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【発明の名称】 シフト操作装置
【発明者】 【氏名】三原 晴彦

【氏名】武富 康成

【氏名】近藤 親彦

【要約】 【課題】簡便な保持機構で確実な中央位置保持動作を行わせる。

【解決手段】シフトレバー1の動きに連動して回動する回動部材2と、この回動部材2を回動範囲の中央位置に保持する保持機構とを備えたシフト操作装置である。上記保持機構は一端にローラ70が装着され且つ他端がフレームに固定されたねじりコイルばね7と、回動部材2に形成されて上記ねじりコイルばね7の一端のローラ70が摺接するカム面26とからなる。ねじりコイルばね7をばね部材として用いて回動部材2のカム面26にばね力を加えることで、中央位置保持を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シフトレバーの動きに連動して回動する回動部材と、この回動部材を回動範囲の中央位置に保持する保持機構とを備えたシフト操作装置であって、上記保持機構は一端にローラが装着され且つ他端がフレームに固定されたねじりコイルばねと、回動部材に形成されて上記ねじりコイルばねの一端のローラが摺接するカム面とからなることを特徴とするシフト操作装置。
【請求項2】 回動部材はそのカム面が抜き形状で形成されていることを特徴とする請求項1記載のシフト操作装置。
【請求項3】 カム面はクリック凹所の両側に回動部材の回転軸を中心とする円弧より外側に広がる面として形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のシフト操作装置。
【請求項4】 ねじりコイルばねの一端のローラが転接するガイド面をフレームが備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のシフト操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオートマチックトランスミッションのシフトレバーのシフト動作に連動するシフト操作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オートマチックトランスミッションとして、シフトレバーのシフト操作パターンが図13に示すように、パーキングP、ニュートラルN、リバースR、ドライブレンジDが前後に並んでおり、ドライブレンジDから横方向にシフトレバーを動かせば、マニュアルシフトレンジMに移行させることができるようにしたものがある。マニュアルシフトレンジMでシフトレバーを前後に移動させれば、シフトアップ+とシフトダウン−とを行うことができる。
【0003】この場合、マニュアルシフトレンジMからのシフトアップ動作及びシフトダウン操作は、図中のマニュアルシフトレンジMの位置、つまり前後方向の中央位置に自動復帰させるものとなっており、またシフトアップダウン操作に対してクリック感を与えるようにしているのであるが、従来はシフトレバー1の動作に応じて回動する回動レバーにクリックボールをばね付勢した状態で取り付けておき、該クリックボールがフレームに設けたクリック凹所に入ることで、中央での位置決め保持とクリック感の付与を行い、回動レバーを復帰させる復帰ばねによってシフトレバーの復帰も行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この場合、クリックボールの摺接に伴う摺動摩耗のために、長寿命のものとするのが困難であり、また組立性も良いものではない。
【0005】本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは簡便な保持機構で確実な中央位置保持動作を行わせることができるシフト操作装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、シフトレバーの動きに連動して回動する回動部材と、この回動部材を回動範囲の中央位置に保持する保持機構とを備えたシフト操作装置であって、上記保持機構は一端にローラが装着され且つ他端がフレームに固定されたねじりコイルばねと、回動部材に形成されて上記ねじりコイルばねの一端のローラが摺接するカム面とからなることに特徴を有している。ねじりコイルばねをばね部材として用いて回動部材のカム面にばね力を加えることで、中央位置保持を行うようにしたものである。
【0007】ここで、回動部材はそのカム面を抜き形状で形成しておくと、精度の良いカム面を容易に得ることができる。
【0008】また、カム面はクリック凹所の両側に回動部材の回転軸を中心とする円弧より外側に広がる面として形成しておくことで、中央位置保持に加えて中央位置への復帰力も発生させることができる。
【0009】そして、ねじりコイルばねの一端のローラが転接するガイド面をフレームに設けておけば、カム面とローラとの位置関係が安定する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、図示例のシフト操作装置は、マニュアルシフトレンジでのシフトレバー1の動きに応じてマイクロスイッチS1,S2を作動させるとともに、通常シフト操作部分とマニュアルシフトレンジとの間のシフトレバー1の動きをガイドしつつマイクロスイッチS3を作動させるものであって、通常シフト操作部分でのシフトレバー1の動きのガイド及び検出は従前の前後方向のシフトレバー1の動きのガイド及び位置検出を行う機構を流用するものとなっている。
【0011】そして、図示のシフト操作装置は、シフトレバー1をその表面から突出するパネルの背面側にパネルに添って配設されて、シフトレバー1の軸方向と直交する方向に作動する2つのレバー2,3と可動プレート6とにより、シフトレバー1の動きをガイドし、さらに上記マイクロスイッチS1,S2,S3を作動させるものとなっている。
【0012】上記2つのレバー2,3のうち、回動レバー2は軸40によってフレーム4に軸支されることでフレーム4内において軸40を中心とする回動が自在とされ、スライドレバー3は回動レバー2によってガイドされて軸40の軸方向と直交する方向にスライド自在とされたもので、ここにおけるフレーム4は、図4に示すフレーム半体41と図5に示すフレーム半体42とを接合することで構成されるものとなっている。
【0013】フレーム4内に配される回動レバー2は、前述のように軸40によって軸支されて回動自在となったものであり、図6に示すように、2つのレバー体2a,2bを組み合わせることで構成されていて、シフトレバー1をガイドするための突片21の根元部分にシフトレバー1を受けるための受け溝22を備えており、軸40側の一端からは一側方に向けて、スイッチ駆動カム23を突出させており、他側方の側にはクリックばね7との係合で中央位置での位置決め保持を行うクリック用凹部27を中間部に有するカム面26を備えている。
【0014】クリックばね7は図1に示すように、ねじりコイルばねで形成されたもので、フレーム4に形成された凹所45内に配設された該クリックばね7は、その一端をフレーム4の凹所45壁面に当接させており、他端を上記カム面26に当接させるもので、この他端側にはローラ70を備えて、該ローラ70をカム面26に接触させて、クリック凹所27に入ることで回動レバー2を中央位置で保持し、回動レバー2の回動でクリック凹所27から抜け出た時には、軸40を中心とする円弧(図12参照)よりも外側に膨らむカム面26にローラ70が当接することから、クリックばね7は回動レバー2に対して中間位置に復帰する方向のばね力も与えるものとなっている。さらに上記ローラ70は、図3(b)から明らかなように、クリックばね7が撓む時、凹所45の内壁を転接するものとなっている。なお、回動レバー2はプレスによる打ち抜きで形成しており、このために、軸40からの距離及び形状についての精度が十分に確保されたものとなっている。
【0015】スライドレバー3は上記回動レバー2の2つのレバー体2a,2b間に配設されて回動レバー2によってスライドガイドがなされたもので、回動レバー2と共に回動するものであり、フレーム4から外に突出する先端部には図7に示すようにシフトレバー1をドライブレンジDに入れた時にシフトレバー1が入り込む溝30を備えている。
【0016】また、前記軸40の外周には復帰用のねじりコイルばね5のコイル部が装着されてねじりコイルばね5の両端が、回動レバー2に設けた軸40を中心とする円弧状となった係合溝25の両側縁に接しているとともに、スライドレバー3に設けたばね受け溝35の両側縁に接している。ここにおいて、ばね受け溝35はスライドレバー3のスライド方向において、中間部が狭くなっているとともに、両端部の両側縁が夫々逆方向に傾いたテーパーとなっており、このためにばね受け溝35の上記中間部よりも軸40側の両側縁にねじりコイルばね5の両端が接している時、スライドレバー3はねじりコイルばね5によって軸40から遠ざかる方向の付勢力を受け、逆にスライドレバー3を軸40側にスライドさせることで、ばね受け溝35の上記中間部よりも軸40から遠い側の両側縁にねじりコイルばね5の両端が接する時には、スライドレバー3はねじりコイルばね5によって軸40に接近する方向の付勢力を受けるようになっている。また、上記ねじりコイルばね5の両端には、ローラ50が夫々装着されており、スライドレバー3のばね受け溝35には該ローラ50の外周面を当接させるものとなっている。
【0017】また、軸40が回動レバー2に取り付けられていて、フレーム4は軸40の両端を軸孔に嵌めることで位置決めすることと、上記ねじりコイルばね4は、回動レバー2における2つのレバー体2a,2b間において軸40の外周に組み付けられて、各レバー体2a,2bに設けた窓28,28からいったん回動レバー2の外面側に引き出され、その後、先端部を係合溝25を通じてスライドレバー3のばね受け溝35内に位置させていることから、これら軸40と回動レバー2とスライドレバー3とねじりコイルばね5は、図9に示すように、一つのアセンブリを構成するものとなっている。
【0018】さらに上記ねじりコイルばね5は、フレーム4に設けた凹所46内に両端部を位置させており、このために軸40を中心とするねじりコイルばね5の回動は、凹所46の両端壁によって制限されたものとなっている。
【0019】次に動作について説明すると、初期位置においては、スライドレバー3は軸40から遠い位置にあり、スライドレバー3を保持している回動レバー2はその回動範囲のうちの中間位置にあることから、図1及び図10に示す状態となっており、スライドレバー3の溝30と回動レバー2の突片21とが交差している。
【0020】この状態で、シフトレバー1をドライブレンジDに入れたならば、シフトレバー1は溝30に入って突片21に接触乃至接近する。そして、シフトレバー1をドライブレンジDから横方向(図10において縦方向)に動かせば、シフトレバー1はスライドレバー3をスライドさせつつ回動レバー2の突片21に添って回動レバー2の受け溝22に入って図10(b)に示すマニュアルシフトレンジMに移行させる。この時、シフトレバー1と共にスライドする図1に示す可動プレート6がマイクロスイッチS3をオンとする。
【0021】そしてマニュアルシフトレンジMにおいて、シフトレバー1を前方向(図10及び図11において左方向)に動かせば、シフトレバー1は回動レバー2を回動させるものであり、この結果、回動レバー2のスイッチ駆動カム23はシフトアップ検出用のマイクロスイッチS1をオンとする。また、この時には、ねじりコイルばね5の一端はフレーム4の凹所46の一端縁に、他端は回動レバー2の開口部25及びスライドレバー3のばね受け溝35の一側縁に当接した状態となるために、ねじりコイルばね5は回動レバー2及び回動レバー3と共に回動しているスライドレバー3を中央位置に戻す方向の付勢力を回動レバー2に付与する。
【0022】マニュアルシフトレンジMにおいて、シフトレバー1を後ろ方向(図10及び図11において右方向)に動かせば、シフトレバー1は回動レバー2をさきほどとは逆方向に回動させてスイッチ駆動カム23でシフトダウン検出用のマイクロスイッチS2をオンとする。また、ねじりコイルばね5の一端は回動レバー2の開口部25とスライドレバー3のばね受け溝35の他側縁に、他端はフレーム4の凹所46の他端に当接した状態となるために、ねじりコイルばね5は回動レバー2を中央位置に戻す方向の付勢力を回動レバー2に付与する。
【0023】図10(b)に示すマニュアルシフトレンジMからシフトレバー1をドライブレンジDに戻せば、シフトレバー3の動きに伴ってスライドレバー3が引き出されるとともに、可動プレート6も復帰して、図1に示す状態に戻る。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明においては、シフトレバーの動きに連動して回動する回動部材と、この回動部材を回動範囲の中央位置に保持する保持機構とを備えたシフト操作装置であって、上記保持機構は一端にローラが装着され且つ他端がフレームに固定されたねじりコイルばねと、回動部材に形成されて上記ねじりコイルばねの一端のローラが摺接するカム面とからなり、ねじりコイルばねをばね部材として用いて回動部材のカム面にばね力を加えることで、中央位置保持を行うために、組立が容易とであると同時に、簡便な機構であるにもかかわらず中央位置保持のためのばね力を確実に発揮させることができるものであり、しかもローラをカム面に接触させるために、摺動摩耗がなく、長寿命化を図ることができる。
【0025】そして、回動部材のカム面を抜き形状で形成したものでは、精度の良いカム面を容易に得ることができるために、安定した動作精度(位置精度と荷重精度)とを得ることができる。
【0026】また、カム面はクリック凹所の両側に回動部材の回転軸を中心とする円弧より外側に広がる面として形成しておくことで、中央位置保持に加えて中央位置への復帰力も発生させることができるものであり、このために復帰不良が発生せず、シフトレバーの動作も安定するものである。
【0027】そして、ねじりコイルばねの一端のローラが転接するガイド面をフレームに設けておけば、カム面とローラとの位置関係が安定するために、やはり安定した動作精度を確保することができる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【識別番号】000105925
【氏名又は名称】サカエ理研工業株式会社
【出願日】 平成11年12月22日(1999.12.22)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
【公開番号】 特開2001−173763(P2001−173763A)
【公開日】 平成13年6月26日(2001.6.26)
【出願番号】 特願平11−363963