| 【発明の名称】 |
無段変速トランスミッション及び無段変速トランスミッションを備えた車輌の伝動構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】根本 秀介
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| 【要約】 |
【課題】ハウジングが車体フレームの少なくとも一部を構成するHSTにおいて、油圧ポンプ及び油圧モータの大型化に伴う車体フレームの大型化を極力抑えることができるHST、並びに該HSTを備えた車輌の伝動構造を提供する。
【解決手段】油圧ポンプ及び油圧モータは、それぞれ、別体とされた油圧ポンプ用基板及び油圧モータ用基板を介して、車体長手方向に沿ってハウジング内に配設されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流体的に相互連結された油圧ポンプ及び油圧モータと、該油圧ポンプ及び油圧モータを収容するハウジングとを備え、該ハウジングが車体フレームの少なくとも一部を形成する無段変速トランスミッションであって、前記油圧ポンプ及び油圧モータは、それぞれ、別体とされた油圧ポンプ用基板及び油圧モータ用基板を介して、車体長手方向に沿って配設されていることを特徴とする無段変速トランスミッション。 【請求項2】 前記油圧ポンプ用基板及び油圧モータ用基板は、前記ハウジングに囲繞されていることを特徴とする請求項1に記載の無段変速トランスミッション。 【請求項3】 動力伝達経路の前段側から後段側に向かって、順に、油圧ポンプ及び油圧モータが配設され、前記ハウジングには、周壁の内周面から径方向内方へ延在し、前記油圧ポンプ用基板が取り付けられるフランジ部が設けられ、該フランジ部は、少なくとも前記ハウジングの下方部分の周方向全域に亘って形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の無段変速トランスミッション。 【請求項4】 前記油圧ポンプ及び油圧モータ間の油圧回路に作動油を補給するチャージポンプを備え、前記ハウジング内のうち前記油圧ポンプ用基板と油圧モータ用基板とに挟まれる空間に、前記油圧ポンプ、油圧モータ及びチャージポンプの少なくとも一つが配設されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の無段変速トランスミッション。 【請求項5】 車体長手方向に沿って延び且つ一端部が駆動源に作動的に連結されたポンプ軸を有する油圧ポンプと、モータ軸を有し、前記ポンプ軸に入力される駆動力を油圧ポンプとの共働下に無段変速してモータ軸から出力する油圧モータと、前記油圧ポンプ及び油圧モータを収容すると共に、少なくとも一部が車体フレームを構成するようにされたハウジングと、前記油圧ポンプ及び油圧モータをそれぞれ支持する油圧ポンプ用基板及び油圧モータ用基板とを備え、前記油圧ポンプ及び油圧モータは、それぞれ、油圧ポンプ用基板及び油圧モータ用基板を介して車体長手方向一方側から他方側に向かって配設された無段変速トランスミッションと、駆動源からの動力を車体外部に取り出す為のPTO軸と、前記ポンプ軸より車体長手方向他方側において該ポンプ軸と同軸上に配設され、前記ポンプ軸とPTO軸との間において動力を伝達するPTO伝動軸とを備え、さらに、前記ハウジング内の前記油圧ポンプ用基板と油圧モータ用基板とに挟まれる空間内には、前記ポンプ軸の動力を前記PTO伝動軸に伝達/遮断するクラッチ装置が備えられていることを特徴とする車輌の伝動構造。 【請求項6】 前記モータ軸より車体長手方向他方側であって且つ該モータ軸と同軸上に配された出力軸と、該出力軸に平行に配設されると共に、前記モータ軸に作動的に連結されたカウンター軸と、前記カウンター軸から前記出力軸へ動力を伝達する動力伝達機構とを備え、前記カウンター軸は、前記PTO伝動軸に相対回転自在に外挿された筒軸であることを特徴とする請求項5に記載の車輌の伝動構造。 【請求項7】 前記動力伝達機構は、変速比の異なる複数の歯車伝達機構を有し、該複数の歯車伝達機構の一が選択的に係合するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の車輌の伝動構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハウジングが車体フレームの少なくとも一部を構成するようにされた無段変速トランスミッション(以下、HSTという)及び該HSTを備えた車輌の伝動構造に関する。 【0002】 【従来の技術】HSTのハウジングを車体フレームの一部として兼用することにより、車輌の構造簡略化及びコストの低廉化等を図ることは、例えば、特開平11-91379号公報に示されているように公知である。 【0003】しかしながら、前記公開公報に記載されているHSTは、一つの基板(油圧ブロック)に、油圧ポンプ及び油圧モータを車体幅方向に並列してなる構成である為、以下に示す不都合があった。 【0004】即ち、前記構成によると、高馬力仕様時等に対応すべく油圧ポンプ及び油圧モータの容量を大きくする必要がある場合、大型の油圧ポンプ及び油圧モータが車体幅方向に並列し得る大きさの基板が必要となり、さらに、これらを収容するハウジングも大きくせざるを得ず、車体自体が大型化してしまうという問題があった。 【0005】また、油圧ポンプ及び油圧モータをハウジングに組み込む場合、油圧ポンプ及び油圧モータを基板に支持させた状態でハウジングに組み込むから、該油圧ポンプ及び油圧モータが一つの基板に支持させられていると、その重さにより、作業効率が悪化するという問題もあった。斯かる点は、メンテナンス時等において、油圧ポンプ及び油圧モータをハウジングから取り外す場合にも、同様に生じる。 【0006】さらには、車体長手方向の一個所に、油圧ポンプ及び油圧モータが配設されることによって、車体の重量バランスが悪化する恐れもあった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、ハウジングが車体フレームの少なくとも一部を構成するHSTにおいて、油圧ポンプ及び油圧モータの大型化に伴う車体フレームの大型化を極力抑えることができるHST、並びに該HSTを備えた車輌の伝動構造を提供することを、主な目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を達成する為に、流体的に相互連結された油圧ポンプ及び油圧モータと、該油圧ポンプ及び油圧モータを収容するハウジングとを備え、該ハウジングが車体フレームの少なくとも一部を形成する無段変速トランスミッションであって、前記油圧ポンプ及び油圧モータは、それぞれ、別体とされた油圧ポンプ用基板及び油圧モータ用基板を介して、車体長手方向に沿って配設された無段変速トランスミッションを提供するものである。 【0009】前記油圧ポンプ用基板及び油圧モータ用基板は、前記ハウジングに囲繞されているものとすることができる。 【0010】好ましくは、動力伝達経路の前段側から後段側に向かって、順に、油圧ポンプ及び油圧モータが配設され、前記ハウジングには、周壁の内周面から径方向内方へ延在し、前記油圧ポンプ用基板が取り付けられるフランジ部が設けられ、該フランジ部は、少なくとも前記ハウジングの下方部分の周方向全域に亘って形成されるものとすることができる。 【0011】また、好ましくは、前記油圧ポンプ及び油圧モータ間の油圧回路に作動油を補給するチャージポンプを備え、前記ハウジング内のうち前記油圧ポンプ用基板と油圧モータ用基板とに挟まれる空間に、前記油圧ポンプ、油圧モータ及びチャージポンプの少なくとも一つが配設されているものとすることができる。 【0012】さらに、本発明は、前記課題を達成する為に、車体長手方向に沿って延び且つ一端部が駆動源に作動的に連結されたポンプ軸を有する油圧ポンプと、モータ軸を有し、前記ポンプ軸に入力される駆動力を油圧ポンプとの共働下に無段変速してモータ軸から出力する油圧モータと、前記油圧ポンプ及び油圧モータを収容すると共に、少なくとも一部が車体フレームを構成するようにされたハウジングと、前記油圧ポンプ及び油圧モータをそれぞれ支持する油圧ポンプ用基板及び油圧モータ用基板とを備え、前記油圧ポンプ及び油圧モータが、それぞれ、油圧ポンプ用基板及び油圧モータ用基板を介して車体長手方向一方側から他方側に向かって配設された無段変速トランスミッションと、駆動源からの動力を車体外部に取り出す為のPTO軸と、前記ポンプ軸より車体長手方向他方側において該ポンプ軸と同軸上に配設され、前記ポンプ軸とPTO軸との間において動力を伝達するPTO伝動軸とを備え、さらに、前記ハウジング内の前記油圧ポンプ用基板と油圧モータ用基板とに挟まれる空間内には、前記ポンプ軸の動力を前記PTO伝動軸に伝達/遮断するクラッチ装置が備えられた車輌の伝動構造を提供する。 【0013】好ましくは、前記モータ軸より車体長手方向他方側であって且つ該モータ軸と同軸上に配された出力軸と、該出力軸に平行に配設されると共に、前記モータ軸に作動的に連結されたカウンター軸と、前記カウンター軸から前記出力軸へ動力を伝達する動力伝達機構とを備え、前記カウンター軸を、前記PTO伝動軸に相対回転自在に外挿された筒軸とすることができる。 【0014】また、好ましくは、前記動力伝達機構は、変速比の異なる複数の歯車伝達機構を有するものとし、該複数の歯車伝達機構の一が選択的に係合されるように構成することができる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るHSTの好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。図1は本実施の形態に係るHST1を備えた車輌の伝動経路の一部を模式的に表した図である。また、図2は前記HST1付近の縦断面図であるり、図3は図2におけるA−A線断面図である。 【0016】まず、前記車輌の伝動経路の概略について説明する。該車輌においては、車体長手方向一方側から他方側に向かって順に、駆動源(図示せず)、HST1及び多段変速装置50が配設されている。本実施の形態においては、前記各部材が車体前方から後方に向かって配設されている。 【0017】駆動源からの駆動力は前記HST1に入力されると共に、一部はPTO軸70から取り出し得るようになっている。前記HST1に入力された駆動力は無段変速され、多段変速装置50を介して、後車軸に連結されたデファレンシャルギア装置90及び前輪駆動力取出軸80に伝達される。 【0018】前記HST1は、図1〜図3に示すように、油圧ポンプ10及び油圧モータ20と、該油圧ポンプ10及び油圧モータ20をそれぞれ支持する油圧ポンプ用基板15及び油圧モータ用基板25と、これらを収容すると共に、少なくとも車体フレームの一部を構成するハウジング30とを備えている。 【0019】前記油圧ポンプは、前記油圧ポンプ用基板15に支持される油圧ポンプ本体11と、車体長手方向一方側(本実施の形態においては、前方側)に延び、先端部が駆動源に作動的に連結されるポンプ軸12とを有している。 【0020】前記油圧モータ20は、前記油圧ポンプ用基板15とは別体とされた油圧モータ用基板25に支持される油圧モータ本体21と、車体長手方向他方側(本実施の形態においては、後方側)に延びるモータ軸22とを有している。 【0021】本実施の形態に係るHST1においては、前記油圧ポンプ10が、可動斜板13を有する可変容積型とされており、前記可動斜板13を操作することによってポンプ軸12に入力される駆動力を無段変速してモータ軸22から出力し得るようになっている。 【0022】前記油圧ポンプ10及び油圧モータ20は、前記油圧ポンプ用基板15及び油圧モータ用基板25を介して、車輌長手方向に沿ってハウジング30内に収容されている。本実施の形態においては、車体前方に配設された駆動源に作動的に連結されるポンプ軸12を有する油圧ポンプ10が車体長手方向前方に配設され、油圧モータ20は前記油圧ポンプ10の車体長手方向後方に配設されている。 【0023】前記ハウジング30は、車体前方に位置する第1ハウジング31と、該第1ハウジング31の後方において該第1ハウジング31に液密に連結される第2ハウジング32とを有している。 【0024】このように、油圧ポンプ10及び油圧モータ20を車体長手方向に沿って配設することにより、これらを収容するハウジング30の大型化を抑え、車体自体のコンパクト化を図ることができる。 【0025】即ち、油圧ポンプ10及び油圧モータ20が一つの基板に支持されてなる従来の構造においては、車体長手方向の一個所において油圧ポンプ及び油圧モータが車体幅方向に沿って並設されることになる。斯かる場合、これらを収容するハウジングを、油圧ポンプ及び油圧モータが並設し得る内径としなければならない。特に、高馬力仕様時等において、HSTの容量を大きくする必要がある場合、車体幅方向に沿って大型の油圧ポンプ及び油圧モータが並設されることになり、これらを収容するハウジングも大きくせざるを得ない。該ハウジングは車体フレームの少なくとも一部を構成する部材であるから、ハウジングの大型化は車体自体の大型化を招くことになる。特に、ハウジングの上方には運転席が設けられるから、ハウジングの大型化によって運転席が上方に設置されることになり、車体重心の上方移動による走行性の悪化や乗り降りの際の困難性を招くことになる。 【0026】また、油圧ポンプ及び油圧モータをハウジングに組み込む際には、基板に油圧ポンプ及び油圧モータを連結させた状態でハウジングに取り付けるので、一つの基板に油圧ポンプ及び油圧モータが取り付けられていると、高重量の為に組立作業やメンテナンス時等の取り外し作業が困難となる。この点は、油圧ポンプ及び油圧モータが大型の場合に顕著になる。 【0027】これに対し、本実施の形態においては、油圧ポンプ10及び油圧モータ20が車体長手方向の一個所において並設されるのではなく、両者が車体長手方向に沿って配設されるので、従来の構造に比してハウジング30の小型化を図ることが可能となる。即ち、本実施の形態においては、車体長手方向に沿って視た時に、油圧ポンプ10及び油圧モータ20の少なくとも一部がオーバーラップするように両者を配置できるので、同じ容量の油圧ポンプ及び油圧モータを収容する場合、油圧ポンプ及び油圧モータが並設される従来の構造に比して、ハウジング30の小型化を図ることができる。 【0028】また、油圧ポンプ10及び油圧モータ20は、それぞれ、別体とされた基板15,25を介して、ハウジング30内に配設されているので、両者が一つの基板に支持されてなる従来のHSTに比して、油圧ポンプ10及び油圧モータ20の取り付け又は取り外し時における作業効率を向上させることができる。 【0029】さらに、本実施の形態においては、油圧ポンプ10及び油圧モータ20が車体長手方向の一個所に集中することがないので、車体の重量バランスを向上させることもできる。 【0030】図4及び図5に、それぞれ、図2におけるB−B線及びC−C線断面図を示す。図2及び図4に示すように、第1ハウジング31には、長手方向略中央部分に、周壁の内周面から径方向内方へ延在するフランジ部33が形成されており、該フランジ部33に油圧ポンプ用基板15が取り付けられている。そして、該油圧ポンプ用基板15の前方面側に油圧ポンプ10が取り付けられている。 【0031】前記フランジ部33は、少なくとも第1ハウジング31の下方部分の周方向全域に亘って形成されており、これにより、以下の効果を得ている。 【0032】即ち、ハウジング30をHST等に用いられる作動油用の油タンクとして兼用する場合、該作動油がハウジング外に漏れ出すことを防止する必要がある。従って、ハウジングの全域を油タンクとして用いる場合には、ハウジング30の接合面を液密に連結する必要がある。 【0033】しかしながら、ハウジング30の前方には、通常、駆動源が連結され、接合面30a(図2参照)は該駆動源の振動を直接受けることになる。従って、接合面30aを液密に連結する為には、該接合面30aに高精度のシールを施す必要があり、これによって、コスト高を招くことになる。さらに、本実施の形態におけるように、ハウジング30の前方にフライホイール110が臨むような場合(図2参照)、ハウジングの全体に亘って作動油を貯留するように構成すると、前記フライホイール110の一部が貯留された作動油内に浸り、油の撹拌抵抗による駆動源の作動効率が悪化するという問題も生じる。 【0034】これに対し、本実施の形態においては、前述のように、フランジ部33を第1ハウジング31の少なくとも下方部分の周方向全域に亘って形成し、該フランジ部33の後方において作動油を貯留し得るように構成している。従って、前記接合面30aに高精度のシールを施す必要もなく、さらに、駆動源の作動効率を悪化させる恐れもなく、ハウジングを油タンクとして使用することができる。 【0035】一方、油圧モータ用基板25は、図2に示すように、第2ハウジング32の前端面32aに連結されている。即ち、本実施の形態においては、第2ハウジング32の前端面を幅広とし、該前端面のうち第1ハウジングの後端面より径方向内方へ延在した部分32aに油圧モータ用基板25を取り付けている。油圧モータ20は該油圧モータ用基板25の後方面側に取り付けられている。 【0036】前記油圧ポンプ用基板15及び油圧モータ用基板25は、ハウジング30に囲繞されて、外部に露出しないようにされており、これにより、車体フレームに作用する負荷が該基板15,25に影響を及ぼすことを防止している。 【0037】即ち、基板15,25がハウジングの外部に露出し、車体フレームの一部を構成する場合には、前記基板に曲げ応力が掛かり、該基板に形成される油路やハウジング接合個所から作動油が漏れ出す恐れがあるが、本実施の形態においては斯かる恐れを防止できる。さらに、万一、基板から作動油が漏れだしたとしても、該基板はハウジングに囲繞されているので、漏れだした油が外部に流出することを有効に防止できる。 【0038】ところで、本実施の形態においては、油圧ポンプ10と油圧モータ20とは、以下のようにして、流体的に相互連結されている。即ち、また、第1ハウジング31内で互いに対面する、油圧ポンプ用基板15の後方面には油圧ポンプ10の吸入部および吐出部に通じる一対のポート208aを(図4参照)、また、油圧モータ用基板25の前方面には油圧モータ20の吸入部および吐出部に通じる一対のポート208bを(図5参照)、それぞれ開口してあり、これら両ポート208a、208bをそれぞれ、第1ハウジング31内で車体長手方向に沿わせた一対の連結パイプ202にて相互連結することにより、油圧ポンプ10と油圧モータ20との間で作動油が循環するように構成してある(図2及び図3参照)。この連結パイプ202はハウジング内に配置されているので、万が一、連結部から作動油が漏れ出したとしても外部へ流出することはない。 【0039】なお、組立の際には、該連結パイプ202の一端を先にポート208a、208bの一方に差し込んでおき、第1ハウジング31と第2ハウジング32とを接合する時に、該第1ハウジング31の壁面に開口した覗き窓(図示せず)から他端がポート208a、208bの他方に差し込まれたことを確認し、その後に、連結パイプの抜け止め具202aを前記覗き窓を通じて、油圧ポンプ用基板15の後方面および油圧モータ用基板25の前方面に取り付ける。 【0040】前記ポンプ軸12は、前端部が駆動源に作動的に連結され、且つ、後端部が前記油圧ポンプ用基板15を貫通して後方に延びている。前記ポンプ軸12の後方延在部は、該ポンプ軸12と同軸上に配されたPTO用伝動軸71に軸線回り相対回転不能に連結されている。さらに、前記ポンプ軸12の後方延在部上には、油圧ポンプ10及び油圧モータ20間の油圧回路に圧油を供給するチャージポンプ18が配設されている。 【0041】本実施の形態においては、前記PTO伝動軸71は、前記ポンプ軸12の後方延在部に軸線回り相対回転不能に連結される第1中間軸71aと、該第1中間軸71aと同軸上に配され、前記油圧モータ用基板25を貫通して後方に延び且つPTO軸70に作動的に連結された第2中間軸71bとを有している。図2に示すように、該第2中間軸71bのうち前記油圧モータ用基板25より前方に位置する部分には、クラッチ/ブレーキ切換装置72が支持されている。 【0042】該クラッチ/ブレーキ装置72は、ポンプ軸12からPTO軸70への動力伝達をON/OFFするものである。本実施の形態においては、該クラッチ/ブレーキ切換装置72を介して、第1中間軸71aと第2中間軸71bとを連結している。即ち、前記クラッチ/ブレーキ切換装置72によって第1中間軸71aから第2中間軸71bへの動力伝達をON/OFFし、これによって、ポンプ軸12からPTO軸70への動力伝達をON/OFFするように構成している。 【0043】図6に、図2におけるD部拡大図を示す。図6に示すように、該クラッチ/ブレーキ切換装置72は、PTOクラッチ部73と、PTOブレーキ部74とを有している。PTOクラッチ部73は、図2に良く示されるように、前記第1中間軸71aに相対回転不能に連結される駆動側部材73aと、該駆動側部材73aに相対回転不能且つ軸方向摺動自在に支持された駆動側摩擦板73bと、前記第2中間軸71bに相対回転不能に支持される従動側部材73cと、該従動側部材73cに相対回転不能且つ軸方向摺動自在に支持された従動側摩擦板73dと、圧油の作用によって前記駆動側摩擦板73b及び従動側摩擦板73dを摩擦接触させるクラッチ側押動部材73eと、該押動部材73eを駆動側摩擦板73b及び従動側摩擦板73dから離間する方向に付勢するクラッチ側付勢部材73fとを有している。 【0044】一方、PTOブレーキ部74は、前記油圧モータ用基板25に回転不能に連結された固定部材74aと、該固定部材74aに回転不能且つ軸方向摺動自在に支持された固定側摩擦板74bと、前記第2中間軸71bに相対回転不能に支持された回転部材74cと、該回転部材74cに相対回転不能且つ軸方向摺動自在に支持された回転側摩擦板74dと、軸方向摺動自在とされたブレーキ側押動部材74eと、該ブレーキ側押動部材74eが前記固定側摩擦板74b及び回転側摩擦板74dを摩擦接触させるように該ブレーキ側押動部材74eを付勢するブレーキ側付勢部材74fとを備えている。そして、前記ブレーキ側押動部材74eは、後述する,第1ハウジング31の側壁面に付設された電磁弁403からの圧油の作用を受けて、ブレーキ側付勢部材74fの付勢力に抗して、固定側摩擦板74b及び回転側摩擦板74dから離間する方向に移動するようになっている。なお、本実施の形態においては、前記PTOクラッチ部73の従動側部材73cと、前記PTOブレーキ部74の回転部材74cとを一体としている。 【0045】このように、クラッチ/ブレーキ切換装置72は、通常状態(圧油の作用を受けない状態)においては、クラッチ切断・ブレーキ係合状態をとり、第1中間軸71aから第2中間軸71bへの動力伝達を遮断させる。一方、圧油の作用を受けた状態においては、クラッチ/ブレーキ切換装置72は、クラッチ係合・ブレーキ切断状態をとり、第1中間軸71aから第2中間軸71bに動力を伝達させる。 【0046】なお、クラッチ/ブレーキ切換装置72を備えているのは、PTO軸70から動力を取り出す必要がない場合に、該PTO軸70の回転を停止させて、不要な動力の浪費を防止する為である。 【0047】また、PTOクラッチ部73とPTOブレーキ部74とが選択的に切り換えるように構成しているのは、クラッチ部73を係合させて第2中間軸71bを介してPTO軸70を回転させた状態から、該クラッチ部73を切断した場合に、第2中間軸71b及びPTO軸70の回転を直ちに停止させる為である。従って、PTO軸70の回転を直ちに停止させる必要がない場合にはPTOクラッチ部73だけを備え、これにより、コストの低廉化を図ることができる。 【0048】また、本実施の形態においては、PTO伝動軸71を第1中間軸71aと第2中間軸71bとに分離し、両者をクラッチ/ブレーキ装置72を介して連結するように構成したが、本発明は斯かる形態に限られるものではない。即ち、PTO伝動軸を一本の軸とし、ポンプ軸12と該一本のPTO伝動軸とをクラッチ/ブレーキ切換装置を介して連結するようにしても良い。 【0049】なお、本実施の形態においては、第2中間軸71bの後端部は、図1に示すように、PTO用多段変速装置75を介して、PTO軸70に連結されており、該PTO軸70からの出力を変速し得るようになっている。 【0050】前記モータ軸22の後方端部は、第2ハウジング32に支持されたロータリージョイント装置85によって軸受けされている。図2に良く示されるように、該ロータリージョイント装置85は、第2ハウジング32に支持される本体部85aと、該本体部85aに相対回転自在に支持される筒部材85bとを有している。前記モータ軸22の後端部は、前方側から前記筒部材85b内に相対回転不能に挿入されている。 【0051】次に、HST1の後段側に配され、モータ軸22の出力を多段に変速する多段変速装置50について説明する。 【0052】該多段変速装置50は、図2に示すように、前記モータ軸22の後方において該モータ軸と同軸上に配された出力軸51と、前記モータ軸22と作動的に連結され、且つ、前記出力軸と平行に配されたカウンター軸52との間で動力伝達を行う動力伝達機構53を有している。 【0053】本実施の形態においては、前記カウンター軸52として、前記第2中間軸71bに相対回転自在に外挿される筒軸を用い、これにより、省スペース化を図っている。該筒軸52には、前記筒部材85bに相対回転不能に支持される歯車と噛合する歯車が相対回転不能に支持されており、これにより、前記筒軸52が前記モータ軸22に作動的に連結されている。 【0054】図7に、図2におけるE部拡大図を示す。図7に示すように、前記動力伝達機構53は、歯車伝動装置54を有している。該歯車伝動装置54は、前記筒軸52に相対回転不能に支持される固定歯車55と、前記出力軸51に相対回転自在に支持され且つ前記固定歯車55と噛合する遊嵌歯車56と、前記出力軸51に支持されたクラッチ部材57とを備えている。本実施の形態においては、前記動力伝達機構53は、第1速段〜第3速段の3つの歯車伝動装置54a,54b,54cを備え、これらを選択することにより、3段の変速を行えるように構成されている。 【0055】前記第1速段〜第3速段の歯車伝動装置における各クラッチ部材57a,57b,57cは、それぞれ、前記遊嵌歯車56a,56b,56cに相対回転不能且つ軸方向摺動自在に連結された駆動側摩擦板58a,58b,58cと、前記出力軸51に相対回転不能に支持された本体部59a,59b,59cと、該本体部に相対回転不能且つ軸方向摺動自在に連結された従動側摩擦板60a,60b,60cと、圧油の作用により前記駆動側摩擦板及び従動側摩擦板が互いに摩擦接触し得るように押圧する押動部材61a,61b,61cと、該押動部材を前記駆動側摩擦板及び従動側摩擦板から離間する方向に付勢する付勢部材62a,62b,62cとを備えている。 【0056】前記出力軸51の前端部は、図2及び図3に示すように、前記ロータリージョイント装置85の本体部85a及び筒部材85bに軸受けされている。該出力軸51のうち前記本体部85aに軸受けされる部分には、3本の環状溝51a,51b,51cが形成されており、前記本体部85aには各環状溝と外部とをそれぞれ連通する連通孔86a,86b,86cが形成されている(図3においては、1本の連通孔86aのみが描かれている。)。そして、各連通孔86a,86b,86cは、導管87を介して、第2ハウジング32の外壁面に付設された電磁切換弁88に接続されている。 【0057】一方、前記出力軸51には、前記3本の環状溝51a,51b,51cにそれぞれ連通する3本の軸孔(図示せず)が形成されている。該3本の軸孔は、それぞれ、前記各環状溝51a,51b,51cと、第1速段〜第3速段歯車伝動装置の各クラッチ部材57a,57b,57cとを連通させている。 【0058】即ち、前記電磁切換弁88によって選択された油路に連通するクラッチ部材57a,57b,57cの押動部材61a,61b,61cのみが、圧油の作用によって付勢部材62a,62b,62cの付勢力に抗して、駆動側摩擦板58a,58b,58c及び従動側摩擦板60a,60b,60cを押圧し、これによって、該選択されたクラッチ部材57a,57b,57cのみが係合し、該クラッチ部材を有する歯車伝動装置の変速比に応じた回転が出力軸51に得られるようになっている。 【0059】なお、前記出力軸51は、後車軸に連結されたデファレンシャルギア装置90に連結されると共に、適宜の動力伝達機構を介して前輪駆動軸80に作動的に連結されている。従って、HST1及び多段変速装置50を介して所望回転速度に変速された駆動力が、出力軸51から後車軸及び前車軸に伝達される。 【0060】本実施の形態においては、前端部が駆動源に作動的に接続されるポンプ軸12の後端部を後方へ延在させてPTO用伝動軸71に連結してPTO系動力伝達経路を構成すると共に、モータ軸22からの出力を多段変速装置50を介して多段に変速して出力軸51に伝達して走行系動力伝達経路を構成している。そして、斯かる場合において、前記ポンプ軸12とPTO用伝動軸71とを同軸上に配し、且つ、モータ軸22と出力軸51とを同軸上に配すると共に、さらに、該出力軸51との間で変速を行うカウンター軸を前記PTO用伝動軸71に外挿される筒軸52とし、これにより、省スペース化及び伝動効率の向上を図っている。 【0061】ところで、省スペース化を図る為には、前記出力軸51と筒軸52との軸間距離は、極力狭めることが好ましい。一方、筒軸52と出力軸51との軸間距離は、両者間における変速比に拘束される。即ち、筒軸52と出力軸51との間の変速比は、筒軸52に支持される固定歯車と、該固定歯車と噛合するように出力軸に支持される遊嵌歯車との歯数比(=ピッチ円直径比)によって決定される。従って、筒軸52と出力軸51との軸間距離は、所望ピッチ円直径比が得られる範囲で、極力狭めるのが好ましい。 【0062】一方、油圧ポンプ及び油圧モータが一つの基板に並設される従来のHSTにおいては、ポンプ軸とモータ軸との軸間距離は、HSTの容量によって変動する。即ち、油圧ポンプ及び油圧モータが並設される従来においては、油圧ポンプ及び油圧モータが抵触しないように両者を離間させる必要があり、従って、ポンプ軸とモータ軸との軸間距離も必然的に広くなる。特に、高馬力仕様時等の場合に、HSTを高容量とすると、ポンプ軸とモータ軸との軸間距離は大きくなる。 【0063】前述のように、出力軸51及びカウンター軸(筒軸)52は、それぞれ、モータ軸22及びポンプ軸12と同軸上に配置させるのが好ましいが、油圧ポンプ及び油圧モータが並設される場合において出力軸51及びカウンター軸(筒軸)52をそれぞれモータ軸及びポンプ軸と同軸上に配置させると、前記出力軸51及びカウンター軸52の軸間距離は、固定歯車及び遊嵌歯車のピッチ円直径比によって定められる距離より大きくなる場合がある。斯かる出力軸51及びカウンター軸52の軸間距離の離間は、第2ハウジング32の大型化を招くことになる。 【0064】これに対し、本実施の形態においては、油圧ポンプ10及び油圧モータ20をそれぞれ別体の油圧ポンプ用基板15及び油圧モータ用基板25に支持させて、車体長手方向に沿って配置させているので、油圧ポンプ10及び油圧モータ20の大きさに拘わらず、ポンプ12軸及びモータ軸22の軸間距離を狭めることができる。従って、第2ハウジング32の大型化を招くことなく、カウンター軸52及び出力軸51をそれぞれポンプ軸12及びモータ軸22と同軸上に配置させることができる。 【0065】次に、前記HST1及びクラッチ/ブレーキ切換装置72における油圧回路について説明する。図8に、HST1及びクラッチ/ブレーキ切換装置72の油圧回路図を示す。図8に示すように、油圧ポンプ10と油圧モータ20とは車両の前進時若しくは後退時にそれぞれ高圧側及び低圧側となる一対の高圧/低圧ライン201で接続され、閉回路200を構成している。本実施の形態においては、図2及び図3に示すように、前記一対のライン201の一部を、油圧ポンプ用基板15の油路及び油圧モータ用基板25の油路に連通するように、両者間に配設されたパイプ202によって形成している。 【0066】前記チャージポンプ18は、図1及び図2に示すように、前記油圧ポンプ用基板15の後方面に取り付けられている。即ち、本実施の形態においては、油圧ポンプ用基板15及び油圧モータ用基板25によって挟まれる空間内に、チャージポンプ18を取り付け、これにより、ハウジング30内のデッドスペースの有効利用を図っている。 【0067】該チャージポンプ18は、第1ハウジング31のフランジ部33より後方に貯留される作動油をフィルター203を介して吸入し、チャージライン204に吐出する。 【0068】前記チャージライン204には、斜板操作用の油圧回路300、クラッチ/ブレーキ切換装置用の油圧回路400、及び前記閉回路200が接続されている。即ち、チャージポンプ18からの圧油が、前記各油圧回路200,300,400に供給されるようになっている。 【0069】図8に示すように、前記閉回路200は、前記一対の高圧/低圧ライン201の油圧を設定する高圧リリーフ弁205、及びチャージライン204から前記一対の高圧/低圧ライン201への圧油の流入を許容し且つ逆向きの流出を防止するチェック弁206を有している。これらの高圧リリーフ弁205及びチェック弁206は、図4に示すように、前記油圧ポンプ用基板15に設けられている。なお、図4中、207はチャージライン204と閉回路200との接続口である。 【0070】前記斜板操作用の油圧回路300には、一端が前記チャージライン204に接続される第1吸入ライン301と、該第1吸入ライン301に介装される抵抗弁302と、該抵抗弁302の後流側において該第1吸入ライン301から分岐される第2吸入ライン303と、該第2吸入ライン303との接続点の後流側において第1吸入ライン301に介装され、第2吸入ライン303の油圧を設定する第2リリーフ弁304と、前記第2吸入ライン303の後流端に接続される3位置切換弁305と、該3位置切換弁305の前段側に接続される排出ライン320と、前記3位置切換弁305の後段側に接続された第1圧油ライン306及び第2圧油ライン307と、該第1圧油ライン306及び第2圧油ライン307の後流端に接続された油圧シリンダ308とが備えられている。 【0071】前記油圧シリンダ308は、シリンダ本体309と、該シリンダ本体309内を第1油室309a及び第2油室309bに画すると共に該シリンダ本体309内を移動自在とされたピストン310とを備えている。そして、前記ピストン310は油圧ポンプ10の可動斜板に連結されており、ピストン310の動きに連動して可動斜板13が傾斜するようになっている。 【0072】前記第1圧油ライン306及び第2圧油ライン307は、それぞれ、後流端が前記油圧シリンダ309の第1油室309a及び第2油室309bに連通されている。 【0073】前記3位置切換弁305は、前記第2吸入ライン303を第1圧油ライン306に接続させ且つ前記排出ライン320を第2圧油ライン307に接続させる第1油室供給位置と、前記排出ライン320を第1圧油ライン306に接続させ且つ前記第2吸入ライン303を第2圧油ライン307に接続させる第2油室供給位置と、前記第1圧油ライン306及び第2圧油ライン307を閉塞するニュートラル位置とをとるようになっている。 【0074】さらに、前記3位置切換弁305には、可動斜板13の操作レバー(図示せず)の操作角に応じた制御信号が入力されるようになっており、該3位置切換弁305は前記操作角に応じた時間だけ第1油室供給位置又は第2油室供給位置をとり、その後、可動斜板13の傾斜角度がフィードバック信号として入力されることにより、ニュートラル位置に戻るようになっている。 【0075】即ち、操作レバーを所定角度だけ傾斜させると、該所定角度に応じた時間だけ、前記3位置切換弁305は第1油室供給位置又は第2油室供給位置をとる。これにより、第1圧油ライン306又は第2圧油ライン307の何れか一方が第2吸入ライン303に接続され、他方が排出ライン320に接続される。従って、第2吸入ライン303に接続された側の圧油ラインに連通する油室に圧油が供給され、他方の油室からは排出ライン320を介して圧油が排出される。これにより、ピストン310が移動して、可動斜板13が所定角度傾斜する。その後、3位置切換板305がニュートラル位置に戻って、ピストン310をその位置に保持する。従って、可動斜板13は所定角度傾斜した状態で保持される。 【0076】前記3位置切換弁305は、図3に示すように、油圧ポンプ用基板15の後方面に取り付けられている。 【0077】次に、前記クラッチ/ブレーキ切換装置用の油圧回路400について説明する。該油圧回路400には、図8に示すように、チャージライン204の油圧を設定する減圧弁401を介して前記チャージライン204に接続される第3吸入ライン402と、該第3吸入ライン402の後流端部に接続される電磁弁403と、該電磁弁403の後段側に接続される第3圧油ライン404及び排出ライン405と、該第3圧油ライン404の油圧を設定するリリーフ弁406と、該リリーフ弁406より後流側において第3圧油ライン404から分岐された潤滑油ライン407と、該潤滑油ライン407の油圧を設定するリリーフ弁408とが備えられている。 【0078】前記第3圧油ライン404は、後流端部がクラッチ/ブレーキ切換装置72に連通されており、該クラッチ/ブレーキ切換装置72のクラッチ側押動部材73e及びブレーキ側押動部材74eに対し圧油を作用させ得るようになっている。 【0079】前記潤滑油ライン407は、クラッチ/ブレーキ切換装置72の各摩擦板に潤滑油を供給し得るようになっている。 【0080】前記電磁弁403は、第3吸入ライン402を第3圧油ライン404に接続させるクラッチ係合位置と、第3吸入ライン402を排出ライン405に接続させるブレーキ係合位置とをとるようになっている。 【0081】即ち、PTO軸70から動力を取り出したい場合には、前記電磁弁403をクラッチ係合位置に位置させる。これによって、第3圧油ライン404を介して、圧油がクラッチ/ブレーキ切換装置72に供給される。そして、該圧油の作用によって、クラッチ側押動部材73eがクラッチ側付勢部材73fの付勢力に抗して駆動側摩擦板73b及び従動側摩擦板73dを摩擦接触させる方向に移動し、PTOクラッチ部73が係合状態となる。一方、ブレーキ側押動部材74eは、第3圧油ライン404からの圧油によって、ブレーキ側付勢部材74fの付勢力に抗して、固定側摩擦板74b及び回転側摩擦板74dから離間する方向に移動させられる。従って、PTOブレーキ部74は遮断状態となる。 【0082】他方、PTO軸70の回転を停止させる場合には、前記電磁弁403をブレーキ係合位置に位置させる。これによって、第3吸入ライン402が排出ライン405に連通し、第3圧油ライン404への圧油の供給は停止される。前述のように、クラッチ側押動部材73eは、クラッチ側付勢部材73fによって駆動側摩擦板73b及び従動側摩擦板73dから離間する方向に付勢されているから、圧油が作用しない状態においては、駆動側摩擦板73bから従動側摩擦板73dへの動力伝達は行われない。一方、ブレーキ側押動部材74eは、常時、ブレーキ側付勢部材74fによって、固定側摩擦板74b及び回転側摩擦板74dを摩擦接触させるように押圧している。従って、電磁弁403がブレーキ係合位置にある場合には、PTOクラッチ部73が遮断し、PTOブレーキ部74が係合する。 【0083】図8中、409は、第3圧油ライン404に供給される圧油のクラッチ/ブレーキ切換装置72への急激な作用を防止し、これにより、各摩擦板の係合を円滑に行わせる油圧緩衝部材である。 【0084】なお、本実施の形態においては、油圧ポンプ用基板15の前方面に油圧ポンプ10を取り付け、油圧モータ用基板25の後方面に油圧モータ20を取り付けるようにしたが、本発明は斯かる構成に限られるものではなく、油圧ポンプ10及び油圧モータ20が車体長手方向に沿って配設される限り、種々の構成をとり得る。 【0085】但し、油圧ポンプ用基板15と油圧モータ用基板25とに挟まれる空間の有効利用を図り、車体の少なくとも一部を構成するハウジング30の小型化を図る為には、前記空間内に油圧ポンプ10、油圧モータ20及びチャージポンプ30の少なくとも一つが配置されるように構成するのが好ましい。 【0086】即ち、本実施の形態におけるように、前記空間内にチャージポンプ18だけを配置させるようにしても良いし(図1参照)、又は、図9に示すように、前記空間内に油圧ポンプ18だけを配置させても良い。さらには、図10に示すように、前記空間内に、チャージポンプ18及び油圧モータ20を配置させたり、若しくは、図11に示すように、前記空間内に、油圧ポンプ10及び油圧モータ20を配置させることもできる。 【0087】また、本実施の形態においては、デッドスペースの有効利用を図ると共に、油路の配管効率を考慮して、前記空間内に、クラッチ/ブレーキ切換装置72を配置させるようにしたが、図10及び図11に示すように、クラッチ/ブレーキ切換装置72をPTO軸70の近傍に配置させることも可能である。 【0088】 【発明の効果】本発明に係る無段変速トランスミッションによれば、流体的に相互連結された油圧ポンプ及び油圧モータを、それぞれ、別体とされた油圧ポンプ用基板を油圧モータ用基板を介して、少なくとも車体フレームの一部を構成するハウジング内に、車体長手方向に沿って配設するようにしたので、前記ハウジングの小型化を図り、車体の小型化及び低コスト化を図ることができる。また、油圧ポンプ及び油圧モータがそれぞれ専用の基板に支持されているので、油圧ポンプ及び油圧モータのハウジングへの取り付け及び/又はハウジングからの取り外しの際における作業効率を向上させることができる。さらに、油圧ポンプ及び油圧モータが車体長手方向の一個所に取り付けられるのではなく、車体長手方向に沿って配設されるので、車体の重量バランスを向上させることもできる。 【0089】また、前記油圧ポンプ用基板及び油圧モータ用基板がハウジングに囲繞されるように構成すれば、車体フレームに作用する負荷(曲げ応力)が前記両基板に及ぼされることを有効に防止できる。従って、前記両基板の損傷を防止できるし、さらに、万一、基板に形成された油路から作動油が漏れだしたとしても該作動油が外部に流出することを有効に防止できる。 【0090】また、動力伝達経路の前段側から後段側に向かって、順に、油圧ポンプ及び油圧モータを配設する場合において、前記ハウジングに、周壁の内周面から径方向内方へ延在し、前記油圧ポンプ用基板が取り付けられるフランジ部を設け、該フランジ部をハウジングの下方部分の周方向全域に亘って形成すれば、前記ハウジングのうち,前記フランジ部より動力伝達経路後段側の領域を油タンクとして使用することができる。 【0091】また、前記油圧ポンプ及び油圧モータ間の油圧回路に作動油を補給するチャージポンプを備え、前記ハウジング内のうち前記油圧ポンプ用基板及び油圧モータ用基板に挟まれる空間内に、前記油圧ポンプ,油圧モータ及びチャージポンプの少なくとも一つが配設されるように構成すれば、ハウジング内のスペースを有効利用することができ、これにより、ハウジングの小型化を図ることができる。 【0092】また、本発明に係る車輌の伝動構造によれば、車体長手方向に沿って延びるポンプ軸を有する油圧ポンプと、モータ軸を有する油圧モータと、車体長手方向車体フレームの少なくとも一部を構成するハウジングと、前記油圧ポンプを支持する油圧ポンプ用基板と、前記油圧モータを支持する油圧モータ用基板とを有し、油圧ポンプ及び油圧モータがそれぞれの基板を介して前記ハウジング内に車体長手方向一方側から他方側に向かって配設された無段変速トランスミッションと、該無段変速トランスミッションの車体長手方向他方側に配設されたPTO伝動軸とを備え、さらに、ハウジング内の油圧ポンプ用基板と油圧モータ用基板とに挟まれる空間に、ポンプ軸からPTO伝動軸への動力伝達をON/OFFするクラッチ装置を備えるようにしたので、前記ハウジングの小型化を図ることができると共に、油圧ポンプ及び油圧モータの取り付け/取り外し作業の効率化を図ることができる。さらに、前記空間内にクラッチ装置を備え、ハウジング内のスペースを有効利用するようにしたので、該クラッチ装置を備えることによるハウジングの大型化を防止することができる。 【0093】また、前記モータ軸より車体長手方向他方側であって且つ該モータ軸と同軸上に配された出力軸と、該出力軸に平行に配設されると共に、前記モータ軸に作動的に連結されたカウンター軸と、前記カウンター軸から前記出力軸へ動力を伝達する動力伝達機構とを備え、前記カウンター軸は、前記PTO伝動軸に相対回転自在に外挿された筒軸とすれば、無段変速トランスミッションの後段側において変速を行う場合に、出力軸とカウンター軸との軸間距離の最小化を図ることができ、これにより、車体自体の小型化を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000125853 【氏名又は名称】株式会社 神崎高級工機製作所
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| 【出願日】 |
平成11年11月4日(1999.11.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074332 【弁理士】 【氏名又は名称】藤本 昇 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−132816(P2001−132816A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願平11−313281 |
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