| 【発明の名称】 |
車両用自動変速機の変速操作装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】北野 頭
【氏名】清水 悦夫
【氏名】佐藤 義隆
【氏名】谷中 壮弘
【氏名】島津 勲
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| 【要約】 |
【課題】電動モータの出力および手動操作部材に入力された手動操作力を、選択的に変速操作軸へ伝達させることができる変速操作装置を提供する。
【解決手段】電動モータ12の出力によりサンギヤ154が回転させられるときは、サンギヤ154の回転によりピニオン160が自転および公転させられる。一方、手動用レバー204によりリングギヤ165が回転駆動させられるときは、リングギヤ165の回転によりピニオン160がサンギヤ154を中心として回転自転および公転させられる。そして、そのピニオン160の公転により、ピニオン160を支持するキャリヤ部材162およびそのキャリヤ部材162に連結された変速操作軸28が回転させられる。従って、電動モータ12の出力および手動用レバー204に入力された手動操作力を、選択的に変速操作軸28へ伝達させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シフト操作信号により駆動される電動モータの出力および手動操作部材に入力された手動操作力を、車両用自動変速機の変速レンジの切り換えを行うための変速操作軸へ選択的に伝達させる形式の車両用自動変速機の変速操作装置であって、前記手動操作部材に連結され、該手動操作部材に入力された手動操作力を前記変速操作軸に伝達するために該変速操作軸に固定された固定部材と、前記変速操作軸と共通の軸心まわりに該固定部材と相対回転可能に設けられ、前記電動モータにより回転駆動される回転駆動部材と、前記固定部材と該回転駆動部材とを解放可能に連結する連結装置と、手動によって操作され、該連結装置による前記固定部材および回転駆動部材の連結を相互に解放させる解放操作装置とを、含むことを特徴とする車両用自動変速機の変速操作装置。 【請求項2】 シフト操作信号により駆動される電動モータの出力および手動操作部材に入力された手動操作力を、車両用自動変速機の変速レンジの切り換えを行うための変速操作軸へ選択的に伝達させる形式の車両用自動変速機の変速操作装置であって、前記変速操作軸と共通の軸心まわりに回転可能に設けられ、前記電動モータにより回転駆動される第1歯車と、該第1歯車と共通の軸心まわりに該第1歯車と相対回転可能に設けられ、前記手動操作部材に入力される手動操作力により回転駆動される第2歯車と、前記第1歯車および第2歯車と自転および公転可能に噛み合うピニオンと、該ピニオンを自転および公転可能に支持して前記変速操作軸に連結されたキャリヤ部材とを、含むことを特徴とする車両用自動変速機の変速操作装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両用自動変速機の変速を行なうために、シフト操作信号により駆動される電動モータの出力を変速レンジの切り換えを行なうための変速操作軸へ伝達し、その電動モータの故障などの場合には手動操作部材に入力された手動操作力をその変速操作軸へ伝達する変速操作装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】車両に搭載される自動変速機の変速レンジの制御を行なうために、その自動変速機に付設された油圧制御装置を操作する変速操作装置が設けられている。この変速操作装置の駆動源として、電気的なシフト操作信号により駆動される電動モータが用いられる場合がある。 【0003】たとえば、特開平6−286492号公報に記載されている変速操作装置がそれであり、上記公報に記載された変速操作装置は、シフトレバーと電気的に連結された制御ユニットがシフトレバーの位置を検出し、シフトレバーが各変速レンジ位置にシフトする都度、制御ユニットがシフトレバーの変速レンジ位置に対応する制御信号を出力し、電動モータがその制御信号に基づいて駆動させられることにより、変速レンジの切り換えが行なわれる。 【0004】 【発明が解決すべき課題】しかし、上記のように電動モータにより変速操作装置を駆動させるのみでは、電気系統の故障等の原因により電動モータが動かなくなった場合に、全く変速レンジの切り換えができず、駐車不能または走行不能に陥ってしまう。そこで、電動モータが動かなくなった場合には、手動操作により変速操作装置を操作できる変速操作装置が望まれる。 【0005】上記のように、電動モータが動かなくなった場合に、手動操作により変速操作装置を操作可能とするには、変速レンジの切り換えのために手動操作される手動操作部材と変速レンジの切り換えを行なうための変速操作軸とを連結可能に構成しておく必要があるが、さらに、電動モータの出力と手動操作部材に入力された手動操作力とを、上記変速操作軸に選択的に伝達させることができる機構が必要となる。 【0006】本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、電動モータの出力および手動操作部材に入力された手動操作力を、選択的に変速操作軸へ伝達させることができる変速操作装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、シフト操作信号により駆動される電動モータの出力および手動操作部材に入力された手動操作力を、車両用自動変速機の変速レンジの切り換えを行うための変速操作軸へ選択的に伝達させる形式の車両用自動変速機の変速操作装置であって、(a) 前記手動操作部材に連結され、その手動操作部材に入力された手動操作力を前記変速操作軸に伝達するためにその変速操作軸に固定された固定部材と、(b) 前記変速操作軸と共通の軸心まわりにその固定部材と相対回転可能に設けられ、前記電動モータにより回転駆動される回転駆動部材と、(c) 前記固定部材とその回転駆動部材とを解放可能に連結する連結装置と、(d) 手動によって操作され、その連結装置による前記固定部材および回転駆動部材の連結を相互に解放させる解放操作装置とを、含むことにある。 【0008】 【第1発明の効果】このようにすれば、連結装置により固定部材と回転駆動部材とが連結されているときは、電動モータの出力により回転駆動部材が回転させられると、連結装置によりその回転駆動部材に連結されている固定部材も回転させられる。その固定部材は変速操作軸に固定されているので、電動モータの出力は変速操作軸に伝達される。一方、解放操作装置が手動によって操作されて、連結装置による固定部材と回転駆動部材との連結が相互に解放されたときは、手動操作部材に手動操作力が入力されると、手動操作部材に連結されている固定部材が回転させられ、固定部材を固定している変速操作軸も回転させれられるので、手動操作部材に入力された手動操作力が変速操作軸に伝達される。従って、電動モータの出力および手動操作部材に入力された手動操作力を選択的に変速操作軸へ伝達させることができる。 【0009】 【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を達成するための第2発明の要旨とするところは、シフト操作信号により駆動される電動モータの出力および手動操作部材に入力された手動操作力を、車両用自動変速機の変速レンジの切り換えを行うための変速操作軸へ選択的に伝達させる形式の車両用自動変速機の変速操作装置であって、(a) 前記変速操作軸と共通の軸心まわりに回転可能に設けられ、前記電動モータにより回転駆動される第1歯車と、(b) その第1歯車と共通の軸心まわりにその第1歯車と相対回転可能に設けられ、前記手動操作部材に入力される手動操作力により回転駆動される第2歯車と、(c) 前記第1歯車および第2歯車と自転および公転可能に噛み合うピニオンと、(d) そのピニオンを自転および公転可能に支持して前記変速操作軸に連結されたキャリヤ部材とを、含むことにある。 【0010】 【第2発明の効果】このようにすれば、電動モータの出力により第1歯車が回転させられるときは、第1歯車の回転によりピニオンが自転および公転させられる。一方、手動操作部材により第2歯車が回転駆動させられるときは、第2歯車の回転によりピニオンが自転および公転させられる。そして、そのピニオンが公転させられると、ピニオンを支持するキャリヤ部材およびそのキャリヤ部材に連結された変速操作軸が回転させられる。従って、電動モータの出力および手動操作部材に入力された手動操作力を、選択的に変速操作軸へ伝達させることができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例について、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明が適用された車両用自動変速機の変速操作装置10の外観を示す図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。 【0012】図1において、電動モータ12は、正常走行時に操作される図示しないシフトレバーの変速レンジ位置(たとえば、Pレンンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、2レンジ、およびLレンジの6つの変速レンジ位置)に対応して供給される電気的なシフト操作信号により駆動される。その電動モータ12には、図2に示すように、ウォーム14が連結され、電動モータ12の回転により回転させられる。ウォームホイール16は、大小2つのギヤを備え、その軸17がハウジング18に支持され、その軸17に大ホイール20および小ホイール22が固設されている。そして、大ホイール20はウォーム14と噛み合い、小ホイール22は、回転駆動部材24のギヤ部26と噛み合うように構成されている。 【0013】上記回転駆動部材24は、変速操作軸28に相対回転可能に支持され、回転駆動部材24の前記ハウジング18側とは反対側の端には、連結部材30の嵌合穴32と嵌まり合う嵌合突起34が設けられ、その端面は固定部材36の端面と接している。 【0014】固定部材36は、前記変速操作軸28が挿通される基部38と、その基部38から図2において上方に突き出すアウターレバー部40とを備えている。固定部材36の基部38には、図3に示すように、一対の対向する平側面を有する挿入穴44が設けられ、変速操作軸28の上記挿入穴44に挿入される部分が、その挿入穴44と嵌合する形状とされることにより、固定部材36は変速操作軸28に固定されている。また、固定部材36の前記回転駆動部材24と接する側の端部には、嵌合突起46が設けられ、前記連結部材30の嵌合穴32と嵌合している。 【0015】前記連結部材30の嵌合穴32に、回転駆動部材24の嵌合突起34および固定部材36の嵌合突起46が嵌合することにより、回転駆動部材24と固定部材36とは連結されるので、本実施例では、嵌合穴32を有する連結部材30、回転駆動部材24に設けられた嵌合突起34、および固定部材36に設けられた嵌合突起46が連結装置48として機能している。 【0016】また、前記変速操作軸28には、油圧制御装置内において、レバー50がノックピン52により固定され、このレバー50の先端側は、変速レンジを切り換えるためのスプール弁子54に作動的に連結されている。 【0017】変速レンジ検出装置56は、油圧制御装置ハウジング58に連結突起60を介して連結されたハウジング62と、変速操作軸28に固定された回転部材64とを有し、変速操作軸28の上記回転部材64が嵌め入れられる部分には、前記固定部材36が嵌め入れられた部分と同様に一対の対向する平側面66が形成されており、回転部材64が変速操作軸28に対して相対回転することを禁止する。また、変速レンジ検出装置56が変速操作軸28に固定されている位置と固定部材36が変速操作軸28に固定されている位置との間において、その変速操作軸28に設けられた図示しないねじ溝にナット68が螺合することにより、変速レンジ検出装置56は変速操作軸28の軸方向における移動が禁止されている。 【0018】上記変速レンジ検出装置56の回転部材64には、先端側にブラシ70が設けられ、ハウジング62にはエッチング等により所定のパターンが作成された回路板72が上記ブラシ70と接触するように設けられ、変速操作軸28の回転により、ブラシ70と回路板72との接触位置が変化させられて回路板72の導通位置が変化させられることにより、変速レンジ検出装置56は、変速操作軸28の回転角度により決定される変速レンジに対応した信号を出力する。 【0019】また、連結部材30には、図3に示すように、解放操作装置74が設けられている。その解放操作装置74は、連結部材30の貫通穴76に挿通される挿通ピン78、その挿通ピン78に固定され、挿通ピン78の軸方向に移動可能に設けられた前記貫通穴76の穴径よりも大きい係止部材80、挿通ピン78に嵌め入れられるバネ82、および、挿通ピン78の先端に固定され上記係止部材80と共にバネ82を挟持する挟持板84とから構成される。 【0020】上記挿通ピン78の基端側にはケーブル86が連結され、ケーブル86の他端は、図1に示すように、L型部材88の一方の端に連結されている。また、L型部材88の前記ケーブル86が連結されていない側の端にも別のケーブル90が連結され、そのケーブル90は、チューブ92内を挿通させられている。シフト操作伝達部材94は、後述する手動時操作レバー100による手動操作力を変速操作装置10へ伝達するものであり、先端に2つに分岐する分岐部95を有し、ピン96が、そのシフト操作伝達部材94の分岐部95、前記固定部材36のアウターレバー部40の先端、および前記L型部材88の中央部とを貫通している。これにより、L型部材88は、そのピン96を中心として回転可能とされている。 【0021】上記手動時操作力伝達部材94およびケーブル90は、手動操作力入力装置98側に連結されている。図4は、その手動操作力入力装置98の構成を説明する図である。図4において、操作レバー固定部材99には、一点鎖線で示す手動時操作レバー100が装入される装入穴102が設けられている。本実施例では上記手動時操作レバー100が手動操作力が入力される手動操作部材として機能する。 【0022】L型の解除操作リンク104は、操作レバー固定部材99の円柱突起106と嵌合し、その円柱突起106を中心として回転させられるとともに、装入穴102に上記手動時操作レバー100が装入されたときに、一端が手動時操作レバー100と係合するようになっており、他端は前記変速操作装置10側からのケーブル90が連結されている。 【0023】図5は、図4のC−C線線断面図である。図5において、有底筒型のケース108は、開口側がフロア110に図示しないボルトにより固定されている。なお、図4は、このケース108およびフロア110を省略した図である。 【0024】前記操作レバー固定部材99は、下端がケース108の底に接する状態で回転軸112まわりに回転可能にケース108に固定されている。操作レバー固定部材99の下端には、バネ114によりケース108の底方向に付勢された嵌合球116が、ケース108の底において操作レバー固定部材99の回転方向に複数設けられた嵌合穴118の一つと嵌合することにより、操作レバー固定部材99の回転軸112回りの回転を停止させる。 【0025】また、回転軸112のケース108から突き出す両端のうち、ナット120が螺合されていない側の端には、手動操作出力レバー122が溶接により固定されている。貫通ピン124は、回転軸112と操作レバー固定部材99とを貫通し、操作レバー固定部材99または回転軸112の一方が回転させられると、他方も回転させられるようになっている。 【0026】前記手動操作出力レバー122の回転軸112に溶接されていない側の端は、手動時操作力伝達部材94の先端に固定された結合部材128と、ピン130により相対回転可能に連結されている。また、前記回転軸112には、手動操作出力レバー122が溶接されている側の端面から、回転軸112の中央に連通する連通穴126が設けられ、その連通穴126内に前記チューブ92が挿通されている。 【0027】次に、上記のように構成された変速操作装置10の作動を説明する。まず、電動モータ12の出力により変速レンジの切り換えを行なう場合の作動を説明する。 【0028】図示しないシフトレバーが変速レンジを切り換えるために操作されると、そのシフトレバーの変速レンジ位置に対応したシフト操作信号が出力され、シフト操作信号に基づいて電動モータ12が駆動させられる。電動モータ12が駆動させられると、電動モータ12の駆動力が、ウォーム14、ウォームホイール16を介して回転駆動部材24に伝達されて、回転駆動部材24が回転させられる。回転駆動部材24は、連結装置48により固定部材36と連結されているので、回転駆動部材24が回転させられると、固定部材36も回転させられ、さらに、固定部材36が回転させられることにより、変速操作軸28も回転させられ、変速操作軸28の回転により、スプール弁子54が操作される。そして、変速レンジ検出装置50により、変速レンジが図示しないシフトレバーの変速レンジ位置と同一の変速レンジとなると、電動モータ12が停止させられる。なお、電動モータ12により固定部材36が回転させられるときは、固定部材36と作動的に連結されている手動操作力伝達部材94、手動操作出力レバー122、および操作レバー固定部材99も回転または移動させられる。 【0029】続いて、手動操作力によって変速レンジの切り換えが行なわれる場合の作動を説明する。まず、手動時操作レバー100が操作レバー固定部材99に装入されると、手動時操作レバー100により解除操作リンク104が円柱突起106回りに回転させられ、解除操作リンク104の一端に接続されたケーブル90が上方に引っ張られる。それにより、ケーブル90が接続されたL型部材88がピン96回りに回転させられ、さらに、そのL型部材88の他端に接続されたケーブル86、およびそのケーブル86の先端の解放操作装置74が上方に引き上げられる。解放操作装置74が上方に引き上げられると、固定部材36の嵌合突起46および回転駆動部材24の嵌合突起34と、連結部材30の嵌合穴32との嵌合が解除される。すなわち、連結装置48による固定部材36と回転駆動部材24の連結が解放される。 【0030】この状態で、手動時操作レバー100が手動操作されると、すなわち、手動時操作レバー100に手動操作力が入力されると、手動時操作レバー100が装入されている操作レバー固定部材99が回転軸112の軸心を回転中心として回転させられる。操作レバー固定部材99と回転軸112とは、貫通ピン124により一体的に回転させられるようになっているので、操作レバー固定部材99が回転させられると、回転軸112も回転させられ、さらに、回転軸112が回転させられると、回転軸112の一端に固定された手動操作出力レバー122も回転軸112の軸心を回転中心として回転させられて、手動操作出力レバー122の他端に連結された手動時操作力伝達部材94が図4において左側に移動させられる。 【0031】固定部材36は、アウターレバー部40の先端側において上記手動時操作力伝達部材94に連結されているので、手動時操作力伝達部材94が移動させられると、固定部材36は、その移動量に対応して回転させられる。固定部材36が回転させられると、固定部材36を固定している変速操作軸28も回転させられて、スプール弁子54が操作される。なお、前記連結装置48の連結が解放されない状態で手動操作力が入力された場合、たとえば、手動時操作レバー100の操作レバー固定部材99への装入が不十分なまま手動操作力が入力された場合には、手動操作力は、連結装置48および回転駆動部材24を介してウォームホイール16を回転駆動させる力として働くが、ウォームホイール16側からウォーム14を回転させることはできない。すなわち、ウォーム14およびウォームホイール16が、回転駆動部材24の手動操作力による回転を阻止する手動回転阻止装置として機能するので、連結装置48による回転駆動部材24と固定部材36との連結が解放されない状態では、手動操作により変速レンジを切り換えることはできない。 【0032】上述のように、本実施例によれば、連結装置48により固定部材36と回転駆動部材24とが連結されているときは、電動モータ12の出力により回転駆動部材24が回転させられると、連結装置48によりその回転駆動部材24に連結されている固定部材36も回転させられる。その固定部材36は変速操作軸28に固定されているので、電動モータ12の出力は変速操作軸28に伝達される。一方、解放操作装置74が手動によって操作されて、連結装置48による固定部材36と回転駆動部材24との連結が相互に解除されたときは、手動時操作レバー100に手動操作力が入力されると、手動時操作レバー100に、操作レバー固定部材99、手動操作出力レバー122、手動時操作力伝達部材94を介して連結されている固定部材36が回転させられ、固定部材36を固定している変速操作軸28も回転させれられるので、手動時操作レバー100に入力された手動操作力が変速操作軸28に伝達される。従って、電動モータ12の出力および手動時操作レバー100に入力された手動操作力を、選択的に変速操作軸28へ伝達させることができる。 【0033】続いて、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において、前述の実施例と同一の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。 【0034】図6は、本発明が適用された車両用自動変速機の変速操作装置140の断面図である。図6において、電動モータ12には、ウォーム14が連結され、そのウォーム14とウォームホイール142とが噛み合っている。ウォームホイール142は、軸144を共用する大ホイール146と小ホイール148とを備え、軸144は、大ホイール側ハウジング150と小ホイール側ハウジング152とにより支持されている。そして、大ホイール146が上記ウォーム14と噛み合い、小ホイール148は、本実施例において第1歯車として機能するサンギヤ154の第1外歯部154aと噛み合い、ウォーム14、ウォームホイール142およびサンギヤ154の第1外歯部154aとにより、電動モータ減速機構158が構成されている。 【0035】上記サンギヤ154は変速操作軸28に相対回転可能に支持され、さらに、前記大ホイール側ハウジング150とは反対側の端部に第2外歯部154bが設けられている。その第2外歯部154bは、図6および図6のD−D線断面図である図7に示すように、円筒歯車である3つのピニオン160と噛み合っている。キャリヤ部材162は、変速操作軸28の一対の平側面163が形成された部分と嵌合し、変速操作軸28と一体で回転するようになっている。また、キャリヤ部材162の外周側には、変速操作軸28と平行に突き出す3つの支持軸164が設けられ、その支持軸164に上記ピニオン160がそれぞれ支持されている。 【0036】本実施例において第2歯車として機能するリングギヤ165は、内歯を有し、その内歯が上記3つのピニオン160と噛み合っているので、変速操作軸28を軸心として回転可能である。従って、上記サンギヤ154の第2外歯部154b、ピニオン160、およびリングギヤ165が遊星歯車機構166を構成している。 【0037】また、リングギヤ165の外周には、ケーブル168を収容する収容溝170が形成され、収容溝170に収容されたケーブル168の先端は、収容溝170から突き出すケーブル固定突起172に固定されている。そして、ケーブル168は、チューブ174内を挿通させられて、変速レンジ指示装置176側に連結されている。 【0038】図8は、上記変速レンジ指示装置176の外観を示す図であり、図9は図8のE−E線断面図である。変速ツマミ178は、通常の走行時に、指示装置ハウジング180の表示部179に表示された変速レンジ(すなわち、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、2レンジ、およびLレンジ)に対応するシフト操作信号を電動モータ12に出力するために操作される。 【0039】図9に示すように、変速ツマミ178は略中央に軸部181を有し、その軸部181の平側面183が形成された部分には、回転部材182がその軸部181に対して垂直に嵌合され、変速ツマミ178と一体的に回転させられるようになっている。 【0040】指示装置本体184は、略中央において上記変速ツマミ178の軸部181が挿通される中空軸186を有しており、回路板188は、その指示装置本体184に上記回転部材182と対向する位置に固定され、回路板188の回転部材182と対向する面には、エッチング等により所定のパターンが作成されている。また、上記回転部材182には、回路板188と対向する面にブラシ190が設けられている。 【0041】変速ツマミ178の軸部181には、バネ受け部材192が、上記回転部材182よりも下部において嵌め入れられ、止め輪194により下方への移動が禁止されている。さらに、バネ受け部材192と回転部材182との間に、バネ196が介挿され、バネ196によりブラシ190が回路板188と接触する方向に付勢されている。そして、変速ツマミ178が操作されることにより、ブラシ190と回路板188との接触位置が変化させられて回路板188の導通位置が変化させられることにより、変速レンジ指示装置176は、変速ツマミ178の指示する変速レンジに対応したシフト操作信号を電動モータ12に出力する。 【0042】上記指示装置本体184には、さらに、ケーブル駆動ドラム198が中空軸186回りに相対回転可能に固定されている。そのケーブル駆動ドラム198には、収容溝200が設けられ、ケーブル168はその収容溝200に収容され、且つ、ケーブル168の収容溝200に収容された側の端は、収容溝200に設けられた図示しない突起に固定されている。これにより、ケーブル駆動ドラム198とリングギヤ165とは、一方の回転に連動して他方が回転させられるようになっている。 【0043】2つの手動用レバー204は、手動操作部材として機能するものであり、基端部が上記ケーブル駆動ドラム198に設けられたレバー固定突起202に回転可能に固定されることにより、手動用レバー204はそのレバー固定突起202回りに回転可能とされている。この手動用レバー204は、通常時には、図8の実線の位置にあり、手動用レバー204の先端は、前記指示装置ハウジング180の表示部179の端面を形成している衝合面206と衝合しているので、ケーブル駆動ドラム198の中空軸186回りの回転は禁止される。一方、手動用レバー204が回転させられて図8の一点鎖線の位置にあるときは、ケーブル駆動ドラム198の中空軸186回りの回転は許容される。 【0044】次に、上記のように構成された変速操作装置140の作動を説明する。まず、電動モータ12の出力により変速レンジの切り換えを行なう場合の作動を説明する。 【0045】変速ツマミ178が操作されて、変速ツマミ178の指示する変速レンジに対応したシフト操作信号が電動モータ12に出力されると、電動モータ12が駆動させられ、電動モータ12の駆動力がウォーム14を介してウォームホイール142に伝達され、小ホイール148が回転させられる。小ホイール148が回転させられると、小ホイール148と噛み合う第1外歯部154aを有するサンギヤ154が回転させられる。 【0046】サンギヤ154が回転させられると、3つのピニオン160を介して、サンギヤ154の駆動力がリングギヤ165に伝達され、さらに、リングギヤ165に固定されているケーブル168を介してサンギヤ154の駆動力がケーブル駆動ドラム198にまで伝達される。しかし、通常の状態では、手動用レバー204の先端が指示装置ハウジング180の衝合面206と衝合し、ケーブル駆動ドラム198の中空軸186回りの回転は禁止されているので、ケーブル駆動ドラム198とケーブル168を介して連動させられるリングギヤ165は回転することができない。すなわち、手動用レバー204および衝合面206が形成された指示装置ハウジング180が、電動モータ12の出力により変速レンジの切り換えが行なわれる際に、リングギヤ165(第2歯車)を固定する第2歯車固定装置として機能している。そのため、サンギヤ154に入力された駆動力は3つのピニオン160から出力される。すなわち、サンギヤ154の回転により、3つのピニオン160がサンギヤ154を中心として自転および公転回転させられる。そして、そのピニオン160の回転により、ピニオン160を支持するキャリヤ部材162およびそのキャリヤ部材162を固定している変速操作軸28が回転させられるので、変速レンジが切り換えられる。 【0047】続いて、手動操作力によって変速レンジの切り換えが行なわれる場合の作動を説明する。まず、手動用レバー204が図8の一点鎖線で示す位置まで回転させられ、ケーブル駆動ドラム198の中空軸186回りの回転が許容される状態とされる。その状態で、手動用レバー204が操作されて、ケーブル駆動ドラム198が回転させられると、ケーブル駆動ドラム198の回転に連動してリングギヤ165が回転させられる。 【0048】手動操作力によりリングギヤ165が回転させられると、電動モータ12による変速レンジの切り換えの場合とは反対に、リングギヤ165の駆動力が、3つのピニオン160を介してサンギヤ154に伝達される。しかし、サンギヤ154は、ウォームホイール142と噛み合っており、さらに、ウォームホイール142はウォーム14と噛み合っているので、サンギヤ154は回転することができない。すなわち、ウォーム14およびウォームホイール142が、手動操作力により変速レンジの切り換えが行なわれる際に、サンギヤ154(第1歯車)を固定する第1歯車固定装置として機能している。そのため、リングギヤ165に入力された手動操作力は、3つのピニオン160から出力される。すなわち、リングギヤ165の回転により、3つのピニオン160が自転および公転回転させられる。そして、そのピニオン160の回転により、ピニオン160を支持するキャリヤ部材162およびそのキャリヤ部材162を固定している変速操作軸28が回転させられるので、変速レンジが切り換えられる。 【0049】上述のように、本実施例によれば、電動モータ12の出力によりサンギヤ154が回転させられるときは、サンギヤ154の回転によりピニオン160が自転および公転させられる。一方、手動用レバー204によりリングギヤ165が回転駆動させられるときは、リングギヤ165の回転によりピニオン160がサンギヤ154を中心として回転自転および公転させられる。そして、そのピニオン160の公転により、ピニオン160を支持するキャリヤ部材162およびそのキャリヤ部材162に連結された変速操作軸28が回転させられる。従って、電動モータ12の出力および手動用レバー204に入力された手動操作力を、選択的に変速操作軸28へ伝達させることができる。 【0050】また、前述の第1の実施例では、手動操作力を変速操作装置10へ伝達するために、手動時操作レバー100、操作レバー固定部材99、手動操作力出力レバー122等を備えた比較的大きな手動操作力入力装置98を設けていたが、本実施例では、手動用レバー204、ケーブル駆動ドラム198、ケーブル168により、手動操作力が変速操作装置140へ伝達されるので、手動操作力を変速操作装置140へ伝達するための機構を小さくすることができる。 【0051】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は上記実施例とは別の態様においても実施できる。 【0052】たとえば、前述の第2の実施例では、サンギヤ154が電動モータ12により回転駆動させられ、リングギヤ165が手動操作力により回転駆動させられていたが、逆に、サンギヤ154が手動操作力により回転駆動させられ、リングギヤ165が電動モータ12により回転駆動させられてもよい。 【0053】また、前述の第2の実施例では、第1歯車として機能するサンギヤ154、第2歯車として機能するリングギヤ165、およびピニオン160は、全て円筒歯車であったが、かさ歯車が第1歯車として用いられ、第2歯車として、その第1歯車と軸を共通し、第1歯車と対向するかさ歯車が用いられ、ピニオンに、上記第1歯車および第2歯車と噛み合うかさ歯車が用いられ、それらかさ歯車である第1歯車、第2歯車、およびピニオンにより遊星歯車機構が構成されてもよい。 【0054】また、前述の第2の実施例の変速操作装置140には、第1の実施例と同一の電動モータ12が用いられていたが、第1の実施例では、電動モータ12の駆動力により、手動操作力伝達部材94、手動操作出力レバー122、および操作レバー固定部材99も駆動させられるのに対し、第2の実施例では、手動操作側の部材は電動モータ12の駆動力により駆動させられないので、より省力・小型の電動モータが用いられてもよい。 【0055】また、前述の第2の実施例では、電動モータ減速機構158の一部である第1外歯部154aと遊星歯車機構166の一部である第2外歯部154bとが、サンギヤ154に一体に設けられることにより電動モータ減速機構158と遊星歯車機構166とは一体的に構成されていたが、電動ータ減速機構158と遊星歯車機構166とを、それぞれ分離して配置し、その間を作動的に連結する動力伝達装置が設けられてもよい。 【0056】また、前述の2つの実施例では、変速レンジとして、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、2レンジ、Lレンジが設けられている場合を説明したが、変速レンジは、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジのみでもよいし、また、Pレンジ、Dレンジのみであってもよい。 【0057】また、前述の第2の実施例では、手動用レバー204が、通常走行時に操作される変速レンジ指示装置176内において支持装置ハウジング180の表示部179に連接するように設けられていたが、前述の第1の実施例と同様に、手動用レバー204が変速レンジ指示装置176とは独立した位置に設けられてもよい。あるいは、上記指示装置ハウジング180の表示部179が手動用レバー204を覆うフタ状に構成されるとともに、手動操作時には、そのフタ状の表示部179を開いて手動用レバー204を操作するようにされてもよい。 【0058】以上に説明したものはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得るものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社 【識別番号】000243700 【氏名又は名称】万能工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月18日(1999.11.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085361 【弁理士】 【氏名又は名称】池田 治幸 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−141053(P2001−141053A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月25日(2001.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−327737 |
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