| 【発明の名称】 |
車両用自動変速機のパワーオフアップシフトの制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】劉 平 煥
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| 【要約】 |
【課題】アンダーシュート及びタイアップ現象の発生を抑えて変速ショックを防止する車両用自動変速機のパワーオフアップシフトの制御方法を提供する。
【解決手段】パワーオフアップシフト状態判断段階と、パワーオフアップシフト条件判断段階と、液圧応答時間を測定して強制変速されないように最高デューティ値を設定し、最高デューティ値をデューティ100%に変更する際の液圧応答時間を算出する液圧応答時間算出段階と、変速完了点を算出する変速完了点算出段階と、算出された変速完了点と実際のエンジン回転数、タービン回転数に基づく実変速完了点とが同期するかを判断する同期判断段階と、同期すれば、最高デューティ値をデューティ100%に設定して変速を完了する変速完了段階とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アップシフト走行中にパワーオフアップシフト状態であるかを判断するパワーオフアップシフト状態判断段階と、このパワーオフアップシフト状態判断段階でパワーオフアップシフト状態であればパワーオフアップシフト条件を全て満たしているかを判断するパワーオフアップシフト条件判断段階と、このパワーオフアップシフト条件判断段階で条件を満たしていれば、液圧応答時間を測定して強制変速されないように最高デューティ値を設定し、最高デューティ値をデューティ100%に変更する際の液圧応答時間を算出する液圧応答時間算出段階と、この液圧応答時間算出段階で液圧応答時間が算出されたら、変速完了点を算出する変速完了点算出段階と、この変速完了点算出段階で算出された変速完了点と実際のエンジン回転数、タービン回転数に基づく実変速完了点とが同期するかを判断する同期判断段階と、この同期判断段階で前記算出された変速完了点と実変速完了点とが同期すれば、最高デューティ値をデューティ100%に設定して変速を完了する変速完了段階とを備えることを特徴とする車両用自動変速機のパワーオフアップシフトの制御方法。 【請求項2】 前記パワーオフアップシフト条件判断段階におけるパワーオフアップシフトの条件は、スロットルバルブ開度が0.65以下であり且つアイドルスイッチオン状態であって油温が0℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機のパワーオフアップシフトの制御方法。 【請求項3】 前記パワーオフアップシフト条件判断段階で条件のうちの一つでも満たしていなければ、前記液圧応答時間算出段階と、変速完了点算出段階と、同期判断段階とを省いて中立状態に維持するように液圧制御を行い実際のエンジン回転数、タービン回転数に基づく実変速完了点に達すれば、最高デューティ値をデューティ100%に設定して変速を完了するノーマルオペレーティングモードに移行することを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機のパワーオフアップシフトの制御方法。 【請求項4】 前記パワーオフアップシフトの際の変速完了点算出段階では、現在から所定の周期毎にタービン回転数Ntを検出して平均タービン回転数変化率NTAVを算出し、目標タービン回転数NTobは、NTob=(タービン入力回転数÷変速段のギヤ比)×目標変速段ギヤ比により算出し、変速完了点SFは、SF=(平均タービン回転数変化率NTAV×液圧応答時間TPR)+目標タービン回転数NTobにより算出することを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機のパワーオフアップシフトの制御方法。 【請求項5】 前記平均タービン回転数変化率NTAVは、20msの周期毎に現在からのタービン回転数Ntを4周期検出し、それぞれ検出されたタービン回転数Ntから周期毎のタービン回転数変化率NT1乃至NT4を算出し、NT1乃至NT4の平均値として算出することを特徴とする請求項4に記載の車両用自動変速機のパワーオフアップシフトの制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両用自動変速機のパワーオフアップシフトの制御方法に係り、より詳しくは、車両走行の際のエンジン加速中にスロットルバルブオフ(アクセルペダルを離した場合)で減速する際にエンジン制御特性及び自動変速偏差によって変速完了点が一致しないために引き起こされるアンダーシュート(UnderShoot)現象及びタイアップ(Tie−Up)現象を防止することができるようにした車両用自動変速機のパワーオフアップシフトの制御方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、自動変速機の変速制御にはアップシフトとダウンシフトとがあり、前記アップシフトは、アクセルペダルを踏んだときにアップシフトパターンによって変速されるパワーオンアップシフトと、アクセルペダルを離したときに中立状態でアップシフトされるパワーオフシフトとがあり、前記ダウンシフトもまた、アクセルペダルを踏んだときに上方向にダウンシフトラインを通って4−3−2−1速にダウンシフトされるパワーオンダウンシフトと、アクセルペダルを踏まずにブレーキ又は定速走行状態から車速減速によるダウンシフトパターンによって変速されるパワーオフダウンシフトとがある。 【0003】スロットル開度を大きく開いた状態で走行中にアクセルペダルを離すと、シフトパターン上のアップシフトラインを通過して高速段に変速されるレフトフットアップ(left foot up)状態となるが、この時、前記レフトフットアップは、図1に図示したように、スロットル開度を100%に開いた状態で走行中のスロットル開度を0%に下げると(アクセルペダルを離すと)、ほぼ中立状態を維持するように液圧制御が行われ、この時にエンジン回転数NE1とタービン回転数NT1とがほぼ一致する状態までエンジン回転数が低下して、変速完了点(shift finish point:SF)に到達するとデューティ制御が終了し、これによって液圧が上昇してアップシフトが行われるようになる。 【0004】しかしながら、実際には自動変速機のクラッチ間隙及びソレノイド品質差などに影響され、また、パワーオフアップシフトの際の車両状態及び負荷状態に応じてンジン回転数下降特性に変化が生じるようになる。 【0005】このため、前記エンジン回転数下降特性によってタービン回転数の下降状態が変化することとなり、この下降状態の変化は、変速完了点より速く下降する場合にはアンダーシュート(Under Shoot)現象が発生し、下降状態の変化で変速完了点より遅く下降する場合にはタイアップ(Tie−Up)現象が発生する。 【0006】このようなタイアップ及びアンダーシュート現象はタービン回転数の下降によって発生し、変速完了点での液圧差などがさらに悪影響を与えることとなる。 【0007】上述のように、従来においては、パワーオフアップシフト中のレフトフットアップの際にエンジン回転数の下降によるタービン回転数の下降によって発生するタイアップやアンダーシュート現象によって変速完了点を同期させることができなくなり、液圧もまた応答時間差により走行中の変速ショックにつながって乗車感を低下させるという問題点を有していた。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の目的はパワーオフアップシフト中のレフトフットアップの際にタービン回転数の変化によって変速完了点を可変し、常に変速完了点で変速が完了するようにすることで変速ショックを防止し得る自動変速機の変速制御法を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】前記の目的を実現するために、本発明による車両用自動変速機のパワーオフアップシフトの制御方法は、アップシフト走行中にパワーオフアップシフト状態であるかを判断するパワーオフアップシフト状態判断段階と、このパワーオフアップシフト状態判断段階でパワーオフアップシフト状態であればパワーオフアップシフト条件を全て満たしているかを判断するパワーオフアップシフト条件判断段階と、このパワーオフアップシフト条件判断段階で条件を満たしていれば、液圧応答時間を測定して強制変速されないように最高デューティ値を設定し、最高デューティ値をデューティ100%に変更する際の液圧応答時間を算出する液圧応答時間算出段階と、この液圧応答時間算出段階で液圧応答時間が算出されたら、変速完了点を算出する変速完了点算出段階と、この変速完了点算出段階で算出された変速完了点と実際のエンジン回転数、タービン回転数に基づく実変速完了点とが同期するかを判断する同期判断段階と、この同期判断段階で前記算出された変速完了点と実変速完了点とが同期すれば、最高デューティ値をデューティ100%に設定して変速を完了する変速完了段階とを備えることを特徴とする。 【0010】上記、車両用自動変速機のパワーオフアップシフトの制御方法において、パワーオフアップシフト条件判断段階におけるパワーオフアップシフトの条件は、スロットルバルブ開度が0.65以下であり且つアイドルスイッチオン状態であって油温が0℃以上であることが好適であり、パワーオフアップシフト条件判断段階で条件のうちの一つでも満たしていなければ、前記液圧応答時間算出段階と、変速完了点算出段階と、同期判断段階とを省いて中立状態に維持するように液圧制御を行い実際のエンジン回転数、タービン回転数に基づく実変速完了点に達すれば、最高デューティ値をデューティ100%に設定して変速を完了するノーマルオペレーティングモードに移行するものである。また、パワーオフアップシフトの際の変速完了点算出段階では、現在から所定の周期毎にタービン回転数Ntを検出して平均タービン回転数変化率NTAVを算出し、目標タービン回転数NTobは、NTob=(タービン入力回転数÷変速段のギヤ比)×目標変速段ギヤ比により算出し、変速完了点SFは、SF=(平均タービン回転数変化率NTAV×液圧応答時間TPR)+目標タービン回転数NTobにより算出することが好適である。さらに、平均タービン回転数変化率NTAVは、20msの周期毎に現在からのタービン回転数Ntを4周期検出し、それぞれ検出されたタービン回転数Nt0乃至Nt4から周期毎のタービン回転数変化率NT1乃至NT4を算出し、NT1乃至NT4の平均値として算出するものである。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例を添付した図面に基づいて詳細に説明する。 【0012】図2は、本発明に用いられる自動変速機アップシフト制御装置のブロック図であり、車両の走行状態によって車両の状態が可変され出力される信号を感知する車両走行状態感知手段10と、前記車両走行状態感知手段10から走行状態信号を感知し、この感知された信号によって変速制御のうちで強制変速とならない最高デューティ値を設定し、最高デューティ値をデューティ100%に変更する際の液圧応答時間を算出しておいた状態でパワーオフアップシフト信号が感知されると、パワーオフアップシフトの条件を判断してタービン回転数に応じた変速完了点を算出し、この算出された変速完了点が実際のエンジン回転数、タービン回転数に基づく実変速完了点と一致するように変速制御する変速制御手段20と、前記変速制御手段20で制御され出力される変速信号で駆動する駆動手段30とから構成される。 【0013】前記車両走行状態感知手段10は、アクセルペダルの動作状態と連動して開閉状態が変化するスロットルバルブの開度率を感知するスロットルバルブ開度感知部11と、エンジンの動作状態によって変化するクランク軸の回転速度を感知するエンジン回転数感知部12と、変速機の入力側と連結されているトルクコンバータのタービン軸の回転速度を感知して該当する信号を出力するタービン軸回転数感知部13と、変速機オイル(ATF)の温度を感知する油温感知部14とから構成される。 【0014】図3は本発明の自動変速機アップシフト制御方法に対するフローチャートであり、図4は本発明の自動変速機アップシフト制御方法に対するシフト線図であって、アップシフト走行中にパワーオフアップシフト状態であるかを判断するパワーオフアップシフト状態判断段階301と、この段階301でパワーオフアップシフト状態であれば、スロットルバルブ開度が0.65以下であり、アイドルスイッチオン状態であって、油温が0℃以上であるという条件を全て満たしているかを判断するパワーオフアップシフト条件判断段階302と、この段階302で条件のうちの一つでも満たしていなければ、中立状態に維持するように液圧制御を行い実際のエンジン回転数、タービン回転数に基づく実変速完了点に達すれば、最高デューティ値をデューティ100%に設定して変速を完了するノーマルオペレーティングモード段階303に移行する。また、前記パワーオフアップシフト条件判断段階302で条件を満たしていれば、液圧応答時間を測定して強制変速されないように最高デューティ値を設定し、最高デューティ値をデューティ100%に変更する際の液圧応答時間を算出する液圧応答時間算出段階304と、この段階304で液圧応答時間が算出されたら、変速完了点を算出する変速完了点算出段階305と、この段階305で算出された変速完了点と実際のエンジン回転数、タービン回転数に基づく実変速完了点とが同期するかを判断する同期判断段階306と、この段階306で変速完了点と実変速完了点とが同期しなければ、液圧応答時間算出段階304に移行し、変速完了点と実変速完了点とが同期すれば、最高デューティ値をデューティ100%に設定して変速を完了する変速完了段階307とからなるようにしたものである。 【0015】前記のように構成された本発明は、車両走行中のアップシフト制御の際にスロットルを大きく開いた状態でアクセルペダルを離すと、エンジン回転数NE1とタービン回転数NT1とがほぼ一致する状態となるようにエンジン回転数の下降が行われ、実際のタービン回転数と変速完了点におけるエンジン回転数とが同期すると同時に変速が完了するようになる。 【0016】しかし、実際には、パワーオフアップシフトの際の車両状態及び負荷状態に応じ、エンジン回転数下降特性の変化によってタービン回転数の下降が速く進行する場合にはアンダーシュート現象が発生し、タービン回転数の下降が遅く進行する場合にはタイアップ現象が発生し、これとともに前記液圧応答時間に応じてもタービン回転数の下降が速く又は遅く対応するようになり、変速ショックが悪化する現象が生じることとなる。 【0017】したがって、走行中のパワーオフアップシフトの際に変速制御手段20は、走行中のアップシフトの際にパワーオフアップシフトが発生した状態であるのかを判断するようになる(段階301)。 【0018】このパワーオフアップシフト状態判断段階301でパワーオフアップシフトが発生していなければ予め設定した変速条件によって変速して走行をするようになり、一方、前記パワーオフアップシフトが発生すれば変速制御手段20は車両走行状態感知手段10のスロットルバルブ開度感知部11を介して感知されたスロットル開度が0.65以下であり、且つアイドルスイッチオン状態であって、また、油温感知部14を介して感知された油温が0℃以上であるかというパワーオフアップシフト条件を全て満たしているかを判断することとなる(段階302)。 【0019】このとき、前記スロットル開度、アイドルスイッチ、油温が設定条件のうちの一つでも満たしていなければ変速制御手段20では、中立状態に維持するように液圧制御を行い実際のエンジン回転数、タービン回転数に基づく実変速完了点に達すれば、最高デューティ値をデューティ100%に設定して変速を完了するノーマルオペレーティングモード段階303に移行するように制御する。 【0020】しかし、前記パワーオフアップシフト条件判断段階302で全ての条件が満たされると液圧応答時間を測定し、強制変速されないように最高デューティ値を設定するようになるが、この時、クラッチ完全作動時でのリターンスプリング力を求め、このリターンスプリング力の80%の水準に液圧を設定して最高デューティ値を設定する。続いて最高デューティ値をデューティ100%に変更する際の液圧応答時間TPRを算出しておくようになる(段階304)。 【0021】そして、パワーオフアップシフトの発生と判断して当該パワーオフアップシフトの際の変速完了点を算出することとなるが、前記変速完了点の算出はタービン回転数感知部13を介して周期20ms毎に現在からのタービン回転数Ntを4周期検出するが、各周期毎に感知されるタービン回転数Ntより、それぞれの周期当りのタービン回転数変化率NT1〜NT4を算出し、この算出されたタービン回転数変化率NT1乃至NT4を平均して、平均タービン回転数変化率NTAVを算出する。 【0022】続いて変速制御手段20では、目標変速段変速完了の際の目標タービン回転数NTobを算出するようになり、前記目標タービン回転数NTob=No×目標変速段ギヤ比で算出するようになるが、ここでNoはタービン入力回転数Nt÷変速段のギヤ比である。 【0023】このように、前記目標変速段変速完了の際の目標タービン回転数NTobの算出が完了すると、前記変速制御手段20では変速完了点を計算するようになる。 【0024】すなわち、変速完了点SF={(平均タービン回転数変化率NTAV×液圧応答時間TPR)+目標タービン回転数NTob}となる(段階305)。 【0025】続いて変速制御手段20では、変速完了点算出段階305で計算された変速完了点SFとパワーオフアップシフトの際の実際のエンジン回転数、タービン回転数に基づく実変速完了点とが同期するかを判断するようになる(段階306)。 【0026】上記同期判断段階306で判断した結果、計算された変速完了点と前記実変速完了点とが同期しなければ、液圧応答時間算出段階304に移行して液圧応答時間測定及び最高デューティ値設定、最高デューティ値を100%に変更して液圧応答時間の算出を繰り返して行いながらパワーオフアップシフトに対する変速完了点を算出し、同期するまで繰り返して行うこととなる。 【0027】一方、上記同期判断段階306で計算された変速完了点と実変速完了点とが同期すれば、最高デューティ値をデューティ100%に変更し変速を完了することとなる(段階307)。 【0028】 【発明の効果】以上、説明したように、本発明は、走行中のパワーオフアップシフトの際にパワーオフアップシフト条件であるかを判断した後、条件を満たしていれば平均タービン回転数変化率に、算出された液圧応答時間をかけた後、これに目標タービン回転数を加えて変速完了点を算出し、この算出された変速完了点と実変速完了点とが同期するかを判断して、前記算出された変速完了点が実際のエンジン回転数、タービン回転数に基づく実変速完了点と同期するように制御しながら変速を完了させることにより、パワーオフアップシフトの際に、エンジン回転数の下降によるタービン回転数の下降によって発生するタイアップやアンダーシューティング現象による走行中の変速ショックを防止することができるので、乗車感を向上させるという効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591251636 【氏名又は名称】現代自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月18日(2000.8.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093399 【弁理士】 【氏名又は名称】瀬谷 徹 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−124192(P2001−124192A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月8日(2001.5.8) |
| 【出願番号】 |
特願2000−248916(P2000−248916) |
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