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【発明の名称】 ボールねじ機構
【発明者】 【氏名】大久保 努

【氏名】中沢 健志

【要約】 【課題】リテーニングピースの循環路内壁への干渉を防止して、負荷ボールを安定して循環させることにより、トルク変動を防止すると共に、リテーニングピースの摩耗を防止して耐久性を向上すること。

【解決手段】隣接する負荷ボール5間に、負荷ボール5に夫々対面する2個の凹面11を有するリテーニングピース10が配置されている。このリテーニングピース10は、負荷ボール5の外径寸法の0.5倍以上の外径寸法を有している。さらに、リテーニングピース10は、ねじ溝循環路およびチューブ循環路を通過するとき、これらねじ溝循環路およびチューブ循環路の内壁に接触しないような外径寸法を有するか、または、負荷ボールの外径寸法の0.9倍以下の外径寸法を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ねじ軸の外周面及びナットの内周面に、互いに対応する螺旋状のねじ溝が形成され、双方のねじ溝により形成された螺旋状のねじ溝循環路内に多数の負荷ボールが転動自在に配置され、このねじ溝循環路に、ねじ溝循環路から取り出された負荷ボールを再びねじ溝循環路に戻すためのリターン循環路が連接されたボールねじ機構において、隣接する負荷ボール間に、負荷ボールに夫々対面する2個の凹面を有するリテーニングピースが配置され、このリテーニングピースは、負荷ボールの外径寸法の0.5倍以上の外径寸法を有し、且つリテーニングピースは、ねじ溝循環路およびリターン循環路を通過するとき、これらねじ溝循環路およびリターン循環路の内壁に接触しないような外径寸法を有することを特徴とするボールねじ機構。
【請求項2】ねじ軸の外周面及びナットの内周面に、互いに対応する螺旋状のねじ溝が形成され、双方のねじ溝により形成された螺旋状のねじ溝循環路内に多数の負荷ボールが転動自在に配置され、このねじ溝循環路に、ねじ溝循環路から取り出された負荷ボールを再びねじ溝循環路に戻すためのリターン循環路が連接されたボールねじ機構において、隣接する負荷ボール間に、負荷ボールに夫々対面する2個の凹面を有するリテーニングピースが配置され、このリテーニングピースは、負荷ボールの外径寸法の0.5倍以上0.9倍以下の外径寸法を有することを特徴とするボールねじ機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負荷ボール間にリテーニングピースを配置しても、負荷ボール数の減少を極力少なく抑えて負荷容量や剛性の低減を招来することがなく、しかも、負荷ボールとリテーニングピースとの摩擦を極めて小さくして、リテーニングピースの循環性を向上すると共に、負荷ボール同士のせりあいによる作動性の悪化、騒音の発生、発生音質の悪化、および負荷ボールの摩擦・損傷を防止したボールねじ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】ボールねじ機構では、図9に示すように、ねじ軸1の外周面及びナット2の内周面に、互いに対応する螺旋状のねじ溝3,4が形成され、双方のねじ溝3,4により形成された螺旋状のねじ溝循環路内に多数の負荷ボール5が転動自在に配置されている。ねじ軸1とナット2を相対的に回転させて一方を軸方向に移動させると、多数の負荷ボール5の転動を介してねじ軸1とナット2が滑らかに相対螺旋運動するようになっている。
【0003】このようなボールねじ機構では、負荷ボール5がねじ溝3,4内に密に配置されており、個々のねじ溝3,4内を同方向に転動するが、その際、隣接する負荷ボール5,5同士の接触点では、互いに逆方向に転動する負荷ボール5が接触して、相互に転動を妨げる結果、この接触点ですべりを生じる。その結果、負荷ボール5の自由な転動が妨げられ、負荷ボール5の作動性が悪化され、負荷ボール5の摩擦・損傷が生起され、トルク変動が生起されるといったこと、騒音が大きくなるといった種々の問題がある。
【0004】このような問題に対処するため、図10に示すように、負荷ボール5の間に、負荷ボール5より数十μm径の小さいスペーサボール6が介在され、これにより、負荷ボール5のすべりを防止し、負荷ボール5の作動性を改善し摩擦・損傷を抑制して、トルク変動等を防止している。
【0005】しかしながら、この図10に開示されたボールねじ機構では、負荷ボール5の個数が例えば10個であるのに対し、スペーサボール6の個数も例えば10個であり、図9の場合と比べると、負荷ボール5同士の間隔が離れ、負荷ボール5の個数が約半分になってしまい、ボールねじ機構の負荷容量が減少し、剛性が低下するといったことがある。
【0006】このようなことから、図11に示すように、隣接する負荷ボール5間に、負荷ボール5に夫々対面する2個の凹面11を有するリテーニングピース10が介装されることも知られている。そのため、負荷ボール5は、リテーニングピース10の凹面11に接触しながら、螺旋状のねじ溝3,4内を良好に循環することができる。したがって、スペーサの形状を従来のスペーサボールに比べて薄くできるため、負荷ボール数の減少を少なく抑えることができ、負荷容量や剛性の低減を招来するといったことがない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11に開示されたボールねじ機構では、リテーニングピース10の外径寸法と、負荷ボール5の外径寸法との関係が必ずしも適切に考慮されていないため、リテーニングピース10が螺旋状のねじ溝循環路やチューブ循環路を通過する時に、これら循環路の内壁に干渉するといった虞れがあり、その結果、干渉により、負荷ボール5を安定して循環させることができず、トルク変動が発生するといったこと、または、リテーニングピース10が摩耗するといったことがある。
【0008】本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、リテーニングピースの循環路内壁への干渉を防止して、負荷ボールを安定して循環させることにより、トルク変動を防止することができると共に、リテーニングピースの摩耗を防止して耐久性を向上することができるボールねじ機構を提供することを目的する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係るボールねじ機構は、ねじ軸の外周面及びナットの内周面に、互いに対応する螺旋状のねじ溝が形成され、双方のねじ溝により形成された螺旋状のねじ溝循環路内に多数の負荷ボールが転動自在に配置され、このねじ溝循環路に、ねじ溝循環路から取り出された負荷ボールを再びねじ溝循環路に戻すためのリターン循環路が連接されたボールねじ機構において、隣接する負荷ボール間に、負荷ボールに夫々対面する2個の凹面を有するリテーニングピースが配置され、このリテーニングピースは、負荷ボールの外径寸法の0.5倍以上の外径寸法を有し、且つリテーニングピースは、ねじ溝循環路およびリターン循環路を通過するとき、これらねじ溝循環路およびリターン循環路の内壁に接触しないような外径寸法を有することを特徴とする。また本発明の請求項2に係るボールねじ機構は、ねじ軸の外周面及びナットの内周面に、互いに対応する螺旋状のねじ溝が形成され、双方のねじ溝により形成された螺旋状のねじ溝循環路内に多数の負荷ボールが転動自在に配置され、このねじ溝循環路に、ねじ溝循環路から取り出された負荷ボールを再びねじ溝循環路に戻すためのリターン循環路が連接されたボールねじ機構において、隣接する負荷ボール間に、負荷ボールに夫々対面する2個の凹面を有するリテーニングピースが配置され、このリテーニングピースは、負荷ボールの外径寸法の0.5倍以上0.9倍以下の外径寸法を有することを特徴とするボールねじ機構を特徴とする。
【0010】このように、本発明によれば、第1の条件として、リテーニングピースは、負荷ボールの外径寸法の0.5倍以上の外径寸法を有している。これは、基本的には、リテーニングピースが負荷ボールの径の半分以下である場合には、リテーニングピースが隣接する負荷ボール間から持ち上がらず、リテーニングピースとしての役目を果たせないからである。
【0011】第2の条件として、リテーニングピースは、ねじ溝循環路およびリターン循環路を通過するとき、これらねじ溝循環路およびリターン循環路の内壁に接触しないような外径寸法を有するか、または、負荷ボールの外径寸法の0.9倍以下の外径寸法を有している。これは、基本的には、負荷ボールを安定して循環させるためには、負荷ボールの凹面保持代(鋼球保持代)が大きい方が好ましく、そのためには、リテーニングピースは、その外径が大きくなるが、大きくなり過ぎると、種々の曲率を有するねじ溝循環路およびリターン循環路の内壁に干渉し、作動性が悪化することになる。このようなことから、均衡をとって、リテーニングピースの外径は、極力大きくしながら、循環路内壁に干渉しない程度に抑えている。
【0012】このように、本発明によれば、隣接する負荷ボール間に、負荷ボールに夫々対面する2個の凹面を有するリテーニングピースが配置されているため、負荷ボール間にリテーニングピースを配置しても、負荷ボール数の減少を極力少なく抑えて負荷容量や剛性の低減を招来することがなく、しかも、負荷ボールとリテーニングピースとの摩擦を極めて小さくして、リテーニングピースの循環性を向上すると共に、負荷ボール同士のせりあいによる作動性の悪化、騒音の発生、発生音質の悪化、および負荷ボールの摩擦・損傷を防止することができる。
【0013】加えて、リテーニングピースの外径寸法と、負荷ボールの外径寸法との関係を適切に考慮しているため、リテーニングピースの循環路内壁への干渉を防止して、負荷ボールを安定して循環させることができ、これにより、トルク変動を防止することができると共に、リテーニングピースの摩耗を防止して耐久性を向上することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係るボールねじ機構を図面を参照しつつ説明する。
【0015】本実施の形態の説明の前に、図8を参照して、負荷ボールとリテーニングピースの個数、およびこれらの隙間の関係について説明する。
【0016】図8(a)は、本発明の第2実施の形態に係るボールねじ機構の原理を説明する図であり、図8(b)は、リテーニングピースの断面図である。
【0017】図8(a)に示すように、ねじ溝3,4により形成された螺旋状の循環路内に挿入した全てのボール5と全てのリテーニングピース10とを一方に寄せ集めたと仮定したとき、先頭に当たる負荷ボール(LEAD−B)と最後尾に当たるリテーニングピース(TAIL−S)との間にできた隙間を総隙間と規定し、この総隙間の間隔(S1)が零より大きく(即ち、S1>0)、且つ最後尾に当たる1個のリテーニングピース(TAIL−S)を除去したと仮定したとき、先頭の負荷ボール(LEAD−B)と最後尾の負荷ボール(TAIL−B)との隙間の間隔(S2)がリテーニングピースの径(ds、図8(b)参照)の0.8倍より小さく(即ち、S2<0.8×ds)なるように、負荷ボール5とリテーニングピース10の個数が設定されている。
【0018】このように、循環路の総隙間の間隔(S1)が、S1>0に設定され、且つ、1個のリテーニングピース(TAIL−S)を除去したときの、先頭の負荷ボール(LEAD−B)と最後尾の負荷ボール(TAIL−B)との隙間の間隔(S2)が、S2<0.8×dsに設定されている。そのため、循環路内の隙間が大き過ぎてリテーニングピース10が循環路内で倒れることがないと共に、この循環路内の隙間が小さ過ぎて負荷ボール5とリテーニングピース10の摩擦により作動不良を招来するといったことがなく、この循環路内の隙間(S1,S2)が適切に設定されていることから、循環路内でリテーニングピース10が約60°以上に倒れることがなく、良好な作動性を維持することができる。
【0019】次に、本実施の形態では、上述したような条件を考慮して、リテーニングピースの外径寸法や形状を規定している。
【0020】図1は、本発明の実施の形態に係るボールねじ機構の模式図であり、図2は、隙間が存在する場合におけるリテーニングピースと負荷ボールの状態を示す模式図であり、図3は、リテーニングピースの側面形状を示す模式図であり、図4(a)は、リテーニングピースの外径寸法(ds)が負荷ボールの外径寸法(Dw)の0.5倍以上の場合の模式図であり、図4(b)は、リテーニングピースの外径寸法(ds)が負荷ボールの外径寸法(Dw)の0.5倍以下の場合の模式図であり、図5は、変形例に係るリテーニングピースを示す模式図である。
【0021】本実施の形態では、第1の条件として、リテーニングピース10は、負荷ボール5の外径寸法の0.5倍以上の外径寸法を有している。
【0022】これは、リテーニングピース入りのボールねじ機構では、上記のように総隙間が存在するため、全てのリテーニングピース10が完全に隣接する負荷ボール5間に拘束されるわけではなく、幾つかのリテーニングピース10は、循環路内で、図2に示すように、フリーの状態(隙間が存在する状態)となる。このような隙間が存在する状態から通常の負荷ボール5間にリテーニングピース10が保持された状態に復帰するためには、図4(a)に示すように、リテーニングピース10は、負荷ボール5の外径寸法の0.5倍以上の外径寸法を有している必要がある。別言すれば、循環路に、負荷ボール5→リテーニングピース10→負荷ボール5と並べた場合、リテーニングピース10の高さが負荷ボール5の中心を結んだ線上より上にないと、図4(b)に示すように、リテーニングピース10を通常位置に持ち上げる力が働かず、リテーニングピース10としての役目を果たせないからである。
【0023】次に、本実施の形態では、第2の条件として、リテーニングピース10は、ねじ溝循環路およびチューブ循環路を通過するとき、これらねじ溝循環路およびチューブ循環路の内壁に接触しないような外径寸法を有するか、または、負荷ボール5の外径寸法の0.9倍以下の外径寸法を有している。
【0024】(イ)この第2の条件の理由の一つとして、負荷ボール5のための凹面保持代(鋼球保持代、図3)を確保するため、リテーニングピース10の外径はできるだけ大きくする必要がある。
【0025】すなわち、リテーニングピース10を隣接する負荷ボール5間に保持した状態で安定して循環させるためには、負荷ボール5のための凹面保持代(鋼球保持代、図3)を大きくとる必要がある。しかし、この凹面保持代(鋼球保持代)を大きくするためには、リテーニングピースの外径が大きくなるからである。
【0026】(ロ)第2の条件の理由の二つ目として、リテーニングピース10が種々の曲率を有する循環路の内壁に干渉しないようにする必要がある。
【0027】すなわち、チューブ式ボールねじ機構の場合、負荷を受けるねじ溝循環路と、負荷ボールを戻すためのチューブ循環路(リターン循環路)があるが、ねじ溝循環路は、所定の曲率を有していると共に、チューブ循環路は、図1に示すように、曲げ部12やボール掬い上げ部13において、それぞれ、所定の曲率を有している。このような種々の曲率を有する循環路において、リテーニングピース10が循環路の内壁に干渉しないようにする必要がある。例えば、図1に、リテーニングピース10の連続した軌跡を示すように、リテーニングピース10が内壁に干渉することなく、ボール掬い上げ部13を通過するようにする必要がある。
【0028】このように、第2の条件では、負荷ボール5を安定して循環させるためには、負荷ボール5の凹面保持代(鋼球保持代、図3)が大きい方が好ましく、そのためには、リテーニングピース10は、その外径が大きくなるが、大きくなり過ぎると、種々の曲率を有するねじ溝循環路およびリターン循環路の内壁に干渉し、作動性が悪化することになる。このようなことから、均衡をとって、リテーニングピース10の外径は、極力大きくしながら、循環路内壁に干渉しない程度に抑えている。すなわち、第2の条件を「リテーニングピース10は、ねじ溝循環路およびチューブ循環路を通過するとき、これらねじ溝循環路およびチューブ循環路の内壁に接触しないような外径寸法を有するか、または、負荷ボール5の外径寸法の0.9倍以下の外径寸法を有している」に規定している。
【0029】次に、図1ないし図4に示すように、リテーニングピース10の形状に関しては、負荷ボール5に夫々対面する2個の凹面11を有しており、径方向の外周面は、平坦に形成されている。これにより、リテーニングピース10は、ねじ溝循環路およびチューブ循環路の内壁に干渉することなく、これらねじ溝循環路およびチューブ循環路を通過することができる。
【0030】また、リテーニングピース10の形状に関しては、図5に示すように、径方向の外周面は、三角の凹状形状に形成してあってもよい。この場合には、リテーニングピース10の外径寸法を小さくしたのと同じ効果を得ることができ、凹面保持代(鋼球保持代)を大きくとったまま、チューブ循環路における曲げ部12やボール掬い上げ部13での干渉を避けることができる。
【0031】さらに、図1に示すように、チューブ循環路における曲げ部12の曲げRを、以下のように設定してもよい。
【0032】R≒(BCD−Dw)/2ここで、BCDは、負荷ボールピッチ円直径、Dwは、負荷ボールの外径寸法であり、(BCD−Dw)は、みぞ底径である。このように、チューブ循環路における曲げ部12の曲げRを比較的大きく設定することにより、リテーニングピース10の曲げ部12での干渉を避けることができ、リテーニングピース10を安定して循環させることができる。
【0033】なお、負荷ボール5間の距離が長くなると、循環路における曲げ部を通過する場合に、リテーニングピース10の外径寸法を大きくしたのと同じ傾向になる。ここでは、負荷ボール5間の距離を負荷ボール5の外径の1.3倍以下とすることにより、リテーニングピース10の外径寸法を前記の範囲に収めることで前記の効果を期待できる。
【0034】なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。
【0035】
【実施例】図1は、負荷ボール(鋼球)径が3.175であり、ボールねじ軸径がφ32mmであり、リードが5mmであるボールねじ機構に、リテーニングピース10を挿入した場合の軸方向と直交する断面でのリテーニングピース10の挿入状態を示す。この場合のリテーニングピース10は、その外径が負荷ボール5の外径の90%であり、負荷ボール5間の距離は、負荷ボール5の外径の115%である。この図1からわかるように、所定曲率のねじ溝循環路、および、チューブ循環路における曲げ部12やボール掬い上げ部13において、リテーニングピース10がそれらの内壁に干渉しないのが分かる。このような状態の場合、実際のトルク特性、リテーニングピースの耐久性について問題のない実験結果が得られている。
【0036】また、図6は、従来に係り、リテーニングピースの外径寸法が負荷ボールの外径寸法の0.95倍である場合のトルク特性の実験結果を示すグラフである。この場合には、リテーニングピース10がチューブ循環路の曲げ部12等に干渉するため、リテーニングピース10が曲げ部12を通過する周期でトルク上昇(ヒゲ)が見られる。
【0037】さらに、図7は、本発明に係り、リテーニングピースの外径寸法が負荷ボールの外径寸法の0.9倍である場合のトルク特性の実験結果を示すグラフである。この場合には、リテーニングピース10がチューブ循環路の曲げ部12等に干渉せず、リテーニングピース10が曲げ部12を通過する際のトルク上昇(ヒゲ)も生起されず、トルク特性が改善されているのが分かる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、隣接する負荷ボール間に、負荷ボールに夫々対面する2個の凹面を有するリテーニングピースが配置されているため、負荷ボール間にリテーニングピースを配置しても、負荷ボール数の減少を極力少なく抑えて負荷容量や剛性の低減を招来することがなく、しかも、負荷ボールとリテーニングピースとの摩擦を極めて小さくして、リテーニングピースの循環性を向上すると共に、負荷ボール同士のせりあいによる作動性の悪化、騒音の発生、発生音質の悪化、および負荷ボールの摩擦・損傷を防止することができる。
【0039】加えて、リテーニングピースの外径寸法と、負荷ボールの外径寸法との関係を適切に考慮しているため、リテーニングピースの循環路内壁への干渉を防止して、負荷ボールを安定して循環させることができ、これにより、トルク変動を防止することができると共に、リテーニングピースの摩耗を防止して耐久性を向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
【出願日】 平成11年10月22日(1999.10.22)
【代理人】 【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄 (外1名)
【公開番号】 特開2001−124172(P2001−124172A)
【公開日】 平成13年5月8日(2001.5.8)
【出願番号】 特願平11−301473