させた後、車両を発進させる場合には、短時間で本線上に到達することができるように、通常の発進時より車速を速く立ち上げる必要がある。また、交差点を右折するために交差点の中央で車両を一旦停止させた後、車両を発進させる場合には、短時間で交差点から抜け出ることができるように、通常の発進時より車速を速く立ち上げる必要がある。
【0069】この場合、前記最大変速比を十分に大きくすることができないと、十分な駆動力を発生させることができず、車両の加速性が低くなってしまう。
【0070】そこで、本実施の形態においては、車両の走行環境を検出し、検出された走行環境に基づいて、通常の発進時より車速を速く立ち上げる必要が生じることが予測されるかどうかが判断され、通常の発進時より車速を速く立ち上げる必要が生じることが予測される場合、前記変速領域AR1、AR11の最大変速比側に隣接させて変速付加領域AR2、AR12が設定されるようになっている。この場合、最大変速比を表す線L1、L11に代えて、最大変速比より大きく設定された許容変速比を表す線L6、L16が形成される。したがって、通常走行モードにおいて、線L2〜L6によって包囲される変速領域AR3で、パワー走行モードにおいて、線L12〜L16によって包囲される変速領域AR13で変速が行われる。
【0071】そして、変速領域AR3、AR13で変速が行われる場合、運転者がアクセルペダルを踏み込むと、スロットル開度θが大きくなるのに従って、原点から線L6、L16に沿って車速V及びエンジン回転速度NE が変化し、続いて、運転者がアクセルペダルの踏込量を一定の値に保持すると、スロットル開度θが一定の値に保持されたまま線L6、L16から線L2、L12に向けて車速Vが高くなる。この間、変速比は徐々に小さくなる。そして、車速Vが線L2、L12に到達すると、定常状態が形成され、所期の車速V及びエンジン回転速度NE で車両が走行させられる。
【0072】また、定常状態から運転者がアクセルペダルを緩めると、スロットル開度θが小さくなるのに従って、線L2、L12に沿って車速V及びエンジン回転速度NE が変化し、スロットル開度θが0〔%〕になると、線L4、L14に沿って車速Vが変化する。この間、変速比は徐々に大きくなる。そして、車速Vが線L6、L16に到達して変速比が許容変速比になると、その後、線L6、L16に沿って車速V及びエンジン回転速度NE が変化して原点に到達する。
【0073】ところで、自動変速機制御部12は、走行環境検出手段91によって検出された走行環境を読み出し、ウインタ走行モードが選択されていない場合に、発進負荷予測判断処理手段92によって、前記走行環境において車両を発進させる際に車両に加わる発進負荷が大きくなることが予測されるかどうか、すなわち、車両が高負荷発進を行うことが予測されるかどうかを判断する。なお、ウインタ走行モードが選択されている場合は、氷雪路における発進が想定され、車両の発進負荷が小さくなることが予測されるので、発進時の変速比を大きくするのは好ましくない。したがって、ウインタ走行モードが選択されている場合は、車両が高負荷発進を行うことが予測されるかどうかを判断することなく、通常シフト制御処理を行う。そのために、前記自動変速機制御部12は図示されない禁止処理手段を備え、該禁止処理手段は、ウインタ走行モードが選択されたことが検出されると、前記許容変速比で車両を停止させるのを禁止する。また、車両が渋滞路を走行している場合のように、発進と停止とが頻繁に繰り返されるような状況において、発進のたびにわずかなアクセル操作で大きなトルクが発生すると、車両の走行を安定させることができなくなる。したがって、前記禁止処理手段は、車両が渋滞路を走行していることが検出されると、許容変速比で車両を停止させるのを禁止する。
【0074】本実施の形態において、前記発進負荷予測判断処理手段92は図示されない高負荷発進予測判断処理手段によって構成され、該高負荷発進予測判断処理手段は高負荷発進予測判断処理を行い、車両が高負荷発進を行うことが予測されるかどうかを判断する。
【0075】そのために、前記高負荷発進予測判断処理手段は、車両・運転者操作情報検出部40から、ウインカセンサ41によって検出されたウインカオフ、ウインカ右オン又はウインカ左オン等の車両情報、及び走行モード選択スイッチ53によって検出された走行モード等の運転者操作情報を、ナビゲーション処理部17から、現在位置検出部15によって検出された現在位置、データ記録部16に記録された道路状況、高速道路の入口の料金所の有無等のナビ情報を、周辺監視装置50から車両が位置する走行レーン、該走行レーンの前方における先行車の有無等の車両環境情報を読み込むとともに、必要に応じて環境情報及び車両周辺情報を読み込む。なお、この場合、現在位置検出部15、車両・運転者操作情報検出部40、ナビゲーション処理部17、周辺監視装置50等によって走行環境検出手段91が構成される。
【0076】また、前記車両情報として、車速V、スロットル開度θ、エンジン回転速度NE 、該エンジン回転速度NE に基づいて算出されたエンジン回転速度変化、車速Vに基づいて算出された車速変化(加速度又は減速度)、図示されない油温センサによって検出されたATF温度、図示されないABSセンサによって検出された車輪ロック・アンロック、図示されない振動ジャイロセンサによって検出された縦ジャイロ、横ジャイロ又はロール角、図示されない水温センサによって検出されたエンジン水温、図示されない流量センサによって検出された吸入空気量、図示されない酸素(O2 )センサによって検出された酸素濃度等を利用することもできる。
【0077】また、運転者操作情報として、アクセルセンサ42によって検出されたアクセル開度、該アクセル開度に基づいて算出された踏込速度情報又はキックダウンオン・オフ情報、図示されないキックダウンスイッチによって検出されたキックダウンオン・オフ情報、ブレーキセンサ43によって検出されたブレーキ操作等、図示されないブレーキスイッチによって検出されたブレーキオン・オフ情報、ブレーキセンサ43によって検出された図示されないブレーキペダルの踏込強さ又は踏込速度、図示されないブレーキ油圧センサによって検出された前記ブレーキペダルの踏込強さ又は踏込速度、前記舵角、又は該舵角に基づいて算出された操舵速度、図示されないワイパスイッチによって検出されたワイパオフ、間欠オン、連続(ロー)オン又は連続(ハイ)オン、図示されないライトスイッチによって検出されたスモールライトオン、ヘッドライト(ロー)オン、ヘッドライト(ハイ)オン又はオートオン、図示されないN.S.スイッチによって検出されたレンジ等を利用することもできる。
【0078】そして、環境情報として、図示されない外気温センサによって検出された外気温度、図示されない日射センサによって検出された日射量等を利用することもできる。
【0079】さらに、ナビ情報として、データ記録部16に記録された道路の形状、道路種別、車線数、交差点形状、タウン情報又は地域情報、GPS21によって検出された時間(季節)、通信部38によって取得されたVICS渋滞レベル、通信部38によって取得されたFM多重放送によるD−GPS情報、図示されない携帯電話によって取得された地図情報、渋滞情報、行楽情報又は天気情報、衛星放送によって取得された地図情報、図示されないDSRCによって取得されたETC情報、料金決済情報、地図情報、交差点情報又はタウン情報、SS無線によって検出された車間情報等を利用することもできる。
【0080】そして、車両環境情報として、車間距離、車間時間、前方の道路の形状、白線位置、路肩位置、路面状態、道路標識、信号機又は障害物等を利用することもできる。
【0081】また、車両周辺情報として、図示されない超音波センサによって検出された障害物、図示されないマイクロ波センサによって検出された障害物、図示されないカメラによって検出された障害物等を利用することもできる。
【0082】ところで、本実施の形態において、車両が高負荷発進を行うことが予測されるかどうかの判断は、負荷発進予測判断条件、すなわち、高負荷発進予測判断条件が成立したかどうかを判断することによって行われる。そのために、前記高負荷発進予測判断処理手段は、図示されない条件成立判断処理手段によって条件成立判断処理を行い、前記走行環境において、高負荷発進予測判断条件が成立したかどうかを判断する。そして、前記高負荷発進予測判断処理手段は、高負荷発進予測判断条件が成立した場合、高負荷発進予測判断フラグをオンにし、高負荷発進予測判断条件が成立しない場合、高負荷発進予測判断フラグをオフにする。
【0083】本実施の形態において、高負荷発進予測判断条件が成立したかどうかを判断するために、前記条件成立判断処理手段は、第1の予測判断条件として、運転者によってパワー走行モードが選択されているかどうか、第2の予測判断条件として、車両が信号機のある交差点の手前で、かつ、右折用の走行レーンに位置するかどうか、第3の予測判断条件として、車両が信号機のある交差点の手前に位置し、かつ、ウインカ右オンが検出されたかどうか、第4の予測判断条件として、車両が信号機のある交差点の手前に位置し、かつ、先行車がないかどうか、第5の予測判断条件として、車両が信号機のない交差点の手前に位置するかどうか、第6の予測判断条件として、車両が高速道路の入口の料金所の手前に位置するかどうか、第7の予測判断条件として、車両が進入しようとする道路外で、かつ、該道路の手前に位置するかどうかを選択的に判断する。
【0084】そして、前記条件成立判断処理手段は、各第1〜第7の予測判断条件のうちの少なくとも一つの予測判断条件が成立するかどうかを判断し、各条件のうちの少なくとも一つが成立する場合に、高負荷発進予測判断条件が成立したと判断する。したがって、前記車両情報、運転者操作情報、ナビ情報、車両環境情報等のうちの各条件に対応するものだけが読み込まれる。
【0085】そして、第1の予測判断条件は、運転者によってパワー走行モードが選択されている場合、第2の予測判断条件は、車両が信号機のある交差点の手前で、かつ、右折用の走行レーンに位置する場合、第3の予測判断条件は、車両が信号機のある交差点の手前に位置し、かつ、ウインカ右オンが検出された場合に、第4の予測判断条件は、車両が信号機のある交差点の手前に位置し、かつ、先行車がない場合に、第5の予測判断条件は、車両が信号機のない交差点の手前に位置する場合に、第6の予測判断条件は、車両が高速道路の入口の料金所の手前に位置する場合に、第7の予測判断条件は、車両が道路外で、かつ、道路の手前に位置する場合に成立する。
【0086】なお、第1〜第7の予測判断条件のうちの成立した条件の数等によって点数を付与し、点数の総和が閾(しきい)値を超えたときに高負荷発進予測判断条件が成立したと判断することもできる。さらに、第1〜第7の予測判断条件のうちの成立した条件について、成立の程度によって重み付けを行い、重みの総和が閾値を超えたときに高負荷発進予測判断条件が成立したと判断することもできる。
【0087】続いて、前記シフト制御処理手段93は、高負荷発進予測判断フラグがオンであるかどうかを判断する。そして、高負荷発進予測判断フラグがオンである場合、シフト制御処理手段93の図示されない許容変速比シフト制御処理手段は、許容変速比シフト制御処理を行い、あらかじめ設定された最大変速比より大きい許容変速比で車両を停止させ、高負荷発進予測判断フラグがオンでない場合、シフト制御処理手段93の図示されない通常シフト制御処理手段は、通常シフト制御処理を行い、あらかじめ設定された最大変速比で車両を停止させる。
【0088】ところで、前記許容変速比は、あらかじめ算出され、許容変速比テーブルとしてROM52に記録される。前記許容変速比は最大変速比より大きくされ、例えば、最大変速比の1.75〜1.85倍程度のうちの所定の値にされる。なお、算出する際の基礎となる最大変速比は図6において線L1によって示される。したがって、前記許容変速比シフト制御処理手段は、前記許容変速比テーブルを参照して許容変速比を読み込みセットする。
【0089】本実施の形態においては、許容変速比はあらかじめ一つの値に設定されるが、シフト制御処理手段93の図示されない算出処理手段によって前記許容変速比を算出することもできる。また、許容変速比を発進負荷の大きさに対応させて変化させることもできる。例えば、第1〜第7の予測判断条件のうちの成立した条件の数等によって点数を付与し、付与された点数が0点のときに、最大変速比をセットし、1〜3点のときに許容変速比を最大変速比の1.75倍とし、4、5点のときに許容変速比を最大変速比の1.80倍とし、6、7点のときに許容変速比を最大変速比の1.85倍とすることもできる。
【0090】このように、車両が高負荷発進を行うことが予測されると、最大変速比より大きい許容変速比でシフトダウンの変速が行われ、車両が停止させられる。したがって、例えば、高速道路の入口の料金所等において通行券を受け取るために車両を一旦停止させた後、車両を発進させる場合、前記変速比を十分に大きくすることができるので、通常の発進時より車速Vを速く立ち上げることができる。その結果、十分な駆動力を発生させることができ、車両の加速性を高くすることができるので、短時間で本線上に到達することができる。
【0091】また、交差点を右折するために交差点の中央で車両を一旦停止させた後、車両を発進させる場合、前記変速比を十分に大きくすることができるので、通常の発進時より車速Vを速く立ち上げることができる。その結果、十分な駆動力を発生させることができ、車両の加速性を高くすることができるので、短時間で交差点から抜け出ることができる。
【0092】次に、図4のフローチャートについて説明する。
ステップS1 高負荷発進予測判断処理を行う。
ステップS2 高負荷発進予測判断フラグがオンであるかどうかを判断する。高負荷発進予測判断フラグがオンである場合はステップS4に、オンでない場合はステップS3に進む。
ステップS3 通常シフト制御処理を行い、リターンする。
ステップS4 許容変速比シフト制御処理を行い、リターンする。
【0093】次に、図5のフローチャートについて説明する。
ステップS1−1 車両情報を読み込む。
ステップS1−2 運転者操作情報を読み込む。
ステップS1−3 ナビ情報を読み込む。
ステップS1−4 車両環境情報を読み込む。
ステップS1−5 高負荷発進予測判断条件が成立したかどうかを判断する。高負荷発進予測判断条件が成立した場合はステップS1−7に、成立しない場合はステップS1−6に進む。
ステップS1−6 高負荷発進予測判断フラグをオフにし、リターンする。
ステップS1−7 高負荷発進予測判断フラグをオンにし、リターンする。
【0094】次に、図8のフローチャートについて説明する。
ステップS3−1 最大変速比をセットし、リターンする。
【0095】次に、図9のフローチャートについて説明する。
ステップS4−1 許容変速比テーブルを参照する。
ステップS4−2 許容変速比をセットし、リターンする。
【0096】なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0097】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、自動変速機制御装置においては、車両の走行環境を検出する走行環境検出手段と、検出された走行環境において車両を発進させる際に車両に加わる発進負荷が大きくなることが予測されるかどうかを判断する発進負荷予測判断処理手段と、発進負荷が大きくなることが予測される場合に、あらかじめ設定された最大変速比より大きい許容変速比で車両を停止させ、発進負荷が大きくなることが予測されない場合に、前記最大変速比で車両を停止させるシフト制御処理手段とを有する。
【0098】この場合、発進負荷が大きくなることが予測される場合に、あらかじめ設定された最大変速比より大きい許容変速比で車両を停止させ、発進負荷が大きくなることが予測されない場合に、前記最大変速比で車両を停止させる。
【0099】したがって、例えば、高速道路の入口の料金所等において通行券を受け取るために車両を一旦停止させた後、車両を発進させる場合、前記変速比を十分に大きくすることができるので、通常の発進時より車速を速く立ち上げることができる。その結果、十分な駆動力を発生させることができ、車両の加速性を高くすることができるので、短時間で本線上に到達することができる。
【0100】また、交差点を右折するために交差点の中央で車両を一旦停止させた後、車両を発進させる場合、前記変速比を十分に大きくすることができるので、通常の発進時より車速を速く立ち上げることができる。その結果、十分な駆動力を発生させることができ、車両の加速性を高くすることができるので、短時間で交差点から抜け出ることができる。
【出願人】 【識別番号】000100768
【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
【識別番号】591261509
【氏名又は名称】株式会社エクォス・リサーチ
【出願日】 平成11年12月17日(1999.12.17)
【代理人】 【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠 (外1名)
【公開番号】 特開2001−173776(P2001−173776A)
【公開日】 平成13年6月26日(2001.6.26)
【出願番号】 特願平11−358612