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【発明の名称】 正逆回転モータの切り換えギア装置
【発明者】 【氏名】梅田 正義

【要約】 【課題】本発明は正逆回転モータの切り換えギア装置をシンプルにして部品点数を減少する目的から開発されたものである。本発明は具体的にはモータの正逆回転の切り換えで二個の出力軸の一個を選択できるギア装置の提供を目的に開発されたものである。

【解決手段】本発明は少なくとも、少し長い固定軸(23)と、この固定軸に回転自在に外装されて、モータ(10)のピニオン(11)と噛み合うヘリカル歯のギア(33)ならびに平ギア(35)をもつ第一の段付きギアと、この第一段付きギアを挟んで前記固定軸にそれぞれ回転自在に外装される一対の少し長手な移動板(25,27)と、この移動板の先端部間に固定される移動軸(51)と、この移動軸に回転自在に外装されて、前記平ギアと噛み合う切り換えギア(53)ならびに出力ギア(21,31)と噛み合う平ギア(55)をもつ第二の段付きギアと、を備えていることを特徴とした正逆回転モータの切り換えギア装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも、少し長い固定軸(23)と、この固定軸に回転自在に外装されて、モータ(10)のピニオン(11)と噛み合うヘリカル歯のギア(33)ならびに平ギア(35)をもつ第一の段付きギアと、この第一段付きギアを挟んで前記固定軸にそれぞれ回転自在に外装される一対の少し長手な移動板(25,27)と、この移動板の先端部間に固定される移動軸(51)と、この移動軸に回転自在に外装されて、前記平ギアと噛み合う切り換えギア(53)ならびに出力ギア(21,31)と噛み合う平ギア(55)をもつ第二の段付きギアと、を備えていることを特徴とした正逆回転モータの切り換えギア装置。
【請求項2】請求項1の記載において、前記一対の移動板と前記第一の段付きギアとの間にそれぞれ摩擦部材(37)を配設したことを特徴とする正逆回転モータの切り換えギア装置。
【請求項3】請求項2の記載において、前記摩擦部材が弾性部材であることを特徴とした正逆回転モータの切り換えギア装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は正回転と逆回転とが出来るモータのギア装置に関する。とくに本発明は正逆回転が可能な電気モータの減速用ギア装置に関する。本発明は具体的にはモータの正逆回転の切り換えによって二個の出力軸の一方を任意に選択できるギア装置に関する。本発明は例えばコインを一個ずつ強制的に送り出し出来るホッパ装置の駆動モータ用ギア装置に関する。本発明は更に具体的には大量のメダルを使用するゲーム機に好適な大容量ホッパ装置のモータ用ギア装置に関する。
【0002】なお本明細書に使用される用語「コイン」には通貨である硬貨を含むことは勿論である。また本明細書に使用される用語「コイン」にはゲームなどに使用される円板形のメダルやトークンなどを含むことは勿論である。
【従来の技術】これまでにコインの大容量ホッパ装置としては種々のものが開発されて来ている。たとえば本件出願人による特願平11−251652号にはコインの大容量ホッパ装置が開示されている。このホッパ装置全体が図9の斜面図に概略的に示されている。
【0003】そして当該ホッパ装置のモータ駆動部が図10の断面図に拡大して示されている。図9の奥に示される一対の支持枠3によって矩形のベース板4が起立状態に設置されている。そしてベース板4の表面には筒形になるコイン貯留用の第一のタンク1が取り付けられている。この第一タンク1には更に大きな角筒形のケース10が連通されている。このケース10には大きな鍋形の第二のタンク2が連通されている。したがって第一タンク1とケース10と第二タンク2は多量のコインを貯留することができる。
【0004】第一タンク1内には深皿形になるコイン送出用のディスク50が回転自在に設けられている。さらにケース10の内壁にはコイン搬送用のベルト14が設けられている。ベース板4の裏面にはギアケース41がネジ止めされて固定されている(図10を参照)。ギアケース41には更に電気モータ40がネジ止めされて固定されている。ギアケース41の内部には電気モータ40に固定された小さなピニオン44が内蔵されている。さらにギアケース41内にはピニオン44と噛み合う大きいギア45が回転自在に設けられている。
【0005】またギアケース41内には此の大ギア45と噛み合う出力ギア46が回転自在に設けられている。この出力ギア46には第一のクラッチ47と第二のクラッチ48が設けられている。第一クラッチ47は電気モータ40が正回転された時に第一の出力軸42を回転駆動する。そして第一出力軸42は第一タンク1内のコイン送出用ディスク50に連結されている。第二クラッチ48は電気モータ40が逆回転された時に第二の出力軸43を回転駆動する。
【0006】第二出力軸43はプリー38とベルト37とプリー36(図9を参照)と軸34などを介在してベルト31に連結されている。このベルト31は図示を省略したがケース10の内壁にあるコイン搬送用ベルト14に連結されている。すなわち電気モータ40が正回転された時には第一クラッチ47の作用でコイン送出用のディスク50が回転される。このとき第二クラッチ48の作用によってコイン搬送用ベルト14は停止されている。電気モータ40が逆回転された時は第二クラッチ48の作用で第二出力軸43が回転される。
【0007】すなわち電気モータ40が逆回転された時にはベルト31などを介在してコイン搬送用ベルト14が駆動される。このとき第一クラッチ47の作用によってディスク50は回転されない。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した正逆回転モータの切り換えギア装置は構造が複雑になるという問題点があった。具体的には二個のワンウエイ・クラッチを使用するため上述のギア装置は部品点数が多くなるという問題点があった。加えて上記のギア装置はワンウエイ・クラッチを使用するため停止時のイナーシャすなわち慣性力を吸収できないという問題点があった。
【0008】本発明は正逆回転モータの切り換えギア装置を簡素化する目的から開発されたものである。言い換えると本発明は切り換えギア装置をシンプルにして部品点数を減少する目的から開発されたものである。加えて本発明は急停止時の反動を吸収できる切り換えギア装置を目的に開発されたものである。本発明は具体的にはモータの正逆回転の切り換えで二個の出力軸の一個を選択できるギア装置の提供を目的に開発されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】本発明は少なくとも、少し長い固定軸(23)と、この固定軸に回転自在に外装されて、モータ(10)のピニオン(11)と噛み合うヘリカル歯のギア(33)ならびに平ギア(35)をもつ第一の段付きギアと、この第一段付きギアを挟んで前記固定軸にそれぞれ回転自在に外装される一対の少し長手な移動板(25,27)と、この移動板の先端部間に固定される移動軸(51)と、この移動軸に回転自在に外装されて、前記平ギアと噛み合う切り換えギア(53)ならびに出力ギア(21,31)と噛み合う平ギア(55)をもつ第二の段付きギアと、を備えていることを特徴とした正逆回転モータの切り換えギア装置である。また本発明は、前記一対の移動板と前記第一の段付きギアとの間にそれぞれ摩擦部材(37)を配設したことを特徴とする正逆回転モータの切り換えギア装置である。
【0010】また本発明は、前記摩擦部材が弾性部材であることを特徴とした正逆回転モータの切り換えギア装置である。
【発明の実施の形態】以下に本発明を其の実施の形態について添付の図面を参照しつつ説明する。図1は本発明による一実施例の取り付け前の状態を上から見た概略的な斜面図である。図2は図1を前から見た立面図である。図3は図2の要部を右サイドから見た概略的な断面図である。図4は図2を下から見た一部省略の底面図である。
【0011】図5は図4の一部を省略した底断面図である。図6は図2を下から見た一部省略の底面図である。図7は図6の一部を省略した底断面図である。図8は本実施例の動作を示す説明図である。図1の上部に示される大きな平らな箱形はギアボックスである。このギアボックスは上のケース1と下のケース2とに分解され得る。図1下部の大きな円柱形である10は直流式の電気モータである。この電気モータ10は正回転と逆回転とが可能である。なお電気モータ10はフランジ9を介在して下のケース2に取り付けられている。
【0012】電気モータ10の駆動軸には小さなヘリカル歯のピニオン11が固定されている。このヘリカル歯のピニオン11はギアボックスのケース1と2の間に配置されている(図5を参照)。図1上右部の細い円柱形である20は第一の出力軸である。この第一出力軸20は例えばホッパ装置(図示略)内のコイン送出用のディスクを回転駆動する。なお第一出力軸20の内端部には大きな出力ギア21が固定されている(図4を参照)。電気モータ10の左サイドに示される30は第二の出力軸である。
【0013】この第二出力軸30は例えばホッパ装置内にあるコイン掻き揚げ用のベルト(図示略)を駆動する。なお第二出力軸30の内端部にも大きな出力ギア31が固定されている(図4を参照)。ケース1と2内の第一出力軸20と第二出力軸30との間には切り換えギア機構が配置されている(図3を参照)。この切り換えギア機構は上下のケース1と2の間に少し長い固定軸23を有している。そして此の固定軸23の各端部には長円形になる移動板25と27の元端部がそれぞれ回転自在に外装されている。
【0014】移動板25と27の間の固定軸23には大きなヘリカル歯のギア33が回転自在且つ軸線方向に移動可能に外装されている。そしてギア33の片面には少し小さな平ギア35が形成されている。言い換えるとヘリカル歯のギア33と小さな平ギア35とは第一の段付きギアを形成している。なお移動板25と平ギア35すなわちヘリカル・ギア33との間には弾性の強い皿バネ37が配設されている。また移動板27とヘリカルギア33との間にも弾性の強い皿バネ37が配設されている。
【0015】さらに一対になる移動板25と27の各先端部の間には移動軸51が固定されている。移動板25と27の間の移動軸51には大きな切り換えギア53が回転自在且つ軸線方向に移動可能に外装されている。そして此の切り換えギア53は前記の小さな平ギア35と噛み合っている。さらに切り換えギア53の片面には小さな平ギア55が形成されている。言い換えると大きな切り換えギア53と小さな平ギア55とは第二の段付きギアを形成している。なお移動板25と切り換えギア53すなわち平ギア55との間には弾性の弱い皿バネ57が配設されている。
【0016】また移動板27と平ギア55との間にも弾性の弱い皿バネ57が配設されている。図8に示される横長U形の61は第一出力軸20のストッパである。この長手のストッパ61は中央近くで上ケース1に枢軸63されている。そしてストッパ61の一部が第一の出力ギア21と噛み合うようにスプリング65が配設されている(図6を参照)。なおストッパ61の先端部は一方の移動板25と接触自在になっている(図8を参照)。
【実施例】上述の構成からなる本実施例は電気モータ10が正回転されるとヘリカル・ギア33は例えば反時計方向に回転される(図5の(A)を参照)。
【0017】ピニオン11によってヘリカル・ギア33が反時計方向に回転されると当該ギア33は軸線方向に力を受けることになる。言い換えるとピニオン11によって回転されるヘリカル・ギア33はスラストを受けることになる。このスラストによってヘリカル・ギア33は皿バネ37を介在して例えば移動板27を押圧することになる。この結果、移動板27はヘリカル・ギア33の回転力を受けて反時計方向に移動されることになる(図4の(B)を参照)。言い換えるとヘリカル・ギア33が回転されると皿バネ37を介在して移動板25と27が反時計方向に移動され続ける。
【0018】かくして移動軸51が反時計方向に移動され続けて平ギア55が第一出力ギア21と噛み合うことになる(図5の(A)を参照)。この状態でヘリカル・ギア33の反時計方向の回転力が平ギア35を介在して切り換えギア53に伝達される(図5の(B)を参照)。そして切り換えギア53を介在してヘリカル・ギア33の回転力が平ギア55により第一出力ギア21に伝達される(図5の(A)を参照)。なお此のとき移動板27すなわち移動板25が反時計方向に移動され続けるから第一出力ギア21はフリーな状態になっている(図8の(A)を参照)。すなわちストッパ61が第一出力ギア21から離れている(図4を参照)。
【0019】電気モータ10が逆回転されるとヘリカル・ギア33が例えば時計方向に回転される(図7の(A)を参照)。ピニオン11によってヘリカル・ギア33が時計方向に回転されると当該ギア33は軸線方向にスラストを受けることになる。このスラストによってヘリカル・ギア33は皿バネ37を介在して例えば移動板25を押圧することになる。この結果、移動板25はヘリカル・ギア33の回転力を受けて時計方向に移動されることになる(図8の(B)を参照)。言い換えるとヘリカル・ギア33が回転されると皿バネ37を介在して移動板25と27が時計方向に移動され続ける。
【0020】かくして移動軸51が時計方向に移動され続けて平ギア55が第二出力ギア31と噛み合うことになる(図7の(A)を参照)。この状態でヘリカル・ギア33の時計方向の回転が平ギア35を介在して切り換えギア53に伝達される(図7の(B)を参照)。そして切り換えギア53を介在してヘリカル・ギア33の回転が平ギア55によって第二出力ギア31に伝達される(図7の(A)を参照)。なお此のとき移動板25が時計方向に移動され続けるからストッパ61はフリーな状態になっている(図8の(B)を参照)。したがってスプリング65によってストッパ61の一部が第一出力ギア21と噛み合い当該ギア21は回転され得ない(図6を参照)。
【0021】なお図示を省略したが第二出力ギア31と噛み合い自在になる同様な第二のストッパを設置しても良いことは勿論である。この場合、移動板25が時計方向に移動され続けると第二出力ギア31はフリーな状態になる。そして移動板25が反時計方向に移動され続けると第二ストッパはフリーな状態になる。したがってスプリング(図示略)によって第二ストッパの一部が第二出力ギア31と噛み合い当該ギア31は回転され得ないことになる。また各皿バネ37はヘリカル・ギア33のスラストを各移動板25と27に伝達するため摩擦部材と言える。
【0022】したがって各皿バネ37はリング形のスプリングや摩擦板などの部材であっても良いことは勿論である。また第二段付きギアと移動板25と27との間の各皿バネ57は適宜に配設される負荷部材と言える。皿バネ57などの負荷部材を配設すると第一段付きギアのスラストが移動板25と27にスムーズに伝達される。言い換えると第二段付きギアに少し負荷を与えると第一段付きギアのスラストがスムーズに移動板25と27に伝達される。したがって皿バネ57はリング形のスプリングや摩擦板などの部材であっても良いことは勿論である。
【0023】またピニオン11ならびにギア33はヘリカル歯をもつギアとして説明した。しかしながらピニオン11ならびにギア33は回転されるとスラストが生じるギアであれば良いことは勿論である。なお此処で本実施例における動作説明を若干追加する。本実施例は駆動源であるヘリカル歯の小形ピニオン11にヘリカル歯をもつ大形ギア33が噛み合っている。したがって電気モータ10の正回転・停止・逆回転・停止の繰り返し動作が確実に出力ギア21と31に伝達されることになる。言い換えると電気モータ10の急停止があっても出力ギア21と31のイナーシャすなわち慣性力が殆ど影響しないことになる。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明は簡単な構成の付加によりモータの正逆回転による首振り機構によって出力軸の選択を容易に行うことが出来る。すなわち本発明は簡単な構成の付加によってモータの正逆回転の切り換えのみで二個の出力軸の一個を簡単に選択できることになる。本発明は具体的には電気モータの回転方向の切り換えによってホッパ・ディスクの回転軸と搬送ベルトの回転軸とを簡単に切り換え得ることになる。
【出願人】 【識別番号】000116987
【氏名又は名称】旭精工株式会社
【出願日】 平成11年11月1日(1999.11.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−132815(P2001−132815A)
【公開日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【出願番号】 特願平11−347957