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【発明の名称】 差動歯車装置
【発明者】 【氏名】川村 樹生

【氏名】宇佐美 一弘

【氏名】中川 英之

【要約】 【課題】本発明は出力軸径方向での大きさを小さくでき、台車の地上高さの低減化等に対応でき、差動歯車装置の信頼性を向上できる差動歯車装置を提供する。

【解決手段】差動歯車装置11の回転駆動機構16は、ハウジング13の側面に設置された第三かさ歯車15と、第三かさ歯車15を回転駆動する第四かさ歯車20と、第四かさ歯車20が設置され、装置本体11aに回転自在に支持された入力軸19から構成されている。第三かさ歯車15は上記構造によって、ハウジング外径より小さい外径のものを用いることができる。また、装置本体11aが、第四かさ歯車20の入力軸設置面の反対面を支持する中間壁21aを有して、入力軸19を両持ちすることができるので、差動歯車装置を安定して駆動させることができる。従って、差動歯車装置の信頼性を向上することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 装置本体と、装置本体の側面に回転自在に支持された一対の出力軸と、各出力軸の端部にそれぞれ設置された第一かさ歯車と、各第一かさ歯車の各々に噛合った第二かさ歯車と、第二かさ歯車を回転自在に支持するハウジングと、ハウジングを出力軸と同軸に回転させる回転駆動機構を備えた差動歯車装置であって、前記回転駆動機構が、ハウジング側面に設置された第三かさ歯車と、第三かさ歯車を回転駆動する第四かさ歯車と、第四かさ歯車が設置され、装置本体に回転自在に支持された入力軸から構成されたことを特徴とする差動歯車装置。
【請求項2】 第三かさ歯車の外径が、ハウジングの外径より小さいことを特徴とする請求項1記載の差動歯車装置。
【請求項3】 装置本体が、入力軸の端部または第四かさ歯車の入力軸設置面の反対面を支持する支持部を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の差動歯車装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右一対の駆動輪を有する台車例えば無人台車、有軌道台車、搬送台車等に配置される差動歯車装置に関する。
【0002】
【従来の技術】左右一対の駆動輪を有する台車が旋回を行う場合、左右の車輪の回転数差を吸収すべく駆動輪には差動歯車装置が配置されている。
【0003】図6は差動歯車装置の一例を示す正面図であり、図7は図6のA−A線矢視による側面図である。
【0004】図6、図7に示すように、差動歯車装置1は、装置本体1aと、装置本体1aの側面に回転自在に支持された一対の出力軸10a、10bと、装置本体1a内に設けたハウジング3と、ハウジング3に内蔵された第一かさ歯車、第二かさ歯車を備えた差動歯車機構2と、ハウジング3を出力軸10a、10bと同軸に回転させる回転駆動機構6から構成されている。出力軸10a、10bの先端には車輪が取付けられる。
【0005】回転駆動機構6は、ハウジング3の外周に取付けられたベベルギヤ4aからなる第三かさ歯車5と、第三かさ歯車5に駆動力を伝達するベベルギヤ4bからなる第四かさ歯車9と、第四かさ歯車9を先端に取付けた入力軸8から構成されている。
【0006】第三かさ歯車5には、エンジン等の駆動機構7と接続した入力軸8、第四かさ歯車9を介して駆動力が伝達される。
【0007】差動歯車装置1の大きさは、出力軸10a、10bを中心とした縦方向の長さ即ち高さH2 と、横方向の長さ即ち幅W2 によって表示される。
【0008】また、ハウジング3に内蔵された差動歯車機構2は、通常知られているものが使用される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】差動歯車装置を配置した無人台車、有軌道台車、搬送台車等は、台車の高さを低くし、台車の長さを短くした小型化の傾向にある。
【0010】従来の差動歯車装置1は、ハウジング3の外周に固定された第三かさ歯車5に入力軸8の駆動力を伝達する構造であるため、差動歯車装置1の出力軸径方向での大きさ即ち出力軸10a、10bを中心とした縦方向の長さ(高さH2 )と横方向の長さ(幅W2 )が第三かさ歯車5の外径により決定される。
【0011】そのため、差動歯車装置1を配置した台車の地上高さや全長も差動歯車装置1の出力軸径方向での大きさに制約を受け、地上高さや全長を小さくすることが困難であった。
【0012】また、図6から明らかなように、入力軸8は第四かさ歯車9を取付けた先端がどこにも支持されていない、他端による片持ち支持であり、差動歯車装置1が駆動された場合、不安定であり、差動歯車装置1の信頼性が低い。
【0013】従って、本発明の目的は、差動歯車機構の機能を損なうことなく、出力軸径方向での大きさを小さくでき、台車の地上高さの低減化、全長の短縮化に対応でき、更に、差動歯車装置1の信頼性を向上できる差動歯車装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決するための請求項1の発明は、装置本体と、装置本体の側面に回転自在に支持された一対の出力軸と、各出力軸の端部にそれぞれ設置された第一かさ歯車と、各第一かさ歯車の各々に噛合った第二かさ歯車と、第二かさ歯車を回転自在に支持するハウジングと、ハウジングを出力軸と同軸に回転させる回転駆動機構を備えた差動歯車装置であって、前記回転駆動機構が、ハウジング側面に設置された第三かさ歯車と、第三かさ歯車を回転駆動する第四かさ歯車と、第四かさ歯車が設置され、装置本体に回転自在に支持された入力軸から構成されたことを特徴とする差動歯車装置である。
【0015】請求項2の発明は、請求項1の発明において、第三かさ歯車の外径が、ハウジングの外径より小さいことを特徴とする差動歯車装置である。
【0016】請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、装置本体が、入力軸の端部または第四かさ歯車の入力軸設置面の反対面を支持する支持部を有することを特徴とする差動歯車装置である。
【0017】この発明によれば、回転駆動機構が、ハウジングの側面に設置した第三かさ歯車と、それを回転駆動する第四かさ歯車と、第四かさ歯車を設置した入力軸から構成されているので、第三かさ歯車の外径をハウジングの外径より小さくすることができ、差動歯車装置の大きさを小さくすることができる。従って、上記差動歯車装置を配置した台車の地上高さと全長を小型化することができる。
【0018】また、装置本体が、入力軸の端部または第四かさ歯車の入力軸設置面の反対面を支持する支持部を有して、入力軸を両持ちすることができるので、差動歯車装置を安定して駆動させることができる。従って、差動歯車装置の信頼性を向上することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態について図面を参照して詳述する。
【0020】図1は本発明の一実施の形態を示す正面図であり、図2は図1のB−B線矢視による側面図であり、図3は図1の差動歯車機構を示す正面断面図であり、図4は図3のC−C線矢視による側断面図であり、図5は本発明に用いる中間壁の他の例を示す図である。
【0021】図1、図2に示すように、差動歯車装置11は、装置本体11aと、装置本体11aの側面に回転自在に支持された一対の出力軸10c、10dと、装置本体11a内に設置したハウジング13と、ハウジング13に内蔵された差動歯車機構12と、ハウジング13を出力軸10c、10dと同軸に回転させる回転駆動機構16から構成されている。
【0022】差動歯車機構12は、通常知られているものが使用され、ハウジング13に内蔵されている。ハウジング13の内部にはボス22が配置されており、このボス22からピニオンシャフト23が放射状に3個配置されている。ピニオンシャフト23の個数については適宜決めることができる。
【0023】各ピニオンシャフト23上にピニオンギヤによる第二かさ歯車24がベアリング機構18により回転自在に支持されている。上記ボス22はピニオンシャフト23を介して、ハウジング13の内側の所定位置に設けたストッパー25により、ハウジング13の中央に保持されている。
【0024】更に、ハウジング13の内部には、左右の出力軸10c、10dに設置され、固定されたサイドギヤによる第一かさ歯車26、27が配置されており、それぞれが第二かさ歯車24と噛合っている。
【0025】出力軸10c、10dは、装置本体11aと、ハウジング13を構成する蓋体17a、17bと、ハウジング13の外側の第三かさ歯車15,及び中間壁21aにベアリング機構18を介して回転自在に支持されている。出力軸10c、10dの先端には車輪が取付けられる。
【0026】蓋体17bは、外側を凸型形状にして凸部28を駆動伝達部15の裏側に設けた凹部29に嵌合させて第三かさ歯車15を固定している。
【0027】一方、中間壁21aは第四かさ歯車20を取付けた入力軸19の先端を支持するために、装置本体11aの入力軸19設置反対面に設けた支持部である。上部平坦中央部にボス30を設け、伝達駆動力軸19の先端部の凹部にベアリング機構31を介して嵌合させている。これによって、出力軸10dの変位または変形を防止して適正な駆動力を伝達することができる。
【0028】なお、入力軸19がかさ歯車20を貫通することなく、入力軸端面にかさ歯車が設置されている場合には、上記凹部はかさ歯車の端面に設けられる。
【0029】中間壁21aは出力軸10dが貫通する穴を有し、ベアリング機構18により出力軸10dを支持して剛性を高くしている。
【0030】中間壁は図5に示すように、入力軸19端部を回転自在に支持し、且つ出力軸10dに回転自在に支持される中間壁21bにすることもできる。
【0031】更に、中間壁21、21bを設けないで、入力軸19を片持ち状態にしても良い。
【0032】本発明の特徴である回転駆動機構16は、ハウジング13の側面に設置された第三かさ歯車15と、第三かさ歯車15を回転駆動する第四かさ歯車20と、第四かさ歯車20が設置され、装置本体11aに回転自在に支持された入力軸19から構成されている。
【0033】第三かさ歯車15はベアリング機構18を介して出力軸10bを貫通させ、ハウジング13の蓋体17bの外側に一体的に固定され、駆動伝達の機能を有している。第三かさ歯車15は蓋体17bの外側に一体的に固定されているが、蓋体17bに限定されるもではなく、ハウジング13の一端の外側に一体的に固定されていればよい。
【0034】第三かさ歯車15は上記構造によって、ハウジング外径より小さい外径のものを用いることができる。
【0035】第四かさ歯車20は第三かさ歯車15を回転駆動させるものであり、装置本体11aに回転自在に支持された入力軸19の先端に設置されている。
【0036】入力軸19の先端部は前述したように中間壁21上部平坦中央部にボスを設け、ベアリング機構を介してボスと嵌合させている。
【0037】回転駆動機構16によれば、第三かさ歯車15は、エンジン等の駆動機構7と接続した入力軸19とその先端に設置した第四かさ歯車20を介して駆動力が伝達される。即ち第三かさ歯車15のベベルギヤ14aと第四かさ歯車20のベベルギヤ14bとが噛み合って駆動力が伝達される。
【0038】以上の実施の形態に示すように、差動歯車装置11は、エンジン等の駆動機構7により入力軸19を駆動させ、第四かさ歯車19を介して第三かさ歯車15に駆動力を伝達し、第三かさ歯車15の駆動により、蓋体17b、ハウジング13,蓋体17aを同時に回転する。これによって、ハウジング13内部中央に配置している差動歯車機構12のボス22,ピニオンシャフト23を回転させ、ピニオンシャフト23上のピニオンギヤによる第二かさ歯車24を回転し、第二かさ歯車24と噛合っているサイドギヤによる第一かさ歯車26,27に駆動力を伝達し、出力軸10c、10dを回転駆動させる。
【0039】従って、差動歯車装置11を配置した台車が旋回等によって、左右の出力軸10c、10dの車輪の回転数差を生じても、差動歯車装置11の上記構造による機能によって回転数差が吸収され、台車が円滑に走向することができる。
【0040】以上のように、差動歯車装置11は差動歯車機構12の機能を損なうことなく、出力軸径方向での大きさを小さくでき、台車の地上高さの低減化、全長の短縮化に対応できる。
【0041】即ち、ハウジング13の蓋体17bの外側に第三かさ歯車15を一体的に固定して、ハウジング13の外径より小さい外径のものを用いているので、図2に示すように、差動歯車装置11は、高さH1 と幅W1 が、従来の差動歯車装置の高さH2 と幅W2 と比較して、H1 <H2 とW1 <W2 に縮減できる。従って、上記差動歯車装置を配置した台車の地上高さと全長を小型化することができる。また、差動歯車装置11の小型化により設備費等の低減が可能である。
【0042】また、装置本体11aが、入力軸19の端部または第四かさ歯車20の入力軸設置面の反対面を支持する支持部即ち中間壁21a、21bを有して、入力軸19を両持ちすることができるので、差動歯車装置を安定して駆動させることができる。従って、差動歯車装置の信頼性を向上することができる。
【0043】本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば第三かさ歯車をハウジング側面と一体構造とすること、中間壁側に凹部を設け、ベアリング機構を配置する等、本発明の思想を逸脱しない範囲を含む。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明は、駆動伝達を有する第三かさ歯車をハウジング側面の一端外側に固定させ、ハウジングの外径よりも小さい外径にさせ、また、第三かさ歯車に駆動力を伝達する入力軸を両持ちさせるという簡単な構造にすることによって、差動歯車機構の機能を損なうことなく、出力軸径方向での大きさを小さくでき、台車の地上高さの低減化、全長の短縮化に対応でき、更に、差動歯車装置の信頼性を向上できる。
【出願人】 【識別番号】000004123
【氏名又は名称】日本鋼管株式会社
【出願日】 平成11年10月28日(1999.10.28)
【代理人】 【識別番号】100097272
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 茂
【公開番号】 特開2001−124178(P2001−124178A)
【公開日】 平成13年5月8日(2001.5.8)
【出願番号】 特願平11−307640