| 【発明の名称】 |
異常対策機能を有する歯車式自動変速装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】尾神 史朗
|
| 【要約】 |
【課題】歯車式自動変速装置のギヤ切替機構を切替えるシフトアンドセレクトレバーの位置を検出するストロークセンサが故障した場合でも車両を安全に発進可能とする。
【解決手段】歯車式自動変速装置において、1−2速又は3−4速用等の複数のシフトフォークをセレクト方向に並設し、所望シフトフォークを選択するためにセレクト方向に割出し移動し、選択したシフトフォークと係合してシフト方向に移動するシフトアンドセレクトレバーを設け、このレバーをセレクト方向の一方端に配置した1−2速用シフトフォークに向けて付勢するスプリングを設け、異常検出時、シフト駆動手段を作動させて前記レバーをシフト方向にハイ位置に向けて移動させ、次にシフト駆動手段を反対側に作動させてロー位置に向けて移動させることにより、異常停車後の発進時に前記ギヤ切替機構を車両の発進可能な1速に切替えるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一方側位置、中立位置、他方側位置に割出し移動されて各ギヤ切替機構を低速、中立、高速に切替える複数のシフトフォークをシフト方向に移動可能にハウジングに並設し、シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記シフト方向及びシフト方向と直角なセレクト方向に移動可能に前記シフトフォークの背面に対抗して前記ハウジングに装架し、前記シフト方向において前記シフトアンドセレクトレバーの係合部と係合し、セレクト方向において前記係合部が通過可能な凹部を各シフトフォークの背面に設け、全シフトフォークが中立位置に割出されたとき全ての凹部はセレクト方向に整列して中立位置に割出された前記シフトアンドセレクトレバーの係合部のセレクト方向移動を可能とし、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部をシフト方向に沿って一方側位置、中立位置、他方側位置に割出し移動するシフト駆動手段と、前記中立位置に割出されたシフトアンドセレクトレバーの係合部が前記中立位置に位置する各シフトフォークの凹部に係合する複数のゲート位置に前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記セレクト方向に沿って割出し移動するセレクト駆動手段を設け、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部のシフト方向位置を検出するシフトストローク検出手段及びセレクト方向位置を検出するセレクトストローク検出手段を設けた歯車式自動変速装置において、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部をセレクト方向の一方端に配置された低速用シフトフォークに向けて付勢する弾機部材を設け、前記低速用シフトフォークは一方側位置に割出されたとき対応するギヤ切替機構を車両の発進可能な低速に切替える配列とし、前記歯車式自動変速装置の異常が検出されたとき、シフト駆動手段を作動させて前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を他方側位置に向けて低速で少なくとも一方側位置と他方側位置の間隔の半分を移動させる指令を出力し、その後シフト駆動手段を反対側に作動させ、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記一方側位置に向けて低速で少なくとも他方側位置と一方側位置の間隔を移動させて前記ギヤ切替機構を車両の発進可能な低速に切替える制御手段を備えたことを特徴とする異常対策機能を有する歯車式自動変速装置。 【請求項2】 前記低速用シフトフォークの一方側位置に対応して設置され、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部が前記低速用シフトフォークを一方側位置に割出したとき作動されるスイッチを設けたことを特徴とする請求項1に記載した異常対策機能を有する歯車式自動変速装置。 【請求項3】 ロー位置、中立位置、ハイ位置に割出し移動されて各ギヤ切替機構を低速、中立、高速に切替える複数のシフトフォークをシフト方向に移動可能にハウジングに並設し、シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記シフト方向及びシフト方向と直角なセレクト方向に移動可能に前記シフトフォークの背面に対抗して前記ハウジングに装架し、前記シフト方向において前記シフトアンドセレクトレバーの係合部と係合し、セレクト方向において前記係合部が通過可能な凹部を各シフトフォークの背面に設け、全シフトフォークが中立位置に割出されたとき全ての凹部はセレクト方向に整列して中立位置に割出された前記シフトアンドセレクトレバーの係合部のセレクト方向移動を可能とし、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部をシフト方向に沿ってロー位置、中立位置、ハイ位置に割出し移動するシフト駆動手段と、前記中立位置に割出されたシフトアンドセレクトレバーの係合部が前記中立位置に位置する各シフトフォークの凹部に係合する複数のゲート位置に前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記セレクト方向に沿って割出し移動するセレクト駆動手段を設け、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部のシフト方向位置を検出するシフトストローク検出手段及びセレクト方向位置を検出するセレクトストローク検出手段を設けた歯車式自動変速装置において、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部をセレクト方向の一方端に配置された1−2速用シフトフォークに向けて付勢するスプリングを設け、前記歯車式自動変速装置の異常が検出されたとき、前記シフト駆動手段を作動させて前記シフトアンドセレクトレバーの係合部をハイ位置又はロー位置に向けて低速で少なくともロー位置とハイ位置の間隔の半分を移動させる指令を出力し、その後シフト駆動手段を反対側に作動させ、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記ロー位置又はハイ位置に向けて低速で少なくともロー位置とハイ位置の間隔を移動させて前記ギヤ切替機構を車両の発進可能な1速又は2速に切替える制御手段を備えたことを特徴とする異常対策機能を有する歯車式自動変速装置。 【請求項4】 前記1−2速用シフトフォークのハイ位置及びロー位置又は何れか一方位置に対応して設置され、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部が前記1−2速用シフトフォークをハイ位置又はロー位置に割出したとき作動されるスイッチを設けたことを特徴とする請求項3に記載した異常対策機能を有する歯車式自動変速装置。 【請求項5】 前記1−2速用シフトフォークのハイ位置及びロー位置に対応して設置され、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部が前記1−2速用シフトフォークをハイ位置又はロー位置に割出したとき作動されるスイッチを設け、前記歯車式自動変速装置の異常が検出されたとき、前記制御手段は前記シフト駆動手段を作動させて前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を低速で少なくともロー位置とハイ位置の間隔を往復移動させる指令を出力すること特徴とする請求項3に記載した異常対策機能を有する歯車式自動変速装置。 【請求項6】 前記各シフトフォークのハイ位置及びロー位置に夫々対応して設置され、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部が各シフトフォークをハイ位置又はロー位置に割出したとき作動される複数のスイッチを設けたことを特徴とする請求項3に記載した異常対策機能を有する歯車式自動変速装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、歯車式自動変速装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 出力軸に固定されたハブにスリーブを軸方向に往復自在にスプライン嵌合し、出力軸に動力伝達する低速用及び高速用の変速ギヤを前記出力軸に前記ハブの両側に軸方向移動を規制して自由回転可能に支承し、前記スリーブの軸方向移動によりスリーブ内周面のスプラインとシンクロナイザ機構を介して選択的にスプライン嵌合するクラッチギヤを各変速ギヤに固定し、前記スリーブをシフトフォークによりシフト方向に移動して低速用変速ギヤに固定されたクラッチギヤとスプライン嵌合するロー位置、高速用変速ギヤに固定されたクラッチギヤとスプライン嵌合するハイ位置及び何れのクラッチギヤともスプライン嵌合しない中立位置に割出す歯車切替機構を複数列設け、所望の歯車切替機構に対応するシフトフォークと選択的に係合するためにセレクト方向に移動し、選択されたシフトフォークをシフト方向に移動させるシフトアンドセレクトレバーを設け、前記シフトアンドセレクトレバーのシフト方向及びセレクト方向の位置をストロークセンサを用いて検出する歯車式自動変速装置がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の歯車式自動変速装置では、ストロークセンサが故障した場合、何れのギヤ列が完成しているのか判別が不可能になり変速が不可能となる。また、切替えようとする変速段であるギヤ列を誤判定して間違ったギヤ列を完成する恐れがあった。 【0004】本発明は、上記した問題に対処すべくなされたもので、その目的は各ギヤ切替機構に選択係合してロー位置、中立位置、ハイ位置に切替えるシフトアンドセレクトレバーの係合部のシフト方向及びセレクト方向のストローク位置を検出するストロークセンサが故障した場合でも車両が安全に走行可能とすることである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、一方側位置、中立位置、他方側位置に割出し移動されて各ギヤ切替機構を低速、中立、高速に切替える複数のシフトフォークをシフト方向に移動可能にハウジングに並設し、シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記シフト方向及びシフト方向と直角なセレクト方向に移動可能に前記シフトフォークの背面に対抗して前記ハウジングに装架し、前記シフト方向において前記シフトアンドセレクトレバーの係合部と係合し、セレクト方向において前記係合部が通過可能な凹部を各シフトフォークの背面に設け、全シフトフォークが中立位置に割出されたとき全ての凹部はセレクト方向に整列して中立位置に割出された前記シフトアンドセレクトレバーの係合部のセレクト方向移動を可能とし、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部をシフト方向に沿って一方側位置、中立位置、他方側位置に割出し移動するシフト駆動手段と、前記中立位置に割出されたシフトアンドセレクトレバーの係合部が前記中立位置に位置する各シフトフォークの凹部に係合する複数のゲート位置に前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記セレクト方向に沿って割出し移動するセレクト駆動手段を設け、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部のシフト方向位置を検出するシフトストローク検出手段及びセレクト方向位置を検出するセレクトストローク検出手段を設けた歯車式自動変速装置において、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部をセレクト方向の一方端に配置された低速用シフトフォークに向けて付勢する弾機部材を設け、前記低速用シフトフォークは一方側位置に割出されたとき対応するギヤ切替機構を車両の発進可能な低速に切替える配列とし、前記歯車式自動変速装置の異常が検出されたとき、シフト駆動手段を作動させて前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を他方側位置に向けて低速で少なくとも一方側位置と他方側位置の間隔の半分を移動させる指令を出力し、その後シフト駆動手段を反対側に作動させ、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記一方側位置に向けて低速で少なくとも他方側位置と一方側位置の間隔を移動させて前記ギヤ切替機構を車両の発進可能な低速に切替える制御手段を備えたことである。 【0006】請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載した発明において前記低速用シフトフォークの一方側位置に対応して設置され、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部が前記低速用シフトフォークを一方側位置に割出したとき作動されるスイッチを設けたことである。 【0007】請求項3に係る発明の構成上の特徴は、ロー位置、中立位置、ハイ位置に割出し移動されて各ギヤ切替機構を低速、中立、高速に切替える複数のシフトフォークをシフト方向に移動可能にハウジングに並設し、シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記シフト方向及びシフト方向と直角なセレクト方向に移動可能に前記シフトフォークの背面に対抗して前記ハウジングに装架し、前記シフト方向において前記シフトアンドセレクトレバーの係合部と係合し、セレクト方向において前記係合部が通過可能な凹部を各シフトフォークの背面に設け、全シフトフォークが中立位置に割出されたとき全ての凹部はセレクト方向に整列して中立位置に割出された前記シフトアンドセレクトレバーの係合部のセレクト方向移動を可能とし、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部をシフト方向に沿ってロー位置、中立位置、ハイ位置に割出し移動するシフト駆動手段と、前記中立位置に割出されたシフトアンドセレクトレバーの係合部が前記中立位置に位置する各シフトフォークの凹部に係合する複数のゲート位置に前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記セレクト方向に沿って割出し移動するセレクト駆動手段を設け、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部のシフト方向位置を検出するシフトストローク検出手段及びセレクト方向位置を検出するセレクトストローク検出手段を設けた歯車式自動変速装置において、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部をセレクト方向の一方端に配置された1−2速用シフトフォークに向けて付勢するスプリングを設け、前記歯車式自動変速装置の異常が検出されたとき、前記シフト駆動手段を作動させて前記シフトアンドセレクトレバーの係合部をハイ位置又はロー位置に向けて低速で少なくともロー位置とハイ位置の間隔の半分を移動させる指令を出力し、その後シフト駆動手段を反対側に作動させ、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記ロー位置又はハイ位置に向けて低速で少なくともロー位置とハイ位置の間隔を移動させて前記ギヤ切替機構を車両の発進可能な1速又は2速に切替える制御手段を備えたことである。 【0008】請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項3に記載した発明において前記1−2速用シフトフォークのハイ位置及びロー位置又は何れか一方位置に対応して設置され、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部が前記1−2速用シフトフォークをハイ位置又はロー位置に割出したとき作動されるスイッチを設けたことである。 【0009】請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項3に記載した発明において前記1−2速用シフトフォークのハイ位置及びロー位置に対応して設置され、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部が前記1−2速用シフトフォークをハイ位置又はロー位置に割出したとき作動されるスイッチを設け、前記歯車式自動変速装置の異常が検出されたとき、前記制御手段は前記シフト駆動手段を作動させて前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を低速で少なくともロー位置とハイ位置の間隔を往復移動させることである。 【0010】請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項3に記載した発明において前記各シフトフォークのハイ位置及びロー位置に夫々対応して設置され、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部が各シフトフォークをハイ位置又はロー位置に割出したとき作動される複数のスイッチを設けたことである。 【0011】 【発明の作用・効果】上記のように構成した請求項1に係る発明においては、シフトアンドセレクトレバーをセレクト方向の一方端に配置された低速用シフトフォークに向けて弾機部材により付勢し、前記低速用シフトフォークは一方側位置に割出されたとき対応するギヤ切替機構を車両の発進可能な低速に切替える配列とし、異常が検出されたとき、シフト駆動手段を作動させて前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を他方側位置に向けて低速で少なくとも一方側位置と他方側位置の間隔の半分を移動させる指令を出力し、その後シフト駆動手段を反対側に作動させて前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記一方側位置に向けて低速で少なくとも他方側位置と一方側位置の間隔を移動させるようにしたので、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部が他方側位置に向かって低速で移動される途中で中立位置に到達すると前記係合部が中立位置に位置するシフトフォークの凹部と整列し、前記弾機部材の撥力により前記一方端に移動されて低速用シフトフォークの凹部に係合する。その後シフト駆動手段は反対側に作動して前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記一方側位置に向けて移動させるので、前記ギヤ切替機構は車両の発進可能な低速に確実に切替えられる。 【0012】上記のように構成した請求項2に係る発明においては、前記低速用シフトフォークが一方側位置に割出されたときスイッチが作動されるので、前記ギヤ切替機構が発進可能な低速に切替えられたことを確認することができる。 【0013】上記のように構成した請求項3に係る発明においては、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部をセレクト方向の一方端に配置された1−2速用シフトフォークに向けてスプリングにより付勢し、異常が検出されたとき、前記シフト駆動手段を作動させて前記シフトアンドセレクトレバーの係合部をハイ位置又はロー位置に向けて低速で少なくともロー位置とハイ位置の間隔の半分を移動させ、その後シフト駆動手段を反対側に作動させて前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記ロー位置又はハイ位置に向けて低速で少なくともロー位置とハイ位置の間隔を移動させるようにしたので、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部がハイ位置又はロー位置に向かって低速で移動される途中で中立位置に到達するとその先端部が中立位置に位置するシフトフォークの凹部と整列し、前記スプリングのバネ力により前記一方端に移動されて1−2速用シフトフォークの凹部に係合する。その後シフト駆動手段は反対側に作動して前記シフトアンドセレクトレバーの係合部を前記ロー位置又はハイ位置に向けて移動させるので、前記ギヤ切替機構は車両の発進可能な1速又は2速に確実に切替えられる。 【0014】上記のように構成した請求項4に係る発明においては、前記1−2速用シフトフォークがハイ位置又はロー位置に割出されたときスイッチが作動されるので、歯車式自動変速装置が発進可能な1速又は2速に切替えられたことを確認することができる。 【0015】上記のように構成した請求項5に係る発明においては、異常が検出されたとき、前記シフトアンドセレクトレバーの係合部が低速で少なくともロー位置とハイ位置の間隔を往復移動するよう指令され、前記1−2速用シフトフォークがハイ位置及びロー位置に割出されたとき対応するスイッチが作動されるので、歯車式自動変速装置が1速及び2速に切替えられたことを夫々確認することができる。 【0016】上記のように構成した請求項6に係る発明においては、前記各シフトフォークがハイ位置及びロー位置に割出されたとき夫々に対応して設置されたスイッチが作動されるので、歯車式自動変速機が何れの変速状態に切替えられているかを確認することができる。 【0017】 【実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0018】図1は、本発明に係る歯車式自動変速装置の全体構成を模式的に示すものである。1は運転者がシフトレバー2の操作により選択した変速段を識別し、システム制御用のマイクロコンピュータ等からなる制御回路3に入力するスイッチ部である。シフトレバー2は中央部で本体に揺動可能に支持され、上部を運転者が図2に示すシフトパターンに従ってシフトするようになっている。4は前進6段後進1段のギヤートレーンを有する歯車変速機構で、シフト機構5によって各変速段に切替えられるようになっている。 【0019】図3に示すようにシフトレバー2は中央部で本体10に揺動可能に支持されている。11〜17はシフトレバーの下端部に対向して本体10に取付けられ、制御回路3に接続されたスイッチ群で、シフトレバー2が図2のシフトパターンの1速位置1st乃至6速位置6thにシフトされたとき、スイッチ11〜16が各々シフトレバーの下端部によってオン状態にされ、後進位置revにシフトされたときスイッチ17がオン状態にされる。運転者がシフトレバー2を運転状態に応じて切替えたとき、この選択された変速段はスイッチ群11〜17のオン状態で識別され制御回路3に入力される。 【0020】図4に示す歯車変速機構4において、20は1速ギヤ列と2速ギヤ列を切替える公知のギヤ切替機構で、出力軸Bに固定されたハブ21にスリーブ22が軸方向に往復自在にスプライン嵌合され、出力軸Bに動力を伝達する1速用及び2速用ギヤ23、24が前記出力軸Bに前記ハブ21の両側に軸方向移動を規制して自由回転可能に支承されている。前記スリーブ22は右方の1速位置(ロー位置)に割出し移動されると図略のシンクロナイザ機構を介して1速用ギヤ23の側面に固定されたクラッチギヤ26にスプライン嵌合して1速(低速)に切替え、左方の2速位置(ハイ位置)に割出し移動されると図略のシンクロナイザ機構を介して2速用ギヤ24の側面に固定されたクラッチギヤ27にスプライン嵌合して2速(高速)に切替え、中立位置に割出し移動されると1速及び2速用ギヤ23、24と出力軸Bとの連結を遮断して中立とする。3速ギヤ列と4速ギヤ列、5速ギヤ列と6速ギヤ列はギヤ切替機構20と同様のギヤ切替機構30、31のスリーブが右方の3速、5速位置(ロー位置)、中立位置、左方の4速、5速位置(ハイ位置)に割出し移動されることにより3速、5速(低速)、中立、4速、6速(高速)に切替えられる。リバースギヤ列も同様のギヤ切替機構32によりリバース、中立に切替えられる。 【0021】3−4速用ギヤ切替機構30のスリーブは左方の4速位置(ハイ位置)に割出し移動されると入力軸Aに固定されたクラッチギヤ33にスプライン嵌合され、入力軸Aと出力軸Bが直結される。ギヤ列34は入力軸Aとカウンタ軸Cを常時トルク伝達可能に連結するギヤ列であり、4速以外は、入力軸Aの回転はギヤ列33、カウンタ軸Cを介して対応するクラッチギヤ及びギヤ切替機構を介して出力軸Bに伝達される。 【0022】図5乃至図7に示すようにシフト機構5の1−2速用フォークシャフト40、3−4速用フォークシャフト41、5−6速用フォークシャフト42及びリバース用フォークシャフト43が回転を規制されて軸方向に摺動自在にハウジング44に互いに平行に支持されている。フォークシャフト40には1−2速用シフトフォーク58及びシフトフォーク45が固定され、シフトフォーク45の先端フォーク部は、ギヤ切替機構20のスリーブ22の外周環状溝に係合し、スリーブ22を1速位置(ロー位置)、中立位置、2速位置(ハイ位置)に割出し移動する。フォークシャフト40には切欠溝51〜53が刻設され、フォークシャフト40が1速位置、中立位置、2速位置に割出されたとき、バネ50によりフォークシャフト40に向かって付勢されたディテント49が対応する切欠溝に係合し、フォークシャフト40を割出し位置に位置決め保持する。同様に3−4速用、5−6速用フォークシャフト41、42には3−4速用、5−6速用シフトフォーク46、47が夫々固定され、シフトフォーク46、47の先端フォーク部は、ギヤ切替機構30、31のスリーブの外周環状溝に係合し、スリーブを3速、5速位置(ロー位置)、中立位置、4速、6速位置(ハイ位置)に割出し移動する。フォークシャフト41、42も各位置に割出されたとき図略のディテント装置により位置決め保持される。リバース用フォークシャフト43にはリバース用シフトフォーク48が固定されている。リバース用シフトフォーク48は図7に示すように1−2速用フォークシャフト40に摺動可能に支持され、先端フォーク部はギヤ切替機構32のスリーブの環状溝に係合している。フォークシャフト43もディテント装置54により割出し位置に位置決め保持される。 【0023】フォークシャフト40〜43には、シフトヘッド55〜58がシフトフォークと反対側に伸長して夫々固定され、各シフトヘッド55〜58には後述するシフトアンドセレクトレバーの係合部が係合する凹部59〜62が刻設されている。全フォークシャフト40〜43が中立位置に割出されたとき、全凹部59〜62は前記フォークシャフト40〜43の軸線と直角なセレクト方向に1列に整列する。このようにフォークシャフト40〜43、シフトフォーク45〜48及びシフトヘッド55〜58は一体的に連結され、全体としてロー位置(一方側位置)、中立、ハイ位置(他方側位置)に割出し移動されてギヤ切替機構を低速、中立、高速に切替えるシフトフォークの機能を果たすものである。 【0024】65は切替えシャフトで、前記セレクト方向に伸長し、回転かつ軸移動可能に前記ハウジング44に支承されている。この切替えシャフト65にはシフトアンドセレクトレバー66及びリバース用レバー67が前記シフトフォーク45〜48背面に対向して固定されている。切替えシャフト65の後端には駆動アーム68の一端が固定され、駆動アーム68の他端に駆動軸69が切替えシャフト65と平行に固定されている。この駆動軸69に係合されたフォーク70がシリンダ71によって進退移動されることにより切替えシャフト65は回動され、シフトアンドセレクトレバー66の係合部73及びリバース用レバー67の先端部は前記フォークシャフトの軸線40〜43と平行なシフト方向に移動され、ロー位置(一方側位置)、中立位置、ハイ位置(他方側位置)に割出し移動される。切替えシャフト65、駆動アーム68、駆動軸69フォーク70及びシリンダ71により、シフトアンドセレクトレバー66の係合部73をシフト方向に沿って割出し移動するシフト駆動手段を構成する。72はシフトストローク検出手段としてのストロークセンサで、前記シリンダ71のピストンの移動位置延いてはシフトアンドセレクトレバー66の係合部73のシフト方向位置を検出する。ストロークセンサ72の出力は図略のA/D変換器を介して制御回路3にフィードバックされる。 【0025】75は切替えシャフト65に接続されたシリンダで、切替えシャフト65延いてはシフトアンドセレクトレバー66の係合部73をセレクト方向に割出し移動する。即ち、中立位置に位置する全フォークシャフト40〜43に固定されたシフトヘッド55〜58の凹部59〜62はセレクト方向に整列し、中立位置に割出されたシフトアンドセレクトレバー66の係合部73は凹部59〜61を通ってセレクト方向に移動可能である。この状態で切替えシャフト65はシリンダ75により移動され、シフトアンドセレクトレバー66の係合部73は凹部59、60、61と夫々係合する複数のゲート位置に割出し移動される。切替えシャフト65及びシリンダ75により、シフトアンドセレクトレバー66の係合部73をセレクト方向に沿って割出し移動するセレクト駆動手段を構成する。76はセレクトストローク検出手段としてのストロークセンサで、前記シリンダ75のピストンの移動位置延いてはシフトアンドセレクトレバー66の係合部73のセレクト方向位置を検出する。ストロークセンサ76の出力は図略のA/D変換器を介して制御回路3にフィードバックされる。 【0026】80は弾機部材としての圧縮スプリングで、切替えシャフト65に嵌合された当接部材81とハウジング44にセレクト方向に摺動可能に嵌装された中間部材82との間に介在されている。中間部材82は圧縮スプリング82よりバネ力の強い圧縮スプリング83により左方に付勢されて中間位置で当接部材84に押し当てられている。従って、シリンダ75が自由状態のとき、切替えシャフト65は圧縮プリング80のバネ力により左方に付勢されてリバース用レバー67がハウジング44に当接する原位置に位置される。この原位置ではシフトアンドセレクトレバー66の係合部73は1−2速用フォークシャフト40に固定したシフトヘッド55の凹部59と係合する。切替えシャフト65を圧縮スプリング80のバネ力に抗して右方に移動するとシフトアンドセレクトレバー66の係合部73は3−4速、5−6速用フォークシャフト41、42に固定したシフトヘッド56、57の凹部60、61と順次係合する。切替えシャフト65をさらに右方に移動すると当接部材81が中間部材82に当接し圧縮スプリング83のバネ力に抗して押動し、リバース用レバー67がリバース用フォークシャフト43に固定したシフトヘッド58の凹部62に係合する。 【0027】85はシフトアンドセレクトレバー66の後面にセレクト方向に刻設された長溝86に係入し、シフトアンドセレクトレバー66を中立位置に押圧保持するディテント装置であり、長溝86に係脱するボール87、ハウジング44に摺動可能に支持されて前記ボール87を保持する保持部材88、この保持部材88を介してボール87をシフトアンドセレクトレバー85の後面に向かって付勢するスプリング89とから構成されている。 【0028】90は切替えシャフト65に軸方向相対移動を規制して回動可能に支承されたインターロックプレートで、シフトアンドセレクトレバー66の上面及び側面を囲む本体部91と両側面から屈曲してセレクト方向に伸長するインターロック部92とから構成されている。本体部91の上面にはセレクト方向に伸長する長溝93が穿設され、この長溝93にディテント装置85の保持部材88が係入することによりインターロック部材90が回転を規制されてセレクト方向に移動可能となっている。 【0029】1−2速用フォークシャフト40の端部には図7に示すようにドッグ95、96が取付けられ、フォークシャフト40延いては1−2速用シフトフォーク45が1速位置又は2速位置に割出されたとき対応するスイッチ101、102を作動する。3−4速用フォークシャフト41の端部にはドッグ97,98が取付けられ、フォークシャフト41延いては3−4速用シフトフォーク46が3速位置又は4速位置に割出されたとき対応するスイッチ103、104を作動する。5−6速用フォークシャフト42の端部には図略のドッグが取付けられ、フォークシャフト42延いては5−6速用シフトフォーク47が5速位置又は6速位置に割出されたとき対応するスイッチ105、106を作動する。リバース用フォークシャフト43の端部には図7に示すようにドッグ99が取付けられ、フォークシャフト43延いてはリバース用シフトフォーク48がリバース位置に割出されたとき対応するスイッチ107を作動する。 【0030】図8においては、シフトフォーク45〜48が1、3、5速位置(ロー位置)又は2、4、6速位置、リバース位置(ハイ位置)に割出されたとき作動されるスイッチ101〜107を設けたが、必要に応じ例えば1−2速用シフトフォーク45が1速位置又は2速位置に割出されとき作動されるスイッチ101、102のみを設置しても良い。 【0031】上記のように構成した本実施形態においては、運転者がシフトレバー2を例えば5速位置5thに切替えると、スイッチ15がシフトレバー2の下端部によりオン状態にされる。制御回路3はスイッチ15がオン状態であることを認識し、歯車変速機構4を5速に切替えるよう制御する。即ち、駆動回路110は制御回路3からの指令に基づいて切換制御弁111を制御し、シリンダ75を駆動して係合部73をセレクト方向に割出し移動して凹部61と係合させる。この場合、シフトアンドセレクトレバー66の係合部73のシフト方向位置はストロークセンサ76により検出され、A/D変換されて制御回路3にフィードバックされ、係合部73は凹部61と係合する位置に正確に割出される。係合部73のセレクト方向の割出し移動が完了すると、駆動回路110は制御回路3からの指令に基づいて制御弁112を制御し、シリンダ71を駆動して切替えシャフト65を回動して係合部73をロー位置に割出し移動する。これにより5−6速用のシフトヘッド57、フォークシャフト42、シフトフォーク47がロー位置に割出し移動され、ギヤ切替機構31のスリーブが5速位置に割出し移動され、歯車変速機構4が5速に切替わり、車両は5速状態で走行する。歯車変速機構4が5速状態にあることは、5−6速用フォークシャフト42に固定したドッグがスイッチ105をオンにすることにより確認される。他の変速段への切替えも同様であるので説明を省略する。 【0032】制御回路3は、図9(a)に示すように、ステップ115で走行中に歯車式自動変速装置に異常が生じたか否かチェックし、異常を認識するとステップ116で異常警報を発して停車を指示する。異常は、例えば5速で走行中であることがスイッチ105のオンで確認されているときに、ストロークセンサ72又は76が故障し、5速に対応する信号と異なる信号を出力していることを制御回路3が認識した場合である。異常はこれに限られることはなく、スイッチ101〜107が故障し、ストロークセンサ72、76の信号から判断される変速段と不一致になった場合がある。また、図1に示す入力軸A、出力軸Bの回転数を検出する装置108、109により検出された入力軸A、出力軸Bの回転数の比が、選択された変速段における入力軸Aと出力軸Bとの理論上の回転比と異なる場合などがある。 【0033】異常により停車した後、車両を修理工場等に搬入するために発進する場合、運転者は異常発進スイッチをオンにする。図9(b)に示すように制御回路3はステップ117で異常発進スイッチのオンを認識すると、歯車変速機構4を1速に切替えるよう制御する。駆動回路110は制御回路3からの指令119に基づいて速度制御弁113を低速に切替え、指令120に基づいて切替制御弁112を制御し、シリンダ71を低速で駆動してシフトアンドセレクトレバー66の係合部73をハイ位置に向けて低速で少なくともロー位置とハイ位置との間隔Lの半分の所定距離を移動させる。切替制御弁111はステップ118でシリンダ75の左右室をタンクに連通し自由状態にするので、移動途中に係合部73が中立位置に移動して中立位置に位置するシフトヘッド56、55の凹部60、59と整列すると、圧縮スプリング80のバネ力により切替えシャフト65が前記原位置に移動され、係合部73は1−2速用シフトフォーク45に対応するシフトヘッド55の凹部59に係合し、1−2速用フォークシャフト40をハイ側に移動して前記所定距離の移動を完了する。制御回路3は、係合部73が前記所定距離移動するのに要する所定時間が経過したことをステップ121で判断すると、ステップ122でシリンダ72を反転駆動させ、係合部73をロー位置に向けて低速で少なくとも前記所定距離移動させる指令を駆動回路110に出力する。これにより1−2速用シフトフォーク45が1速位置に割出し移動され、ギヤ切替機構20のスリーブが1速位置に割出し移動され、歯車変速機構4が車両の発進可能な1速に切替わる。そして、歯車変速機構4が1速状態であることが、1−2速用フォークシャフト40に固定したドッグ95がスイッチ101をオンにすることにより確認され、安全に発進することができる。 【0034】なお、例えば6速で走行中に異常が発生し、車両を停止した後に異常発進スイッチをオンにした場合、シリンダ71はシフトアンドセレクトレバー66の係合部73をハイ位置に向けて前記所定距離移動させるように低速で駆動されるが、係合部材73は既にハイ位置(6速位置)に位置するため、係合部73は移動しない。制御回路3は、係合部73が前記所定距離移動するのに要する所定時間が経過したことをステップ121で判断すると、ステップ122でシリンダ72を反転駆動させ、係合部73をロー位置に向けて低速で少なくともロー位置とハイ位置との間隔Lを移動させる指令を駆動回路110に出力する。この指令に基づいて係合部73がロー位置に向かって移動し、その途中で中立位置において中立位置に位置するシフトヘッド56、55の凹部60、59と整列すると、圧縮スプリング80のバネ力により切替えシャフト65が前記原位置に移動され、係合部73は1−2速用シフトフォーク45に対応するシフトヘッド55の凹部59に係合する。係合部73は凹部59に係合した後も移動し、1−2速用シフトフォーク45をロー位置に割出し、歯車変速機構4を1速に切替える。 【0035】上記実施形態では、異常発進スイッチがオンされると、先ず係合部73を少なくともロー位置とハイ位置との間隔Lの半分の所定距離だけハイ位置に向かって移動させているが、少なくともロー位置とハイ位置との間隔L移動させるようにしても良い。このようにすれば、歯車変速機構4は、一旦2速に切替わった後に1速に切替わるので、1−2速用フォークシャフト40に固定されたドッグ96によりスイッチ102がオンにされ、2速での異常の有無も確認できる。 【0036】また、2速でも自動車は発進可能であるので、異常発進スイッチがオンされると、先ず係合部73をロー位置に向かって移動させ、その後ハイ位置に向かって移動させて歯車切替機構4を2速に切替えるようにしても良い。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】592058315 【氏名又は名称】アイシン・エーアイ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年12月8日(1999.12.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064724 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷 照一 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−165309(P2001−165309A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月22日(2001.6.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−348968 |
|