| 【発明の名称】 |
電動式リニアアクチュエータ |
| 【発明者】 |
【氏名】山口 幹雄
【氏名】川田 大作
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| 【要約】 |
【課題】小さなストロークを有する構造で、摩擦が小さく良好な効率を有する構造を実現する。
【解決手段】電動モータ2によりねじ軸3aを回転させ、ナット部材14aを軸方向に変位させる。ハウジング1の先端部外周面と出力軸部材16との間にベローズ28を設け、異物の進入防止を図る。構成各部材の中心軸がずれても、大きな摩擦力が加わる事を防止して、上記課題を解決できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジングと、このハウジングに支持された正転逆転自在な電動モータと、このハウジングに回転のみ自在に支持されてこの電動モータにより回転駆動されるねじ軸と、自身の回転を阻止された状態でこのねじ軸に係合し、このねじ軸の回転に伴ってこのねじ軸の軸方向に変位するナット部材とを備えた電動式リニアアクチュエータに於いて、上記ナット部材の作動ストロークSと上記ねじ軸の外径Dとの比S/Dが8以下であり、上記ねじ軸とナット部材との螺合部を、弾性変形自在なカバー若しくは伸縮自在なベローズでのみ覆った事を特徴とする電動式リニアアクチュエータ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明に係る電動式リニアアクチュエータは、例えば自動車用変速機の変速比を自動的に切り替える為、或はクラッチを自動的に断接させる為の駆動装置として、それぞれ利用できる。 【0002】 【従来の技術】電動モータを駆動源として伸縮し、各種物品を変位させる電動式リニアアクチュエータとして従来から、特開平8−322189号公報、同9−327149号公報、米国特許第5669264号明細書等に記載されたものが知られている。これら各公報に記載される等により従来から知られている電動式リニアアクチュエータは、ハウジングに支持された正転逆転自在な電動モータにより、このハウジング内に回転のみ自在に支持されたねじ軸の回転に伴って、このねじ軸に係合させたナット部材を軸方向に変位させ、このナット部材にその基端部を結合した、少なくとも基端部を筒状に構成した出力軸部材を軸方向に変位させるものである。又、これら各従来技術の場合には、この出力軸部材の基部周囲を筒状のカバーにより覆い、上記ねじ軸とナット部材との螺合部に異物が入り込む事を防止している。又、上記出力軸部材の外周面と上記カバーの先端部内周面とは、互いに摺接させている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上述の様な従来から知られている電動式リニアアクチュエータは、例えば電動ベッド等、比較的大きなストロークを必要とする用途に考えられたもので、本発明の対象となる様な、自動車用変速機の変速比切り替え用として使用する場合には不向きな構造である。即ち、従来構造の場合には、筒状のカバーによりねじ軸とナット部材との螺合部に異物が入り込む事を防止している為、これらカバーとねじ軸と出力軸部材との中心軸同士が、組み付け誤差等、何らかの原因で不一致になった場合には、上記カバーの先端部外周面と出力軸部材の外周面との間に作用する摩擦力が大きくなる。特に、本発明が対象としている様な、ストロークが小さな構造の場合には、上述の様な中心軸同士の不一致に基づく摩擦力の増大が著しくなって、円滑な作動を確保できず、効率が低下する可能性がある。本発明は、この様な事情に鑑みて、ストロークの小さな、しかも組み付け誤差等に拘らず優れた効率を得られる電動式リニアアクチュエータを、低コストで実現すべく発明したものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の電動式リニアアクチュエータは、従来から知られている電動式リニアアクチュエータと同様に、ハウジングと、このハウジングに支持された正転逆転自在な電動モータと、このハウジングに回転のみ自在に支持されてこの電動モータにより回転駆動されるねじ軸と、自身の回転を阻止された状態でこのねじ軸に係合し、このねじ軸の回転に伴ってこのねじ軸の軸方向に変位するナット部材とを備えている。特に、本発明の電動式リニアアクチュエータに於いては、上記ナット部材の作動ストロークSと上記ねじ軸の外径Dとの比S/Dが8以下であり、上記ねじ軸とナット部材との螺合部を、弾性変形自在なカバー若しくは伸縮自在なベローズでのみ覆っている。 【0005】 【作用】上述の様に構成する本発明の電動式リニアアクチュエータによれば、カバー若しくはベローズの存在に基づく、ナット部材の変位に対する抵抗を小さく抑えて、効率の高い構造を実現できる。 【0006】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の第1例を示している。略円筒状のハウジング1の一端部(図1の左端部)に、正転逆転自在な電動モータ2を支持固定している。又、上記ハウジング1の中間部内側にねじ軸3の中間部基端寄り部分を、深溝型玉軸受の如く、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承自在な転がり軸受4により、回転のみ自在に支持している。尚、この転がり軸受4を構成する外輪5は、上記ハウジング1の中間部内周面に形成した内向フランジ状の鍔部6の内面(図1の左側面)基端部とこのハウジング1の内周面に係止したストップリング7との間で挟持して、軸方向への変位を阻止している。又、上記転がり軸受4を構成する内輪8は、上記ねじ軸3の中間部に形成した段部9とこのねじ軸3の基端部(図1の左端部)外周面に係止したストップリング10とにより挟持して、このねじ軸3に対し上記内輪8が軸方向に変位する事を防止している。そして、上記ねじ軸3の基端部で上記転がり軸受4よりも突出した部分と上記電動モータ2の出力軸11とを、カップリング部12により、回転力の伝達自在に結合している。図示の例では、このカップリング部12の周囲にも、別の転がり軸受13を配置している。 【0007】上記ねじ軸3の周囲には、ナット部材14を螺合させている。従ってこのナット部材14は、後述する様にして自身の回転を阻止すれば、上記ねじ軸3の回転に伴ってこのねじ軸3の軸方向に変位する。本例の電動式リニアアクチュエータ15の場合、電動モータ2の故障時にも上記ナット部材14を軸方向に変位させられる様にすべく、このナット部材14と上記ねじ軸3とを、逆作動可能に係合させている。この為に、このナット部材14の内周面に形成した雌ねじ及びねじ軸3の外周面に形成した雄ねじのピッチ(リード)を大きくしている。又、このナット部材14の片端面(図1の右端面)には円筒状の出力軸部材16の基端部を、これらナット部材14と出力軸部材16とを一体に造る事により結合している。 【0008】又、上記ねじ軸3の先端面で上記出力軸部材16の内側に位置する部分には、このねじ軸3よりも大径の端板19を、ボルト20により結合固定している。従って上記ナット部材14は、前記鍔部6の外面(図1の右側面)と上記端板19との間部分でのみ、軸方向に亙る変位が自在である。図1は、上記ナット部材14が中立位置に存在する状態で示しており、この状態でこのナット部材14の軸方向両端面と上記鍔部6の外面及び上記端板19との間には、それぞれ全ストロークSの1/2ずつ(S/2)の隙間が存在する。又、本例の場合には、この全ストロークSは、上記ねじ軸3の外径(ねじ山の頂部までの直径)Dの凡そ6倍(S≒6D)としている。 【0009】又、上記出力軸部材16の先端部にはボルト等を挿通する為の通孔17を形成して、この出力軸部材16を、自動車用変速機の入力部等、電動式リニアアクチュエータ15により駆動すべき被駆動部材に結合自在としている。更に、上記出力軸部材16の内側先端寄り部分でこの通孔17よりも中間寄り部分はキャップ18により塞いで、上記出力軸部材16の先端開口側から、上記ねじ軸3とナット部材14との螺合部への異物の進入防止を図っている。 【0010】更に、前記ハウジング1の先端部(図1の右端部)外周面には、カバー21の基端部(図1の左端部)を外嵌支持している。このカバー21は、合成樹脂を射出成形或はブロー成形する事により、先端部(図1の右端部)に向かう程外径が小さくなる、テーパ円筒状に形成して成る。この様なカバー21の基端部は、その内周面に形成した突条22を上記ハウジング1の先端部外周面に形成した係止溝23に緩く(若干の揺動変位自在に)嵌合係止する事により、このハウジング1に結合している。この状態で上記カバー21の先端部内周面は、上記出力軸部材16の外周面に摺接若しくは近接対向している。この様なカバー21は、上記出力軸部材16の基端面(図1の左端面)と上記ハウジング1の先端面との間から、上記ねじ軸3とナット部材14との螺合部に異物が進入する事を防止する。尚、この異物進入防止効果を向上させる為、上記カバー21の先端部内周面に、複数本の凹溝(又は突条)を全周に亙って形成し、このカバー21の先端部内周面と上記出力軸部材16の外周面との間に、ラビリンスシールを設ける事もできる。 【0011】上述の様に構成する本例の電動式リニアアクチュエータ15の使用時には、上記ハウジング1を、取付孔24を利用する等により図示しない固定部分に、固定若しくは揺動自在に支持する。又、上記出力軸部材16の先端部を図示しない被駆動部材に、前記通孔17を挿通したボルト等の取付部材により結合する。この状態では、前記ねじ軸3の回転に拘らず、上記出力軸部材16及び上記ナット部材14が回転する事がなくなる。そこで、前記電動モータ2により上記ねじ軸3を所定方向に回転させれば、前記ナット部材14及び上記出力軸部材16が軸方向に変位し、上記被駆動部材を変位させる。 【0012】又、本例の電動式リニアアクチュエータ15の場合には、上記ハウジング1に対して、弾性を有するカバー21が、若干の変位自在に支持されている為、このカバー21の先端部が上記出力軸部材16に対して円滑に追従する。従って、このカバー21の先端部内周面とこの出力軸部材16の外周面との摺接部の面圧が部分的に高くなる事がなくなる。この結果、このカバー21の存在に基づく、上記ナット部材14の変位に対する抵抗を小さく抑えて、効率の高い構造を実現できる。 【0013】次に、図2は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、ねじ軸3aの外周面並びにナット部材14aの内周面にそれぞれボールねじ溝を形成すると共に、これら両ボールねじ溝同士の間に、複数個のボール25を介在させて、ボールねじ機構26を構成している。尚、これら各ボール25を循環させる為の循環チューブは、図示を省略している。上記ボールねじ機構26は、上記ボールねじ溝のピッチを小さくしても逆作動が可能である。そこで本例の場合には、このピッチを小さくして、電動モータ2のトルクの割合に大きな出力を得られる様にしている。この為、必要とするストロークを確保する為には、上記電動モータ2の回転数が多くなるので、回転検出器27によりこの回転数を計測し、この回転数から上記ストロークを計測自在としている。 【0014】更に本例の場合には、ハウジング1の先端部(図2の右端部)外周面に、ベローズ28の基端部(図2の左端部)を外嵌し、更にバンド29により抑え付ける事により支持している。このベローズ28は、ゴムにより蛇腹状に形成する事で、伸縮自在に構成して成る。この様なベローズ28の先端部は、出力軸部材16の外周面に外嵌している。本例の場合には、この様なベローズ28により、上記出力軸部材16の基端面(図2の左端面)と上記ハウジング1の先端面との間を塞いでいる。その他の部分の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様である。 【0015】次に、図3は、本発明の実施の形態の第3例を示している。前述した第1例及び上述した第2例の場合には、ねじ軸と電動モータとを互いに同心に配置していたのに対して、本例の場合には、ねじ軸3bの側方に電動モータ2を、このねじ軸3bに対し平行に設けている。そして、この電動モータ2の出力軸11により回転駆動自在とした駆動歯車30と、上記ねじ軸3bの基端部(図3の左端部)にスプライン係合させた従動歯車31とを、中間歯車32を介して噛合させ、上記電動モータ2により上記ねじ軸3bを回転駆動自在としている。 【0016】本例の場合、上記電動モータ2とねじ軸3bとの配置を変えた以外の基本的な構成及び作用は、前述した第1例或は上述した第2例の場合とほぼ同様であるが、具体的構造に於いて本例は、次の様な点で、第1例或は第2例の場合と相違している。先ず第一に、ナット部材14の軸方向片端面(図3の左端面)が対向する、ハウジング1aの内周面に形成した鍔部6aの外側面、及び、上記ナット部材14の軸方向他端面(図3の右端面)に、それぞれ緩衝リング33a、33bを装着している。これら各緩衝リング33a、33bは、上記ナット部材14が移動方向端部まで変位した状態で、このナット部材14を緩衝的に受け止めるもので、それぞれがゴム等の、内部損失が大きな材料により円環状に構成している。又、上記ねじ軸3bの基端部(図3の左端部)には、リードの大きなウォーム34を形成し、このウォーム34とウォームホイール35とを噛合させている。そして、このウォームホイール35により回転検出器(図3には省略)を駆動し、上記ねじ軸3bの回転数並びに上記ナット部材14のストロークを計測自在としている。 【0017】次に、図4は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、外周面にボールねじ溝を形成したねじ軸3aの先端面に、断面L字形で円輪状の端板19aを、ボルト20により固定している。そして、上記ねじ軸3aの周囲にナット部材14aを、ボールねじ機構26を介して、このねじ軸3aの回転に伴う軸方向移動自在に設けている。そして、ハウジング1の先半部(図4の右半部)外周面と上記ナット部材14aの片端部(図4の左端部)外周面との間、並びにこのナット部材14aの他端部(図4の右端部)外周面と上記端板19aの外周面との間に、それぞれベローズ28a、28bを掛け渡している。更に、上記ナット部材14aの中間部外周面の直径方向反対側2個所位置に設けた係止孔36、36に、被駆動部材37の端部に設けた突部38、38を挿入している。その他の構成及び作用は、前述した第2例の場合とほぼ同様である。但し、本例の場合には、上記ナット部材14aのストロークが小さいので、電動モータ2の回転数を測定する為のポテンショメータは省略している。 【0018】 【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成し作用するので、ストロークが小さいが、組み付け誤差等に拘らず優れた効率を得られる電動式リニアアクチュエータを、低コストで実現できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004204 【氏名又は名称】日本精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月27日(1999.10.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087457 【弁理士】 【氏名又は名称】小山 武男 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−124171(P2001−124171A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月8日(2001.5.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−304986 |
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