| 【発明の名称】 |
自動変速機の油圧制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 明智
【氏名】久野 孝之
【氏名】西田 正明
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| 【要約】 |
【課題】バルブボディと、信号圧の印加に対する調圧弁の作動を変更することなく、ロックアップのための油圧の給排関係が油路接続上逆になるロックアップクラッチ仕様変更への対応を可能とする。
【解決手段】自動変速機の油圧制御装置のバルブボディは、少なくとも2つの部材を積層してなり、流体伝動装置1のロックアップクラッチ11への供給油圧を調圧する調圧弁2と、調圧弁に信号圧を印加する制御手段3と、調圧のための基圧を供給する源圧油路LS と、ドレーンポートに連通するドレーン油路LE とを有する。調圧弁は、ロックアップ油室に油路L4 で連通するポートの両側に油路L3 に通じるポートと油路L5 に通じるポートを有する。バルブボディの一方の部材に設けた油路L3 ,L5 の開口部を、バルブボディの他方の部材に設けた源圧油路とドレーン油路の開口部双方にそれぞれ重ねて配置し、バルブボディの両部材の間に介挿するセパレータプレートの連通孔と閉鎖部により、油路L3 と油路L5 の源圧油路とドレーン油路への連通関係を変更する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロックアップクラッチのロックアップ油室が流体伝動室に対して独立した流体伝動装置を備える自動変速機の油圧制御装置において、油圧制御装置のバルブボディは、少なくとも2つの部材を積層してなり、ロックアップクラッチへの供給油圧を調圧する調圧弁と、該調圧弁に信号圧を印加する制御手段と、前記調圧のための基圧を供給する源圧油路と、ドレーンポートに連通するドレーン油路とを有し、調圧弁は、制御手段からの信号圧が印加される第2のポートと、ロックアップ油室に連通させる第4のポートと、第4のポートの一方側の第3のポートと、第4のポートの他方側の第5のポートを有し、第3のポートに連通させてバルブボディの一方の部材に設けた油路の開口部は、バルブボディの他方の部材に設けた源圧油路の開口部とドレーン油路の開口部の両方に重なるように配置され、第5のポートに連通させてバルブボディの一方の部材に設けた油路の開口部は、バルブボディの他方の部材に設けた源圧油路の開口部とドレーン油路の開口部の両方に重なるように配置され、バルブボディの一方の部材と他方の部材との間に、第3のポートに連通させた油路の開口部と源圧油路の開口部、及び、第5のポートに連通させた油路の開口部とドレーン油路の開口部を、それぞれ連通させる連通孔を設けたセパレータプレートが介挿されたことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。 【請求項2】 ロックアップクラッチのロックアップ油室が流体伝動室に開放された流体伝動装置を備える自動変速機の油圧制御装置において、油圧制御装置のバルブボディは、少なくとも2つの部材を積層してなり、ロックアップクラッチへ供給する油圧を調圧する調圧弁と、該調圧弁に信号圧を印加する制御手段と、前記調圧のための基圧を供給する源圧油路と、ドレーンポートに連通するドレーン油路とを有し、調圧弁は、制御手段の信号圧が印加される第2のポートと、ロックアップ油室に連通させ第4のポートと、第4のポートの一方側の第3のポートと、第4のポートの他方側の第5のポートを有し、第3のポートに連通させてバルブボディの一方の部材に設けた油路の開口部は、バルブボデイの他方の部材に設けた源圧油路の開口部とドレーン油路の開口部の両方に重なるように配置され、第5のポートに連通させてバルブボディの一方の部材に設けた油路の開口部は、バルブボデイの他方の部材に設けた源圧油路の開口部とドレーン油路の開口部の両方に重なるように配置され、バルブボディの一方の部材と他方の部材との間に、第3のポートに連通させた油路の開口部とドレーン油路の開口部、及び、第5のポートに連通させた油路の開口部と源圧油路の開口部を、それぞれ連通させる連通孔を設けたセパレータプレートが介挿されたことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。 【請求項3】 前記調圧弁は、更に第1のポートと第6のポートを有し、第1のポートは、第6のポートに対して反対側かつ制御手段から信号圧が印加されたときに調圧弁が動く側に配置され、流体伝動室に連通させた伝動室油路とロックアップ油室に連通させたロックアップ油路の開口部はバルブボディの他方の部材に設けられ、第1のポートに連通させた油路の開口部と第6のポートに連通させた油路の開口部は、それぞれ伝動油路の開口部とロックアップ油路の開口部の両方に重なるように配置され、セパレータプレートは、第1のポートに連通させた油路とロックアップ油路、及び、第6のポートに連通させた油路と伝動油路をそれぞれ連通させる連通孔を有する、請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。 【請求項4】 前記調圧弁は、更に第1のポートと第6のポートを有し、第1のポートは、第6のポートに対して反対側かつ制御手段から信号圧が印加されたときに調圧弁が動く側に配置され、流体伝動室に連通させた伝動油路とロックアップ油室に連通させたロックアップ油路の開口部はバルブボディの他方の部材に設けられ、第1のポートに連通させてバルブボディの一方の部材に設けた油路の開口部は、バルブボディの他方の部材に設けた伝動油路の開口部とロックアップ油路の開口部の両方に重なるように配置され、第6のポートに連通させてバルブボディの一方の部材に設けた油路の開口部は、バルブボディの他方の部材に設けた伝動油路の開口部とロックアップ油路の開口部の両方に重なるように配置され、セパレータプレートは、第1のポートに連通させた油路と伝動油路、及び、第6のポートに連通させた油路とロックアップ油路をそれぞれ連通させる連通孔を有する、請求項2記載の自動変速機の油圧制御装置。 【請求項5】 制御手段の信号圧が印加されるポートと、流体伝動室に連通させたポートを有するリレーバルブを有し、該リレーバルブは、制御手段からの信号圧に応じて流体伝動室内の油圧を制御する、請求項3又は4記載の自動変速機の油圧制御装置。 【請求項6】 前記リレーバルブは、前記調圧弁と別体にされた、請求項5記載の自動変速機の油圧制御装置。 【請求項7】 前記リレーバルブは、前記調圧弁と一体にされた、請求項5記載の自動変速機の油圧制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ロックアップクラッチ付流体伝動装置を備える自動変速機の油圧制御装置に関し、特に、油圧制御装置を流体伝動装置の形式変更に対して汎用化する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】自動変速機に付設される流体伝動装置としてのトルクコンバータや流体接手には、流体のスリップによる伝動ロスを低減するために、ロックアップクラッチが設けられるのが通例である。ロックアップクラッチには、伝達トルクが比較的小さいが、軽量、コンパクトの利点を持つ単板式のもの(例えば、特開平7−71591号公報参照)と、単板式に比べて大形ではあるが、伝達トルクが大きく、制御性に優れた多板式のもの(例えば、特許第2641419号公報参照)がある。単板式のものは、クラッチピストンと一体のクラッチプレートが、流体伝動室としてのコンバータ室側の油圧と、伝動装置ケースとクラッチプレートとの間の油圧との相対的大小、すなわちクラッチプレートにかかる差圧で作動するものとされ、コンバータ室側に油圧を供給することで伝動装置ケースに押圧係合されてロックアップ状態(以下、ロックアップオンという)となり、逆に、伝動装置ケースとクラッチプレートとの間から油圧を供給することでロックアップ解放(以下、ロックアップオフという)状態となる構成を採ることから、ロックアップ油室は、コンバータ室に対して開放されている。一方、多板式のものは、クラッチピストンと係合要素が別体とされ、伝動装置ケースをクラッチシリンダとする構成が採られることから、ロックアップ油室は、コンバータ油室とは独立した構成となり、上記単板式の場合とは逆に、伝動装置ケースとクラッチピストンとの間がロックアップ油室となり、そこにコンバータ室側より高い油圧を供給することでロックアップ状態となる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、自動変速機を車種やエンジントルク特性等の細かな仕様の違いに適合させる場合、逐一全体的な構成を変更するのでは、製造コストが嵩み、合理性に欠ける。一般に、自動変速機は、変速機構の制御と、ロックアップ制御を含む流体伝動装置の制御を、共通の油圧制御装置により行うものとされ、油圧制御装置は、バルブボディに組込んだ多数のバルブやオリフィス等を複雑に入り組んだ油路で接続した油圧回路で構成される。したがって、変速機構側は一部部品の付け替え等で各種の仕様に応じる対応ができても、ロックアップクラッチ形式の異なる流体伝動装置を用いようとする場合は、前記のように油圧の供給とそれに対するロックアップ作動が逆転するため、それに合わせて油圧回路を変更するのに、バルブの付け替え等の単純な部品変更では仕様変更に対応できず、バルブボディ全体の変更を余儀なくされる。こうしたバルブボディの変更は、それを製造するための金型設計費用などの増加を招き、コストアップの要因となる。 【0004】更に詳しくは、ロックアップ制御のために油圧回路中に介装される調圧弁は、該弁への信号圧の印加により作動するものであるが、信号圧印加のフェール状態を想定した場合、信号圧が出力不能となったときにロックアップオフとなることが、車両の走行を確保する意味から重要である。この点で、調圧弁は、ロックアップクラッチ形式の如何を問わず、信号圧が印加されることで調圧を開始する作動をすることが望ましい。こうした調圧弁の作動と、ロックアップ油室に対する油路接続の関係から、調圧弁の付け替えによる仕様変更への対応は不可能である。 【0005】本発明は、こうした事情に鑑みなされたものであり、実質的なバルブボディの変更を要せずに、しかも信号圧の印加に対する調圧弁の作動を変更することなく、ロックアップのための油圧の給排関係が油路接続上逆になるロックアップクラッチ仕様変更への対応を可能とする自動変速機の油圧制御装置を提供することを主たる目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明は、ロックアップクラッチのロックアップ油室が流体伝動室に対して独立した流体伝動装置を備える自動変速機の油圧制御装置において、油圧制御装置のバルブボディは、少なくとも2つの部材を積層してなり、ロックアップクラッチへの供給油圧を調圧する調圧弁と、該調圧弁に信号圧を印加する制御手段と、前記調圧のための基圧を供給する源圧油路と、ドレーンポートに連通するドレーン油路とを有し、調圧弁は、制御手段からの信号圧が印加される第2のポートと、ロックアップ油室に連通させる第4のポートと、第4のポートの一方側の第3のポートと、第4のポートの他方側の第5のポートを有し、第3のポートに連通させてバルブボディの一方の部材に設けた油路の開口部は、バルブボディの他方の部材に設けた源圧油路の開口部とドレーン油路の開口部の両方に重なるように配置され、第5のポートに連通させてバルブボディの一方の部材に設けた油路の開口部は、バルブボディの他方の部材に設けた源圧油路の開口部とドレーン油路の開口部の両方に重なるように配置され、バルブボディの一方の部材と他方の部材との間に、第3のポートに連通させた油路の開口部と源圧油路の開口部、及び、第5のポートに連通させた油路の開口部とドレーン油路の開口部を、それぞれ連通させる連通孔を設けたセパレータプレートが介挿されたことを特徴とする。 【0007】次に本発明は、ロックアップクラッチのロックアップ油室が流体伝動室に開放された流体伝動装置を備える自動変速機の油圧制御装置において、油圧制御装置のバルブボディは、少なくとも2つの部材を積層してなり、ロックアップクラッチへ供給する油圧を調圧する調圧弁と、該調圧弁に信号圧を印加する制御手段と、前記調圧のための基圧を供給する源圧油路と、ドレーンポートに連通するドレーン油路とを有し、調圧弁は、制御手段の信号圧が印加される第2のポートと、ロックアップ油室に連通させる第4のポートと、第4のポートの一方側の第3のポートと、第4のポートの他方側の第5のポートを有し、第3のポートに連通させてバルブボディの一方の部材に設けた油路の開口部は、バルブボデイの他方の部材に設けた源圧油路の開口部とドレーン油路の開口部の両方に重なるように配置され、第5のポートに連通させてバルブボディの一方の部材に設けた油路の開口部は、バルブボデイの他方の部材に設けた源圧油路の開口部とドレーン油路の開口部の両方に重なるように配置され、バルブボディの一方の部材と他方の部材との間に、第3のポートに連通させた油路の開口部とドレーン油路の開口部、及び、第5のポートに連通させた油路の開口部と源圧油路の開口部を、それぞれ連通させる連通孔を設けたセパレータプレートが介挿されたことを特徴とする。 【0008】前記ロックアップクラッチのロックアップ油室が流体伝動室に対して独立した流体伝動装置を備える場合において、前記調圧弁は、更に第1のポートと第6のポートを有し、第1のポートは、第6のポートに対して反対側かつ制御手段から信号圧が印加されたときに調圧弁が動く側に配置され、流体伝動室に連通させた伝動室油路とロックアップ油室に連通させたロックアップ油路の開口部はバルブボディの他方の部材に設けられ、第1のポートに連通させた油路の開口部と第6のポートに連通させた油路の開口部は、それぞれ伝動油路の開口部とロックアップ油路の開口部の両方に重なるように配置され、セパレータプレートは、第1のポートに連通させた油路とロックアップ油路、及び、第6のポートに連通させた油路と伝動油路をそれぞれ連通させる連通孔を有する構成とするのが有効である。 【0009】また、前記ロックアップクラッチのロックアップ油室が流体伝動室に開放された流体伝動装置を備える場合において、前記調圧弁は、更に第1のポートと第6のポートを有し、第1のポートは、第6のポートに対して反対側かつ制御手段から信号圧が印加されたときに調圧弁が動く側に配置され、流体伝動室に連通させた伝動油路とロックアップ油室に連通させたロックアップ油路はバルブボディの他方の部材の開口部に設けられ、第1のポートに連通させてバルブボディの一方の部材に設けた油路の開口部は、バルブボディの他方の部材に設けた伝動油路の開口部とロックアップ油路の開口部の両方に重なるように配置され、第6のポートに連通させてバルブボディの一方の部材に設けた油路の開口部は、バルブボディの他方の部材に設けた伝動油路の開口部とロックアップ油路の開口部の両方に重なるように配置され、セパレータプレートは、第1のポートに連通させた油路と伝動油路、及び、第6のポートに連通させた油路とロックアップ油路をそれぞれ連通させる連通孔を有する構成とするのが有効である。 【0010】更に、上記いずれかの場合において、制御手段の信号圧が印加されるポートと、流体伝動室に連通させたポートを有するリレーバルブを有し、該リレーバルブは、制御手段からの信号圧に応じて流体伝動室内の油圧を制御する構成とするのが有効である。 【0011】上記の構成において、前記リレーバルブは、前記調圧弁と別体にされた構成とするのが有効である。 【0012】また、前記リレーバルブは、前記調圧弁と一体にされた構成とするのも有効である。 【0013】 【発明の作用及び効果】上記請求項1記載の構成では、バルブボディの一方の部材に設けて調圧弁の第3のポートに連通させた油路の開口部と第5のポートに連通させた油路の開口部は、それぞれバルブボディの他方の部材に設けた源圧油路の開口部とドレーン油路の開口部の両方に重なるように配置されているので、ロックアップ油室が流体伝動室に対して独立した流体伝動装置から、ロックアップ油室を流体伝動室側に開放させた流体伝動装置に変更する場合に、バルブボディの一方の部材と他方の部材との間に介挿するセパレータプレートの変更のみで、調圧弁の作動による油圧の給排関係を逆転させ、それにより流体伝動装置のロックアップクラッチの形式変更に対応することができる。したがって、この構成によれば、単に連通孔位置を変更するだけで足りるセパレータプレートの交換のみで、油路配置の変更に金型設計からの変更を要するバルブボディの交換の必要性を排除することができる。 【0014】次に、請求項2記載の構成では、バルブボディの一方の部材に設けて調圧弁の第3のポートに連通させた油路の開口部と第5のポートに連通させた油路の開口部は、それぞれバルブボディの他方の部材に設けた源圧油路の開口部とドレーン油路の開口部の両方に重なるように配置されているので、ロックアップ油室が流体伝動室に対して開放された流体伝動装置から、ロックアップ油室が独立した流体伝動装置に変更する場合に、セパレータプレートの変更のみで、調圧弁の作動による油圧の給排関係を逆転させ、それにより流体伝動装置のロックアップクラッチの形式変更に対応することができる。したがって、この構成によれば、単に連通孔位置を変更するだけで足りるセパレータプレートの交換のみで、油路配置の変更に金型設計からの変更を要するバルブボディの交換の必要性を排除することができる。 【0015】更に、請求項3記載の構成では、第1のポートに連通させた油路の開口部と第6のポートに連通させた油路の開口部は、それぞれ伝動油路の開口部とロックアップ油路の開口部の両方に重なるように配置されているので、ロックアップ油室を独立させた流体伝動装置から、ロックアップ油室を独立させない流体伝動装置に変更する場合でも、セパレータプレートの変更のみで、調圧弁の作動に対するロックアップクラッチの作動に整合させた流体伝動装置の差圧制御が可能となる。 【0016】そして、請求項4記載の構成では、第1のポートに連通させた油路の開口部と第6のポートに連通させた油路の開口部は、それぞれ伝動油路の開口部とロックアップ油路の開口部の両方に重なるように配置されているので、ロックアップ油室を独立させない流体伝動装置から、ロックアップ油室を独立させた流体伝動装置に変更する場合でも、セパレータプレートの変更のみで、調圧弁の作動に対するロックアップクラッチの作動に整合させた流体伝動装置の差圧制御が可能となる。 【0017】更に、請求項5記載の構成では、リレーバルブにより流体伝動室の油圧を制御できるので、ロックアップクラッチの係合力を増大できる。 【0018】次に、請求項6記載の構成では、リレーバルブを調圧弁と別体にすることで、調圧弁の動きと関係なく流体伝動室の油圧を制御できるので、ロックアップクラッチの制御性を向上させることができる。 【0019】更に、請求項7記載の構成では、リレーバルブを調圧弁と一体にすることで、バルブボディをコンパクト化することができる。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1〜図9は本発明の思想を適用した油圧制御装置を備える自動変速機の第1実施形態を示す。この形態の概略構成から説明すると、図1に油圧回路構成を示すように、流体伝動装置1は、ロックアップクラッチ11のロックアップ油室RL が流体伝動室としてのコンバータ室RC に対して独立したトルクコンバータとされている。油圧制御装置のバルブボディは、図2に模式化して断面を示すように、2つの部材B1 ,B2 を積層してなり、ロックアップクラッチ11への供給油圧を調圧する調圧弁としてのロックアップコントロールバルブ2と、ロックアップコントロールバルブ2に信号圧を印加する制御手段としてのロックアップ用リニアソレノイドバルブ3と、ロックアップコントロールバルブ2による調圧のための基圧としてのセカンダリ圧(オイルポンプ9の吐出圧を、車両負荷に応じたスロットルリニアソレノイドバルブ7の信号圧の印加によりプライマリレギュレータバルブ5でライン圧に調圧することで排出される余剰圧を、更にセカンダリレギュレータバルブ6で流体伝動に適するように調圧した油圧)を供給する源圧油路(以下、実施形態の説明において、セカンダリ圧油路という)LS と、ドレーンポートに連通するドレーン油路LE とを有する。 【0021】図5に拡大して詳細を示すように、ロックアップコントロールバルブ2は、リニアソレノイドバルブ3からの信号圧が印加される第2のポートP2 と、ロックアップ油室RL に連通させる第4のポートP4 と、第4のポートP4 の一方側の第3のポートP3 と、第4のポートP4 の他方側の第5のポートP5 を有する。ロックアップコントロールバルブ2には、第2〜第5のポートの外側に更に第1のポートP1 と第6のポートP6 が設けられ、第1のポートP1 は、第6のポートP6 に対して反対側かつリニアソレノイドバルブ3から信号圧が印加されたときにロックアップコントロールバルブ2が動く側に配置されている。 【0022】そして、第3のポートP3 に連通させてバルブボディの一方の部材B1 に設けた油路L3 の開口部は、図2(A)に模式化した側面形状、また(B)に模式化した平面形状を示すように、バルブボディの他方の部材B2 に設けたセカンダリ圧油路LS の開口部とドレーン油路LE の開口部の両方に重なるように配置されている。同様に、第5のポートP5 に連通させてバルブボディの一方の部材B1に設けた油路L5 の開口部は、バルブボディの他方の部材B2 に設けたセカンダリ圧油路LS の開口部とドレーン油路LE の開口部の両方に重なるように配置されている。そして、バルブボディの一方の部材B1 と他方の部材B2 との間に、トルクコンバータの形式に応じて上記各開口部の連通関係を変更する連通孔BSOを設けたセパレータプレートBS が介挿されている。この連通関係の変更の相互関係については、後に詳記するが、図1に示す回路構成の場合、セパレータプレートBS には、第3のポートP3 に連通させた油路L3 の開口部とセカンダリ圧油路LS の開口部、及び、第5のポートP5 に連通させた油路L5 の開口部とドレーン油路LE の開口部を、それぞれ連通させる連通孔BSOが、図5に示す■1,■1 の位置に設けられている。 【0023】コンバータ室RC に連通させた伝動油路LC と、ロックアップ油室RL に連通させたロックアップ油路LL は、バルブボディの他方の部材B2 に設けられている。そして、この場合も、図2に示すと同様の形態(図示を省略)で、第1のポートP1 に連通させてバルブボディの一方の部材B1 に設けた油路L1 の開口部は、バルブボディの他方の部材B2 に設けた伝動油路LC の開口部とロックアップ油路LL の開口部の両方に重なるように配置されている。また、第6のポートP6 に連通させてバルブボディの一方の部材B1 に設けた油路L6 の開口部は、バルブボディの他方の部材B2 に設けた伝動油路LC の開口部とロックアップ油路LL の開口部の両方に重なるように配置されている。そして、セパレータプレートBS は、第1のポートP1 に連通させた油路L1 とロックアップ油路LL 、及び、第6のポートP6 に連通させた油路L6 伝動油路LC とをそれぞれ連通させる連通孔を有する。 【0024】更に、各部について詳述する。図4に示すように、トルクコンバータ1は、図示しないエンジンのクランク軸端のドライブプレートに連結され、ポンプインペラ12が固定されたコンバータケース10と、ポンプインペラ12に対向させて変速機の入力軸19にスプライン係合で回り止め支持されたタービンランナ13と、それらの間に介在させて、ワンウェイクラッチとステータシャフト18を介して変速機ケースに一方向回り止め支持されたステータ14と、タービンランナ13のハブに固定されたダンパプレート15とを備える構成とされ、コンバータケース10とダンパプレート15に内外周をスプライン嵌合させて、摩擦材とセパレータプレートからなる摩擦係合要素16が支持されている。摩擦係合要素16を係合させるピストン17は、コンバータケース10のセンタピースと一体化されて変速機の入力軸19先端を支持する円筒形のボス部の外周と、コンバータケース10の前側凹部周面に内外周を支持させた構成とされ、ピストン17から外径方向に延びる押圧部で摩擦係合要素16を押圧係合させる構成とされている。こうしてコンバータケース10とピストン17との間に、ポンプインペラ12、タービンランナ13、ステータ14及びダンパプレート15が配設されたコンバータ油室RC とは独立したロックアップ油室RL が構成されている。 【0025】ロックアップ油室RL は、ボス部の油路を経て入力軸19内油路19aに連通され、更にバルブボディの他方の部材内の油路LL 及び油路L4 を経てロックアップコントロールバルブ2の第4のポートP4 に連通されている。また、コンバータ室RC は、2つの油路でバルブボディに連通されている。その一方は、入力軸19の外周とステータシャフト18の内周の間の隙間を油路とし、それに続くバルブボディの他方の部材内の伝動油路LC を油路としてロックアップリレーバルブ4に連通されている。また、他方は、ステータシャフト18の外周とコンバータケース10間の油路18bとそれに続くバルブボディ内の油路LR を経てロックアップリレーバルブ4の他のポートに連通されている。 【0026】次に、ロックアップコントロールバルブ2は、図5に拡大して詳細を示すように、一対の同一径のランド21b,21cの一端に大径のランド21aを有するスプール21と、大径のランド21a端側からスプリング22負荷でスプール21を押圧するプランジャ23を備えている。そして、大径のランド21aとそれに隣接するランド21bとの間に形成される差動受圧部には、第2のポートP2が開口し、それに隣接する第3のポートP3 は、大径のランド21aに隣接するランド21bで開閉可能とされ、第4のポートP4 は常時両ランド間に開口し、第5のポートP5 は他方のランド21cで開閉可能とされている。また、第1のポートP1 は、プランジャ23の背面側に開口し、第6のポートP6 は、ランド21cの端面側に開口している。なお、スプール21とプランジャ23の当接部の弁孔空間は、油圧のとじ込みを防ぐべく、常時ドレーン連通とされている。 【0027】こうした構成からなるロックアップコントロールバルブ2は、第2のポートP2 に信号圧が印加されないときには、スプール21が図示右側の位置を取ることで、第4のポートP4 を第5のポートP5 に連通させ、第3のポートP3 を閉じる動作をする。そして、第2のポートP2 への信号圧の供給が開始されると、スプール21がスプリング負荷に抗して図示右側位置から図示左側位置に向かって作動を開始し、次第に第5のポートP5 を閉じながら第3のポートP3 を開放させていく調圧動作に入る。したがって、先に示した回路構成のように、第3のポートP3 を油圧の供給側とし、第4のポートP4 を排出側とする接続の場合には、第4のポートP4 に調圧油圧出力がなされるようになるが、逆に、後記する回路構成のように、第4のポートP4 を油圧の供給側とし、第3のポートP3 を排出側とする接続の場合には、第4のポートP4 側の油圧が調圧されながら排出されるようになる。そして、この調圧動作の際に、第1のポートP1 には、接続の如何に関わらずロックアップ油室RL への供給圧(ロックアップオン圧)が印加され、第6のポートP6 には、接続の違いによってコンバータ室RC への供給圧又はロックアップオフ圧が印加される。 【0028】また、ロックアップリレーバルブ4は、同一径の5つのランド41a〜41eを有するスプール41と、スプール41にスプリング42を介して対向するプランジャ43とを備える構成とされ、ランド41aは、第1のポートQ1 からのロックアップ信号圧の受圧部とされ、ランド41bは、第2のポートQ2 と第3のポートQ3 及び第3のポートQ3 と第4のポートQ4 の開閉弁とされ、ランド41cは、第4のポートQ4 と第5のポートQ5 及び第5のポートQ5 と第6のポートQ6 の開閉弁とされ、ランド41dは、第6のポートQ6 と第7のポートQ7 及び第7のポートQ7 と第8のポートQ8 の開閉弁とされ、ランド41eは、第8のポートQ8 と第9のポートQ9 の開閉弁兼信号圧の受圧部とされている。そして、この油路連通の設定では、第2のポートQ2 が潤滑圧の供給油路に連結され、第3のポートQ3 がクーラへの油路に連結され、第4のポートQ4 がコンバータ油室RC からの排出油路LR に連結され、第5のポートQ5 がドレーン連結、第6のポートQ5 がコンバータ室RC へチェックボールを介して繋がる供給油路に連結され、第7のポートQ7 がセンカンダリ圧の源圧油路LS に連結され、第8のポートQ8 がコンバータ室RC への直接の供給油路に連結され、第9のポートQ9 は、その油路の開口部をセパレータプレートで閉じて閉鎖されている。 【0029】こうした構成からなるロックアップリレーバルブ4は、ロックアップオフ時は、図示左側のスプール位置を取り、第3、第4ポートQ3 ,Q4 の連通で、コンバータ室RC からの排出油をクーラに流す状態となり、第7、第8ポートQ7 ,Q8 の連通で、セカンダリ圧油路LS の油圧をコンバータ室RC に供給する状態となる。そして、第1のポートQ1 にロックアップオン信号圧が印加されると、スプール41は図示右側の位置に切り換わり、第4、第5ポートQ4 ,Q5 の連通で、コンバータ室RC からの排出油を直接ドレーンする状態となり、第6、第7ポートQ6 ,Q7 の連通で、セカンダリ圧油路LS の油圧をチェックボールを介する油路でコンバータ室RC に供給する状態となる。 【0030】このロックアップ油室独立形式の回路設定では、ロックアップコントロールバルブ2の油路設定に関して、バルブボディの一方の部材B1 のセカンダリ圧油路とドレーン油路の開口部は、共にバルブボディの他方の部材B2 の第3及び第5のポートに連通する油路L3 ,L5 の開口部に重なった配置となっているが、バルブボディの両部材間に介挿したセパレータプレートBS の連通孔により油路L3 の開口部がセカンダリ圧油路LS の開口部に、また油路L5 の開口部がドレーン油路LE の開口部に連通する接続関係とされているため、第3のポートP3 はセカンダリ圧油路連通、第5のポートP5 はドレーン連通となっている。 【0031】図6は両バルブボディの実回路と、それらの間に介挿されたセパレータプレートを例示する。この例では、図に実線で示す油路がバルブボディの一方の部材B1 の油路を示し、破線で示す油路が他方の部材B2 の油路を示す。センカンダリ圧油路LS の開口部は、図に■1 及び■1 で示す位置でロックアップコントロールバルブ2の第3及び第5のポートにつながる油路L3 ,L5 の開口部と重なり、ドレーン油路LE の開口部は、■2 ,■2 の位置で第3及び第5のポートにつながる油路L3 ,L5 の開口部と重なっている。そして、この場合、開口部全体を塗りつぶした箇所はセパレータプレートで遮断され、白抜き箇所はセパレータプレートの連通孔で通じている。また、戻り油路LR は、■1 の位置で油路L1に重なり、■1 の位置で油路L6 に重なっているが、■1 の箇所はセパレータプレートで遮断され、■1 の位置で油路L6 にセパレータプレートの連通孔で通じている。ロックアップ油路LL は、■2 の位置で油路L1 に重なり、■2 の位置で油路L6 に重なっているが、■2 の位置はセパレータプレートで遮断され、■2 の位置で油路L1 にセパレータプレートの連通孔で通じている。更に、ドレーン油路LE は、■2 の位置で油路L3 に重なり、■2 の位置で油路L5 に重なっているが、■2 の位置は塞がれ、■2 の位置が通じている。 【0032】こうした回路設定からなる油圧制御装置によるトルクコンバータ1に対する油圧の供給及びロックアップクラッチ11の制御は、次のようにしてなされる。ロックアップ解放時は、コンバータ室RC への油圧供給は、ロックアップ用リニアソレノイドバルブ3から信号圧が印加されないことで、スプリング負荷により図示左側位置を取るロックアップリレーバルブ4を経て、油路LL から行われ、油圧の戻りは、油路LR からロックアップリレーバルブ4を経て、クーラに向かってなされる。 【0033】ロックアップ時は、リニアソレノイドバルブ3が出力するロックアップ信号圧が、ロックアップコントロールバルブ2の第2のポートP2 とロックアップリレーバルブ4のスプール端にともに印加される。これによりロックアップコントロールバルブ2は調圧作動を開始し、第4のポートP4 からの出力油圧が油路LLを経てロックアップ油室RL に供給されるようになる。この調圧状態では、出力油圧が第1のポートP1 に、信号圧に対向する向きにフィードバック圧として印加され、第6のポートP6 には、コンバータ室RC への供給圧が出力油圧の印加方向と重なる方向に印加される。また、ロックアップリレーバルブ4は、図示右側位置に切り換わり、油路LC からの供給は、ポートの切り換わりで、リリーフバルブ8によるドレーンでロックアップオフ時より減圧されて、同様に行われるが、戻り側はロックアップリレーバルブ4によりドレーン連通となるため、クーラを経ずにドレーンされる。これら流路の切り換えは、ロックアップによる流体伝動負荷の軽減に合わせたものである。 【0034】次に、図7は、上記と全く同様のバルブボディ内油路配置のままで、ロックアップ形式の異なる図8に詳細を示すようなロックアップ油室開放形式のトルクコンバータを用いた場合の油路設定を回路図で示す。図1と図7を対比して明らかなように、両者の違いは、油路相互の連通及び遮断の設定関係のみである。この場合、図7に示す回路上で、■1 の連通は■2 の連通に、■2 の連通は■1 の連通に、■2 の連通は■1 の連通に、そして■1 の連通は■2 の連通にそれぞれ切り換えられている。この切換えは、先に図2で示したセパレータプレートBS の連通孔位置の異なるものへの差し替えによってなされる。また、この差し替えによって、図7に示す■の位置及び添え数字を付す各■の位置については、連通と遮断の関係が切り替えられ、リリーフバルブ8の除去に伴い、■の箇所が遮断される。この連通と遮断の切替えは、図3に示す油路L4 と油路LL の関係に代表されるような、セパレータプレートBS の該当位置の連通孔の有無によってなされる。 【0035】この関係を先に示した図6に対応する図9の実回路上で説明すると、セカンダリ圧油路LS の開口部は、図に■1 及び■1 で示す位置でロックアップコントロールバルブ2の第3及び第5のポートにつながる油路L3 ,L5 の開口部と重なり、ドレーン油路LE の開口部は、■2 ,■2 の位置で第3及び第5のポートにつながる油路L3 ,L5 の開口部と重なっている。そして、この場合、開口部全体を塗りつぶした箇所はセパレータプレートで遮断され、白抜き箇所はセパレータプレートの連通孔で通じている。また、戻り油路LR は、■1 の位置で油路L1 に重なり、■1 の位置で油路L6 に重なっているが、■1 の箇所はセパレータプレートで遮断され、■1 の位置で油路L1 にセパレータプレートの連通孔で通じている。ロックアップ油路LL は、■2 の位置で油路L1 に重なり、■2の位置で油路L6 に重なっているが、■2 の位置はセパレータプレートで遮断され、■2 の位置で油路L6 にセパレータプレートの連通孔で通じている。更に、ドレーン油路LE は、■2 の位置で油路L3 に重なり、■2 の位置で油路L5 に重なっているが、■2 の位置は塞がれ、■2 の位置が通じている。 【0036】図8に実断面を示すトルクコンバータは、細部の具体的形状は異なるものの、実体的構成はほとんど同様であるので、相違点のみ説明する。この形成では、タービンランナ13のハブの外周に軸方向摺動自在に支持されたピストン17がクラッチプレートを兼ねるものとされ、コンバータケース10の径方向壁にクラッチプレート17の外周側のフェーシングが圧接されることでケース10の回転がクラッチプレート17に伝達され、その回転がクラッチプレート17の外周に噛み合うダンパプレート15を経てタービンハブに伝達され、更にタービンハブにスプライン係合する入力軸19に伝達される。この場合、図示のようにクラッチプレート17の背面側はコンバータ室RC に開放されている。 【0037】この場合、先の形式とは異なり、ロックアップオン時とロックアップオフ時とでは、コンバータ室RC に対する油圧供給の流れが逆転する。すなわち、ロックアップオン時は、ロックアップコントロールバルブ2は油圧の供給を行うのではなく、油圧の排出を制御するバルブとして機能する。詳しくは、図7に示す回路上で、ロックアップオフ室(コンバータ室の反対側)RO の油路がロックアップリレーバルブ4を経てロックアップコントロールバルブ2の第4のポートP4 に連通し、調圧状態のロックアップコントロールバルブ2の第3のポートP3 からドレーン油路に通じるドレーン連通状態で形成される。この状態で、コンバータ室(ロックアップオン側)RC への油圧の供給は、セカンダリ圧油路LS から、図示右側のスプール位置を取るロックアップリレーバルブ4を経てなされる。そして、コンバータ室RC からの油圧の排出は、クラッチプレート17に形成したオリフィス17aを介して徐々に行われる。この戻り油は、ロックアップリレーバルブ4を経る上述の経路でドレーンされる。 【0038】かくして、上記実施形態によれば、ロックアップ油室RL がコンバータ室RCに対して独立したトルクコンバータから、ロックアップ油室をコンバータ室側に開放させたトルクコンバータに変更する場合、又はその逆の場合に、バルブボディの一方の部材B1 と他方の部材B2 との間に介挿するセパレータプレートBSの変更のみで、ロックアップオン信号によるロックアップコントロールバルブ2の油圧出力の関係を維持したまま、ロックアップコントロールバルブ2の作動による油圧の給排関係を逆転させ、それによりトルクコンバータ1のロックアップクラッチの形式変更に対応することができる。したがって、この構成によれば、単に連通孔位置を変更するだけで足りるセパレータプレートBS の交換のみで、油路配置の変更に金型設計からの変更を要するバルブボディの交換の必要性を排除することができる。 【0039】次に、図10〜図12は、第1実施形態に対して調圧弁としてのロックアップコントロールバルブの形式を変更した第2実施形態を示す。この形態の特徴は、ロックアップコントロールバルブがロックアップリレーバルブと一体化されている点にある。また、第1実施形態とは異なり、バルブボディが3層構造とされているため、油路の連通箇所は増えているが、この点は本発明の主題とは関連しないので、説明を省略する。 【0040】この形態では、図11に詳細を示すように、ロックアップコントロールバルブ2のスプール21は、小径の第1のランド21aと、これより大係かつ相互に同径の第2〜第4のランド21b〜21dからなる4つのランドを持つ形態とされ、第3及び第4のランド21c,21dがリレーバルブとして機能する。スプール21に閉弁方向の負荷を加えるスプリング22は、弁孔内に嵌挿したプラグに支持されて、スプール21のランド21dの外端に当接しており、プラグに形成した摺動穴内に嵌挿したプランジャ23がスプール21のランド21dの外端に対峙する配置とされている。 【0041】このロックアップコントロールバルブ2の場合も、リニアソレノイドバルブ3からの信号圧が印加される第2のポートP2 と、ロックアップ油室RL に連通させる第4のポートP4 と、第4のポートP4 の一方側の第3のポートP3 と、第4のポートP4 の他方側の第5のポートP5 を有する。更に、ロックアップコントロールバルブ2には、第2〜第5のポートの外側に更に第1のポートP1 と第6のポートP6 が設けられ、第1のポートP1 は、第6のポートP6 に対して反対側かつリニアソレノイドバルブ3から信号圧が印加されたときにロックアップコントロールバルブ2が動く側に配置されている。 【0042】そして、第3のポートP3に連通させてバルブボディの一方の部材B1 に設けた油路L3 の開口部は、バルブボディの他方の部材B2 に設けたセカンダリ圧油路LS の開口部とドレーン油路LE の開口部の両方に重なるように配置されている。また、第5のポートP5 に連通させてバルブボディの一方の部材B1 に設けた油路L5 の開口部は、バルブボディの他方の部材B2 に設けたセカンダリ圧油路LS の開口部とドレーン油路LE の開口部の両方に重なるように配置されている。そして、バルブボディの一方の部材B1 と他方の部材B2 との間に、適宜連通関係を変更する連通孔を設けたセパレータプレートBS が介挿される点も第1実施形態の場合と同様である。 【0043】ロックアップリレーバルブ部を構成する3つのポートQ6 〜Q8 は、中央のポートQ7 が常時開放とされ、その一方側のポートQ6 はランド21cにより開閉され、他方側のポートQ8 はランド21dにより開閉される。 【0044】そして、ポートQ8 はセカンダリ圧油路LS に連通させ、ポートQ6 は流体接手の流体伝動室RC に連通され、ポートQ7 はオリフィスを介してポートQ6 に連通されている。 【0045】この第2実施形態の場合、ロックアップオフ時は、流体伝動室RC への油圧供給は、ロックアップ用リニアソレノイドバルブ3から信号圧が印加されないことで、スプリング負荷により図示左側位置を取るロックアップコントロールバルブ2を経て油路LC から行われ、油圧の戻りは、油路LR からクーラに向かってなされる。この場合のロックアップ油路LL は油路L4 に直接通じており、ロックアップコントロールバルブを介した油路L3 との連通でドレーン連通となっている。 【0046】ロックアップオン時は、リニアソレノイドバルブ3が出力するロックアップ信号圧が、ロックアップコントロールバルブ2の第2のポートP2 に印加される。これによりロックアップコントロールバルブ2は調圧作動を開始し、第4のポートP4 からの出力油圧が油路LL 経由で入力軸内油路を経てロックアップ油室RL に供給されるようになる。この調圧状態では、出力油圧が第1のポートP1 に、信号圧に対向する向きにフィードバック圧として印加され、第6のポートP6には、流体伝動室RC への供給圧が出力油圧の印加方向と重なる方向に印加されることで、ロックアップ油室RL の油圧と流体伝動室RC の油圧の関係が適切に保たれる。また、戻り側は油路LR からクーラ経由の流れとなる。 【0047】こうした第2実施形態によっても、前記第1実施形態によるのと同様のセパレータプレートの差替えによるロックアップクラッチ形式の変更への対応の効果が得られる。すなわち、図12に示す回路上で、■1 の連通は■2 の連通に、■1の連通は■2 の連通に、■2 の連通は■1 の連通に、そして■1 の連通は■2 の連通にそれぞれ切り換えられている。また、この差し替えによって、リリーフバルブ8の除去に伴い、■の箇所が遮断される。そして、特にこの第2実施形態では、ロックアップコントロールバルブとリレーバルブの一体化によるバルブボディのコンパクト化の効果が得られる。 【0048】変更後の回路の作動については、ロックアップクラッチの形式変更に伴い、ロックアップオン時とロックアップオフ時とで、コンバータ室RC に対する油圧供給の流れが逆転する。したがって、この場合も、ロックアップオン時は、ロックアップコントロールバルブ2は油圧の供給を行うのではなく、油圧の排出を制御するバルブとして機能する。詳しくは、図12に示す回路上で、ロックアップオフ室(コンバータ室の反対側)RO の油路がロックアップコントロールバルブ2の第4のポートP4 に連通し、調圧状態のロックアップコントロールバルブ2の第5のポートP5 からドレーン油路に通じるドレーン連通状態で形成される。この状態で、コンバータ室(ロックアップオン側)RC への油圧の供給は、セカンダリ圧油路LS から、図示右側のスプール位置を取るロックアップコントロールバルブ2のリレーバルブ部を経てなされる。そして、コンバータ室RC からの油圧の排出は、クラッチプレートに形成したオリフィスを介して徐々に行われる。この戻り油は、ロックアップコントロールバルブ2を経る上述の経路でドレーンされる。そして、このロックアップオン時は、ロックアップコントロールバルブ2のポートP6 がドレーン連通となるのに対して、ポートP1 にセカンダリ圧がロックアップ信号圧に抗して印加されるようになるため、コンバータ室RC の油圧は、ロックアップオフ時に比べて低くなり、コンバータケースの油圧負荷が軽減される。 【0049】以上、本発明の技術思想の理解の便宜のために、2つの実施形態を基に説明したが、本発明は、例示の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の個々の請求項に記載の事項の範囲内で、種々に具体的な構成を変更して実施することができるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000100768 【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月20日(1999.12.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095108 【弁理士】 【氏名又は名称】阿部 英幸
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| 【公開番号】 |
特開2001−173764(P2001−173764A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月26日(2001.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−361810 |
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