| 【発明の名称】 |
作業車の表示装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 繁樹
【氏名】中 珠喜
【氏名】仲島 鉄弥
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| 【要約】 |
【課題】副変速装置による変速操作に伴う衝撃を極力抑えて、作業者に不安感や不快感を与えるのを防止するとともに、作業者が副変速装置に対する変速操作を適切に行うことができるように指示する。
【解決手段】作業車の走行状態が停止状態または設定速度よりも低い低速走行状態である変速許容状態であるか否かが検出され、変速許容状態でないことが検出されていれば、副変速装置の変速操作を牽制し、さらに、変速許容状態でないことが検出され、且つ、副変速装置の変速操作が指令された場合に、主変速装置を中立変速状態または前記低速走行状態となる低速変速状態に変速操作するための減速操作情報を指示する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主変速装置と副変速装置とが、それぞれに対して各別に設けられた人為操作式の主変速操作手段及び副変速操作手段にて変速操作可能に設けられている作業車の表示装置であって、作業車の走行状態が停止状態または設定速度よりも低い低速走行状態である変速許容状態であるか否かを検出する変速許容状態検出手段と、前記変速許容状態検出手段にて前記変速許容状態でないことが検出されていれば、前記副変速装置の変速操作を牽制する牽制手段と、前記変速許容状態検出手段にて前記変速許容状態でないことが検出され、且つ、前記副変速操作手段にて前記副変速装置の変速操作が指令された場合に、前記主変速装置を中立変速状態または前記低速走行状態となる低速変速状態に変速操作するための減速操作情報を指示する減速操作指示手段とが設けられている作業車の表示装置。 【請求項2】 前記副変速装置を変速操作する駆動手段と、その駆動手段の作動を制御する変速制御手段とが設けられ、前記副変速操作手段が、前記変速制御手段に変速指令を指示するように構成されている請求項1記載の作業車の表示装置。 【請求項3】 前記減速操作指示手段が、前記減速操作情報を画像情報として表示する画像表示部を備えている請求項1又は2記載の作業車の表示装置。 【請求項4】 前記画像表示部が、前記減速操作情報を文章によって表示するように構成されている請求項3記載の作業車の表示装置。 【請求項5】 前記画像表示部が、作業車の運転において作業者に知らせるべき通常の報知情報である通常情報を表示するとともに、前記減速操作情報を表示する場合には、前記通常情報に代えて前記減速操作情報を表示するように構成されている請求項3又は4記載の作業機械の表示装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主変速装置と副変速装置とが、それぞれに対して各別に設けられた人為操作式の主変速操作手段及び副変速操作手段にて変速操作可能に設けられている作業車の表示装置に関する。 【0002】 【従来の技術】上記のような作業車において、従来、主変速装置として、エンジンにて駆動される油圧ポンプと走行装置を駆動する油圧モータとを閉回路で連結した油圧式無段変速装置を左右一対設け、主変速装置に対する主変速レバー等の主変速操作手段とは別に設けた副変速操作手段である副変速スイッチの指令に基づいて電磁操作式の変速制御弁を切り換えることにより、油圧ポンプから油圧モータへの油流量を高低2段階に変更させることで高低2段階の変速状態に切り換え自在な副変速装置を備え、作業車の走行状態にかかわらず、副変速スイッチによる変速が指令されるごとに変速状態が高速状態と低速状態とに交互に切り換わるようになっていた(例えば、特開平9‐76782号公報参照)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】したがって、従来では、作業車の走行状態にかかわらず、副変速スイッチによる変速が指令されるごとに副変速状態が高速状態と低速状態とに交互に切り換わるために、例えば、副変速状態を低速状態に切り換えた状態で主変速レバーを操作して、作業車が高速走行状態で走行しているときに、副変速スイッチにより副変速状態が低速から高速に切り換えられると、その変速操作に伴って作業車の走行速度が急激にかつ大きく増加する結果、運転している作業者に衝撃が働いて、不安感や不快感を与える虞があった。 【0004】本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記従来技術の不具合を解消させるために、副変速装置による変速操作に伴う衝撃を極力抑えて、作業者に不安感や不快感を与えるのを防止するとともに、作業者が副変速装置に対する変速操作を適切に行うことができるように指示する作業車の表示装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1によれば、作業車の走行状態が停止状態または設定速度よりも低い低速走行状態である変速許容状態であるか否かを検出する変速許容状態検出手段と、前記変速許容状態検出手段にて前記変速許容状態でないことが検出されていれば、前記副変速装置の変速操作を牽制する牽制手段と、前記変速許容状態検出手段にて前記変速許容状態でないことが検出され、且つ、前記副変速操作手段にて前記副変速装置の変速操作が指令された場合に、前記主変速装置を中立変速状態または前記低速走行状態となる低速変速状態に変速操作するための減速操作情報を指示する減速操作指示手段とが設けられている。従って、作業車の走行状態が停止状態または設定速度よりも低い低速走行状態である変速許容状態である場合には、副変速装置の変速操作を許容し、作業車の走行状態が上記変速許容状態でない場合には、副変速装置の変速操作を牽制するので、作業車が上記設定速度よりも速い高速走行状態で走行しているときに副変速装置の変速操作を行うと、走行速度が急激にかつ大きく変更されて作業者に衝撃が加わり、作業者に不安感や不快感を与える不具合を適切に防止することができ、さらに、作業車の走行状態が上記変速許容状態でないときに副変速操作手段にて副変速装置の変速操作が指令された場合には、主変速装置を中立変速状態または上記低速走行状態となる低速変速状態に変速操作するための減速操作情報が指示されるので、作業者がその指示に従って主変速装置を中立変速状態または上記低速変速状態に変速操作することによって変速許容状態になり、副変速装置に対する変速操作を適切に行うことができるようになる。 【0006】請求項2によれば、請求項1において、前記副変速装置を変速操作する駆動手段と、その駆動手段の作動を制御する変速制御手段とが設けられ、前記副変速操作手段が、前記変速制御手段に変速指令を指示するように構成されている。従って、人為操作式の副変速操作手段により変速制御手段に変速指令を指示するだけで、副変速装置が変速駆動されるので、例えば作業者が副変速レバー等を操作する操作力によってギア式の副変速装置を変速操作するようなものでは、作業者の操作力が大きいことが要求されて操作負担が増えるのに比べて、作業者の操作負担を極力少なくすることができ、同時に、上記駆動式の副変速操作構成では、例えば油圧力によって短時間内に副変速操作されるので、作業者の操作力によって副変速操作する場合に比べて、高速走行状態で副変速操作したときの作業者に加わる衝撃が大きくなり、作業者に与える不安感や不快感も大きくなるが、前述のように高速走行状態での副変速操作を牽制することにより、かかる駆動式の副変速操作構成における不具合を適切に防止することができる。 【0007】請求項3によれば、請求項1又は2において、前記減速操作指示手段が、前記減速操作情報を画像情報として表示する画像表示部を備えている。従って、減速操作情報が画像情報として表示されて指示されるので、例えば表示ランプ等の点灯によって減速操作情報を指示するものに比べて、減速操作情報をより明確に指示することができる。 【0008】請求項4によれば、請求項3において、前記画像表示部が、前記減速操作情報を文章によって表示するように構成されている。従って、減速操作情報が文章として画像表示されて指示されるので、例えば記号や数字等の画像によって減速操作情報を指示するものに比べて、減速操作情報を迅速且つ容易に理解させる状態で指示することができる。 【0009】請求項5によれば、請求項3又は4において、前記画像表示部が、作業車の運転において作業者に知らせるべき通常の報知情報である通常情報を表示するとともに、前記減速操作情報を表示する場合には、前記通常情報に代えて前記減速操作情報を表示するように構成されている。従って、通常の運転状態では、通常情報が画像表示部に表示されて作業者に知らせられ、減速操作情報を表示する必要があるときに、その通常情報に代えて減速操作情報を表示するように画像表示部の表示が切り換えられるので、作業者が通常情報を見て通常の運転操作を適切に行いながら、減速操作情報が表示されると、その表示を見て副変速装置に対する変速操作を適切に行うことができる。 【0010】 【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕以下、作業車の表示装置に係る発明の第1実施形態を、作業車としてのコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。図1〜図3に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置30を備える機体Vの前部に、刈取昇降シリンダ5によって横軸心X周りに上下揺動操作自在な状態で刈取部1が付設され、その刈取部1の後方に、運転部31、刈取穀稈を脱穀・選別する脱穀部2、脱穀部2から供給される穀粒を貯留する穀粒貯留用のタンク3、及びこの穀粒貯留用のタンク3からの穀粒排出用のアンローダ32等が搭載されて構成されている。 【0011】図2に示すように、刈取部1は、先端部に付設された分草具33、穀稈の引き起こし装置34、引き起こした穀稈の株元を切断する刈り刃35、刈り取られた穀稈を寄せ集めて後方へ搬送する補助搬送装置37、先端側で刈取穀稈を受け取って脱穀部2のフィードチェーン52に受け渡す縦搬送装置36等を備えている。又、刈取部1の地面に対する高さを検出するための超音波センサS6と、穀稈が触れるとオン作動して刈取り作業中であることを検出する株元センサS2とが設けられている。そして、上記超音波センサS6の情報に基づいて、刈取部1の対地高さが目標設定高さに維持されるように、前記刈取昇降シリンダ5の作動を制御する刈高制御が実行される。 【0012】前記縦搬送装置36(尚、図2では、縦搬送装置36の機能を説明するために、図1と一部記載が異なっている部分がある)は、穀稈の株元側を挟持搬送する株元搬送装置36a、穀稈の穂先側を係止搬送する穂先搬送装置36b及び穂先案内板36cからなり、刈取部1の揺動軸心Xと同一軸心周りで揺動自在に支持されるとともに、扱深さモータM1によって揺動調節自在に設けられ、これによって、補助搬送装置37から受け取る穀稈の挟持箇所が稈長方向に変更され、脱穀部2での扱深さが調節できるように構成されている。又、刈取穀稈の搬送経路中において、上記扱深さモータM1による扱深さ調節箇所よりも搬送方向下手側に、稈長方向に間隔を置いて並置されて、穀稈が接触すると揺動してオン作動するスイッチ式の一対の穂先センサS8a,S8bが設けられている。そして、上記一対の穂先センサS8a,S8bの間に穀稈の穂先が位置する状態(株元側センサS8bがオンで、穂先側センサS8aがオフの状態)を適正扱深さ状態として、その適正扱深さ状態に維持されるように、上記扱深さモータM1の作動を制御する扱深さ制御が実行される。尚、上記補助搬送装置37や、縦搬送装置36等の穀稈搬送経路には、穀稈の詰まりを検出するための刈取詰まり検出スイッチS14が設けられている(図13参照) 【0013】図3に示すように、機体前方に向かって左から2番目の分草具33には、複数個の分草具33の間に導入される穀稈列に対する機体Vの機体横方向での位置を検出するために、穀稈に接当して機体後方側に揺動する検出バーを備えた左右一対の方向センサS1が設けられている。そして、走行機体Vが植立穀稈に沿って自動走行するように、上記一対の方向センサS1の情報に基づいて、左右の各クローラ走行装置30への動力伝達を入り切りする左右の直進クラッチ26L,26R(図6参照)を入切作動させる方向制御が実行される。つまり、左右のクローラ走行装置30のうち動力伝達が切られた側に機体Vが旋回するので、機体Vが適正位置からずれている場合には、上記ずれとは反対側のクローラ走行装置30への動力伝達を切るように上記直進クラッチ26L,26Rを作動させて走行方向を修正する。 【0014】左右の各クローラ走行装置30には、駆動スプロケット30a、テンション転輪30b、及び複数の従動輪30cを備えた左右のトラックフレーム30dが設けられるとともに、左右のトラックフレーム30dを機体Vに対して各別に昇降駆動するためのローリング用シリンダ30eが設けられ、機体Vには、その水平面に対する機体の傾きを検出するローリングセンサS4が設けられている。そして、地面の状態にかかわらず機体姿勢を水平姿勢等の所定姿勢に維持するように、上記ローリングセンサS4の情報に基づいて、左右のローリング用シリンダ30eの作動を制御する水平制御が実行される。 【0015】前記アンローダ32は、先端部に下向き姿勢の排出口32aを備え、基端側が横軸心Z周りに上下揺動自在な状態で支持部32bに支持されるとともに、その上下揺動駆動するためのアンローダ用油圧シリンダ62が設けられ、又、支持部32bが縦軸心Y周りに旋回操作自在な状態で機体Vに枢支されるとともに、その旋回駆動用の旋回用モータM3が設けられている。又、上記支持部32bの旋回位置を検出するためのポテンショメータ式のアンローダ位置センサS3が設けられている。図3には、刈取作業中等においてアンローダ32を収納するための格納位置に操作した状態が示されている。そして、上記アンローダ位置センサS3、及び上昇方向や左右方向への旋回操作の限界位置を検出するリミットスイッチ(図示しない)等の情報に基づいて、アンローダ32の作動を制御するアンローダ制御が実行される。 【0016】脱穀部2は、図4に示すように、扱胴51を収納する扱室A、刈取部1から供給される穀稈を搬送するフィードチェーン52、トウミ53と揺動選別板54とからなる選別装置B、穀粒回収用の一番口55、及び、穀粒と藁屑との混合物(二番物)を回収するための二番口56等を備えている。そして、扱室Aで脱穀された処理物のうち単粒化したものは、扱室Aの下部に設けられた受網57から選別装置Bに漏下し、それ以外の処理物は受網57の後端部より選別装置Bに落下する。尚、上記一番口55にて回収された穀粒は、図示しないスクリュー式の搬送装置によって前記タンク3に搬送され、二番口56にて回収された二番物は、スクリュー式の二番搬送装置63によって、上記揺動選別板54の始端側に戻されるように構成され、その二番搬送装置63の回転駆動軸には、その回転数を検出する2番回転センサS16が設けられている。又、脱穀部2の後方側には、脱穀部2から排出される排藁を切断する排ワラカッタ部64が設けられ、その排ワラカッタの詰まりを検出するためのカッタ詰まり検出スイッチS15が設けられている(図1参照)。 【0017】上記フィードチェーン52には、図2に示すように、挟持レール52aがフィードチェーン52側に押圧付勢される状態で対向配置され、回動駆動されるフィードチェーン52と挟持レール52aとによって穀稈の株元部を挟持保持して搬送するように構成されている。ただし、扱室Aの前部側に位置する挟持レール部分が、レール上げモータM2等によって、フィードチェーン52から離間する上方位置に移動自在に構成されている。これによって、刈取穀稈を扱室Aの横側方で挟持搬送しながら脱穀処理する通常状態とともに、刈取穀稈の稈長が極端に短いような場合に、穀稈の全稈を扱室Aに投入するように、上記レール上げモータM2等を駆動させるレール制御が実行できるように構成されている。 【0018】選別装置Bの揺動選別板54は、トウミ53の上方に位置するグレンパン58、その後方に位置するチャフシーブ59、その下方に位置するグレンシーブ61等を備えている。チャフシーブ59は、処理物移送方向に並置された複数個の帯板状部材からなり、その隣接する帯板状部材の間隔(チャフ開度)がチャフ開度調節モータM4によって変更されるように構成されている。尚、S10は、揺動選別板54上の処理物の層厚を検出するシーブセンサである。トウミ53は、揺動選別板54上の藁屑を吹き飛ばすためのものであり、後方側のファンケースカバー53aをトウミ風力調節モータM5にて開閉操作することにより、揺動選別板54上の処理物に及ぼす風力(トウミ風力)が変更されるように構成されている。つまり、カバーの開度が大きいほど前方側への風力が小さくなって、トウミ風力が小さくなる。 【0019】そして、選別装置Bでの選別処理が適正に行われるように、扱室Aからの漏下処理物量に応じて、チャフ開度調節モータM4及びトウミ風力調節モータM5の作動を制御する脱穀制御が実行される。ここで、走行速度が速くなると、扱室Aに供給される刈取穀稈量が多くなって扱室Aからの漏下処理物量が多くなるので、後述の車速センサS7の情報に基づいて判別される扱室Aへの穀稈供給量が多いほど、上記チャフ開度及び上記トウミ風力が大になるように制御される。 【0020】次に、動力伝達系を図5に示す。機体Vに搭載されたエンジンEの出力は、脱穀クラッチ37を介して脱穀部2に伝達されるとともに、走行クラッチ38及び無段変速装置39を介してミッション部40に伝達される。ミッション部40に伝達された出力は、ミッション部40に設けた副変速装置FH及び操向装置9(図6参照)を経て左右のクローラ走行装置30に伝達されるとともに、刈取クラッチ16を介して刈取部1に伝達されている。S9は、脱穀クラッチ37の入切状態を検出する脱穀スイッチであり、S7は、ミッション部40への入力回転数により走行速度を検出するための車速センサであり、S5は、電磁ピックアップ式のエンジン回転数センサである。又、無段変速装置39を変速操作するための変速モータM6が設けられ、運転部31に設けた手動変速レバー7の操作に応じて、前記変速モータM6が駆動されて走行速度が変速される。尚、手動変速レバー7が中立状態に操作されているか否かを検出する中立スイッチS17が設けられている(図6参照)。そして、エンジンEに対する負荷が大きくなるほどエンジン回転数が低下し、無負荷時のエンジン回転数(基準回転数)からの回転数低下量によってエンジンEの負荷が判別されるので、エンジンEの能力を極力有効に利用できるようにするために、上記車速センサS7にて検出される走行速度が設定上限速度を超えない条件で、前記エンジン回転数センサS5の情報に基づいて判別されるエンジン負荷が適正範囲に維持されるように、変速モータM6の作動を制御する車速制御が実行される。 【0021】図6に示すように、前記無段変速装置39は、前記ミッション部40に、その出力軸39Aを挿入させる状態で取り付けられている。ミッション部40には、無段変速装置39の出力軸39Aからギヤ対12,13を介して動力が伝達される中間伝動軸14がその一端を外部に突出させる状態で支承されており、この中間伝動軸14の外端部には、刈取部1に動力を伝達するための刈取出力プーリ15が装着され、中間伝動軸14と刈取出力プーリ15との間には、中間伝動軸14の前進回転のみを刈取出力プーリ15に伝達する一方向性の前記刈取クラッチ16が介装されている。 【0022】前記副変速装置FHの入力軸Faには、前記中間伝動軸14の動力がギヤ対17,18を介して伝達され、入力軸Faと出力軸Faとの間には、低速伝動用の伝動系と、中速伝動用の伝動系と、高速伝動用の伝動系との互いに伝動比が異なる三つの伝動系が介装され、各伝動系を択一的に選択して使用することにより、三段の副変速を行うようになっている。 【0023】前記低速伝動用の伝動系は、前記入力軸Faに第1伝動ギヤG1を一体回転する状態に装着し、前記出力軸Fbにこの第1伝動ギヤG1に噛み合い連動する第1受動ギヤg1を出力軸Fbに対して回転自在な状態に装着し、この第1受動ギヤg1と出力軸Fbとの間に、第1受動ギヤg1から出力軸Fbへの伝動を断続する湿式多板式の第1の油圧クラッチC1を設けて構成されている。 【0024】前記中速伝動用の伝動系は、前記入力軸Faに第2伝動ギヤG2一体回転する状態に装着し、前記出力軸Fbにこの第2伝動ギヤG2に噛み合い連動する第2受動ギヤg2を出力軸Fbに対して回転自在な状態に装着し、この第2受動ギヤg2と出力軸Fbとの間に、第2受動ギヤg2から出力軸Fbへの伝動を断続する湿式多板式の第2の油圧クラッチC2を設けて構成されている。 【0025】前記高速伝動用の伝動系は、前記入力軸Faに第3伝動ギヤG3を一体回転する状態に装着し、前記出力軸Fbにこの第3伝動ギヤG3に噛み合い連動する第3受動ギヤg3を出力軸Fbに対して回転自在な状態に装着し、この第3受動ギヤg3と出力軸8Fbとの間に、第3受動ギヤg3から出力軸Fbへの伝動を断続する湿式多板式の第3の油圧クラッチC3を設けて構成されている。 【0026】従って、副変速装置FHは、〈1〉第1の油圧クラッチC1に圧油を供給してクラッチ入り状態に切り換え、かつ、第2および第3の油圧クラッチC3,C3から排油してこの両油圧クラッチC2,C3をクラッチ切り状態に切り換えることにより、低速伝動用の伝動系のみを伝動状態に切り換える低速伝動状態F1(倒伏速度)となり、〈2〉第2の油圧クラッチC2に圧油を供給してクラッチ入り状態に切り換え、かつ、第1および第3の油圧クラッチC1,C3から排油してこの両油圧クラッチC1,C3をクラッチ切り状態に切り換えることにより、中速伝動用の伝動系のみを伝動状態に切り換える中速伝動状態F2(標準速度)となり、〈3〉第3の油圧クラッチC3に圧油を供給してクラッチ入り状態に切り換え、かつ、第1および第2の油圧クラッチC1,C2から排油してこの両油圧クラッチC1,C2をクラッチ切り状態に切り換えることにより、高速伝動用の伝動系のみを伝動状態に切り換える高速伝動状態F3(移動用走行速度)となり、〈4〉第1,第2および第3の油圧クラッチC1,C2,C3から排油してこの各油圧クラッチC1,C2,C3をクラッチ切り状態に切り換えることにより、伝動系の全部を非伝動状態に切り換える中立変速状態Nとなる。 【0027】前記低速伝動状態F1は、刈取り対象穀稈が倒伏している場合などに利用される低速での刈り取り作業を行うための伝動状態である。前記中速伝動状態F2は、刈取り対象穀稈が直立しているような場合に利用される中速度(標準速度)での刈り取り作業を実行するための伝動状態である。また、高速伝動状態F3は、例えば非作業状態で道路上を高速で移動走行するような場合に利用される伝動状態である。前記中立変速状態Nは、例えば、機体走行を停止させた状態で刈取部1を駆動させてメンテナンス作業を行うような場合に利用される。 【0028】図7に示すように、油圧ポンプPと、第1,第2および第3の油圧クラッチC1,C2,C3用の各油圧回路Y1,Y2,Y3との間に、各油圧クラッチC1,C2,C3のうちのいずれか1つに圧油を供給しかつ残りの油圧クラッチから排油する状態に切り換えるための変速制御弁B1、および、油圧ポンプPからの圧油を上記変速制御弁B1に供給する圧油供給状態と、変速制御弁B1に対する圧油供給を停止して各油圧クラッチC1,C2,C3から排油させる排油状態とに切り換え自在な中立切換弁B2が介装され、この変速制御弁B1、中立切換弁B2、及び各油圧クラッチC1,C2,C3によって、前記副変速装置FHを変速操作する駆動手段KSが構成されている。 【0029】ここで、上記変速制御弁B1は、3位置切り換え式の電磁弁に構成されて、左右に切換作動用のソレノイドsb1,sb2が備えられている。両ソレノイドsb1,sb2が共に通電されていない場合には、第2の油圧クラッチC2(標準速度用)の油圧回路Y2に圧油を供給する状態になるように、油路切換用のスプールが、バネによって真ん中の位置に復帰付勢され、左側のソレノイドsb1が通電されると、第1の油圧クラッチC1(倒伏速度用)に圧油を供給する状態に切り換わり、右側のソレノイドsb2が通電されると、第3の油圧クラッチC3(走行速度用)に圧油を供給する状態に切り換わるように構成されている。中立切換弁B2は、2位置切り換え式の電磁弁に構成されて、圧油供給状態にバネで復帰付勢されており、ソレノイドへの通電により排油状態に切り換わるように構成されている。 【0030】従って、変速制御弁B1および中立切換弁B2に対して駆動用電力が供給されていない状態、例えば、電気配線の断線や後述する制御装置の電気的な制御動作の異常など、電気系統の故障が発生したような場合、通常作業用の変速状態としての中速伝動状態F2に復帰付勢されるように構成されており、このような電気系統的の故障が発生した場合であっても、その後も刈取作業用の通常の走行速度で刈取作業を継続することが可能となる。 【0031】そして、中立変速状態N、低速伝動状態F1(倒伏)、中速伝動状態F2(標準)、及び高速伝動状態F3(走行)の各副変速状態に対応する4個の副変速操作スイッチSN,SA,SB,SCが、後述の表示モジュールMU4の横脇に設けられ(図12参照)、各スイッチSN,SA,SB,SCにて指示される副変速指令に基づいて、変速制御弁B1及び中立切換弁B2を駆動する副変速制御が実行される。つまり、低速用スイッチSAを押すと、低速伝動状態F1に切り換えられ、中速用スイッチSBを押すと、中速伝動状態F2に切り換えられ、高速用スイッチSCを押すと、高速伝動状態F3に切り換えられ、中立用スイッチSNを押すと、中立変速状態Nに切り換えられるように制御される。以上より、主変速装置としての前記無段変速装置39と副変速装置FHとが、それぞれに対して各別に設けられた人為操作式の主変速操作手段としての前記手動変速レバー7及び人為操作式の副変速操作手段FSとしての上記副変速操作スイッチSN,SA,SB,SCにて各別に変速操作可能に構成されて設けられている。 【0032】又、図6に示すように、副変速装置FHの出力軸Fbに制動を掛けて走行装置30を停止保持する湿式多板式の駐車ブレーキ19が設けられている。この駐車ブレーキ19は、図7に示すように、内装されるバネ19bの付勢力により制動作用するとともに、油圧ポンプPが作動して圧油が供給されるに伴い、バネ19bの付勢力に抗して伸長作動して制動状態を解除するネガティブ型のブレーキシリンダ19aにて構成されて、坂道の途中などでエンジンが停止したような場合には、自動的に制動状態に復帰するように構成されている。 【0033】次に、図6に基づいて、前記操向装置9について説明する。前記副変速装置FHの出力軸Fbに、正転伝動用伝動ギヤ20が一体回転状態で装着され、前記ミッション部40に回転自在に支持させたシフト軸21に、正転伝動用伝動ギヤ20に噛み合い連動する正転伝動用受動ギヤ22が一体回転状態で装着されている。さらに、上記シフト軸21には、左右一対の操向用受動ギヤ23L,23Rと、車軸10L,10Rのそれぞれに一体回転する状態に装着した車軸受動ギヤ24L,24Rに常時噛み合い連動する左右一対のシフトギヤ25L,25Rとが回転自在に装着されている。そして、左右の各シフトギヤ25L,25Rの軸芯方向への移動により、左右の各車軸受動ギヤ24L,24Rが、噛み合い式の直進クラッチ26L,26Rを介して前記正転伝動用受動ギヤ22に連動する直進用の接続状態と、噛み合い式の操向クラッチ27L,27Rを介して操向用受動ギヤ23L,23Rに連動する旋回用の接続状態とに切り換え自在に構成されている。 【0034】また、減速逆転制動軸75がミッション部40に回転自在に支持され、この減速逆転制動軸75の回転を前記操向用受動ギヤ23L,23Rのそれぞれに等しく減速伝達する操向用伝動ギヤ76L,76Rが減速逆転制動軸75に一体回転する状態に装着されるとともに、前記正転伝動用受動ギヤ22に一体に形成した伝動ギヤ部77に噛み合い連動して正転伝動用受動ギヤ22の回転が減速伝達される正転受動ギヤ78が、前記減速逆転制動軸75に回転自在に装着されている。そして、この正転受動ギヤ78と減速逆転制動軸75との間に、圧油供給停止に伴い正転受動ギヤ78から減速逆転制動軸75への伝動を断つクラッチ切り状態にバネを介して作動付勢されかつ圧油供給に伴いその付勢力に抗して伝動を行うクラッチ入り状態に切り換わる減速用の湿式多板式の油圧クラッチ79が設けられている。つまり、油圧クラッチ79をクラッチ入り作動させることにより、正転伝動用受動ギヤ22の回転を伝動ギヤ部77・正転受動ギヤ78・減速クラッチ79・減速逆転制動軸75・操向用伝動ギヤ76L,76R・操向用受動ギヤ23L,23Rと伝達させて、車軸受動ギヤ24L,24Rを同期減速駆動するように構成されている。 【0035】また、前記副変速装置FHの出力軸Fbに一体回転状態に装着された逆転伝動用伝動ギヤ80に噛み合い連動する逆転伝動用受動ギヤ81が、前記減速逆転制動軸75に回転自在に装着され、この逆転伝動用受動ギヤ81と減速逆転制動軸75との間に、圧油供給停止に伴い逆転伝動用受動ギヤ81から減速逆転制動軸75への伝動を断つクラッチ切り状態にバネを介して作動付勢されかつ圧油供給に伴いその付勢力に抗して伝動を行うクラッチ入り状態に切り換わる逆転用の湿式多板式の油圧クラッチ82が設けられている。つまり、油圧クラッチ82をクラッチ入り作動させることにより、逆転伝動用伝動ギヤ80の回転を逆転伝動用受動ギヤ81・逆転クラッチ82・減速逆転制動軸75・操向用伝動ギヤ76L,76R・操向用受動ギヤ23L,23Rと伝達させて、車軸受動ギヤ24L,24Rを同期逆転駆動するように構成されている。 【0036】また、圧油供給停止に伴い減速逆転制動軸75を制動するクラッチ切り状態にバネを介して作動付勢されかつ圧油供給に伴いその付勢力に抗して減速逆転制動軸75を可逆的に制動する湿式多板式の制動用の油圧ブレーキ83が設けられている。つまり、油圧ブレーキ83を制動作動させることにより、減速逆転制動軸75・操向用伝動ギヤ76L,76R・操向用受動ギヤ23L,23Rと伝達させて、車軸受動ギヤ24L,24Rを制動するように構成されている。 【0037】従って、操向装置9は、〈1〉直進クラッチ26L,26Rをともにクラッチ入り作動させることにより、正転伝動用受動ギヤ22の回転を両シフトギヤ25L,25Rを介して両車軸受動ギヤ24L,24Rに伝達することで、左右の走行装置30L,30Rを等速駆動させる直進走行状態、〈2〉操向クラッチ27L,27Rのうち旋回側のものをクラッチ入り作動させることにより、左右の走行装置30L,30Rのうち旋回側のものに対する駆動を断って自由空転状態になる非駆動旋回状態、〈3〉操向クラッチ27L,27Rのうち旋回側のものをクラッチ入り作動させるとともに、減速用の油圧クラッチ79をクラッチ入り作動させることにより、操向用受動ギヤ23L,23Rのうち旋回側のものを駆動させることで、左右の走行装置30L,30Rのうち旋回側のものの駆動速度を旋回外側のものの駆動速度よりも小さくして緩旋回を行う緩旋回状態、〈4〉操向クラッチ27L,27Rのうち旋回側のものをクラッチ入り作動させるとともに、制動用の油圧ブレーキ83を制動作動させることにより、旋回内側の走行装置30Lまたは30Rを操向用受動ギヤ23Lまたは23Rを介して制動停止させて信地旋回を行う信地旋回状態、〈5〉操向クラッチ27L,27Rのうち旋回側のものをクラッチ入り作動させるとともに、逆転用の油圧クラッチ82をクラッチ入り作動させることにより、操向用受動ギヤ23L,23Rのうち旋回内側のもので旋回内側の走行装置30Lまたは30Rを駆動させることで、左右の走行装置30L,30Rのうち旋回内側のものを逆転駆動させて超信地旋回を行う超信地旋回状態、の夫々に切換え操作できるように構成されている。 【0038】操向装置9の操作手段として、図7に示すように、シフトギヤ25L,25Rそれぞれを直進クラッチ26L,26Rの入り位置にアーム84L,84Rを介して移動付勢する左右一対のバネ85L,85Rと、圧油供給に伴い伸長作動してバネ85L,85Rの付勢力に抗してシフトギヤ25L,25Rのそれぞれを操向クラッチ27L,27Rの入り位置に前記アーム84L,84Rを介して移動させる左右一対の操向シリンダ90L,90Rとを設けるとともに、左右の各操向シリンダ90L,90Rに圧油を供給する状態と排油させる状態とに切り換え自在な左右一対の電磁操作式の方向切換弁86L,86Rを設けている。 【0039】さらに、左右の操向シリンダ90L,90Rのいずれかが伸長作動状態にあるときに、その操向シリンダ90L,90Rから油路87を介して供給される圧油を、減速用の油圧クラッチ79に供給する減速状態と逆転用の油圧クラッチ82に供給する逆転状態と制動用の油圧ブレーキ83に供給する制動状態とに切り換え自在な油路切換用の操向制御弁88を設けている。尚、前記油路87の途中箇所には、後述の刈高操向レバー8の操作状態に基づいて、前記各油圧クラッチ79,82、及び油圧ブレーキ83に供給する作動油の油圧力(つまり旋回力)を調整するための圧力調整弁89を設けている。この圧力調整弁89は、電磁比例圧力制御弁にて構成され、バネにより排油側に復帰付勢されるスプールを電磁ソレノイドへの通電により圧油供給側に切り換えるようになっており、しかも、ソレノイドへの供給電流を変更調節することで、スプールの位置が変化して作動油の油圧力を変更調整することができるように構成されている。 【0040】前記方向切換弁86L,86R、操向制御弁88、圧力調整弁89の夫々は、前記運転部31に設けられた刈高操向レバー8の操作に基づいて、切換え制御されるように構成されている。詳述すると、図14に示すように、前記刈高操向レバー8の揺動支点部にその操作状態を検出するためのポテンショメータ式の操向操作検出センサS13が設けられ、その検出情報に基づいて刈高操向レバー8の操向操作位置を判別して、上記各弁を切換え操作するようになっている。つまり、刈高操向レバー8が直進指令位置TSから左右いずれかの方向に揺動させるに伴って、非駆動旋回位置(R1,L1)、緩旋回位置(R2,L2)、信地旋回位置(R3,L3)、超信地旋回位置(R4,L4)の各位置に順次切り換え操作自在に構成されており、刈高操向レバー8が直進指令位置TSから左右いずれかの方向に揺動させるに伴って次のように制御される。 (1)刈高操向レバー8が、直進指令位置TSに位置すると、前記両方向切換弁86L,86Rを排油状態に切り換えるとともに圧力調整弁89を非作動状態に切り換える(直進走行状態)。 (2)刈高操向レバー8が非駆動旋回位置(L1,R1)に操作されると、左右いずれか選択された側の方向切換弁(86L,86R)を圧油供給状態に切り換えるとともに圧力調整弁89を非作動状態に切り換える(非駆動旋回状態)。 (3)刈高操向レバー8が緩旋回位置(L2,R2)に操作されると、左右いずれか選択された側の方向切換弁(86L,86R)を圧油供給状態に切り換えるとともに圧力調整弁89を作動状態に切り換え、操向制御弁88を減速状態に切り換える(緩旋回状態)。 (4)刈高操向レバー8が信地旋回位置(L3,R3)に操作されると、左右いずれか選択された側の方向切換弁(86L,86R)を圧油供給状態に切り換えるとともに圧力調整弁89を作動状態に切り換え、操向制御弁88を制動状態に切り換える(信地旋回状態)。 (5)刈高操向レバー8が超信地旋回位置(L4,R4)に操作されると、左右いずれか選択された側の方向切換弁(86L,86R)を圧油供給状態に切り換えるとともに圧力調整弁89を作動状態に切り換え、操向制御弁88を逆転状態に切り換える(超信地旋回状態)。 【0041】次に、上述した各種の制御(刈高制御、扱深制御、方向制御、水平制御、アンローダ制御、レール制御、脱穀制御等)の起動指令や、制御目標値等の情報を入力する入力手段、及び、各種情報の表示手段について説明する。 【0042】図8に示すように、運転部31の座席31Aの左横脇に、座席に近い側から順に、上記各制御の起動スイッチや調整ボリューム等を備えた基本スイッチモジュールMU1(図9参照)と、水平制御の起動スイッチや手動操作スイッチ等を備えた水平制御スイッチモジュールMU3(図11参照)とが配置され、さらに、走行速度を変速操作するための前記手動変速レバー7が、握り部7Aを上記基本スイッチモジュールMU1の上方に位置させる状態で設けられている。 【0043】一方、座席31Aの右側前方には、乗降部31Bが設けられ、座席右側後部位置には、前記アンローダ32を操作するためのスイッチ等を備えたアンローダスイッチモジュールMU2(図10参照)が配置されている。 【0044】運転部31の右前方側には、刈取部1を手動で昇降操作する刈取昇降レバーと走行機体Vを手動で左右に旋回操作するステアリングレバーとに兼用構成された十字操作式の刈高操向レバー8が設けられている。つまり、この刈高操向レバー8を後方側に揺動操作すると刈取部1が上昇する一方、前方側に揺動操作すると刈取部1が下降する。尚、この刈高操向レバー8の刈取昇降方向での揺動操作量を検出するためのポテンショメータ式の刈取昇降検出センサS12が設けられている(図14参照)。 【0045】前記基本スイッチモジュールMU1には、図9に示すように、脱穀及び扱深さ制御用操作ユニット部41、車速制御用操作ユニット部42、方向制御用操作ユニット部43、刈高制御用操作ユニット部44、レール制御用操作ユニット部45、及び、予備用の操作ユニット部46が装備されている。尚、この予備用の操作ユニット部46は、上記以外の制御を追加したような場合に、その操作ユニット部として使用される。 【0046】前記脱穀及び扱深さ制御用操作ユニット部41には、照光式の押しボタンスイッチに構成された扱深さ制御の起動スイッチ41a、麦、稲及び濡れの中から1つの作物条件を選択する作物切換ボリューム41b、チャフ開度を調節するためのチャフボリューム41c、及び、トウミ風力を調節するためのトウミボリューム41dが一体形成されている。ここで、上記1つの作物条件において、チャフボリューム41cを開側に回すほど、前記穀稈供給量に対するチャフ開度の制御状態が全体として開き側に変更調節され、トウミボリューム41dを強側に回すほど、前記穀稈供給量に対するトウミ風力の制御状態が全体として強側に変更調節される。又、作物条件の選択により、麦、稲、濡れの順で、上記チャフ開度の制御状態が全体として開き側に変更調節され、トウミ風力の制御状態が全体として強側に変更調節される。 【0047】車速制御用操作ユニット部42には、照光式の押しボタンスイッチに構成された車速制御の起動スイッチ42aと、上限車速を設定する車速制限ボリューム42bとが一体形成されている。方向制御用操作ユニット部43には、照光式の押しボタンスイッチに構成された方向制御の起動スイッチ43aと、旋回力を調節するための旋回力切換ボリューム43bとが一体形成されている。ここで、旋回力切換ボリューム43bを大側に回すと、ディーティ駆動される前記直進クラッチ90L,90Rのクラッチ切り時間に対する入り時間の比(ディーティ比)が大側に変更されて旋回力が大きくなり、小側に回すと、上記ディーティ比が小側に変更されて旋回力が小さくなる。 【0048】刈高制御用操作ユニット部44には、照光式の押しボタンスイッチに構成された刈高制御の起動スイッチ44aと、目標刈高さを設定するための刈高さ調整ボリューム44bとが一体形成されている。レール制御用操作ユニット部45には、レール制御を入り切りする起動スイッチ45aと、レール制御の入り切り状態を表示するレール制御ランプ45bとが一体形成されている。尚、図9は、チャフボリューム41c、トウミボリューム41d、車速制限ボリューム42b、旋回力切換ボリューム43b、及び刈高さ調整ボリューム44bによる各切換えを7段階に調整できるもの(クリック付き)を例示する。 【0049】アンローダスイッチモジュールMU2には、図10に示すように、照光式の押しボタンスイッチに構成されたアンローダ32の自動作動の起動及び停止用の自動・停止スイッチ50a、照光式の押しボタンスイッチに構成されたタンク張出し開スイッチ50bとタンク張出し閉スイッチ50c、十字操作キーに構成されてアンローダ32を手動で上昇・下降・右旋回・左旋回操作するための手動操作スイッチ50d、及び、アンローダ32の穀粒排出用の作業位置としての目標停止位置を、機体左側、機体後部側、機体右側のうちから選択する停止位置選択ボリューム50eが一体形成されている。 【0050】水平制御スイッチモジュールMU3には、図11に示すように、照光式の押しボタンスイッチに構成された水平制御の起動用の自動スイッチ60a、照光式の押しボタンスイッチに構成されて水平制御モードを上げ基準と下げ基準とに切り換える水平モード切替スイッチ60b、照光式の押しボタンスイッチに構成された後進時機体上昇スイッチ60c、十字操作キーに構成されて機体姿勢を右上げ・左上げ・上げ・下げの各状態に操作するための手動操作スイッチ60d、及び、水平制御の作動時(自動モード)における目標傾斜状態を設定する水平調整ボリューム60eが一体形成されている。 【0051】運転部31の左前方側のパネルには、各種の情報を表示するための表示用モジュールMU4が設けられている。この表示用モジュールMU4には、図12に示すように、図示しない燃料タンク内の燃料残量を示す指示針式の燃料メータ70a、指示針式のタコメータ70b、LCD式の水温メータ70c、前記タンク3内のモミの量を表示するモミLCD70d、及び、各種のメッセージやグラフ等の画像情報を表示する主LCD70eが設けられ、さらに、左右のウインカランプ70fや、充電(チャージ)70g4、ブレーキ70g3、オイル70g2、及びチェック70g1の各種の警報ランプや、前記副変速装置FHの変速状態が高速、標準、倒伏及び中立のいずれの状態であるかを表示する副変速ランプ70hが設けられている。尚、上記水温メータ70cと、主LCD70eとは、横長状の1つのLCD表示画面を左右で区切って、右側部分を水温メータ70cの表示用に、左側部分を主LCD70eの表示用に用いている。 【0052】図12には、上記主LCD70eに、エンジンの負荷レベルを示すバーグラフを上側に、前記シーブセンサS10にて検出される脱穀部2の揺動選別板54上での処理物量を示すバーグラフを下側に、夫々表示したものを例示している。又、表示用モジュールM34の右側方には、チェックスイッチ71と、表示切換スイッチ72とが設けられ、この両スイッチ71,72は、押し操作されているときだけオン状態になり、押し操作されないときはオフ状態となる押ボタン式のスイッチに構成されている。表示用モジュールMU4の左側方には、前記4個の副変速操作操作スイッチSN,SA,SB,SCが配置されている。 【0053】そして、図13及び図14に示すように、コンバイン全体の制御を集中して実行する中央制御部CUと、刈取部1、脱穀部2、タンク部(タンク3とアンローダ32にて構成される)、本機部4等の機体各部に分散配置される複数個の端末制御部LU(LU1〜LU5)及び各モジュールMU(MU1〜MU4)とが、高速通信線T1及び低速通信線T1を介して通信可能に接続されている。前記中央制御部CUは、コンバインを動作させるために複数の制御(前述の扱深制御、脱穀制御、車速制御、方向制御、刈高制御、レール制御、アンローダ制御、水平制御等)を実行可能に構成されている。 【0054】制御情報検出用のセンサ類SW及び作業用のアクチュエータ類AKが、前記複数個の端末制御部LUのいずれかに接続されて、その接続された端末制御部LUに対して信号を入出力するように構成されている。アクチュエータ類AKは、機体各部に備えた作業装置を作動させるための前記油圧シリンダや電動モータ等からなり、センサ類SWは、各種の制御情報をON/OFFの二値情報として検出するスイッチ等からなる。 【0055】具体的には、図13に例示するように、刈取部1に配置される端末制御部LU3から、前記扱深さモータM1に対する駆動信号が出力されるとともに、端末制御部LU3に、前記方向センサS1、前記株元センサS2、前記穂先センサS8a,S8b、及び前記刈取詰まり検出スイッチS14の各検出信号が入力されている。脱穀部2に配置される端末制御部LU4から、前記レール上げモータM2、前記チャフ開度調節モータM4及び前記トウミ風力調節モータM5に対して駆動信号が出力されるとともに、端末制御部LU4に、前記カッタ詰まり検出スイッチS15の検出信号が入力されている。 【0056】本機部4に配置される2つの端末制御部LU1,2のうちで、1つの端末制御部LU2から、前記変速モータM6に対する駆動信号が出力されるとともに、端末制御部LU2に、前記脱穀スイッチS9の信号が入力されている。また、他の端末制御部LU1は、油圧出力専用の端末制御部に構成されて、この端末制御部LU1から、前記刈取昇降シリンダ5、前記操向シリンダ90L,90R、前記ローリング用シリンダ30e、前記アンローダ用油圧シリンダ62、前記副変速装置FHの変速状態切換用の各油圧クラッチC1,C2,C3、前記旋回状態切換用の油圧クラッチ79,82及び油圧ブレーキ83を駆動するための各ソレノイドに対する各駆動信号が出力されている。タンク部に配置される端末制御部LU5から、前記旋回用モータM3に対する駆動信号が出力されるとともに、端末制御部LU5に、前記モミセンサS11の検出信号が入力されている。 【0057】アクチュエータ類AKの駆動のために高速通信処理が要求される信号が入出力する端末制御部(以下、高速端末部と称す)LU1〜LU5が、高速通信線T1によって前記中央制御部CUに接続される一方、高速通信処理が要求されない信号が入出力する前記各スイッチモジュールMU1〜3及び表示用モジュールMU4が、低速通信線T2によって前記中央制御部CUに接続されている。そして、中央制御部CUが、高速通信線T1に接続された各高速端末部LU1〜5に対して、各アドレスを指定するポーリングセレクティング方式にて多重通信しながら、各高速端末部LU1〜5との間で高速の通信処理を実行するように構成されている。 【0058】図14に示すように、中央制御部CUには、制御処理用のマイクロコンピュータCPUと、高速通信用の通信用ドライバーDRと、低速通信用の通信用ドライバーDR’とが設けられている。上記制御用のマイクロコンピュータCPUには、ポテンショメータ等の連続的に変化する情報を検出するアナログ式センサからのアナログ入力信号や、回転数等を検出するためのパルス式センサからのパルス入力信号が入力されるとともに、前記エンジンEに対する燃料供給を遮断してエンジン停止させるためのエンジン停止ソレノイドSOLに対する駆動信号や、警報用のブザー48及び警報ランプ49に対する駆動信号が出力されている。上記アナログ入力信号として、前記アンローダ位置センサS3、前記ローリングセンサS4、前記超音波センサS6、前記シーブセンサS10、前記刈取昇降検出センサS12及び操向操作検出センサS13からの各検出信号が入力され、上記パルス入力信号として、前記車速センサS7と、前記2番回転センサS16からの検出信号が入力され、さらに、電源投入用のメインスイッチMWの信号が入力されている。 【0059】上記制御用のマイクロコンピュータCPUには、制御データ記憶用のRAM等からなるメモリRAMが内蔵されるとともに、EEPROM等の不揮発性のメモリMEMが接続され、メモリRAMには、センサ類の検出データや、各スイッチモジュールMU1〜MU3のスイッチ等の入力データや、前記アクチュエータ類AKに対する駆動データ等が記憶され、不揮発性のメモリMEMには、機械稼働中に発生した各種のエラー情報(後述の自己診断データ)等が記憶される。 【0060】又、前記中央制御部CUのマイクロコンピュータCPUが、標準機能としてシリアル通信インターフェース機能を備えており、一方、図15及び図16に示すように、各スイッチ及び表示モジュールMU1〜4に設けられる入出力信号処理用のコントローラ29が、同様にシリアル通信インターフェース機能を標準機能として備えたワンチップマイコン等にて構成されている。そして、中央側のマイクロコンピュータCPUと各モジュール側のコントローラ29に備えた両方のシリアル通信インターフェース機能を用いて、中央制御部CUが、前記低速通信線T2を介して直接、各モジュールMU1〜4との間で低速の通信処理を実行するように構成されている。具体的には、中央制御部CUは、各モジュールMU1〜4に対して設定されたアドレスを順次指定しながら、ポーリングセレクティング方式にて、各モジュールMU1〜4からのデータ(各手動スイッチや調整用ボリュームのデータ)の入力、及び、各モジュールMU1〜4に対するデータの出力(各ランプや表示部の表示データ)を行う。 【0061】図16に示すように、表示用モジュールMU4において、コントローラ29に、燃料(フューエル)センサ、水温センサ、前記エンジン回転数センサS5、及びオイルスイッチからの各検出信号と、オルタネータの出力電圧とが入力され、コントローラ29は、これらの入力信号及び中央制御部CUから送信される表示用データに基づいて、燃料メータ70a、タコメータ70b、水温メータ70c、モミLCD70d、主LCD70e、副変速ランプ70h、及び、チェックランプ70g1を表示作動させる。尚、コントローラ29は、上記エンジン回転数センサS5、燃料センサ、水温センサ等の検出情報を、中央制御部CUからの送信要求に応じて送信する。 【0062】一方、左右のウインカランプ70fは、各ウインカスイッチの入り操作によって点灯し、チャージランプ70g4は、オルタネータからの出力電圧によって消灯し、ブレーキランプ70g3は、ブレーキスイッチの入り操作によって点灯し、オイルランプ70g2は、オイルスイッチの入り操作によって点灯する。又、前記チェックスイッチ71、前記表示切換スイッチ72、前記副変速操作スイッチSN,SA,SB,SCの各情報も、前記コントローラ29に入力されている。尚、表示切換スイッチ72は、機械の稼動時間(以下、アワーメータという)とバッテリー電圧の情報を、所定時間(例えば5秒間)表示させるように(図17(イ)参照)、前記主LCD70eの表示内容を切り換えるために使用される。 【0063】以上より、前記中央制御部CUを利用して、前記副変速操作用の駆動手段KSの作動を制御する変速制御手段100が構成されるとともに、前記副変速操作スイッチSN,SA,SB,SCが、中央制御部CUに変速指令を指示するように構成されている。 【0064】又、コンバインの走行状態が停止状態または設定速度よりも低い低速走行状態である変速許容状態であるか否かを検出する変速許容状態検出手段HKが、前記中立スイッチS17にて構成されている。つまり、中立スイッチS17がオン状態で無段変速装置39が中立状態に操作されているときに、変速許容状態であることが検出される。そして、前記中央制御部CUを利用して、上記変速許容状態検出手段HK(中立スイッチS17)にて前記変速許容状態でない(無段変速装置39が中立状態に操作されていない)ことが検出されていれば、前記副変速装置FHの変速操作を牽制する牽制手段101と、前記変速許容状態検出手段HK(中立スイッチS17)にて前記変速許容状態でないことが検出され、且つ、前記副変速操作スイッチSN,SA,SB,SCにて副変速装置FHの変速操作が指令された場合に、前記無段変速装置39を中立変速状態に変速操作するための減速操作情報を指示する減速操作指示手段102とが構成されている。 【0065】上記牽制手段101について具体的に説明すると、中立スイッチS17がオン状態でなければ、中速伝動状態F2、低速伝動状態F1のいずれかの変速状態から高速伝動状態F3への副変速操作、及び、高速伝動状態F3、中速伝動状態F2、低速伝動状態F1のいずれかの変速状態から中立変速状態Nへの副変速操作を禁止するように制御される。尚、中速伝動状態F2と低速伝動状態F1との間での変速操作は許容されるので、通常、圃場などで刈取作業を実行するときには、主に中速伝動状態F2に設定した状態で刈り取り走行を実行し、刈り取り対象穀稈が倒伏しているような場合には、低速伝動状態F1に切り換えて低速で作業走行することができるようにして、コンバインの使い勝手を向上させることができる。 【0066】次に、前記減速操作指示手段102について説明すると、減速操作指示手段102は、前記減速操作情報を画像情報として表示する画像表示部としての前記主LCD70eを備え、その主LCD70eが、前記減速操作情報を文章によって表示するように構成されている。具体的には、図19に示すように、主LCD70eの表示画面に、「主変速 中立にする」という文章が表示されて、前記無段変速装置39を中立状態に操作するように指示する中立操作情報が表示される。 【0067】さらに、上記主LCD70eが、コンバインの運転において作業者に知らせるべき通常の報知情報である通常情報を表示するとともに、前記減速操作情報を表示する場合には、その表示している通常情報に代えて前記減速操作情報を表示するように構成されている。上記通常情報として、図17に示すように、アワーメータとバッテリー電圧の情報、及びエンジン回転数の情報、あるいは、図12に示すように、エンジンの負荷レベルを示すバーグラフを上側に、脱穀部2の揺動選別板54上での処理物量(シーブレベル)を示すバーグラフを下側に表示したものなどが表示される。 【0068】前記中央制御部CUは、前記各制御を実行する場合に、各高速端末部LU1〜5及び各モジュールMU1〜4から通信線T1,T2を介して送信されたセンサ類SW及びスイッチ等の各入力データに基づいて、アクチュエータ類AKに対する適正駆動内容を判定して、その適正駆動内容を駆動データとして、通信線T1を介してアクチュエータ類AKが接続された高速端末部LUに送信し、アクチュエータ類AKが接続された高速端末部LUが、上記受信した駆動データに基づいてアクチュエータ類AKに対して駆動信号を出力するように構成されている。 【0069】例えば、前記刈高制御の場合について具体的に説明すると、中央制御部CUは、前記基本スイッチモジュールMU1との通信によって、刈高制御用操作ユニット部44に備えた刈高制御の起動スイッチ44aがオンしていると判断したときには、前記刈高さ調整ボリューム44bにて入力される目標高さ情報及び前記超音波センサS6の対地高さ情報に基づいて刈取高さを目標高さに維持するための前記刈取昇降シリンダ5に対する適正駆動内容を判別し、その適正駆動内容を制御データとして上記刈取昇降シリンダ5が接続された高速端末部LU1に送信する。そして、上記高速端末部LU1は、受信した制御データに従って前記刈取昇降シリンダ5を昇降作動させる。 【0070】又、前記中央制御部CUは、各高速端末部LU1〜5及び各モジュールMU1〜4から通信線T1,T2を介して送信されたセンサ類SW及びスイッチ等の各入力データに基づいて、前記ランプやLCD表示器等の各種の表示手段に表示する適正表示内容を判定して、その適正表示内容を表示用データとして通信線T1を介して各モジュールMU1〜4に送信し、一方、各モジュールMU1〜4は、中央制御部CUから受信した前記表示用データに基づいて、上記表示手段に対して駆動信号を出力するように構成されている。 【0071】上記刈高制御の場合について具体的に説明すると、中央制御部CUは、前記基本スイッチモジュールMU1からの受信データによって、刈高制御の起動スイッチ44aのオン状態を確認すると、基本スイッチモジュールMU1に対して、照光式スイッチに構成された上記起動スイッチ44aを点灯させる指令データを送信するとともに、表示用モジュールMU4に対して、主LCD70eに刈高制御の起動メッセージを表示する表示指令を送信する。そして、基本スイッチモジュールMU1は、中央制御部CUから受信した点灯指令データに従って、上記刈高制御の起動スイッチ44aを点灯作動させ、表示用モジュールMU4は、中央制御部CUから受信した表示指令に従って、上記主LCD70eに、「刈高自動[入]」のメッセージを、所定時間(例えば、5秒間)表示する。 【0072】尚、刈高制御の起動スイッチ44aをオフしたときには、上記主LCD70eに、「刈高自動[切]」のメッセージが、所定時間(例えば、5秒間)表示され、又、前記刈高さ調整ボリューム44bを操作して、目標高さ情報を変更するときにも、中央制御部CUと表示用モジュールMU4の間の通信に基づいて、刈高さ調整ボリューム44bによって変更される目標刈高さの値が、主LCD70eにバーグラフ表示される。 【0073】次に、図21〜図23に示すフローチャートに基づいて、前記中央制御部CUによる制御動作について説明する。メインフロー(図21)では、メインスイッチMWがオフ状態からオン状態に操作されて電源が投入され、中央制御部CUに電力が供給されて(尚、このとき、各高速端末部LU1〜5及び各モジュールMU1〜4にも電力が供給される。)、制御がスタートすると、前記チェックスイッチ71のオンオフ状態を検出して、チェックスイッチ71がオン状態であれば微調節モードに起動される。一方、チェックスイッチ71がオフ状態であれば通常モードに起動され、この通常モードにおいてチェックスイッチ71のオンオフ状態を検出して、チェックスイッチ71がオン状態に変化すれば、自己診断モードに起動される。 【0074】上記微調節モードでは、刈取部1、脱穀部2等の機械各部が基準状態にあるときの前記各センサ類の検出情報に対応させて、各センサ類の検出情報から機械各部の実動作状態を求めるための基準値の情報(微調節データという)を、前記メモリMEMに記憶させる。具体的には、以下に例示するような微調節データが記憶される。 (1)左右の各方向センサS1が機体横方向位置に復帰している状態を基準状態としてそのときの各方向センサS1の検出値(2)刈取部1を対象として基準状態として上限位置に上昇させたときの刈取昇降検出センサS12の検出値(3)アンローダ32を対象として基準状態として前記ホーム位置に旋回させたときのアンローダ位置センサS3の検出値(4)機体Vを対象として基準状態として水平状態にしたときのローリングセンサS4の検出値【0075】通常モードでは、図22に示すように、各高速端末部LU1〜5及び各モジュールMU1〜4との間で通信するための通信制御処理、前記報知情報の管理処理、表示制御処理、及び、前記複数の制御を実行するための作業制御処理を行う。尚、この作業制御処理では、各センサ類の検出情報と前記記憶させた微調節データの情報に基づいて機械各部の実動作状態を求めて、その実動作状態の情報に基づいて前記アクチュエータ類AKの作動を制御する。 【0076】表示制御処理では、図23に示すように、先ず、警報情報が発生しているか否かを判断する。警報情報の表示例を図18に示すが、(イ)は前記刈取詰まり検出スイッチS14にて刈取部1での穀稈詰まりが検出されていることを表わす「刈取詰まり」、(ロ)は、前記カッタ詰まり検出スイッチS15にて排藁の詰まりが検出されていることを表わす「カッタ詰まり」、(ハ)は、前記2番回転センサS16にて二番搬送装置63での二番物の詰まりが検出されていることを表わす「2番詰まり」、(ニ)は、前記モミセンサS11にて貯留タンク3での穀粒の満杯状態が検出されていることを表わす「モミ満杯」、(ホ)は、藁屑等の付着によって前記穂先センサS8a,S8bの検出状態が異常であり、点検を要することを表わす「穂先センサ→点検」、(ヘ)は、エンジンEが過負荷状態であることを表わす負荷警報としての「減速して下さい」、もしくは、前記シーブセンサS10にて検出される処理物量が過大であることを表わすシーブ警報としての「減速して下さい」の各表示である。 【0077】次に、メインスイッチMWがオフからオンに操作された後、エンジンEが始動されるまでは、アワメータとバッテリー電圧の情報を主LCD70eに表示させる。エンジンEが始動された後、脱穀部2が駆動されて刈取作業状態になるまでは、エンジン回転数を主LCD70eに表示させ、刈取作業状態になるに伴って、前記負荷レベルとシーブレベルを主LCD70eに表示させる。 【0078】次に、副変速操作が指令されたか否かを判断し、副変速操作が指令されたときには、前記中立スイッチS17がオンしているか否かを判断し、中立スイッチS17がオンしていれば、図20に示すような各副変速切換えに応じた副変速表示を、例えば標準速度が指令されたときは「副変速[標準]」の文字を主LCD70eの画面に所定時間(例えば5秒間)表示させ、さらに、前記副変速ランプ70hの表示を上記指令された副変速指令に合わせて切り換える。副変速操作が指令されたときに前記中立スイッチS17がオンしていないときは、主LCD70eの画面に前記中立操作情報を所定時間(例えば5秒間)表示させるとともに、前記副変速ランプ70hの表示状態を現状の表示状態に維持する。 【0079】自己診断モードでは、前記メモリMEMに記憶されている前記自己診断データの情報を読み出して、前記主LCD70eに表示させる。自己診断モードにおいて、前記チェックスイッチ71が押されると、自己診断モードを終了する。尚、上記自己診断データとしては、前記作物切換ボリューム41b、前記車速制限ボリューム42b、前記シーブセンサS10等のボリューム類や、方向センサS1、アンローダ位置センサS3等のセンサ類の故障による検出エラー(例えば、有り得ない値となったり、値が全く変化しないような場合等)、あるいは、アンローダ旋回用モータM3、チャフ開度調節モータM4等のアクチュエータ類の故障による作動エラー(例えば、作動がロックしたり、全く動作しないような場合等)の情報が記憶されている。 【0080】〔第2実施形態〕次に、作業車の表示装置に係る発明の第2実施形態を説明する。この第2実施形態では、副変速操作指令手段FSの構成が第1実施形態と異なるが、その他の構成については、第1実施形態と同様である。以下、具体的に説明すると、図24に示すように、副変速操作指令手段FSとして、オン操作される毎に前記変速制御弁B1及び前記中立切換弁B2を低速側から高速側に順に切り換える第1スイッチSUと、オン操作される毎に前記変速制御弁B1及び前記中立切換弁B2を高速側から低速側に順に切り換える第2スイッチSDとが、前記手動変速レバー7の握り部7Aに設けられている。 【0081】そして、図25に示すように、副変速装置FHが中立変速状態Nにあるときに第1スイッチSUをオン操作すると低速伝動状態F1となり、低速伝動状態F1にあるときに第1スイッチSUをオン操作すると中速伝動状態F2となり、中速伝動状態F2にあるときに第1スイッチSUをオン操作すると高速伝動状態F3となる。一方、高速伝動状態F3にあるときに第2スイッチSDをオン操作すると中速伝動状態F2となり、中速伝動状態F2にあるときに第2スイッチSDがオン操作されると低速伝動状態F1となり、低速伝動状態F1にあるときに第2スイッチSDがオン操作されると中立状態Nとなる。尚、駆動電源が投入される運転初期には、変速制御弁B1は中速伝動状態であり、中立切換弁B2は圧油供給状態に初期設定されるようになっている。 【0082】〔別実施形態〕次に、別実施形態について説明する。上記第1、第2実施形態では、変速許容状態検出手段HKを中立スイッチS17にて構成して、主変速装置39が中立状態のとき即ち作業車の走行状態が停止状態のときに変速許容状態であるとしたが、これ以外に、作業車の走行状態が設定速度よりも低い低速走行状態のときに変速許容状態であるとしてもよい。具体的には、変速許容状態検出手段HKを前記車速センサS7にて構成するとともに、上記設定速度を停止状態に近い低速速度に設定して、作業車の走行速度がその設定速度よりも低いい速度であれば、変速許容状態であるとするようにする。また、変速許容状態検出手段HKを中立スイッチS17と車速センサS7の両方によって構成して、主変速装置39が中立状態であって、且つ、作業車の走行速度が上記設定速度よりも低速のときに変速許容状態であるとするようにしてもよい。 【0083】上記第1、第2実施形態では、減速操作情報指示手段102が画像表示部70eを備えて、減速操作情報を画像情報として表示して指示するようにしたが、これ以外に、減速操作指示用に設けた表示ランプを備えて、このランプを点灯させて減速操作情報を指示するようにしてもよい。また、上記第1、第2実施形態では、画像表示部をLCD式の表示器70eにて構成したが、これ以外の画像表示装置を用いるようにしてもよい。 【0084】上記第1、第2実施形態では、減速操作指示手段102が減速操作情報として、主変速装置(無段変速装置39)を中立状態に操作するように指示するように構成したが、これ以外に、例えば前記車速センサS7にて検出される走行速度が上記設定速度よりも低い速度になるまで、「減速して下さい」等の文章を主LCD70eの画面に表示して、減速操作を指示する減速操作情報でもよい。 【0085】上記第1、第2実施形態では、作業車の各部に備えた端末制御部LUや各モジュールMUとの間で通信しながら、機械全体の制御を集中して行う中央制御部CUを利用して、変速制御手段100と、牽制手段101を構成したが、これ以外に、これらの各手段100,101を作業車に備えた単一の制御部にて構成するようにしてもよい。 【0086】上記第1、第2実施形態では、牽制手段101を構成するのに、電気的な制御構成を用いて構成したが、これ以外に、機械的な構成の牽制手段でもよい。具体的には、例えば単一の手動変速レバーを前後方向に揺動操作して主変速操作ができ、且つ、この手動変速レバーが中立位置に操作されているときにだけ、左右方向への揺動操作を許容して副変速状態を切り換えることができるようにする。そして、この手動変速レバーが中立位置に操作されていないときに、左右方向へ揺動操作された場合には、減速操作指示手段102が前述の減速操作情報を指示することになる。 【0087】上記第1、第2実施形態では、副変速装置FHをギア式の副変速装置に構成して、そのギア式の副変速装置FHを複数の油圧クラッチC1,C2,C3を選択的に入り切りすることで所望の変速状態に変速操作する構成としたが、このような構成に限らず、例えば、主変速装置として、油圧ポンプと油圧モータとを備えて、斜板角度を変更させることで走行速度を変更調節する、所謂、静油圧式無段変速装置(HST)を左右の走行装置30に対して独立して備えさせて、各無段変速装置(HST)に対する油流量を変化させることで高低複数段階に変速状態を切り換える構成の副変速装置でもよい。 【0088】上記第1、第2実施形態では、副変速装置FHを、変速操作指令に基づいて変速制御手段100が制御する駆動手段KSによって電気的に変速操作するように構成したが、これ以外に、作業者が副変速レバー等を操作する操作力をそのまま利用して副変速装置FHを変速操作するものでもよい。 【0089】上記第1、第2実施形態では、主変速装置を無段変速装置39にて構成したが、これ以外に、主変速装置を複数段式の変速装置に構成して、主変速操作手段としての例えば変速レバー7の操作位置に応じて、主変速装置の変速段を切り換えるようにするものでもよい。又、副変速装置FHも3段式の変速装置に限らず、例えば2段式と等でもよい。 【0090】上記実施形態においては、本発明を作業車としての刈取収穫用のコンバインに適用したが、本発明をコンバイン以外の作業車に適用することもできる。そして、コンバイン以外の作業車(トラクタ等)では、前記減速操作情報や通常情報について適宜変更されることになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年11月5日(1999.11.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−132837(P2001−132837A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願平11−315048 |
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