トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 自動変速機のセンサ構造
【発明者】 【氏名】中林 伸夫

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンのクランク軸と変速機ケースに軸支した入力軸との間にトルクコンバータを設け、前記入力軸と同軸心上で前記変速機ケースに出力軸を軸支して設け、この出力軸にプラネタリギヤユニットを設け、このプラネタリギヤユニットで変速を行わせるようにクラッチとして少なくとも前記プラネタリギヤユニットのサンギヤに固定したダイレクトクラッチドラムが備えられたダイレクトクラッチを設け、各変速ギヤ段を確認するように前記入力軸の回転を検出する自動変速機のセンサ構造において、前記入力軸の回転を検出する回転センサを前記ダイレクトクラッチドラムに対応する部位の前記変速機ケースに設けたことを特徴とする自動変速機のセンサ構造。
【請求項2】 前記ダイレクトクラッチドラムには、外周面に前記回転センサに対向して信号発生用標識部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機のセンサ構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動変速機のセンサ構造に係り、特に各変速ギヤ段を確認するように入力軸の回転を検出する自動変速機のセンサ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の動力伝達装置においては、エンジンの駆動力を走行状態に応じて車輪に適正に伝達するために、変速機、差動機等を備えている。変速機には、車両の走行状態に応じて変速操作を自動的に行う自動変速機がある。
【0003】図5に示す如く、例えば3速の自動変速機202にあっては、エンジンのクランク軸(図示せず)の端部位と変速機ケース204に軸支した長い入力軸206の一端側との間にトルクコンバータ208を設け、入力軸206の他端側には同軸心上で補助軸210をスプライン結合し且つサイドケース212に軸支して設け、この補助軸210及び入力軸206には補助変速機構を構成するプラネタリギヤユニットとして、フロント、リアプラネタリギヤユニット214、216を設け、このフロント、リアプラネタリギヤユニット214、216で変速を行わせるように、フォワードクラッチ218とワンウェイクラッチ220とファーストリバースブレーキ222とを設け、また、特定速としての3速で入力軸206とリアプラネタリギヤユニット216のリアサンギヤ224とを接続するように、このリアトサンギヤ224に固定したダイレクトクラッチドラム226が備えられたダイレクトクラッチ228をサイドケース212側に設け、ダイレクトクラッチドラム226の外周面に2速ブレーキバンド230を設け、更に、入力軸206に出力軸232を遊嵌して設け、この出力軸232にリダクションドライブギヤ234を設け、入力軸206と平行にしてカウンタ軸236を変速機ケース204に軸支して設け、このカウンタ軸236にはリダクションドライブギヤ234に噛み合うリダクションドリブンギヤ238とこのリダクションドリブンギヤ238に隣接してデフドライブギヤ240とを設け、このデフドライブギヤ240には差動機242のデフケース244に固定したデフドリブンギヤ246を噛み合わせている。また、各変速ギヤ段を確認するように、入力軸206の回転として補助軸210の回転を検出するために、サイドケース212に回転センサ248を取り付けている。このように回転センサ248を取り付けるのは、自動変速機202が制御手段の指令通りに変速しているか否かを判断する場合に、入力軸206の回転/出力軸232の回転と変速ギヤ段数のギヤ比とを比較して判定するものであり、通常走行時は、エンジン回転数/デフ出力回転数、にて推測可能であのが、加速走行、登坂走行等でトルクコンバータ208のスリップ量が多い時にはその判定が困難なので、その判定を正確に行うためには、トルクコンバータ208よりも後段に回転センサ248を配置する必要があるからである。
【0004】また、図6に示す如く、例えば3速の自動変速機302にあっては、エンジンのクランク軸(図示せず)と変速機ケース304に軸支した入力軸306との間にトルクコンバータ308を設け、入力軸306と同軸心上で変速機ケース304及びサイドケース310に出力軸312を軸支して設け、この出力軸312には、補助変速機構を構成するプラネタリギヤユニットとして、フロント、リアプラネタリギヤユニット314、316を遊嵌して設け、このフロント、リアプラネタリギヤユニット314、316で変速を行わせるように、フォワードクラッチ318とワンウェイクラッチ320とファーストリバースブレーキ322とを設け、また、特定速としての3速で入力軸306とフロントプラネタリギヤユニット314及びリアプラネタリギヤユニット316のサンギヤ324とを接続するように、このサンギヤ324に固定したダイレクトクラッチドラム326が備えられたダイレクトクラッチ328を設け、ダイレクトクラッチドラム326の外周面に2速ブレーキバンド330を設け、出力軸312にはリダクションドライブギヤ332を設け、入力軸306及び出力軸312と平行にしてカウンタ軸334を変速機ケース304に軸支して設け、このカウンタ軸334の一端側にはリダクションドライブギヤ332に噛み合うリダクションドリブンギヤ336を設け、カウンタ軸334の他端側にはデフドライブギヤ338を設け、このデフドライブギヤ338には差動機340のデフケース342に固定したデフドリブンギヤ344を噛み合わせている。この場合に、各変速ギヤ段を確認するように、入力軸306の回転を検出する回転センサ346を設ける場合には、図7に示す如く、ケース壁部348とダイレクトクラッチ328との間の入力軸306に検出用部350を長さLで形成し、この検出用部350に対応する部位で、変速機ケース304には、回転センサ346を取り付けていた。
【0005】また、このような自動変速機としては、例えば、特開平9−79366号公報、特開平8−145155号公報に開示されている。特開平9−79366号公報に記載のものは、入力軸の回転を検出するインプットセンサと出力軸の回転を検出するアウトプットセンサとを設け、インプットセンサからの信号とアウトプットセンサからの信号とに基づき、負荷トルクを検出・演算するものである。特開平8−145155号公報に記載のものは、トルクコンバータのタービンの回転数を出力軸の回転数として検出するセンサを設けたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来、図7に示す自動変速機においては、入力軸の検出用部に対応する部位に回転センサを取り付けているので、ケース壁部とダイレクトクラッチとの間を広げるために、内部の構造を大幅に変更する必要があるとともに、全長が大きくなり、大型化になるという不都合があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、エンジンのクランク軸と変速機ケースに軸支した入力軸との間にトルクコンバータを設け、前記入力軸と同軸心上で前記変速機ケースに出力軸を軸支して設け、この出力軸にプラネタリギヤユニットを設け、このプラネタリギヤユニットで変速を行わせるようにクラッチとして少なくとも前記プラネタリギヤユニットのサンギヤに固定したダイレクトクラッチドラムが備えられたダイレクトクラッチを設け、各変速ギヤ段を確認するように前記入力軸の回転を検出する自動変速機のセンサ構造において、前記入力軸の回転を検出する回転センサを前記ダイレクトクラッチドラムに対応する部位の前記変速機ケースに設けたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明は、入力軸の回転を検出する回転センサをダイレクトクラッチドラムに対応する部位の変速機ケースに設けているので、回転センサが入力軸から離れても入力軸の回転を検出することができることから、回転センサを取り付けるために、自動変速機の内部の変更を不要にするとともに、全長を小さくし、小型化を図ることができる。
【0009】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。図1〜3は、この発明の第1実施例を示すものである。図1、2において、は車両(図示せず)に搭載されるエンジン、4は例えば3速の自動変速機、6差動機、8は変速機ケースである。変速機ケース8は、エンジン2側のコンバータケース部10とこのコンバータケース部10に連設したギヤケース部12とからなる。このギヤケース部12には、サイドケース14が取り付けられる。
【0010】変速機ケース8内には、エンジン2のクランク軸(図示せず)と同軸心上に、入力軸16と出力軸18とが軸支して支持して設けられている。
【0011】コンバータケース部10内には、エンジン2のクランク軸と入力軸16との間で、トルクコンバータ20が設けられている。このトルクコンバータ20は、クランク軸に固定したドライブプレート22に取り付けられたポンプ羽根24と、入力軸16に取り付けられたタービン羽根26と、ステータ28とを有している。このステータ28は、変速機ケース8のケース壁部30に連設した固定軸32にワンウェイクラッチ34を介して取り付けられている。ドライブプレート22には、ポンプ用軸36を介してオイルポンプ38が設けられる。このオイルポンプ38は、ケース壁部30に取付ボルト40で取り付けられたポンプケース42によって構成されている。
【0012】ギヤケース部12には、出力軸18上に、補助変速機構を構成するように、プラネタリギヤユニットとして、フロントプラネタリユニット44とリアプラネタリユニット46とが設けられ、また、クラッチとして、フォワードクラッチ48とワンウェイクラッチ50とダイレクトクラッチ52とが設けられ、更に、ブレーキとして、ファーストリバースブレーキ54が設けられ、ブレーキバンドとして、2速ブレーキバンド56が設けられている。
【0013】フロントプラネタリユニット44とリアプラネタリユニット46とにおいては、出力軸18に回転可能に設けられたサンギヤ58が共通して利用している。フロントプラネタリユニット44には、サンギヤ58の一端側に噛み合うフロントプラネタリギヤ60とこのフロントプラネタリギヤ60に噛み合うフロントインターナルギヤ62とフロントプラネタリギヤ60を保持して出力軸18に固定されたフロントプラネタリキャリヤ64とを有している。リアプラネタリユニット46には、サンギヤ58の他端側に噛み合うリアプラネタリギヤ66とこのリアプラネタリギヤ66に噛み合って出力軸18に固定されたリアインターナルギヤ68とリアプラネタリギヤ66を保持するリアプラネタリキャリヤ70とを有している。
【0014】フォワードクラッチ48は、入力軸16とフロントインターナルギヤ62とを接続するものであり、一端側を入力軸16に固定したフォワードクラッチドラム72の他端側に固定された一側フォワードプレート74とこの一側フォワードプレート74に対峙してフロントインターナルギヤ62の外周面に固定された他側フォワードプレート76とからなる。
【0015】ファーストリバースブレーキ54は、リアプラネタリキャリヤ70の逆転を防止するワンウェイクラッチ50を介してリアプラネタリユニット46に連絡している。つまり、ファーストリバースブレーキ54においては、リアプラネタリキャリヤ70を固定するものであり、ワンウェイクラッチ50がリアプラネタリギヤ66に連結し、また、ワンウェイクラッチ50に一側ブレーキプレート78が連設し、一側ブレーキプレート78に対峙した他側ブレーキプレート80がギヤケース部12の内面に固定されている。
【0016】ダイレクトクラッチ52は、特定速である3速で入力軸16とサンギヤ58とを接続するものであり、一端側がフロントプラネタリユニット44とリアプラネタリユニット46との間でサンギヤ58に連結するとともに、他端側がケース壁部30の近傍に位置するダイレクトクラッチドラム82を備えている。また、ダイレクトクラッチドラム82の内周面に一側ダイレクトプレート84が固定して設けられ、また、フォワードクラッチドラム82に連設したプレート支持部86には、このプレート支持部86固定されて一側ダイレクトプレート84に対峙した他側ダイレクトプレート88が設けられている。
【0017】ダイレクトクラッチドラム82は、各変速ギヤ段のギヤ比に応じて回転し、入力軸16の回転を検出させることができるものである。つまり、入力軸16の回転1とした場合に、ダイレクトクラッチドラム82の回転は、1速で2,129、2速で0、3速で1,0となる。
【0018】2速ブレーキバンド56は、2速時に作動して、サンギヤ58を固定するものであり、ダイレクトクラッチドラム82の外周面に配設されている。
【0019】出力軸18の他端側には、リダクションドライブギヤ90が取り付けられている。
【0020】変速機ケース8とサイドケース14とには、入力軸16及び出力軸18と平行に、カウンタ軸92が軸支して設けられる。このカウンタ軸92には、一端側にリダクションドライブギヤ90に噛み合うリダクションドリブンギヤ94と、他端側にデフドライブギヤ96とが設けられている。
【0021】このデフドライブギヤ96には、差動機6のデフケース98に固定したデフドリブンギヤ100が噛み合って設けられている。この差動機6のデフケース98には、アクスル軸102が連結される。
【0022】変速機ケース8のギヤケース部12の略中央部位には、ダイレクトクラッチドラム82の外周面に対応して回転センサ104が取り付けられる。この回転センサ104は、オイルクーラ106を取り付けるギヤケース部12のクーラ用ボス部108に径方向に形成したセンサ取付孔110に挿着されている。
【0023】また、ダイレクトクラッチドラム82の外周面には、回転センサ104に対応する部位に凹凸や色模様等の信号発生用標識部112が設けられている。この回転センサ104は、制御手段(図示せず)に連絡し、ダイレクトクラッチドラム82の回転を、入力回転として検出させ、変速ギヤ段を判定して制御手段の指令通りに変速が行われているか否かを判断させ、制御手段に機能故障診断を行わせるものである【0024】次に、この第1実施例の作用を説明する。
【0025】各変速ギヤ段のギヤ比に応じてダイレクトクラッチドラム82が回転し、このダイレクトクラッチドラム82の回転を、回転センサ104が入力軸16の回転として検出し、このとき、回転センサ104からの出力信号Aが、1速で、A/2.129/1速変速比/減速比=デフ出力回転数となり、2速で、A=0となり、3速で、A/3速変速比/減速比=デフ出力回転数となった場合には、制御手段の指令通りに変速が行われていることになるが、それ以外では、故障と判断する。
【0026】ところで、この第1実施例においては、入力軸16の回転を検出する回転センサ104をダイレクトクラッチドラム82に対応する部位の変速機ケース8に設けているので、回転センサ104が入力軸16から離れても入力軸16の回転を検出することができることから、回転センサ104を取り付けるために、自動変速機4の内部を変更する必要がないとともに、入力軸16の長さを大きくする必要がなく、これにより、全長を小さくし、小型化を図ることができる。
【0027】また、回転センサ104がクーラ用ボス部108の一部を利用して取り付けられているので、オイルクーラ106の冷却機能によって回転センサ104を冷却することができるとともに、回転センサ104を取り付ける部品を別途に不要とし、部品点数を低減することができる。
【0028】図4は、この発明の特別構成であり、第2実施例を示すものである。
【0029】以下の実施例にあっては、上述の第1実施例と同一機能を果す箇所には、同一符号を付して説明する。
【0030】この第2実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、ダイレクトクラッチドラム82の外周面には、検出用突部112を円周方向等間隔に複数設けるとともに、この検出用突部112中の一つには、回転センサ104のセンシング部104Aに変速機ケース8内のオイル、空気等の雰囲気物を供給して該センシング部104Aを清浄させる傾斜面や湾曲面等の送給部112Aを形成した。
【0031】この第2実施例の構成によれば、ダイレクトクラッチドラム82の回転によって、回転センサ104がその回転状態を検出するとともに、検出用突部112Aの送給部112Aからセンシング部104Aに向かってオイル、雰囲気物が供給され、これにより、センシング部104Aの清浄作用により、センシング部104Aを常にきれいにしてその機能を良好に維持することができる。なお、この場合に、全ての検出用突部112Aに送給部112Aをそれぞれ設けることも可能である。また、ダイレクトクラッチドラム82の外周面には、送給部112Aを備えた検出用突部112Aを一つだけ設け、ダイレクトクラッチドラム82の回転を検出するとともに、センシング部104Aの清浄を行わせることが可能である。
【0032】
【発明の効果】以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば、入力軸の回転を検出する回転センサをダイレクトクラッチドラムに対応する部位の変速機ケースに設けたことにより、回転センサが入力軸から離れても入力軸の回転を検出することができることから、回転センサを取り付けるために、自動変速機の内部の変更を不要にするとともに、全長を小さくし、小型化を図り得る。
【出願人】 【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
【出願日】 平成11年12月21日(1999.12.21)
【代理人】 【識別番号】100080056
【弁理士】
【氏名又は名称】西郷 義美
【公開番号】 特開2001−173761(P2001−173761A)
【公開日】 平成13年6月26日(2001.6.26)
【出願番号】 特願平11−362813