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【発明の名称】 テンショナー等のレバー
【発明者】 【氏名】六郎木 満

【要約】 【課題】アーム外周にシューを取付けているテンショナーレバーにおいて、アームの軽量化と強度剛性を有し、一方ではシューの着脱が容易で位置ズレすることのないテンショナーレバーの提供。

【解決手段】アーム1はアルミダイキャスト製であって、側面には貫通穴にて形成した窓4を有すと共に片側面には切欠き溝7を形成し、又外周面5には穴8を設けると共にチェーン走行始端部には溝9を有し、シュー2の裏面14をアーム外周面5に当接すると共に、片側面に形成したL字状係合片13をアーム切欠き溝7に係合し、裏面の突条片15をアーム外周面5の穴8に嵌め、チェーン走行始端部の突起部12を溝9に嵌合している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アーム外周にシューを取付けているテンショナー等のレバーにおいて、上記アームはアルミダイキャスト製であって、側面には貫通穴にて形成した窓を有し、シューはアーム外周に着脱可能な状態で取付けられていることを特徴とするテンショナー等のレバー。
【請求項2】 アーム外周にシューを取付けているテンショナー等のレバーにおいて、上記アームはアルミダイキャスト製であって、側面には貫通穴にて形成した窓を有すと共に片側面には切欠き溝を形成し、また外周面には穴を設けると共にチェーン走行始端部には溝を有し、一方、シューの裏面をアーム外周面に当接すると共に、片側面に形成したL字状係合片をアームの切欠き溝に係合し、また裏面に突出した突条片をアーム外周面の穴に嵌入し、そしてチェーン走行始端部に設けた突起部を溝に嵌合したことを特徴とするテンショナー等のレバー。
【請求項3】 アーム外周にシューを取付けているテンショナー等のレバーにおいて、上記アームはアルミダイキャスト製であって、側面には貫通穴にて形成した窓を有すと共に両端には係止片を設け、一方のシュー両端にはカギを形成すると共に両側にはガイド片を設け、両カギをアーム両端の係止片に係止すると共に両ガイド片をアームに嵌めて取付けたことを特徴とするテンショナー等のレバー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は駆動軸と従動軸のスプロケットに巻き掛けられたチェーンに、常時適度な緊張力を与えるテンショナーレバー、またテンショナーレバーの反対側に配置されるチェーンガイド及びチェーンダンパーの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は一般的なチェーン駆動装置を表わしているが、チェーン(イ)は駆動軸(ロ)と従動軸(ハ)に取着しているスプロケット(ニ)、(ホ)に巻き掛けられており、該チェーン(イ)はテンショナーレバー(ヘ)によって押圧されて適度な緊張力が常時作用している。従って両スプロケット(ニ)、(ホ)の回転と共に走行するチェーン(イ)の振動を抑制し、従動軸(ハ)へ時間の遅れを生じることなく伝達される。また振動を抑制することでチェーン(イ)に作用する衝撃力はなくなり、チェーン寿命を向上させることが出来る。
【0003】ところで、テンショナーレバー(ヘ)はテンショナー(ト)によって押圧されてチェーン(イ)に作用しているが、このテンショナーレバー(ヘ)の形態には色々あり、一般的には金属製アームにゴム製又は樹脂製のシューが接着されたり、またシューがアームと一体的に成形されている。上記シューをアームに接着した場合には剥がれることもあり、又シューをアームと一体成形する場合には成形金型を必要として製作コストは高くなる。
【0004】そこで別々に製作したアームとシューを、接着剤を用いることなく組立て固定したテンショナーレバーが知られている。実公平7−36201号に係る「合成樹脂製シューを備えたチェーンガイドレール」はシューをシュー支持部材に着脱可能に取付けた構造となっている。すなわち、シュー支持部材のチェーン走行始端部にシューに形成した端部フック片を係合し、又シューに形成したL字状の側面係合片をシュー支持部材に係合して取着している。
【0005】このようにシューはシュー支持部材(アーム)に着脱可能な状態で取付けられることになるが、該シューにはL字状の側面係合片を両側面に形成している為に、取付け出来るようにシュー支持部材には切欠き溝が両側に形成され、この切欠き溝からL字状係合片を嵌め、チェーン走行方向へ移動して端部フック片をチェーン走行始端部に係合している。しかし、シュー支持部材に切欠き溝を形成することでその強度は低下する。そこで、一方の側面にはL字状係合片を形成し、他方の側面には突条片を設け、そしてチェーン走行始端部に係合するU字状の端部フック片を形成した「テンショナーレバーのシューの浮上がり防止構造」が知られている(実用新案登録第2519476号)。
【0006】一方、従来のアームはアルミ合金を使用してダイキャストされる場合が多いが、その断面はI型、T型または門型をなしていて、所定以上の剛性を確保している。ところで、近年の環境問題を解決する為には車のあらゆる部品を軽量化することが強いられる訳で、これはチェーンテンショナーレバーとても例外ではない。上記実公平7−36201号に係る「合成樹脂製シューを備えたチェーンガイドレール」のようにシュー支持部材(アーム)の両側に切欠き溝を形成することで低下する強度・剛性をカバーする為にも、その断面二次モーメントは大きくしなくてはならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、テンショナー等のレバーには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれらの問題点であって、アームの軽量化と十分な強度剛性を有し、一方ではシューの取付け・取外しが容易であると共に、位置ズレしたり外れることのないテンショナーレバー等の構造を提供する。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明に係るテンショナー等のレバーを構成するアームはアルミダイキャスト製とし、その形状は滑らかに湾曲した弓型を成し、貫通した窓を有している。窓は少なくとも一ヶ所、一般には複数箇所に形成されて強度剛性を損なわないように軽量化が図られる。
【0009】そしてこのアームの外周面に沿ってゴムまたは樹脂等の材質を用いて成形されたシューが取付けられるが、該シューの取付け構造はアームに簡単に取付け取外しが出来ると共に、位置ズレすることがないようにしている。但し、取付けの具体的な構造は限定しないことにする。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
【実施例】図1は本発明の実施例であって、チェーンテンショナーレバーの具体例を示している。テンショナーレバーは湾曲したアーム1とシュー2からなり、シュー2はアーム1の外周に取付けられて、該シュー2が磨耗などで損傷した場合には交換することが出来るように、取外し出来る取付け構造となっている。
【0011】図2はシュー2をアーム1から取外した状態であり、アーム1はアルミ合金等を材質としたダイキャスト製であり、チェーン走行始端部側には揺動軸が嵌る軸穴3が貫通し、全体を軽量化する為に細長い窓4,4…が設けられている。外周面5は滑らかな曲面をなし、一方の側面6には切欠き溝7,7…が形成されている。そして、外周面5には穴8,8が設けられて窓4,4に貫通し、さらにチェーン走行始端部には溝9が形成されている。
【0012】一方のシュー2はゴム又は樹脂等を成形して製作され、アーム1の外周面5になじむことが出来るように滑らかに湾曲している。チェーンが走行する外周面10の両側にはガイド11,11が起立し、チェーン走行始端部には突起部12が裏面側に突出し、そして図には表れていないが、裏面には突条片が突出している。さらにシュー2の片側面にはL字状係合片13,13…が裏側に向いて形成されている。
【0013】そこで、シュー2の裏面はアーム外周面5に接し、この場合、チェーン走行始端部の突起部12は溝9に嵌り、L字状係合片13,13…は切欠き溝7,7…に係合し、突条片は穴8,8に嵌合する。前記図1はアーム1にシュー2を取り付けた状態であり、図1のA―A断面拡大図を図3に示している。
【0014】(c)はシュー2がアーム1に取着している場合であり、(a)はシュー2を取外す場合、(b)はシュー2をアーム1に取付ける場合をそれぞれ示している。シュー2の裏面14には突条片15が突出し、この突条片15の断面は直角三角形を形成し、L字状係合片13を形成している側は裏面14から垂直に立ち上る係止面16となっている。この突条片15はアーム1の外周面5に形成した穴8に嵌合することになるが、係止面16は穴8の内面に当接して突条片15が係止することが出来る。
【0015】このシュー2をアーム1から取外す場合には、L字状係合片13とは反対側に先の尖った工具を差し込んで突条片15を穴8から外すならば、シュー2全体がL字状係合片側へ移動して外れる。逆にアーム1にシュー2を取付ける場合には、(b)に示すようにL字状係合片13,13…をアーム1の側面6に形成している切欠き溝7,7…に嵌め、その状態で矢印方向へ押圧するならば突条片15は穴8に嵌入することが出来る。この場合、チェーン走行始端部の突起部12も同じく溝9に嵌合する。
【0016】図4は本発明のテンショナーレバーを構成するアーム断面(a)と従来のアーム断面(b)を比較して示している。ここで、断面の縦寸法Hと横寸法Lを同じくした場合、本発明のアームは貫通穴にて形成した窓4を有し、従来のアームのようにリブ17を設けていない為に、アーム1の質量は約20%削減される。一方、重量を同じくする場合には、本発明のアーム断面2次モーメント、すなわち曲げ剛性は非常に高くなる。したがって、同じ曲げ剛性を保った上で削減される質量は上記のように約20%に近く、例えば、横寸法Lを僅かに大きくすれば十分である。
【0017】本発明のテンショナーレバーはアームに貫通穴にて形成される窓を有すと共に、外周面5に沿って取付けられるシュー2を着脱自在としたことである。前記図1〜図3に示したシュー2の取付け形態はあくまでも本発明の1具体例に過ぎず、図5に示すようなテンショナーレバーとすることも出来る。
【0018】湾曲したアーム1の外周にはシュー2が取付けられているが、シュー2の両端にはカギ18,19が設けられ、このカギ18はチェーン走行始端部側の係止片20に係止し、一方のカギ19は反対側の係止片21に係止して取付けられている。(b)は(a)におけるB―B断面拡大図であり、両側に形成しているガイド片22,22間にアーム1が嵌ることで、シュー2が外れないように位置決めがなされている。
【0019】ここで、アーム1のアルミダイキャスト加工についての詳細な説明は省略するが、アーム1の外形と同じ穴を有すダイスには、対を成す下ポンチと上ポンチがダイス穴に嵌るように設け、そして上下ポンチには窓4及び軸穴3と同じ形状の穴を形成すると共に、この穴にはコアロッドを上下動可能に嵌入している。そこで、ダイスに下ポンチを嵌め、コアロッドを下ポンチから突出した状態でダイス穴にアルミ粉末を充填し、上ポンチを降下してダイス穴に嵌入し、充填したアルミ粉末を下ポンチとで圧縮成形する。
【0020】したがって、貫通した窓4,4…、及び軸穴3を有すアーム1が出来あがり、これを燒結炉に入れて燒結する。また図2(b)に示している切欠き溝7は上ポンチの先端一部に凸部を設けることで同時成形がなされる。但し、外周面5に形成していて窓4に貫通する穴8に付いては、成形後に加工される。
【0021】以上述べたように、本発明に係るテンショナー等のレバーを構成するアームは、貫通穴からなる窓を有すアルミダイキャスト製とし、そして、このアーム外周にシューを着脱可能に取付けしたものであって、次のような効果を得ることが出来る。
【0022】
【発明の効果】本発明のテンショナー等のレバーを構成するアームはアルミダイキャスト製とすると共に、貫通した窓を有している。したがって従来のI型断面からなるアームに比較してその質量は小さくなり、断面の縦横寸法を同じくすれば約20%の質量削減となる。逆に同じ質量でアームを構成するならば、曲げ剛性は非常に高くなり、強度の高いアームを構成出来る。
【0023】そして本発明に係るテンショナー等のレバーのシューは、上記アームの外周に取付けられるが、着脱自在であって、磨耗などで損傷した場合には簡単に交換することが出来る。またシューに設けたL字状係合片をアームの切欠き溝に係合すると共に、突条片を穴に嵌入して係止することにより、シューはアームから外れることはなく、又アームから浮上することもない。勿論、シューが側方へ移動することはあり得ない。一方、シューの両端に形成したカギをアーム端の係止片に係止すると共に、両側にガイド片を設けてアームに嵌めるならば、同じくシューは正しく位置決めされて取付けられる。
【出願人】 【識別番号】000207425
【氏名又は名称】大同工業株式会社
【出願日】 平成11年11月10日(1999.11.10)
【代理人】 【識別番号】100087169
【弁理士】
【氏名又は名称】平崎 彦治
【公開番号】 特開2001−141003(P2001−141003A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願平11−319047