| 【発明の名称】 |
自動変速機の変速油圧制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山内 康弘
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| 【要約】 |
【課題】標高などの走行環境が変化してスロットル開度に対するエンジン出力が変化しても、入力トルクに応じた適正な変速油圧制御を可能にする。
【解決手段】72で変速中と判定する時、74,75においてこの変速が、ローワンウェイクラッチの係合から解放への状態切り換えを伴う(対応する回転メンバの固定状態から解放状態への切り換えを伴う)1→2変速か、若しくは、バンドブレーキの締結から解放への状態切り換えを伴う(対応する回転メンバの固定状態から解放状態への切り換えを伴う)2→3変速かをチェックする。1→2変速中なら、77でローワンウェイクラッチ反力FL を読み込み、78で予定マップをもとにローワンウェイクラッチ反力FL に応じたライン圧PL を決定し、2→3変速中なら、79でバンドブレーキ反力FB を読み込み、80で予定マップをもとにバンドブレーキ反力FB に応じたライン圧PL を決定する。81では、かように決定したライン圧PL を発生させるためのデューティDをライン圧ソレノイドに出力する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 或る回転メンバを変速機ケースに対して回転止めしている固定状態から回転可能状態に解放させることにより行われる変速を有した自動変速機において、前記変速を司る変速油圧を、該変速の直前に前記或る回転メンバにかかっていた反力に応じ決定するよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速油圧制御装置。 【請求項2】 請求項1において、前記或る回転メンバの解放を要しない変速時の変速油圧をエンジントルクに関連する信号に応じ決定するよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速油圧制御装置。 【請求項3】 請求項1または2において、前記或る回転メンバをバンドブレーキの作動により変速機ケースに対して回転止めする場合、前記反力として該バンドブレーキのアンカ反力を用いるよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速油圧制御装置。 【請求項4】 請求項1または2において、前記或る回転メンバをバンドブレーキの作動により変速機ケースに対して回転止めする場合、前記反力として該バンドブレーキの作動ピストンにかかる反力を用いるよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速油圧制御装置。 【請求項5】 請求項1または2において、前記或る回転メンバをワンウェイクラッチの係合により変速機ケースに対して回転止めする場合、前記反力として該ワンウェイクラッチにかかる反力を用いるよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速油圧制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の変速油圧制御装置、特に、回転メンバを変速機ケースに対し回転止めしている固定状態から回転可能状態に解放させることにより行われる変速時の油圧制御を好適に行わせる技術に関するものである。 【0002】 【従来の技術】自動変速機は複数の遊星歯車組を具え、これら遊星歯車組の個々の構成要素を含む回転メンバ間を油圧クラッチの締結作動で相互に結合したり、当該回転メンバを油圧ブレーキの締結作動やワンウェイクラッチの係合作用で変速機ケースに対し回転止めすることにより、上記複数の遊星歯車組を経由する入出力軸間の伝動経路(変速段)を決定し、摩擦要素(上記油圧クラッチおよび油圧ブレーキ)の締結・解放切換えや、上記ワンウェイクラッチの係合・解放により他の変速段への変速を行うよう構成するのが普通である。 【0003】ところで変速に際しては、この変速時に締結されるべき摩擦要素の作動油圧(変速油圧)が変速機入力トルク、更に正確には当該摩擦要素が伝達すべきトルク、若しくは受け止めるべき制動トルクに見合った適切なものでないと、該摩擦要素の締結容量が過大になって大きな変速ショックを生じたり、該摩擦要素の締結容量が不足してその早期摩耗や変速の間延び感を生ずる。そこで従来は、例えば日産自動車(株)発行「RE4RO1A 型オートマチックトランスミッション整備要領書」(A261CO7) に記載の如く、変速機入力トルクが自動変速機の前段におけるエンジンの出力トルクから概ね判ること、そしてエンジンのスロットル開度が概ねエンジンの出力トルクを代表しているため、変速油圧をエンジンのスロットル開度に基づいて制御するのが常套であった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジンの出力トルクは同じスロットル開度のもとでも標高や温度、湿度などの走行環境によって変化し、エンジンのスロットル開度と出力トルクとの関係が必ずしも一定ではない。これがため、従来のように変速油圧をエンジンのスロットル開度に基づいて制御するのでは、エンジンのスロットル開度と出力トルクとの関係が上記のように設計時における予定の関係からずれた時に、変速油圧が実際の変速機入力トルクに対応したものでなくなり、変速油圧が高過ぎて大きな変速ショックを生じたり、変速油圧が低過ぎて変速の間延び感を生じたりする懸念を払拭しきれない。 【0005】請求項1に記載の第1発明は、或る回転メンバを変速機ケースに対して回転止めしている固定状態から回転可能状態に解放させることにより行われる変速の場合、変速直前に上記或る回転メンバにかかっていた反力が走行環境に関係なく当該変速時における実際の変速機入力トルクを良く表し、当該反力に応じて当該変速時の変速油圧を決定すれば上記の懸念を払拭し得るとの事実認識にもとづき、この着想を具体化した自動変速機の変速油圧制御装置を提案することを目的とする。 【0006】請求項2に記載の第2発明は、上記或る回転メンバの解放を伴わない他の変速時において、変速油圧を適切に制御し得るようにした自動変速機の変速油圧制御装置を提案することを目的とする。 【0007】請求項3に記載の第3発明は、上記或る回転メンバをバンドブレーキにより回転止めする場合において好適な自動変速機の変速油圧制御装置を提案することを目的とする。 【0008】請求項4に記載の第4発明は、上記或る回転メンバをバンドブレーキにより回転止めする場合において好適な、他の構成とした自動変速機の変速油圧制御装置を提案することを目的とする。 【0009】請求項5に記載の第5発明は、上記或る回転メンバをワンウェイクラッチにより回転止めする場合において好適な自動変速機の変速油圧制御装置を提案することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】これらの目的のため、第1発明による自動変速機の変速油圧制御装置は、或る回転メンバを変速機ケースに対して回転止めしている固定状態から回転可能状態に解放させることにより行われる変速を有した自動変速機において、前記変速を司る変速油圧を、該変速の直前に前記或る回転メンバにかかっていた反力に応じ決定するよう構成したことを特徴とするものである。 【0011】第2発明による自動変速機の変速油圧制御装置は、第1発明において、上記或る回転メンバの解放を要しない変速時の変速油圧をエンジントルクに関連する信号に応じ決定するよう構成したことを特徴とするものである。 【0012】第3発明による自動変速機の変速油圧制御装置は、第1発明または第2発明において、上記或る回転メンバをバンドブレーキの作動により変速機ケースに対して回転止めする場合、前記反力として該バンドブレーキのアンカ反力を用いるよう構成したことを特徴とするものである。 【0013】第4発明による自動変速機の変速油圧制御装置は、第1発明または第2発明において、上記或る回転メンバをバンドブレーキの作動により変速機ケースに対して回転止めする場合、前記反力として該バンドブレーキの作動ピストンにかかる反力を用いるよう構成したことを特徴とするものである。 【0014】第5発明による自動変速機の変速油圧制御装置は、第1発明または第2発明において、上記或る回転メンバをワンウェイクラッチの係合により変速機ケースに対して回転止めする場合、前記反力として該ワンウェイクラッチにかかる反力を用いるよう構成したことを特徴とするものである。 【0015】 【発明の効果】自動変速機は、上記或る回転メンバを変速機ケースに対して回転止めしている固定状態から回転可能状態に解放させることにより行われる変速に際して、変速油圧を、当該変速の直前に上記或る回転メンバにかかっていた反力に応じ決定する。ところで上記の変速直前に上記或る回転メンバにかかっていた反力は、走行環境に関係なく当該変速時における実際の変速機入力トルクを良く表すことから、当該変速時の変速油圧が実際の変速機入力トルクに応じて決定されることとなる。 【0016】従って、走行環境が変わって同じエンジンスロットル開度のもとでもエンジン出力トルクが変化した場合は、それに応じて変速油圧も変化されることとなり、変速油圧を常時エンジンスロットル開度のみに応じ決定していた従来のように、走行環境が変わってエンジン出力トルクが変化したのに変速油圧が不変に保たれる不都合を解消することができ、走行環境の変化時に大きな変速ショックが発生したり、変速の間延び感を生ずるような問題を解消して前記の懸念を払拭し得る。 【0017】第2発明においては、上記或る回転メンバの解放を要しない変速時の変速油圧をエンジントルクに関連する信号に応じ決定するため、当該変速時において上記或る回転メンバの反力が変速機入力トルクを代表し得ないにもかかわらずこれに基づく変速油圧の制御が継続される弊害をなくすことができ、これに代わって当該変速時はエンジントルクに関連する信号に応じ変速油圧を適切に制御することができる。 【0018】第3発明においては、上記或る回転メンバをバンドブレーキの作動により変速機ケースに対して回転止めする場合、前記反力として該バンドブレーキのアンカ反力を用いるため、バンドブレーキの一部改良のみにより簡単且つ安価な構成で第1発明の前記作用効果を達成することができる。 【0019】第4発明においては、上記或る回転メンバをバンドブレーキの作動により変速機ケースに対して回転止めする場合、前記反力として該バンドブレーキの作動ピストンにかかる反力を用いるため、第3発明とは異なるバンドブレーキの一部改良のみにより簡単且つ安価な構成で第1発明の前記作用効果を達成することができる。 【0020】第5発明においては、上記或る回転メンバをワンウェイクラッチの係合により変速機ケースに対して回転止めする場合、前記反力として該ワンウェイクラッチにかかる反力を用いるため、ワンウェイクラッチの一部改良のみにより簡単且つ安価な構成で第1発明の前記作用効果を達成することができる。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明一実施の形態になる変速油圧制御装置で、1はエンジン、2は当該変速油圧制御装置を具えた自動変速機を示す。エンジン1は、運転者が操作するアクセルペダル3に連動してその踏み込みにつれ全閉から全開に向け開度増大するスロットルバルブ4により出力を加減され、エンジン1の出力回転は後で詳述するトルクコンバータ23を経て自動変速機2に入力するものとする。 【0022】自動変速機2は、図2に示すギヤトレーンを主たる構成要素とするもので、このギヤトレーンは前記した日産自動車(株)発行「RE4RO1A 型オートマチックトランスミッション整備要領書」(A261CO7) に記載のギヤトレーンと基本的に同じものとする。即ちこのギヤトレーンは、エンジン出力軸21からの回転を変速機入力軸22に伝達するトルタコンバータ23、第1遊星歯車24、第2遊星歯車組25、変速機出力軸26および後述の各種摩擦要素により構成する。 【0023】トルクコンバータ23は、エンジン出力軸21により駆動され、オイルポンプ0/Pの駆動にも用いられるポンプインベラ23Pと、このポンプインベラにより内部作動流体を介して流体駆動され、動力を入力軸22に伝達するタービンランナ23Tと、ワンウェイクラツチ27を介して固定軸上に置かれ、タービンランナ23Tへのトルクを増大するステータ23Sとで構成し、これにロックアップクラッチ23Lを付加した通常のロックアップトルクコンバータとする。 【0024】第1遊星歯車組24はサンギヤ24S、リングギヤ24R、これらに噛合するピニオン24P、およびこれらピニオン24Pを回転自在に支持するキヤリア24Cよりなる通常の単純遊星歯車組とし、第2遊星歯車組25もサンギヤ25S、リングギヤ25R、ピニオン25Pおよびキヤリア25Cよりなる単純遊星歯車組とする。 【0025】次に、これら遊星歯車組24,25を経由する動力伝達経路(変速段)を決定する各種摩擦要素を説明する。キャリア24CはハイクラッチH/Cを介して入力軸22に結合可能とし、サンギヤ24SはバンドブレーキB/Bにより適宜固定可能とする他、リバースクラッチR/Cにより入力軸22に結合可能とする。キャリア24Cは更にエンジンブレーキ用摩擦要素としての多板式のローリバースブレーキLR/Bにより適宜固定可能にすると共に、ローワンウェイクラッチLO/Cを介して逆転(エンジンと逆方向の回転)を不能にする。 【0026】リングギヤ24Rはキャリア25Cに一体結合して出力軸26に駆動結合し、サンギヤ25Sを入力軸22に結合する。リングギヤ25RはオーバーランクラッチOR/Cを介してキャリア24Cに結合可能とする他、フォワードワンウェイクラツチFO/CおよびフォワードクラッチF/Cを順次介してキャリア24Cに相関させる。フォワードワンウェイクラッチFO/CはフォワードクラッチF/Cの結合状態でリングギヤ25Rを逆転方向(エンジン回転と逆の方向)においてキャリア24Cに結合させるものとする。 【0027】ハイクラッチH/C、リバースクラッチR/C、ローリバースブレーキLR/B、オーバーランクラツチOR/CおよびフォワードクラッチF/Cは夫々、1室への油圧(ライン圧)の供給により作動されて前記の結合および固定を行なうものであるが、バンドブレーキB/Bは特に、詳しくは図4につき後述するよう構成して、2速サーボアプライ室2S/A、3速サーボレリーズ室3S/Rおよび4速サーボアプライ室4S/Aを有し、2速サーボアプライ室2S/Aに2速選択圧(ライン圧)が供給される時に締結され、この状態で3速サーボレリーズ室3S/Rにも3速選択圧(ライン圧)が供給される時、受圧面積の大小関係によって釈放され、その後4速サーボアプライ室4S/Aにも4速選択圧(ライン圧)が供給される時、再締結されるものとする。 【0028】図2の動力伝達列は、変速摩擦要素B/B,H/C,F/C,OR/C,LR/B,R/Cを図3に〇印により示す組み合わせで締結作動させることにより、ワンウェイクラッチFO/C,LO/Cの適宜係合と相まって同図に示す通りに前進第1速〜第4速と、後退の変速段を得ることができる。なお図3において△印は、エンジンブレーキが必要な時に締結作動させるべき摩擦要素を示す。 【0029】そして図3から明らかなように、ローワンウェイクラッチLO/Cはキャリア24Cを含む回転メンバを変速機ケースに対して回転止めすることにより第1速を選択可能にし、ローワンウェイクラッチLO/Cの解放で、当該回転メンバが上記のごとく回転止めされた固定状態から回転可能状態になる時に第1速から第2速へのアップシフト(1→2変速)が行われる。従って、キャリア24Cを含む回転メンバは本発明における或る回転メンバを構成し、これを固定状態から回転可能状態に解放させることにより行われる変速とは、第1速から第2速へのアップシフト(1→2変速)を意味する。 【0030】またバンドブレーキB/Bは、2速サーボアプライ室2S/Aのみへの油圧供給によりサンギヤ24Sを含む回転メンバを変速機ケースに対して回転止めすることにより第2速を選択可能にし、3速サーボレリーズ室3S/Rにも油圧を供給されて当該回転メンバが上記のごとく回転止めされた固定状態から回転可能状態になる時に第2速から第3速へのアップシフト(2→3変速)が行われる。従って、サンギヤ24Sを含む回転メンバも本発明における或る回転メンバを構成し、これを固定状態から回転可能状態に解放させることにより行われる変速とは、第2速から第3速へのアップシフト(2→3変速)をも意味する。 【0031】前進第1速〜第4速および後退の変速段を得るための図3に示す各種摩擦要素の締結論理は、図1に示される変速制御用のコントロールバルブ5に挿置したシフトソレノイド6,7のON,OFFの組合せにより実現することができ、自動変速機2をこれに対応する変速段が選択された状態にすることができる。そして自動変速機2は選択変速段に応じたギヤ比でエンジン動力を変速して出力する。 【0032】図1に示すようにコントロールバルブ5には更にライン圧ソレノイド8を挿置し、これにより、上記の変速に際して摩擦要素の締結・解放を司るライン圧(変速油圧)をデューティDにより制御するものとする。 【0033】シフトソレノイド6,7のON,OFFおよびライン圧ソレノイド8の駆動デューティDは、コントローラ9によりこれらを制御し、このためにコントローラ9には、スロットルバルブ4の開度TVOを検出するスロットル開度センサ11からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ12からの信号と、前記したバンドブレーキB/Bが、関連する回転メンバを回転止めしている間において、これにかかる反力FB を検出するバンドブレーキ反力センサ13からの信号と、同じく前記したローワンウェイクラッチLO/Cが、関連する回転メンバを回転止めしている間において、これにかかる反力FL を検出するローワンウェイクラッチ反力センサ14からの信号とをそれぞれ入力する。 【0034】バンドブレーキ反力センサ13の一構成例を図4に示す。先ずバンドブレーキB/Bを説明するに、31はブレーキバンド、32はこのブレーキバンド31により固定すべき回転メンバを示し、ここで当該回転メンバは前記したサンギヤ24Sを含む回転メンバを意味するものである。ブレーキバンド31は回転メンバ32の周りに巻装し、一端ブラケット32aを、変速機ケース33に螺合したアンカーエンドピン34によりバンド拡開方向に抑止し、他端ブラケット32bをバンドサーボ機構35のプッシュロッド36によりバンド拡開方向に抑止する。ブラケット32aとアンカーエンドピン34との衝接部、およびブラケット32bとプッシュロッド36との衝接部にそれぞれ、挟圧力を受けてバンドブレーキ反力FB に対応した電気信号を発する感圧素子51を設け、これらで前記バンドブレーキ反力センサ13(図1参照)を構成する。 【0035】バンドブレーキ反力センサ13は上記の代わりに、同じく図4に示すが、ブラケット32aやブラケット32b、或いはアンカーエンドピン34に貼設されてこれらの変形量からバンドブレーキ反力FB を検出するようにした歪ゲージ52で構成することもできる。 【0036】プッシュロッド36は2個のピストン37,38に挿入し、これらピストン37,38を、変速機ケース33に同軸に突き合わせて嵌着したシリンダ39,40内に摺動自在に嵌合することにより、前者の段付きピストン37により2個の油圧室2S/A,3S/Rを、また後者のピストン38により1個の油圧室4S/Aを画成する。段付きピストン37は、プッシュロッド36に係着したリング44により当該プッシュロッド36に対しその突出方向へ係合可能とするが、逆方向へはプッシュロッド36に対し相対変位可能とする。ピストン38も、同じくプッシュロッド36に係着したリング45により当該プッシュロッド36に対しその突出方向へ係合可能とするが、逆方向へはプッシュロッド36に対し相対変位可能とする。 【0037】そして段付きピストン37を、変速機ケース33に着座するリターンスプリング46により図示の後退限位置に弾支し、プッシュロッド36を、上記のリング45によりプッシュロッド上に36に抜け止めしたスプリングワッシャ47と、段付きピストン37との間における圧縮スプリング型式のリターンスプリング48により、リング44が段付きピストン37に係合した図示の後退限位置に弾支する。 【0038】上記のバンドサーボ機構35は、自動変速機の第2速選択時および第4速選択時にバンドブレーキB/B(ブレーキバンド31)を締結させて回転メンバ32を固定するものとし、以下のごとくに作用する。中立時や第1速選択時におけるバンドブレーキB/Bの非作動(解放)は、油圧室2S/A,3S/R,4S/Aの何れにも作動油圧(ライン圧)を供給しないことでプッシュロッド36を図示の後退限位置にすることにより達成する。 【0039】第2速選択時は、油圧室2S/Aのみに作動油圧を供給することにより図5に示すごとく段付きピストン37を左行させてリング44を介しプッシュロッド36を突出させることによりバンドブレーキB/Bの締結を行い、回転メンバ32を回転止めした固定状態にする。第3速選択時は、油圧室2S/Aの他に油圧室3S/Rにも作動油圧を供給することにより、受圧面積の大小関係で段付きピストン37を図5の位置から図4の位置に向けて押し戻し、これによりプッシュロッド36を後退させてバンドブレーキB/Bの解放を行う。第4速選択時は、油圧室2S/Aおよび油圧室3S/Rの他に油圧室4S/Aにも作動油圧を供給することにより図6のごとく、段付きピストン37を第3速選択時と同じ位置(第1図の位置)に残したまま、ピストン38を左行させてリング45を介しプッシュロッド36を突出させることによりバンドブレーキ1の締結を行う。 【0040】なお図1におけるバンドブレーキ反力センサ13は、前記した図4に示す感圧素子51や歪ゲージ52で構成してアンカ反力を検出する代わりに、図5に示すようにプッシュロッド36(ピストン37)のストロークを検出するポテンショメータ53や、図6に示すようにプッシュロッド36(ピストン37)のストロークを検出するレーザー変位計54などで構成し、該ストロークをもとにピストン37にかかる反力を求めてバンドブレーキ反力FB とするようにしても良いことは言うまでもない。 【0041】図1におけるローワンウェイクラッチ反力センサ14は、図7に例示するような構成にすることができる。図7において61は、ローワンウェイクラッチLO/Cのアウタレースで、該アウタレース61を外周突起61aが変速機ケースの内周に回転係合するようにして変速機ケース内に回転不能に嵌合する。そして62は、ローワンウェイクラッチLO/Cのインナレースで、該インナレース62は、キャリア24Cを含む回転メンバとともに回転するようこれに回転係合するよう嵌合する。アウタレース61およびインナレース62間にはローラ63を介在させ、これらローラ63は、インナレース62の矢αで示すエンジンと同方向の回転についてはこれを許容するが、インナレース62の逆方向の回転については、アウタレース61およびインナレース62間での楔作用により当該回転を阻止するよう機能するものとする。 【0042】上記のようにエンジンと逆の方向へのインナレース62の回転止めが行われている間、上記の楔作用によりローラ63とアウタレース61との間に発生する押圧力を受けてローワンウェイクラッチ反力FL に対応した電気信号を発する感圧素子64を設け、これらで前記ローワンウェイクラッチ反力センサ14(図1参照)を構成する。 【0043】ローワンウェイクラッチ反力センサ14は上記の代わりに、図8に示すごとくに構成することができる。つまり、アウタレース61の外周突起61aを変速機ケースに対して回転方向へ若干回転し得るようにし、アウタレース外周突起61aと、変速機ケースに設けたアダプタ65との間に、上記の回転につれてスラストを発生するローディングカム機構66を介在させる。そして、上記のスラストを入力されてローワンウェイクラッチ反力FL に対応した電気信号を発する感圧素子67を設け、これらで前記ローワンウェイクラッチ反力センサ14を構成したり、アウタレース外周突起61aに歪ゲージ68を貼り付けてアウタレース外周突起61aの変形量からローワンウェイクラッチ反力FL を検出するようにし、かかる歪ゲージ68によりローワンウェイクラッチ反力センサ14を構成することができる。 【0044】図1のコントローラ9は、上記した入力情報を基に自動変速機2を通常通りに変速制御する共に、図9の制御プログラムを実行して本発明が狙いとするライン圧(変速油圧)制御を行うものとする。先ず通常の変速制御を説明するにコントローラ9は、センサ11で検出したスロットル開度TVOおよびセンサ12で検出した車速VSPから、予めメモリしてある変速パターンをもとに現在の運転状態に最も好適な変速段を演算し、この好適変速段と今の選択変速段とが一致しないとき、好適変速段への変速が行われるようシフトソレノイド6,7のON,OFFを切り換える。 【0045】次いで図9のライン圧(変速油圧)制御を説明するに、ステップ71では上記の車速VSPおよびスロットル開度TVOを読み込む。次のステップ72では上記の変速が行われているか否かを判定し、変速中でなければステップ73において、図10(a)の非変速時予定マップをもとにスロットル開度TVOからこれに応じたライン圧PL を決定する。 【0046】ステップ72で変速中と判定する時は、ステップ74,75においてこの変速が、前記したローワンウェイクラッチLO/Cの係合から解放への状態切り換えを伴う(キャリア24Cを含む回転メンバの固定状態から解放状態への切り換えを伴う)1→2変速か、若しくは、前記したバンドブレーキB/Bの締結から解放への状態切り換えを伴う(サンギヤ24Sを含む回転メンバの固定状態から解放状態への切り換えを伴う)2→3変速かをチェックする。これら1→2変速および2→3変速以外の通常変速中であれば、ステップ76において、図10(b)の通常変速時予定マップをもとにスロットル開度TVOからこれに応じたライン圧PL を決定する。 【0047】ステップ74において、ローワンウェイクラッチLO/Cの係合から解放への状態切り換えを伴う(キャリア24Cを含む回転メンバの固定状態から解放状態への切り換えを伴う)1→2変速中であると判定した時は、ステップ77においてローワンウェイクラッチ反力FL を読み込み、次いでステップ78において、図10(c)の1→2変速時予定マップをもとにローワンウェイクラッチ反力FL からこれに応じたライン圧PL を決定する。ステップ75において、バンドブレーキB/Bの締結から解放への状態切り換えを伴う(サンギヤ24Sを含む回転メンバの固定状態から解放状態への切り換えを伴う)2→3変速中であると判定した時は、ステップ79においてバンドブレーキ反力FB を読み込み、次いでステップ80において、図10(d)の2→3変速時予定マップをもとにバンドブレーキ反力FB からこれに応じたライン圧PL を決定する。 【0048】ステップ73、または76、または78、或いは80で上記のようにライン圧PL が決定されると制御はステップ81に進み、ここで、当該決定されたライン圧PL を発生させるためのデューティDを決定し、これを図1のライン圧ソレノイド8に出力する。 【0049】ところで本実施の形態においては、ローワンウェイクラッチLO/CまたはバンドブレーキB/Bにより回転メンバ(キャリア24Cを含む回転メンバ、またはサンギヤ24Sを含む回転メンバ)を変速機ケースに対して回転止めしている固定状態から回転可能状態に解放させることにより行われる1→2変速時や2→3変速時は、ステップ78,80においてライン圧PL (変速油圧)を、この変速直前に当該回転メンバにかかっていた反力(ローワンウェイクラッチ反力FL、バンドブレーキ反力FB )に応じ、図10(c),(d)のごとくにライン圧PL を決定するため、そして変速直前に上記回転メンバにかかっていた反力が、走行環境に関係なく当該変速時における実際の変速機入力トルクを良く表すことから、当該変速時の変速油圧が実際の変速機入力トルクに応じて決定されることになる。 【0050】従って、走行環境が変わって同じエンジンスロットル開度のもとでもエンジン出力トルクが変化した場合は、それに応じてライン圧PL (変速油圧)も変化されることとなり、変速油圧を常時エンジンスロットル開度のみに応じ決定していた従来のように、走行環境が変わってエンジン出力トルクが変化したのに変速油圧が不変に保たれる不都合を解消することができ、走行環境の変化時に大きな変速ショックが発生したり、変速の間延び感を生ずるような問題を解消することができる。 【0051】そして、上記1→2変速および2→3変速以外の変速時は、ライン圧PL (変速油圧)を図10(b)のごとくエンジントルクに関連するスロットル開度TVOに応じ決定するため、当該変速時において上記回転メンバの反力FL ,FB が変速機入力トルクを代表し得ないにもかかわらずこれに基づく変速油圧の制御が継続される弊害をなくすことができ、これに代わって当該変速時はスロットル開度TVOに応じ変速油圧を適切に制御することができる。 【0052】なお変速直前に上記回転メンバにかかっていた反力として、図4の構成によりバンドブレーキB/Bのアンカ反力を用いるようにしたり、図5および図6の構成によりバンドブレーキ作動ピストン37へのピストン反力を用いるようにすれば、バンドブレーキB/Bの一部改良のみにより簡単且つ安価な構成で前記の作用効果を達成することができる。 【0053】また変速直前に上記回転メンバにかかっていた反力として、図7および図8の構成によりローワンウェイクラッチLO/Cにかかる反力を用いるようにしても、ローワンウェイクラッチLO/Cの一部改良のみにより簡単且つ安価な構成で前記の作用効果を達成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月11日(1999.11.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059258 【弁理士】 【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−141046(P2001−141046A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月25日(2001.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−320723 |
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