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【発明の名称】 歯車保持構造
【発明者】 【氏名】本間 勇治

【氏名】清原 純一

【要約】 【課題】本発明は、樹脂製の歯車であってもシャフトに対する保持力を高めるようにした、歯車保持構造を提供することを目的とする。

【解決手段】金属製のシャフト11と、このシャフトに固定保持される樹脂製の歯車13と、を含んでいる、歯車保持構造10において、歯車の中心孔13aに対して、金属製のハトメ12が一側12aから挿入され且つ他側12bでカシメられていて、このハトメ内に、シャフトが圧入されるように、歯車保持構造10を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属製のシャフトと、このシャフトに固定保持される樹脂製の歯車と、を含んでいる、歯車保持構造において、歯車の中心孔に対して、金属製のハトメが一側から挿入され且つ他側でカシメられていて、このハトメ内に、シャフトが圧入されていることを特徴とする、歯車保持構造。
【請求項2】 上記歯車の他側にて、中心孔の周りに、カシメによりハトメの端縁が嵌入する環状の溝部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の歯車保持構造。
【請求項3】 上記シャフトが、ハトメの絞り側から圧入されることを特徴とする、請求項1に記載の歯車保持構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばモータの駆動軸等のシャフトに対して樹脂製の歯車を固定保持するための歯車保持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばモータの駆動軸に対して樹脂製の歯車を固定保持する場合、図3に示すように、モータの駆動軸1を、樹脂製の歯車2の中心孔2aに対し圧入することにより、歯車2の固定保持が行なわれる。この場合、圧入による歯車2の駆動軸1に対する保持力が使用条件より小さい場合には、一般に駆動軸1の周面に対してローレット加工1aを施すことにより、保持力を高めるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような構成の歯車保持構造においては、歯車2が樹脂製であることから、その保持力は、ローレット加工によっても、せいぜい1kg・cm以上の規格が限界であり、さらに例えばモータ駆動による駆動軸1の温度上昇がある場合には、保持力が低くなってしまうという問題があった。
【0004】本発明は、以上の点に鑑み、樹脂製の歯車であってもシャフトに対する保持力を高めるようにした、歯車保持構造を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によれば、金属製のシャフト(11)と、このシャフト(11)に固定保持される樹脂製の歯車(13)と、を含んでいる、歯車保持構造(10)において、歯車(13)の中心孔(13a)に対して、金属製のハトメ(12)が一側から挿入され且つ他側でカシメられていて、このハトメ(12)内に、シャフト(11)が圧入されていることを特徴とする、歯車保持構造(10)により、達成される。
【0006】本発明による歯車保持構造(10)は、好ましくは、上記歯車(13)の他側にて、中心孔(13a)の周りに、カシメによりハトメ(12)の端縁(12b)が嵌入する環状の溝部(13b)が形成されている。
【0007】本発明による歯車保持構造(10)は、好ましくは、上記シャフト(11)が、ハトメ(12)の絞り側(12a)から圧入される。
【0008】上記構成によれば、樹脂製の歯車(13)が、金属製のハトメ(12)を介して、金属製のシャフト(11)に保持されることになり、その際、ハトメ(12)が歯車(13)に対してカシメにより保持されると共に、シャフト(11)がハトメ(12)に圧入されることにより、固定保持される。従って、シャフト(11)とハトメ(12)の圧入は、金属材料同士の圧入になるため、歯車(13)のシャフト(11)に対する保持力が大幅に向上することになる。
【0009】上記歯車(13)の他側にて、中心孔(13a)の周りに、カシメによりハトメ(12)の端縁(12b)が嵌入する環状の溝部(13b)が形成されている場合には、ハトメ(12)の絞り側(12a)と反対側の端縁(12b)が、ハトメ(12)のカシメ加工によって、上記溝部(13b)内に嵌入するので、カシメ加工によるハトメ(12)の内径の減少が防止される。従って、ハトメ(12)へのシャフト(11)の圧入が容易に行なわれ得ることになる。
【0010】上記シャフト(11)が、内径加工制度の高いハトメ(12)の絞り側(12a)から圧入されるので、歯車(13)への駆動軸の挿入作業が容易となる。尚、上記括弧内の符号は、理解を容易にする為に付したものであり、一例に過ぎず、これらに限定されるものではない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明による歯車保持構造の一実施形態を示している。図1において、歯車保持構造10は、シャフトとしての例えばモータ等の駆動軸11と、駆動軸11に対して、ハトメ12を介して固定保持される歯車13と、から構成されている。
【0012】上記駆動軸11は、金属製であって、所定の外径を有する細長い円筒状に形成されている。
【0013】上記歯車13は、樹脂製であって、中心に所定の内径を有する中心孔13aを備えていると共に、他側(図1にて、上側)にて、中心孔13aの周囲に沿って延びる環状の溝部13bを備えている。
【0014】上記ハトメ12は、金属製、例えばシンチュウ製であって、一側(図1にて、下側)12aが、絞り加工されていると共に、歯車13の中心孔13a内に下方から挿入された後、他側(図1にて、上側)12bがカシメ加工により絞られるようになっている。
【0015】本発明実施形態による歯車保持構造10は、以上のように構成されており、組立は以下のようにして行なわれる。図2に示すように、先づハトメ12が歯車13に対して取り付けられる。即ち、ハトメ12の真っ直な他側12bが、歯車13の溝部13bと反対側から中心孔13a内に挿入された後、歯車13の他側から突出した他側12bが、カシメ加工によって、図1に示すように絞られる。
【0016】その際、カシメ加工によって絞られた他側12bの端縁は、歯車13の他側にて中心孔13aの周囲に形成された溝部13b内に嵌入する。これにより、カシメ加工が円滑に行なわれることになり、ハトメ12の他側12bがカシメ加工によって歪んで、その内径が小さくなるようなことが減少され得るようになっている。又この溝部13bへのカシメ加工により、ハトメ12が歯車13に対して強固に取付られる様になる。
【0017】続いて、歯車13に取り付けられたハトメ12の一側12a内に、駆動軸11が圧入され、図1に示すように、歯車13が駆動軸11に対して固定保持されることになる。ハトメ12の一側12aは、プレス成形により形成される為、その内径は精度よく一定とされるが、他側12bは、歯車13に挿通後溝部13bに工具等によりカシメられる事になり、カシメ後の他側12bの内径はバラツキを持つ事になる。この事から歯車13の中心孔13aへの駆動軸11の挿通は、内径精度の高い一側12a側から挿入すればスムースに挿入する事ができ、圧入作業が容易に行われ得る。
【0018】このようにして、樹脂製の歯車13が、金属製のハトメ12を介して、駆動軸11に対して固定保持されるようになっており、駆動軸11とハトメ12の金属同士の圧入により、圧入による保持力が向上することになる。さらに、ハトメ12と歯車13とはカシメにより保持されるので、全体として、歯車13の駆動軸11に対する保持力が大幅に向上し、例えば3kg・cm以上の規格が保証され得る。また、駆動軸11にローレット加工が不要であることから、市販のモータ等のシャフトをそのまま使用することができ、工程が低減され、コストが削減され得ることになる。
【0019】上記実施形態においては、シンチュウ製のハトメ12が使用されているが、これに限らず、金属製のハトメが使用され得ることは明らかである。また、上記実施形態においては、シャフトとしてモータ(直流モータ及びステッピングモータ等)の駆動軸11の場合について説明したが、これに限らず、駆動軸以外の回転軸であってもよいことは明らかである。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、樹脂製の歯車が、金属製のハトメを介して、金属製のシャフトに保持されることになり、その際、ハトメが歯車に対してカシメにより保持されると共に、シャフトがハトメに圧入されることにより、固定保持される。従って、シャフトとハトメの圧入は、金属材料同士の圧入になるため、歯車のシャフトに対する保持力が大幅に向上することになる。
【0021】 上記歯車の他側にて、中心孔の周りに、カシメによりハトメの端縁が嵌入する環状の溝部が形成されている場合には、ハトメの絞り側と反対側の端縁が、ハトメのカシメ加工によって、上記溝部内に嵌入ので、カシメ加工によるハトメの内径の減少が防止される。従って、ハトメへのシャフトの圧入が容易に行なわれ得ることになる。
【0022】上記シャフトが、内径加工精度の高いハトメの絞り側から圧入されので歯車への駆動軸の挿入作業が容易となる。
【0023】かくして、本発明によれば、樹脂製の歯車であってもシャフトに対する保持力を高めるようにした、極めて優れた歯車保持構造が提供され得ることになる。
【出願人】 【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
【出願日】 平成11年10月28日(1999.10.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−124181(P2001−124181A)
【公開日】 平成13年5月8日(2001.5.8)
【出願番号】 特願平11−306643