トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 油圧駆動装置
【発明者】 【氏名】安藤 邦弘

【要約】 【課題】チェック弁の作動が正確であり、安定性があり、構造が簡単であると共に加工性,組付性及び経済性の向上が図れる油圧駆動装置を提供すること。

【解決手段】ボディ21内にポンプ1とモータ2を接続する一対のメイン通路3,4を設け、各メイン通路3,4に補助ポンプ5側の補助通路6,7を接続し、当該補助通路6,7の両側出口端に相対向する一対のチェック弁8,9を開閉自在に設け、各チェック弁8,9はポペット型の弁体14とこの弁体14を閉じ方向に付勢するスプリング15とからなる油圧駆動装置に於て、ボディ21内に補助通路6,7とメイン通路3,4とを貫通する支持ロッド22を軸方向移動自在に設け、当該支持ロッド22は中央の大径部23とこの大径部23の両側に連設されている小径部24とからなり、上記各小径部24の外周に弁体14を摺動自在に挿入させたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボディ内にポンプとモータを接続する一対のメイン通路を設け、各メイン通路に補助ポンプ側の補助通路を接続し、当該補助通路の両側出口端に相対向する一対のチェック弁を開閉自在に設け、各チェック弁はポペット型の弁体とこの弁体を閉じ方向に付勢するスプリングとからなる油圧駆動装置に於て、ボディ内に補助通路とメイン通路とを貫通する支持ロッドを軸方向移動自在に設け、当該支持ロッドは中央の大径部とこの大径部の両側に連設されている小径部とからなり、上記各小径部の外周に弁体を摺動自在に挿入させたことを特徴とする油圧駆動装置。
【請求項2】 各弁体の頭部を大径部の端面に当接させ、大径部の軸方向の長さに応じたオリフィスが中立時に各弁体と補助通路の出口端との間に形成させていることを特徴とする請求項1の油圧駆動装置。
【請求項3】 ボティに各小径部を移動自在に挿入するガイド孔を設け、小径部の外端面とガイド孔の内端面との間に支持ロッドの移動を許容するクリアランスを設けたことを特徴とする請求項1又は2の油圧駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ポンプと油圧モータとを閉回路で接続し、この平回路に一対のチェック弁を介して補助ポンプから油を補給できるようにしている油圧駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の油圧駆動装置としては、例えば図3に示す油圧閉回路が一般的に使用されている。
【0003】即ち、油圧ポンプ1と油圧モータ2とがメイン通路3,4で接続されて閉回路を構成し、各メイン通路3,4には補助ポンプ5に接続されている補助通路6,7を連通させ、補助通路7の途中には一対のチェック弁8,9が開閉自在に設けられ、更に補助通路6,7は分岐通路12とブラッシングバルブ10を介してタンク11と接続し、補助通路6,7の内圧が常にフラッシングバルブ10で設定されるようになっている。
【0004】上記の油圧駆動装置では、例えば油圧ポンプ1を正転するとメイン通路3に油圧が吐出されて油圧ポンプ2を正転駆動し、戻りの油は他方のメイン通路4を介して油圧ポンプ1側に戻される。使用中に油が漏れたような場合には、不足した油が補助油圧ポンプ5からチャージされて一方のチェック弁9を開いて低圧側のメイン通路4内に供給される。
【0005】中立時及び油圧モータ2の微小傾角状態の時には補助油圧ポンプ5からチャージされた油圧で二つのチェック弁8,9が開いており、その時の微小開口隙間、即ち、オリフィスを介して油圧が各メイン通路3,4に供給されている。
【0006】上記の油圧駆動装置に使用されているチェック弁としては、例えば図4(A)(B)又は図5に示すものが使用されている。
【0007】即ち、ボディ内の補助通路6,7を貫通する支持ロッド13の両側にチェック弁8,9を差し込んで取付けており、チェック弁8,9は筒体に一体に設けたポペット型の弁体14とこの弁体14を閉じ方向に付勢するコイルスプリング15とからなり、弁体14の頭部に形成した嵌合溝16内に支持ロッド13の各端部を挿入して弁体14を支えているものである。
【0008】中立時及び油圧モータ2の微小傾角状態の時には図4(A)に示すように補助油圧ポンプ5からの油圧で各弁体14,14が各コイルスプリング15,15に抗して開いており、メイン通路3,4に油圧が供給されている。
【0009】メイン通路3側に油圧ポンプ1から高圧油が吐出されると、この高圧油が一方のチェック弁8の弁体14背部に作用してこれを閉じ、他方のチェック弁9の弁体14の背部は低圧となると共に支持ロッド13に押されて開き方向に後退し、弁体14と補助通路7との間の隙間を拡げ、チャージされた油は全て戻り側のメイン通路4に排出される。補助ポンプ5からの流量が多くなると、図4(B)の状態からチェック弁9の弁体14はコイルスプリング15に抗して更に大きく開く。
【0010】図5に示すチェック弁8,9は筒体18に一体に設けた弁体14と、弁体14と、弁体14を閉じ方向に付勢するコイルスプリング15と、弁体14の頭部に設けた長いロッド状のストッパ19とからなり、筒体18内にはボディ側に設けた支持ロッド20が挿入し、各チェック弁8,9はこの支持ロッド20,20に移動自在に支持され、中立時にはストッパ19,19同志が当接し、この時弁体14と補助通路7,7の出口端の間にオリフィスを形成されている。図4の場合と同じく、メイン通路3が高圧油が吐出されると一方のチェック弁8における弁体14が閉じ、ストッパ19,19を介して他方の低圧側のチェック弁9が大きく開くことになる。その他の構造,作用は図4の場合と同じである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の油圧駆動装置におけるチェックバルブ構造では、次のような不具合がある。
【0012】即ち、図4の油圧駆動装置において、支持ロッド13の両端が弁体14の頭部におけるわずかな嵌合溝16内に挿入して弁体14を支えているだけであるから、弁体14が不安定であり、軸芯精度が悪く、弁体の開閉制御が不正確となる。
【0013】更に、二つの弁体14,14と支持ロッド13が別体であり、それぞれ独立して組付けるため、支持ロッド13に一方のチェック弁8の弁体14を組付けた後に他方のチェック弁9の弁体14を取付ける時位置合せが困難で支持ロッド13がはずれてしまう場合があり、組立性に劣るものである。
【0014】次に、図5に示すチェック弁8,9は、弁体14に長いストッパ19等を一体に設け、複数な構造となっており、支持ロッド20も基台を介してボディ側に取付けており、構造が複雑であるから、加工性,組付性に劣り、経済性にも劣るものである。
【0015】そこで、本発明の目的は、チェック弁の作動が正確であり、安定性があり、構造が簡単であると共に加工性,組付性及び経済性の向上が図れる油圧駆動装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の手段は、ボディ内にポンプとモータを接続する一対のメイン通路を設け、各メイン通路に補助ポンプ側の補助通路を接続し、当該補助通路の両側出口端に相対向する一対のチェック弁を開閉自在に設け、各チェック弁はポペット型の弁体とこの弁体を閉じ方向に付勢するスプリングとからなる油圧駆動装置に於て、ボディ内に補助通路とメイン通路とを貫通する支持ロッドを軸方向移動自在に設け、当該支持ロッドは中央の大径部とこの大径部の両側に連設されている小径部とからなり、上記各小径部の外周に弁体を摺動自在に挿入させたことを特徴とするものである。
【0017】この場合、各弁体の頭部を大径部の端面に当接させ、大径部の軸方向の長さに応じたオリフィスが中立時に各弁体と補助通路の出口端との間に形成させているのが好ましい。
【0018】同じく、ボティに各小径部を移動自在に挿入するガイド孔を設け、小径部の外端面とガイド孔の内端面との間に支持ロッドの移動を許容するクリアランスを設けているのが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図1,図2にもとづいて説明する。
【0020】本発明に係る油圧駆動装置の基本構造は図3の従来例と同じく、ボディ21内に油圧ポンプ1と油圧モータ2を接続する一対のメイン通路3,4を設け、各メイン通路3,4に補助ポンプ5側の補助通路6,7,7を接続し、当該補助通路7,7の両側出口端に相対向する一対のチェッ弁8,9を開閉自在に設け、各チェック弁8,9はポペット型の弁体14と、この弁体14を閉じ方向に付勢するコイルスプリング15とからなるものである。
【0021】本発明では、上記の構造に加えて、図1,図2に示すように、ボディ21内に補助通路7,7とメイン通路3,4とを貫通する支持ロッド22を軸方向移動自在に設け、当該支持ロッド22は中央の大径部23と、この大径部23の両側に連設されている小径部24,24とからなり、上記各小径部24,24の外周に弁体14を摺動自在に挿入させている。
【0022】各弁体14,14は端部にスリーブ14a,14aを連設し、弁体14自体とスリーブ14aが小径部24に挿入され、弁体14を支えると共に弁体14の軸芯がずれないように軸方向に案内している。弁体14の背面はそれぞれメイン通路3,4に直接露出してメイン通路3,4の油圧が直接作用するようになっている。
【0023】更に、各弁体14の頭部を大径部23の端面に当接させ、大径部23の軸方向の長さに応じたオリフィスが中立時に各弁体14と補助通路7の出口端との間に形成させている。更に、ボティ21に支持ロッド22の各小径部24を移動自在に挿入するガイド孔25を設け、小径部24の外端面とガイド孔25の内端面との間に支持ロッド22の移動を許容するクリアランス26を設けている。
【0024】本体14の頭部は截頭円錐状に形成され、他方各補助通路7の両側出口端には円錐面状のシート面27が形成されている。
【0025】中立時及び油圧モータの微小傾角状態の時は図1に示すように、補助油圧ポンプ5からの圧で各チェック弁8,9の弁体14がコイルスプリング15に抗して後退し、弁体14とシート面27との間にオリフィスが形成され、若干の油が吐出されている。
【0026】この状態から油圧モータ2を、例えば図3において逆転方向に駆動するため、油圧ポンプ1よりメイン通路4に高圧油を吐出すると、メイン通路4内の高圧が一方のチェック弁9を閉じ方向に付勢する。この為、チェック弁9側の弁体14が閉じ、支持ロッド22を押し込み、他方の低圧側チェック弁8の弁体14を開き方向に付勢する。更に、補助油圧ポンプ5からの油量が多くなると図2のように更にチェック弁8側の弁体14が押され、シート面27との間の隙間を拡大させ、この隙間から補助油圧ポンプ5からの油がメイン通路3側にチャージされる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果がある。
【0028】(1) 各請求項の発明によれば、一つの支持ロッドの両側にチェック弁の弁体を摺動自在に挿入したので、弁体と支持ロッドとを同時に組付けた状態でボディに取付けられ、組付性が向上する。
【0029】(2) 同じ各弁体は支持ロッドの小径部に挿入されているから、弁体の軸方向の移動を正確に案内する。従って、軸芯がくるわないから弁体の位置や移動が正確で安定し、開閉制御が正確に行われる。
【0030】(3) 請求項2の発明によれば、支持ロッドは中央に大径部を有し、この大径部の端面に弁体の頭部を当接させているから、大径部がストッパとなる。この為、大径部の長さに応じた範囲で弁体のストローク制御が可能となり、弁体と補助通路の出口端との間のオリフィスたる隙間の大きさを大径部の長さに応じて設定できる。
【0031】(4) 請求項3の発明によれば、支持ロッドの小径部外端にクリアランスを設けているから、このクリアランス分支持ロッドが移動でき、しかも支持ロッドを挿入したガイド孔は支持ロッドの移動を案内し、軸芯精度を向上できる。
【出願人】 【識別番号】000000929
【氏名又は名称】カヤバ工業株式会社
【出願日】 平成11年11月16日(1999.11.16)
【代理人】 【識別番号】100067367
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 泉
【公開番号】 特開2001−141054(P2001−141054A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願平11−324909