| 【発明の名称】 |
ピニオンおよび車両用空気調和装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】井澤 友樹
【氏名】城山 勝成
【氏名】柴田 智彦
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| 【要約】 |
【課題】モータの過剰トルクを吸収することができるピニオン、該ピニオンを用いた車両用空気調和装置を提供すること。
【解決手段】外周にギヤ溝が形成された管状のギヤ部62と、ギヤ部62内に設けられ回転軸が嵌合するシャフト部63と、ギヤ部62内に設けられ回転軸の回転を前記ギヤ部62に伝達する弾性体64とからなる。モータの過剰トルクは弾性体64のねじれにより吸収される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ラックと組み合わせて使用されるピニオンであって、外周にギヤ溝が形成された管状のギヤ部と、当該ピニオンに連結されるシャフト側との間に弾性体が設けられていることを特徴とするピニオン。 【請求項2】 請求項1記載のピニオンにおいて、前記シャフト側から径方向外側に突出するシャフト側ストッパと、前記ギヤ部から径方向内側に突出するギヤ部側ストッパと、前記シャフト側ストッパとギヤ部側ストッパとの間に設けられた前記弾性体とを備えていることを特徴とするピニオン。 【請求項3】 請求項1または2に記載のピニオンにおいて、前記弾性体は、ゴムであることを特徴とするピニオン。 【請求項4】 請求項1または2に記載のピニオンにおいて、前記弾性体は、コイルスプリングであることを特徴とするピニオン。 【請求項5】 導入空気量を調整するため、空気の導入部にスライド自在に設けられたスライドダンパを備えた車両用空気調和装置であって、前記スライドダンパを駆動させる駆動機構に過大なトルクが入力されるのを防止するため、トルク吸収部が備えられていることを特徴とする車両用空気調和装置。 【請求項6】 請求項5に記載の車両用空気調和装置において、前記駆動機構が、前記スライドダンパを駆動させるため、その一側面に設けられたラックと、該ラックに噛み合うピニオンとを備え、該ピニオンは、外周にギヤ溝が形成された管状のギヤ部と、該ギヤ部内に設けられた前記トルク吸収部としての弾性体とからなることを特徴とする車両用空気調和装置。 【請求項7】 請求項6に記載の車両用空気調和装置において、前記ピニオンに連結されるシャフト側から径方向外側に突出するシャフト側ストッパと、前記ギヤ部から径方向内側に突出するギヤ部側ストッパと、前記シャフト側ストッパとギヤ部側ストッパとの間に設けられた前記弾性体とを備えていることを特徴とする車両用空気調和装置。 【請求項8】 請求項5に記載の車両用空気調和装置において、前記駆動機構が、前記スライドダンパの一側面に設けられたラックと、該ラックに噛み合うピニオンとから構成され、トルク吸収部として、前記ピニオンと駆動源との間にトーションバーが設けられていることを特徴とする車両用空気調和装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両等に設けられる空気調和装置のダンパ開閉機構に用いられるピニオンおよび該ピニオンを用いた車両用空気調和装置に関する。 【0002】 【従来の技術】自動車等の車室内を空気調和することにより乗員にとって快適な車室環境を提供することができる車両用空気調和装置は、ブロワファン、エバポレータ、ヒータコア及び各種ダンパを備えてなる空気調和ユニットと、低温低圧の液冷媒を空気調和ユニット内のエバポレータへ供給する冷媒系と、高温のエンジン冷却水を空気調和ユニット内のヒータコアへ導入する加熱源系と、温度、湿度、日射量及び乗員の好み等の諸条件に応じて車両用空気調和装置の作動制御を行う制御部とにより構成されている。 【0003】このうち、図6に示す空気調和ユニット1Aは、内外気箱10、ブロワ部20、クーラ部30、ヒータ部40が一体となったものである。この空気調和ユニット1は、一般的なセダン型乗用車の場合、助手席側のダッシュボード下方に配置されている。以下、この空気調和ユニット1Aの構成を空気の流れの順に簡単に説明する。 【0004】最初の内外気箱10は、外気a(車室外の空気)または内気b(車室内の空気)のいずれか一方を選択する機能を有する部分であり、外気導入口11a及び内気導入口11bが設けられている。両導入口11a,11bは、内部に設けられた内外気切換ダンパ(不図示)の操作によりいずれか一方を閉じて、導入する空気(以下、導入空気と呼ぶ)を選択するようになっている。内外気箱10の下流にはブロワ部20が接続して設けられ、ブロワファン21の作動により外気aまたは内気bを吸引して後述するクーラ部30へ送風する機能を有している。 【0005】クーラ部30は、ヒータ部40とともにケース41内に配設されている。クーラ部30は、ブロワ部20から送風されてきた導入空気をエバポレータ31で冷却及び除湿する機能を有している。このエバポレータ31は、冷房運転時に冷媒系から低温低圧の液冷媒の供給を受け、通過する導入空気と熱交換して冷却及び除湿する。ヒータ部40は、クーラ部30から送られてきた導入空気を選択的に加熱すると共に、運転モードに対応した吹出口から空調された空気を吹き出す機能を有している。ケース41内には、加熱源系から熱源としてエンジン冷却水の供給を受けるヒータコア42が設置されている。ヒータコア42を通過する導入空気の流量は、図7に示すエアミックスダンパ43の開度によって調整され、これにより空調空気の温度が制御される。また、ケース41には、デフロスト吹出口44、フェイス吹出口45及びフット吹出口46が設けられ、各吹出口には、それぞれデフロトダンパ44a、フェイスダンパ45a及びフットダンパ(不図示)が取り付けられている。 【0006】さて、上述した車両用空気調和装置は、空気調和ユニット1Aのケース41内に設置された各種ダンパを開閉操作することにより、以下の運転モードを選択することができる。「デフロスト吹出モード」は、冬季走行前のフロントガラスの霜取り及び雨天走行中のフロントガラスの曇りを除去するために、フロントガラスなどの内面に直接当たるよう温風及び除湿した風を全てデフロスト吹出口44から吹き出すものである。「フェイス吹出モード」は、主として夏季の冷房運転時に乗員の上半身へ向けて、フェイス吹出口45から冷風を吹き出すものである。「フット吹出モード」は、主として冬季の暖房運転時にフット吹出口46から乗員の足元へ温風を吹き出すものであるが、同時に、フロントガラス等の曇りを除去するため温風の一部をデフロスト吹出口44からも吹き出している。一般的な分配割合では、フット吹出口46から全吹出風量の70〜80%を吹き出すようになっている。 【0007】「バイレベル吹出モード」は、主として春や秋の中間期に用いられ、フェイス吹出口45及びフット吹出口46の両方から空調された空気を吹き出すものであり、この場合は、フェイス吹出口45からの吹き出し風をフット吹出口46より低温とする頭寒足熱とするのが一般的である。なお、この場合の分配割合は、50%ずつとするのが一般的である。「ブレンド(フット/デフロスト)吹出モード」は、冬季に用いられてデフロスト吹出口44及びフット吹出口46の両方から空調された空気を吹き出すものである。この場合の分配割合は、50%ずつとするのが一般的である。 【0008】ところで、上述した従来の空気調和装置では、エアミックスダンパ43の開閉は以下のようにして行われている。 【0009】エアミックスダンパ43には下面にラック43aが設けられており、エアミックスダンパ43下方に設けられたピニオン60が噛み合っている。ピニオン60はステッピングモータ61により回転数を制御されて駆動され、エアミックスダンパ43を開閉するようになっている。 【0010】エアミックスダンパ43によりヒータコア42を全閉とするとき、図7においてエアミックスダンパ43を左端に移動させる。このとき、ステッピングモータ61を駆動させてエアミックスダンパ43を左端の壁部に当接するまで移動させた後、更に引き続いて2秒程度ステッピングモータ61を駆動し、エアミックスダンパ43を壁部に押し当てる。これは、確実にエアミックスダンパ43を閉とするためである。同様にヒータコア43を全開とする場合、図においてエアミックスダンパ43を右端の壁部に当接するまで移動させた後、更に引き続いて2秒程度ステッピングモータ61を駆動し、エアミックスダンパ43を壁部に押し当てる。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】ここで、エアミックスダンパ43が壁部に当接した後、エアミックスダンパ43はそれ以上は移動しないため、ステッピングモータ61のトルクはピニオン60とエアミックスダンパ43のラック43aとの係合部分に作用する。このステッピングモータ61の過剰トルクにより、エアミックスダンパ43aが押し上げられてしまい、歯とびが発生するという問題があった。 【0012】上記事情に鑑み、本発明においてはモータの過剰トルクを吸収することができるピニオン、該ピニオンを用いた車両用空気調和装置を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明においては、ラックと組み合わせて使用されるピニオンにおいて、外周にギヤ溝が形成された管状のギヤ部と、当該ピニオンに連結されるシャフト側との間に弾性体が設けられていることを特徴とする。例えば、図1に示すように、外周にギヤ溝が設けられたギヤ部62と、その内部の弾性体64とを備える。回転軸に嵌入するためにはシャフト部63を設ければよいが、シャフトを直接弾性体64に挿入するようにしてもよい。このピニオンにおいては、ステッピングモータの回転がピニオンの弾性体に伝達され、この弾性体を介してギヤ部にトルクが伝達される。ピニオンが回転可能である場合、ギヤ部が回転することにより、ダンパが開閉される。ダンパが壁部に当接して移動が阻止されている場合、ステッピングモータの過剰トルクが弾性体がねじれることにより吸収され、過剰トルクによる歯飛が防止される。 【0014】なお、上記構成であると、弾性体のねじれにより弾性体がねじ切られる場合がある。これを防止するためには、図2に示すように、シャフト側から径方向外側に突出するシャフト側ストッパ63aと、前記ギヤ部62から径方向内側に突出するギヤ部側ストッパ62aとを設け、これらシャフト側ストッパ63aとギヤ部側ストッパ62aとの間に弾性体64を設ければよい。これにより、弾性体64はシャフト側ストッパ63aとギヤ部側ストッパ62aとの間で圧縮され、ねじ切られることが防止される。なお、弾性体64としては、ゴムや、図3に示すコイルスプリングが挙げられる。 【0015】上記ピニオンは、車両用空気調和装置に設けられたスライドダンパを駆動させる駆動機構に応用することができる。すなわち、スライドダンパの一側面に設けられたラックに噛み合うピニオンに応用可能である。その際、過大なトルクが入力されるのを防止するため、上記弾性体をトルク吸収部として設ける。トルク吸収部としては、上記以外に、ピニオンと駆動源との間に設けられたトーションバーも用いることができる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車両用空気調和装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。図4ないし図7は本発明による車両用空気調和装置の構成を示す図であり、この車両用空気調和装置は、大きくは冷暖房などの空気調和を行う車両用空気調和ユニット(以下空気調和ユニット)1Aと、冷房運転時に空気調和ユニット1Aへ冷媒を供給する冷媒系2と、暖房運転時に空気調和ユニット1Aへ熱源となるエンジン冷却水を供給する加熱源系3と、装置全体の作動制御を行う制御部4とにより構成されている。 【0017】空気調和ユニット1Aは、図6に示すように、内外気箱10、ブロワ部20、クーラ部30、ヒータ部40が一体となったものである。この空気調和ユニット1Aは、一般的なセダン型乗用車の場合、図4及び図5に示すように車室内から見て左側(助手席側)で、しかも、ダッシュボード5の下方に配置されている。以下、この空気調和ユニット1Aを空気の流れの順に説明する。 【0018】図6において、最初の内外気箱10は、空気調和ユニット1Aに導入する空気を外気aまたは内気bのいずれか一方に選択切り換えする機能を有する部分である。ここでは、車室外に連通する外気導入口11aと車室内に連通する内気導入口11bとが設けられており、両導入口11a,11bのいずれか一方を内外気切換ダンパ(不図示)により閉じて、導入する空気(以下、導入空気と呼ぶ)を選択するようになっている。 【0019】ブロワ部20は、内外気箱10の下流に接続して設けられ、ブロワファン21の作動により外気aまたは内気bを選択的に吸引して後述するクーラ部30へ送風する機能を有している。このブロワファン21は、電動モータ22を駆動源とし、一般的には停止位置の他に、複数の風量切換ができるようになっている。なお、車両の走行中に外気aを導入する場合には、ブロアファン21が停止していても走行風である外気aをクーラ部30へ流すことができる。 【0020】クーラ部30とヒータ部40とはケース41内に配置されている。クーラ部30は、ブロワ部20から送風されてきた導入空気を冷却して除湿する機能を有している。このクーラ部30は、冷房用の熱交換器であるエバポレータ31を備えている。エバポレータ31は、冷房運転時に後述する冷媒系2から低温低圧の液冷媒の供給を受け、ブロワ部20から送風されてきてこのエバポレータ31を通過する導入空気と液冷媒との間で熱交換させる。この結果、導入空気は冷媒に熱を奪われて冷却及び除湿された冷風となり、後述するヒータ部40へ導かれる。 【0021】ヒータ部40は、クーラ部30から送られてきた導入空気を選択的に加熱すると共に、各運転モードに対応した吹出口から空調された空気を吹き出す機能を有している。このヒータ部40は、ヒータコア42と、このヒータコア42を通過する導入空気の流量を調整するエアミックスダンパ43とを備える。また、ケース41には、デフロスト吹出口44、フェイス吹出口45及びフット吹出口46が設けられ、各吹出口には、それぞれデフロトダンパ44a、フェイスダンパ45a及びフットダンパ(不図示)が取り付けられていて、これらダンパにより各吹出口の開度を調整することにより、以下のような吹出モードが行われる。 【0022】デフロスト吹出口44は、冬季走行前のフロントガラスの霜取り及び雨天走行中のフロントガラスの曇りを除去するために、フロントガラスなどの内面に直接当たるよう温風及び除湿した風を吹き出すものである。このようにデフロスト吹出口44から空調空気の全量を吹き出す空調運転モードは、「デフロスタ吹出モード」と呼ばれている。また、フェイス吹出口45は、主として夏季の冷房運転時に乗員の上半身へ向けて冷風を吹き出すものであり、このような空調運転モードは「フェイス吹出モード」と呼ばれている。そして、フット吹出口46は、主として冬季の暖房運転時に乗員の足元へ温風を吹き出すものであり、「フット吹出モード」と呼ばれている。この空調運転モードでは、空調空気(温風)の一部を、通常は20%程度の少量を同時にデフロスト吹出口44から吹き出してフロントガラス等の曇りを除去するようになっている。なお、主として春や秋の中間期に用いられ、フェイス吹出口45及びフット吹出口46の両方から空調された空気を吹き出す「バイレベル吹出モード」と呼ばれる空調運転モードもあり、この場合は、フェイス吹出口45からの吹き出し風をフット吹出口46より低温とする頭寒足熱とするのが一般的である。また、冬季に用いられる、デフロスタ吹出口44及びフット吹出口46の両方から空調された空気を吹き出す「ブレンド吹出モード」と呼ばれる空調運転モードもある。 【0023】ヒータコア42は、暖房運転時に後述する加熱源系3から高温のエンジン冷却水の供給を受け、クーラ部30から送風されてきた導入空気を加熱する熱交換器である。ヒータ部40に送られた導入空気は、エアミックスダンパ43の開度に応じて、ヒータコア42を通過するものと、ヒータコア42を通過しないものとに分類される。 【0024】エアミックスダンパ43には下面にラック43aが設けられており、エアミックスダンパ43下方に設けられたピニオン60が噛み合っている。ピニオン60はステッピングモータ61により回転数を制御されて駆動され、エアミックスダンパ43を開閉するようになっている。ピニオン60は、図1に示す断面形状となっており、樹脂により形成された管状のシャフト部63と、同じく樹脂製でありギヤ溝が形成されたギヤ部62と、シャフト部63とギヤ溝62との間に設けられたゴム64とが一体成形されたものである。また、シャフト部63にはステッピングモータ61の回転軸がインサート成形されている。 【0025】次に、冷媒系2の構成を図4に基づいて説明する。この冷媒系2は、エバポレータ31に低温低圧の液冷媒を供給するもので、コンプレッサ51、コンデンサ52及び膨張弁53とを具備している。なお、この冷媒系2は、冷房・除湿機能を必要としない場合は、上述したエバポレータ31と共に設置が省略される。コンプレッサ51は、エバポレータ31で車室内の熱を奪って気化した低温低圧のガス冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒としてコンデンサ52へ送り出すものである。自動車用空気調和装置の場合、コンプレッサ51は、通常エンジン54よりベルト及びクラッチを介して駆動力を受ける。コンデンサ52は、エンジンルーム6の前部に配設され、コンプレッサ51から供給された高温高圧のガス冷媒を外気で冷却し、ガス状の冷媒を凝縮液化させるものである。こうして液化された冷媒は、レシーバ(図示省略)へ送られて気液の分離がなされた後、高温高圧の液冷媒として膨張弁53に送られる。この膨張弁53では、高温高圧の液冷媒を減圧・膨張させることによって低温低圧の液(霧状)冷媒とし、エバポレータ31へ供給する。なお、膨張弁53は、一般的にはエバポレータ31と共にクーラ部30内の適所に設置される。 【0026】続いて、加熱源系3の構成を図4に基づいて簡単に説明する。この加熱源系3は、ヒータコア42に熱源となる高温のエンジン冷却水を供給するもので、エンジン54とラジエタ55との間を循環するエンジン冷却水系から、その一部を空気調和装置に導入するものである。 【0027】最後に、制御部4の構成を図5に基づいて簡単に説明する。この制御部4は、空気調和装置を構成している空気調和ユニット1A、冷媒系2及び加熱源系3の作動制御を行うもので、通常、乗員が各種の設定を行う操作パネルに制御回路を組み込んで、インスツルメントパネルの中央部に設置されている。この制御部4では、内外気切換ダンパ12の切り換え操作、ダンパ類の開閉操作による各種運転モードの選択切り換え、ブロワファン21の風量切り換え及び所望の温度設定操作などを行うことができる。 【0028】このように構成された車両用空気調和装置では、ブロアファン21を駆動することにより、外気aまたは内気bが内外気箱10の外気導入口11aまたは内気導入口11bから空調ダクトAD内に導入され、この導入空気はブロワ部20を通って空調ダクトAD内を下流側のクーラ部30へと送られる。クーラ部30内を流れる導入空気はエバポレータ31を通過するが、ここでは冷媒系2から低温低圧の液冷媒が供給される冷房運転時に冷媒と熱交換して冷却及び除湿され、さらに下流側のヒータ部40へ流れる。 【0029】一方、冷却及び除湿されてヒータ部40に送られてきた導入空気は、エアミックスダンパ43がヒータコア42側通路を完全に覆っていると、導入空気はその全量がヒータコア42を通過せずに各吹出口44,45,46に向かい、ダンパが開状態にされた吹出口から車室内に冷風が吹き出される。また、エアミックスダンパ43がヒータコア42側通路を全開しているときは、導入空気の全部がヒータコア42を通過して加熱され、ダンパが開状態の吹出口から車室内に温風が吹き出される。さらにまた、エアミックスダンパ43が中間位置にあるときは、ヒータコア42を通過しない冷風とヒータコア42を通過した温風とが、エアミックスダンパ43の下流側でその開度に応じて混合され、所望の温度に空調された空気が運転モードに応じて、ダンパが開状態にある吹出口から車室内に吹き出される。 【0030】以上のように構成された空気調和装置におけるエアミックスダンパ43の動作について詳細に説明する。エアミックスダンパ43によりヒータコア42を全閉とするとき、図7においてエアミックスダンパ43を左端に移動させる。詳細には、ステッピングモータ61を駆動させてエアミックスダンパ43を左端の壁部に当接するまで移動させた後、更に引き続いて2秒程度ステッピングモータ61を駆動し、エアミックスダンパ43を壁部に押し当てる。これは、確実にエアミックスダンパ43を閉とするためである。 【0031】このとき、エアミックスダンパ43は壁部に当接して移動が阻止されているため、ステッピングモータ61を駆動してもダンパ43はそれ以上移動しない。このときのステッピングモータ61の過剰トルクはゴム64の変形により吸収されることとなる。すなわち、エアミックスダンパ43の移動は阻止されているのでギヤ部62は回転しないが、シャフト部63はステッピングモータ61の回転軸によりトルクが伝達されているため、ゴム64がねじれるようにトルクが作用する。このトルクはゴム64が弾性的にねじれることにより吸収される。これにより、ギヤ部62とエアミックスダンパ43との間にステッピングモータ61の過剰なトルクが伝達することが防止され、歯とびの発生が防止される。 【0032】エアミックスダンパ43を図7で右端に移動させる場合にも、上記と同様にゴム64の応力により過剰なトルクが吸収される。なお、エアミックスダンパ43が壁部に当接していない状態(左右に移動自在である状態)では、ステッピングモータ61のトルクがゴム64を介してギヤ部62に伝達され、ギヤ部62が回転することにより、エアミックスダンパ43が移動する。 【0033】上記実施形態においては、ゴム64はねじれにより過剰トルクを吸収している。この場合、ゴム64がねじ切れるおそれがあるが、これを防止するために、ピニオン60を図2のように構成してもよい。図2において、ピニオン60は、樹脂製のシャフト部63と、ギヤ溝が形成されたギヤ部62と、シャフト部63とギヤ部62との間に設けられたゴム64とが一体成形されたものである。シャフト部63には、複数のストッパ63aが周方向に間隔をあけて径方向外側に向けて突出している。一方、ギヤ部62には、複数のストッパ62aが周方向に間隔をあけて径方向内側に向けて突出しており、通常状態において、ストッパ63aとは周方向に所定間隔を隔てており、これらの間にゴム64が介在している。 【0034】ステッピングモータ61を駆動させてエアミックスダンパ43を左端の壁部に当接するまで移動させた後、更に引き続いて2秒程度ステッピングモータ61を駆動し、エアミックスダンパ43を壁部に押し当てる。このとき、エアミックスダンパ43は壁部に当接して移動が阻止されているのであるから、ステッピングモータ61のトルクはゴム64に吸収される。すなわち、エアミックスダンパ43の移動は阻止されているのでギヤ部62は回転しないが、シャフト部63はステッピングモータ61の回転軸によりトルクが伝達されているため、ゴム64がねじれるようにトルクがゴム64に作用する。本実施形態では、さらに、ストッパ62a、63aとの間でゴム64が弾性的に圧縮されることにより、過剰なトルクを吸収する。 【0035】さらに、図3に示すように、ストッパとストッパとの間にゴムではなくコイルスプリング65を設けてもよい。これによっても上記と同様の効果を得ることができる。さらに、ピニオン60自体は上記従来技術と同じものを採用し、シャフトにトーションバーを用いることとしてもよい。トーションバーがねじれにることにより、ステッピングモータの過剰トルクを吸収するので、歯とびが防止される。 【0036】このように、本実施形態においては、ピニオン60の内部に設けられた弾性体により、過剰なトルクが吸収される。したがって、ピニオンとエアミックスダンパとの間の歯とびを防止することができる。 【0037】 【発明の効果】以上説明したように、本発明においては、ピニオンのギヤ部内に設けられた弾性体、または、ピニオンと駆動源との間に設けられたトーションバー等のトルク吸収部により、過剰なトルクが吸収される。したがって、歯とびを防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月5日(1999.11.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100112737 【弁理士】 【氏名又は名称】藤田 考晴 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−132821(P2001−132821A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願平11−316042 |
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