| 【発明の名称】 |
車両用変速機のチェンジ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】西川 豊
【氏名】俵田 雄一
【氏名】大田 淳朗
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| 【要約】 |
【課題】モータチェンジモード及びマニュアルチェンジモードとを択一的に選択し得るようにして,チェンジスピンドルが常に操縦者の所望通りにチェンジスピンドルが作動されるようにする。
【解決手段】変速機8のチェンジスピンドル11に,チェンジモータ31及びチェンジ操作子70を並列して連結可能に設け,チェンジスピンドル11と,チェンジモータ31及びチェンジ操作子70との間に,チェンジモータ31のみによるチェンジスピンドル11の作動を可能にするモータチェンジモード位置Aと,チェンジ操作子70のみによるチェンジスピンドル11の作動を可能にするマニュアルチェンジモード位置Bとへ切換え操作し得るモード切換手段72を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 変速機(8)のチェンジスピンドル(11)に,チェンジモータ(31)及びチェンジ操作子(70)を並列して連結可能に設け,チェンジモータ(31)及びチェンジ操作子(70)の何れによっても前記チェンジスピンドル(11)を作動し得るようにした,車両用変速機のチェンジ装置において,前記チェンジスピンドル(11)と,前記チェンジモータ(31)及びチェンジ操作子(70)との間に,チェンジモータ(31)のみによるチェンジスピンドル(11)の作動を可能にするモータチェンジモード位置(A)と,チェンジ操作子(70)のみによるチェンジスピンドル(11)の作動を可能にするマニュアルチェンジモード位置(B)とへ切換え操作し得るモード切換手段(72)を設けたことを特徴とする,車両用変速機のチェンジ装置。 【請求項2】 請求項1記載の車両用変速機のチェンジ装置において,前記チェンジスピンドル(11)に前記チェンジモータ(31)のロータ軸(31a)をクラッチ手段(35)を介して連結する一方,前記チェンジスピンドル(11)の一端に,前記チェンジ操作子(70)を連結し得る連結部(11a)を設けると共に,この連結部(11a)へのチェンジ操作子(70)の連結を阻止する拘束位置(E)と,該連結部(11a)へのチェンジ操作子(70)の連結を許容する非拘束位置(F)との間を移動する連結拘束部材(51)を設け,前記クラッチ手段(35)及び連結拘束部材(51)間を,該クラッチ手段(35)の接続時には該連結拘束部材(51)が拘束位置(E)を占め,また該クラッチ手段(35)の遮断時には該連結拘束部材(51)の非拘束位置(F)への移動を許容するように連動させて,前記モード切換手段(72)を構成したことを特徴とする,車両用変速機のチェンジ装置。 【請求項3】 請求項1又は2記載の変速機のチェンジ装置において,前記モード切換手段(72)を,操縦者がその操縦姿勢では該手段(72)を操作し得ない場所に配設したことを特徴とする,車両用変速機のチェンジ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は,車両用,主として自動二輪車用の変速機のチェンジ装置に関し,特に,変速機のチェンジスピンドルに,チェンジモータ及びチェンジ操作子を並列して連結可能に設け,チェンジモータ及びチェンジ操作子の何れによっても前記チェンジスピンドルを作動し得るようにしたものゝ改良に関する。 【0002】 【従来の技術】かゝる車両用変速機のチェンジ装置は,例えば特開平11−82734号公報に開示されているように,既に知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】かゝる変速機のチェンジ装置は,操縦者の好みや運転状態に応じてチェンジモードを自由に変えることができる。 【0004】ところが,従来のものでは,チェンジモータ及びチェンジ操作子が並列状態でチェンジスピンドルに常時連結しているので,誤操作によりチェンジモータ及びチェンジ操作子を同時に操作された場合には,特にチェンジモータ及びチェンジ操作子のチェンジスピンドルに与える回転方向が互いに反対である場合には,それらの回転力の相互干渉が生じてしまう。 【0005】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,チェンジモータによるチェンジスピンドルの作動を可能にするモータチェンジモードと,チェンジ操作子によるチェンジスピンドルの作動を可能にするマニュアルチェンジモードとを択一的に選択し得るようにして,チェンジスピンドルが常に操縦者の所望通りにチェンジスピンドルが作動される,前記車両用変速機のチェンジ装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために,本発明は,変速機のチェンジスピンドルに,チェンジモータ及びチェンジ操作子を並列して連結可能に設け,チェンジモータ及びチェンジ操作子の何れによっても前記チェンジスピンドルを作動し得るようにした,車両用変速機のチェンジ装置において,前記チェンジスピンドルと,前記チェンジモータ及びチェンジ操作子との間に,チェンジモータのみによるチェンジスピンドルの作動を可能にするモータチェンジモード位置と,チェンジ操作子のみによるチェンジスピンドルの作動を可能にするマニュアルチェンジモード位置とへ切換え操作し得るモード切換手段を設けたことを第1の特徴とする。 【0007】なお,前記チェンジ操作子は,後述する本発明の実施例におけるチェンジペダル70に対応する。 【0008】この第1の特徴によれば,モード切換手段の切換え操作によりモータチェンジモード及びマニュアルチェンジモードを選択し得るので,操縦者の好みや運転状態に応じてチェンジモードを自由に変えることができる。しかも一方のチェンジモードを選択すると,他方のチェンジモードは作動不能となるので,チェンジモータ及びチェンジペダル相互の作動干渉を未然に回避して,チェンジスピンドルを常に操縦者の所望する通りに回動させて,的確な変速を行うことができる。 【0009】また本発明は,上記特徴に加えて,前記チェンジスピンドルに前記チェンジモータのロータ軸をクラッチ手段を介して連結する一方,前記チェンジスピンドルの一端に,前記チェンジ操作子を連結し得る連結部を設けると共に,この連結部へのチェンジ操作子の連結を阻止する拘束位置と,該連結部へのチェンジ操作子の連結を許容する非拘束位置との間を移動する連結拘束部材を設け,前記クラッチ手段及び連結拘束部材間を,該クラッチ手段の接続時には該連結拘束部材が拘束位置を占め,また該クラッチ手段の遮断時には該連結拘束部材の非拘束位置への移動を許容するように連動させて,前記モード切換手段を構成したことを第2の特徴とする。 【0010】なお,前記連結拘束部材及びチェンジスピンドルの連結部は,後述する本発明の実施例における連結拘束カバー51及びセレーション連結部11aにそれぞれ対応する。 【0011】この第2の特徴によれば,モード切換手段をモータチェンジモード位置に切換えた場合,チェンジ操作子は,チェンジスピンドルからの取り外しを余儀なくされるので,チェンジ操作子によるチェンジスピンドルの作動を不能とすると共に,外観の向上を図ることができる。 【0012】さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,前記モード切換手段を,操縦者がその操縦姿勢では該手段を操作し得ない場所に配設したことを第3の特徴とする。 【0013】この第3の特徴によれば,走行中での切換手段の不用意な切換えを回避することができる。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて以下に説明する。 【0015】図1は本発明に係る変速機のチェンジ装置を備えた自動二輪車の側面図,図2は図1の2−2線断面図,図3は図2の要部拡大図(モータチェンジモード),図4は図3の4−4線断面図,図5は図3の5−5線断面図,図6は図3の6−6線断面図,図7は図4の7−7線断面図,図8はマニュアルチェンジモードを示す,図3に対応した断面図,図9は図8の9−9線断面図である。 【0016】先ず,図1において,自動二輪車1では,前輪2F及び後輪2R間においてボディフレーム3の上部にサドル4が,またその下部にパワーユニット5がそれぞれ取付けられる。パワーユニット5は,車両前方へ倒したシリンダブロック6aを有するエンジン6と,一側に出力軸8aを突出させた変速機8とを一体的に結合してなるもので,エンジン6から変速機8に伝達した動力は,出力軸8aからチェーン伝動装置9を介して後輪2Rに伝達される。 【0017】図2に示すように,上記変速機8において,そのミッションケース10の左右側壁には,左右方向に延びるチェンジスピンドル11がベアリング12,13を介して回転可能に支承される。このチェンジスピンドル11には,両ベアリング12,13間でチェンジアーム14が溶接され,またクラッチアーム15がセレーション結合される。こうして,チェンジアーム14及びクラッチアーム15はチェンジスピンドル11に固着される。 【0018】ミッションケース10内には,該ケース10と一体の中間壁10aが配置されており,この中間壁10aとチェンジアーム14との両対向面に,チェンジスピンドル11の半径方向に並ぶ固定位置決めピン16及び可動位置決め片17が突設され,これら位置決めピン16及び位置決め片17を両側から挟み込む,捩じりコイルばねからなる挟みばね18がチェンジスピンドル11に装着され,この挟みばね18の挟み力により可動位置決め片17が固定位置決めピン16とチェンジスピンドル11の半径線上に整列させられるとき,チェンジスピンドル11は所定の初期位置に保持される。この初期位置からチェンジスピンドル11が一定角度正・逆転を繰り返すると,チェンジアーム14は,公知のシフトドラム(図示せず)を回動して変速機8の変速ギヤを増・減速方向にシフトし,またクラッチアーム15は,上記シフトに先行して伝動系のクラッチ(図示せず)を遮断し,シフト後,そのクラッチを接続するようになっている。 【0019】チェンジスピンドル11は,その左右両端部をミッションケース10の左右両側壁外方へ突出させており,その左端部を覆うギヤケース20がミッションケース10の左側壁外側面に接合され,このギヤケース20もベアリング22を介してチェンジスピンドル11を支承する。 【0020】ギヤケース20には,図3及び図5に示すように,該ケース20及びミッションケース10の対向壁にベアリング23,23′を介して支承される段付きの第1リダクションギヤ24と,同じくベアリング25,25′を介して支承される段付きの第2リダクションギヤ26と,チェンジスピンドル11にスプライン嵌合したスリーブ27に回転自在に支承されるスピンドルギヤ28とが収容される。その際,第1リダクションギヤ24の小径ギヤ24bに第2リダクションギヤ26の大径ギヤ26aが噛合され,第2リダクションギヤ26の小径ギヤ26bにスピンドルギヤ28が噛合される。またスリーブ27及びスピンドルギヤ28は,チェンジスピンドル11上で共に軸方向に移動不能に支持される。 【0021】またミッションケース10の左側壁には,チェンジスピンドル11の半径方向外方に突出するモータ取付け部30が一体に形成されており,その側面にチェンジモータ31が取付けられ,このチェンジモータ31のロータ軸31aに形成されたピニオン32が前記第1リダクションギヤ24の大径ギヤ24aに噛合する。したがって,ロータ軸31aの回転は,ピニオン32からスピンドルギヤ28に至るまで3段階にわたり減速されるようになっている。 【0022】チェンジスピンドル11の右端には,その回転履歴から変速機8の変速位置を検知する変速位置センサ33が連結される。この変速位置センサ33やエンジン回転数センサ,スロットルセンサ,車速センサ(何れも図示せず)の出力信号に基づいてチェンジモータ31は自動的に作動され,或いは増・減速スイッチの手動操作によって作動される。 【0023】ギヤケース20にはスプラインカラー34がスピンドルギヤ28に隣接して軸方向移動不能にスプライン嵌合される。スピンドルギヤ28には,スプラインカラー34側に開放したは環状凹部28a(図8参照)が形成されており,この凹部28aの内周面にクラッチ内歯37が形成される。スプラインカラー34の外周には,外周にクラッチ外歯38を有するクラッチギヤ36が摺動可能にスプライン嵌合され,このクラッチギヤ36は,そのクラッチ外歯38をクラッチ内歯37に係合させるクラッチオン位置Cと,それから離脱させるクラッチオフ位置Dとの間をクラッチギヤ36は移動することができる。上記クラッチギヤ36,クラッチ外歯38及びクラッチ内歯37によって本発明のクラッチ手段35が構成される。 【0024】図3,図4及び図6において,ギヤケース20には,また,シフトフォーク39の基部に結合した支軸40が回転可能に支持され,このシフトフォーク39の先端の連結突起39aがクラッチギヤ36の外周の環状溝36aに係合される。支軸40の一端は,ギヤケース20の底壁を貫通して,その下方に突出しており,その端部にモード切換レバー41がセレーション結合される。したがって,このモード切換レバー41は,パワーユニット5の最下部に配置されることになる。 【0025】このモード切換レバー41は,支軸40の軸線回りでモータチェンジモード位置A及びマニュアルチェンジモード位置B間を回動し得るもので,その回動位置C,Dに連動してシフトフォーク39はクラッチギヤ36をクラッチオン位置Cとクラッチオフ位置Dとにシフトするようになっており,そのモータチェンジモード位置A及びマニュアルチェンジモード位置Bの何れにおいてもモード切換レバー41をロックし得るレバーロック装置42がモード切換レバー41及びギヤケース20間に設けられる。 【0026】このレバーロック装置42は,モード切換レバー41の先端に取付けられてギヤケース20下面に向かって進退するロックピン63と,このロックピン43の下端に固設されるノブ44と,ロックピン43とモード切換レバー41との間に縮設されてロックピン43をギヤケース20側へ付勢するロックばね45と,ミッションケース10等の固定構造体の下面に形成されていて,モード切換レバー41がモータチェンジモード位置A及びマニュアルチェンジモード位置Bに来たときロックピン63の上端部が嵌合し得る第1及び第2ロック凹部46,47(図6参照)とから構成される。 【0027】ギヤケース20の外端に,チェンジスピンドル11を更に覆う延長ケース21が接合され,チェンジスピンドル11は,その左端部に有するセレーション連結部11aを延長ケース21端壁の開口部48から外方に突出させており,そのセレーション連結部11aの外周には環状溝49が形成される。 【0028】延長ケース21内では,チェンジスピンドル11に有底円筒状の案内筒50が相対回動可能に取付けられ,この案内筒50内に連結拘束カバー51が摺動可能に嵌合される。この連結拘束カバー51は,チェンジスピンドル11のセレーション連結部11aを覆う拘束位置E(図2参照)と,該セレーション連結部11aを露出させる非拘束位置F(図7参照)との間を移動できるようになっており,その拘束位置Eに向かって連結拘束カバー51を付勢する拘束ばね52が案内筒50内に収容される。連結拘束カバー51の拘束位置Eは,該カバー51が案内筒50の開放端部内周に係止されたストッパ環53に当接することにより規定され,非拘束位置Fは,該カバー51が案内筒50の端壁に当接することにより規定される。延長ケース21の開口部48には,連結拘束カバー51の外周面に密接するシール部材54が装着され,また連結拘束カバー51及びチェンジスピンドル11間にはベアリング55及びシール部材56が介裝される。 【0029】図6及び図7に示すように,延長ケース21には,チェンジスピンドル11と平行に延びる案内孔58が設けられており,この案内孔58に,シフトフォーク39に連動する摺動ロッド59が摺動可能に嵌装される。シフトフォーク39の先端には長孔60が形成され,これに係合する連結ピン61が摺動ロッド59に植設される。こうすることにより,モード切換レバー41がモータチェンジモード位置A及びマニュアルチェンジモード位置Bへ回動するのに連動して,摺動ロッド59をロック位置G(図7参照)とアンロック位置H(図8参照)とへ移動させるようになっている。 【0030】案内孔58には,摺動ロッド59をモード切換レバー41のモータチェンジモード位置A側へ付勢するばね67が収容される。 【0031】摺動ロッド59は,その中間部一側にカム凹部62を有しており,これにロックピン63が係合される。このロックピン63は,延長ケース21のガイドスリーブ64に摺動可能に嵌合して,先端部を案内筒50のガイド孔65に常時嵌合させている。而して,摺動ロッド59は,ロック位置Gを占めるとき,ロックピン63をカム凹部62外に押し出してその先端を案内筒50内に突入させ,拘束位置Eの連結拘束カバー51の後端(図7では右端)に係合させて該カバー51を拘束位置Eにロックし,またアンロック位置Hを占めるときは,ロックピン63をカム凹部62に受容して連結拘束カバー51を解放するようになっている。 【0032】ロックピン63は,アンロックばね66の付勢力により常にカム凹部62側に付勢される。したがって,摺動ロッド59はアンロック位置Hに来ると,アンロックばね66の付勢力をもってカム凹部62に自動的に受容されるようになっている。 【0033】摺動ロッド59の摺動を許容しながらその回転を阻止するために,その一側面に軸方向に延びるキー溝68が形成されると共に,このキー溝68に,延長ケース21に固着されたキー69が摺動可能に係合される。 【0034】自動二輪車1に装備されるツールバッグには,チェンジスピンドル11のセレーション連結部11aに連結可能なチェンジペダル70(図8参照)が用意されている。このチェンジペダル70は,前記セレーション連結部11aに嵌合し得るセレーションボス70aを備えており,このボス70aには,セレーション連結部11aの環状溝49に締めつけ係合し得るセットスクリュー71が設けられている。こうして,チェンジモータ31及びチェンジ操作子70は,チェンジスピンドル11に対し並列して連結可能に配設される。 【0035】以上において,モード切換レバー41,シフトフォーク39,クラッチギヤ36,摺動ロッド59,ロックピン63及び連結拘束カバー51は,本発明のモード切換手段72を構成する。 【0036】次に,この実施例の作用について説明する。 [モータチェンジモード]このモードでは,チェンジモータ31によりチェンジスピンドル11を操作するもので,図3及び図6に示すように,モード切換レバー41をモータチェンジモード位置Aにセットする。即ち,モード切換レバー41のロックピン43をロックばね45の付勢力をもって第1ロック凹部46に嵌合させる。このモード切換レバー41の位置に連動してシフトフォーク39はクラッチギヤ36をクラッチオン位置Cへシフトして,そのクラッチ外歯38をスピンドルギヤ28の内歯37に係合させると共に,摺動ロッド59をロック位置Gへ移動させる。案内筒50内の連結拘束カバー51は,通常,拘束ばね52の付勢力により,チェンジスピンドル11のセレーション連結部11aを覆う拘束位置Eを占めているので,摺動ロッド59がロック位置Gに来ると,ロックピン63は,摺動ロッド59のカム凹部62外に押し出されて連結拘束カバー51の後端(図7では右端)を受け止めるように,案内筒50内に突入する。こうして連結拘束カバー51は拘束位置Eにロックされる。 【0037】而して,クラッチ外歯及び内歯37,38の係合,即ちクラッチ手段35の接続によれば,スピンドルギヤ28がクラッチギヤ36を介して,チェンジスピンドル11にスプライン結合したスプラインカラー34に連結されるので,チェンジモータ31のロータ軸31aの回転は,ピニオン32,第1,第2リダクションギヤ24,26,スピンドルギヤ28,クラッチギヤ36及びスプラインカラー34を介してチェンジスピンドル11に伝達可能となる。したがって,チェンジモータ31を前述のように自動的に或いは手動操作により作動させて,チェンジスピンドル11を増・減速方向へ往復回動することにより,変速を行うことができる。 【0038】一方,ロックピン63により拘束位置Eにロックされた連結拘束カバー51は,チェンジスピンドル11のセレーション連結部11aを覆い続けるので,該連結部11aへのにチェンジペダル70の取付けは不可能とされる。したがって,誤ってチェンジペダル70を取付けて,チェンジモータ31及びチェンジペダル70相互の作動を干渉させることを未然に回避することができる。 [マニュアルチェンジモード]このモードでは,チェンジペダル70によりチェンジスピンドル11を操作するものである。前記モータチェンジモードからこのモードに切換えるには,ノブ44を撮んでロックピン43を第1ロック凹部46から引き抜き,図8及び図9に示すように,モード切換レバー41をマニュアルチェンジモード位置Bへ回動して,ロックピン43をロックばね45の付勢力をもって第2ロック凹部47に嵌合させる。このモード切換レバー41の位置に連動してシフトフォーク39はクラッチギヤ36をクラッチオフ位置Dへシフトして,そのクラッチ外歯38をスピンドルギヤ28の内歯37から離脱させる(クラッチ手段35の遮断)と共に,摺動ロッド59をアンロック位置Hへ移動させる。 【0039】而して,クラッチ手段35の遮断によれば,スピンドルギヤ28及びチェンジスピンドル11間の伝動が遮断されるので,チェンジモータ31による変速操作は不能となる。 【0040】一方,摺動ロッド59がアンロック位置Hに来ると,そのカム凹部62がロックピン63に対向するので,ロックピン63がアンロックばね66の付勢力をもってカム凹部62へ後退して,連結拘束カバー51を解放する。したがって,連結拘束カバー51は,拘束位置Eから非拘束位置Fへの移動が可能となる。 【0041】そこで,図8に示すように,用意されたチェンジペダル70のボス70aで連結拘束カバー51を非拘束位置F側へ押し込めば,そのボス70aをチェンジスピンドル11のセレーション連結部11aに嵌合することができる。そしてセットスクリュー71をセレーション連結部11aの環状溝49に締めつけることにより,チェンジペダル70はチェンジスピンドル11に強固に連結される。 【0042】かくして,チェンジペダル70に対する通常の足踏み操作により,チェンジスピンドル11を往復回動して変速を行うことができる。 【0043】この場合,チェンジモータ31による変速が不能となっているから,誤ってチェンジモータ31を作動させて,チェンジモータ31及びチェンジペダル70相互の作動を干渉させることを未然に回避することができる。 【0044】また,拘束位置Eを占める連結拘束カバー51は,案内筒50の内面側からガイド孔65を塞いで,ロックピン63の案内筒50内への進入を阻止するようになっているので,この状態で若し誤ってモード切換レバー41をモータチェンジモード位置A側へ回動しようとしても,その回動は阻止される。したがって,チェンジペダル70をセレーション連結部11aから外して,連結拘束カバー51が拘束ばね52の付勢力をもって拘束位置Eに戻らない限り,モード切換えはできない。 【0045】上記のように,モード切換レバー41の切換え操作によりモータチェンジモード及びマニュアルチェンジモードを選択し得るので,操縦者の好みや運転状態に応じてチェンジモードを自由に変えることができる。しかも,一方のチェンジモードを選択すると,他方のチェンジモードは作動不能となるので,チェンジモータ31及びチェンジペダル70相互の作動干渉を未然に回避して,チェンジスピンドル11を常に操縦者の所望する通りに回動させて,的確な変速を行うことができる。 【0046】また,モータチェンジモードの場合,チェンジペダル70は,チェンジスピンドル11からの取り外しを余儀なくされる上,チェンジスピンドル11のセレーション連結部11aが連結拘束カバー51で覆われるので,外観の向上を図ることができる。 【0047】また,モード切換レバー41は,パワーユニット5の下部に配置されるので,操縦者の通常の乗車姿勢では,そのモード切換レバー41を操作することはできず,その操作時には操縦者に下車を強いることになり,走行中での不用意な切換えを回避することができる。 【0048】しかも,モード切換レバー41は,モータチェンジモード位置A及びマニュアルチェンジモード位置Bの何れにおいても,ロックピン43をロック凹部46,48から引く抜かない限り,その位置に保持されるので,振動等によるモード切換レバー41の妄動を防ぐことができる。 【0049】また,延長ケース21の外端壁開口部48に装着されたシール部材54は,拘束位置Eの連結拘束カバー51の外周面か,チェンジスピンドル11のセレーション連結部11aに連結したチェンジペダル70のボス70aの外周面かに密接するようになっており,且つ連結拘束カバー51及びチェンジスピンドル11間にもシール部材56が介裝されるので,上記開口部48から延長ケース21及びギヤケース20内への雨水,塵埃などの侵入を防ぐことができる。 【0050】本発明は,上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,モード切換レバー41の設置場所は,パワーユニット5の下部に限らず,操縦者が走行中にこれを操作し得ない所であれば何処でもよい。 【0051】 【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれば,変速機のチェンジスピンドルに,チェンジモータ及びチェンジ操作子を並列して連結可能に設け,チェンジモータ及びチェンジ操作子の何れによっても前記チェンジスピンドルを作動し得るようにした,車両用変速機のチェンジ装置において,前記チェンジスピンドルと,前記チェンジモータ及びチェンジ操作子との間に,チェンジモータのみによるチェンジスピンドルの作動を可能にするモータチェンジモード位置と,チェンジ操作子のみによるチェンジスピンドルの作動を可能にするマニュアルチェンジモード位置とへ切換え操作し得るモード切換手段を設けたので,操縦者の好みや運転状態に応じてモード切換手段を切換えることにより,モータチェンジモード及びマニュアルチェンジモードを自由に選択することができ,しかも一方のチェンジモードを選択すると,他方のチェンジモードは作動不能となり,したがってチェンジモータ及びチェンジペダル相互の作動干渉を未然に回避して,チェンジスピンドルを常に操縦者の所望する通りに回動させて,的確な変速を行うことができる。 【0052】また本発明の第2の特徴によれば,前記チェンジスピンドルに前記チェンジモータのロータ軸をクラッチ手段を介して連結する一方,前記チェンジスピンドルの一端に,前記チェンジ操作子を連結し得る連結部を設けると共に,この連結部へのチェンジ操作子の連結を阻止する拘束位置と,該連結部へのチェンジ操作子の連結を許容する非拘束位置との間を移動する連結拘束部材を設け,前記クラッチ手段及び連結拘束部材間を,該クラッチ手段の接続時には該連結拘束部材が拘束位置を占め,また該クラッチ手段の遮断時には該連結拘束部材の非拘束位置への移動を許容するように連動させて,前記モード切換手段を構成したので,モード切換手段をモータチェンジモード位置に切換えた場合,チェンジ操作子は,チェンジスピンドルからの取り外しを余儀なくされ,チェンジ操作子によるチェンジスピンドルの作動を不能とすると共に,外観の向上を図ることができる。 【0053】さらに本発明の第3の特徴によれば,前記モード切換手段を,操縦者がその操縦姿勢では該手段を操作し得ない場所に配設したので,走行中での切換手段の不用意な切換えを回避することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月22日(1999.10.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071870 【弁理士】 【氏名又は名称】落合 健 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−124203(P2001−124203A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月11日(2001.5.11) |
| 【出願番号】 |
特願平11−301305 |
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