| 【発明の名称】 |
同期噛合式自動変速機の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡部 晋治
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| 【要約】 |
【課題】同期噛合い式変速機のギヤ切り換え操作をシフト・セレクトアクチュエータによる変速位置制御で変速の自動化を図る。
【解決手段】同期噛合い式変速機に入出力軸回転速度検出用の速度センサを設けギヤ段切換え時のシンクロナイザーの動作状態を検出するとともに、シフトアクチュエータ制御時のシンクロナイザーの回転同期開始シフト位置をシフトポジションセンサにより検出して学習する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のギヤ段を自動的に切り換える同期噛合式自動変速機において、入力軸と、出力軸と、前記入力軸の回転を前記出力軸へ変速して伝達するための複数の変速用歯車列と、前記複数の変速用歯車列の1つを選択して、この選択された変速用歯車列を介して前記入力軸から前記出力軸へ動力を伝達するためのシフトギヤと、前記シフトギヤを駆動するシフトアクチュエータと、前記シフトギヤのシフト位置を検出するシフト位置センサと、前記入力軸の回転速度を検出する入力軸回転速度センサと、前記出力軸の回転速度を検出する出力軸回転速度センサと、変速時の前記シフトアクチュエータによる前記シフトギヤの切換え動作において、前記入力軸回転速度センサにより検出した変速機入力軸回転速度と前記出力軸回転速度センサにより検出した変速機出力軸回転速度とギヤ比との関係、及び前記シフト位置センサの出力により前記シフトギヤの同期開始シフト位置を学習補正するコントロールユニットと、を備えることを特徴とする同期噛合式自動変速機の制御装置。 【請求項2】 複数のギヤ段を自動的に切り換える同期噛合式自動変速機において、入力軸と、出力軸と、前記入力軸の回転を前記出力軸へ変速して伝達するための複数の変速用歯車列と、前記複数の変速用歯車列の1つを選択して、この選択された変速用歯車列を介して前記入力軸から前記出力軸へ動力を伝達するためのシフトギヤと、前記シフトギヤを軸方向に移動するシフトアクチュエータと、前記シフトギヤのシフト位置を検出するシフト位置センサと、前記シフトギヤを回転方向に移動させて、前記複数の変速用歯車列の1つを選択させるセレクトアクチュエータと、前記セレクトアクチュエータのセレクト位置を検出するセレクト位置センサと、前記入力軸の回転速度を検出する入力軸回転速度センサと、前記出力軸の回転速度を検出する出力軸回転速度センサと、変速時の前記シフトアクチュエータ及び前記セレクトアクチュエータによるギヤ切り換え動作において、前記変速機の入力軸回転速度と出力軸回転速度とギヤ比との関係、及び前記シフト位置センサにより検出された前記シフトギヤのシフト位置と前記セレクト位置センサにより検出された前記シフトギヤのセレクト位置の関係に基づいてギヤ切り換え動作の完了判定するコントロールユニットと、を備えることを特徴とする同期噛合式自動変速機の制御装置。 【請求項3】 前記同期開始シフト位置学習値の初期値は、前記シフトギヤのシフトニュートラル位置学習値とシフト完了位置学習値とに基づいて設定するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の同期噛合式自動変速機の制御装置。 【請求項4】 前記シフトニュートラル位置学習及びシフト完了位置学習は、バッテリ外し後のキースイッチON時に行うようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の同期噛合式自動変速機の制御装置。 【請求項5】 前記ギヤ段切換え時のシフト動作は、前記シフトギヤのシフト開始位置から同期開始シフト位置までは第1のシフト速度で、同期開始シフト位置到達後はシフト完了位置までを第2のシフト速度で前記シフトギヤをシフト動作させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の同期噛合式自動変速機の制御装置。 【請求項6】 前記ギヤ段切換え時のシフト動作において、前記シフトギヤの同期開始シフト位置到達後からシフト完了位置までの第2のシフト速度は、変速の種類及び変速機出力軸回転速度に基づいて設定するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の同期噛合式自動変速機の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、同期噛合式自動変速機の制御装置に関し、特に、同期噛合式有段変速機のギヤ段の切換えに際して発生するギヤ鳴き抑制やシンクロ機構の耐久性を向上させる技術に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の同期噛合式自動変速機の制御装置として、特開昭63−270252号公報に示すようなものがある。これにおいては、エンジンの駆動力を電磁クラッチのON/OFF操作により該電磁クラッチを介して同期噛合式自動変速機に入力し、変速時のギヤ段の切換えは、一対の油圧電磁弁の作動組み合わせによりセレクト用3位置油圧シリンダを駆動して変速ギヤの選択を行い、一対の油圧電磁弁の作動組み合わせによりシフト用3位置油圧シリンダを駆動して変速ギヤ段の切換えを行っている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、エンジンと変速機間の動力接続/遮断用のクラッチとして磁粉式電磁クラッチを用いているため、変速機入力軸側の慣性力の増加を避けられない。また、シフト用3位置油圧シリンダによるシフト駆動により変速ギヤ段の切換えを行っているため、ギヤ段切換え時のシンクロ動作が急激となり、ギヤ段切換え時の変速機入力軸側と出力軸側との回転同期をスムーズに行うことができない。この結果、変速段切換え時のギヤ鳴きやシンクロ機構の耐久性に問題が生じる。また、シンクロ機構の強度強化により耐久性を確保しようとすると、サイズアップやコストアップにつながるなどの問題があり、他方、シフト動作を遅くしてギヤ鳴きを抑制しようとすると、変速時間が必要以上に長くなりフィーリング上好ましくない等の問題点がある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の一側面によれば、複数のギヤ段を自動的に切り換える同期噛合式自動変速機において、入力軸と、出力軸と、前記入力軸の回転を前記出力軸へ変速して伝達するための複数の変速用歯車列と、前記複数の変速用歯車列の1つを選択して、この選択された変速用歯車列を介して前記入力軸から前記出力軸へ動力を伝達するためのシフトギヤと、前記シフトギヤを駆動するシフトアクチュエータと、前記シフトギヤのシフト位置を検出するシフト位置センサと、前記入力軸の回転速度を検出する入力軸回転速度センサと、前記出力軸の回転速度を検出する出力軸回転速度センサと、変速時の前記シフトアクチュエータによる前記シフトギヤの切換え動作において、前記入力軸回転速度センサにより検出した変速機入力軸回転速度と前記出力軸回転速度センサにより検出した変速機出力軸回転速度とギヤ比との関係、及び前記シフト位置センサの出力により前記シフトギヤの同期開始シフト位置を学習補正するコントロールユニットと、を備える同期噛合式自動変速機の制御装置が提供される。 【0005】本発明の他の側面によれば、複数のギヤ段を自動的に切り換える同期噛合式自動変速機において、入力軸と、出力軸と、前記入力軸の回転を前記出力軸へ変速して伝達するための複数の変速用歯車列と、前記複数の変速用歯車列の1つを選択して、この選択された変速用歯車列を介して前記入力軸から前記出力軸へ動力を伝達するためのシフトギヤと、前記シフトギヤを軸方向に移動するシフトアクチュエータと、前記シフトギヤのシフト位置を検出するシフト位置センサと、前記シフトギヤを回転方向に移動させて、前記複数の変速用歯車列の1つを選択させるセレクトアクチュエータと、前記セレクトアクチュエータのセレクト位置を検出するセレクト位置センサと、前記入力軸の回転速度を検出する入力軸回転速度センサと、前記出力軸の回転速度を検出する出力軸回転速度センサと、変速時の前記シフトアクチュエータ及び前記セレクトアクチュエータによるギヤ切り換え動作において、前記変速機の入力軸回転速度と出力軸回転速度とギヤ比との関係、及び前記シフト位置センサにより検出された前記シフトギヤのシフト位置と前記セレクト位置センサにより検出された前記シフトギヤのセレクト位置の関係に基づいてギヤ切り換え動作の完了判定するコントロールユニットと、を備える同期噛合式自動変速機の制御装置が提供される。 【0006】また、前記同期開始シフト位置学習値の初期値は、前記シフトギヤのシフトニュートラル位置学習値とシフト完了位置学習値とに基づいて設定される。 【0007】さらに、前記シフトニュートラル位置学習及びシフト完了位置学習は、バッテリ外し後のキースイッチON時に行われる。 【0008】さらにまた、前記ギヤ段切換え時のシフト動作は、前記シフトギヤのシフト開始位置から同期開始シフト位置までは第1のシフト速度で、同期開始シフト位置到達後はシフト完了位置までを第2のシフト速度で前記シフトギヤをシフト動作させる。 【0009】また、前記ギヤ段切換え時のシフト動作において、前記シフトギヤの同期開始シフト位置到達後からシフト完了位置までの第2のシフト速度は、変速の種類及び変速機出力軸回転速度に基づいて設定される。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。 【0011】実施の形態1.図1は本発明の実施の形態1による同期噛合式自動変速機の制御装置の構成を示す図である。図1において、1はエンジン、2は電磁クラッチ、3は同期噛合式自動変速機、4はコントロールユニットである。 【0012】エンジン1の吸気管10にはスロットルバルブ11が設けられ、そのスロットルバルブ11のスロットル開度位置は、該スロットルバルブ11の近傍において吸気管10に設けられたスロットルポジションセンサ9により検出され、その出力信号がコントロールユニット4に入力される。 【0013】また、運転者のアクセルペダル(図示しない)踏み込み量はアクセルポジションセンサ13により検出され、アクセルポジションセンサ13はアクセルペダル踏み込み量に比例した出力信号をコントロールユニット4に入力する。コントロールユニット4はアクセルポジションセンサ13の出力信号を処理して、アクセルペダル踏み込み量に応じた目標スロットル開度位置を演算して、この目標スロットル開度位置とスロットルポジションセンサ9により検出されたスロットル開度位置との偏差に基づいて、スロットル開度位置が目標スロットル開度位置となるようにスロットルアクチュエータ12を介してスロットルバルブ11をフィードバック制御する。 【0014】電磁クラッチ2は、エンジン1のクランク軸21と同期噛合式自動変速機3の入力軸22との間に介在され、クランク軸21から同期噛合式自動変速機3の入力軸22への動力の伝達/遮断を制御する。電磁クラッチ2は、コントロールユニット4によってクラッチ伝達トルクに比例したクラッチ励磁電流を供給されるように制御され、クランク軸21の回転トルクを、コントロールユニット4により制御されたクラッチ伝達トルクとして同期噛合式自動変速機3の入力軸22へ伝達する。 【0015】同期噛合式自動変速機3は、例えばギヤ比の異なる5組の前進用変速歯車列33〜36及び38と、1組の後退用変速歯車列37と、これら変速歯車列と出力軸32の連結を切り換える複数(図示例では3つ)のスリーブギヤ100a〜100cからなるシフトギヤ100とを有するカウンタシャフト型の5段歯車変速機である。クランク軸21から電磁クラッチ2をを介して入力軸22に伝達された入力回転力は、まず入力軸22上、最前方(図1で最左側)にあるプライマリーギヤ列33を介して、入力軸22と並列配置されたカウンターシャフト31に伝えられる。出力軸32は入力軸22と同軸状に配置され、出力軸32上には、前進用変速歯車列33〜36及び38の被駆動側歯車33a〜36a及び38a、後退用変速歯車列37の被駆動側歯車37aがそれぞれ回転自在に取り付けられており、また、出力軸32と並列配置されたカウンタシャフト31上には、前進用変速歯車列33〜36及び38の駆動側歯車33b〜36b及び38b、後退用変速歯車列37の駆動側歯車37bがそれぞれ固着されている。また、出力軸32には、3速ギヤ列34の前方(すなわちプライマリギヤ列33と3速ギヤ列34との間)に、第1スリーブギヤ100aが軸方向に移動可能に且つ回転不能に設けられ、2速ギヤ列35と1速ギヤ列36との間には、第2スリーブギヤ100bが軸方向に移動可能に且つ回転不能に設けられ、後退用変速歯車列37と5速ギヤ列38との間には、第3スリーブギヤ100cが軸方向に移動可能に且つ回転不能に設けられている。第1スリーブギヤ100aは、後述するシフトフォーク101により出力軸32に沿って移動されてプライマリギヤ列33の被駆動側歯車33aと連結されたとき、入力軸22と出力軸32とを直結して4速ギヤとして作用する。前進用変速歯車列33〜36、38の被動側歯車33a〜36a、38a及び後退用変速歯車列37の被動側歯車37aのうちどれを連結するかで伝達経路/変速比(プライマリーギヤのギヤ比x各速ギヤのギヤ比)が変わる。 【0016】同期噛合式自動変速機3は、コントロールユニット4の出力信号で制御されるギヤ切り換え用のシフト・セレクトアクチュエータ5によりシフトギヤ100がシフト制御され、現変速段の歯車同志の機械的噛合いを外す開放作動と、次期変速段の歯車同志を機械的に噛み合わせる連結作動とにより変速操作される。 【0017】コントロールユニット4は、運転者が操作するシフトレバー14の位置に応じてスイッチ信号を出力するシフトレバー位置信号と、アクセルペダル(図示しない)の踏み込み量を表すアクセルポジションセンサ13の出力信号と、変速機出力軸32の回転速度を検出する変速機出力軸回転速度センサ8の出力信号を入力し、図示しない変速機シフトパターンにより車両走行状態に適した変速段を決定し、シフト・セレクトポジションセンサ6でシフトレバー14のシフト・セレクト位置を検出しつつ、シフト・セレクトアクチュエータ5に制御信号を出力してシフトギヤ100がシフト制御されて、現変速段の歯車同志の機械的噛合いを外す開放作動と、目標変速段の歯車同志を機械的に噛み合わせる連結作動とにより変速操作される。 【0018】シフトギヤ100の同期状態は、変速機入力軸回転速度センサ7及び変速機出力軸回転センサ8により検出された変速機入出力軸回転速度の関係から検出される。変速時には、スロットルアクチュエータ12によりスロットルバルブ11を所定の開度位置に絞り、電磁クラッチ2の励磁電流をOFFして同期噛合い式変速機をパワーオフ状態にして変速段の切り換えを行う。 【0019】図2は、本発明の実施の形態1による同期噛合式自動変速機の1速−2速変速時のシフトギヤ100の動作図である。1速状態では、シフトギヤ100の第2スリーブギヤ100bは1速ギヤ側のシンクロナイザーリング102とシンクロナイザーコーン103と噛合い状態にあり、動力は1速ギヤから第2シフトギヤ100bを介して変速機出力軸33へと伝わる。1速−2速変速指令があると、コントロールユニット4の制御の下にシフト・セレクトアクチュエータ5によりシフトフォーク101が2速ギヤ方向にシフト制御され、第2スリーブギヤ100bと1速ギヤとの機械的噛合いが外れ、次に、第2スリーブギヤ100bが2速ギヤ側のシンクロナイザーリング102を2速ギヤ側に押圧してシンクロナイザーコーン103に押し付けられることにより変速機出力軸33と2速ギヤ軸との回転同期が起こり、第2スリーブギヤ100bとシンクロナイザーリング102及びシンクロナイザーコーン103とのギヤの機械的噛合いが行われて、1速−2速変速ギヤの切り換えが終わる。 【0020】図3は本発明の実施の形態1による同期噛合式自動変速機のシフト・セレクトアクチュエータ5及びシフト・セレクトポジションセンサ6の構成図である。 【0021】シフト・セレクトアクチュエータ5は、図3に示すように、シフトフォーク101をシフト駆動するシフトアクチュエータ5aと、シフトフォーク101をセレクト駆動するセレクトアクチュエータ5bとから構成される。シフトアクチュエータ5aは、シフトフォーク101を出力軸32の軸方向へ移動させるシフトモータ51と、シフトモータ51の駆動力を減速してシフトフォーク101へ伝達する減速機53とを備える。セレクトアクチュエータ5bは、シフトフォーク101を回転方向に移動させるセレクトモータ52と、そのセレクトモータ52の駆動力を減速してシフトフォーク101へ伝達する減速機54とを備える。 【0022】また、シフト・セレクトポジションセンサ6は、シフトアクチュエータ5aの減速機53に隣接して設けられ、シフトフォーク101のシフト位置を検出するシフトポジションセンサ61と、セレクトアクチュエータ5bの減速機54に隣接して設けられ、シフトフォーク101のセレクト位置を検出するセレクトポジションセンサ61とを備える。 【0023】コントロールユニット4のシフト制御は次のようにして行われる。すなわち、シフトアクチュエータ5aに内蔵されたシフトモータ51により減速機53を介してシフトフォーク101を変速機出力軸33の軸方向に駆動して、シフトポジションセンサ61によりシフトフォーク101のシフト位置を検出してシフト位置のフィードバック制御を行う。 【0024】コントロールユニット4のセレクト制御は次のようにして行われる。すなわち、セレクトアクチュエータ5bに内蔵されたセレクトモータ52により減速機54を介してシフトフォーク101を変速機出力軸32の回転方向に駆動して、シフトギヤ100のスリーブギア100a〜100cの1つに選択的に係合させて、セレクトポジションセンサ62によりシフトフォーク101のセレクト位置を検出してセレクト位置のフィードバック制御を行う。 【0025】図4はシフトフォーク101の前記シフト位置と前記シフトポジションセンサ61の出力特性の関係を示すもので、1速、3速、5速時のシフト位置電圧学習値はVYA、ニュートラル時のシフト位置電圧学習値はVYB、2速、4速、後退時のシフト位置電圧学習値はVYCによりそれぞれ表される。 【0026】図5はシフトフォーク101の前記セレクト位置と前記セレクトポジションセンサ62の出力特性の関係を示したもので、1速、2速時のセレクト位置電圧学習値はVXA、3速、4速時(ニュートラル時含む)のセレクト位置電圧学習値はVXB、5速、後退時のセレクト位置電圧学習値はVXCとしてそれぞれ表される。 【0027】次に、この実施の形態1の動作について説明する。図6は、各シフト位置及び各セレクト位置学習動作のフローチャートである。図6において、キースイッチON時、電磁クラッチ2をOFF(励磁電流OFF)しエンジン1と変速機2間をニュートラル状態にするとともに、シフトモータ51及びセレクトモータ52をOFFする(ステップS1)。 【0028】次に、キースイッチON前にバッテリが外されていたかを否かを、コントロールユニット4に内蔵されたRAMの記憶値によって判定(ステップS2)し、NOであれば前記シフト位置及びセレクト位置の各学習値は記憶された状態にあるので、学習しないで変速処理(ステップS8)に進む。 【0029】ステップS2でバッテリ外しを検出した(YES)場合、ステップS3でシフトニュートラルポジション(シフトNP)を前記シフトポジションセンサ61の出力電圧値VYBとして学習し、同様にセレクトニュートラルポジション(セレクトNP)を前記セレクトポジションセンサ62の出力電圧値VXBとして学習する。 【0030】シフトモータ51をシフトニュートラル位置から3速シフト位置側に駆動し、前記シフトポジションセンサ61の出力電圧値が十分安定した時点の電圧値VYAを1速、3速、5速側シフト位置として学習する(ステップS4)。 【0031】次に、シフトモータ51を3速シフト位置から4速シフト位置側に駆動し、前記シフトポジションセンサ61の出力電圧値が十分安定した時点の電圧値VYCを2速、4速、後退側シフト位置として学習(ステップS5)した後、シフトモータ51を再度シフトニュートラル位置に戻す。 【0032】セレクトニュートラル位置は3速、4速時のセレクト位置学習値VXBでもあり、このセレクト位置からセレクトモータ52を1速、2速セレクト位置側に駆動し、前記セレクトポジションセンサ62出力電圧値が十分安定した時点の電圧値VXAを1速、2速側セレクト位置として学習する(ステップS6)。 【0033】次に、1速、2速側セレクト位置からセレクトモータ52を5速、後退セレクト位置側に駆動し、前記セレクトポジションセンサ62の出力電圧値が十分安定した時点の電圧値VXCを5速、後退側セレクト位置として学習(ステップS7)した後、セレクトモータ52を再度セレクトニュートラル位置に戻して変速判定処理(ステップS8)に進み、処理を終える。 【0034】図7は同期噛合式自動変速機の変速判定処理のフローチャート図である。図7において、コントロールユニット4は、運転者により操作されるシフトレバー14の動きに応じて、スイッチ信号として出力されるシフトレバー位置(例えばP,R,N,D位置)信号を読み込む。変速機入力軸回転速度センサ7及び変速機出力軸速度センサ8からの回転速度入力信号により変速機入力回転速度Niと変速機出力軸回転速度Noを演算するとともに、アクセルポジションセンサ13から運転者のアクセルぺダル踏み込み量を電圧値としてアクセル開度Θtを検出する(ステップS10)。 【0035】ステップS11では、前記シフトレバー位置がD(ドライブ)レンジの場合に、アクセル開度Θtと車速に相当する変速機出力軸回転速度Noとにより、予め設定された図示しないシフトパターン線図を用いてシフトパターンチェックを行う。 【0036】ステップS11でのシフトパターンチェックで変速要求があるか判定(ステップS12)し、変速要求があれば、ステップS13で1速→2速変速要求かを判定し、1速→2速変速であれば、ステップS14の1速→2速変速処理を行う。他の変速要求の場合も同様の処理を行う。 【0037】図8は同期噛合式自動変速機の1速→2速変速処理のフローチャート図である。図8において、ステップS20で1速→2速変速処理における制御フェーズを判定して各制御フェーズでの処理を行う。 【0038】制御フェーズ=0の場合、ステップS21に進み、1速→2速変速時の同期開始シフト位置が学習済みかどうか判定し、未学習状態であればステップS22で前記2速シフト位置学習値VYCとシフトニュートラル位置学習値VYBを用いて1速→2速変速時の同期開始シフト位置学習値VY12の初期値を(1)式により算出し設定する。 【0039】 VY12=(VYC−VYB)/2−α (1) ここで、αは同期開始シフト位置手前でシフト速度を緩め急激なギヤの噛合いを防止する目的で予め設定された所定電圧値(例えば0.1V)である。 【0040】ステップS21で1速→2速変速時の同期開始シフト位置学習値VY12が存在する場合、第1のシフト動作速度で目標シフト位置VYtagまでシフト動作させるために、前記同期開始シフト位置学習値VY12を目標シフト位置VYtagに設定(ステップS23)し、制御フェーズを1に更新(ステップS24)して、ステップS25で前記目標シフト位置VYtagと実際のシフト位置VYとの位置偏差に基づいた制御(例えばPID制御)により、シフトモータ51が第1のシフト動作速度で駆動されてシフト位置フィードバック(F/B)制御が行われる。これにより、第2スリーブギヤ100bと1速ギヤ側のシンクロナイザーコーン103及びシンクロナイザーリング102との機械的噛合いが開放作動される。 【0041】制御フェーズ=1の場合、第2スリーブギヤ100bが2速ギヤ側にシフト制御され、2速ギヤ側のシンクロナイザーリング102をシンクロナイザーコーン103に押し付けて回転同期が始まるまでの制御フェーズであり、前記シンクロナイザーの回転同期開始(同期開始シフト位置)判定を、変速機入力軸回転速度Niと変速機出力軸回転速度Noとが(2)式の関係になったかどうかで行う(ステップS26)。 【0042】 Ni≦(No*G1−N1) (2) ここで、G1は1速時のギヤ比、N1は、シンクロナイザーの回転同期が始まり入力軸回転速度が1速時の回転速度から2速時の回転速度方向に低下状態にあることを検出するために、予め設定された所定回転数(例えば100rpm)である。 【0043】ステップS26でシンクロナイザーの回転同期が始まっていないと(NO)判定された場合、ステップS27でシフトポジションセンサ61出力のシフト位置信号VYが前記1速→2速変速時の同期開始シフト位置学習値VY12に到達したかどうかを判定し、到達していなければ(NO判定)、ステップ25で第1のシフト動作速度でシフト位置フィードバック(F/B)制御が継続され、到達した場合には、ステップS28で目標シフト位置VYtagを(3)式により設定して第2のシフト動作速度(第1のシフト動作速度より遅い)でシフト位置フィードバック(F/B)制御(ステップS25)が継続され、シンクロナイザーの回転同期開始を待つ。 【0044】 VYtag(n)=VYtag(n−1)+β (3) ここで、VYtag(n)は今回制御周期時の目標シフト位置、VYtag(n−1)は前回制御周期時の目標シフト位置、βは目標シフト位置の増分を決める定数で、変速の種類及び変速機出力軸回転速度に基づいて設定される。定数βの大きさによりシフト動作速度が調整可能となる。 【0045】ステップS26でシンクロナイザーの回転同期が始まっている(YES)と判定された場合、回転同期開始判定時のシフト位置検出値VY(s)を用いて、今回の1速−2速変速時の同期開始シフト位置学習値VY12(n)を(4)式により算出して更新し、ステップS30で制御フェーズを2に更新して前記ステップS28とステップS25の処理を行う。 【0046】 VY12(n)=VY(s)−α (4) 制御フェーズ=2の場合、第2シフトギヤ100bが2速ギヤ側のシンクロナイザーリング102及びシンクロナイザーコーン103と回転同期によりギヤの噛合いに移行する制御フェーズであり、前記シンクロナイザーの回転同期判定を変速機入力軸回転速度Niと変速機出力軸回転速度Noとが(5)式の関係になったかどうかで行う(ステップS31)。 【0047】 (No*G2−N2)≦Ni≦(No*G2+N2) (5) ここで、G2は2速時のギヤ比、N2はシンクロナイザーの回転同期が完了間際であり入力軸回転速度Niが2速時の回転速度(No*G2)に同期状態にあることを検出するため予め設定された所定回転数(例えば50rpm)である。 【0048】ステップS31で2速回転同期未完了判定(NO判定)の場合は、ステップS28で目標シフト位置を更新しながら制御フェーズ=1でのシフト位置フィードバック制御を行い、2速回転同期完了判定(YES判定)された場合は、判定時のシフト位置検出値VYを2速シフト位置学習値VYC2として学習するとともに目標シフト位置VYtagに設定して、ステップS25のシフト位置フィードバック制御を所定時間継続して1速→2速変速処理を終わる。 【0049】前記2速同期判定に時間要素を加えて判定しても同じ効果を奏する。すなわち、前記実施の形態1の図8の制御フェーズ=1の処理で、第2スリーブギヤ100bが2速ギヤ側にシフト制御されて2速ギヤ側のシンクロナイザーリング102をシンクロナイザーコーン103に押し付けて回転同期が始まる前記シンクロナイザーの回転同期開始(同期開始シフト位置)判定を、変速機入力軸回転速度Niと変速機出力軸回転速度Noとギヤ比G1との関係から行うようにしたが、これに回転同期開始可能なシフト位置条件として、例えば、シフト位置センサ出力が所定値範囲{VY≧(VY12−γ):例えばγ=0.2V}に到達したかを前記判定条件に追加するか、又は前記(2)式の変速機入力軸回転速度Niと変速機出力軸回転速度Noとギヤ比G1との関係が所定時間継続することを判定条件に追加しても同様の効果を奏する。 【0050】前記実施の形態1では、シフト・セレクトアクチュエータ5としてモータ駆動式のものを用いたがこれを油圧駆動式としても良い。 【0051】実施の形態2.本発明の実施の形態2における1速→2速変速時の基本的な制御内容は、前記実施の形態1と同内容であり説明は省略する。本実施の形態2では、同期噛合式自動変速機の変速時のシフト・セレクト制御によるギヤ段の切り換え完了判定を実施の形態1の変速完了判定条件(ステップS31の判定条件)に加える。2速シフト位置検出値VYが前回の2速シフト位置学習値VYC2(n−1)と所定値(例えば±0.1V)の範囲内にあり、かつ、2速セレクト位置検出値VXが前回の2速セレクト位置学習値VXA2(n−1)と所定値(例えば±0.1V)の範囲内にあれば、1速→2速変速完了と判定するとともに、前記2速シフト位置検出値VY及び前記2速セレクト位置検出値VXをそれぞれ今回の学習値VYC2(n)、VXA2(n)として更新する。 【0052】以上説明したように、この発明の同期噛合式自動変速機の制御装置によれば、変速時のシフトアクチュエータによるシフト制御でシンクロナイザーの同期開始シフト位置を検出して学習することにより、スムーズで迅速なシフト動作を安定して行うことができ、シンクロナイザーの耐久性向上やシフト時のギヤ鳴き防止およびシフト時間の短縮によるシフトフィーリングの向上等を達成することができる。 【0053】 【発明の効果】本発明による同期噛合式自動変速機の制御装置は、次のような優れた効果を奏するものである。 【0054】本発明の一側面に係る同期噛合式自動変速機の制御装置は、複数のギヤ段を自動的に切り換える同期噛合式自動変速機において、入力軸と、出力軸と、前記入力軸の回転を前記出力軸へ変速して伝達するための複数の変速用歯車列と、前記複数の変速用歯車列の1つを選択して、この選択された変速用歯車列を介して前記入力軸から前記出力軸へ動力を伝達するためのシフトギヤと、前記シフトギヤを駆動するシフトアクチュエータと、前記シフトギヤのシフト位置を検出するシフト位置センサと、前記入力軸の回転速度を検出する入力軸回転速度センサと、前記出力軸の回転速度を検出する出力軸回転速度センサと、変速時の前記シフトアクチュエータによる前記シフトギヤの切換え動作において、前記入力軸回転速度センサにより検出した変速機入力軸回転速度と前記出力軸回転速度センサにより検出した変速機出力軸回転速度とギヤ比との関係、及び前記シフト位置センサの出力により前記シフトギヤの同期開始シフト位置を学習補正するコントロールユニットとを備えているので、ギヤ段切換え時のシンクロ動作が急激とならず、ギヤ段切換え時の変速機入力軸側と出力軸側との回転同期をスムーズに行なうことができ、変速段切換え時のギヤ鳴きを抑制できると共にシンクロ機構の耐久性を向上させることができるという効果を奏する。 【0055】本発明の他の側面に係る同期噛合式自動変速機の制御装置は、複数のギヤ段を自動的に切り換える同期噛合式自動変速機において、入力軸と、出力軸と、前記入力軸の回転を前記出力軸へ変速して伝達するための複数の変速用歯車列と、前記複数の変速用歯車列の1つを選択して、この選択された変速用歯車列を介して前記入力軸から前記出力軸へ動力を伝達するためのシフトギヤと、前記シフトギヤを軸方向に移動するシフトアクチュエータと、前記シフトギヤのシフト位置を検出するシフト位置センサと、前記シフトギヤを回転方向に移動させて、前記複数の変速用歯車列の1つを選択させるセレクトアクチュエータと、前記セレクトアクチュエータのセレクト位置を検出するセレクト位置センサと、前記入力軸の回転速度を検出する入力軸回転速度センサと、前記出力軸の回転速度を検出する出力軸回転速度センサと、変速時の前記シフトアクチュエータ及び前記セレクトアクチュエータによるギヤ切り換え動作において、前記変速機の入力軸回転速度と出力軸回転速度とギヤ比との関係、及び前記シフト位置センサにより検出された前記シフトギヤのシフト位置と前記セレクト位置センサにより検出された前記シフトギヤのセレクト位置の関係に基づいてギヤ切り換え動作の完了判定するコントロールユニットとを備えているので、上記効果に加えて、ギヤ段の切り換え動作を確実に行うことができ、安全性を向上させることができる。 【0056】また、変速ギヤ切換え時の同期開始シフト位置学習値の初期値は、シフトニュートラル位置学習値とシフト完了位置学習値とに基づいて設定するようにしたので、同期開始シフト位置が未学習状態でもギヤ段切換え時のシンクロ動作が急激とならず、ギヤ段切換え時の変速機入力軸側と出力軸側との回転同期をスムーズに行うことができ、変速段切換え時のギヤ鳴きの抑制やシンクロ機構の耐久性が向上する。 【0057】さらに、シフトニュートラル位置学習及びシフト完了位置学習は、バッテリ外し後のキースイッチON時に行うようにしたので、前記シフトニュートラル位置学習値およびシフト完了位置学習値データがバッテリ外しにより消失して同期開始シフト位置が未学習状態でも、ギヤ段切換え時のシンクロ動作が急激とならず、ギヤ段切換え時の変速機入力軸側と出力軸側との回転同期をスムーズに行うことができ、変速段切換え時のギヤ鳴きの抑制やシンクロ機構の耐久性が向上する。 【0058】さらにまた、ギヤ段切換え時のシフト動作は、シフト開始位置から同期開始シフト位置までは第1のシフト速度で、同期開始シフト位置到達後はシフト完了位置までを第2のシフト速度でシフト動作させるようにしたので、ギヤ段切換え時のシンクロ動作が急激とならず、ギヤ段切換え動作を迅速に行うことができるため、ギヤ鳴きを抑制できると共にシンクロ機構の耐久性を向上させることができ、また良好なシフトフィーリングを得ることができる。 【0059】また、ギヤ段切換え時のシフト動作における同期開始シフト位置到達後からシフト完了位置までの第2のシフト速度を、変速の種類及び変速機出力軸回転速度に基づいて設定するようにしたので、ギヤ切り換え時の変速機入出力軸回転速度差に応じてシフト速度が制御され、ギヤ鳴きを抑制できると共にシンクロ機構の耐久性を向上させることができ、また良好なシフトフィーリングを得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月17日(1999.11.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100057874 【弁理士】 【氏名又は名称】曾我 道照 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−141047(P2001−141047A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月25日(2001.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−326759 |
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