| 【発明の名称】 |
リバースシフトギヤ鳴り防止装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】井上 敦之
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| 【要約】 |
【課題】部品数が減少され省スペースでリバースシフトギヤ鳴りが高度に防止可能なリバースシフトギヤ鳴り防止装置の提供。
【解決手段】前進段時に後進段用シフトフォークヘッド8と係合してこれを中立位置に維持させるロック部を備えたインタロックプレート4と、インナレバー1に取り付けられ、リバースシフト途中、他のヘッド6,8に比べて段高に形成された3−4速用シフトフォークヘッド7と弾性的に摺接係合しながらこれを付勢して変速機のインプット軸上にある3−4速用同期装置を作動させ変速機のインプット系の回転を低下させる第1の板ばね3と、インタロックプレート4他側に取り付けられ、リバースシフト途中、第1の板ばね3によって付勢された3−4速用シフトフォークヘッド7によって弾性圧縮され、この3−4速用シフトフォークヘッド7を中立位置へ復帰させる付勢力を生じる第2の板ばねを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】シフトアンドセレクト操作に応じて軸方向移動及び回転するシフトアンドセレクトシャフトと、前記シフトアンドセレクトシャフトに軸方向及び回転方向に関して係合ないし一体とされ、凸部を備えたインナーレバーと、前進段用同期装置に機能的に連結され、前記シフトアンドセレクトシャフトの軸方向移動に応じて前記凸部と選択的に係合可能な前進段用シフトフォークヘッドと、後進段用ギヤに機能的に連結され、前記シフトアンドセレクトシャフトの軸方向移動に応じて前記凸部と選択的に係合可能な後進段用シフトフォークヘッドと、前記シフトアンドセレクトシャフトに軸方向に関して係合され、該軸方向に沿って一側には、前進段時に前記後進段用シフトフォークヘッドと係合してこれを中立位置に維持させるロック部を備えたインターロック部材と、前記インナーレバーに対して、リバースシフト時、前記前進段用シフトフォークヘッドに弾性力をもって摺接可能なよう取り付けられ、リバースシフトの途中、該前進段用シフトフォークヘッドと弾性的に摺接及び係合しながら該前進段用シフトフォークヘッドを付勢することによって前記前進段用同期装置を作動させる第1の弾性部材と、前記シフトアンドセレクトシャフトの軸方向に沿って前記インターロック部材の他側に取り付けられ、該シフトアンドセレクトシャフトの軸方向移動に伴い、前記前進段用シフトフォークヘッド内に進退されるばね部を備え、該ばね部が、リバースシフトの途中、前記第1の弾性部材によって付勢された前記前進段用シフトフォークヘッドによって圧縮され、該前進段用シフトフォークヘッドを中立位置へ復帰させる付勢力を生じる第2の弾性部材とを有することを特徴とするリバースシフトギヤ鳴り防止装置。 【請求項2】前記前進段用シフトフォークヘッド及び当該シフトフォークヘッドに機能的に連結する前記前進段用同期装置をそれぞれ複数有し、前記第1の板ばねと摺接可能な前記前進段用シフトフォークヘッド、及び当該前進段用シフトフォークヘッドに機能的に連結された前記前進段用同期装置が、変速機のインプット軸上に同期装置を有するシフト段用のものであることを特徴とする請求項1記載のリバースシフトギヤ鳴り防止装置。 【請求項3】前記第1の弾性部材と摺接する前記前進段用シフトフォークヘッドは、他の前進段用シフトフォークヘッド及び前記後進段用シフトフォークヘッドより段高な位置に形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載のリバースシフトギヤ鳴り防止装置。 【請求項4】前記第1の弾性部材の先端部が湾曲され、前記前進段用シフトフォークヘッドの頂部には前記第1の弾性部材の先端と摺接する案内面が形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一記載のリバースシフトギヤ鳴り防止装置。 【請求項5】中立位置において、前記第2の弾性部材のばね端と前記インターロック部材との間に所定のクリアランスが形成されるよう、該第2の弾性部材の基端が前記インターロック部材に取り付けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一記載のリバースシフトギヤ鳴り防止装置。 【請求項6】前記第1の弾性部材が第1の板ばねからなり、前記第2の弾性部材が第2の板ばねからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一記載のリバースシフトギヤ鳴り防止装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はリバースシフトギヤ鳴り防止装置に関し、特に、後進段用の同期装置を備えていない変速機に適用されるリバースシフトギヤ鳴り防止装置に関する。 【0002】 【従来の技術】車両用の手動変速機において、一般的に、前進段には同期装置が設けられているが、後進段には同期装置が設けられていない。その理由は、通常、リバースシフトは、車両の停止状態で行われるからである。 【0003】しかしながら、手動変速機のアウトプット軸ないし及び/又はカウンタシャフトの回転が停止している車両の停止状態においても、当初は、慣性によって、手動変速機のインプット軸が回転している。このとき、例えば、アウトプット軸と共に回転するリバースアイドラギヤをその軸方向に移動させて、インプット軸と共に回転するリバースドライブギヤと噛合させると、「リバースシフトギヤ鳴り」と称される異音が発生することがある。そこで、このリバースシフトギヤ鳴りの発生防止を目的として、リバースシフト時、1−2速用同期装置を作動させてインプット軸の回転を低減させる機構を備えた、種々のリバースシフトギヤ鳴り防止装置が提案されている。 【0004】例えば、前進段用、後進段用及びリバースシフトギヤ鳴り防止用の三本のインナーレバーを有する手動変速機が提案されている。このリバースシフトギヤ鳴り防止用のインナーレバーは、リバースシフト時、1−2速用シフトフォークヘッドに1−2速用シフトフォークシャフト及び1−2速用シフトフォークを介して連結された1−2速用同期装置を作動させ、手動変速機のインプット軸の回転を低減させる。 【0005】また別に、特開平10−288247号公報には、シフトアンドセレクトシャフトの軸方向に沿って互いに離間して且つインターロックプレート幅内及び幅外にそれぞれ配置された前進段用及び後進段用の2本のインナーレバーと、前進段用インナーレバーのヘッド部先端に形成された凹部と、1−2速用同期装置に機能的に連結可能な1−2速用シフトフォークシャフト上に遊嵌され、後進段への変速時、前記前進段用インナーレバーのヘッド部先端に形成された凹部と係合されて、該シャフトと前記前進段用インナーレバーの間を連結可能なピン、このピンに作用するリターンスプリング及びリターンスプリングを支持するスロッテッドピンから構成される仮係合機構と、ロックボール機構とを有するリバースシフトギヤ鳴り防止装置が提案されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記した前進段用、後進段用及びリバースシフトギヤ鳴り防止用の三本のインナーレバーを有する手動変速機においては、部材数が多くなるという第1の問題点、このように部材数が多いため車両間でリバースシフトギヤ鳴り防止効果のバラツキが発生するという第2の問題点がある。さらに、この手動変速機においては、複数のインナーレバーがシフトアンドセレクトシャフトの軸方向に沿って並置されるため、該軸方向に沿って複数のインナーレバーを収容するための大きなスペースを要するという第3の問題点がある。 【0007】上記した特開平10−288247号公報に提案された装置も、同様に、上記第1〜第3の問題点を有する。 【0008】本発明は、部品数が減少され省スペースでリバースシフトギヤ鳴りを高度に防止することができるリバースシフトギヤ鳴り防止装置を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明によるリバースシフトギヤ鳴り防止装置は、リバースシフト時に前進段用シフトフォークヘッドと弾性力をもって摺接可能なようインナーレバーに対して取り付けられ、リバースシフトの途中、前進段用シフトフォークヘッドと弾性的に摺接及び係合しながらこれを付勢することによって前進段用同期装置を作動させる第1の弾性部材と、シフトアンドセレクトシャフトの軸方向に沿ってインターロック部材の他側に取り付けられ、シフトアンドセレクトシャフトの軸方向移動に伴い、前進段用シフトフォークヘッド内に進退されるばね部を備え、このばね部が、リバースシフトの途中、第1の弾性部材によって付勢された前進段用シフトフォークヘッドによって圧縮され、この前進段用シフトフォークヘッドを中立位置へ復帰させる付勢力を生じる第2の弾性部材とを有する。 【0010】このリバースシフトギヤ鳴り防止装置は、リバースシフト時、次のように動作する。すなわち、セレクト操作によってインナーレバーがその軸方向に移動されて、インナーレバーに形成された凸部が前進段用シフトフォークヘッドに対向する位置から後進段用シフトフォークヘッドに対向する位置に移動すると共に、第1の弾性部材が所定の前進段用シフトフォークヘッドに対向する位置に移動する。 【0011】さらに、シフト操作によってインナーレバーがリバースシフト方向に回動されると、インナーレバーの凸部と後進段用シフトフォークヘッドが係合されると共に、第1の弾性部材と所定の前進段用シフトフォークヘッドが摺接かつ係合されて、後進段用シフトフォークヘッド及び所定の前進段用シフトフォークヘッドが移動する。これによって、この前進段用シフトフォークヘッドに機能的に連結する前進段用同期装置が作動して、摩擦によりインプット系の回転数を低下させる。同時に、第2の弾性部材が第1の弾性部材から付勢されている前進段用シフトフォークヘッドによって徐々に弾性圧縮されていく。 【0012】さらに、インナーレバーがリバースシフト方向に回動されると、この前進段用シフトフォークヘッドのさらなる移動が、第2の弾性部材を介して、インターロック部材によって制止される。このため、上記前進段用同期装置の同期動作は中途で終了される。さらに、インナーレバーがリバースシフト方向に回動されると、第1の弾性部材とこの前進段用シフトフォークヘッドの係合が解除され、第2の弾性部材に蓄積されていた弾性力によって、この前進段用シフトフォークヘッドが中立状態へ復帰される。一方、後進段用シフトフォークヘッドに機能的に連結する後進段用ギヤは、インプット系の回転数が十分に低下した状態でインプット系に連結される。かくして、リバースシフトギヤ鳴りが防止される。 【0013】本発明の有利な効果を下記に例示する。 (1)部品点数が減少する。 (2)トランスミッションケースを追加工する必要がない。特に、ロックボール機構のないシフト系に、本発明のリバースシフトギヤ鳴り防止装置を適用するにあたって、新たにロックボール機構を追加する必要が無い。 (3)本発明による装置は省スペースで搭載可能である。その第1の理由は、シフトアンドセレクトシャフト上に、従来のようにプレボーク(回転数低減)専用のレバー(リバースシフト時、変速機のインプット側の回転数を低下させるためのレバー)を設けなくてよいからである。その第2の理由は、第1及び第2の弾性部材を、インターロックプレートの幅内に配置できるからである。 (4)前記(1)〜(3)で述べた効果によって、本発明によるリバースシフトギヤ鳴り装置は、非常に低コストで製造することができる。 【0014】(5)また、上記従来の装置においては、リバースシフト時、インプット系の回転数を低減させる(これを「プレボーク」という)ために、アウトプット軸上の1−2速用同期装置を利用している。一方、本発明によるリバースシフトギヤ鳴り装置は、リバースシフト時、インプット軸上の同期装置、特に、高速段用の同期装置を利用してインプット系の回転数を低減させることが可能であり、プレボーク(回転低減)効果を高めることができる。 【0015】その理由は、同期慣性が小さいインプット軸上の同期装置を半作動させることにより、インプット軸の回転数を低減させるため、インプット軸の回転数が十分に低減するまでの時間が短縮されるからである。よって、プレボークのために3−4速用同期装置などのインプット軸上同期装置を利用する場合、1−2速用同期装置又はアウトプット軸上の同期装置を利用する場合に比べて、より小さなシンクロリング押し付け荷重でプレボークが達成できることになる。したがって、本発明によるリバースシフトギヤ鳴り装置を、リバースシフト時のプレボークが変速機のインプット軸上の同期装置によって実現されるよう構成することによって、寸法のバラツキによる押し付け荷重のバラツキの影響が小さく、安定したプレボーク効果が得られる。 【0016】本発明のその他の視点及び特徴は、各請求項に記載のとおりであり、その引用をもってその重複記載を省略する。よって、各請求項の各特徴は、ここに記載されているものとみなされる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態を説明する。 【0018】本発明はその好ましい実施の形態において、リバースシフト時のプレボークに利用される同期装置として、変速機のインプット軸上の3−4速用同期装置が用いられるよう構成される。 【0019】本発明はその好ましい実施の形態において、第1の弾性部材と摺接する前進段用シフトフォークヘッドは、リバースシフト時、プレーボークに利用されない他の前進段用シフトフォークヘッド及び後進段用シフトフォークヘッドより段高な位置に形成される。これによって、第1の弾性部材と他のシフトフォークヘッドとの干渉が防止される。 【0020】本発明はその好ましい実施の形態において、第1の弾性部材の先端部が湾曲され、一方、所定の前進段用シフトフォークヘッドの頂部には、第1の弾性部材の先端部と摺接する案内面が形成される。この案内面は、リバースシフト時、まず、第1の弾性部材の先端部を前進段用シフトフォークヘッドとの係合が解除される方向へ案内し、リバースシフト抜き時には、この先端部をシフト中立位置へ向かって案内する。 【0021】本発明はその好ましい実施の形態において、中立位置において、第2の弾性部材のばね端と、インターロック部材との間に所定のクリアランスが形成されるよう、該第2の弾性部材の基端がインターロック部材に取り付けられる。このクリアランスは、リバースシフト時、プレボークに利用される前進段用同期装置の同期動作が中途で終了するような大きさに設定される。 【0022】 【実施例】以上説明した本発明の好ましい実施の形態をさらに明確化するために、以下図面を参照して、本発明の一実施例を説明する。図1は、車両の手動変速機に適用された本発明の一実施例に係るリバースシフトギヤ鳴り装置の正面図である。図2は、図1に示した装置を側断面図である。 【0023】図1及び図2を参照すると、シフト及びセレクト操作されるシフトアンドセレクトレバー15の一端には、シフトアンドセレクトシャフト14が取り付けられている。シフトアンドセレクトシャフト14は、トランスミッションケース13に軸方向に移動可能かつ回転可能に軸支されている。シフトアンドセレクトシャフト14には、インナーレバー1が軸方向及び回転方向に関して係合され一体化されている。インナーレバー1の外周部一側には、半径方向外方に突出する凸部1aが形成されている。インナーレバー1の外周部他側には、ロックボール機構2のボールが当接して、インナーレバー1をラッチしている。また、シフトアンドセレクトシャフト14には、割欠き環状のインターロックプレート4が軸方向に係合され、このインターロックプレート4は、ロックボール機構2を介してトランスミッションケース13に対して回り止めされている。シフトアンドセレクトシャフト14の軸方向に沿って、インターロックプレート4の割欠き両端部の間には、前記凸部1aが位置している。 【0024】インナーレバー1の図2中下方には、同図中左から右へ、1−2速用シフトフォークヘッド6、3−4速用シフトフォークヘッド7、後進段用シフトフォークヘッド8が配置されている。3−4速用シフトフォークヘッド7は、他のシフトフォークヘッド6,8より段高に形成されている。3−4速用シフトフォークヘッド7の一側頂部には、同ヘッド7内方に向かって下方へ傾斜する傾斜面7aが形成されている。1−2速用シフトフォークヘッド6、3−4速用シフトフォークヘッド7及び後進段用シフトフォークヘッド8は、順にそれぞれ1−2速用シフトフォークシャフト9、3−4速用シフトフォークシャフト10及び後進段用シフトフォークシャフト11上に設けられている。3−4速用シフトフォークシャフト10には3−4速シフトフォーク12が取り付けられ、3−4速シフトフォーク10は不図示の3−4速用同期装置のスリーブに連結されている。この3−4速用同期装置は、変速機のインプット軸上に設けられている。1−2速用シフトフォークシャフト9も同様に不図示の1−2速用同期装置のスリーブに連結されている。一方、後進段用シフトフォークシャフト11は、同期装置を介さずに不図示のリバースアイドラギヤを変速機のインプット系に接続できるよう、リバースアイドラギヤないしその軸に連結されている。 【0025】インターロックプレート4の先割れ両端部においては、前進段時、図2中右方の端部(ロック部)が後進段用シフトフォークヘッド8内に進入かつ係合してこれをロックし、後進段時、同図中左方の端部が1−2速用シフトフォークヘッド6及び3−4速用シフトフォークヘッド7内に進入可能に形成されている。 【0026】[第1の弾性部材(第1の板ばね)]さらに、インナーレバー1には、第1の板ばね3がボルト止めされている。第1の板ばね3の先端部3aは湾曲され、段高に形成された3−4速用シフトフォークヘッド7の傾斜面7aとのみ摺接可能な高さに位置している。先端部3aのR形状及び傾斜面7aは、両者の摺接時に該摺接が円滑に行われて、所定の荷重が発生するよう設定されている。 【0027】[第2の弾性部材(第2の板ばね)]図3(A)〜図3(C)は、第2の板ばねの構成及び図1に示した装置の動作を説明するための工程図であって、図1に示した装置の内部を上方から見た図に相当する。 【0028】図2及び図3(A)〜図3(C)を参照すると、インターロックプレート4の図2中左方端部には、第2の板ばね5が、シフトアンドセレクトシャフト14の軸方向に沿ってインナーレバー1の凸部1aと対向して取り付けられている。詳細には、図3(A)〜図3(C)を参照すると、第2の板ばね5は1−2速用シフトフォークヘッド6内及び3−4速用シフトフォークヘッド7内を進退し、第2の板ばね5の中間部は、1−2速用シフトフォークヘッド6及び3−4速用シフトフォークヘッド7の一側(3速側)内壁と当接可能に延在し、第2の板ばね5の先端部は1−2速用シフトフォークヘッド6及び3−4速用シフトフォークヘッド7の他側内壁(4th及びリバースシフト側)に向かって鍵状ないし略L字状に折曲されて、ばね部が形成されている。このばね部の折曲先端部は、中立位置において、3−4速用シフトフォークヘッド7の移動方向に沿って、インターロックプレート4の先端部との間に所定のクリアランスWを有する。 【0029】このクリアランスWは、上記3−4速用同期装置において、そのスリーブがそのシンクロナイザリングを付勢して同期トルクを発生させるが、そのスリーブと4速ギヤピースが接触しないスリーブストローク量に相当する大きさに設定されている。 【0030】なお、1−2速段時、1−2速用シフトフォークヘッド6は第2の板ばね5の基端部側に当接するが、第2の板ばね5の発生する弾性力は小さく、第2の板ばね5が1−2速の変速に与える影響は小さい。 【0031】また、第1の板ばね3及び第2の板ばね5がシフトフォークシャフト9,10,11の軸方向に発生させる荷重の大きさは、下記のように設定されている。 (1)プレボーク時:[インナーレバー1上の第1の板ばね3が発生する荷重]−[インターロックプレート4上の第2の板ばね5が発生する荷重]>[4th同期荷重(チャンファ押し分け荷重)]。 (2)プレボーク終了後(3−4速用スリーブ中立戻し時):[インターロックプレート4上の第2の板ばね5が発生する荷重]>[3−4速用同期装置においてキースプリングによって発生されるキーとスリーブ間の摺動抵抗]。 【0032】ここで、従来の技術の欄で紹介した特開平10−288247号公報に開示されたリバースシフトギヤ鳴り防止装置と、本発明の一実施例に係る装置とにおいて、リバースシフトギヤ鳴りを防止するために主として作用する部材のうち、両者に共通に存在する部材を除いて、リバースシフトギヤ鳴りを防止するための部材数を数えることとする。すると、おおよそ、上記従来の装置は、後進段専用レバーとそのスロッテッドピン、仮係合機構においてピン、スプリング及びスロッテッドピンと、ロックボール機構においてプラグ、スプリング及びロックボールの合計8部材を有するのに対して、本発明の一実施例に係る装置によれば、第1の板ばね、第1の板ばねの取付部材(例えばボルト)、第2の板ばねの取付部材(例えばカシメピン)の計4部材を有する。よって、本発明によれば、リバースシフトギヤ鳴り防止装置を構成する部材数を削減できることが分かる。 【0033】次に、以上説明した装置のリバースシフト時の動作を説明する。図3(A)は変速機の中立状態、図3(B)はリバースシフト途中の状態、及び図3(C)はリバースシフト完了時の状態をそれぞれ示す図である。 【0034】図3(A)を参照して、変速機の中立状態において、後進段用シフトフォークヘッド8内に、インターロックプレート4の一端ロック部が係合して、リバースシフトが阻止されている。一方、第1の板ばね3は1−2速用シフトフォークヘッド6上方に位置している。また、インターロックプレート4上の第2の板ばね5は実質的に圧縮されていない。 【0035】図3(B)を参照して、セレクト操作によって、インナーレバー1(図2参照)の凸部1aが同図中右方向に移動されると、凸部1aは後進段用シフトフォークヘッド8に係合する。一方、第1の板ばね3は3−4速用シフトフォークヘッド7上方に位置している。また、第2の板ばね5の先端ばね部は3−4速用シフトフォークヘッド7内にインターロックプレート4の他側内壁とクリアランスWをもって位置し、その中間部は3−4速用シフトフォークヘッド7の一側(3速側)内壁に当接する。 【0036】図3(B)から図3(C)を参照して、シフト操作によって、インナーレバー1が所定方向に回動されると、凸部1aと係合している後進段用シフトフォークヘッド8がリバースシフト(Rev)方向に移動する。同時に、第1の板ばね3の先端部3a(図1参照)が、3−4速シフトフォークヘッド7の案内面7a(図1参照)と摺接かつ係合することによって、3−4速用シフトフォークヘッド7は4速段(4th)方向へ付勢され移動する。これに伴い、3−4速用同期装置において、そのスリーブがその4速用シンクロナイザリングを4速用ギヤのコーン面に摺接させることにより、同期トルクが発生する。この結果、変速機のインプット系の回転数が減少する。また、同時に、3−4速用シフトフォークヘッド7内に位置している第2の板ばね5は、3−4速用シフトフォークヘッド7によってたわみ(圧縮され)、クリアランスWは減少する。 【0037】さらに、インナーレバー1がリバースシフト方向に回動されてリバースシフトが進行し、上記3−4速用同期装置のスリーブのチャンファ面が上記シンクロナイザリングのチャンファを押し分けるまで、該スリーブの移動が進むと、第2の板ばね5がさらに圧縮されてクリアランスWが消滅し、第2の板ばね5を介しインターロックプレート4によって3−4速用シフトフォークヘッド7のこれ以上の4th方向への移動が制止される。このため、上記3−4速用同期装置の同期動作はこれ以上進行しない。 【0038】さらに、インナーレバー1がリバースシフト方向に回動されてリバースシフトが進行すると、後進段用シフトフォークヘッド8に機能的に連結されているリバースアイドラギヤは、上記3−4速用同期装置の作動によって十分に回転数が低下された変速機のインプット系に接続され、リバースシフトが完了する。一方、第1の板ばね3(図1参照)と3−4速用シフトフォークヘッド7との摺接係合が外れ、4th方向へ付勢されなくなった3−4速用シフトフォークヘッド7は、弾性圧縮されている第2の板ばね5が発揮する弾性力によって、図3(B)に示す中立位置に向かって付勢される。 【0039】なお、図1及び図3(B)を参照して、リバースシフト抜き時には、インナーレバー1はリバースシフト時と反対方向に回動され、第1の板ばね3の先端部3aは3−4速用シフトフォークヘッド7の傾斜面7a上を摺接するが、このとき、3−4速用シフトフォークヘッド7の図3(B)中上方への移動はインターロックプレート4によって制止されている。さらに、リバースシフト抜きが進行すると、先端部3aと傾斜面7aの摺接が解除され、変速機は図3(B)に示す状態に戻る。 【0040】 【発明の効果】本発明によれば、部品数が減少され省スペースでリバースシフトギヤ鳴りが高度に防止されるリバースシフトギヤ鳴り防止装置が提供される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592058315 【氏名又は名称】アイシン・エーアイ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月6日(1999.12.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080816 【弁理士】 【氏名又は名称】加藤 朝道
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| 【公開番号】 |
特開2001−165310(P2001−165310A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月22日(2001.6.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−346697 |
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