| 【発明の名称】 |
差動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】武藤 忠信
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| 【要約】 |
【課題】入力回転軸の回転速度に比べて出力回転軸の回転速度が減速されても十分なトルクを強力かつ安定して出力することができる差動装置を提供する。
【解決手段】主動回転部材5を備えた入力回転軸2と、その軸線の周りを公転あるいは静止した状態で主動回転部材5の回転動力を順次伝達する複数の仲介回転部材6、8、10、12と、最終の仲介回転部材12の回転動力を伝達される従動回転部材13を備えた出力回転軸3から成る差動装置において、入力回転軸2の回転速度に比べて出力回転軸3の回転速度が減速されるに伴って仲介回転部材の公転速度が上昇するように構成すると共に、これらの仲介回転部材の一部あるいは全部に回転による慣性力を持たせるか、または仲介回転部材と共に公転及び/又は自転するフライホイール9あるいは錘等の回転又は非回転の慣性体を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主動回転部材を備えた入力回転軸と、該入力回転軸の軸線の周りを公転あるいは静止した状態で上記主動回転部材の回転動力を順次伝達する複数の仲介回転部材と、最終の仲介回転部材の回転動力を伝達される従動回転部材を備えた出力回転軸から成る差動装置において、上記入力回転軸の回転速度に比べて上記出力回転軸の回転速度が減速されるに伴って上記仲介回転部材の公転速度が上昇するように構成すると共に、これらの仲介回転部材の一部あるいは全部に回転による慣性力を持たせるか、または該仲介回転部材と共に公転及び/又は自転するフライホイールあるいは錘等の回転又は非回転の慣性体を設けることを特徴とする差動装置。 【請求項2】 上記各回転部材が歯車または摩擦車であることを特徴とする請求項1に記載の差動装置。 【請求項3】 上記慣性体の質量、形状、公転軸又は自転軸からの距離を単独あるいは組み合わせて変えることを特徴とする請求項1または2に記載の差動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、差動装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の差動装置としては、主動回転部材を備えた入力回転軸と、該入力回転軸の軸線の周りを公転あるいは静止した状態で上記主動回転部材の回転動力を順次伝達する複数の仲介回転部材と、最終の仲介回転部材の回転動力を伝達される従動回転部材を備えた出力回転軸から構成されたものがあった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の差動装置は、上記入力回転軸の回転速度に対して上記出力回転軸の回転速度が変動するように構成されているものの、該出力回転軸のトルク(回転力)の安定性に欠け、特に、出力回転軸の回転速度が低下するとトルクが低下して、動力伝達装置として十分に機能を発揮し得ない等の問題点があった。 【0004】本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、入力回転軸の回転速度に比べて出力回転軸の回転速度が減速されても十分なトルクを強力かつ安定して出力することができる差動装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の差動装置は、主動回転部材を備えた入力回転軸と、該入力回転軸の軸線の周りを公転あるいは静止した状態で上記主動回転部材の回転動力を順次伝達する複数の仲介回転部材と、最終の仲介回転部材の回転動力を伝達される従動回転部材を備えた出力回転軸から成る差動装置において、上記入力回転軸の回転速度に比べて上記出力回転軸の回転速度が減速されるに伴って上記仲介回転部材の公転速度が上昇するように構成すると共に、これらの仲介回転部材の一部あるいは全部に回転による慣性力を持たせるか、または該仲介回転部材と共に公転及び/又は自転するフライホイールあるいは錘等の回転又は非回転の慣性体を設けることを特徴とする。また、上記各回転部材が歯車または摩擦車であることも特徴とする。さらに、上記慣性体の質量、形状、公転軸又は自転軸からの距離を単独あるいは組み合わせて変えることも特徴とする。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1において、1は架台であって、2つの支持部1a、1bを有する。一方の支持部1aには入力回転軸2が、また、他方の支持部1bには出力回転軸3が、それぞれ回転自在に支持されている。図2からも明らかなように、上記入力回転軸2と上記出力回転軸3の間には、公転主軸4が介挿されている。これら入力回転軸2と出力回転軸3と公転主軸4の軸線は一致するとともに、相互に拘束されることなく、それぞれ独立して自由に回転できるようになっている。 【0007】図2(A)(B)から明らかなように、上記入力回転軸2の内端側には主動傘歯車5が一体的に設けられている。該主動傘歯車5には第1仲介傘歯車6が噛み合っている。該第1仲介傘歯車6は、上記公転主軸4と直交する第1公転軸7に回転自在に支持されている。なお、本実施例において、これらの主動傘歯車5と第1仲介傘歯車6の歯車比は2:1であり、主動傘歯車5が1回転すると、第1仲介傘歯車6は2回転するようになっている。 【0008】上記第1仲介傘歯車6の内側には第2仲介傘歯車8が一体的に設けられている。また、上記第1仲介傘歯車6の外側にはフライホイール9が一体的に設けられている。従って、上記第1仲介傘歯車6と第2仲介傘歯車8とフライホイール9は、上記第1公転軸7の周りを一体的に回転するようになっている。 【0009】図2(C)から明らかなように、上記第2仲介傘歯車8には第3仲介傘歯車10が噛み合っている。該第3仲介傘歯車10は、上記公転主軸4および上記第1公転軸7のいずれに対しても直交する第2公転軸11に回転自在に支持されている。なお、本実施例において、これらの第2仲介傘歯車8と第3仲介傘歯車10の歯車比は1:2であり、第2仲介傘歯車8が1回転すると、第3仲介傘歯車10は1/2回転するようになっている。 【0010】上記第3仲介傘歯車10の外側には第4仲介傘歯車12が一体的に設けられていて、上記第2公転軸11の周りを一体的に回転する。なお、相互に直交する第1公転軸7と第2公転軸11は、上記公転主軸4と一体的に構成されていて、該公転主軸4の軸線の周りを回転するようになっている。 【0011】図2(A)から明らかなように、上記第4仲介傘歯車12には従動傘歯車13が噛み合っている。該従動傘歯車13は上記出力回転軸3の内端側に一体的に設けられている。これらの第4仲介傘歯車12と従動傘歯車13の歯車比は1:2であり、第4仲介傘歯車12が1回転すると、従動傘歯車13は1/2回転するようになっている。 【0012】なお、上記第1公転軸7と対称に設けられた第1公転軸7′にも上記第1仲介傘歯車6と第2仲介傘歯車8とフライホイール9と同じ部材を対称的に設けて、全体的にバランスを保つように構成するのが好ましいが、この第1公転軸7′における第1仲介傘歯車6と第2仲介傘歯車8、或いは、フライホイール9を省略することも可能である。さらに、上記第2公転軸11と対称的に設けられた第2公転軸11′にも上記第3仲介傘歯車10と第4仲介傘歯車12と同じ部材を対称的に設けることが好ましいが、省略することも可能である。 【0013】次に、上記実施例の差動装置の作用について説明する。まず、上記公転主軸4を回転させない(公転なし)条件で、上記入力回転軸2すなわち主動傘歯車5を1,000回転させると、これと噛み合っている第1仲介傘歯車6は2,000回転する(主動傘歯車5と第1仲介傘歯車6の歯車比は2:1)。上記第1仲介傘歯車6と第2仲介傘歯車8は一体となっているので、該第2仲介傘歯車8も2,000回転する。 【0014】上記第2仲介傘歯車8が2,000回転すると、これと噛み合っている第3仲介傘歯車10は1,000回転する(第2仲介傘歯車8と第3仲介傘歯車10の歯車比は1:2)。上記第3仲介傘歯車10と第4仲介傘歯車12は一体となっているので、該第4仲介傘歯車12も1,000回転する。 【0015】上記第4仲介傘歯車12が1,000回転すると、これと噛み合っている従動傘歯車13すなわち出力回転軸3は、500回転する(第4仲介傘歯車12と従動傘歯車13の歯車比は1:2)。従って、公転なしの状態では、入力回転軸2を1,000回転させると出力回転軸3は半分の500回転となる。以上の作用を整理すると、表1の第1行目のようになる。 【0016】次に、上記公転主軸4が1,000回転する条件で、上記入力回転軸2(主動傘歯車5)を1,000回転させると、これと噛み合っている第1仲介傘歯車6は4,000回転する。なぜなら、上記公転主軸4を固定した状態で、上記主動傘歯車5を1,000回転させると第1仲介傘歯車6は2,000回転する。また、上記主動傘歯車5を回転停止した状態で、上記公転主軸4を1,000回転させると第1仲介傘歯車6は2,000回転する。従って、これらの条件を合わせると、第1仲介傘歯車6は4,000回転することになる。 【0017】上記第1仲介傘歯車6が4,000回転すると、これと一体的の第2仲介傘歯車8も4,000回転する。さらに、該第2仲介傘歯車8と噛み合う第3仲介傘歯車10は、共に同じ公転するので、それらの歯車比1:2にしたがって2,000回転する。該第3仲介傘歯車10が2,000回転すると、これと一体になった第4仲介傘歯車12も2,000回転する。 【0018】上記第4仲介傘歯車12が2,000回転すると、これと噛み合っている従動傘歯車13すなわち出力回転軸3は、0回転となる。なぜなら、上記公転主軸4を固定した(公転なし)状態で、上記第4仲介傘歯車12を2,000回転させると従動傘歯車13は、歯車比にしたがって1,000回転する。また、該第4仲介傘歯車12を回転停止させた状態で、上記公転主軸4を1,000回転させると、上記従動傘歯車13は逆方向に1,000回転する。従って、これらの条件を合わせると、上記従動傘歯車13は矢印方向に1,000回転、逆方向に1,000回転することになり、結局、0回転となる。以上の作用を整理すると、表1の第6行目のようになる。 【0019】以上の説明では、公転が0の場合と1,000回転の2つの条件の作用について説明したが、これらの中間の条件、すなわち、公転が200、400、600および800回転の場合は、表1の第2ないし5行目のようになる。表1から分かるように、入力回転軸2の回転数が一定であっても、公転主軸4の公転回転数が大きくなると、出力回転軸3の回転数は減少する。上記公転主軸4から直交して延びる第1公転軸7の先端部にはフライホイール9が取り付けられているので、上述のように公転主軸4の回転数が大きくなると、上記フライホイール9による慣性力が大きくなって、出力回転軸3の回転数が減少してもトルク(回転力)が増大する。逆に、出力回転軸3の回転数が大きいほどトルクは小さくなる。また、表1から明らかなように、公転主軸4の回転数が大きいと、フライホイール9の自転の回転数も大きくなって独楽の原理すなわちジャイロ効果により上記公転を抑制する力が生じるだけでなく、自転回転数の増大により慣性力も増大するするため、上記出力回転軸3のトルクは更に増大する。 【0020】 【表1】
【0021】上記実施例では、相互に噛み合う傘歯車の歯車比を1:2(または2:1)としたが、本発明はこれに限定するものではなく、任意の歯車比(または直径比)であってもよい。また。上記実施例では傘歯車による動力伝達について説明したが、本発明の差動装置はこれに限定するものではなく、例えば、摩擦車による摩擦接触による動力伝達であってもよい。この場合には、出力回転軸に過負荷がかかっても、スリップして、入力回転軸を回転させる原動機などに影響する心配がない。 【0022】さらに、上記実施例では第1公転軸にフライホールを設けたが、歯車や第1公転軸の外端部に錘を取り付けて、これらの部材に慣性力を持たせるように設計し、フライホールを省略することも可能である。また、フライホイールは第2公転軸11に取付けたり、両公転軸7および11に設けるようにしても良い。さらにまた、上記フライホイール等の慣性体の質量、形状、公転軸又は自転軸からの距離などを変化させることにより、そのジャイロ効果による公転の抑制効果、すなわち、出力回転軸のトルクを調整するようになっている。 【0023】 【発明の効果】1)主動回転部材を備えた入力回転軸と、該入力回転軸の軸線の周りを公転あるいは静止した状態で上記主動回転部材の回転動力を順次伝達する複数の仲介回転部材と、最終の仲介回転部材の回転動力を伝達される従動回転部材を備えた出力回転軸から成る差動装置において、上記入力回転軸の回転速度に比べて上記出力回転軸の回転速度が減速されるに伴って上記仲介回転部材の公転速度が上昇するように構成すると共に、これらの仲介回転部材の一部あるいは全部に回転による慣性力を持たせるか、または該仲介回転部材と共に公転及び/又は自転するフライホイールあるいは錘等の回転又は非回転の慣性体を設けるように構成したので、入力回転軸の回転速度に比べて出力回転軸の回転速度が減速されても十分なトルクを強力かつ安定して出力することができる。 2)上記各回転部材を歯車とすることにより、確実な回転数が保証され、一方、摩擦車とすることにより過負荷による装置の破損を防止することができる。 3)フライホイール等の慣性体の質量、形状、公転軸又は自転軸からの距離などを変化させることにより、そのジャイロ効果による公転の抑制効果、すなわち、出力回転軸のトルクを調整することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599160686 【氏名又は名称】武藤 忠信
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| 【出願日】 |
平成11年11月15日(1999.11.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080252 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 征四郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−141030(P2001−141030A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月25日(2001.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−323868 |
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