トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
【発明者】 【氏名】大内 英男

【要約】 【課題】スリーブ1aの小径化を可能にして、小型且つ軽量で、しかもオルタネータの発電効率の向上も可能にする。

【解決手段】上記スリーブ1aの中間部内周面に形成した雌セレーション部10と、オルタネータの回転軸5の先端部外周面に形成した雄セレーション部11とを係合させる。又、この回転軸5の先端面に形成したねじ孔17にボルト20を螺合させ、このボルト20の頭部21に設けた鍔部22により、上記スリーブ1aの内周面に設けた段部18を抑え付ける。上記回転軸5の先端部内周面を円筒面部19にする事が可能になって、上記課題を解決できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 オルタネータを構成する回転軸と、この回転軸の先端部に外嵌固定自在なスリーブと、このスリーブの周囲にこのスリーブと同心に配置した、その外周面に無端ベルトを掛け渡し自在としたプーリと、これらスリーブの外周面とプーリの内周面との間に設け、このプーリに加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブとプーリとの相対回転を自在とするサポート軸受と、上記スリーブの外周面とプーリの内周面との間に設け、このプーリとスリーブとが所定方向に相対回転する場合にのみプーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自在とする一方向クラッチとを備えたオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に於いて、上記回転軸の先端部外周面に設けた雄セレーション部と、この回転軸の先端部に設けたねじ部と、上記スリーブの中間部内周面に形成した雌セレーション部と、この雌セレーション部よりも先端寄り部分で上記スリーブの中間部内周面に、この雌セレーション部よりも大径の円筒面部の端部から連続し、先端側に向いた状態で形成された段部と、上記ねじ部に螺合するねじ部材と、このねじ部材に付属の鍔部とを備え、上記雄セレーション部と雌セレーション部とを係合させた状態で上記ねじ部に上記ねじ部材を螺合させ、上記鍔部により上記段部を抑え付けて、上記スリーブが上記回転軸の先端側に抜け出るのを防止した事を特徴とするオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、各種エンジン用補機の一種であるオルタネータの回転軸の先端部に設置し、エンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プーリとの間にベルトを掛け渡す事により、上記オルタネータを駆動する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】オルタネータは、自動車の駆動用エンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プーリにその一部を掛け渡したベルトにより駆動する。この為に、オルタネータの回転軸の端部に固定した従動プーリと上記駆動プーリとの間に無端ベルトを掛け渡し、上記オルタネータを、駆動用エンジンと同期して回転駆動自在としている。
【0003】上記従動プーリとして従来一般的には、単に上記回転軸に固定しただけのものを使用していた。これに対して近年、ベルトの走行速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、ベルトから回転軸への動力の伝達を自在とし、ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、プーリと回転軸との相対回転を自在とする、オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が各種提案され、一部で使用されている。例えば、特開平7−31807〜8号公報、同8−61443号公報、同10−213207号公報、特公平7−72585号公報、フランス特許公報FR2726059A1等に、上述の様な機能を有するオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が記載されている。
【0004】図5は、これら各公報に記載される等により従来から知られているオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を示している。このオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、スリーブ1の周囲にプーリ2を、1対のサポート軸受3、3とローラクラッチ4とを介して、同心に支持して成る。上記スリーブ1は、全体を円筒状に形成しており、オルタネータの回転軸5(本発明の実施の形態を示す図1〜4参照)の先端部に外嵌固定して、この回転軸5と共に回転自在である。この為に、上記スリーブ1の中間部内周面に形成した雌ねじ部6に、上記回転軸5の先端部外周面に形成した雄ねじ部(図示せず)を螺合させる。そして、上記スリーブ1の先端部(図5の左端部)内周面に形成した六角孔部7に六角レンチ等の工具を係止して、上記雌ねじ部6と雄ねじ部とを緊締自在としている。一方、この様なスリーブ1の周囲に配置した、上記プーリ2は、円筒状の内周面と、無端ベルトを掛け渡し自在な凹溝を全周に亙って形成した外周面とを有する。
【0005】この様なスリーブ1の外周面とプーリ2の内周面との間に設けた、上記各サポート軸受3、3とローラクラッチ4とのうちのサポート軸受3、3は、上記プーリ2に加わるラジアル荷重を支承しつつ、上記スリーブ1とプーリ2との相対回転を自在とする。又、上記ローラクラッチ4は、このプーリ2がスリーブ1に対して所定方向に回転する場合にのみ、プーリ2とスリーブ1との間での回転力の伝達を自在とする。
【0006】上述の様な構成を有するオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を使用する理由は、次の2通りである。先ず、第一の理由は、無端ベルトの寿命を延長する為である。例えば、上記駆動用エンジンがディーゼルエンジンであった場合、アイドリング時等の低回転時には、クランクシャフトの回転角速度の変動が大きくなる。この結果、上記駆動プーリに掛け渡した無端ベルトの走行速度も細かく変動する事になる。一方、この無端ベルトにより従動プーリを介して回転駆動されるオルタネータの回転軸5は、この回転軸5並びにこの回転軸5に固定したロータ等の慣性質量に基づき、それ程急激には変動しない。従って、上記従動プーリを回転軸に対し単に固定した場合には、クランクシャフトの回転角速度の変動に伴い、上記無端ベルトと従動プーリとが両方向に擦れ合う傾向となる。この結果、この従動プーリと擦れ合う無端ベルトに、繰り返し異なる方向の応力が作用して、この無端ベルトと従動プーリとの間に滑りが発生し易くなったり、或はこの無端ベルトの寿命が短くなったりする原因となる。
【0007】そこで、この様な従動プーリとして、上記オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を使用する事により、上記無端ベルトの走行速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、上記従動プーリから回転軸5への回転力の伝達を自在とし、反対に上記無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、これら従動プーリと回転軸5との相対回転を自在とする。即ち、上記無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、上記従動プーリの回転角速度を上記回転軸の回転角速度よりも遅くして、上記無端ベルトと従動プーリとの当接部が強く擦れ合う事を防止する。この様にして、従動プーリと無端ベルトとの擦れ合い部に作用する応力の方向を一定にし、この無端ベルトと従動プーリとの間に滑りが発生したり、或はこの無端ベルトの寿命が低下する事を防止する。
【0008】第二の理由は、オルタネータの発電効率を向上させる為である。オルタネータのロータを固定した回転軸5は、自動車の駆動用エンジンにより、無端ベルトと従動プーリとを介して回転駆動する。固定式の従動プーリを使用すると、上記駆動用エンジンの回転速度が急激に低下した場合に、上記ロータの回転速度も急激に低下して、上記オルタネータによる発電量も急激に減少する。これに対して、上記オルタネータに付属の従動プーリとして、上記オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を使用すれば、上記駆動用エンジンの回転速度が急激に低下した場合でも、上記ロータの回転速度が慣性力により徐々に低下して、その間も発電を続ける。この結果、固定式の従動プーリを使用した場合に比べ、上記回転軸及びロータの運動エネルギを有効に利用して、オルタネータの発電量の増大を図れる。
【0009】上述した様な従来から知られているオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場合には、スリーブ1の内周面に形成した雌ねじ部6と回転軸5の外周面に形成した雄ねじ部とを螺合させ、更に緊締する際に、上記スリーブ1に大きなトルクを付与する為、図5及び図6〜7に示す様に、このスリーブ1の先端部内周面に六角孔部7を形成している。この六角孔部7の形成作業は、ブローチ加工により行なうが、この加工の容易化を図る為、上記六角孔部7の内周面を構成する6個所の平面部8、8のうち、互いに平行な平面部8、8同士の間隔D8 は、上記雌ねじ6の直径D6 よりも大きく(D8 >D6 )している。従って、上記六角孔部7の直径D7 は、上記雌ねじ6の直径D6 よりも相当に大きく(D7 ≫D6 )なっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場合、スリーブ1の先端部で六角孔7の周囲部分の肉厚を確保する必要上、このスリーブ1の直径を、回転軸5の周囲に固定し、且つこの回転軸5を回転させる為のトルクを伝達する為に、本来必要とする以上の大きさにしなければならない。この為、上記スリーブ1を含む、オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が必要以上に大型化する。本発明は、この様な事情に鑑みて、小型且つ軽量なオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を実現すべく発明したものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、前述した従来から知られているオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置と同様に、オルタネータを構成する回転軸と、この回転軸の先端部に外嵌固定自在なスリーブと、このスリーブの周囲にこのスリーブと同心に配置した、その外周面に無端ベルトを掛け渡し自在としたプーリと、これらスリーブの外周面とプーリの内周面との間に設け、このプーリに加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブとプーリとの相対回転を自在とするサポート軸受と、上記スリーブの外周面とプーリの内周面との間に設け、このプーリとスリーブとが所定方向に相対回転する場合にのみプーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自在とする一方向クラッチとを備える。
【0012】特に、本発明のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に於いては、上記回転軸の先端部外周面に設けた雄セレーション部と、この回転軸の先端部に設けたねじ部と、上記スリーブの中間部内周面に形成した雌セレーション部と、この雌セレーション部よりも先端寄り部分で上記スリーブの中間部内周面に、この雌セレーション部よりも大径の円筒面部の端部から連続し、先端側に向いた状態で形成された段部と、上記ねじ部に螺合するねじ部材と、このねじ部材に付属の鍔部とを備える。そして、上記雄セレーション部と雌セレーション部とを係合させた状態で上記ねじ部に上記ねじ部材を螺合させ、上記鍔部により上記段部を抑え付けて、上記スリーブが上記回転軸の先端側に抜け出るのを防止している。
【0013】
【作用】上述の様に構成する本発明のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場合には、スリーブの先端部内周面は円筒面部で良く、六角孔部の如き非円形面部とする必要がない。従って、上記スリーブの先端部の肉厚を確保する場合に、このスリーブの外径を大きくする必要がなくなり、オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の小型・軽量化を図れる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、全体を円筒状に形成して、オルタネータの回転軸5の端部に外嵌固定するスリーブ1aと、このスリーブ1aの周囲にこのスリーブ1aと同心に配置したプーリ2aとを備える。このうちのスリーブ1aは、上記回転軸5と共に回転自在である。この為に本発明の場合には、上記スリーブ1aの中間部内周面に雌セレーション部10を形成し、この雌セレーション部10と、上記回転軸5の先端部外周面に形成した雄セレーション部11とを係合させている。
【0015】又、上記回転軸5の中間部基端寄り(図1の右端寄り)部分には、段差部12を形成している。そして、この段差部12と上記スリーブ1aの基端面(図1の右端面)との間で、深溝型の玉軸受である転がり軸受13の内輪14を挟持している。又、この転がり軸受13の外輪15は、図示しないオルタネータのハウジングの先端開口部に内嵌支持している。従って上記回転軸5の中間部先端寄り部分は、上記転がり軸受13によって、上記ハウジングに対し回転自在に支持している。又、上記スリーブ1aの基端部内周面及び上記回転軸5の先端部で上記雄セレーション部11よりも中間寄り部分は、互いにがたつきなく(多少の締り嵌めにより)嵌合する円筒面部として、上記スリーブ1aを上記回転軸5に対し、同心に外嵌自在としている。尚、この回転軸5の先端部外周面で上記雄セレーション部11と円筒面部との間には、この雄セレーション11を形成する為の逃げ溝16を形成している。
【0016】又、上記回転軸5の先端面中央部には、請求項に記載したねじ部に相当する、ねじ孔17を形成している。一方、上記スリーブ1aの中間部内周面で上記雌セレーション部10よりも先端寄り部分に段部18を、先端側(図1の左側)に向いた状態で形成している。即ち、この段部18は、上記スリーブ1aの先端部内周面に形成した、上記雌セレーション部10よりも大径の円筒面部19の基端部から直径方向内方に折れ曲がり、これら雌セレーション部10と円筒面部19とを連続させる状態で形成している。
【0017】更に、上記ねじ孔17に、請求項に記載したねじ部材に相当する、ボルト20を螺合し更に緊締している。このボルト20を構成する頭部21の基端部(図1の右端部)には、この頭部21の外接円の直径よりも大きく、上記円筒面部19の内径よりも僅かに小さな外径を有する、外向フランジ状の鍔部22を設けている。尚、上記段部18の直径方向に関する幅寸法は、この鍔部22との当接面積を確保できる程度であれば良く、この当接面積を確保し、当接部に過大な面圧が加わらない範囲で、できる限り小さくする。この構成により、上記円筒面部19の内径をできる限り小さくする事が可能になる。即ち、前述した従来構造の様に、スリーブの先端部に六角孔部を形成した場合に比べて、この先端部の肉厚を確保しつつ、上記スリーブ1aの外径を小さくする事が可能になる。尚、上記鍔部22は、上記ボルト20と一体に形成する他、このボルト20のねじ杆部23に外嵌した、円輪状のワッシャにより構成しても良い。
【0018】何れにしても、上記ボルト20は、上記回転軸5の外周面の雄セレーション部11と、上記スリーブ1aの内周面の雌セレーション部10とを係合させた状態で上記ねじ杆部23を上記回転軸5の先端面に形成したねじ孔17に螺合し、更に緊締する。そして、この緊締により、上記鍔部22を上記スリーブ1a内周面の段部18に押し付ける。この状態では、上記スリーブ1aの基端面が前記転がり軸受13の内輪14の先端面に押し付けられ、更にこの内輪14の基端面が、上記回転軸5の中間部基端寄り部分に形成された前記段差部12に押し付けられる。従って、上記ボルト20を緊締した状態では、上記スリーブ1a及び内輪14が、上記段差部12と鍔部22との間で強く挟持され、軸方向の位置決めを図られる。そして、上記スリーブ1aが上記回転軸5の先端側に抜け出るのを防止する。
【0019】尚、図示の例では、上記回転軸5の先端部に形成した雄セレーション11とねじ孔17とのうち、外周面に形成した雄セレーション11の軸方向長さL11を、内部に形成したねじ孔17の軸方向長さL17よりも大きく(L11>L17)している。この様に各部の寸法を規制する事により、上記雄セレーション11の基端部の内径側にねじ孔17が存在せず、この内径側部分の肉厚を十分に確保できる様にしている。従って、トルク伝達時に特に大きな力が加わる、上記雄セレーション11の基端部に生じる応力の緩和を図れる。
【0020】更に、図示の例では、上記ボルト20の頭部21を、上記スリーブ1aの先端部に形成した円筒面部19の内径側に位置させて、上記ボルト20がこのスリーブ1aの先端面から突出しない様にしている。この様な構成により、上記ボルト20を含む、オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置全体の軸方向寸法を小さくして、小型且つ軽量なオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の実現を可能にしている。
【0021】上述の様にして、上記回転軸5の先端部に支持固定する、上記スリーブ1aの周囲に設ける、前記プーリ2aは、その内側に次述するサポート軸受3a、3a及び一方向クラッチであるローラクラッチ4aを装着する。又、上記プーリ2aの外周面には、それぞれが断面V字形である複数本(本例の場合には4本)の凹溝24、24を、互いに平行に且つそれぞれ全周に亙って形成している。この様なプーリ2aと図示しない駆動プーリとの間には、内周面に断面V字形で全周に亙って連続するリブを複数本(本例の場合には4本)形成した無端ベルト(図示せず)を掛け渡す。
【0022】上記スリーブ1aの外周面と上記プーリ2aの内周面との間には、それぞれが深溝型の玉軸受である1対のサポート軸受3a、3aと、請求項に記載した一方向クラッチに相当するローラクラッチ4aとを設けている。このうちのローラクラッチ4aを構成する為、上記スリーブ1aの中間部に形成した大径部25の外周面にローラクラッチ用内輪26を、締まり嵌めにより外嵌固定している。このローラクラッチ用内輪26の外周面は、円周方向に亙る凹凸面であるカム面27としている。そして、このローラクラッチ用内輪26の外周面と、上記プーリ2aの中間部内周面に締り嵌めにより内嵌固定したローラクラッチ用外輪28の内周面との間に、クラッチ用保持器29と、このクラッチ用保持器29に転動並びに円周方向に関する若干の変位自在に保持した複数個のローラ30と、このローラ30を円周方向に関して同方向に押圧するばね(図示せず)とを設けている。この様な構成により上記ローラクラッチ4aは、周知の様に、上記プーリ2aとスリーブ1aとの間で、所定方向の回転のみを伝達する。
【0023】又、上記各サポート軸受3a、3aは、上記プーリ2aとスリーブ1aとの間に加わるラジアル荷重及びスラスト荷重を支承して、上記ローラクラッチ4aに過大なラジアル荷重が加わるのを防止すると共に、上記プーリ2aとスリーブ1aとが軸方向にずれ動く事を防止する。
【0024】上述の様に構成する本発明のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、ローラクラッチ4aが、ローラクラッチ用外輪28を内嵌固定したプーリ2aと回転軸5との間で、所定方向の回転力のみを伝達する。そして、上記プーリ2aに掛け渡した無端ベルトに加わる力の方向を一定にして、この無端ベルトの耐久性の向上を図ると共に、オルタネータの発電効率の向上を図る。
【0025】特に、本発明のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場合には、上記スリーブ1aの先端部内周面は円筒面部19で良く、前述の図5に示した従来構造の様に、六角孔部7の如き非円形面部とする必要がない。従って、上記スリーブ1aの先端部の肉厚を確保する場合に、このスリーブ1aの外径を大きくする必要がなくなり、オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の小型・軽量化を図れる。
【0026】次に、図2は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、スリーブ1bの中間部内周面に形成した雌セレーション部10を構成するセレーション歯の、軸方向に関する先端面(図2の左端面)を、ボルト20に付属の鍔部22を突き当てる為の段部18aとしている。この様な本例の場合には、これら鍔部22と段部18aとの当接面積が狭くなるが、上記雌セレーション部10(及び雄セレーション部11)は焼き入れ硬化されており、上記段部18aの硬度も十分に高い為、ボルト20を緊締した場合でも、この段部18aが変形する事はない。
【0027】又、本例の場合には、一方向クラッチとして、スプラグ型等のカムクラッチ31を使用している。そして、上記スリーブ1bの中間部外周面及びプーリ2aの中間部内周面を、それぞれカム32と摺接する、円筒状の摩擦面としている。この為に本例の場合には、上記スリーブ1b及びプーリ2aを、S53C又はS55C等の炭素鋼により造り、上記摩擦面となる外周面又は内周面を高周波焼き入れ硬化した後、研削加工して、平滑な円筒面としている。
【0028】尚、本例の場合には、上記スリーブ1bの先端部内周面に設けた円筒面部19aの内径R19a は、上記雌セレーション部10の歯底円の直径R10よりも少し(0.5〜1mm程度)だけ大きく{R19a =R10+(0.5〜1mm)}している。従って、上記スリーブ1bの先端部の肉厚を確保しても、このスリーブ1bの外径をより小さくして、オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置のより一層の小型・軽量化を図れる。その他の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様である。
【0029】次に、図3は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、回転軸5の先端面中央部に、請求項に記載したねじ部に相当する雄ねじ部33を設け、この雄ねじ部33に、請求項に記載したねじ部材に相当するナット34を螺合し更に緊締している。そして、このナット34に付属の鍔部22により、スリーブ1bの中間部内周面に形成した段部18aを抑え付けている。その他の構成及び作用は、上述した第2例の場合と同様である。
【0030】次に、図4は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、ボルト20aの頭部21aの外周面は円筒面とし、代わりに、この頭部21aの端面中央部に、六角孔等の、六角レンチ等の工具の端部を係合させる為の係合凹部35を形成している。この様な本例の場合には、上記頭部21aの外周面とスリーブ1bの先端部内周面との間に、工具を挿入する為の隙間を介在させる必要がなくなる。この為、上記スリーブ1bをより一層小径化する事も可能になる。その他の構成及び作用は、前述した第2例の場合と同様である。
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、小型且つ軽量なオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を実現できる。又、プーリの直径を小さくできる為、オルタネータの回転軸の回転速度を高くして、発電効率の向上を図れる。更には、プーリの小径化に伴い、このプーリの慣性モーメントが小さくなるので、エンジンのクランク軸の角速度変動に伴い、無端ベルトの走行速度が微小変動しても、この無端ベルトに上記プーリから負荷される荷重の変動が小さくなり、この無端ベルトの耐久性向上を図れる。
【出願人】 【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
【出願日】 平成11年11月4日(1999.11.4)
【代理人】 【識別番号】100087457
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 武男 (外1名)
【公開番号】 特開2001−132824(P2001−132824A)
【公開日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【出願番号】 特願平11−313911